ゲスト
(ka0000)
【反影】イントゥ・ザ・ユニオン
マスター:KINUTA

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2018/02/01 22:00
- リプレイ完成予定
- 2018/02/10 22:00
オープニング
クリムゾン世界の反対側に横たわるのは邪神の領域。なにもかもが潰え果てた死の荒野。
その各所に点在するのは虚無――暗黒のドーム。
ドーム内には様々な異界が存在している。
それがどうして出来たのか何のためにあるのか、まだ詳しいことは分かっていない。ただ一つだけ確かなのは、そこにある世界が「もうどこにも存在していない」世界であるということだけ……。
●マゴイさん乗り込む
異界で待っていたのはひりつく乾ききった風と、それによって巻き上げられた多量の土埃だった。
英霊マゴイは咳き込みながら結界を張り、視界と安全を確保する。
彼女は今、体にかかる「重さ」を感じていた。どういう作用かは分からないが、この世界に足を踏み入れた瞬間実体を得たのである。
「……負のマテリアルが濃すぎる……」
そう言った直後、至近距離で地盤崩壊が起きる。後に残るのは計り知れない深さの大穴だけ。
続けて背後からまた地響きが聞こえた。どうやら自分が依って立つこの地面、とめどなく壊れ続けているらしい。
ユニオンは一体どうなってしまっているのだろう。
焦燥にかられながら彼女は歩きだす。転移の術を使うことはしなかった。なるべく力を使いたくなかったのだ。何しろ虚無のただ中においては、ただ立っているだけでもマテリアルが消費されていくので。
「……急がないと……」
とは言うものの彼女の歩みは、もどかしいほど遅かった。
マゴイの運動能力は、とびきり低い。彼らはそういう風に作られている。
●ここは敷居の高い国
荒野に立つ大きな大きな、とてつもなく大きな四角い箱。恐らくは、結界。
ハンターたちはその中へ入ろうと試みたが、入れなかった。足を踏み入れたと同時に外へ出てしまうのだ。何度やっても同じことだった。
らちが明かないと見た彼らは、口々に呼びかけてみる。
「もしもーし、誰かいませんか、もしもーし!」
「入れてくださいませんかー!」
結界の一部からするりと2人の人間が出てきた。
詰め襟の白いワンピースを着た長い髪の女性と、詰め襟の白いツーピースを着た短い髪の男性。両者驚くほど顔が似ている。
「……あやしい人達ね……」
「……どう見ても市民じゃないね……」
「……人に偽装した歪虚ではないかしら……」
「……オートマトンかも……」
「……どっちにしても入れない方がいい……市民の安全のために……」
「……僕もそう思うね……」
自分たちだけで話を進めて行く彼らに、ハンターの1人が言った。
「いやいや、違いますから、私たち人間ですから!」
「……あんなこと言ってる……」
「……信じがたいね……」
「……これは会議を開いてマゴイ全体で対処方針を検討すべき案件ではないかしら……」
「……どうもそのようだね……」
それだけ言い残し結界の内側に消える男女。そのままいくら待っても音沙汰なし。
戻ってこない相手に見切りをつけたハンターたちは、どうにか入れないかと試行錯誤し始めた。そこに近づいてきたのは、先ほど出てきた男女に顔が良く似た人物――英霊マゴイ。
悠然と歩いて(本人的にはそうじゃなかったのだが)来た彼女はハンターたちとの挨拶もそこそこに結界へ穴を空け、中へ入って行く。ハンターたちがその後に続いた。
マゴイはそれを見届けて穴を閉じ(彼女的に)せかせか急いで、行く手にそびえる巨大な建築物の方へ行ってしまう。
結界の中は、一風変わった趣の町であった。
建築物のどれもこれも差異が無い。判で押したように四角く白い。そのせいだろうか、街路樹は青々茂り花壇は花盛りなのに、なんだか味気無く見える。
そして驚くべきことに、人間にも差異が無い。
集まってきた人々の容姿が男女とも多く被っている。双子が多いとかそういうレベルではない。パッと見渡しただけで同パターンの顔を6つ7つすぐ発見出来てしまうのだから。
服も統一されている。どことなく作業服を思わせるデザインで、色は緑。
ハンターたちは異様さを感じ戸惑ったが、向こうはそれ以上に戸惑っていた。
「おい、なんやあいつら」
「市民じゃないぞ」
「ソルジャーを呼んで来た方がいいんじゃないか」
そこに赤服の一団がやってきた。数は10人。こちらも緑服の人々と変わらず、容姿が被り気味だ。
ライダスーツのような赤い服を着ている。左腕に細長い盾のようなものをつけ、右手に棒のようなものを持ち――片眼鏡型のインカムをかけている。
金髪の女が胸を反らし、話しかけてきた
「お前たち、何者――」
直後、どこからともなくアナウンスが入った。
【市民、市民、ユニオンに侵入者が入ってきました。ワーカーは避難してください。ソルジャーは対象を破壊してください。繰り返します。ワーカーは避難してください。ソルジャーは――】
緑服の人々が一斉に散る。
赤服の目付きが変わった。殺気を漲らせハンターたちへ襲いかかってくる。
●果てしなきリプレイ
ユニオンにおける施政の中心、タワー。方形を組み合わせて出来た螺旋状の巨大な建築物。
その地下でマゴイたちは今日も大中小様々な会議をしている。今日になっても会議をしている。滅亡まで24時間を切っているのだがそれでも会議をしている。きっと死んでも会議を止めないのだろう。事実そうなっているわけだが。
スーツに似た青い服を着たステーツマンは自室に引きこもっている。
扉の外からマゴイたちの切羽詰まった声が聞こえてくるが全て無視だ。
「α・ステーツマン、承認を!」
「α・ステーツマン、許可を!」
「α・ステーツマン、裁定を!」
それらを全て無視し寝転がっていた彼は、次の声でふと起き上がった。
「α・ステーツマン……! なぜ会議に出てこないの……!」
「……来たね、μ」
満足そうな呟きを彼が漏らしたところで、タワー全体に重苦しい音が響いた。
それは市民生産機関の神聖なる心臓部、共同体社会の子宮であるウテルスが上げている悲鳴だった。
ウテルスが死にかけている。
その事実にマゴイたちは激しく動揺した。悲鳴を上げ、誰も彼もが一斉にそちらへ向かう。いたいけにして守ってやらなければならないものを救おうと。
市民生産機関管理者としての反射訓練教育を受けてきた者にとって、それは当然引き起こされてしかるべき反応だった。
英霊マゴイもマゴイとしての意識を持っているからには同じことだ。常になく取り乱し、皆と一緒にウテルスへ向かう。身を焼くような悲嘆にかられて。
その各所に点在するのは虚無――暗黒のドーム。
ドーム内には様々な異界が存在している。
それがどうして出来たのか何のためにあるのか、まだ詳しいことは分かっていない。ただ一つだけ確かなのは、そこにある世界が「もうどこにも存在していない」世界であるということだけ……。
●マゴイさん乗り込む
異界で待っていたのはひりつく乾ききった風と、それによって巻き上げられた多量の土埃だった。
英霊マゴイは咳き込みながら結界を張り、視界と安全を確保する。
彼女は今、体にかかる「重さ」を感じていた。どういう作用かは分からないが、この世界に足を踏み入れた瞬間実体を得たのである。
「……負のマテリアルが濃すぎる……」
そう言った直後、至近距離で地盤崩壊が起きる。後に残るのは計り知れない深さの大穴だけ。
続けて背後からまた地響きが聞こえた。どうやら自分が依って立つこの地面、とめどなく壊れ続けているらしい。
ユニオンは一体どうなってしまっているのだろう。
焦燥にかられながら彼女は歩きだす。転移の術を使うことはしなかった。なるべく力を使いたくなかったのだ。何しろ虚無のただ中においては、ただ立っているだけでもマテリアルが消費されていくので。
「……急がないと……」
とは言うものの彼女の歩みは、もどかしいほど遅かった。
マゴイの運動能力は、とびきり低い。彼らはそういう風に作られている。
●ここは敷居の高い国
荒野に立つ大きな大きな、とてつもなく大きな四角い箱。恐らくは、結界。
ハンターたちはその中へ入ろうと試みたが、入れなかった。足を踏み入れたと同時に外へ出てしまうのだ。何度やっても同じことだった。
らちが明かないと見た彼らは、口々に呼びかけてみる。
「もしもーし、誰かいませんか、もしもーし!」
「入れてくださいませんかー!」
結界の一部からするりと2人の人間が出てきた。
詰め襟の白いワンピースを着た長い髪の女性と、詰め襟の白いツーピースを着た短い髪の男性。両者驚くほど顔が似ている。
「……あやしい人達ね……」
「……どう見ても市民じゃないね……」
「……人に偽装した歪虚ではないかしら……」
「……オートマトンかも……」
「……どっちにしても入れない方がいい……市民の安全のために……」
「……僕もそう思うね……」
自分たちだけで話を進めて行く彼らに、ハンターの1人が言った。
「いやいや、違いますから、私たち人間ですから!」
「……あんなこと言ってる……」
「……信じがたいね……」
「……これは会議を開いてマゴイ全体で対処方針を検討すべき案件ではないかしら……」
「……どうもそのようだね……」
それだけ言い残し結界の内側に消える男女。そのままいくら待っても音沙汰なし。
戻ってこない相手に見切りをつけたハンターたちは、どうにか入れないかと試行錯誤し始めた。そこに近づいてきたのは、先ほど出てきた男女に顔が良く似た人物――英霊マゴイ。
悠然と歩いて(本人的にはそうじゃなかったのだが)来た彼女はハンターたちとの挨拶もそこそこに結界へ穴を空け、中へ入って行く。ハンターたちがその後に続いた。
マゴイはそれを見届けて穴を閉じ(彼女的に)せかせか急いで、行く手にそびえる巨大な建築物の方へ行ってしまう。
結界の中は、一風変わった趣の町であった。
建築物のどれもこれも差異が無い。判で押したように四角く白い。そのせいだろうか、街路樹は青々茂り花壇は花盛りなのに、なんだか味気無く見える。
そして驚くべきことに、人間にも差異が無い。
集まってきた人々の容姿が男女とも多く被っている。双子が多いとかそういうレベルではない。パッと見渡しただけで同パターンの顔を6つ7つすぐ発見出来てしまうのだから。
服も統一されている。どことなく作業服を思わせるデザインで、色は緑。
ハンターたちは異様さを感じ戸惑ったが、向こうはそれ以上に戸惑っていた。
「おい、なんやあいつら」
「市民じゃないぞ」
「ソルジャーを呼んで来た方がいいんじゃないか」
そこに赤服の一団がやってきた。数は10人。こちらも緑服の人々と変わらず、容姿が被り気味だ。
ライダスーツのような赤い服を着ている。左腕に細長い盾のようなものをつけ、右手に棒のようなものを持ち――片眼鏡型のインカムをかけている。
金髪の女が胸を反らし、話しかけてきた
「お前たち、何者――」
直後、どこからともなくアナウンスが入った。
【市民、市民、ユニオンに侵入者が入ってきました。ワーカーは避難してください。ソルジャーは対象を破壊してください。繰り返します。ワーカーは避難してください。ソルジャーは――】
緑服の人々が一斉に散る。
赤服の目付きが変わった。殺気を漲らせハンターたちへ襲いかかってくる。
●果てしなきリプレイ
ユニオンにおける施政の中心、タワー。方形を組み合わせて出来た螺旋状の巨大な建築物。
その地下でマゴイたちは今日も大中小様々な会議をしている。今日になっても会議をしている。滅亡まで24時間を切っているのだがそれでも会議をしている。きっと死んでも会議を止めないのだろう。事実そうなっているわけだが。
スーツに似た青い服を着たステーツマンは自室に引きこもっている。
扉の外からマゴイたちの切羽詰まった声が聞こえてくるが全て無視だ。
「α・ステーツマン、承認を!」
「α・ステーツマン、許可を!」
「α・ステーツマン、裁定を!」
それらを全て無視し寝転がっていた彼は、次の声でふと起き上がった。
「α・ステーツマン……! なぜ会議に出てこないの……!」
「……来たね、μ」
満足そうな呟きを彼が漏らしたところで、タワー全体に重苦しい音が響いた。
それは市民生産機関の神聖なる心臓部、共同体社会の子宮であるウテルスが上げている悲鳴だった。
ウテルスが死にかけている。
その事実にマゴイたちは激しく動揺した。悲鳴を上げ、誰も彼もが一斉にそちらへ向かう。いたいけにして守ってやらなければならないものを救おうと。
市民生産機関管理者としての反射訓練教育を受けてきた者にとって、それは当然引き起こされてしかるべき反応だった。
英霊マゴイもマゴイとしての意識を持っているからには同じことだ。常になく取り乱し、皆と一緒にウテルスへ向かう。身を焼くような悲嘆にかられて。
解説
補足説明
これは異界調査に赴き、その世界が大体どういうものなのかを下調べするシナリオです。
皆さんをいきなりソルジャーが襲ってきますが、相手をする際は一切手加減しないでください。向こうは急所狙いまくりしてきます。敵じゃないと言っても、聞く耳持ってくれません。
彼らの戦闘力、防御力、耐久力どれも超高いです。
ただしここにいる一団は近接戦闘の能力しか持っていません。遠距離攻撃のための武器などは持っていません。魔法攻撃なども一切出来ません。
ソルジャーとの戦闘はさほど長く続きません。この後しばらくして結界が崩壊し大崩落が始まりますので、それどころではなくなります。せいぜい30分ほど持ちこたえることが出来れば大丈夫です。
この世界の中にいるユニオン住民はステーツマンを除き、自分が既に死んでいることを理解しておりません。ユニオン滅亡までの数日間を延々リプレイし続けていることも分かっていません。滅亡→再生のたびに記憶が失われていますので。
マゴイさんは我を失っています。ほかのマゴイと一緒になって 、なんとかウテルスを守護しようとします。それによって彼女のマテリアルはぐんぐん消費されていきます。なるべく彼女を早く見つ出し、回収してください。マテリアルをあまり使いすぎると英霊としての力が弱まり、この世界に取り込まれたままになってしまう恐れがあります。
この世界内においてマゴイさんは実体を保持しています。PCにも触れることが出来ます。
世界が崩壊したと同時に皆さんは、虚無の外へ放り出されます。その際ドーム内で受けた負傷はそのまま残ります。
ちなみにユニオン住民の容姿が被りまくっているのは、「社会の均質化のため同一の受精卵からなるべくたくさんの子供を胎外生殖によって生み出す」ということが習慣化しているためです。
これは異界調査に赴き、その世界が大体どういうものなのかを下調べするシナリオです。
皆さんをいきなりソルジャーが襲ってきますが、相手をする際は一切手加減しないでください。向こうは急所狙いまくりしてきます。敵じゃないと言っても、聞く耳持ってくれません。
彼らの戦闘力、防御力、耐久力どれも超高いです。
ただしここにいる一団は近接戦闘の能力しか持っていません。遠距離攻撃のための武器などは持っていません。魔法攻撃なども一切出来ません。
ソルジャーとの戦闘はさほど長く続きません。この後しばらくして結界が崩壊し大崩落が始まりますので、それどころではなくなります。せいぜい30分ほど持ちこたえることが出来れば大丈夫です。
この世界の中にいるユニオン住民はステーツマンを除き、自分が既に死んでいることを理解しておりません。ユニオン滅亡までの数日間を延々リプレイし続けていることも分かっていません。滅亡→再生のたびに記憶が失われていますので。
マゴイさんは我を失っています。ほかのマゴイと一緒になって 、なんとかウテルスを守護しようとします。それによって彼女のマテリアルはぐんぐん消費されていきます。なるべく彼女を早く見つ出し、回収してください。マテリアルをあまり使いすぎると英霊としての力が弱まり、この世界に取り込まれたままになってしまう恐れがあります。
この世界内においてマゴイさんは実体を保持しています。PCにも触れることが出来ます。
世界が崩壊したと同時に皆さんは、虚無の外へ放り出されます。その際ドーム内で受けた負傷はそのまま残ります。
ちなみにユニオン住民の容姿が被りまくっているのは、「社会の均質化のため同一の受精卵からなるべくたくさんの子供を胎外生殖によって生み出す」ということが習慣化しているためです。
マスターより
KINUTAです。
ユニオンよ私は帰ってきた!
というわけで、過去を巡る『反影』シナリオとなりました。
この依頼に直接参加はしませんが、質問があったときのためスペットを配置しておきます。
エバーグリーン内における超マイナー国家だったユニオンは、異界になってもそのマイナー路線を貫いているのでした。
ユニオンよ私は帰ってきた!
というわけで、過去を巡る『反影』シナリオとなりました。
この依頼に直接参加はしませんが、質問があったときのためスペットを配置しておきます。
エバーグリーン内における超マイナー国家だったユニオンは、異界になってもそのマイナー路線を貫いているのでした。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/02/08 01:00
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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【質問卓】 メイム(ka2290) エルフ|15才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2018/01/28 16:47:16 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/01/31 12:48:52 |
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相談卓だよ 天竜寺 詩(ka0396) 人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2018/02/01 22:02:08 |