ゲスト
(ka0000)
白銀のおとぎ話・3 祭祀編
マスター:樹シロカ

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/03/23 12:00
- リプレイ完成予定
- 2018/04/06 12:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
●
静かな部屋に、燃える薪がはぜる音が響いた。
同盟の農耕推進地域ジェオルジでは、例年ならそろそろ春の気配ただよう頃だ。
それなのに、今年は昼間でも暖炉が必要な寒さである。
この家の現在の主でもある、若き領主セスト・ジェオルジ(kz0034)の表情が今一つさえないのも無理はない。
……とはいえ、にこにこ愛敬をふりまくタイプでもないので、これは見る方の思いこみかもしれないが。
「アニタさん一家はひとまず、こちらで預かりましょう。元々僕の仕事をお願いしていたのですし、春郷祭の会場になる別館の掃除を手伝ってもらう、というのは不自然ではないでしょう」
淡々と告げられた言葉に、テーブルをはさんで対しているサイモン・小川(kz0211)は深く頭を下げた。
「助かります。領主様にはいつもご迷惑をおかけして申し訳ありません」
「いえ、人手が欲しいのは本当ですから。それに……」
いつも冷静なセストが、さすがに言い淀む。
常に陽気で飄々としているように見えるサイモンすら、唇を引き締めたままで、言葉が出てこない。
つい数日前のこと。
ジェオルジ内にあるバチャーレ村とその周辺で、ちょっとした事件が起きた。
村に住むアニタという女性の子供・ビアンカがたったひとりで雪山に入りこみ、断崖で歪虚に襲われていたのだ。
たまたま別の用件の依頼を受けたハンター達と、村の代表であるサイモンが遭遇し、ビアンカを救助したのだが、その帰り道でにわかには信じがたい証言が飛び出した。
『おねえちゃんたちは……本当に母ちゃんのところに連れてってくれるの?』
人見知りで怖がりの7歳の女の子は、自分を救ってくれたハンターにそう尋ねた。
続きを促されて、つかえつかえ語った内容は……
『あのね。母ちゃんがよんでるって、マリナねえちゃんがね。畑のほうに歩いてたんだけど、どうしてかあそこにいたの』
マリナはバチャーレ村に移住した、元サルヴァトーレ・ロッソの乗員で、サイモンの信頼する同僚でもある。
『そのときね、ねえちゃんに手をひっぱられたらね、すごく冷たかったの……』
サイモンは事の次第をセストに全て報告した。
「僕としては信じがたいことですが、ビアンカが嘘をついているとはとても思えません」
アニタもバチャーレ村で落ち着いていられるはずもない。ひとまずは距離を置いた方がお互いのためになるというのが、サイモンとセストが出した結論だった。
「それで、マリナさんには?」
「まだ何も。ここのところ伏せっていましたので……」
サイモンは眉間に深い皺を刻む。
マリナのほうも今回の事件の少し前、歪虚に遭遇したところを救出されたばかりだ。
それ以来、自分の住居に引きこもることが多くなっていた。危うく殺されるところだったのだから、心身ともに疲労しているのは間違いない。毎日村の女性が様子を見に行っていたが、顔色が悪い以外は特に変わったところは見られなかったという。
なので、サイモンとしては信頼する同僚でもあるマリナが、ビアンカを騙して連れ出し、冬山に放置したということが信じがたいのである。
セストは考え込むように目を伏せていたが、やがて視線を上げた。
「実はその件については、僕あてに妙な報告が届いています」
「妙、ですか」
「ええ。実はマリナさんはときどき村を抜け出し、どこかへ行くことがあったようです」
「……初耳ですね」
「察してあげてください。オガワ代表を信じているからこそでしょうから」
サイモンは複雑な表情で頷く。
バチャーレ村の誰かにせよ、近隣の村人にせよ、仲間の「明らかに異常な」行動をしばらく見守ろうという気遣いはあったのだろう。それが結果的に、事態を悪化させたとしても。
「ですが僕としても、このままにはできません。マリナを尋問します」
サイモンのその言葉は、元軍属らしい表現だった。
セストはそこに、遠い宇宙へ乗り出す者達独特のコミュニティの在り方を感じとる。
「……証拠がありません。それよりも僕に考えがあります。ご協力いただけますか」
●
居間でハンター達を待っていたのは、領主のセストだった。
「寒い中、依頼を受けていただき有難うございます」
丁寧に礼を述べると、早速依頼の内容について説明する。
「この冬の寒さに、キアーラ川流域では人々が不安を感じています。そこで精霊を元気づける祭を執り行います」
地域の人にその名を知られた地精霊マニュス・ウィリディスは、現在行方不明だ。
実際に戻るかどうかはわからないにせよ、とにかく不穏な空気をはらうのが目的である。
祭そのものは、近隣の3村合同で行うことになった。
食べ物や飲み物を用意して精霊に供え、祠の傍での大宴会。歌や踊りで賑やかに騒げば、嫌な気分も吹き飛ぶだろうというわけだ。
「そこで皆様に、なにか精霊……と、村の人達が喜んでくれそうなアイデアをいただきたいのです。お願いできますか?」
そう尋ねるセストの声は穏やかだが、ハンター達を見つめるまなざしはどこか緊迫したものを感じさせた。
●
静かな部屋に、燃える薪がはぜる音が響いた。
同盟の農耕推進地域ジェオルジでは、例年ならそろそろ春の気配ただよう頃だ。
それなのに、今年は昼間でも暖炉が必要な寒さである。
この家の現在の主でもある、若き領主セスト・ジェオルジ(kz0034)の表情が今一つさえないのも無理はない。
……とはいえ、にこにこ愛敬をふりまくタイプでもないので、これは見る方の思いこみかもしれないが。
「アニタさん一家はひとまず、こちらで預かりましょう。元々僕の仕事をお願いしていたのですし、春郷祭の会場になる別館の掃除を手伝ってもらう、というのは不自然ではないでしょう」
淡々と告げられた言葉に、テーブルをはさんで対しているサイモン・小川(kz0211)は深く頭を下げた。
「助かります。領主様にはいつもご迷惑をおかけして申し訳ありません」
「いえ、人手が欲しいのは本当ですから。それに……」
いつも冷静なセストが、さすがに言い淀む。
常に陽気で飄々としているように見えるサイモンすら、唇を引き締めたままで、言葉が出てこない。
つい数日前のこと。
ジェオルジ内にあるバチャーレ村とその周辺で、ちょっとした事件が起きた。
村に住むアニタという女性の子供・ビアンカがたったひとりで雪山に入りこみ、断崖で歪虚に襲われていたのだ。
たまたま別の用件の依頼を受けたハンター達と、村の代表であるサイモンが遭遇し、ビアンカを救助したのだが、その帰り道でにわかには信じがたい証言が飛び出した。
『おねえちゃんたちは……本当に母ちゃんのところに連れてってくれるの?』
人見知りで怖がりの7歳の女の子は、自分を救ってくれたハンターにそう尋ねた。
続きを促されて、つかえつかえ語った内容は……
『あのね。母ちゃんがよんでるって、マリナねえちゃんがね。畑のほうに歩いてたんだけど、どうしてかあそこにいたの』
マリナはバチャーレ村に移住した、元サルヴァトーレ・ロッソの乗員で、サイモンの信頼する同僚でもある。
『そのときね、ねえちゃんに手をひっぱられたらね、すごく冷たかったの……』
サイモンは事の次第をセストに全て報告した。
「僕としては信じがたいことですが、ビアンカが嘘をついているとはとても思えません」
アニタもバチャーレ村で落ち着いていられるはずもない。ひとまずは距離を置いた方がお互いのためになるというのが、サイモンとセストが出した結論だった。
「それで、マリナさんには?」
「まだ何も。ここのところ伏せっていましたので……」
サイモンは眉間に深い皺を刻む。
マリナのほうも今回の事件の少し前、歪虚に遭遇したところを救出されたばかりだ。
それ以来、自分の住居に引きこもることが多くなっていた。危うく殺されるところだったのだから、心身ともに疲労しているのは間違いない。毎日村の女性が様子を見に行っていたが、顔色が悪い以外は特に変わったところは見られなかったという。
なので、サイモンとしては信頼する同僚でもあるマリナが、ビアンカを騙して連れ出し、冬山に放置したということが信じがたいのである。
セストは考え込むように目を伏せていたが、やがて視線を上げた。
「実はその件については、僕あてに妙な報告が届いています」
「妙、ですか」
「ええ。実はマリナさんはときどき村を抜け出し、どこかへ行くことがあったようです」
「……初耳ですね」
「察してあげてください。オガワ代表を信じているからこそでしょうから」
サイモンは複雑な表情で頷く。
バチャーレ村の誰かにせよ、近隣の村人にせよ、仲間の「明らかに異常な」行動をしばらく見守ろうという気遣いはあったのだろう。それが結果的に、事態を悪化させたとしても。
「ですが僕としても、このままにはできません。マリナを尋問します」
サイモンのその言葉は、元軍属らしい表現だった。
セストはそこに、遠い宇宙へ乗り出す者達独特のコミュニティの在り方を感じとる。
「……証拠がありません。それよりも僕に考えがあります。ご協力いただけますか」
●
居間でハンター達を待っていたのは、領主のセストだった。
「寒い中、依頼を受けていただき有難うございます」
丁寧に礼を述べると、早速依頼の内容について説明する。
「この冬の寒さに、キアーラ川流域では人々が不安を感じています。そこで精霊を元気づける祭を執り行います」
地域の人にその名を知られた地精霊マニュス・ウィリディスは、現在行方不明だ。
実際に戻るかどうかはわからないにせよ、とにかく不穏な空気をはらうのが目的である。
祭そのものは、近隣の3村合同で行うことになった。
食べ物や飲み物を用意して精霊に供え、祠の傍での大宴会。歌や踊りで賑やかに騒げば、嫌な気分も吹き飛ぶだろうというわけだ。
「そこで皆様に、なにか精霊……と、村の人達が喜んでくれそうなアイデアをいただきたいのです。お願いできますか?」
そう尋ねるセストの声は穏やかだが、ハンター達を見つめるまなざしはどこか緊迫したものを感じさせた。
解説
●白銀のおとぎ話・3について
「同1」「同2」の続編になります。この2本についてはお読みいただいた方が有利かもしれません。
祭祀編と追跡編に分かれています。それぞれ難易度と危険度が違いますのでご注意ください。
OPの大部分が共通内容です。全てPC情報として大丈夫です。
別シナリオ参加者との連絡は不可能です。トランシーバーや魔導短伝話も使えません。(シナリオ内での参加者同士の通信は可能です)
成功度は別に判定します。
●本シナリオについて
地精霊マニュス・ウィリディスは、バチャーレ村近くの山にある廃坑の守護者でもあります。
「同1」で村人を庇って以来、行方不明です。
農業で生計を立てている近隣の村人にとっては、一度姿を見せた精霊が消えるというのは非常に不吉です。
仮に精霊が現れなくても、「呼んでみる」ことが大事だとセストは考えたようです。
なお、こちらにはセストが同行します。
日が落ちる前には片づけて帰ります。
●依頼内容
もしPC様に特技があれば、披露していただければ盛り上がるでしょう。
酔っ払いを見張るのも貢献になりますし、逆に飲酒を禁止して安全を計るのも一つの案です。
これはPC様の指示に、村人が従うことになります。どういう方向で開催するか、相談の上で決定してください。特に指示がなければいわゆる宴会になります。
●注意事項
準備期間が短いので大がかりなことはできません。祠の周りの広場は人間が座るだけでかなりぎりぎりです。(旅芸人を呼ぶとか、大掛かりなセットを組むとかは不可)。
周囲は雪の積もった森ですが、広場は雪を掘り地面が見えています。
きちんと管理すれば火を使っても構いません。
ほかに何か質問事項があれば、セストがお答えします。
原則として出発24時間前をMSの確認期限としますので、何卒ご了承ください。
「同1」「同2」の続編になります。この2本についてはお読みいただいた方が有利かもしれません。
祭祀編と追跡編に分かれています。それぞれ難易度と危険度が違いますのでご注意ください。
OPの大部分が共通内容です。全てPC情報として大丈夫です。
別シナリオ参加者との連絡は不可能です。トランシーバーや魔導短伝話も使えません。(シナリオ内での参加者同士の通信は可能です)
成功度は別に判定します。
●本シナリオについて
地精霊マニュス・ウィリディスは、バチャーレ村近くの山にある廃坑の守護者でもあります。
「同1」で村人を庇って以来、行方不明です。
農業で生計を立てている近隣の村人にとっては、一度姿を見せた精霊が消えるというのは非常に不吉です。
仮に精霊が現れなくても、「呼んでみる」ことが大事だとセストは考えたようです。
なお、こちらにはセストが同行します。
日が落ちる前には片づけて帰ります。
●依頼内容
もしPC様に特技があれば、披露していただければ盛り上がるでしょう。
酔っ払いを見張るのも貢献になりますし、逆に飲酒を禁止して安全を計るのも一つの案です。
これはPC様の指示に、村人が従うことになります。どういう方向で開催するか、相談の上で決定してください。特に指示がなければいわゆる宴会になります。
●注意事項
準備期間が短いので大がかりなことはできません。祠の周りの広場は人間が座るだけでかなりぎりぎりです。(旅芸人を呼ぶとか、大掛かりなセットを組むとかは不可)。
周囲は雪の積もった森ですが、広場は雪を掘り地面が見えています。
きちんと管理すれば火を使っても構いません。
ほかに何か質問事項があれば、セストがお答えします。
原則として出発24時間前をMSの確認期限としますので、何卒ご了承ください。
マスターより
いつもお世話になっております、樹シロカです。
前回の「2」で予告しました、精霊を元気づけるシナリオになります。
精霊については『【血盟】目覚めの春』『【春郷祭】精霊に逢いたい!【血盟】』を確認していただければ、性格などは大体把握していただけるかと思います。
一方で名目上は「精霊のための祭」となっていますが、人心を安定させる目的もありますので、とにかく人間が盛り上がればOKです。
寒さも吹き飛ぶ、明るく楽しいお祭りを宜しくお願い致します。
前回の「2」で予告しました、精霊を元気づけるシナリオになります。
精霊については『【血盟】目覚めの春』『【春郷祭】精霊に逢いたい!【血盟】』を確認していただければ、性格などは大体把握していただけるかと思います。
一方で名目上は「精霊のための祭」となっていますが、人心を安定させる目的もありますので、とにかく人間が盛り上がればOKです。
寒さも吹き飛ぶ、明るく楽しいお祭りを宜しくお願い致します。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/04/05 23:40
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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祭についての準備と相談卓 アルヴィース・シマヅ(ka2830) ドワーフ|50才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2018/03/22 22:38:49 |
|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/03/20 02:49:37 |