ゲスト
(ka0000)
【女神】船を食む歪虚
マスター:奈華里

このシナリオは2日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
魔術師協会広報室- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- ユニット参加人数
- 現在4 / 0~6
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2018/01/31 12:00
- リプレイ完成予定
- 2018/02/11 12:00
オープニング
『イズ…イズ…』
遠くで声が聞こえる。辺りは真っ暗で、でもその声には確かに聞き覚えがある。
『父さん、父さんなの?』
もう現実では聞く事が出来なくなった声――…夢だと判っていても尋ねずにはいられない。
『イズ…助けてくれ。父さんの魂が、今蝕まれて』
姿なき声が彼女にそう囁きかける。
『助けてってどういう事? わからない、判らないよ父さんっ!』
彼女はそう叫び呼びかける。しかし、やはり辺りは真っ暗で姿を捕らえる事は出来ない。
『いや、いやよ、行かないで…もっと、話を聞かせてっ!』
彼女が必死に呼びかける。
「船長っ、何事ですか! ねぇ、船長!」
だが、そこで自分を揺さぶる仲間に起こされて、彼女は自分が喚いてしまっていた事を悟る。
「こ、ここは…」
必死に呼吸を整えながらイズが尋ねる。
「覚えてないんですかい? 仕事途中に立ち寄った小さな港町の宿ですよ。明日も早いからって少し早く床について、暫くしたら船長の声が聞こえてきてそれで」
心配そうにいう仲間であるが、彼女自身も今そちらに気を配る程の余裕はない。
(何だったの、さっきの夢は? 魂が蝕まれるって…どういう)
そこで彼女はハッとした。父は海の男だった。
とは言っても職種は海運業であり、海からのリスクはつきものであったが死因は仕事絡みではない。
とある港で溺れていた子供を助けて怪我をし、その傷を理由で引退する事となりその後は悠々自適。イズが生まれたのが遅かったから二十歳を過ぎる頃にはもういい年であり、天寿を全うしての旅立ちとなった。
だから歪虚となっている事は考えられないが、それでも胸騒ぎが止まらずベッドを下りる。
「ちょっ、船長。どこへ」
そうして寝間着のまま駆け出したイズを慌てて、仲間が追う。
その向かった先…それは勿論『海』だ。
(父さんの魂って、もしかして…)
夜風が濡れた服を更に冷たくし、彼女の身体を凍らせる。
吐く息も白くこのままではいては風邪を引いてしまうに違いない。
しかし、今は逸早く確認したくて、彼女は受け継いだ船の元へと向かう。
そうして、駆け付けた先にあったのは衝撃的な光景……。
徐々に沈んでいく船は確かに彼女の、彼女が父から受け継いだ大事な船だ。
「うそ…でしょ…」
バリバリと音を立てて、それはまるで何かが船を食べているかのよう。止めてあったはずの場所からは既に遠く離れているが、沈みゆくマストに見覚えのある傷がある。それは彼女が子供の頃に父に身長を計って貰っていたその印に他ならない。
「せん…ってこりゃあ、なんてこった」
遅れて到着した仲間もその不気味な光景に言葉を失う。
「ッ…いやよ。その船は渡さないわっ!」
そこでイズが突如声を上げて、言うが早いか海に飛び込む態勢。慌てて止めにかかる仲間。
「船長、もうダメでさぁ! くやしいけど、あれはもう」
「嫌よっ、そんなっ! 父さんとの思い出が、みんな、あれに詰まってるのに…っ、ちょっとっ、放してよ!
こら、放しなさいよぉ~…」
イズが再び取り乱す。
それを必死に抑えて、その頃には他の船員達も異変を聞きつけて彼女の元へと集まってくる。
船の全てが見えなくなるまでそう時間はかからなかった。崩れ落ちたイズと共に、船員達はそれぞれの想いを胸にそれを見続けるしかなく、朝日が昇る頃になっても皆その場を動けない。
「とうさん…とう、さん…」
イズの嗚咽交じりの言葉が聞こえる。
そんな彼女の元に波に乗って戻ってきたのは僅かな船の破片と奇跡的に呑まれずにいた舵だけだった。
一夜明けて、この事は迅速にオフィスにも連絡が回る。
船一つがのまれたとなれば事は一大事だ。だが、実際には他の船も何隻かやられていたらしかった。朝起きて船の元に来てみれば影も形もなく、訳が判らないとの声が上がり騒ぎとなったのだ。であるから、狙われたのはイズの船だったからという線は薄い。ともかく残念ながら姿は見えなかったが、小さ目の船とは言え一般の運搬船を壊し沈めてしまうとなれば生物の可能性は極めて低く、考えられるのは暗黒海域から来た歪虚の可能性。海の事故は昔から数知れず、そこで命を失くしている者も多い。となれば、その幾つかが雑魔や歪虚になって人のいる海域に侵入してきていると考えてもおかしくない。
「船長、大丈夫ですか?」
彼女の補佐役であるセルクが沈んだ顔の彼女に声をかける。
「ええ、大丈夫よ。ちゃんと報告はできるから」
そういうイズであるが、やはりまだ少し表情は硬い。
それでも残った舵を手にハンターオフィスの係員の元へと向かう。
(絶対に許さない…私と父さんの船を、あんなにした報いは必ず)
彼女の中にこれまでになかった火が灯る。
それが例え善くない感情であっても、今消し去る事は出来ない。
幸いにして、彼女の船には以前の事を教訓に何か事件や事故があった時の為に現在地がわかる発信機のようなものを搭載していた。従って、今敵がどこの辺りにいるかは筒抜けである。
(待ってなさい。私にはまだ船があるんだからっ)
諦める訳にはいかない。相手が何であろうと、負けたくない彼女であった。
遠くで声が聞こえる。辺りは真っ暗で、でもその声には確かに聞き覚えがある。
『父さん、父さんなの?』
もう現実では聞く事が出来なくなった声――…夢だと判っていても尋ねずにはいられない。
『イズ…助けてくれ。父さんの魂が、今蝕まれて』
姿なき声が彼女にそう囁きかける。
『助けてってどういう事? わからない、判らないよ父さんっ!』
彼女はそう叫び呼びかける。しかし、やはり辺りは真っ暗で姿を捕らえる事は出来ない。
『いや、いやよ、行かないで…もっと、話を聞かせてっ!』
彼女が必死に呼びかける。
「船長っ、何事ですか! ねぇ、船長!」
だが、そこで自分を揺さぶる仲間に起こされて、彼女は自分が喚いてしまっていた事を悟る。
「こ、ここは…」
必死に呼吸を整えながらイズが尋ねる。
「覚えてないんですかい? 仕事途中に立ち寄った小さな港町の宿ですよ。明日も早いからって少し早く床について、暫くしたら船長の声が聞こえてきてそれで」
心配そうにいう仲間であるが、彼女自身も今そちらに気を配る程の余裕はない。
(何だったの、さっきの夢は? 魂が蝕まれるって…どういう)
そこで彼女はハッとした。父は海の男だった。
とは言っても職種は海運業であり、海からのリスクはつきものであったが死因は仕事絡みではない。
とある港で溺れていた子供を助けて怪我をし、その傷を理由で引退する事となりその後は悠々自適。イズが生まれたのが遅かったから二十歳を過ぎる頃にはもういい年であり、天寿を全うしての旅立ちとなった。
だから歪虚となっている事は考えられないが、それでも胸騒ぎが止まらずベッドを下りる。
「ちょっ、船長。どこへ」
そうして寝間着のまま駆け出したイズを慌てて、仲間が追う。
その向かった先…それは勿論『海』だ。
(父さんの魂って、もしかして…)
夜風が濡れた服を更に冷たくし、彼女の身体を凍らせる。
吐く息も白くこのままではいては風邪を引いてしまうに違いない。
しかし、今は逸早く確認したくて、彼女は受け継いだ船の元へと向かう。
そうして、駆け付けた先にあったのは衝撃的な光景……。
徐々に沈んでいく船は確かに彼女の、彼女が父から受け継いだ大事な船だ。
「うそ…でしょ…」
バリバリと音を立てて、それはまるで何かが船を食べているかのよう。止めてあったはずの場所からは既に遠く離れているが、沈みゆくマストに見覚えのある傷がある。それは彼女が子供の頃に父に身長を計って貰っていたその印に他ならない。
「せん…ってこりゃあ、なんてこった」
遅れて到着した仲間もその不気味な光景に言葉を失う。
「ッ…いやよ。その船は渡さないわっ!」
そこでイズが突如声を上げて、言うが早いか海に飛び込む態勢。慌てて止めにかかる仲間。
「船長、もうダメでさぁ! くやしいけど、あれはもう」
「嫌よっ、そんなっ! 父さんとの思い出が、みんな、あれに詰まってるのに…っ、ちょっとっ、放してよ!
こら、放しなさいよぉ~…」
イズが再び取り乱す。
それを必死に抑えて、その頃には他の船員達も異変を聞きつけて彼女の元へと集まってくる。
船の全てが見えなくなるまでそう時間はかからなかった。崩れ落ちたイズと共に、船員達はそれぞれの想いを胸にそれを見続けるしかなく、朝日が昇る頃になっても皆その場を動けない。
「とうさん…とう、さん…」
イズの嗚咽交じりの言葉が聞こえる。
そんな彼女の元に波に乗って戻ってきたのは僅かな船の破片と奇跡的に呑まれずにいた舵だけだった。
一夜明けて、この事は迅速にオフィスにも連絡が回る。
船一つがのまれたとなれば事は一大事だ。だが、実際には他の船も何隻かやられていたらしかった。朝起きて船の元に来てみれば影も形もなく、訳が判らないとの声が上がり騒ぎとなったのだ。であるから、狙われたのはイズの船だったからという線は薄い。ともかく残念ながら姿は見えなかったが、小さ目の船とは言え一般の運搬船を壊し沈めてしまうとなれば生物の可能性は極めて低く、考えられるのは暗黒海域から来た歪虚の可能性。海の事故は昔から数知れず、そこで命を失くしている者も多い。となれば、その幾つかが雑魔や歪虚になって人のいる海域に侵入してきていると考えてもおかしくない。
「船長、大丈夫ですか?」
彼女の補佐役であるセルクが沈んだ顔の彼女に声をかける。
「ええ、大丈夫よ。ちゃんと報告はできるから」
そういうイズであるが、やはりまだ少し表情は硬い。
それでも残った舵を手にハンターオフィスの係員の元へと向かう。
(絶対に許さない…私と父さんの船を、あんなにした報いは必ず)
彼女の中にこれまでになかった火が灯る。
それが例え善くない感情であっても、今消し去る事は出来ない。
幸いにして、彼女の船には以前の事を教訓に何か事件や事故があった時の為に現在地がわかる発信機のようなものを搭載していた。従って、今敵がどこの辺りにいるかは筒抜けである。
(待ってなさい。私にはまだ船があるんだからっ)
諦める訳にはいかない。相手が何であろうと、負けたくない彼女であった。
解説
内容
イズの運搬船およびその他の船を破壊した犯人を倒す事
状況から見て、犯人と思われる敵は『歪虚』であると推測されます
その証拠にあっという間にイズのスループ船を粉々にしてしまった模様
他にも何隻かやられている為、目的なく無差別に襲っていたと思われます
リベンジに燃える彼女にどうか力を貸して下さい
●追跡について
本文にもあるように敵の進路および所在は彼女の船のマーカーが教えてくれます
従って、ハンターの皆様は戦闘に集中して下さい
ただ、マーカーの反応が消えてしまう可能性(何かの拍子に壊されて)も高く、迅速な討伐が必要になり
加えて、暗黒海域の近くまで行くことになると考えられる為注意が必要です
なお、現場まではイズの新しい大型船・スプレンドリ・イル・ソーレ号がハンター様を運びます
加えて、質問等ありましたら問題のない部分はイズがお答えしますので、
質問卓設置の上質問頂けますようよろしくお願いします
●人物紹介
・イズ(NPC情報参照)
・セルク(?)
イズの父の代からの乗組員であり、今はイズの補佐役
年齢はイズよりかなり上であり、イズの事を我が子の様にも思っている
イズの運搬船およびその他の船を破壊した犯人を倒す事
状況から見て、犯人と思われる敵は『歪虚』であると推測されます
その証拠にあっという間にイズのスループ船を粉々にしてしまった模様
他にも何隻かやられている為、目的なく無差別に襲っていたと思われます
リベンジに燃える彼女にどうか力を貸して下さい
●追跡について
本文にもあるように敵の進路および所在は彼女の船のマーカーが教えてくれます
従って、ハンターの皆様は戦闘に集中して下さい
ただ、マーカーの反応が消えてしまう可能性(何かの拍子に壊されて)も高く、迅速な討伐が必要になり
加えて、暗黒海域の近くまで行くことになると考えられる為注意が必要です
なお、現場まではイズの新しい大型船・スプレンドリ・イル・ソーレ号がハンター様を運びます
加えて、質問等ありましたら問題のない部分はイズがお答えしますので、
質問卓設置の上質問頂けますようよろしくお願いします
●人物紹介
・イズ(NPC情報参照)
・セルク(?)
イズの父の代からの乗組員であり、今はイズの補佐役
年齢はイズよりかなり上であり、イズの事を我が子の様にも思っている
マスターより
随分出遅れてしまっておりますが、今年一本目の奈華里です
一本目からどえらい大変な状況でありますが、ハンターさんがいれば大丈夫、ですよね
海上および水中戦が予想されます。そういう訳で性懲りもなくユニットOKにしております
単独で動くもよし、足場として飛べるユニットがいるのであれば連れてきてもいいかもしれません
機体系となるとあまり出番がないかも…重量的にもイズの船に乗せられるのか怪しいですが
文字数確保の意味も少しあったりしますが、どちら様も御参加お待ちしています
一本目からどえらい大変な状況でありますが、ハンターさんがいれば大丈夫、ですよね
海上および水中戦が予想されます。そういう訳で性懲りもなくユニットOKにしております
単独で動くもよし、足場として飛べるユニットがいるのであれば連れてきてもいいかもしれません
機体系となるとあまり出番がないかも…重量的にもイズの船に乗せられるのか怪しいですが
文字数確保の意味も少しあったりしますが、どちら様も御参加お待ちしています
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/02/10 22:51
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 レベッカ・アマデーオ(ka1963) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2018/01/30 20:56:42 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/01/27 20:57:45 |
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イズに質問ダヨー! パトリシア=K=ポラリス(ka5996) 人間(リアルブルー)|19才|女性|符術師(カードマスター) |
最終発言 2018/01/29 09:26:35 |