ゲスト
(ka0000)
少女と不思議なリンゴ
マスター:くさのうえのひよこ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在4人 / 3~4人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/02/25 07:30
- リプレイ完成予定
- 2018/03/06 07:30
オープニング
●
名もなき村の近くにある深い森。
その朝露の滴る薄暗い森の中に、少女の姿があった。
「今日もおばあちゃんにリンゴを届けなくちゃ」
優しくて大好きなおばあちゃん。
少女が幼かった頃、風邪をひくと、おばあちゃんは決まって少女の大好きなリンゴをむいて食べさせてくれた。
今度は私が元気にしてあげたい――そう願って、身体の弱いおばあちゃんの住む小屋まで、毎朝採れたてのリンゴを届けるのが少女の日課だった。
「がぅ」
茂みから狼が顔を覗かせた。
だが、狼が少女を襲ってくる様子はない。
「おはよう、狼さん。今日はいい天気だねっ」
狼はしばらくじっと少女の顔を見つめていたが、自分に危害を加えてこないと分かると、ふいと茂みの奥へ去ってしまった。
「やあ、毎日ご苦労さん」
今度は茂みから、背の高い男が手を振りながら少女の前に立った。
「おはよう、狩人さん!」
「どうやら狼のヤツも、この森でたくさん採れるリンゴを食べて満腹らしい」
狩人と呼ばれた男は、森の奥にある大きなリンゴの樹を指さす。
「みんなあのリンゴの樹さんに助けられているのかな?」
「そうだな。樹齢もかなり古そうだし……この森の守り神みたいだな」
風だろうか、さわさわと葉を揺らす音が聞こえる。
頬を撫でるそよ風が気持ちいい。
少女はリンゴの樹に近付いた。
「リンゴをひとつくださいな。いつもありがとう」
少女は赤く実ったリンゴに手を伸ばした。
●
「おばあちゃん! 今日も採れたてのリンゴを持ってきたから食べてね」
「まぁまぁ……いつもありがとうね」
ベッドから身を起こし、その赤いリンゴを少女から受け取って机の上のナイフで皮をむき、8つに切り分けた。
「一緒に食べましょう」
「わぁ、おいしいね、おばあちゃん!」
噛むと、じゅわっと甘い液が口いっぱいに広がる。
「本当に美味しい……体の芯から癒してくれるような優しいお味だねぇ」
「またリンゴの樹さんからこの美味しいリンゴをもらってくる! だから、早く元気になってね!」
「ええ、ありがとうね」
おばあちゃんの目が潤み、涙が零れ落ちた。
●
「おはよう! 今日も美味しいリンゴを下さいなっ」
森の中を進み、いつも通りに少女はリンゴの樹の前に立つ。
少女は元気に挨拶をすると、赤くて美味しそうな果実をひとつ手でもいだ。
「グルル……」
「あれ、狼さん?」
狼が茂みから少女を見ていた。
いつもよりも毛並みが悪く、また、聞いたことがない声で唸っている。
「どうしたのかな、機嫌が悪いみたい」
お腹が空いているのかな、と思った少女は、そっとリンゴを差し出してみる。
「ダメだ、そいつは君を襲おうとしている! 逃げろ!」
「えっ」
叫ぶ声に反応して振り向くと、いつもは大人しい狼が少女に向って飛び掛かってきた。
グッと強い力で手を引かれ、とっさにその鋭い爪を逃れる。――狩人だ。
狼の鋭い爪は、少女が避けた先にあったリンゴの樹の幹を傷つけた。
「リンゴの樹……枯れ、ちゃった……」
あんなにも生き生きとして雄大だった樹が、葉は枯れて茶色になり、太かった幹はまるで生気がないように朽ちて皮が剥がれていた。
――ぽとり。
何かが落ちる音がした。
なんだろう、と目を凝らして見てみると、金色に輝くリンゴが落ちている。
「グルル……」
くるり、と狼は身をひるがえし、少女と狩人の方に向き直った。
その時、狼の目が赤く光った。
「逃げるぞ!」
狩人が少女の手を強く引っ張った。
「待って、狩人さん! 今、リンゴの樹さんから『さようなら』と聞こえたような気がするの! そこに、何かを落として……」
「今、ここに居ちゃダメだ! あの狼は正気じゃない!」
狩人は少女を抱え上げ、村の入口まで全力で走った。
●ハンターオフィスにて
「依頼が届きました」
ハンターオフィスの職員は、淡々とした声で届いた依頼書を読み上げた。
「依頼者は、森の側の小さな村に住む狩人」
「その村の北方にある森の奥で生息していた狼が、昨晩から人を襲うようになったとの事です。この依頼書を見る限りは、恐らく雑魔化しているかと思われます」
「村人に目撃されている狼は小型が3匹と大型が2匹。普段は大人しく、これまで人を襲う事はなかったそうです」
職員はペンをくるくると回し、契約処理を進めながら話を続けた。
「また、狼に襲われて枯れた樹から、金色のリンゴが落ちたとの話も聞いています」
「合わせて、その金色のリンゴの調査もお願い出来たらと思います」
「では、よろしくお願いします」
名もなき村の近くにある深い森。
その朝露の滴る薄暗い森の中に、少女の姿があった。
「今日もおばあちゃんにリンゴを届けなくちゃ」
優しくて大好きなおばあちゃん。
少女が幼かった頃、風邪をひくと、おばあちゃんは決まって少女の大好きなリンゴをむいて食べさせてくれた。
今度は私が元気にしてあげたい――そう願って、身体の弱いおばあちゃんの住む小屋まで、毎朝採れたてのリンゴを届けるのが少女の日課だった。
「がぅ」
茂みから狼が顔を覗かせた。
だが、狼が少女を襲ってくる様子はない。
「おはよう、狼さん。今日はいい天気だねっ」
狼はしばらくじっと少女の顔を見つめていたが、自分に危害を加えてこないと分かると、ふいと茂みの奥へ去ってしまった。
「やあ、毎日ご苦労さん」
今度は茂みから、背の高い男が手を振りながら少女の前に立った。
「おはよう、狩人さん!」
「どうやら狼のヤツも、この森でたくさん採れるリンゴを食べて満腹らしい」
狩人と呼ばれた男は、森の奥にある大きなリンゴの樹を指さす。
「みんなあのリンゴの樹さんに助けられているのかな?」
「そうだな。樹齢もかなり古そうだし……この森の守り神みたいだな」
風だろうか、さわさわと葉を揺らす音が聞こえる。
頬を撫でるそよ風が気持ちいい。
少女はリンゴの樹に近付いた。
「リンゴをひとつくださいな。いつもありがとう」
少女は赤く実ったリンゴに手を伸ばした。
●
「おばあちゃん! 今日も採れたてのリンゴを持ってきたから食べてね」
「まぁまぁ……いつもありがとうね」
ベッドから身を起こし、その赤いリンゴを少女から受け取って机の上のナイフで皮をむき、8つに切り分けた。
「一緒に食べましょう」
「わぁ、おいしいね、おばあちゃん!」
噛むと、じゅわっと甘い液が口いっぱいに広がる。
「本当に美味しい……体の芯から癒してくれるような優しいお味だねぇ」
「またリンゴの樹さんからこの美味しいリンゴをもらってくる! だから、早く元気になってね!」
「ええ、ありがとうね」
おばあちゃんの目が潤み、涙が零れ落ちた。
●
「おはよう! 今日も美味しいリンゴを下さいなっ」
森の中を進み、いつも通りに少女はリンゴの樹の前に立つ。
少女は元気に挨拶をすると、赤くて美味しそうな果実をひとつ手でもいだ。
「グルル……」
「あれ、狼さん?」
狼が茂みから少女を見ていた。
いつもよりも毛並みが悪く、また、聞いたことがない声で唸っている。
「どうしたのかな、機嫌が悪いみたい」
お腹が空いているのかな、と思った少女は、そっとリンゴを差し出してみる。
「ダメだ、そいつは君を襲おうとしている! 逃げろ!」
「えっ」
叫ぶ声に反応して振り向くと、いつもは大人しい狼が少女に向って飛び掛かってきた。
グッと強い力で手を引かれ、とっさにその鋭い爪を逃れる。――狩人だ。
狼の鋭い爪は、少女が避けた先にあったリンゴの樹の幹を傷つけた。
「リンゴの樹……枯れ、ちゃった……」
あんなにも生き生きとして雄大だった樹が、葉は枯れて茶色になり、太かった幹はまるで生気がないように朽ちて皮が剥がれていた。
――ぽとり。
何かが落ちる音がした。
なんだろう、と目を凝らして見てみると、金色に輝くリンゴが落ちている。
「グルル……」
くるり、と狼は身をひるがえし、少女と狩人の方に向き直った。
その時、狼の目が赤く光った。
「逃げるぞ!」
狩人が少女の手を強く引っ張った。
「待って、狩人さん! 今、リンゴの樹さんから『さようなら』と聞こえたような気がするの! そこに、何かを落として……」
「今、ここに居ちゃダメだ! あの狼は正気じゃない!」
狩人は少女を抱え上げ、村の入口まで全力で走った。
●ハンターオフィスにて
「依頼が届きました」
ハンターオフィスの職員は、淡々とした声で届いた依頼書を読み上げた。
「依頼者は、森の側の小さな村に住む狩人」
「その村の北方にある森の奥で生息していた狼が、昨晩から人を襲うようになったとの事です。この依頼書を見る限りは、恐らく雑魔化しているかと思われます」
「村人に目撃されている狼は小型が3匹と大型が2匹。普段は大人しく、これまで人を襲う事はなかったそうです」
職員はペンをくるくると回し、契約処理を進めながら話を続けた。
「また、狼に襲われて枯れた樹から、金色のリンゴが落ちたとの話も聞いています」
「合わせて、その金色のリンゴの調査もお願い出来たらと思います」
「では、よろしくお願いします」
解説
<目的>
森の奥の狼型の雑魔の討伐。
また、大きなリンゴの樹周辺に落ちている金色のリンゴの調査。
<雑魔の特徴>
・狼(小型)×3
全長1.5m程の小型の狼です。
近づくと鋭い爪と牙で襲い掛かってきます。
攻撃方法は近接攻撃のみです。
・狼(大型)×2
全長が小型の狼の2倍以上ある大型の狼です。
攻撃方法は近接攻撃のみですが、攻撃の範囲が広いです。
<プレイングのヒント>
・小型の狼について
数は3匹。集団で襲い掛かられると厄介です。
・大型の狼について
数は2匹。前方範囲攻撃の強力な敵です。
飛び道具で戦うか、1人が囮になる作戦が良いかもしれません。
・戦闘の舞台について
樹々が生い茂った森の中です。
村の人々が森を通る際に使用していた道があり、そこは武器を振り回すには問題ない広さです。
火器をなるべく控え、森林火災を起こさぬよう十分に注意しましょう。
・金色のリンゴについて
大きなリンゴの樹が、朽ちると同時に少女の前に落としたリンゴです。
優しい魔力を感じます。
森の奥の狼型の雑魔の討伐。
また、大きなリンゴの樹周辺に落ちている金色のリンゴの調査。
<雑魔の特徴>
・狼(小型)×3
全長1.5m程の小型の狼です。
近づくと鋭い爪と牙で襲い掛かってきます。
攻撃方法は近接攻撃のみです。
・狼(大型)×2
全長が小型の狼の2倍以上ある大型の狼です。
攻撃方法は近接攻撃のみですが、攻撃の範囲が広いです。
<プレイングのヒント>
・小型の狼について
数は3匹。集団で襲い掛かられると厄介です。
・大型の狼について
数は2匹。前方範囲攻撃の強力な敵です。
飛び道具で戦うか、1人が囮になる作戦が良いかもしれません。
・戦闘の舞台について
樹々が生い茂った森の中です。
村の人々が森を通る際に使用していた道があり、そこは武器を振り回すには問題ない広さです。
火器をなるべく控え、森林火災を起こさぬよう十分に注意しましょう。
・金色のリンゴについて
大きなリンゴの樹が、朽ちると同時に少女の前に落としたリンゴです。
優しい魔力を感じます。
マスターより
はじめまして。くさのうえのひよこと申します。
草の上、と言いながら、いつもフローリングカーペットの上でコロコロしているひよこです。
森の狼さんが雑魔となって登場です。
皆さんのお力で、森の平和を取り戻して頂けますと幸いです。
植物との友情物語……泣けます。(私が)
異種族での恋や友情に弱いです。同感して下さる方絶賛募集中ですっ。
話が逸れてしまいましたが、はじめましてのストーリーをどうぞよろしくお願い致します!
草の上、と言いながら、いつもフローリングカーペットの上でコロコロしているひよこです。
森の狼さんが雑魔となって登場です。
皆さんのお力で、森の平和を取り戻して頂けますと幸いです。
植物との友情物語……泣けます。(私が)
異種族での恋や友情に弱いです。同感して下さる方絶賛募集中ですっ。
話が逸れてしまいましたが、はじめましてのストーリーをどうぞよろしくお願い致します!
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/03/05 03:15
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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【相談卓】 ソティス=アストライア(ka6538) 人間(リアルブルー)|17才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2018/02/24 22:03:13 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/02/21 01:30:04 |