ゲスト
(ka0000)
【星籤】イカロスを超えろ!
マスター:樹シロカ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 3~8人
- ユニット参加人数
- 現在6 / 0~8
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/01/30 22:00
- リプレイ完成予定
- 2018/02/08 22:00
オープニング
●
同盟の港湾都市ポルトワールを出港した海軍の艦艇は、快調に海原を進んでいた。
甲板に出たメリンダ・ドナーティ(kz0041)は、空を見上げてほうと息をつく。
「せめていいお天気になって良かった……」
雲ひとつない青空は、色ガラスの天井のように澄み切っていた。
それだけに、吹きつける風の冷たさが身にしみる。
「こんな依頼を受けてくださって、本当にありがとうございます」
メリンダは甲板に並んだハンター達にむかって、深々と頭を下げた。
彼らの傍には、「プロト・イカロス」と呼ばれる装備品の改良型がある。
リアルブルーで開発された、人間が生身で空を飛ぶことができる夢の道具であった。
基本コンセプトはCAMの飛行用パーツと変わらない。化石燃料用のエンジンを背中に背負うのである。
リアルブルーの崑崙基地でハンター達が参加した実験を経て、メリンダはそれを借り受けて戻ってきた。
クリムゾンウェストで実用に耐えるよう改良するためである。
今日はその改良型の実験のために、ハンター達が集められたのだ。
●
先の崑崙基地での実験のすぐ後。
リアルブルーから戻ったメリンダを、同盟軍の首脳部は大喜びで出迎えた。
むろん、正確にはメリンダの持ち帰った装備品を、であるが。
ハンター達が身体を張って確認した不具合については、既に報告書にまとめてある。
・装着方法の問題。ベルト固定式は汎用性に優れるが、装着する者の負荷は無視できない。装着にも手間取る。
・姿勢制御の問題。ジェットブーツ等の併用が最も現実的であるが、装備コストの問題が残る。
・総重量の問題。
これらに加え、実際に使用するのはおそらく戦場である。
コントローラーを操作しながらでは武器を使うのは不可能だろう。
――そしてメリンダは、「プロト・イカロス」を覚醒者専用の装備品として開発すべきと結論付けた。
この点で、お偉方は納得しつつも落胆した。汎用兵装としては期待できなくなったためだ。
だがとにかく改良は行われた。
化石燃料用のジェットエンジンは、魔導エンジンに。
名前の由来となった「翼のような」アフターバーナーは、制御用アームが増えたため4枚羽となった。
装着用ベルトはフマーレの職人たちによって留具が改良され、着脱がワンタッチで行えるように。ベルト幅が広くなり、本数が大幅に減らされたので、着用のストレスも軽減されている。
いわば「突撃兵器」である以上、着脱が早くなったことはかなりの進歩だ。
一応の改良が済んだ頃、メリンダは情報部のマヌエル・フィンツィ少佐と出くわした。
「ドナーティ中尉は、あの装備品を自分で使いたいとは思わなかったのですか」
何を考えているのかわからない相手の言葉に、メリンダは言葉を選んで返答する。
「空を飛べるのは素敵ですけれど。どうにか飛べたとしても、私では着地で大怪我してしまいますわね。少佐ならともかく」
フィンツィ少佐は覚醒者である。
「……貴方は賢明です」
少佐は僅かに口元を緩めた。
「え?」
「適材適所ということです。不向きな人員を、徒に戦場で消耗するべきではないでしょう」
メリンダは黙り込むしかなかった。
軍に属しながらも、明らかに「不向きな人員」に入っているのだから。
「ところで、当日は私もテストを見学してよろしいですか?」
「ええ、勿論ですわ」
どのみち私の「許可」など要らないのだし。などと、内心では若干ひねくれるメリンダであった。
●
とにもかくにも、一応は完成品と呼べるものが出来上がった。
だがテストしようにも、クリムゾンウェストでは重力を調整することはできない。
そこで陸地よりはましだろうと、テストは海で行われることになった。
……酷寒の、冬の海で。
「本当に、すみません!!」
メリンダはアルコール度数の高い酒や熱い紅茶を持ち込み、艦の厨房では熱々のシチューが用意されている。
装備の軽量化に限界がある以上、あとは覚醒者が操る方法を探るしかない。
それができないなら「プロト・イカロス」はこのまま封印されるだろう。
ハンター達はそれぞれの役割を確認し、海を眺めた。
……そして気付く。不穏な影が船を目指して突き進んでくることに――。
同盟の港湾都市ポルトワールを出港した海軍の艦艇は、快調に海原を進んでいた。
甲板に出たメリンダ・ドナーティ(kz0041)は、空を見上げてほうと息をつく。
「せめていいお天気になって良かった……」
雲ひとつない青空は、色ガラスの天井のように澄み切っていた。
それだけに、吹きつける風の冷たさが身にしみる。
「こんな依頼を受けてくださって、本当にありがとうございます」
メリンダは甲板に並んだハンター達にむかって、深々と頭を下げた。
彼らの傍には、「プロト・イカロス」と呼ばれる装備品の改良型がある。
リアルブルーで開発された、人間が生身で空を飛ぶことができる夢の道具であった。
基本コンセプトはCAMの飛行用パーツと変わらない。化石燃料用のエンジンを背中に背負うのである。
リアルブルーの崑崙基地でハンター達が参加した実験を経て、メリンダはそれを借り受けて戻ってきた。
クリムゾンウェストで実用に耐えるよう改良するためである。
今日はその改良型の実験のために、ハンター達が集められたのだ。
●
先の崑崙基地での実験のすぐ後。
リアルブルーから戻ったメリンダを、同盟軍の首脳部は大喜びで出迎えた。
むろん、正確にはメリンダの持ち帰った装備品を、であるが。
ハンター達が身体を張って確認した不具合については、既に報告書にまとめてある。
・装着方法の問題。ベルト固定式は汎用性に優れるが、装着する者の負荷は無視できない。装着にも手間取る。
・姿勢制御の問題。ジェットブーツ等の併用が最も現実的であるが、装備コストの問題が残る。
・総重量の問題。
これらに加え、実際に使用するのはおそらく戦場である。
コントローラーを操作しながらでは武器を使うのは不可能だろう。
――そしてメリンダは、「プロト・イカロス」を覚醒者専用の装備品として開発すべきと結論付けた。
この点で、お偉方は納得しつつも落胆した。汎用兵装としては期待できなくなったためだ。
だがとにかく改良は行われた。
化石燃料用のジェットエンジンは、魔導エンジンに。
名前の由来となった「翼のような」アフターバーナーは、制御用アームが増えたため4枚羽となった。
装着用ベルトはフマーレの職人たちによって留具が改良され、着脱がワンタッチで行えるように。ベルト幅が広くなり、本数が大幅に減らされたので、着用のストレスも軽減されている。
いわば「突撃兵器」である以上、着脱が早くなったことはかなりの進歩だ。
一応の改良が済んだ頃、メリンダは情報部のマヌエル・フィンツィ少佐と出くわした。
「ドナーティ中尉は、あの装備品を自分で使いたいとは思わなかったのですか」
何を考えているのかわからない相手の言葉に、メリンダは言葉を選んで返答する。
「空を飛べるのは素敵ですけれど。どうにか飛べたとしても、私では着地で大怪我してしまいますわね。少佐ならともかく」
フィンツィ少佐は覚醒者である。
「……貴方は賢明です」
少佐は僅かに口元を緩めた。
「え?」
「適材適所ということです。不向きな人員を、徒に戦場で消耗するべきではないでしょう」
メリンダは黙り込むしかなかった。
軍に属しながらも、明らかに「不向きな人員」に入っているのだから。
「ところで、当日は私もテストを見学してよろしいですか?」
「ええ、勿論ですわ」
どのみち私の「許可」など要らないのだし。などと、内心では若干ひねくれるメリンダであった。
●
とにもかくにも、一応は完成品と呼べるものが出来上がった。
だがテストしようにも、クリムゾンウェストでは重力を調整することはできない。
そこで陸地よりはましだろうと、テストは海で行われることになった。
……酷寒の、冬の海で。
「本当に、すみません!!」
メリンダはアルコール度数の高い酒や熱い紅茶を持ち込み、艦の厨房では熱々のシチューが用意されている。
装備の軽量化に限界がある以上、あとは覚醒者が操る方法を探るしかない。
それができないなら「プロト・イカロス」はこのまま封印されるだろう。
ハンター達はそれぞれの役割を確認し、海を眺めた。
……そして気付く。不穏な影が船を目指して突き進んでくることに――。
解説
●このシナリオについて
『【星籤】イカロスに挑め!』の続編になります。
依頼内容は「プロト・イカロス」のテストとそれに関連する付随業務。
全員が飛んでもかまいませんし、補佐の役割も評価します。ユニットで回収担当などもOKです。
また、前回「名前がちょっと……」というご意見もあり、名前の提案も受け付けます。
●「プロト・イカロス」について
基本的にはCAMの「[SW]量産型フライトパック 」と同じ。
使用者に低性能の飛行能力を付与し、主に電撃作戦時の突入などで用いるのが目的。燃料は1回分。
羽ばたくというよりはグライダーのように滑空し、目的地に上空から到達するイメージ。
(ゲームシステム上、フライトパック+「フライトブースト」スキルと同様、スキルとセットで使う形になります)
実験は、甲板から海に向かって飛ぶ形になります。今回はスキルがないので、パラシュートがついています。
着水時点で「プロト・イカロス」は外してください。そのままでは重さで沈みます。
外した装備品はパラシュートを目印に海軍が回収します。
こちらの手伝いに回っていただいても結構ですが、参加者の半数は飛ぶテストをお願いします。
……と思ってたら、なんか来ました。
このままでは艦に突っ込んできます。こちらの対応もお願いします。
●敵情報:巨大ザメ型歪虚×2
全長2m。基本的な攻撃方法は体当たりと噛みつき。
動きが素早くタフ。一般的な魚よりは知能があり、連携して襲ってくる。互いの意思疎通の手段は不明。
●NPCほか
NPCは艦艇の乗組員(同盟海軍の軍人)とメリンダ・ドナーティ、フィンツィ少佐。
支援程度の攻撃と万が一失敗した際の回収はできるが、細かい指示は不可。足を引っ張ることはない。
艦艇の甲板は前後20m×最大幅8m程度の台形。ユニットは甲板に出して運搬している。
救命具一式あり。
ほかに何か確認事項があれば、出発24時間前まで質問を確認します。
『【星籤】イカロスに挑め!』の続編になります。
依頼内容は「プロト・イカロス」のテストとそれに関連する付随業務。
全員が飛んでもかまいませんし、補佐の役割も評価します。ユニットで回収担当などもOKです。
また、前回「名前がちょっと……」というご意見もあり、名前の提案も受け付けます。
●「プロト・イカロス」について
基本的にはCAMの「[SW]量産型フライトパック 」と同じ。
使用者に低性能の飛行能力を付与し、主に電撃作戦時の突入などで用いるのが目的。燃料は1回分。
羽ばたくというよりはグライダーのように滑空し、目的地に上空から到達するイメージ。
(ゲームシステム上、フライトパック+「フライトブースト」スキルと同様、スキルとセットで使う形になります)
実験は、甲板から海に向かって飛ぶ形になります。今回はスキルがないので、パラシュートがついています。
着水時点で「プロト・イカロス」は外してください。そのままでは重さで沈みます。
外した装備品はパラシュートを目印に海軍が回収します。
こちらの手伝いに回っていただいても結構ですが、参加者の半数は飛ぶテストをお願いします。
……と思ってたら、なんか来ました。
このままでは艦に突っ込んできます。こちらの対応もお願いします。
●敵情報:巨大ザメ型歪虚×2
全長2m。基本的な攻撃方法は体当たりと噛みつき。
動きが素早くタフ。一般的な魚よりは知能があり、連携して襲ってくる。互いの意思疎通の手段は不明。
●NPCほか
NPCは艦艇の乗組員(同盟海軍の軍人)とメリンダ・ドナーティ、フィンツィ少佐。
支援程度の攻撃と万が一失敗した際の回収はできるが、細かい指示は不可。足を引っ張ることはない。
艦艇の甲板は前後20m×最大幅8m程度の台形。ユニットは甲板に出して運搬している。
救命具一式あり。
ほかに何か確認事項があれば、出発24時間前まで質問を確認します。
マスターより
長らくお待たせいたしました、【星籤】関連の続編になります。
やること多すぎ……と思われるかもしれない内容になりましたが。
色々と難のある「プロト・イカロス」がどれだけ戦闘で役に立つか。これこそ依頼主が一番知りたいことです。
つまり「使える」と判断されれば、実装されるという訳です。
途中、なんかややこしい人がややこしいことを言ってますが、ここは過去シナリオ『【闇光】薄闇の迫る頃に』でメリンダが前線に出たときのエピソードに絡んでいます。
今回の依頼の成否には影響しない挿話になりますので、スルーしていただいても問題ありません。
では、ご参加を心よりお待ちしております!
やること多すぎ……と思われるかもしれない内容になりましたが。
色々と難のある「プロト・イカロス」がどれだけ戦闘で役に立つか。これこそ依頼主が一番知りたいことです。
つまり「使える」と判断されれば、実装されるという訳です。
途中、なんかややこしい人がややこしいことを言ってますが、ここは過去シナリオ『【闇光】薄闇の迫る頃に』でメリンダが前線に出たときのエピソードに絡んでいます。
今回の依頼の成否には影響しない挿話になりますので、スルーしていただいても問題ありません。
では、ご参加を心よりお待ちしております!
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/02/12 00:59
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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作戦相談所 雨月彩萌(ka3925) 人間(リアルブルー)|20才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2018/01/30 21:17:59 |
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![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/01/30 00:13:43 |