ゲスト
(ka0000)
【RH】引き裂かれた詩を
マスター:凪池シリル

- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在25人 / 1~25人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/04/16 19:00
- リプレイ完成予定
- 2018/04/25 19:00
オープニング
※本シナリオは連動シナリオとなります。同日に出された【RH】タグの依頼との同時参加は出来ません。重複参加が認められた場合、本シナリオでの判定・描写の対象外となります。ご了承ください。
「撃て!」
分隊長の号令一声、統一地球連合宙軍の兵たちは比較的広い街路における一斉射撃を開始する。
射線が収束するその先には……──
「う……ああ、痛い、痛いよぉ!」
片腕で顔を庇うようにして、じりじりと前進する少年。
銃弾の雨の中、少年は顔を苦悶に歪める──砂嵐の中、ぶつかってくる砂粒に難儀する程度の表情に。
「ぐ……ぅ……」
兵士たちの中から、小さな呻きが上がる。
「弾幕緩めるなぁ! 近づかれたら終わりだぞ!」
銃弾の嵐の中、声が聞こえたわけでは無いのだろう、それでも乱れに気がついたのか、再びの怒号が飛ぶ。
「うああ……痛い……怖いよ……。殺す……殺さなきゃあ!」
痛みに嘆きながらそれでもにじり寄ることをやめない少年が、手にした大剣を大きく振りかぶる。その時。
「撃ち方やめ!」
号令。銃弾の雨がピタリとやむ。直後、少年の斜め後方より躍りかかる影!
気配に気づいた少年が振り返る、が、半端に振りかぶった体勢から対応するのは無理があった。
横薙ぎの一閃が、弾幕をものともしなかった少年を吹き飛ばす。
振るわれたのは少年が持つのと似たような大剣。手にする男も、成人はしているだろうが若くはある。軍服を着たその姿は、軍所属の強化人間だった。
男はそのまま、ふらつき立ち上がろうとする少年に対し男はそのまま距離を詰め、再度大剣を振りかぶる。少年は腰を着いた体勢のまま己の剣で辛うじてそれを受けて。
……少年と、男。元々の理論上の力の源は、同じとする存在だった。だが、暫く打ち合いが続くうちに訓練と経験の差が浮き彫りになっていく。
加えて。
不利を悟った少年が、一度立て直そうと距離を取る──瞬間、響く銃声。待機していた狙撃兵の一撃が、少年を叩く。一般兵のそれはたいした負傷にはならなかったが、驚かせ姿勢を崩す効果はあった。
元々の実力差に加え友軍の支援。やがて戦闘は一つの結末を迎える。
「──……こちら03分隊。報告します、只今──」
認めて、分隊長は通信機を手に、告げる。只今、何が終わったのか──何に対して。
●
「ランカスター市民の避難の完了を確認した。本作戦はこれより第二フェーズ、市街を占拠する『敵』の対応へと移行する」
本作戦を指揮する、ある一人の士官は己の管轄する歩兵各隊に対し、朗々と告げた。
「作戦開始前に諸君らに通達する。もし諸君らが現在、『アスガルド』に関する何らかの資料、写真を所持する場合──作戦行動開始前に、それらは全て、破棄すること」
ざわり、と、兵士たちからわずかな動揺が漏れた。
「個々の現場においては各分隊長の臨機の判断によって対応せよ。事前の個体特徴の把握は不要とする。
友軍強化人間との差別化の意味においても、本件の『人型のエネミー』については以降『死せる戦士(エインヘリャル)』と呼称すること。
作戦上の区別が必要な際にはナンバリングにて管理を行う。
個別の名を呼んではならない。
個体を識別しようとしてはならない。
本件において立ちはだかる障害は全て『同一の敵』と見做すこと。
──……通達する。本作戦に対し、諸君らは『アスガルド』に関する全ての記録、全ての記憶を破棄すること。
敵は一体で我ら一個小隊を全滅せしえる脅威である。対し我らは統一した行動、そのために統一した意思でもって立ち向かわねばならない。心せよ!」
言い終えると、指揮官は立ち並ぶ兵士たちに順に視線を流していく。と、その一か所で暫く視点を固定し、歩み寄ると、近づかれた兵士は僅かに顔を歪ませた後、一つの手記を差し出した。
それを皮切りに、指揮官の元へ、手帳が、レポートが、写真が、彼が通り過ぎるその度に差し出されていく。
それらを抱えたまま──指揮官は、本作戦への協力のため呼び寄せたハンターたちの元へも、歩み寄る。
「……諸君らはあくまで、外部協力者として要請に応じた傭兵であり、諸君らの行動に対し私に強制力がないことは、心得ているよ」
そう言って指揮官は、どこか優雅に、挨拶の辞儀をして見せる。
「だからこれはあくまで提案だ。もし君たちが、手放すのに困っている荷物を今抱えているのであれば、ついでに引き取ろうか」
静かな声で、彼はハンターたちに告げた。嫌味を感じさせないことが嫌味に感じるほどの。
●
「──……こちら03分隊。報告します、只今──」
認めて、分隊長は通信機を手に、告げる。只今、何が終わったのか──何に対して。
「……『死せる戦士の7番』、行動停止を確認いたしました」
そう、認めた。
倒れた死体、あれが自分たちにとって何なのかを。
あれは──敵。我々の命を奪う。市民たちを脅かす。倒さなければならない、倒すべき、敵。だから殺した。
言い聞かせる言葉が、戦場の中で、声にする度、馴染んでいく。
「殺す……殺さなきゃあ……どうして?」
──聞いては、いけない。
「痛い……怖いよぉ……皆あ……?」
──記録してはいけない。
「私が……私がやんなきゃ! 大丈夫……大丈夫だからね!」
──記憶してはいけない。
「あっはははははは! 死ね! もう皆死ねよおぉぉぉぉ!」
──全て、破棄すること。
「撃て!」
分隊長の号令一声、統一地球連合宙軍の兵たちは比較的広い街路における一斉射撃を開始する。
射線が収束するその先には……──
「う……ああ、痛い、痛いよぉ!」
片腕で顔を庇うようにして、じりじりと前進する少年。
銃弾の雨の中、少年は顔を苦悶に歪める──砂嵐の中、ぶつかってくる砂粒に難儀する程度の表情に。
「ぐ……ぅ……」
兵士たちの中から、小さな呻きが上がる。
「弾幕緩めるなぁ! 近づかれたら終わりだぞ!」
銃弾の嵐の中、声が聞こえたわけでは無いのだろう、それでも乱れに気がついたのか、再びの怒号が飛ぶ。
「うああ……痛い……怖いよ……。殺す……殺さなきゃあ!」
痛みに嘆きながらそれでもにじり寄ることをやめない少年が、手にした大剣を大きく振りかぶる。その時。
「撃ち方やめ!」
号令。銃弾の雨がピタリとやむ。直後、少年の斜め後方より躍りかかる影!
気配に気づいた少年が振り返る、が、半端に振りかぶった体勢から対応するのは無理があった。
横薙ぎの一閃が、弾幕をものともしなかった少年を吹き飛ばす。
振るわれたのは少年が持つのと似たような大剣。手にする男も、成人はしているだろうが若くはある。軍服を着たその姿は、軍所属の強化人間だった。
男はそのまま、ふらつき立ち上がろうとする少年に対し男はそのまま距離を詰め、再度大剣を振りかぶる。少年は腰を着いた体勢のまま己の剣で辛うじてそれを受けて。
……少年と、男。元々の理論上の力の源は、同じとする存在だった。だが、暫く打ち合いが続くうちに訓練と経験の差が浮き彫りになっていく。
加えて。
不利を悟った少年が、一度立て直そうと距離を取る──瞬間、響く銃声。待機していた狙撃兵の一撃が、少年を叩く。一般兵のそれはたいした負傷にはならなかったが、驚かせ姿勢を崩す効果はあった。
元々の実力差に加え友軍の支援。やがて戦闘は一つの結末を迎える。
「──……こちら03分隊。報告します、只今──」
認めて、分隊長は通信機を手に、告げる。只今、何が終わったのか──何に対して。
●
「ランカスター市民の避難の完了を確認した。本作戦はこれより第二フェーズ、市街を占拠する『敵』の対応へと移行する」
本作戦を指揮する、ある一人の士官は己の管轄する歩兵各隊に対し、朗々と告げた。
「作戦開始前に諸君らに通達する。もし諸君らが現在、『アスガルド』に関する何らかの資料、写真を所持する場合──作戦行動開始前に、それらは全て、破棄すること」
ざわり、と、兵士たちからわずかな動揺が漏れた。
「個々の現場においては各分隊長の臨機の判断によって対応せよ。事前の個体特徴の把握は不要とする。
友軍強化人間との差別化の意味においても、本件の『人型のエネミー』については以降『死せる戦士(エインヘリャル)』と呼称すること。
作戦上の区別が必要な際にはナンバリングにて管理を行う。
個別の名を呼んではならない。
個体を識別しようとしてはならない。
本件において立ちはだかる障害は全て『同一の敵』と見做すこと。
──……通達する。本作戦に対し、諸君らは『アスガルド』に関する全ての記録、全ての記憶を破棄すること。
敵は一体で我ら一個小隊を全滅せしえる脅威である。対し我らは統一した行動、そのために統一した意思でもって立ち向かわねばならない。心せよ!」
言い終えると、指揮官は立ち並ぶ兵士たちに順に視線を流していく。と、その一か所で暫く視点を固定し、歩み寄ると、近づかれた兵士は僅かに顔を歪ませた後、一つの手記を差し出した。
それを皮切りに、指揮官の元へ、手帳が、レポートが、写真が、彼が通り過ぎるその度に差し出されていく。
それらを抱えたまま──指揮官は、本作戦への協力のため呼び寄せたハンターたちの元へも、歩み寄る。
「……諸君らはあくまで、外部協力者として要請に応じた傭兵であり、諸君らの行動に対し私に強制力がないことは、心得ているよ」
そう言って指揮官は、どこか優雅に、挨拶の辞儀をして見せる。
「だからこれはあくまで提案だ。もし君たちが、手放すのに困っている荷物を今抱えているのであれば、ついでに引き取ろうか」
静かな声で、彼はハンターたちに告げた。嫌味を感じさせないことが嫌味に感じるほどの。
●
「──……こちら03分隊。報告します、只今──」
認めて、分隊長は通信機を手に、告げる。只今、何が終わったのか──何に対して。
「……『死せる戦士の7番』、行動停止を確認いたしました」
そう、認めた。
倒れた死体、あれが自分たちにとって何なのかを。
あれは──敵。我々の命を奪う。市民たちを脅かす。倒さなければならない、倒すべき、敵。だから殺した。
言い聞かせる言葉が、戦場の中で、声にする度、馴染んでいく。
「殺す……殺さなきゃあ……どうして?」
──聞いては、いけない。
「痛い……怖いよぉ……皆あ……?」
──記録してはいけない。
「私が……私がやんなきゃ! 大丈夫……大丈夫だからね!」
──記憶してはいけない。
「あっはははははは! 死ね! もう皆死ねよおぉぉぉぉ!」
──全て、破棄すること。
解説
ランカスター市街戦。
白兵戦にて、市街を占拠したアスガルドの子供たち、元強化人間兵たち、本シナリオにおいて『死せる戦士(エインヘリャル)』と呼称されるそれらを制圧してください。
軍と協調して動いても構いません。
個別で動いても構いません。
敵は、大剣と銃で武装しています。単独で動くものがほとんどですが、2、3人で行動している場合もあります。
個人としての戦闘能力は、一般兵は圧倒しますがハンターに及ぶものではありません。
なんてもっともらしい解説をしましたが、はい、彼らの戦闘能力は基本ハンターに及ぶものではありません。
故に本シナリオの参加者に求めることは、OPの背景をもとに行われる群像劇に加わってください。そういうノリです。
ハンターの調査により、そして黒幕の出現により、アスガルドを脱走した少年少女たちは呪法により操られていることが判明しました。
でも、どうしようもありません。市街地に現れてしまえば軍としては制圧に動かざるを得ません。
そして力なき彼らは殺す以外の方法を持ち得ません。
戦い続けるために、兵士たちはアスガルドの子たちの詩(うた)を引き裂きました。
その詩を貴方は、それでも抱くのか。それとも捨てるのか。
あるは初めから、持ち合わせてなどいなかったのか。
多くの敵を相手取るため、行動指針を合理化するのか。
それとも、偶々貴方の目の前に現れた幸運な誰かのために、それでも小さな奇跡を望み、起こすのか。
どうぞ、ご参加お待ちしております。
そうそう、貴方は指揮官の話に乗って、携帯品の何かを彼に渡すことが出来ます。
あるいは、何かの決意を示すために自分の手で破壊するのもありでしょう。
その場合、本シナリオの判定にて「破壊」します。持っているのが辛い、でも売れずに困っているものがあればどうぞ。
白兵戦にて、市街を占拠したアスガルドの子供たち、元強化人間兵たち、本シナリオにおいて『死せる戦士(エインヘリャル)』と呼称されるそれらを制圧してください。
軍と協調して動いても構いません。
個別で動いても構いません。
敵は、大剣と銃で武装しています。単独で動くものがほとんどですが、2、3人で行動している場合もあります。
個人としての戦闘能力は、一般兵は圧倒しますがハンターに及ぶものではありません。
なんてもっともらしい解説をしましたが、はい、彼らの戦闘能力は基本ハンターに及ぶものではありません。
故に本シナリオの参加者に求めることは、OPの背景をもとに行われる群像劇に加わってください。そういうノリです。
ハンターの調査により、そして黒幕の出現により、アスガルドを脱走した少年少女たちは呪法により操られていることが判明しました。
でも、どうしようもありません。市街地に現れてしまえば軍としては制圧に動かざるを得ません。
そして力なき彼らは殺す以外の方法を持ち得ません。
戦い続けるために、兵士たちはアスガルドの子たちの詩(うた)を引き裂きました。
その詩を貴方は、それでも抱くのか。それとも捨てるのか。
あるは初めから、持ち合わせてなどいなかったのか。
多くの敵を相手取るため、行動指針を合理化するのか。
それとも、偶々貴方の目の前に現れた幸運な誰かのために、それでも小さな奇跡を望み、起こすのか。
どうぞ、ご参加お待ちしております。
そうそう、貴方は指揮官の話に乗って、携帯品の何かを彼に渡すことが出来ます。
あるいは、何かの決意を示すために自分の手で破壊するのもありでしょう。
その場合、本シナリオの判定にて「破壊」します。持っているのが辛い、でも売れずに困っているものがあればどうぞ。
マスターより
猫又SSDは悪くないです。
いや本当、あれは本当に思い出に残せるようにという100%善意であって、それをこんなシステマチックに決意を迫る嫌がらせに転用するのは書いてて今凪池が思いついただけです。性格悪いですね。私も思いついた瞬間軽く自分で自分にドン引きですよ。
そんなわけで、RH、非情と無情枠を担当する凪池です。
普通……の、EXなあ……。いや、これフル人数集まったら絶対字数が字数がって頭抱えるのが目に見えてて……これはこう……正直思い切り書きたいなって……でも人が集まらなかったらどうすんだこれと絶賛迷い転げているところです……。助けて。
いや本当、あれは本当に思い出に残せるようにという100%善意であって、それをこんなシステマチックに決意を迫る嫌がらせに転用するのは書いてて今凪池が思いついただけです。性格悪いですね。私も思いついた瞬間軽く自分で自分にドン引きですよ。
そんなわけで、RH、非情と無情枠を担当する凪池です。
普通……の、EXなあ……。いや、これフル人数集まったら絶対字数が字数がって頭抱えるのが目に見えてて……これはこう……正直思い切り書きたいなって……でも人が集まらなかったらどうすんだこれと絶賛迷い転げているところです……。助けて。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/04/22 21:20
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 天王寺茜(ka4080) 人間(リアルブルー)|18才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2018/04/16 06:51:40 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/04/14 12:30:25 |