ゲスト
(ka0000)
優しさを強さに変えて
マスター:一要・香織

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/03/18 22:00
- リプレイ完成予定
- 2018/03/27 22:00
オープニング
澄み渡る青空―――。
真っ赤に熟れた果実の様な太陽―――。
暖かい風は頬を擽り、草原を駆け抜けた。
そんな穏やかな午後、レイナ・エルト・グランツ(kz0253)は父親から受け継いだ領地内の視察に出掛けていた。
領地内の東側、林に程近い場所に位置するこの村は、農業が盛んで今は定植の真っ最中であった。
レイナは数人の私兵と共に、広い畑を歩き、村人が定植をする様子を眺めた。
「今年は苗の状態も良いみたいね」
いつもの様に男物の貴族服を身に着けたレイナは、笑みを浮かべて隣を歩く兵士のサイファーに話しかけた。
「ええ、天候次第ではありますが、良い作物が出来るでしょう」
優しく微笑みサイファーは応えた。
「アイザック様にもご覧になって頂きたかったですね」
アイザック……、その言葉にレイナの胸がズキンと痛む。
先代の領主であるアイザックは、レイナにとっても、サイファーにとっても大切な人だった。
レイナの父であり、サイファーにとっても父と呼べる存在。
サイファーは物心着いた頃に両親を亡くし、孤児となった彼を引き取ったのがアイザックだった。
自分の意思で兵士になる事を決めたサイファーはたくさんの訓練を積み、グランツ家筆頭の兵士となるまでに成長した。
アイザックが視察に出る時には同行し、アイザックの身を守ってきたのだ。
レイナとも兄弟の様に仲が良く、気弱なレイナをいつも励ましていた。
そして先日、領内に出没した雑魔によってアイザックが亡くなった。
同行していたサイファーは、目の前で父と呼べる存在をなくしたのだ。
その悲しみは計り知れない。
しかし、だからと言って、私情に走る事は出来なかった。
サイファーには、もう1人守るべき存在があったから―――。
アイザックの名前を耳にし小さく唇を噛んだレイナに、サイファーは優しく声を掛けた。
「今のレイナ様の姿を見たら、アイザック様はきっと喜ばれたでしょう」
「え?」
その言葉に目を見張ったレイナは勢いよく振り向いた。
「先日のパーティーでのお言葉、素晴らしかったです。俺は、……弱いことを認めるというのは、ひとつの強さだと思います。自分が弱いと認める事は誰しもできる事ではありません。弱いからこそ、その立場の人々の事を思いやり、助けてあげる事が出来るのです。だから、……レイナ様は優しいのですね」
直後、レイナの顔は火が付いたように見る見る赤くなり、両手で顔を覆い隠し座り込んでしまった。
「そんな……恥ずかしいです……」
絞り出した声は嬉しさに僅かに震えていた。
自分の事を認めてくれるサイファーの言葉に、レイナの胸はいっぱいになった。
「さあ、村の反対側も見に参りましょう」
サイファーがそう声を掛けると、レイナはチラリとサイファーを見上げ立ち上がった。
まだ赤みの残る顔を上げ、深く息を吐いたレイナを見てサイファーは小さく笑う。
「はっはっ! レイナ様、顔に泥が……」
「え?」
レイナは驚き、思い出したように両手を見て、あぁー、と情けない声を出した
畑を視察した際、土をいじった事を忘れていたようだ。
領主として頑張る姿も、昔と変わらずドジなところも好ましく、より一層守ってあげたいと、サイファーは思った。
サイファーがハンカチを取りだし、顔の泥を拭ってあげるとレイナは気まずそうに歩き出した。
しかし、この和やかな時間は長くは続かなかった。
大方の視察を終え村に戻ると、何やら村がざわついている。
「何かあったのですか?」
駆け寄ったレイナが村人に尋ねるが、村人は邪険にレイナを見詰めるだけで答えない。
その異様な空気に、レイナは眉を顰めた。
「あんたには、何も期待していない。ささっと帰ってくれ」
村長のきつい言葉に、サイファーが喰ってかかる。
「貴様、レイナ様に向かってなんて口を!」
「っ! サイファー、いいのです。……帰りましょう」
何かあったのは確かだというのに、それを教えてもらえない。
まったく頼りにされていない事実に歯を食い縛り、レイナはサイファーを引きずるようにして村を出た。
「レイナ様、いいのですか?」
サイファーは腹を立てたままレイナに問う。すると、
「いいえ、良くありません。このままにしてはおけませんから、私たちで調べましょう」
その冷静な言葉に、サイファーは息を飲んだ。
自分を取り巻く状況を理解し、最善を導き出そうとするレイナの姿が、僅かにアイザックと重なり、サイファーは目を細めた。
「しかし、どう調べたらいいでしょう……」
小さく唸り考えるレイナの背後から、
「お姉ちゃん、お姉ちゃん!」
と声が掛けられた。振り向くとそこには、女の子が……
「どうしたの?」
レイナが近付くと女の子は周りを気にしながら、レイナに耳打ちした。
「お姉ちゃん、さっきのこと気にしてるんでしょ?」
「うん」
レイナが短く返事をすると、
「さっきね、隣の家のおじちゃんが怪我して戻ってきたの。猪に襲われたんだって」
小さな声で、女の子は先ほどの騒ぎの原因を話してくれた。
「猪に襲われたの? それが騒ぎの原因なのね?」
「うん、でも隣のおじちゃん狩りの名人なのに、変だよね……」
萎んでいく少女の声に、レイナとサイファーは顔を見合わせた。
女の子を帰らせた後、2人は大きく息を吐いた。
「狩りの名人が猪に襲われる……ありえない事は無いですが、あれだけの騒ぎになるということは、雑魔の可能性が大きいですね」
「……ええ。………サイファー……調査をお願いできる?」
神妙な面持ちで呟くレイナに
「任せて下さい」
サイファーは力強く頷くと、仲間の兵士と共に林へと向かっていった。
●ハンターオフィス
「至急の依頼が来ています」
カウンターに書類を置いた受付の女性は、内容を読み上げた。
「グランツ領にある林に、猪の雑魔が3匹出没したそうです。怪我人が1人出ていますが、死者はありません。村からそう離れていない場所に出没したそうで、領主のレイナさんが心配しています」
カウンターに寄り掛かったハンターは依頼の紙を覗き込み、口を開いた。
「この詳細は信用できるのかしら?」
「はい。レイナさんの私兵が調査を行っています。1頭は小型、残り2頭が大人2人程の大型。大型の猪には鋭い牙があるそうです」
「村に近い場所ならいつ村を襲うか分かんねぇな。急いだ方がいいだろう」
「そうね、この依頼受けるわ!」
「では、こちらにサインをお願いします」
受付の女性は頭を下げると、羽ペンを差しだした。
真っ赤に熟れた果実の様な太陽―――。
暖かい風は頬を擽り、草原を駆け抜けた。
そんな穏やかな午後、レイナ・エルト・グランツ(kz0253)は父親から受け継いだ領地内の視察に出掛けていた。
領地内の東側、林に程近い場所に位置するこの村は、農業が盛んで今は定植の真っ最中であった。
レイナは数人の私兵と共に、広い畑を歩き、村人が定植をする様子を眺めた。
「今年は苗の状態も良いみたいね」
いつもの様に男物の貴族服を身に着けたレイナは、笑みを浮かべて隣を歩く兵士のサイファーに話しかけた。
「ええ、天候次第ではありますが、良い作物が出来るでしょう」
優しく微笑みサイファーは応えた。
「アイザック様にもご覧になって頂きたかったですね」
アイザック……、その言葉にレイナの胸がズキンと痛む。
先代の領主であるアイザックは、レイナにとっても、サイファーにとっても大切な人だった。
レイナの父であり、サイファーにとっても父と呼べる存在。
サイファーは物心着いた頃に両親を亡くし、孤児となった彼を引き取ったのがアイザックだった。
自分の意思で兵士になる事を決めたサイファーはたくさんの訓練を積み、グランツ家筆頭の兵士となるまでに成長した。
アイザックが視察に出る時には同行し、アイザックの身を守ってきたのだ。
レイナとも兄弟の様に仲が良く、気弱なレイナをいつも励ましていた。
そして先日、領内に出没した雑魔によってアイザックが亡くなった。
同行していたサイファーは、目の前で父と呼べる存在をなくしたのだ。
その悲しみは計り知れない。
しかし、だからと言って、私情に走る事は出来なかった。
サイファーには、もう1人守るべき存在があったから―――。
アイザックの名前を耳にし小さく唇を噛んだレイナに、サイファーは優しく声を掛けた。
「今のレイナ様の姿を見たら、アイザック様はきっと喜ばれたでしょう」
「え?」
その言葉に目を見張ったレイナは勢いよく振り向いた。
「先日のパーティーでのお言葉、素晴らしかったです。俺は、……弱いことを認めるというのは、ひとつの強さだと思います。自分が弱いと認める事は誰しもできる事ではありません。弱いからこそ、その立場の人々の事を思いやり、助けてあげる事が出来るのです。だから、……レイナ様は優しいのですね」
直後、レイナの顔は火が付いたように見る見る赤くなり、両手で顔を覆い隠し座り込んでしまった。
「そんな……恥ずかしいです……」
絞り出した声は嬉しさに僅かに震えていた。
自分の事を認めてくれるサイファーの言葉に、レイナの胸はいっぱいになった。
「さあ、村の反対側も見に参りましょう」
サイファーがそう声を掛けると、レイナはチラリとサイファーを見上げ立ち上がった。
まだ赤みの残る顔を上げ、深く息を吐いたレイナを見てサイファーは小さく笑う。
「はっはっ! レイナ様、顔に泥が……」
「え?」
レイナは驚き、思い出したように両手を見て、あぁー、と情けない声を出した
畑を視察した際、土をいじった事を忘れていたようだ。
領主として頑張る姿も、昔と変わらずドジなところも好ましく、より一層守ってあげたいと、サイファーは思った。
サイファーがハンカチを取りだし、顔の泥を拭ってあげるとレイナは気まずそうに歩き出した。
しかし、この和やかな時間は長くは続かなかった。
大方の視察を終え村に戻ると、何やら村がざわついている。
「何かあったのですか?」
駆け寄ったレイナが村人に尋ねるが、村人は邪険にレイナを見詰めるだけで答えない。
その異様な空気に、レイナは眉を顰めた。
「あんたには、何も期待していない。ささっと帰ってくれ」
村長のきつい言葉に、サイファーが喰ってかかる。
「貴様、レイナ様に向かってなんて口を!」
「っ! サイファー、いいのです。……帰りましょう」
何かあったのは確かだというのに、それを教えてもらえない。
まったく頼りにされていない事実に歯を食い縛り、レイナはサイファーを引きずるようにして村を出た。
「レイナ様、いいのですか?」
サイファーは腹を立てたままレイナに問う。すると、
「いいえ、良くありません。このままにしてはおけませんから、私たちで調べましょう」
その冷静な言葉に、サイファーは息を飲んだ。
自分を取り巻く状況を理解し、最善を導き出そうとするレイナの姿が、僅かにアイザックと重なり、サイファーは目を細めた。
「しかし、どう調べたらいいでしょう……」
小さく唸り考えるレイナの背後から、
「お姉ちゃん、お姉ちゃん!」
と声が掛けられた。振り向くとそこには、女の子が……
「どうしたの?」
レイナが近付くと女の子は周りを気にしながら、レイナに耳打ちした。
「お姉ちゃん、さっきのこと気にしてるんでしょ?」
「うん」
レイナが短く返事をすると、
「さっきね、隣の家のおじちゃんが怪我して戻ってきたの。猪に襲われたんだって」
小さな声で、女の子は先ほどの騒ぎの原因を話してくれた。
「猪に襲われたの? それが騒ぎの原因なのね?」
「うん、でも隣のおじちゃん狩りの名人なのに、変だよね……」
萎んでいく少女の声に、レイナとサイファーは顔を見合わせた。
女の子を帰らせた後、2人は大きく息を吐いた。
「狩りの名人が猪に襲われる……ありえない事は無いですが、あれだけの騒ぎになるということは、雑魔の可能性が大きいですね」
「……ええ。………サイファー……調査をお願いできる?」
神妙な面持ちで呟くレイナに
「任せて下さい」
サイファーは力強く頷くと、仲間の兵士と共に林へと向かっていった。
●ハンターオフィス
「至急の依頼が来ています」
カウンターに書類を置いた受付の女性は、内容を読み上げた。
「グランツ領にある林に、猪の雑魔が3匹出没したそうです。怪我人が1人出ていますが、死者はありません。村からそう離れていない場所に出没したそうで、領主のレイナさんが心配しています」
カウンターに寄り掛かったハンターは依頼の紙を覗き込み、口を開いた。
「この詳細は信用できるのかしら?」
「はい。レイナさんの私兵が調査を行っています。1頭は小型、残り2頭が大人2人程の大型。大型の猪には鋭い牙があるそうです」
「村に近い場所ならいつ村を襲うか分かんねぇな。急いだ方がいいだろう」
「そうね、この依頼受けるわ!」
「では、こちらにサインをお願いします」
受付の女性は頭を下げると、羽ペンを差しだした。
解説
領地の視察に訪れた村で猪に襲われた人が居る様です。
話によると、狩りの名人だそうですが……何やら引っかかりますね。
村人たちもざわついています。
領主の私兵であるサイファーが、レイナの命を受け調査に向かいました。
林の中で見つけたのは、猪型の雑魔。
1匹は小型で2匹は大型。大型の猪雑魔には鋭い牙があるようです。
猪突猛進……と言う様に、獲物を見つけると一直線に襲い掛かってきます。
林に入って襲われた村人が逃げられたのは奇跡と言ってもいいでしょう。
攻撃手段は突進と踏みつけ、捕えられれば鋭い牙で噛みついたりします。
注意してください。
猪の討伐が成功すれば、レイナも少しは村人から頼りにしてもらえるかもしれません。
領民を大切に思う気持ちが、少しでも村人に伝わるといいですね。
話によると、狩りの名人だそうですが……何やら引っかかりますね。
村人たちもざわついています。
領主の私兵であるサイファーが、レイナの命を受け調査に向かいました。
林の中で見つけたのは、猪型の雑魔。
1匹は小型で2匹は大型。大型の猪雑魔には鋭い牙があるようです。
猪突猛進……と言う様に、獲物を見つけると一直線に襲い掛かってきます。
林に入って襲われた村人が逃げられたのは奇跡と言ってもいいでしょう。
攻撃手段は突進と踏みつけ、捕えられれば鋭い牙で噛みついたりします。
注意してください。
猪の討伐が成功すれば、レイナも少しは村人から頼りにしてもらえるかもしれません。
領民を大切に思う気持ちが、少しでも村人に伝わるといいですね。
マスターより
こんにちは。一要・香織です。
今度は猪の雑魔が……。
村が襲われる前に、どうか討伐をお願いいたします。
花粉症……辛いですね。
ティッシュの減りが半端ないです。
そんな滅入りがちな気分を吹っ飛ばすような、爽快なプレイングをお待ちしています!
今度は猪の雑魔が……。
村が襲われる前に、どうか討伐をお願いいたします。
花粉症……辛いですね。
ティッシュの減りが半端ないです。
そんな滅入りがちな気分を吹っ飛ばすような、爽快なプレイングをお待ちしています!
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/03/22 19:15
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/03/14 21:25:41 |
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![]() |
猪雑魔討伐作戦室 守原 有希弥(ka0562) 人間(リアルブルー)|19才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2018/03/18 21:05:46 |