ゲスト
(ka0000)
【陶曲】そして、永遠は物語り(下-2巻)
マスター:のどか

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- シリーズ(続編)
関連ユニオン
魔術師協会広報室- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
1,300
- 参加人数
- 現在7人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/02/07 15:00
- リプレイ完成予定
- 2018/02/21 15:00
オープニング
※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
●
アンナ=リーナ・エスト(kz0108)らエスト隊の2人は前回よりポルトワール郊外の漁村に駐留し、可能な限りの情報収集――主に、重要参考人であったキアーヴェの生家と思われる村長宅の捜索に努めていた。
くたびれたソファーに腰かけるアンナの向かいには、沈んだ赴きの村長の姿。
家宅捜索へは協力的であったが、その家にキアーヴェのものと思われる物品は何一つ存在しなかった。
だからこそ、こうして彼から話を聞き出す事以外に手掛かりは掴めないと睨むほかなかったのだ。
「……どうしても、話してはくれないのでしょうか」
冷めきったティーカップを前に、アンナは一息つくように口を割った。
村長は変わらず眉間に皺を寄せたまま、静かに首を横に振る。
「倅は死んだ……船の事故で。その先のことは、我々家族は何一つ知らない。だから、話せることは何もないのだ」
娘婿だという青年がお茶を取り換えてくれると、部屋の隅で老犬と遊んでいた少女がとことこと村長の足元へ寄って来て、村長の難しい表情を心配そうにのぞき込んだ。
彼は少女の頭を優しく撫でると、そのままアンナに見向きもせず「心配ないよ」と笑いかけていた。
その時、フィオーレが部屋へと戻ってくる。
彼女は敬礼をして話し中に立ち入った非礼を詫びると、端的に報告を口にした。
「頼んでた援軍がやっと来たみたいよ~。ハンター達も一緒に来てくれたみたい。山間部の積雪でトラックが進めなくって、途中から歩いて来たんだって」
「そんなに山道の状況はひどいのか?」
「う~ん、少なくとも雪山登山に慣れるレベルでないと難しいみたいね~」
その言葉に、アンナは苦い表情を浮かべるほかなかった。
できるなら、これからの作戦の前に村民は近隣の村へと避難してもらいたかった。
しかし、道が通れないならこの村は閉鎖されているも同じだ。
万が一――危険に晒されてしまうことは、覚悟して貰う他ないだろう。
「……語れないのであれば、仕方ありません。しかし、今回で我々はご子息の手がかりであるところの歪虚を討ち果たします……それで構いませんね?」
確認するように訪ねたアンナへ、村長は野暮ったい様子で頷く。
「初めからそう言っている。村も危険に晒されている以上、一刻も早く消し去ってくれい」
疑いもなく言い放った言葉に一抹の寂しさを抱いて、彼女らは村長宅を後にした。
向かったのは村の寄合所。
前回のハンター達の調査と推理で、この事件の「型」はほぼ明るみになった。
仕掛けが分かれば、討伐作戦を練るのも可能というものである。
ここには、新たに発症した狂気患者たちが前回同様に押し込められている。
彼らの狂気を解消すれば、「読者が減った」事に対して“不定の歪虚”は必ず動く。
動いてさえしまえば、患者の少ないこの村という立地の中で――討ち取る目は必ずある。
「まずは患者たちを村の広場へ移送して、片っ端から“治療”を試みる。それにより、きっと奴はその行為を止めるために現れるはずだ。そこを討ち取る。奴が現れたら、援軍の4人は“治療”を終えた患者たちを寄合所へ移送し、そのまま村全体の人々へ戦闘の余波が届かないよう警戒を行ってくれ」
アンナの言葉に、援軍に来たハンター達ははっきりと頷く。
「戦闘自体は……正直、総力戦としか表現できない。奴が倒れるか、我々が倒れるか、だ。ハンター達も気づいた事や提案があれば、何でも言ってほしい。この機会が最大のチャンスであることは確かだ。よろしく頼む」
口にして、アンナは深く頭を下げる。
そんな彼女へ、フィオーレはどこか心配そうに寄り添った。
「だけど隊長、その……不確定要素がまだ1つ、心配だって前に」
「……私が“まだ発症していない”ことに関しては、警戒する以上のことは何もできない。発症するのかも、タイミングも、こちらで意図する事ができないのだから。以前貰った安定剤が気休めにはなるかもしれないが――最悪、私のことは捨て置いて歪虚の撃破を優先してほしい」
身構えていても仕方がないことは、アンナ自身が一番よく分かっている。
“不定の歪虚”をここで、この人数で仕留めるには、犠牲もまた覚悟のうちになければならないのだから。
「覚悟をしたうえで――それを最小限に留めるのが、我々軍人の仕事だ」
「……はい」
迷いなく言い切ったその言葉に、フィオーレも頷くことしかできなかった。
それからハンター達の意見も交えたブリーフィングを済ませ、一同はそれぞれの持ち場へと移動する。
それが長きに渡る同盟怪本動乱――その決着への確かな一歩になると信じて。
●
――彼はどこにでもいて、どこにもいない。
もとより実態はあって、だが存在はない。
それはおそらく、そういう風に生まれたというだけであって、彼自身も自分がそうあることに疑問を抱くことも無かった。
自分の生まれた意味を知っている。
自分の存在する意義も知っている。
自分が何者であるのかも、はじめから知っている。
だからこそ、ただ実直に役目を果たすだけ。
それがすべての始まりであり、すべての答えである。
たった1つの、願いのために。
そう――永遠は、物語り。
【解説】
▼目的
“不定の歪虚”の撃破
▼概要
ポルトワール沿岸の漁村に再度現れた“不定の歪虚”を撃破してください。
皆さんはエスト隊が呼んだ4名の援軍と共に現地で合流し、今回の討伐作戦にあたります。
前回のダメージが残っている今、この場が最大のチャンスです。
エスト隊の立てた作戦(流れだけですが)は以下の通りです。
ブリーフィング時の草案となっているので、ハンター達からの各種提案があれば協力的に動きます。
1.広場へ移送した狂気患者を聖導士らの抵抗スキルにより治療する
2.“不定の歪虚”が現れたら戦闘で注意を引き付け、その間に患者たちを退避
援軍4名はそのまま村人への被害の警戒へ勤める
3.周囲の安全が確認されたのち、総力戦で同歪虚の撃破を目指す
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
●
アンナ=リーナ・エスト(kz0108)らエスト隊の2人は前回よりポルトワール郊外の漁村に駐留し、可能な限りの情報収集――主に、重要参考人であったキアーヴェの生家と思われる村長宅の捜索に努めていた。
くたびれたソファーに腰かけるアンナの向かいには、沈んだ赴きの村長の姿。
家宅捜索へは協力的であったが、その家にキアーヴェのものと思われる物品は何一つ存在しなかった。
だからこそ、こうして彼から話を聞き出す事以外に手掛かりは掴めないと睨むほかなかったのだ。
「……どうしても、話してはくれないのでしょうか」
冷めきったティーカップを前に、アンナは一息つくように口を割った。
村長は変わらず眉間に皺を寄せたまま、静かに首を横に振る。
「倅は死んだ……船の事故で。その先のことは、我々家族は何一つ知らない。だから、話せることは何もないのだ」
娘婿だという青年がお茶を取り換えてくれると、部屋の隅で老犬と遊んでいた少女がとことこと村長の足元へ寄って来て、村長の難しい表情を心配そうにのぞき込んだ。
彼は少女の頭を優しく撫でると、そのままアンナに見向きもせず「心配ないよ」と笑いかけていた。
その時、フィオーレが部屋へと戻ってくる。
彼女は敬礼をして話し中に立ち入った非礼を詫びると、端的に報告を口にした。
「頼んでた援軍がやっと来たみたいよ~。ハンター達も一緒に来てくれたみたい。山間部の積雪でトラックが進めなくって、途中から歩いて来たんだって」
「そんなに山道の状況はひどいのか?」
「う~ん、少なくとも雪山登山に慣れるレベルでないと難しいみたいね~」
その言葉に、アンナは苦い表情を浮かべるほかなかった。
できるなら、これからの作戦の前に村民は近隣の村へと避難してもらいたかった。
しかし、道が通れないならこの村は閉鎖されているも同じだ。
万が一――危険に晒されてしまうことは、覚悟して貰う他ないだろう。
「……語れないのであれば、仕方ありません。しかし、今回で我々はご子息の手がかりであるところの歪虚を討ち果たします……それで構いませんね?」
確認するように訪ねたアンナへ、村長は野暮ったい様子で頷く。
「初めからそう言っている。村も危険に晒されている以上、一刻も早く消し去ってくれい」
疑いもなく言い放った言葉に一抹の寂しさを抱いて、彼女らは村長宅を後にした。
向かったのは村の寄合所。
前回のハンター達の調査と推理で、この事件の「型」はほぼ明るみになった。
仕掛けが分かれば、討伐作戦を練るのも可能というものである。
ここには、新たに発症した狂気患者たちが前回同様に押し込められている。
彼らの狂気を解消すれば、「読者が減った」事に対して“不定の歪虚”は必ず動く。
動いてさえしまえば、患者の少ないこの村という立地の中で――討ち取る目は必ずある。
「まずは患者たちを村の広場へ移送して、片っ端から“治療”を試みる。それにより、きっと奴はその行為を止めるために現れるはずだ。そこを討ち取る。奴が現れたら、援軍の4人は“治療”を終えた患者たちを寄合所へ移送し、そのまま村全体の人々へ戦闘の余波が届かないよう警戒を行ってくれ」
アンナの言葉に、援軍に来たハンター達ははっきりと頷く。
「戦闘自体は……正直、総力戦としか表現できない。奴が倒れるか、我々が倒れるか、だ。ハンター達も気づいた事や提案があれば、何でも言ってほしい。この機会が最大のチャンスであることは確かだ。よろしく頼む」
口にして、アンナは深く頭を下げる。
そんな彼女へ、フィオーレはどこか心配そうに寄り添った。
「だけど隊長、その……不確定要素がまだ1つ、心配だって前に」
「……私が“まだ発症していない”ことに関しては、警戒する以上のことは何もできない。発症するのかも、タイミングも、こちらで意図する事ができないのだから。以前貰った安定剤が気休めにはなるかもしれないが――最悪、私のことは捨て置いて歪虚の撃破を優先してほしい」
身構えていても仕方がないことは、アンナ自身が一番よく分かっている。
“不定の歪虚”をここで、この人数で仕留めるには、犠牲もまた覚悟のうちになければならないのだから。
「覚悟をしたうえで――それを最小限に留めるのが、我々軍人の仕事だ」
「……はい」
迷いなく言い切ったその言葉に、フィオーレも頷くことしかできなかった。
それからハンター達の意見も交えたブリーフィングを済ませ、一同はそれぞれの持ち場へと移動する。
それが長きに渡る同盟怪本動乱――その決着への確かな一歩になると信じて。
●
――彼はどこにでもいて、どこにもいない。
もとより実態はあって、だが存在はない。
それはおそらく、そういう風に生まれたというだけであって、彼自身も自分がそうあることに疑問を抱くことも無かった。
自分の生まれた意味を知っている。
自分の存在する意義も知っている。
自分が何者であるのかも、はじめから知っている。
だからこそ、ただ実直に役目を果たすだけ。
それがすべての始まりであり、すべての答えである。
たった1つの、願いのために。
そう――永遠は、物語り。
【解説】
▼目的
“不定の歪虚”の撃破
▼概要
ポルトワール沿岸の漁村に再度現れた“不定の歪虚”を撃破してください。
皆さんはエスト隊が呼んだ4名の援軍と共に現地で合流し、今回の討伐作戦にあたります。
前回のダメージが残っている今、この場が最大のチャンスです。
エスト隊の立てた作戦(流れだけですが)は以下の通りです。
ブリーフィング時の草案となっているので、ハンター達からの各種提案があれば協力的に動きます。
1.広場へ移送した狂気患者を聖導士らの抵抗スキルにより治療する
2.“不定の歪虚”が現れたら戦闘で注意を引き付け、その間に患者たちを退避
援軍4名はそのまま村人への被害の警戒へ勤める
3.周囲の安全が確認されたのち、総力戦で同歪虚の撃破を目指す
解説
▼戦域
周囲を山と海に囲まれた陸の孤島の小さな村です。
家は密集しておらず、通り沿いに点在する形になっています。
大時化と山間部の雪により、村人を村から脱出させることは不可能です。
▼味方勢力
「エスト隊」
アンナ=リーナ/機導師/一流ハンターと同等の高レベル覚醒者です
フィオーレ/猟撃士/Lv30程度
「同盟軍」
闘狩人、疾影士、機導師、聖導士が各1人/Lv20程度
「村人」
総勢100名程度で覚醒者は1人もいません。
特に働きかけがなければ、作戦中それぞれの家から出ないように言い渡され実行します。
彼らの中には潜伏期間である未発症患者も含まれているでしょう。
▼敵勢力
“不定の歪虚”
蝋のように白いのっぺりとした肌を持つ人型歪虚。
緑炎で遠・近・範囲と多彩な攻撃を繰り出す。
前回の傷で両腕が炎となり火力が増強されているが、防御性能が低下している。
・スキル
≪承認存在≫
自身が現れた戦域内にいる特殊BS「発狂」を持つキャラクターの数に応じてあらゆる能力が強化される。
以下のスキル≪永遠の物語り≫と1セットの能力。
≪永遠の物語り≫
マテリアル侵食で意識に直接投影された本(物語)により、対象に特殊BS「発狂」を与える。
「発狂」は高強度の「行動混乱」を与える、リアクション不可の永続BS。
抵抗スキルやアイテムを使用して機会を作る事で初めて抵抗判定を試みることができ、覚醒者であれば再度発生することはない。
歪虚自身が意識して侵食対象を選ぶことはできず、他人の「発狂」の瞬間を見たキャラクターが自動的に発症までの潜伏期間に入る。
発動のタイミングは完全にランダムだが、一般人であれば即座に発症する可能性もある。
≪狂気歪虚召喚≫
胸の本型オブジェクトより狂気歪虚を召喚する。
周囲を山と海に囲まれた陸の孤島の小さな村です。
家は密集しておらず、通り沿いに点在する形になっています。
大時化と山間部の雪により、村人を村から脱出させることは不可能です。
▼味方勢力
「エスト隊」
アンナ=リーナ/機導師/一流ハンターと同等の高レベル覚醒者です
フィオーレ/猟撃士/Lv30程度
「同盟軍」
闘狩人、疾影士、機導師、聖導士が各1人/Lv20程度
「村人」
総勢100名程度で覚醒者は1人もいません。
特に働きかけがなければ、作戦中それぞれの家から出ないように言い渡され実行します。
彼らの中には潜伏期間である未発症患者も含まれているでしょう。
▼敵勢力
“不定の歪虚”
蝋のように白いのっぺりとした肌を持つ人型歪虚。
緑炎で遠・近・範囲と多彩な攻撃を繰り出す。
前回の傷で両腕が炎となり火力が増強されているが、防御性能が低下している。
・スキル
≪承認存在≫
自身が現れた戦域内にいる特殊BS「発狂」を持つキャラクターの数に応じてあらゆる能力が強化される。
以下のスキル≪永遠の物語り≫と1セットの能力。
≪永遠の物語り≫
マテリアル侵食で意識に直接投影された本(物語)により、対象に特殊BS「発狂」を与える。
「発狂」は高強度の「行動混乱」を与える、リアクション不可の永続BS。
抵抗スキルやアイテムを使用して機会を作る事で初めて抵抗判定を試みることができ、覚醒者であれば再度発生することはない。
歪虚自身が意識して侵食対象を選ぶことはできず、他人の「発狂」の瞬間を見たキャラクターが自動的に発症までの潜伏期間に入る。
発動のタイミングは完全にランダムだが、一般人であれば即座に発症する可能性もある。
≪狂気歪虚召喚≫
胸の本型オブジェクトより狂気歪虚を召喚する。
マスターより
おはようございます、のどかです。
泣いても笑ってもこれが最後、物語は1つの区切りを迎えます。
最後は真向から、知恵と力の勝負です。
前回でギミックの全てに至ってくださいましたので、“不定の歪虚”の全能力が公開となっています。
その他、質問があれば別途卓を立ててご用命ください。
シリーズ4か月、前シリーズから合わせると1年1ヶ月と長い道のりでした。
これまでご参加くださった全ての皆様に感謝すると共に、まだ全てが終わったわけではありません。
狂気の果てにある未来を目指して歩んでいきましょう。
みな様のご参加を、お待ちしております。
泣いても笑ってもこれが最後、物語は1つの区切りを迎えます。
最後は真向から、知恵と力の勝負です。
前回でギミックの全てに至ってくださいましたので、“不定の歪虚”の全能力が公開となっています。
その他、質問があれば別途卓を立ててご用命ください。
シリーズ4か月、前シリーズから合わせると1年1ヶ月と長い道のりでした。
これまでご参加くださった全ての皆様に感謝すると共に、まだ全てが終わったわけではありません。
狂気の果てにある未来を目指して歩んでいきましょう。
みな様のご参加を、お待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/02/21 01:05
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/02/01 22:27:05 |
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相談卓 シェリル・マイヤーズ(ka0509) 人間(リアルブルー)|14才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2018/02/06 17:57:48 |