ゲスト
(ka0000)
【RH】誰がその手を汚すというのか
マスター:凪池シリル

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 不明
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在4人 / 3~4人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/03/07 12:00
- リプレイ完成予定
- 2018/03/16 12:00
オープニング
鉄の箱──武装トラック「ブロート」──が蓋を開け、吐き出されるように中にいた強化人間たちが散開しながら前進してくる。
その様子を、双眼鏡から見届ける。
頑丈な鋼鉄と近寄らせぬための機銃。それらからの守りを放棄してこの位置から姿を現してきたのは何故か。
見せつけているようだと思った。鉄の箱。周囲に展開するそれら。CAM。軍用トラック。その『中身』が何であるかを。
「……我々は、貴方方の控えに回れと命を受けております」
ラズモネ・シャングリラより遣わされた兵士たちは、ハンターたちと情報を共有すると、そのように告げた。
「貴方方が目的を完遂できなかった場合、その後は我々が引き継ぐと」
静かに。
意識してだろう、感情を極力抑えたその声に、ハンターたちは何を感じるのか。
目的。今回与えられた任務。今眼前で展開したトラックが、このチームの『担当』であり、つまり今出てきた強化人間、彼らを『無力化』することが使命となる。
──それを、『完遂できなかった場合』とは、いったい何を想定しているのか。
一般的には、強化人間の能力はまだまだ、クリムゾンウェストの覚醒者であるハンターには及ばないことの方が多い。
洗脳され暴走し、統率の取れない彼らを一体一体倒せばいい。試作品のCAMといった未知数の部分も少ない。敵戦力的には、今回の戦場の中で最も楽な部類と言えるかもしれない──戦力的、には?
いちいちそんな前置きの単語が挟まることが、そんな単純な問題では無いことを示している。
鉄の箱に覆い隠されない、顔が見える相手との死合い。見えてようが見えていまいがやっていることは同じこと……と、完璧に割り切るのは、やはり難しかった。
認めて、今回依頼に応じたハンターの一人、スウィンは皮肉気に唇の端を吊り上げる。
「オレぁ腹芸ってのはどうにも好きじゃねえ。はっきりさせてえんだが、あんたらの言う『無力化』てのはどういう意味だ?」
苦々しさを隠さずに問う。兵士の表情は崩れない。
「その『解釈』はハンターに任せろと。森山艦長はそうおっしゃいました」
返答に、スウィンは挑発的な表情を一度収めた。どうやらラズモネ・シャングリラ側の意図としても、本音としてこちらに望みをかけたくないわけでは無いらしい。
説得。拘束。とにかく向こうがこちらに歯向かわなくなる状態をつくれるなら、それでもいいと。
ただ……状況を決して楽観しても居ない。
洗脳されている、つまり対象がどうあっても説得、降伏に応じない場合。その可能性も決して低くはないと見ている……というか、現実、ほぼ間違いなく彼らはそういう状態にあるだろうと目されている。
「お判りでしょうが、我々の中にも強化人間がおります」
相対する兵士が告げる。決然と。
「なればこそ、彼らに同情する以上に、その刃が友軍に、ましてや市井の人間に致命的な被害を与えるなどあってはいけないと思っております」
言葉に、スウィンは息を吐いた。認めよう。彼らの覚悟は本物だと。スウィンは意識して、己の剣に掘られた意匠の花びらに指で触れた。
分かるのは。似たような覚悟を彼もしたことがあるからだ。雑魔と化した師匠の遺体に刃を向けたとき。感情では斬りたくない相手に、刃を向ける覚悟。ただ、その時とはまた重さが違う話だ。あの時はもう、本当にどうしようもないと言い聞かせることが出来た。
今回は、どうなのか。
出来れば殺したくはない。それが真っ先に浮かぶ本音で、そのためのリスクや、自分に降りかかる被害を受け止める覚悟はある。
そこからもう一歩。
(出来そうにねえ、って分かっちまったら、オレはそこから先をどうする……?)
死ぬ気で向かってくる相手を、説得でなく無力化するなら、相応の作戦と実力差がいるだろう。そして実力差という点を、兵士たちに求めるのは難しい。
つまり自分たちが『出来ない』と認めた段階で、今回反乱を起こした強化人間たちの末路はほぼ決まる。
(分かってて、それを押し付けるってのもまあ……実に、胸糞悪ぃ話だよな。それなら。それならオレぁ……)
ぐ、と剣を引き寄せる。会敵のその瞬間まで、スウィンは覚悟を研ぎ澄ませることに決めた。相反する、二つの覚悟を。
その様子を、双眼鏡から見届ける。
頑丈な鋼鉄と近寄らせぬための機銃。それらからの守りを放棄してこの位置から姿を現してきたのは何故か。
見せつけているようだと思った。鉄の箱。周囲に展開するそれら。CAM。軍用トラック。その『中身』が何であるかを。
「……我々は、貴方方の控えに回れと命を受けております」
ラズモネ・シャングリラより遣わされた兵士たちは、ハンターたちと情報を共有すると、そのように告げた。
「貴方方が目的を完遂できなかった場合、その後は我々が引き継ぐと」
静かに。
意識してだろう、感情を極力抑えたその声に、ハンターたちは何を感じるのか。
目的。今回与えられた任務。今眼前で展開したトラックが、このチームの『担当』であり、つまり今出てきた強化人間、彼らを『無力化』することが使命となる。
──それを、『完遂できなかった場合』とは、いったい何を想定しているのか。
一般的には、強化人間の能力はまだまだ、クリムゾンウェストの覚醒者であるハンターには及ばないことの方が多い。
洗脳され暴走し、統率の取れない彼らを一体一体倒せばいい。試作品のCAMといった未知数の部分も少ない。敵戦力的には、今回の戦場の中で最も楽な部類と言えるかもしれない──戦力的、には?
いちいちそんな前置きの単語が挟まることが、そんな単純な問題では無いことを示している。
鉄の箱に覆い隠されない、顔が見える相手との死合い。見えてようが見えていまいがやっていることは同じこと……と、完璧に割り切るのは、やはり難しかった。
認めて、今回依頼に応じたハンターの一人、スウィンは皮肉気に唇の端を吊り上げる。
「オレぁ腹芸ってのはどうにも好きじゃねえ。はっきりさせてえんだが、あんたらの言う『無力化』てのはどういう意味だ?」
苦々しさを隠さずに問う。兵士の表情は崩れない。
「その『解釈』はハンターに任せろと。森山艦長はそうおっしゃいました」
返答に、スウィンは挑発的な表情を一度収めた。どうやらラズモネ・シャングリラ側の意図としても、本音としてこちらに望みをかけたくないわけでは無いらしい。
説得。拘束。とにかく向こうがこちらに歯向かわなくなる状態をつくれるなら、それでもいいと。
ただ……状況を決して楽観しても居ない。
洗脳されている、つまり対象がどうあっても説得、降伏に応じない場合。その可能性も決して低くはないと見ている……というか、現実、ほぼ間違いなく彼らはそういう状態にあるだろうと目されている。
「お判りでしょうが、我々の中にも強化人間がおります」
相対する兵士が告げる。決然と。
「なればこそ、彼らに同情する以上に、その刃が友軍に、ましてや市井の人間に致命的な被害を与えるなどあってはいけないと思っております」
言葉に、スウィンは息を吐いた。認めよう。彼らの覚悟は本物だと。スウィンは意識して、己の剣に掘られた意匠の花びらに指で触れた。
分かるのは。似たような覚悟を彼もしたことがあるからだ。雑魔と化した師匠の遺体に刃を向けたとき。感情では斬りたくない相手に、刃を向ける覚悟。ただ、その時とはまた重さが違う話だ。あの時はもう、本当にどうしようもないと言い聞かせることが出来た。
今回は、どうなのか。
出来れば殺したくはない。それが真っ先に浮かぶ本音で、そのためのリスクや、自分に降りかかる被害を受け止める覚悟はある。
そこからもう一歩。
(出来そうにねえ、って分かっちまったら、オレはそこから先をどうする……?)
死ぬ気で向かってくる相手を、説得でなく無力化するなら、相応の作戦と実力差がいるだろう。そして実力差という点を、兵士たちに求めるのは難しい。
つまり自分たちが『出来ない』と認めた段階で、今回反乱を起こした強化人間たちの末路はほぼ決まる。
(分かってて、それを押し付けるってのもまあ……実に、胸糞悪ぃ話だよな。それなら。それならオレぁ……)
ぐ、と剣を引き寄せる。会敵のその瞬間まで、スウィンは覚悟を研ぎ澄ませることに決めた。相反する、二つの覚悟を。
解説
ダンバーにおける失踪した強化人間たちとの戦い、その一角。
歩兵として前進してくる強化人間たちを、こちらも生身で対応します。
大型の機械剣と銃で武装しています。受け持つのは計五体。つまり、想定としては一対一。
それぞれに対応してもいいし、目的が一致しそうな人と協力を試みてみてもいいでしょう。
本依頼の成功条件は以下の二つ。
・強化人間を、『無力化した』と認められる状態にする。
・軍兵士たちの手によって『無力化』が可能な状態まで消耗させて、後を引き継ぐ。
無力化の方法は、説得による投降、拘束、行動不能まで痛めつける、などですが、説得に応じる可能性は極めて低いと見られています。
まあ分かりやすく言いましょう。「どうしても無力化できない」「でも自分の手で殺すのはどうしても無理」、その場合、軍がやってくれます。そういう状況です。
んで、戦闘依頼と言いつつ、ぶっちゃけマスターとしてはこの状況で皆さんがどういう決断と結末に至るのかが見たいだけです。
初めから殺すことを厭わないか / 可能な限り別の方法を試すのか
自分の手で殺せるか / 殺せないか
この辺を軸に、「貴方のPCはどうするのか」を、正直に貴方のPCらしく考えてみてください。
お約束しましょう。予め「ハンターとしてこうあるべき」という姿をこちらで規定して、判定結果を決めることは致しません。
それぞれのPCの目的に対し、適切な行動をとっているか。それぞれを平均し全体の成功度及びMVP決定の基準とします。
どうぞ、貴方らしい行動を。ただし、貴方らしい結末を迎えられるかは、相応のプレイングが求められる場合もございましょうが。
但し一つだけ。「強化人間が殺されないように逃がす」、これはNGです。強化人間に逃亡の意志はなく、例えばあなたがわざと敗北するとかいう行動をとっても、その場合、貴方の手を逃れた強化人間は友軍に多大なる被害を与えた後、軍に討ち取られるでしょう。
歩兵として前進してくる強化人間たちを、こちらも生身で対応します。
大型の機械剣と銃で武装しています。受け持つのは計五体。つまり、想定としては一対一。
それぞれに対応してもいいし、目的が一致しそうな人と協力を試みてみてもいいでしょう。
本依頼の成功条件は以下の二つ。
・強化人間を、『無力化した』と認められる状態にする。
・軍兵士たちの手によって『無力化』が可能な状態まで消耗させて、後を引き継ぐ。
無力化の方法は、説得による投降、拘束、行動不能まで痛めつける、などですが、説得に応じる可能性は極めて低いと見られています。
まあ分かりやすく言いましょう。「どうしても無力化できない」「でも自分の手で殺すのはどうしても無理」、その場合、軍がやってくれます。そういう状況です。
んで、戦闘依頼と言いつつ、ぶっちゃけマスターとしてはこの状況で皆さんがどういう決断と結末に至るのかが見たいだけです。
初めから殺すことを厭わないか / 可能な限り別の方法を試すのか
自分の手で殺せるか / 殺せないか
この辺を軸に、「貴方のPCはどうするのか」を、正直に貴方のPCらしく考えてみてください。
お約束しましょう。予め「ハンターとしてこうあるべき」という姿をこちらで規定して、判定結果を決めることは致しません。
それぞれのPCの目的に対し、適切な行動をとっているか。それぞれを平均し全体の成功度及びMVP決定の基準とします。
どうぞ、貴方らしい行動を。ただし、貴方らしい結末を迎えられるかは、相応のプレイングが求められる場合もございましょうが。
但し一つだけ。「強化人間が殺されないように逃がす」、これはNGです。強化人間に逃亡の意志はなく、例えばあなたがわざと敗北するとかいう行動をとっても、その場合、貴方の手を逃れた強化人間は友軍に多大なる被害を与えた後、軍に討ち取られるでしょう。
マスターより
凪池です。【RH】にお邪魔します。凪池が大好きな「戦闘依頼の皮を被った心情系」です。くけけ。
ところで、状況的に思い出したんだけどまた誰も覚えてないだろう奴引っ張り出してきたな我ながら。
スウィン。むかーしのシナリオ「花 決意」に一度だけ出てきてます。
見返したらクラス書いてなかったでやんの。闘狩人のつもりだったけど。闘狩人ばっかになるな。どうしようか。
まあ二度と登場するかもわからんし、いいか、闘狩人で。凪池のNPCで闘狩人つったら「大して器用なこと出来ないけどまあほっといてもそうそう死なねーです」位の意と思っていただければ。
ところで、状況的に思い出したんだけどまた誰も覚えてないだろう奴引っ張り出してきたな我ながら。
スウィン。むかーしのシナリオ「花 決意」に一度だけ出てきてます。
見返したらクラス書いてなかったでやんの。闘狩人のつもりだったけど。闘狩人ばっかになるな。どうしようか。
まあ二度と登場するかもわからんし、いいか、闘狩人で。凪池のNPCで闘狩人つったら「大して器用なこと出来ないけどまあほっといてもそうそう死なねーです」位の意と思っていただければ。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/03/11 16:41
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/03/02 14:55:53 |
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作戦相談所 ヒース・R・ウォーカー(ka0145) 人間(リアルブルー)|23才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2018/03/06 12:28:31 |