ゲスト
(ka0000)
【陶曲】未来への船出
マスター:のどか

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在25人 / 1~25人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/02/26 19:00
- リプレイ完成予定
- 2018/03/12 19:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
舞台の建設が進むヴァリオス中心広場でエヴァルド・ブラマンデ(kz0076)とロメオ・ガッディ(kz0031)は、その工事の様子をひと心地ついた様子で眺めていた。
「まぁ、なんとか形には纏まりましたな」
刈り揃えられたアゴ髭を撫でながら目を細めるロメオに、エヴァルドは静かに頷き返す。
「ええ、無事に当日を迎えられそうというのは何よりもありがたいことです」
冬の寒風が吹き抜けて思わず腕を抱いたロメオと裏腹に堂々とした姿の彼は、その艶やかな髪を風になびかせる。
「ポルトワール側の首尾はいかがなものです?」
「ああ、若い連中に頼んで進めさせてありますよ。なぁに、やることは漁獲祭なんかと変わりはしません。後進を育てることも指導者の務め――と言いながら、たまにはこうして誰かの尻について人を動かすことを覚えんと、この先いく年、身が持たなさそうで」
「気苦労、お察しします」
「ははは、あなたも今にそうなりますよ!」
苦笑するエヴァルドを、ロメオは自虐交じりに豪快に笑い飛ばした。
今回、同盟諸都市でとあるイベントが開催されることになった。
内容は『寄せ書きで帆を作ろう』というもの。
大きな布を各都市に配り、それぞれで開催する大小さまざまなイベントの中で、市民や観光客たちに寄せ書きを書いてもらおう――という内容だ。
最終的にはそれぞれで出来上がった「寄せ書き」を縫い合わせ、大きな『帆』を作り上げる。
同盟という大船のメインマストに張り掲げるような、未来と希望へのメッセージを込めた、一大イベントだった。
同盟内で相次ぐ歪虚の動乱は、人々を、そして国家そのものを疲弊させているのに間違いは無い。
一時なりを治めたかと思えば、忘れたころに再び生活を脅かす。
こちらの動揺を観て嘲笑うかのように神出鬼没の敵の動きは、まるで統率なんて取れていないようにも見えるが、だからこそ常に隣り合わせに在る恐怖として人々の心に擦り込まれつつあった。
各地で発見された謎の『腕』のこともある。
まだ見ぬ何かがこの地で蠢いているのではないか。
いや――それともとっくにこの国は歪虚の手の内にあるのではないか。
日に日に積もっていく汚水のような心配は、いつ心という器から溢れ出すかも分からない。
「同盟は商売人の国だ。いがみ合うのなんざ、歪虚に逆撫でされなくったって日常茶飯事だ。だけど、そう仕向けられる――ってのは、やはり気持ちのいいもんじゃない。商売人のいがみ合いには、それぞれの信念――利益の獲得ってヤツがある。店のため、自分のため、家族のため、理由は何だって構いやしない。それがあるからこそ競い合い、たまに――いや、しょっちゅうか――もめごとが起こったりもする。それに比べたら歪虚の奴らが仕向けたいがみ合いは、損ばかりで利益なんてありゃしない。よくよく考えりゃ、疑心暗鬼になる必要なんざ初めからなかったんですがね」
長々と垂れたロメオの言葉は、暗に自分のことを気遣っているのだろうと傍らのエヴァルドはすぐに理解する。
そもそも互いに評議会の都市代表同士というだけで、それほど付き合いのある相手ではない。
それでも、どうも演技が下手というか……隠し事のできない人間なんだろうな、というのはこのひと月ほどだけでよく分かっていた。
だからこそ、ポルトワールなんていう明暗がハッキリ分かれた都市をまとめ上げるにはうってつけの人材なのだろう。
信用は何よりも街の、人の柱――知っていても裏に裏を重ねて来た自分の生き方とは正反対のその姿は、どこかまぶしいようにも見える。
しかしながら自分自身もそう在りたいかと言えば、そうではない。
ヴァリオスでそんな生き方をすれば、骨の髄まで綺麗にしゃぶられるのがオチだ。
ポルトワールにはポルトワールの、ヴァリオスにはヴァリオスの流儀というものがある。
「おっと、そろそろポルトワールに戻らにゃ日が暮れてしまう。私はこの辺で失礼しましょう。お互い、無事に成功を祈っております」
「ええ、よろしくお願いします」
握手を交わして、ロメオは遠方へ控えさせた馬車へと乗り込んでいく。
その姿を見送って、エヴァルドは再び作業中の舞台を見上げる。
そして大きく1つ深呼吸をすると、スタッフの打ち合わせのためにオフィスの担当職員を待たせる事務所へと足を運ぶのであった。
舞台の建設が進むヴァリオス中心広場でエヴァルド・ブラマンデ(kz0076)とロメオ・ガッディ(kz0031)は、その工事の様子をひと心地ついた様子で眺めていた。
「まぁ、なんとか形には纏まりましたな」
刈り揃えられたアゴ髭を撫でながら目を細めるロメオに、エヴァルドは静かに頷き返す。
「ええ、無事に当日を迎えられそうというのは何よりもありがたいことです」
冬の寒風が吹き抜けて思わず腕を抱いたロメオと裏腹に堂々とした姿の彼は、その艶やかな髪を風になびかせる。
「ポルトワール側の首尾はいかがなものです?」
「ああ、若い連中に頼んで進めさせてありますよ。なぁに、やることは漁獲祭なんかと変わりはしません。後進を育てることも指導者の務め――と言いながら、たまにはこうして誰かの尻について人を動かすことを覚えんと、この先いく年、身が持たなさそうで」
「気苦労、お察しします」
「ははは、あなたも今にそうなりますよ!」
苦笑するエヴァルドを、ロメオは自虐交じりに豪快に笑い飛ばした。
今回、同盟諸都市でとあるイベントが開催されることになった。
内容は『寄せ書きで帆を作ろう』というもの。
大きな布を各都市に配り、それぞれで開催する大小さまざまなイベントの中で、市民や観光客たちに寄せ書きを書いてもらおう――という内容だ。
最終的にはそれぞれで出来上がった「寄せ書き」を縫い合わせ、大きな『帆』を作り上げる。
同盟という大船のメインマストに張り掲げるような、未来と希望へのメッセージを込めた、一大イベントだった。
同盟内で相次ぐ歪虚の動乱は、人々を、そして国家そのものを疲弊させているのに間違いは無い。
一時なりを治めたかと思えば、忘れたころに再び生活を脅かす。
こちらの動揺を観て嘲笑うかのように神出鬼没の敵の動きは、まるで統率なんて取れていないようにも見えるが、だからこそ常に隣り合わせに在る恐怖として人々の心に擦り込まれつつあった。
各地で発見された謎の『腕』のこともある。
まだ見ぬ何かがこの地で蠢いているのではないか。
いや――それともとっくにこの国は歪虚の手の内にあるのではないか。
日に日に積もっていく汚水のような心配は、いつ心という器から溢れ出すかも分からない。
「同盟は商売人の国だ。いがみ合うのなんざ、歪虚に逆撫でされなくったって日常茶飯事だ。だけど、そう仕向けられる――ってのは、やはり気持ちのいいもんじゃない。商売人のいがみ合いには、それぞれの信念――利益の獲得ってヤツがある。店のため、自分のため、家族のため、理由は何だって構いやしない。それがあるからこそ競い合い、たまに――いや、しょっちゅうか――もめごとが起こったりもする。それに比べたら歪虚の奴らが仕向けたいがみ合いは、損ばかりで利益なんてありゃしない。よくよく考えりゃ、疑心暗鬼になる必要なんざ初めからなかったんですがね」
長々と垂れたロメオの言葉は、暗に自分のことを気遣っているのだろうと傍らのエヴァルドはすぐに理解する。
そもそも互いに評議会の都市代表同士というだけで、それほど付き合いのある相手ではない。
それでも、どうも演技が下手というか……隠し事のできない人間なんだろうな、というのはこのひと月ほどだけでよく分かっていた。
だからこそ、ポルトワールなんていう明暗がハッキリ分かれた都市をまとめ上げるにはうってつけの人材なのだろう。
信用は何よりも街の、人の柱――知っていても裏に裏を重ねて来た自分の生き方とは正反対のその姿は、どこかまぶしいようにも見える。
しかしながら自分自身もそう在りたいかと言えば、そうではない。
ヴァリオスでそんな生き方をすれば、骨の髄まで綺麗にしゃぶられるのがオチだ。
ポルトワールにはポルトワールの、ヴァリオスにはヴァリオスの流儀というものがある。
「おっと、そろそろポルトワールに戻らにゃ日が暮れてしまう。私はこの辺で失礼しましょう。お互い、無事に成功を祈っております」
「ええ、よろしくお願いします」
握手を交わして、ロメオは遠方へ控えさせた馬車へと乗り込んでいく。
その姿を見送って、エヴァルドは再び作業中の舞台を見上げる。
そして大きく1つ深呼吸をすると、スタッフの打ち合わせのためにオフィスの担当職員を待たせる事務所へと足を運ぶのであった。
解説
▼目的
ヴァリオス、ポルトワール両都市でのイベントの成功
▼概要
「未来への夢や想いを込めた寄せ書きで帆を作ろう」という今回のイベントは、相次ぐ動乱で疲弊した同盟諸都市の人々の自分自身へのエールと、「同盟」としての一致団結を目指して企画されました。
再び嫉妬歪虚による疑心暗鬼の種が撒かれたとしても、これを象徴に、みんなは常に同じ船に乗って、同じ進路であるところの未来を向いているのことを忘れない、という願いが込められています。
皆さんはそのイベントスタッフとしてオフィスを通して雇われたハンターです。
現地にて宣伝活動や盛り上げに貢献し、1人でも多くの市民や観光客の来場を促してください。
また、ハンター自身が寄せ書きを書くことももちろんOKです。
寄せ書きを書いてくれた市民へは「記念品コイン」を配ります。
これは、寄せ帆を書いたことをいつでも思い出せるようにとの意図によるものです。
本シナリオでは以下の2都市に関するイベントを担当します。
それぞれタグとして分けてありますので、どちらかを選択してご協力ください。
なお場所が離れている都合上、掛け持つことはできません。
【極彩】
首都である商業都市ヴァリオスの会場です。中心街の広場に舞台を設置して、ステージイベントを開催します。モブの大道芸達の他、ハンター自身の登壇も可能です。
エヴァルドが責任者としてついています。
【港湾】
港湾都市ポルトワールでの会場です。港の広場で出店や屋台が並ぶマーケットを開催します。食品や手工業者の他、ハンターの出店も可能です。
ロメオが責任者としてついています。
タグ概要はイベントの大枠ですので、企画があれば他のことで客を引き込んでも構いません(蔵倫だけ守りましょう)。
よほどのものでなければたいていの備品はエヴァルド基金で準備できるので、不安があれば質問卓を準備して「〇〇は準備できますか」とご確認ください。
ヴァリオス、ポルトワール両都市でのイベントの成功
▼概要
「未来への夢や想いを込めた寄せ書きで帆を作ろう」という今回のイベントは、相次ぐ動乱で疲弊した同盟諸都市の人々の自分自身へのエールと、「同盟」としての一致団結を目指して企画されました。
再び嫉妬歪虚による疑心暗鬼の種が撒かれたとしても、これを象徴に、みんなは常に同じ船に乗って、同じ進路であるところの未来を向いているのことを忘れない、という願いが込められています。
皆さんはそのイベントスタッフとしてオフィスを通して雇われたハンターです。
現地にて宣伝活動や盛り上げに貢献し、1人でも多くの市民や観光客の来場を促してください。
また、ハンター自身が寄せ書きを書くことももちろんOKです。
寄せ書きを書いてくれた市民へは「記念品コイン」を配ります。
これは、寄せ帆を書いたことをいつでも思い出せるようにとの意図によるものです。
本シナリオでは以下の2都市に関するイベントを担当します。
それぞれタグとして分けてありますので、どちらかを選択してご協力ください。
なお場所が離れている都合上、掛け持つことはできません。
【極彩】
首都である商業都市ヴァリオスの会場です。中心街の広場に舞台を設置して、ステージイベントを開催します。モブの大道芸達の他、ハンター自身の登壇も可能です。
エヴァルドが責任者としてついています。
【港湾】
港湾都市ポルトワールでの会場です。港の広場で出店や屋台が並ぶマーケットを開催します。食品や手工業者の他、ハンターの出店も可能です。
ロメオが責任者としてついています。
タグ概要はイベントの大枠ですので、企画があれば他のことで客を引き込んでも構いません(蔵倫だけ守りましょう)。
よほどのものでなければたいていの備品はエヴァルド基金で準備できるので、不安があれば質問卓を準備して「〇〇は準備できますか」とご確認ください。
マスターより
おはようございます、のどかです。
【陶曲】連動となりますが、今回はちょっと趣向が変わって日常サイドのシナリオをお届けします。
国王でも皇帝でもない、文字通りに市民こそが国と政治の主役である『自由都市同盟』。
それを今一度みなさんと、同盟に住む人々と、確かめ合うようなシナリオにできたらなと思っています。
フマーレ編も深夜MSがリリースしてくださっていますので、併せてどうぞ!
質問がありましたら別途卓を立ててエヴァルドまでご用命ください。
みな様のご参加をお待ちしております!
【陶曲】連動となりますが、今回はちょっと趣向が変わって日常サイドのシナリオをお届けします。
国王でも皇帝でもない、文字通りに市民こそが国と政治の主役である『自由都市同盟』。
それを今一度みなさんと、同盟に住む人々と、確かめ合うようなシナリオにできたらなと思っています。
フマーレ編も深夜MSがリリースしてくださっていますので、併せてどうぞ!
質問がありましたら別途卓を立ててエヴァルドまでご用命ください。
みな様のご参加をお待ちしております!
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/03/13 00:44
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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『未来への船出』相談卓 ジャック・エルギン(ka1522) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/02/26 17:50:50 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/02/26 16:00:40 |