ゲスト
(ka0000)
【反影】エンド・オブ・ザ・ユニオン
マスター:KINUTA

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2018/03/26 19:00
- リプレイ完成予定
- 2018/04/04 19:00
オープニング
●マゴイの決断
α・M・8658236・ステーツマンがこの新しいユニオンを認めてくれたら、ステーツマンとして一緒に仕事をしてくれたら、どんなによかっただろう。
だけどそれはもう不可能なことなのだ。
負のマテリアルによって構成され直した存在は破壊目的に向かってしか動くことが出来ない。この新しいユニオンも彼にとっては、何の興味も持てないものでしかないのだろう。
彼は既にこのユニゾン島の位置を知っている。
もしまたここに現れたなら――市民にとっての脅威である。
●もう一人の英霊
ペリニョン村の英霊ぴょこは、驚いていた。マゴイが自ら自分を訪ねて来るというのも珍しいが、その上に頼み事をしてくるのはもっと珍しい。と彼女には思えた。
マゴイとは、あれをああしなさい、これをこうしなさいと言い付けてくるものであるという先入観を持っているもので。
『……あなたにユニオンへの同行を……お願いしたい……』
『んー、ユニオンにはステーツマンがおるんじゃろ? わし、苦手じゃ。会いとうない。また色々命令されそうじゃで』
『……大丈夫、会わなくていい……ユニオンの結界の中へ入る際、一緒にいてくれればそれで……その後は異界の外へあなたを転送するから……』
『なんでわしが必要なのじゃ? おぬしは確か結界を破るすべを知っているはずじゃが』
『……マテリアルを節約したいの……α・ステーツマンに接触するまでは……だからユニオンの市民を驚かさないように……合法的に入りたいのよ……結界の中へ……』
ぴょこは短い手を顎に当てた。垂れ耳をゆらゆらさせて考え、ようやく心を定める。
『わし、すぐ外に戻してほしいのじゃ。約束じゃぞ。約束するのじゃぞ?』
『……約束するわ』
●インサイド・ユニオン
前々回の調査によりユニオンのどこに何があるのか、どんな住人がいるのか、どういうサイクルを繰り返しているのか、といった詳細が知れた。
前回の戦闘においてステーツマンはダメージを受けた。恐らくそこから、まだ完全に回復してはいないに違いない。
倒すなら今だ。放置しておくという選択肢はない。
異界は前来たときと全く変わらない姿であった。ひび割れた大地、巻き上がる土埃、光を失った太陽。
崩落が始まる音がいずこよりか聞こえてきた。巻き戻しの世界は、終末に向け着々と動いている。
結界の側まで来ると、前と全く同じ調子で男女一組のマゴイが出てきた。
しかし今回はハンターたちに、門前払いを食わせることはない。何故なら、自分たちと同じマゴイが同行していたからだ。その上ソルジャーも。
「……μ・F・92756471・マゴイ?」
「……戻ってきたのか」
『ええ……μ・F・54327482・マゴイ……μ・M・25749893・マゴイ……私は戻ってきたのよ』
顔も服装も瓜二つなのにお互いどう見分けをつけているのか。ハンターにはいまいち分からないが、とにかく彼らは彼ら同士を正確に認識している。
「……あなたが戻ってきてくれてまことによかった。見てのとおり今ユニオンは憂慮すべき事態になっているのよ」
「……すぐ会議に参加してくれないか。重要議題が山積している上に、ステーツマンの決済が滞り続けていて何も進まないので……ところで、そこの市民ではない人々は何者なのだい?」
『……彼らはユニオンに……保護を求めて来た外部者よ……』
その説明にマゴイたちはすんなり納得した。
かくしてハンターたちは、無駄に待たされる事なく結界に守られたユニオンの中へ入る。
普段通り町を闊歩していたワーカーたちは、マゴイとソルジャーが連れてきているのなら危険人間ではないのだろうと思って、通り過ぎていく。
言うまでもないがステーツマンを除くこの世界の住人すべてが、前にハンターたちが現れた時のことを記憶に止めていない。
そこに赤服の一団――ソルジャーの市街見回り部隊がやって来た。
こちらもハンターだけで乗り込んだときとは、反応が違った。
隊のリーダーである女が自分と瓜二つの容姿をしたぴょこを見て目を丸くし、ついで懐かしげに呼びかけてくる。
「お前、θ・F・92438・ソルジャーではないか! なんだ、生きていたのか! 行方不明になったと聞かされていたが!」
それを聞いたぴょこは、泣くような笑うような表情になった。
『……んむ、そうじゃ。わし、生きておったのじゃ』
「インカムはどうした?」
『それが無くしてしまっての、これから新しいの貰いにタワーへ行くところなのじゃ』
「そうか。戻ってきたら隊に加わってくれ」
『……うむ、そうするでの。また後での』
一同はそのまま、何の妨害もなくタワーへ向かった。
マゴイはその途中で、約束通りぴょこを異界の外へ転送した。
●lawness
ステーツマンは部外者がタワー内の領域に入ってきたのを感じた。
億劫そうに起き上がり、目を鋭くさせる。
回復がまだ終わっていない今戦うのは、不利である。少しでも時間稼ぎをする必要がある。
彼は壁に備え付けてあるウォッチャーを通じ命令を発した。
【ソルジャー、ソルジャー、総員タワーに集合せよ。日常任務を中断せよ。繰り返す。ソルジャー、日常任務を中断せよ、総員タワーに集合せよ。市民でないものを破壊せよ】
命令は至る所に仕掛けられたウォッチャーを通じ、タワーの内外へ放送される。
それを聞いたマゴイたちは驚いた。ステーツマンが会議も経ずこんな重大な決定を下すなど、してはならないことだからだ。
こぞってステーツマンの部屋へ殺到していく。
「ステーツマン! 一体何事ですか!」
「今の広報を取り消してください! ソルジャーの日常任務を中断させるなど、ワーカーの安全を鑑みるに……」
扉が開いた。
場に集まっていた大勢のマゴイたちが、ばたばた倒れた。ステーツマンが発した猛烈な汚染に五感を奪われ息を詰まらせ、あっけなく死んだ。
どうせこいつらは明日になればまた平気な顔をして動き回っているのだ。
そう思いながらステーツマンは、彼らの死体を踏み越える。ウテルスへ向かう。マゴイは必ずそこへ来るはずだと予想して。
後10秒、9、8、7……いつも通りウテルスが悲鳴を上げ始める。予定された終焉を迎えるために。
●終焉の場
以前来たときと同じように、ウテルスには血相を変えたマゴイたちが終結していた。どうしたことか、明らかにこの前よりも数が少ない。
『ウテルス……!』
マゴイは手当をしてやりたい衝動を懸命に押さえ、周囲に結界を張る。
そこに黒い染みが現れ、ステーツマンの形をとる。彼は両手を広げて言った。
「どうしたんだい、μ・マゴイ。何故ウテルスの救護をしないんだね」
直後ウテルスの表面が見る見る爛れ落ちていく。明らかに汚染の影響だ。
それを見たマゴイは真っ青になった。
「早くしないと死んでしまうよ?」
α・M・8658236・ステーツマンがこの新しいユニオンを認めてくれたら、ステーツマンとして一緒に仕事をしてくれたら、どんなによかっただろう。
だけどそれはもう不可能なことなのだ。
負のマテリアルによって構成され直した存在は破壊目的に向かってしか動くことが出来ない。この新しいユニオンも彼にとっては、何の興味も持てないものでしかないのだろう。
彼は既にこのユニゾン島の位置を知っている。
もしまたここに現れたなら――市民にとっての脅威である。
●もう一人の英霊
ペリニョン村の英霊ぴょこは、驚いていた。マゴイが自ら自分を訪ねて来るというのも珍しいが、その上に頼み事をしてくるのはもっと珍しい。と彼女には思えた。
マゴイとは、あれをああしなさい、これをこうしなさいと言い付けてくるものであるという先入観を持っているもので。
『……あなたにユニオンへの同行を……お願いしたい……』
『んー、ユニオンにはステーツマンがおるんじゃろ? わし、苦手じゃ。会いとうない。また色々命令されそうじゃで』
『……大丈夫、会わなくていい……ユニオンの結界の中へ入る際、一緒にいてくれればそれで……その後は異界の外へあなたを転送するから……』
『なんでわしが必要なのじゃ? おぬしは確か結界を破るすべを知っているはずじゃが』
『……マテリアルを節約したいの……α・ステーツマンに接触するまでは……だからユニオンの市民を驚かさないように……合法的に入りたいのよ……結界の中へ……』
ぴょこは短い手を顎に当てた。垂れ耳をゆらゆらさせて考え、ようやく心を定める。
『わし、すぐ外に戻してほしいのじゃ。約束じゃぞ。約束するのじゃぞ?』
『……約束するわ』
●インサイド・ユニオン
前々回の調査によりユニオンのどこに何があるのか、どんな住人がいるのか、どういうサイクルを繰り返しているのか、といった詳細が知れた。
前回の戦闘においてステーツマンはダメージを受けた。恐らくそこから、まだ完全に回復してはいないに違いない。
倒すなら今だ。放置しておくという選択肢はない。
異界は前来たときと全く変わらない姿であった。ひび割れた大地、巻き上がる土埃、光を失った太陽。
崩落が始まる音がいずこよりか聞こえてきた。巻き戻しの世界は、終末に向け着々と動いている。
結界の側まで来ると、前と全く同じ調子で男女一組のマゴイが出てきた。
しかし今回はハンターたちに、門前払いを食わせることはない。何故なら、自分たちと同じマゴイが同行していたからだ。その上ソルジャーも。
「……μ・F・92756471・マゴイ?」
「……戻ってきたのか」
『ええ……μ・F・54327482・マゴイ……μ・M・25749893・マゴイ……私は戻ってきたのよ』
顔も服装も瓜二つなのにお互いどう見分けをつけているのか。ハンターにはいまいち分からないが、とにかく彼らは彼ら同士を正確に認識している。
「……あなたが戻ってきてくれてまことによかった。見てのとおり今ユニオンは憂慮すべき事態になっているのよ」
「……すぐ会議に参加してくれないか。重要議題が山積している上に、ステーツマンの決済が滞り続けていて何も進まないので……ところで、そこの市民ではない人々は何者なのだい?」
『……彼らはユニオンに……保護を求めて来た外部者よ……』
その説明にマゴイたちはすんなり納得した。
かくしてハンターたちは、無駄に待たされる事なく結界に守られたユニオンの中へ入る。
普段通り町を闊歩していたワーカーたちは、マゴイとソルジャーが連れてきているのなら危険人間ではないのだろうと思って、通り過ぎていく。
言うまでもないがステーツマンを除くこの世界の住人すべてが、前にハンターたちが現れた時のことを記憶に止めていない。
そこに赤服の一団――ソルジャーの市街見回り部隊がやって来た。
こちらもハンターだけで乗り込んだときとは、反応が違った。
隊のリーダーである女が自分と瓜二つの容姿をしたぴょこを見て目を丸くし、ついで懐かしげに呼びかけてくる。
「お前、θ・F・92438・ソルジャーではないか! なんだ、生きていたのか! 行方不明になったと聞かされていたが!」
それを聞いたぴょこは、泣くような笑うような表情になった。
『……んむ、そうじゃ。わし、生きておったのじゃ』
「インカムはどうした?」
『それが無くしてしまっての、これから新しいの貰いにタワーへ行くところなのじゃ』
「そうか。戻ってきたら隊に加わってくれ」
『……うむ、そうするでの。また後での』
一同はそのまま、何の妨害もなくタワーへ向かった。
マゴイはその途中で、約束通りぴょこを異界の外へ転送した。
●lawness
ステーツマンは部外者がタワー内の領域に入ってきたのを感じた。
億劫そうに起き上がり、目を鋭くさせる。
回復がまだ終わっていない今戦うのは、不利である。少しでも時間稼ぎをする必要がある。
彼は壁に備え付けてあるウォッチャーを通じ命令を発した。
【ソルジャー、ソルジャー、総員タワーに集合せよ。日常任務を中断せよ。繰り返す。ソルジャー、日常任務を中断せよ、総員タワーに集合せよ。市民でないものを破壊せよ】
命令は至る所に仕掛けられたウォッチャーを通じ、タワーの内外へ放送される。
それを聞いたマゴイたちは驚いた。ステーツマンが会議も経ずこんな重大な決定を下すなど、してはならないことだからだ。
こぞってステーツマンの部屋へ殺到していく。
「ステーツマン! 一体何事ですか!」
「今の広報を取り消してください! ソルジャーの日常任務を中断させるなど、ワーカーの安全を鑑みるに……」
扉が開いた。
場に集まっていた大勢のマゴイたちが、ばたばた倒れた。ステーツマンが発した猛烈な汚染に五感を奪われ息を詰まらせ、あっけなく死んだ。
どうせこいつらは明日になればまた平気な顔をして動き回っているのだ。
そう思いながらステーツマンは、彼らの死体を踏み越える。ウテルスへ向かう。マゴイは必ずそこへ来るはずだと予想して。
後10秒、9、8、7……いつも通りウテルスが悲鳴を上げ始める。予定された終焉を迎えるために。
●終焉の場
以前来たときと同じように、ウテルスには血相を変えたマゴイたちが終結していた。どうしたことか、明らかにこの前よりも数が少ない。
『ウテルス……!』
マゴイは手当をしてやりたい衝動を懸命に押さえ、周囲に結界を張る。
そこに黒い染みが現れ、ステーツマンの形をとる。彼は両手を広げて言った。
「どうしたんだい、μ・マゴイ。何故ウテルスの救護をしないんだね」
直後ウテルスの表面が見る見る爛れ落ちていく。明らかに汚染の影響だ。
それを見たマゴイは真っ青になった。
「早くしないと死んでしまうよ?」
解説
補足説明
【反影】ユニオンシリーズ最終回。
前々回で調査、前回で管理者の力を弱めることに成功しました。
今回は管理者を仕留めに行くターンです。
今回ハンターたちはソルジャーに邪魔される事なく、全員タワー内へ入れています。
ソルジャーがタワー外から駆けつけてきますが、そこのところはマゴイが結界を張って侵入を阻止します。
戦闘場所は初回と同じく、ウテルスとなります。
ステーツマンは、マゴイにウテルスの治療をさせようとします。そうすればそこに注がれた分のマテリアルを自分の力に変換出来るので。そのためには手段は選びません。ウテルスを傷つけることも平気でやります。
初回同様、この世界においてマゴイは実体を持っています。ステーツマンも実体を持っています。
彼の能力は汚染と咆哮です。
【反影】ユニオンシリーズ最終回。
前々回で調査、前回で管理者の力を弱めることに成功しました。
今回は管理者を仕留めに行くターンです。
今回ハンターたちはソルジャーに邪魔される事なく、全員タワー内へ入れています。
ソルジャーがタワー外から駆けつけてきますが、そこのところはマゴイが結界を張って侵入を阻止します。
戦闘場所は初回と同じく、ウテルスとなります。
ステーツマンは、マゴイにウテルスの治療をさせようとします。そうすればそこに注がれた分のマテリアルを自分の力に変換出来るので。そのためには手段は選びません。ウテルスを傷つけることも平気でやります。
初回同様、この世界においてマゴイは実体を持っています。ステーツマンも実体を持っています。
彼の能力は汚染と咆哮です。
マスターより
KINUTAです。
【反影】ユニオンシリーズは、これで終了です。
ユニオン、ロング・グッドバイ。
さらば、ステーツマン。
OPには登場していませんが、質問受付係としてスペットを置いておきます。
【反影】ユニオンシリーズは、これで終了です。
ユニオン、ロング・グッドバイ。
さらば、ステーツマン。
OPには登場していませんが、質問受付係としてスペットを置いておきます。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/04/01 01:54
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/03/21 12:51:37 |
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相談卓だよ 天竜寺 詩(ka0396) 人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2018/03/26 03:08:37 |