ゲスト
(ka0000)
投げろ! トマト戦争(祭り)
マスター:一要・香織

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在9人 / 8~15人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/04/08 15:00
- リプレイ完成予定
- 2018/04/17 15:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
むかーし、昔。
王国の片隅にある広い平野にグランツと名が付き、いくつもの村に人々が住み、幸せな生活を送るようになった頃―――。
エスエと言う東の村の村長ガイと、ヴェストと言う西の村の村長ロイは、それぞれ自分たちの村で採れた真っ赤なトマトを木箱いっぱいに詰めて、領主の元を訪れようとしていた。
今年最初にとれた、真っ赤なトマト―――。
それはとても甘く、ぜひ領主に食べてもらいたい……そう思い2人は街道を歩いていた。
東と西、それぞれの村から領主の屋敷に続く道はある地点で合流する。
何という偶然だろうか―――――。
その合流地点で、ガイとロイはばったりと出会った。
「おお、久しぶりだな」
「本当だな、元気だったか」
そう言葉を交わすけれど、2人の視線は互いが抱える木箱のトマトに……。
ピクリ……眉尻が僅かに動くが、2人は無言で歩き出した。
暫らく歩いて丘の上まで来た時、お互いの目的地が領主の屋敷だと漸く気付き、ガイが先に口を開いた。
「領主様にトマトを届ける気か?」
「お前こそ」
ガイとロイは眉間に皺を寄せる。
「俺のトマトの方が甘くて美味い。だからロイはそれを持って帰んな」
見下すような言葉と視線に、ロイは食って掛かった。
「なんだと、俺のトマトの方が美味いに決まってるだろう。お前こそ帰れ!」
ガイとロイは今にも掴みかかりそうな勢いで言い争いを始めた。
「そんなに言うなら、このトマトを食ってみろ!」
ロイは怒りながらガイの顔の前にトマトを差し出した―――。
――――――差し出したはずだった。
トマトの活きが良すぎたのか――?
いや、差しだす勢いが良過ぎたのだ……。
ベチャッ――――――。
トマトはガイの顔に飛び込み、当たって弾け、ガイの顔はトマトの汁で染まった。
(あっ!)
そう心の中で思うものの、あれだけ威勢よく言ったので謝罪など出来ない。
「どうだ! 美味いだろ!」
ロイはニヤリと口角を上げた。
「やりやがったな!」
ガイは眉を吊り上げ、自分が抱える木箱の中のトマトをロイの顔目掛けて投げつけた。
それは見事にロイの顔に当たり、ガイ同様ロイの顔もトマトの汁が滴る。
「っ……!」
怒りでワナワナと肩は震え、ロイは木箱を地面に置くと中のトマトを鷲掴み次々とガイへ投げつけた。
ガイも木箱を降ろすとトマトを掴み、ロイに投げつける。
ベチャ、ビチャ!
互いに当たったトマトは小気味いい音を立てながら次々弾け、ガイとロイは全身ドロドロの状態になった。
しかし、高まった熱が冷めることは無い!
木箱が空になると、それぞれは急いで村に帰り、ありったけのトマトを荷車に乗せ先ほどの場所まで戻った。
今度は村人達を引き連れて……。
東西に分かれ、大人数でのトマトの投げ合いが始まったのだ―――。
投げ合う理由はただ一つ。
どっちのトマトが美味いか――。
領民がトマトを投げ合っている! その知らせを聞き領主が駆け付けた。
エスエの村の人々も、ヴェストの村の人々も、頭のてっぺんからつま先までトマトの汁まみれだ。
眉を顰める領主を前に、ガイとロイは肩をすくめる。
いったいどんなお咎めがあるのだろう……そう考えた直後、
「ハッハッハッハッハッハッーーーーーー!!」
大きな笑い声が辺りに響いた。
その笑い声に2人は勢いよく顔を上げる。
見れば領主がお腹を抱え大笑いしていたのだ。
2人はポカンと口を開け、――只々呆然とその様子を眺めた。
ガイとロイを見て、可笑しくて涙を流す領主に釣られるように2人も小さく笑う。
その笑いは伝染するようにその場に居た者達に広がった。
「ああ、なんて酷い恰好なんだ。クックッ……、ガイ、ロイ、何をしていたんだい?」
笑いを堪えながら領主は尋ねた。
訳を話すと領主は更に笑った。
「そんなもの。どちらも美味いに決まっている! この豊かな大地で育ったのだからな」
領主はそう言って眼前に広がる平野を見据えた。
ガイとロイは改めてこのグランツと言う豊かな領地と、それを治めるおおらか領主に感謝し2人は握手を交わした。
それを見届けた領主は、
「ハッハッハッ。いや、いいな! このような祭り事も悪くない」
―――そう呟いた。
それは領主の気まぐれか、はたまたこの事件以来、収穫の量が増えた事がきっかけか……。
詳しい資料は存在しないが、このトマト投げは恒例となりグランツ領を代表する祭りとなったのだ。
そのお祭りの資料を見ながら、若きグランツの領主、レイナ・エルト・グランツ(ka0253)は大きな溜息を吐いた。
「如何されましたか?」
幼少の頃からレイナの世話をしている執事のジルは、主の大きな溜息に苦笑を漏らした。
「今年はエスエの村長が参加すると言って下さらないの……。このままではお祭りは中止になってしまうわ」
憂いを帯びた声色でレイナは呟いた。
突然の先代領主の死により跡を受け継いだレイナは、幼少の頃からの気弱な姿が領民の記憶にあるために、頼りなく思われている。
レイナを心良く思わない者も少なからずいる様だ。
「しかし、参加すると言わないのは村長だけです。村人はとても楽しみにしているようですよ」
励ますようにジルが言うと、
「うん……でも……」
レイナは小さな呟きは、再びの溜息と共に静かな部屋の空気に溶けた。
「レイナ様のご心配はトマトの運搬ですね? 毎年エスエからトマトを運ぶのは村長の所持する馬……。村長が貸して下さらないと肝心のトマトが運べません」
ジルの静かな言葉にレイナは頷いた。
「はい……。お祭りまでに説得してみるつもりですが、もし出来なかったら……」
レイナの言葉は最後まで語られずに止まってしまう。
己の力不足を悔しがりギュッと手を握るレイナの様子を目にし、ジルは優しく微笑んだ。
「では、運搬に協力してくださる方を探されては如何ですか?」
「え?」
呆けた顔でこちらを見るレイナに、ジルは笑みを深めて口を開いた。
「たとえば……ほかに馬をお持ちの方を探すとか、人力で運べる力自慢を探すとか……」
そう言い終えるとジルはニヤリと笑った。
「……っ! ハンター!」
その画策するような笑みの意味に気付き、レイナは声を上げた。
領主に就任してから度々力を貸してくれているハンターに、レイナが好意的な感情を持っている事を知っているジルはその声にコクリと頷いた。
「そうです。協力を仰いでみては?」
「は、はい! ぜひお祭りにも参加して頂きたいわ」
勢いよく立ち上がったレイナは、資料を手にいそいそと部屋を後にした。
数刻後、ハンターオフィスの片隅には、お祭りの詳細とトマト運搬の手伝いのお願いが書かれたポスターが張り出されていた。
むかーし、昔。
王国の片隅にある広い平野にグランツと名が付き、いくつもの村に人々が住み、幸せな生活を送るようになった頃―――。
エスエと言う東の村の村長ガイと、ヴェストと言う西の村の村長ロイは、それぞれ自分たちの村で採れた真っ赤なトマトを木箱いっぱいに詰めて、領主の元を訪れようとしていた。
今年最初にとれた、真っ赤なトマト―――。
それはとても甘く、ぜひ領主に食べてもらいたい……そう思い2人は街道を歩いていた。
東と西、それぞれの村から領主の屋敷に続く道はある地点で合流する。
何という偶然だろうか―――――。
その合流地点で、ガイとロイはばったりと出会った。
「おお、久しぶりだな」
「本当だな、元気だったか」
そう言葉を交わすけれど、2人の視線は互いが抱える木箱のトマトに……。
ピクリ……眉尻が僅かに動くが、2人は無言で歩き出した。
暫らく歩いて丘の上まで来た時、お互いの目的地が領主の屋敷だと漸く気付き、ガイが先に口を開いた。
「領主様にトマトを届ける気か?」
「お前こそ」
ガイとロイは眉間に皺を寄せる。
「俺のトマトの方が甘くて美味い。だからロイはそれを持って帰んな」
見下すような言葉と視線に、ロイは食って掛かった。
「なんだと、俺のトマトの方が美味いに決まってるだろう。お前こそ帰れ!」
ガイとロイは今にも掴みかかりそうな勢いで言い争いを始めた。
「そんなに言うなら、このトマトを食ってみろ!」
ロイは怒りながらガイの顔の前にトマトを差し出した―――。
――――――差し出したはずだった。
トマトの活きが良すぎたのか――?
いや、差しだす勢いが良過ぎたのだ……。
ベチャッ――――――。
トマトはガイの顔に飛び込み、当たって弾け、ガイの顔はトマトの汁で染まった。
(あっ!)
そう心の中で思うものの、あれだけ威勢よく言ったので謝罪など出来ない。
「どうだ! 美味いだろ!」
ロイはニヤリと口角を上げた。
「やりやがったな!」
ガイは眉を吊り上げ、自分が抱える木箱の中のトマトをロイの顔目掛けて投げつけた。
それは見事にロイの顔に当たり、ガイ同様ロイの顔もトマトの汁が滴る。
「っ……!」
怒りでワナワナと肩は震え、ロイは木箱を地面に置くと中のトマトを鷲掴み次々とガイへ投げつけた。
ガイも木箱を降ろすとトマトを掴み、ロイに投げつける。
ベチャ、ビチャ!
互いに当たったトマトは小気味いい音を立てながら次々弾け、ガイとロイは全身ドロドロの状態になった。
しかし、高まった熱が冷めることは無い!
木箱が空になると、それぞれは急いで村に帰り、ありったけのトマトを荷車に乗せ先ほどの場所まで戻った。
今度は村人達を引き連れて……。
東西に分かれ、大人数でのトマトの投げ合いが始まったのだ―――。
投げ合う理由はただ一つ。
どっちのトマトが美味いか――。
領民がトマトを投げ合っている! その知らせを聞き領主が駆け付けた。
エスエの村の人々も、ヴェストの村の人々も、頭のてっぺんからつま先までトマトの汁まみれだ。
眉を顰める領主を前に、ガイとロイは肩をすくめる。
いったいどんなお咎めがあるのだろう……そう考えた直後、
「ハッハッハッハッハッハッーーーーーー!!」
大きな笑い声が辺りに響いた。
その笑い声に2人は勢いよく顔を上げる。
見れば領主がお腹を抱え大笑いしていたのだ。
2人はポカンと口を開け、――只々呆然とその様子を眺めた。
ガイとロイを見て、可笑しくて涙を流す領主に釣られるように2人も小さく笑う。
その笑いは伝染するようにその場に居た者達に広がった。
「ああ、なんて酷い恰好なんだ。クックッ……、ガイ、ロイ、何をしていたんだい?」
笑いを堪えながら領主は尋ねた。
訳を話すと領主は更に笑った。
「そんなもの。どちらも美味いに決まっている! この豊かな大地で育ったのだからな」
領主はそう言って眼前に広がる平野を見据えた。
ガイとロイは改めてこのグランツと言う豊かな領地と、それを治めるおおらか領主に感謝し2人は握手を交わした。
それを見届けた領主は、
「ハッハッハッ。いや、いいな! このような祭り事も悪くない」
―――そう呟いた。
それは領主の気まぐれか、はたまたこの事件以来、収穫の量が増えた事がきっかけか……。
詳しい資料は存在しないが、このトマト投げは恒例となりグランツ領を代表する祭りとなったのだ。
そのお祭りの資料を見ながら、若きグランツの領主、レイナ・エルト・グランツ(ka0253)は大きな溜息を吐いた。
「如何されましたか?」
幼少の頃からレイナの世話をしている執事のジルは、主の大きな溜息に苦笑を漏らした。
「今年はエスエの村長が参加すると言って下さらないの……。このままではお祭りは中止になってしまうわ」
憂いを帯びた声色でレイナは呟いた。
突然の先代領主の死により跡を受け継いだレイナは、幼少の頃からの気弱な姿が領民の記憶にあるために、頼りなく思われている。
レイナを心良く思わない者も少なからずいる様だ。
「しかし、参加すると言わないのは村長だけです。村人はとても楽しみにしているようですよ」
励ますようにジルが言うと、
「うん……でも……」
レイナは小さな呟きは、再びの溜息と共に静かな部屋の空気に溶けた。
「レイナ様のご心配はトマトの運搬ですね? 毎年エスエからトマトを運ぶのは村長の所持する馬……。村長が貸して下さらないと肝心のトマトが運べません」
ジルの静かな言葉にレイナは頷いた。
「はい……。お祭りまでに説得してみるつもりですが、もし出来なかったら……」
レイナの言葉は最後まで語られずに止まってしまう。
己の力不足を悔しがりギュッと手を握るレイナの様子を目にし、ジルは優しく微笑んだ。
「では、運搬に協力してくださる方を探されては如何ですか?」
「え?」
呆けた顔でこちらを見るレイナに、ジルは笑みを深めて口を開いた。
「たとえば……ほかに馬をお持ちの方を探すとか、人力で運べる力自慢を探すとか……」
そう言い終えるとジルはニヤリと笑った。
「……っ! ハンター!」
その画策するような笑みの意味に気付き、レイナは声を上げた。
領主に就任してから度々力を貸してくれているハンターに、レイナが好意的な感情を持っている事を知っているジルはその声にコクリと頷いた。
「そうです。協力を仰いでみては?」
「は、はい! ぜひお祭りにも参加して頂きたいわ」
勢いよく立ち上がったレイナは、資料を手にいそいそと部屋を後にした。
数刻後、ハンターオフィスの片隅には、お祭りの詳細とトマト運搬の手伝いのお願いが書かれたポスターが張り出されていた。
解説
グランツ領名物のトマト投げ祭が開かれます。
昔は東西に分かれ投げ合われていたのですが、いつの頃からか、誰彼構わず投げるようになりました。
トマトはお祭りの為に育てられたもので、エスエ村から運ぶトマトは荷車10台分です。
1台の荷車には木箱が9箱積載でき、木箱の中にトマトが入れられています。
領主の馬はヴェスト村の運搬に使用するので出払ってしまいます。
投げ合う物ですから、多少潰れてしまっても大丈夫ですが、どうせなら綺麗なトマトを相手に命中させたいですよね!
相手に命中したトマトが弾けるのが堪らない! と村人たちが話していますし。
エスエから会場までは馬車が通れる広い道が続いています。
運搬が完了したら、ハンターの皆さんも一緒にトマトを投げ合いましょう!
お祭りの日は無礼講です!誰に投げても構いません!
もちろんレイナも参加しますよ。
ただ、レイナや村人に怪我をさせない程度にお願いいたしますね!
トマト戦争の後は、これでもか! と言うほどのトマト料理が振る舞われます。
(投げたトマトではないのでご安心を!)
皆さんの好きなトマト料理をたくさん召し上がってください。
ハンターの皆さんの参加をお待ちしています。
昔は東西に分かれ投げ合われていたのですが、いつの頃からか、誰彼構わず投げるようになりました。
トマトはお祭りの為に育てられたもので、エスエ村から運ぶトマトは荷車10台分です。
1台の荷車には木箱が9箱積載でき、木箱の中にトマトが入れられています。
領主の馬はヴェスト村の運搬に使用するので出払ってしまいます。
投げ合う物ですから、多少潰れてしまっても大丈夫ですが、どうせなら綺麗なトマトを相手に命中させたいですよね!
相手に命中したトマトが弾けるのが堪らない! と村人たちが話していますし。
エスエから会場までは馬車が通れる広い道が続いています。
運搬が完了したら、ハンターの皆さんも一緒にトマトを投げ合いましょう!
お祭りの日は無礼講です!誰に投げても構いません!
もちろんレイナも参加しますよ。
ただ、レイナや村人に怪我をさせない程度にお願いいたしますね!
トマト戦争の後は、これでもか! と言うほどのトマト料理が振る舞われます。
(投げたトマトではないのでご安心を!)
皆さんの好きなトマト料理をたくさん召し上がってください。
ハンターの皆さんの参加をお待ちしています。
マスターより
こんにちは。
一要・香織です。
暖かくなりましたね! 桜も満開です!
新年度を迎え、何かと忙しくなる時期ですね。
どうぞお体にはお気を付け下さいね!
ストレスが溜まっていたら、領主と一緒にトマト投げをしましょう!
お待ちしています。
一要・香織です。
暖かくなりましたね! 桜も満開です!
新年度を迎え、何かと忙しくなる時期ですね。
どうぞお体にはお気を付け下さいね!
ストレスが溜まっていたら、領主と一緒にトマト投げをしましょう!
お待ちしています。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/04/12 22:55
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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パーティー会場控え室 レイア・アローネ(ka4082) 人間(クリムゾンウェスト)|24才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/04/08 12:42:30 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/04/08 05:34:19 |