ゲスト
(ka0000)
【反影】アウトサイド・ユニオン
マスター:KINUTA

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 3~8人
- ユニット参加人数
- 現在6 / 0~8
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2018/03/03 19:00
- リプレイ完成予定
- 2018/03/17 19:00
オープニング
※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
●a past event
「……α・M・8658236・ステーツマン、私は今日転送セクトでのアーキテクチャー補助作業があるので……午後まで場を離れるわ……」
「ああ、そういえば今日だったかな。β・M・35625434・ワーカーの転送は」
「……ええ……残念なことに、成人再訓練所に入所しても回復の見込みがなくて……」
「仕方ないさ。手続き通りに治療は施したんだろう?」
「ええ……それでも駄目だったのよ。気の毒なことにね……本当にどうしてあんなことになったのかしら……たった1人としか関係を持ちたがらないなんて……」
「さあね。それよりμ・F・92756471・マゴイ。君、今晩は誰とも先約はないかね?」
「……確かなかったはずだと思うわ」
「じゃあ私と付き合ってくれるかい」
「……ええ。いいわ。それでは行ってくるわね……午後にはここに戻ってくるから」
●そして変わらぬ滅亡の日々
「……と言いつつそのまま帰ってこなかったわけだがね、君は」
ユニオンは滅亡の日に向かって動いている。いつも通りに。
ワーカーは働きソルジャーは警備をしマゴイは会議をしている。いつも通りに。
ステーツマンはだらりと長椅子に腰掛けたまま、自分の手を開いたり閉じたりした。
これまでになく自分の内側から力が湧いてくるのを感じている。μ・マゴイがこの世界に放出して行った多量のマテリアルのおかげだ。
多分もう少しだった。後一押しで彼女は精霊として自己を維持する事が出来なくなり、この世界と一体化してしまったはずだ。自分と同じく歪虚として。
「君にはぜひ戻ってきてもらわないとね……私も飽き飽きしているんだよ。パニック映画のラストを延々巻き戻して見させられていることに……ほかの連中はそりゃ気楽なものさ。起きたことを全部忘れてるんだから。しかし私はそうなれなくてね……」
窓の外にはきれいな青空が広がっている。
あれはマゴイたちが結界の内側に張り付けている映像だ。荒廃した外の世界を見せて市民を不安がらせないように、との配慮から。
もう全員死んでいるんだからそんなことにこだわる必要もないのだが、本人たちにその自覚がない以上いかんともしがたい。
ユニオンが終わりを迎える数年前から、危急のさい異世界へユニオンを移転させてはどうかという案が出ていた。
その下準備として、ユニオンの維持と創設に欠かせない市民生産機関とそれに付随するインフラ工作機械等を、異世界に送りこむ実験もなされていた。
そのうち何個かは行方知れずになったが、幾つかはうまく、今クリムゾンウェストと呼ばれているこの世界に到着させることが出来た(現在μ・マゴイが使っているのがそれだ)。
しかし、それ以上にことを進めることは出来なかった。エバーグリーンの崩壊があまりにも早すぎたのだ。
「あれよあれよという間だったね実際……」
μが転送事故に巻き込まれ姿を消したのは、この滅亡の日より1年前のこと。
もし彼女があの事故に巻き込まれていなかったらどうだっただろう、とステーツマンは時々考える。そして唇を歪める。彼女が他のマゴイたちと同じようにウテルスを守り死んでいっただろうことが、容易に想像出来るので。
……部屋に備え付けてあるウォッチャーが声を発した。
【α・M・8658236・ステーツマン、α・M・8658236・ステーツマン、緊急会議が招集されました。速やかに出席をお願いします】
ステーツマンはそちらへちらりと目を向けた。
「……私はこれから出張だ。μ・マゴイを迎えに行かなければならないんだよ」
●動かせないルール
一口に異界の管理者と言っても、内実はさまざまだ。
人間の形をしている者もいれば、そうでない者もいる。
自分が管理者であることを知っている者もいれば、知らない者もいる。
異界の中に留まり続けている者もいれば、その外に出てくる者もいる。
異界から出たステーツマンは、肩越しに振り返ってぼやいた。
「ワーカーなりソルジャーなり一緒に連れ出せれば楽なんだがね……」
しかしそうはいかない。彼らは異界のサイクルの中だけにしか存在しえないのだ。
試しに何度かついてこさせようとしたこともあるが、決まって境界を越えられなかった――本人達はそのことを覚えていなかろうが。なにしろ数日単位で記憶が巻き戻し再生されている状態なので。
「……ああ、実に面倒だ……」
この汚染地帯にいる限り彼は格段の負担を感じず動ける。
しかしそこから出た場合、そうはいかない。正のマテリアルが優勢な場においては、現出するだけでも力を使うようになる。この間はるばるマゴイのもとまで行った時のように。
とはいえ、今回はそれほどのことはないだろうという確信が彼にはあった。
何故なら前回よりも確実に力を増しているからだ。その現れの第一が、地を踏むこの感触である――異界の外でも実体化出来ているのだ。
一つどれほどのものなのかと試してみたくなったステーツマンは、咆哮を放つ。
かさかさにひび割れた大地と大気が激しく振動した。
それが確かに以前より強いものになっていることを確信しつつ彼は、眠たげに周囲を見回す。
輝きを失った赤い太陽。地平線まで広がる荒野。生きているものは何もない。どこまでも不毛な、面白くも痒くもない空間だ。
星の反対側にいる住人はここがこうなっていることに今更気づき、慌てて調査のための人員を送り込んできているが、さてそれが何の役に立つものかと歪虚になっている彼は思う。
遅かれ早かれ彼らの世界も異界の一つとなるだろう。邪神を消滅させることは、事実上不可能なのだから。
「……まあ、どうでもいいことだがね……」
ステーツマンは生あくびを噛み殺した。視線を一点に向ける。
倦怠で濁った目が苛立ちの炎を宿す。
「……いや、あれはどうでもよくないね……」
大きく息を吸い込みまたしても咆哮。先程より大きいもの。
彼はたちまちのうちに、巨大な蟻の化け物へと姿を変える。
●見敵即攻撃
鼓膜を突き破るかのような咆哮。常人が受ければ恐慌のあまり発狂し、死に至りかねない叫び。
ハンターたちは跳ね上がりそうな心臓を押さえる。
彼らが対峙するのは体高3メートル、全長7メートルはあろうかという巨大な蟻型の化け物。
鎌のような顎を持ち、複眼を赤く光らせている……。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
●a past event
「……α・M・8658236・ステーツマン、私は今日転送セクトでのアーキテクチャー補助作業があるので……午後まで場を離れるわ……」
「ああ、そういえば今日だったかな。β・M・35625434・ワーカーの転送は」
「……ええ……残念なことに、成人再訓練所に入所しても回復の見込みがなくて……」
「仕方ないさ。手続き通りに治療は施したんだろう?」
「ええ……それでも駄目だったのよ。気の毒なことにね……本当にどうしてあんなことになったのかしら……たった1人としか関係を持ちたがらないなんて……」
「さあね。それよりμ・F・92756471・マゴイ。君、今晩は誰とも先約はないかね?」
「……確かなかったはずだと思うわ」
「じゃあ私と付き合ってくれるかい」
「……ええ。いいわ。それでは行ってくるわね……午後にはここに戻ってくるから」
●そして変わらぬ滅亡の日々
「……と言いつつそのまま帰ってこなかったわけだがね、君は」
ユニオンは滅亡の日に向かって動いている。いつも通りに。
ワーカーは働きソルジャーは警備をしマゴイは会議をしている。いつも通りに。
ステーツマンはだらりと長椅子に腰掛けたまま、自分の手を開いたり閉じたりした。
これまでになく自分の内側から力が湧いてくるのを感じている。μ・マゴイがこの世界に放出して行った多量のマテリアルのおかげだ。
多分もう少しだった。後一押しで彼女は精霊として自己を維持する事が出来なくなり、この世界と一体化してしまったはずだ。自分と同じく歪虚として。
「君にはぜひ戻ってきてもらわないとね……私も飽き飽きしているんだよ。パニック映画のラストを延々巻き戻して見させられていることに……ほかの連中はそりゃ気楽なものさ。起きたことを全部忘れてるんだから。しかし私はそうなれなくてね……」
窓の外にはきれいな青空が広がっている。
あれはマゴイたちが結界の内側に張り付けている映像だ。荒廃した外の世界を見せて市民を不安がらせないように、との配慮から。
もう全員死んでいるんだからそんなことにこだわる必要もないのだが、本人たちにその自覚がない以上いかんともしがたい。
ユニオンが終わりを迎える数年前から、危急のさい異世界へユニオンを移転させてはどうかという案が出ていた。
その下準備として、ユニオンの維持と創設に欠かせない市民生産機関とそれに付随するインフラ工作機械等を、異世界に送りこむ実験もなされていた。
そのうち何個かは行方知れずになったが、幾つかはうまく、今クリムゾンウェストと呼ばれているこの世界に到着させることが出来た(現在μ・マゴイが使っているのがそれだ)。
しかし、それ以上にことを進めることは出来なかった。エバーグリーンの崩壊があまりにも早すぎたのだ。
「あれよあれよという間だったね実際……」
μが転送事故に巻き込まれ姿を消したのは、この滅亡の日より1年前のこと。
もし彼女があの事故に巻き込まれていなかったらどうだっただろう、とステーツマンは時々考える。そして唇を歪める。彼女が他のマゴイたちと同じようにウテルスを守り死んでいっただろうことが、容易に想像出来るので。
……部屋に備え付けてあるウォッチャーが声を発した。
【α・M・8658236・ステーツマン、α・M・8658236・ステーツマン、緊急会議が招集されました。速やかに出席をお願いします】
ステーツマンはそちらへちらりと目を向けた。
「……私はこれから出張だ。μ・マゴイを迎えに行かなければならないんだよ」
●動かせないルール
一口に異界の管理者と言っても、内実はさまざまだ。
人間の形をしている者もいれば、そうでない者もいる。
自分が管理者であることを知っている者もいれば、知らない者もいる。
異界の中に留まり続けている者もいれば、その外に出てくる者もいる。
異界から出たステーツマンは、肩越しに振り返ってぼやいた。
「ワーカーなりソルジャーなり一緒に連れ出せれば楽なんだがね……」
しかしそうはいかない。彼らは異界のサイクルの中だけにしか存在しえないのだ。
試しに何度かついてこさせようとしたこともあるが、決まって境界を越えられなかった――本人達はそのことを覚えていなかろうが。なにしろ数日単位で記憶が巻き戻し再生されている状態なので。
「……ああ、実に面倒だ……」
この汚染地帯にいる限り彼は格段の負担を感じず動ける。
しかしそこから出た場合、そうはいかない。正のマテリアルが優勢な場においては、現出するだけでも力を使うようになる。この間はるばるマゴイのもとまで行った時のように。
とはいえ、今回はそれほどのことはないだろうという確信が彼にはあった。
何故なら前回よりも確実に力を増しているからだ。その現れの第一が、地を踏むこの感触である――異界の外でも実体化出来ているのだ。
一つどれほどのものなのかと試してみたくなったステーツマンは、咆哮を放つ。
かさかさにひび割れた大地と大気が激しく振動した。
それが確かに以前より強いものになっていることを確信しつつ彼は、眠たげに周囲を見回す。
輝きを失った赤い太陽。地平線まで広がる荒野。生きているものは何もない。どこまでも不毛な、面白くも痒くもない空間だ。
星の反対側にいる住人はここがこうなっていることに今更気づき、慌てて調査のための人員を送り込んできているが、さてそれが何の役に立つものかと歪虚になっている彼は思う。
遅かれ早かれ彼らの世界も異界の一つとなるだろう。邪神を消滅させることは、事実上不可能なのだから。
「……まあ、どうでもいいことだがね……」
ステーツマンは生あくびを噛み殺した。視線を一点に向ける。
倦怠で濁った目が苛立ちの炎を宿す。
「……いや、あれはどうでもよくないね……」
大きく息を吸い込みまたしても咆哮。先程より大きいもの。
彼はたちまちのうちに、巨大な蟻の化け物へと姿を変える。
●見敵即攻撃
鼓膜を突き破るかのような咆哮。常人が受ければ恐慌のあまり発狂し、死に至りかねない叫び。
ハンターたちは跳ね上がりそうな心臓を押さえる。
彼らが対峙するのは体高3メートル、全長7メートルはあろうかという巨大な蟻型の化け物。
鎌のような顎を持ち、複眼を赤く光らせている……。
解説
補足説明
これは次回の決戦に備え、異界の管理者であるステーツマンの戦力を可能な限り削ぎ落とすためのシナリオです。
前回の【反影】シナリオ「イントゥ・ザ・ユニオン」においてステーツマンは、英霊マゴイからマテリアルを奪い、自分の糧とすることに成功しており力を増しています。
そのために、
1:異界の外でも実体化。
2:異界の外でも巨大蟻化。
が出来るようになりました。これに伴い、周囲に与える汚染の度合いも上昇しています。
今回はこれをもとの非実体化・巨大蟻化不可まで持って行くのが目標です。それが出来れば成功となります。
ステーツマンの基本能力は「汚染」です。
その内容はまず最初に視覚。続いて聴覚。嗅覚。味覚。触覚。その後内臓器官が徐々に機能を放棄し、最後に心臓が止まるというもの。
生物系のユニットにも同じ順序でBSが及んできます。
機械系のユニットは、生物系のユニットより幾らか効きが遅いですが、やはりその場にいるだけで五感の機能が壊され、最終的に動かなくなってしまいます。
汚染は基本的に、彼に近づけば近づくほど強くなります。(ステーツマンが意識して特定の相手を汚染しようとした場合、そのほかの人間に対する汚染の進行は停滞します)。
汚染対策としては、浄化系統の魔法が有効です。
ステーツマンの性格等々については、先に上げました【反影】シナリオ「イントゥ・ザ・ユニオン」を参考にしてくださいませ。
彼の歪虚としての属性は「怠惰」です。
これは次回の決戦に備え、異界の管理者であるステーツマンの戦力を可能な限り削ぎ落とすためのシナリオです。
前回の【反影】シナリオ「イントゥ・ザ・ユニオン」においてステーツマンは、英霊マゴイからマテリアルを奪い、自分の糧とすることに成功しており力を増しています。
そのために、
1:異界の外でも実体化。
2:異界の外でも巨大蟻化。
が出来るようになりました。これに伴い、周囲に与える汚染の度合いも上昇しています。
今回はこれをもとの非実体化・巨大蟻化不可まで持って行くのが目標です。それが出来れば成功となります。
ステーツマンの基本能力は「汚染」です。
その内容はまず最初に視覚。続いて聴覚。嗅覚。味覚。触覚。その後内臓器官が徐々に機能を放棄し、最後に心臓が止まるというもの。
生物系のユニットにも同じ順序でBSが及んできます。
機械系のユニットは、生物系のユニットより幾らか効きが遅いですが、やはりその場にいるだけで五感の機能が壊され、最終的に動かなくなってしまいます。
汚染は基本的に、彼に近づけば近づくほど強くなります。(ステーツマンが意識して特定の相手を汚染しようとした場合、そのほかの人間に対する汚染の進行は停滞します)。
汚染対策としては、浄化系統の魔法が有効です。
ステーツマンの性格等々については、先に上げました【反影】シナリオ「イントゥ・ザ・ユニオン」を参考にしてくださいませ。
彼の歪虚としての属性は「怠惰」です。
マスターより
KINUTAです。
再び出ましたステーツマン。
前回よりパワーアップしていますので、要注意を。
登場はしませんが、質問受付役としてスペットを置いておきます。
再び出ましたステーツマン。
前回よりパワーアップしていますので、要注意を。
登場はしませんが、質問受付役としてスペットを置いておきます。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/03/13 01:31
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
質問卓 マルカ・アニチキン(ka2542) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2018/02/25 17:59:32 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/02/26 18:50:47 |
|
![]() |
相談卓だよ 天竜寺 詩(ka0396) 人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2018/03/03 15:17:58 |