ゲスト
(ka0000)
【初心】薔薇にまつわる白い影
マスター:三田村 薫

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加制限
- LV1~LV20
- 参加人数
- 現在3人 / 3~4人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/03/10 12:00
- リプレイ完成予定
- 2018/03/19 12:00
オープニング
●ハンターオフィスにて
急募! 花壇に現れる幽霊の撃退!
そんな文言を目にしてやって来たあなたたちに、眼鏡におさげの職員は説明します。
「とある町に、すごくお花が好きなおばあさんがいました。彼女は親を若い内に亡くしましたがその家を相続し、母が残した庭園のお手入れを生きがいにしていました。結婚して子どもも生まれ孫も生まれました」
職員は昔話でもするかのように話しました。まるで物語のようです。
「ですが、時間は無情にも流れ、旦那さんは先にお墓に、本人も加齢による生活能力の低下もろもろで、老人専用の療養所に入ってしまいます。その際に、庭園の花も町の人たちに配って全て処分しました」
あなたたちは職員の話を黙って聞いています。その様子に職員は満足そうです。
「とても綺麗な庭園を町の人たちは愛していたので、簡単に取り壊すのも可哀想だ。せめて彼女が天寿を全うするまでは置いておこう。そう思って、おばあさんのおうちはまだそのまま、置いてあります。ですが……」
眼鏡がきらり、と光りました。
「ですが、おばあさんが使っていた部屋の窓、その真下に当たる花壇に、薔薇が残っていました。処分できなかったのか忘れていたのかはわかりませんが……とにかく残っていました。赤い薔薇です。枯れるのも忍びないけど、撤去してしまうのも心苦しい。そう思って、町の人たちは気がついた時には水をあげたりお手入れしてたりしていたのですが……」
そこで職員は思わせぶりに笑います。
「どうやっても、素人芸ではない手入れがされているのです。町の花屋さんは知らないと言います。さて、一体誰が? 町の人は誰も自分だと言いませんでした。正直者ですね。つっても嘘吐いたところで、やってみろって言われたらできないからなんだけどね」
けらけらと笑う職員は、やや不真面目に見えるかも知れません。
「で、ここからが本題。そのおばあさんの花壇の前に、夜中に白い人影がやってくると言う噂が随分前からありました。おばあさんが療養所に入る前からね。町の人はだーれも自分だと言いません。言わなくて正解でした」
どういう意味だろう。あなたたちは首を傾げます。職員はにたぁ、と口角を上げました。
「最近になってから、その人影は刃物を持っていると言うからです」
●ハンターオフィスにて・その二
「ま、そういう感じです~長ったらしい説明にお付き合いありがとございました!」
職員はぺこん、と頭を下げると、お手持ちの資料の二枚目をご覧ください、と続けます。
「要約すると、おばあさんの家の前に夜な夜な現れる白い幽霊っぽい何者かの正体を突き止め、もし歪虚であるなら討伐してくださいってことですね。え? 歪虚じゃなかった場合? 危ない人なら警察ですね~! とは言え、歪虚の可能性は低いんじゃないかと思いますう」
資料の二枚目には、関係者の現在について書かれています。おばあさんは一応は健在で、療養所にも行けば面会できるとのこと。
「ただねぇ、おばあさん、ちょっとばかしぼんやりさんになっててですねぇ、町の人がしらせたら、それは天使だわって言うんです」
天使? どういうことだろう。あなたたちは首を傾げました。職員はあなたたちの戸惑いを察しますが、
「精霊って感じもしないですしねぇ。ま、そんなわけでまずはそのおばあさんに話を聞くのもお勧めです。じゃ、以上よろしくお願いしまーす!」
肝心なことは何も教えてくれませんでした。おばあさんに話を聞くしかないようです。
●おばあさんの思い出
あら、あなたたちも天使の話を聞きに来たの? そう。嬉しいわ。私の大事な思い出だもの。
私がうんと小さい頃……いくつだったかしらねぇ。もう忘れちゃった。歳ね。
ある日、風邪をひいて熱を出してしまってね。すごく心細かったの。昼間にずっと寝ていたせいで、夜は妙に目が冴えてしまっていて、その晩はずっと明るい月を見ていた。
そしたら、ふふ、天使が窓辺にやって来たのよ!
とても綺麗な女の人だった。白い肌、白にも見える金髪。とんがった耳が、ぴんとしてその先が月の光を集めるように輝いていたの。
天使は窓辺の薔薇をうっとりと見つめていて、私はその天使を見てうっとりとしてしまった。そんなことをしている内に、天使は私が彼女を見ていたことに気付いてしまったの。彼女ははっとして、少し怯えた顔で私を見たわ。私、熱があるせいかしらね? お話したい。そう思って窓を開けたの。夜風が気持ちよかったのを覚えてる。
「あなた天使でしょう?」
彼女はそうとも違うとも言わなかった。青い目が困ったようにこちらを見ていたの。
「私がここに来たことは誰にも言わないでほしい」
私の問いには答えないで、彼女は小さな声で私に言った。
「もちろん! 絶対内緒にするわ……だからね、天使さん、私のお熱を下げてください」
そう言ってお祈りのポーズをして頭を垂れると、彼女が戸惑ったのがわかった。突然お祈りだなんて、私何を考えていたのかしらね? 全部熱のせいだわ。それととても美しい天使と薔薇のせい!
「わ、わかった。うん、こうして、撫でてやろう……こ、これで明日には下がっている筈だ……」
そんなことをまごまごと言いながら、彼女は私の頭を何回か撫でると去って行った。勝手に人間界に降りていたことがわかったら怒られるのね。
熱? 下がらなかったわ。でも次の日は気分良く過ごせたからやっぱり天使だったのね。
でも、もし天使じゃなくて、この世の生き物だったとしたら……私なんかよりうんとおばあさんになっていると思うわ。彼女がしわしわのよぼよぼになっているところなんて、あまり想像できないけどね。
急募! 花壇に現れる幽霊の撃退!
そんな文言を目にしてやって来たあなたたちに、眼鏡におさげの職員は説明します。
「とある町に、すごくお花が好きなおばあさんがいました。彼女は親を若い内に亡くしましたがその家を相続し、母が残した庭園のお手入れを生きがいにしていました。結婚して子どもも生まれ孫も生まれました」
職員は昔話でもするかのように話しました。まるで物語のようです。
「ですが、時間は無情にも流れ、旦那さんは先にお墓に、本人も加齢による生活能力の低下もろもろで、老人専用の療養所に入ってしまいます。その際に、庭園の花も町の人たちに配って全て処分しました」
あなたたちは職員の話を黙って聞いています。その様子に職員は満足そうです。
「とても綺麗な庭園を町の人たちは愛していたので、簡単に取り壊すのも可哀想だ。せめて彼女が天寿を全うするまでは置いておこう。そう思って、おばあさんのおうちはまだそのまま、置いてあります。ですが……」
眼鏡がきらり、と光りました。
「ですが、おばあさんが使っていた部屋の窓、その真下に当たる花壇に、薔薇が残っていました。処分できなかったのか忘れていたのかはわかりませんが……とにかく残っていました。赤い薔薇です。枯れるのも忍びないけど、撤去してしまうのも心苦しい。そう思って、町の人たちは気がついた時には水をあげたりお手入れしてたりしていたのですが……」
そこで職員は思わせぶりに笑います。
「どうやっても、素人芸ではない手入れがされているのです。町の花屋さんは知らないと言います。さて、一体誰が? 町の人は誰も自分だと言いませんでした。正直者ですね。つっても嘘吐いたところで、やってみろって言われたらできないからなんだけどね」
けらけらと笑う職員は、やや不真面目に見えるかも知れません。
「で、ここからが本題。そのおばあさんの花壇の前に、夜中に白い人影がやってくると言う噂が随分前からありました。おばあさんが療養所に入る前からね。町の人はだーれも自分だと言いません。言わなくて正解でした」
どういう意味だろう。あなたたちは首を傾げます。職員はにたぁ、と口角を上げました。
「最近になってから、その人影は刃物を持っていると言うからです」
●ハンターオフィスにて・その二
「ま、そういう感じです~長ったらしい説明にお付き合いありがとございました!」
職員はぺこん、と頭を下げると、お手持ちの資料の二枚目をご覧ください、と続けます。
「要約すると、おばあさんの家の前に夜な夜な現れる白い幽霊っぽい何者かの正体を突き止め、もし歪虚であるなら討伐してくださいってことですね。え? 歪虚じゃなかった場合? 危ない人なら警察ですね~! とは言え、歪虚の可能性は低いんじゃないかと思いますう」
資料の二枚目には、関係者の現在について書かれています。おばあさんは一応は健在で、療養所にも行けば面会できるとのこと。
「ただねぇ、おばあさん、ちょっとばかしぼんやりさんになっててですねぇ、町の人がしらせたら、それは天使だわって言うんです」
天使? どういうことだろう。あなたたちは首を傾げました。職員はあなたたちの戸惑いを察しますが、
「精霊って感じもしないですしねぇ。ま、そんなわけでまずはそのおばあさんに話を聞くのもお勧めです。じゃ、以上よろしくお願いしまーす!」
肝心なことは何も教えてくれませんでした。おばあさんに話を聞くしかないようです。
●おばあさんの思い出
あら、あなたたちも天使の話を聞きに来たの? そう。嬉しいわ。私の大事な思い出だもの。
私がうんと小さい頃……いくつだったかしらねぇ。もう忘れちゃった。歳ね。
ある日、風邪をひいて熱を出してしまってね。すごく心細かったの。昼間にずっと寝ていたせいで、夜は妙に目が冴えてしまっていて、その晩はずっと明るい月を見ていた。
そしたら、ふふ、天使が窓辺にやって来たのよ!
とても綺麗な女の人だった。白い肌、白にも見える金髪。とんがった耳が、ぴんとしてその先が月の光を集めるように輝いていたの。
天使は窓辺の薔薇をうっとりと見つめていて、私はその天使を見てうっとりとしてしまった。そんなことをしている内に、天使は私が彼女を見ていたことに気付いてしまったの。彼女ははっとして、少し怯えた顔で私を見たわ。私、熱があるせいかしらね? お話したい。そう思って窓を開けたの。夜風が気持ちよかったのを覚えてる。
「あなた天使でしょう?」
彼女はそうとも違うとも言わなかった。青い目が困ったようにこちらを見ていたの。
「私がここに来たことは誰にも言わないでほしい」
私の問いには答えないで、彼女は小さな声で私に言った。
「もちろん! 絶対内緒にするわ……だからね、天使さん、私のお熱を下げてください」
そう言ってお祈りのポーズをして頭を垂れると、彼女が戸惑ったのがわかった。突然お祈りだなんて、私何を考えていたのかしらね? 全部熱のせいだわ。それととても美しい天使と薔薇のせい!
「わ、わかった。うん、こうして、撫でてやろう……こ、これで明日には下がっている筈だ……」
そんなことをまごまごと言いながら、彼女は私の頭を何回か撫でると去って行った。勝手に人間界に降りていたことがわかったら怒られるのね。
熱? 下がらなかったわ。でも次の日は気分良く過ごせたからやっぱり天使だったのね。
でも、もし天使じゃなくて、この世の生き物だったとしたら……私なんかよりうんとおばあさんになっていると思うわ。彼女がしわしわのよぼよぼになっているところなんて、あまり想像できないけどね。
解説
●目的
おばあさんの家の花壇に現れる白い人影の正体を突き止めてください。
●プレイングについて。
探索箇所や推理、取りたい行動をプレイングにてご記入ください。探索結果はリプレイにて描写させていただきます。
●調べられる場所
庭園:かつておばあさんが手入れし続けていた庭園。今は全ての花が処分されている。あずまやが残っており、雨風をしのぐことはできそうだ。
花壇:おばあさんが使っていた部屋の前にある花壇。薔薇が咲いている。
屋内:おばあさんの部屋、キッチン、物置、トイレ、リビングなどなど。普通の家にある部屋はあります。
その他プレイングにて指定してください。
●まとめ
・とある町には花が大好きなおばあさんがいたが、療養所に入ることになり庭園の花は全て処分した。
・しかし窓辺の薔薇だけ処分し損ねていた。町の人たちで水をあげたり手入れしたりしている。
・だが、町の人たちの手ではない手入れがされていた。
・もともと、夜中に花壇前で白い人影が目撃されている。
・最近その人影は刃物を持っているらしい。
・おばあさんは昔その花壇の前で耳の尖った美しい「天使」と話したことがある。
おばあさんの家の花壇に現れる白い人影の正体を突き止めてください。
●プレイングについて。
探索箇所や推理、取りたい行動をプレイングにてご記入ください。探索結果はリプレイにて描写させていただきます。
●調べられる場所
庭園:かつておばあさんが手入れし続けていた庭園。今は全ての花が処分されている。あずまやが残っており、雨風をしのぐことはできそうだ。
花壇:おばあさんが使っていた部屋の前にある花壇。薔薇が咲いている。
屋内:おばあさんの部屋、キッチン、物置、トイレ、リビングなどなど。普通の家にある部屋はあります。
その他プレイングにて指定してください。
●まとめ
・とある町には花が大好きなおばあさんがいたが、療養所に入ることになり庭園の花は全て処分した。
・しかし窓辺の薔薇だけ処分し損ねていた。町の人たちで水をあげたり手入れしたりしている。
・だが、町の人たちの手ではない手入れがされていた。
・もともと、夜中に花壇前で白い人影が目撃されている。
・最近その人影は刃物を持っているらしい。
・おばあさんは昔その花壇の前で耳の尖った美しい「天使」と話したことがある。
マスターより
こんにちは三田村薫です。
薔薇の花はどれも好きですが中でもバターカップは色も可愛くて好きです。黄色なので贈り物にはちょっと考えてしまいますけども。
今回のシナリオにはシンプルに赤い薔薇です。花言葉は情熱。一体情熱を持ってお世話しているのは誰なのでしょうか?
今回はちょっと趣向を変えて探索・推理型シナリオにしてみました。プレイングに調べる場所や推理を遠慮無く書いていただければと思います。一応結末は決まってはいますがプレイング次第で想定より良いものになるかもしれません。
薔薇の花はどれも好きですが中でもバターカップは色も可愛くて好きです。黄色なので贈り物にはちょっと考えてしまいますけども。
今回のシナリオにはシンプルに赤い薔薇です。花言葉は情熱。一体情熱を持ってお世話しているのは誰なのでしょうか?
今回はちょっと趣向を変えて探索・推理型シナリオにしてみました。プレイングに調べる場所や推理を遠慮無く書いていただければと思います。一応結末は決まってはいますがプレイング次第で想定より良いものになるかもしれません。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/03/13 02:07
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 無道(ka7139) 鬼|23才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/03/09 16:12:40 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/03/09 12:47:00 |