ゲスト
(ka0000)
下水道掃除をしよう!
マスター:きりん

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 8~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/03/23 19:00
- リプレイ完成予定
- 2018/04/01 19:00
オープニング
●ある錬金術士の失敗
どこかで誰かが機導術を学び、錬金術師が生まれる。
どこかで誰かが機導術を研究していると、マテリアルを消費する。
どこかで誰かが機導術を使うたび、マテリアルを消費する。
覚醒者の機導士は、今日もどこかで機導術を用いて依頼を解決している。
これらは当然の理屈で仕方のないことだが、マテリアルが消費された状態というのは魔法公害を引き起こす原因の一つとなり得る。
そしてその魔法公害が起こる確率は、いつだって零というわけにはいかないのだ。
事件はとある街の錬金術士が原因で起こった。
機導術を研究していたその錬金術士は、研究の過程で出た大量のゴミをうっかり下水道に流してしまった。しかも、長い間そのことに気付かなかった。
覚醒者でもなく、けれど研究を始めて少し日が経ち、余裕が出てきていたその錬金術士は、気が緩んだところで見事にとんでもない失敗をしたといえるだろう。
些細な失敗のように見えるかもしれない。だが、ゴミが流れたことで下水道で何が起こったか、もし知ることができたならそんなことはいえなくなる。
まず、ゴミは下水道の水を汚染した。
ただちに人体に影響が出るほどではなかったが、次に下水道のゴキブリたちが汚染された。
そして、最後にネズミも汚染された。ゴキブリもネズミも繁殖力が強いので、汚染されても転化して雑魔になるまでの間に元気に数を増やした。増えた個体は正常だったが、回りが汚染されていたのでやっぱりすぐに汚染された。
とどめには汚染された水の一部が蠢いて、軟体動物のように分離し下水道を彷徨い始めた。
こうして、下水道は上で暮らす人間たちの知らぬ間に、雑魔が蠢く魔窟と化していったのである。
●下水道作業員の不幸
街の住人から異臭がすると苦情が殺到し、急きょ下水道の点検が行われることになった。
本来その日は休日だったが、件数が多かったので、作業員たちは休日出勤を命じられた。
現場に赴いた作業員たちは、ぶつぶつ文句をいいながらもてきぱきと準備を始める。
マンホールを開けた作業員が立ち上ってくる臭いに顔をしかめた。
「これは凄いな。腐乱臭がする。水そのものが腐ってるのか?」
「さすがにそれはないだろう。虫とかネズミとかの死骸がどこかに引っかかって溜まってるんじゃないのか?」
作業員たちは酷い臭いに辟易しつつ、下水道に降りていく。
「……何だこりゃ」
降りた作業員たちは、下水道の惨状にあんぐりと口を開けた。水路は虫やネズミの死骸が浮いていて、一部が詰まって澱み、作業用の狭い歩道を普通よりも大きく丸々と育ったゴキブリやネズミが走り回っている。
歩道はぬめぬめとして濡れていて、何だか水滴が蠢いているような気さえする。
いや、気のせいではない。実際に床に広がった水溜りがもぞもぞと移動している。スライムだ。
「戻った方がいいんじゃないか?」
「いや、何もせずに戻ったらまた休日出勤くらうかもしれない」
「と、とにかく、点検だけでもやらねえと。行くぞお前ら」
戻ることが許されるならすぐさま戻りたい作業員たちだったが、本能が警鐘を鳴らすのを無視して点検作業を始めてしまう。
すると回りにいたゴキブリやネズミ、スライムたちが一斉に近寄ってきて、作業員たちは襲われる前にほうほうの体で地上に逃げ帰った。
「まるでダンジョンだな。俺たちじゃどうにもならん」
「こりゃ無理だ。ハンターに頼もう」
「同感だ。命が惜しい」
道具を纏めると、作業員たちはマンホールを元の状態に戻してそそくさとその場を後にする。
こうして作業員たちは命拾いをしたのだった。
●ハンターたちも臭いのは嫌らしい
下水道掃除の依頼はしばらく放置された。
理由は当然、物凄い悪臭が立ち込めているのが分かっているからである。
いくら超人揃いのハンターといえども、わざわざ辟易するのが分かり切っている下水道に踏み込むのは嫌なようだ。
依頼を選ぶ余裕があるハンターたちは、迷わずそちらを優先した。
他の依頼を受けたからと見なかったことにする方法も使えず、かといっていまいち下水道掃除をする気にもなれないハンターたちが、今日もハンターズソサエティでくだを巻いている。
「いつまで放置しているんですか。これ、先週発表した依頼ですよ」
ついに、受付嬢が最後通牒を突きつけにやってきてしまった。
「自発的にやる気になってくださるのならそれが一番いいと思い静観していましたが、もう待てません。このままでは下水道作業員が点検を行えないので、速やかに下水道内の雑魔を退治してください。確認されているのはスライム、ゴキブリ、ネズミの三種です」
受付嬢が目についたハンターたちに依頼の受諾を迫っていく。
目をつけられなかったハンターはホッと胸を撫で下ろし、逆に目をつけられたハンターは表情を引き攣らせた。
「雑魔が発生した原因は、錬金術のゴミが大量に下水道に流れてしまったからのようです。これは最近になってそのことに気付いた錬金術師本人からの報告で発覚しました。下水道は点検作業用の通路が両側にあり、中央に水路が通った作りになっています。マンホールは数多くありますが、報告を受けて全てすぐに封鎖しましたので雑魔が地上に出てくる心配をする必要はありません。封鎖より前に地上に出た雑魔がいる可能性までは否定できませんが、現段階では確認できておりません」
続いて資料を配り終えた受付嬢は、空手になった両手をぽんぽんと叩き、ハンターたちの注目を集める。
「とにかく、下水道に蔓延った雑魔たちを全て始末してください。一匹でも残っていると下水道作業員が点検を行えないので、駆除作業は念入りに、くれぐれも討ち漏らしがないよう注意してください。可能なら原因となったゴミの回収と、水の浄化もお願いします」
最後に受付嬢は、資料を受け取ったハンターたち一人一人に近寄って目を合わせ、笑顔で凄んで去っていく。
「詳細はお渡しした資料に記載してあります。ハンターの皆様は速やかに任務に従事するように。よろしいですね?」
残されたハンターたちは、受付嬢の額に青筋が浮かんでいたのを見てしまい、己が貧乏くじを引いたことを悟ったのだった。
どこかで誰かが機導術を学び、錬金術師が生まれる。
どこかで誰かが機導術を研究していると、マテリアルを消費する。
どこかで誰かが機導術を使うたび、マテリアルを消費する。
覚醒者の機導士は、今日もどこかで機導術を用いて依頼を解決している。
これらは当然の理屈で仕方のないことだが、マテリアルが消費された状態というのは魔法公害を引き起こす原因の一つとなり得る。
そしてその魔法公害が起こる確率は、いつだって零というわけにはいかないのだ。
事件はとある街の錬金術士が原因で起こった。
機導術を研究していたその錬金術士は、研究の過程で出た大量のゴミをうっかり下水道に流してしまった。しかも、長い間そのことに気付かなかった。
覚醒者でもなく、けれど研究を始めて少し日が経ち、余裕が出てきていたその錬金術士は、気が緩んだところで見事にとんでもない失敗をしたといえるだろう。
些細な失敗のように見えるかもしれない。だが、ゴミが流れたことで下水道で何が起こったか、もし知ることができたならそんなことはいえなくなる。
まず、ゴミは下水道の水を汚染した。
ただちに人体に影響が出るほどではなかったが、次に下水道のゴキブリたちが汚染された。
そして、最後にネズミも汚染された。ゴキブリもネズミも繁殖力が強いので、汚染されても転化して雑魔になるまでの間に元気に数を増やした。増えた個体は正常だったが、回りが汚染されていたのでやっぱりすぐに汚染された。
とどめには汚染された水の一部が蠢いて、軟体動物のように分離し下水道を彷徨い始めた。
こうして、下水道は上で暮らす人間たちの知らぬ間に、雑魔が蠢く魔窟と化していったのである。
●下水道作業員の不幸
街の住人から異臭がすると苦情が殺到し、急きょ下水道の点検が行われることになった。
本来その日は休日だったが、件数が多かったので、作業員たちは休日出勤を命じられた。
現場に赴いた作業員たちは、ぶつぶつ文句をいいながらもてきぱきと準備を始める。
マンホールを開けた作業員が立ち上ってくる臭いに顔をしかめた。
「これは凄いな。腐乱臭がする。水そのものが腐ってるのか?」
「さすがにそれはないだろう。虫とかネズミとかの死骸がどこかに引っかかって溜まってるんじゃないのか?」
作業員たちは酷い臭いに辟易しつつ、下水道に降りていく。
「……何だこりゃ」
降りた作業員たちは、下水道の惨状にあんぐりと口を開けた。水路は虫やネズミの死骸が浮いていて、一部が詰まって澱み、作業用の狭い歩道を普通よりも大きく丸々と育ったゴキブリやネズミが走り回っている。
歩道はぬめぬめとして濡れていて、何だか水滴が蠢いているような気さえする。
いや、気のせいではない。実際に床に広がった水溜りがもぞもぞと移動している。スライムだ。
「戻った方がいいんじゃないか?」
「いや、何もせずに戻ったらまた休日出勤くらうかもしれない」
「と、とにかく、点検だけでもやらねえと。行くぞお前ら」
戻ることが許されるならすぐさま戻りたい作業員たちだったが、本能が警鐘を鳴らすのを無視して点検作業を始めてしまう。
すると回りにいたゴキブリやネズミ、スライムたちが一斉に近寄ってきて、作業員たちは襲われる前にほうほうの体で地上に逃げ帰った。
「まるでダンジョンだな。俺たちじゃどうにもならん」
「こりゃ無理だ。ハンターに頼もう」
「同感だ。命が惜しい」
道具を纏めると、作業員たちはマンホールを元の状態に戻してそそくさとその場を後にする。
こうして作業員たちは命拾いをしたのだった。
●ハンターたちも臭いのは嫌らしい
下水道掃除の依頼はしばらく放置された。
理由は当然、物凄い悪臭が立ち込めているのが分かっているからである。
いくら超人揃いのハンターといえども、わざわざ辟易するのが分かり切っている下水道に踏み込むのは嫌なようだ。
依頼を選ぶ余裕があるハンターたちは、迷わずそちらを優先した。
他の依頼を受けたからと見なかったことにする方法も使えず、かといっていまいち下水道掃除をする気にもなれないハンターたちが、今日もハンターズソサエティでくだを巻いている。
「いつまで放置しているんですか。これ、先週発表した依頼ですよ」
ついに、受付嬢が最後通牒を突きつけにやってきてしまった。
「自発的にやる気になってくださるのならそれが一番いいと思い静観していましたが、もう待てません。このままでは下水道作業員が点検を行えないので、速やかに下水道内の雑魔を退治してください。確認されているのはスライム、ゴキブリ、ネズミの三種です」
受付嬢が目についたハンターたちに依頼の受諾を迫っていく。
目をつけられなかったハンターはホッと胸を撫で下ろし、逆に目をつけられたハンターは表情を引き攣らせた。
「雑魔が発生した原因は、錬金術のゴミが大量に下水道に流れてしまったからのようです。これは最近になってそのことに気付いた錬金術師本人からの報告で発覚しました。下水道は点検作業用の通路が両側にあり、中央に水路が通った作りになっています。マンホールは数多くありますが、報告を受けて全てすぐに封鎖しましたので雑魔が地上に出てくる心配をする必要はありません。封鎖より前に地上に出た雑魔がいる可能性までは否定できませんが、現段階では確認できておりません」
続いて資料を配り終えた受付嬢は、空手になった両手をぽんぽんと叩き、ハンターたちの注目を集める。
「とにかく、下水道に蔓延った雑魔たちを全て始末してください。一匹でも残っていると下水道作業員が点検を行えないので、駆除作業は念入りに、くれぐれも討ち漏らしがないよう注意してください。可能なら原因となったゴミの回収と、水の浄化もお願いします」
最後に受付嬢は、資料を受け取ったハンターたち一人一人に近寄って目を合わせ、笑顔で凄んで去っていく。
「詳細はお渡しした資料に記載してあります。ハンターの皆様は速やかに任務に従事するように。よろしいですね?」
残されたハンターたちは、受付嬢の額に青筋が浮かんでいたのを見てしまい、己が貧乏くじを引いたことを悟ったのだった。
解説
●概要
探索シナリオです。
既に中にいる状態でスタートします。
下水道をくまなく調べ、はびこる雑魔を全て駆逐してください。
同じ場所を全員で調査するのもいいですし、何人かに別れて効率よく済ませるのもいいでしょう。
一度何も見つからなかった場所でも、もう一度調べることで見つかる場合があります。
可能ならば原因になったゴミの回収と水の浄化も行って下さい。
地上に雑魔が出ているかもしれませんが、確定ではありません。
●達成条件
・下水道内の敵を全滅させる。
●下水道について
とても臭います。腐臭に満ちています。
両脇に作業用の歩道があり真ん中に水路が流れています。
水路はそれなりに深く、大人三人が並べる幅があります。平均的な背の高さの人間なら腰まで浸かるでしょう。
歩道は一人ずつしか通れません。すれ違うにはどちらかが立ち止まり、身体を横に向ける必要があります。
下水道の作りの関係上、上から水が降ってくる箇所があります。
水の中を探すと、下水道に流れた色々なものが見つかるかもしれません。原因のゴミとか。
●探索箇所
○マンホール……下水道への入り口です。はしごで外に出ることができます。市街地の真ん中にあります。封鎖されているので一般人が入ってくることはありません。
○下水路……濁った水が流れています。よく見るとゴミやゴキブリの死骸、ネズミの死骸などが浮いています。
○歩道……所々水溜りがあります。見るたびに微妙に位置が変わっている気がします。小さなものが動き回る音がします。
○壁……何かが一面蠢いている箇所があります。遠目から見てもかなりの数です。
○金網……水路内のゴミをこし取る金網です。ゴミや生物の死骸が引っかかっています。
○合流部……上から水が流れ落ちてきます。別の下水路に繋がっているようです。近くのはしごに登って覗き込むことができます。
探索シナリオです。
既に中にいる状態でスタートします。
下水道をくまなく調べ、はびこる雑魔を全て駆逐してください。
同じ場所を全員で調査するのもいいですし、何人かに別れて効率よく済ませるのもいいでしょう。
一度何も見つからなかった場所でも、もう一度調べることで見つかる場合があります。
可能ならば原因になったゴミの回収と水の浄化も行って下さい。
地上に雑魔が出ているかもしれませんが、確定ではありません。
●達成条件
・下水道内の敵を全滅させる。
●下水道について
とても臭います。腐臭に満ちています。
両脇に作業用の歩道があり真ん中に水路が流れています。
水路はそれなりに深く、大人三人が並べる幅があります。平均的な背の高さの人間なら腰まで浸かるでしょう。
歩道は一人ずつしか通れません。すれ違うにはどちらかが立ち止まり、身体を横に向ける必要があります。
下水道の作りの関係上、上から水が降ってくる箇所があります。
水の中を探すと、下水道に流れた色々なものが見つかるかもしれません。原因のゴミとか。
●探索箇所
○マンホール……下水道への入り口です。はしごで外に出ることができます。市街地の真ん中にあります。封鎖されているので一般人が入ってくることはありません。
○下水路……濁った水が流れています。よく見るとゴミやゴキブリの死骸、ネズミの死骸などが浮いています。
○歩道……所々水溜りがあります。見るたびに微妙に位置が変わっている気がします。小さなものが動き回る音がします。
○壁……何かが一面蠢いている箇所があります。遠目から見てもかなりの数です。
○金網……水路内のゴミをこし取る金網です。ゴミや生物の死骸が引っかかっています。
○合流部……上から水が流れ落ちてきます。別の下水路に繋がっているようです。近くのはしごに登って覗き込むことができます。
マスターより
初めまして、こんにちは。
きりんです。
下水道内には以下の敵が潜んでいます。
楽しんで下さいね。
●敵
○ゴキブリ(雑魔)……十体
三十センチ。登場時は一斉に飛んできます。特に脅威となる攻撃はしてきませんが、自分と同種の雑魔を蘇生させる能力があります。
○ラット(雑魔)……六体
五十センチ。最大六メートルほどの助走を取って突撃後、噛み付いてきます。狭い場所で戦うと水路に叩き落とされるかもしれません。
○スライム……三体
三十センチから一メートル。軟体による物理ダメージの半減、自己再生能力、生命力分割型の増殖能力持ちでしぶといです。酸による射撃攻撃も備えています。
きりんです。
下水道内には以下の敵が潜んでいます。
楽しんで下さいね。
●敵
○ゴキブリ(雑魔)……十体
三十センチ。登場時は一斉に飛んできます。特に脅威となる攻撃はしてきませんが、自分と同種の雑魔を蘇生させる能力があります。
○ラット(雑魔)……六体
五十センチ。最大六メートルほどの助走を取って突撃後、噛み付いてきます。狭い場所で戦うと水路に叩き落とされるかもしれません。
○スライム……三体
三十センチから一メートル。軟体による物理ダメージの半減、自己再生能力、生命力分割型の増殖能力持ちでしぶといです。酸による射撃攻撃も備えています。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/03/26 03:58
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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そうじ卓 道元 ガンジ(ka6005) 人間(リアルブルー)|15才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2018/03/23 18:02:45 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/03/22 22:05:01 |