ゲスト
(ka0000)
【虚動】Aerial Bombing
マスター:剣崎宗二

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 8~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2014/12/19 07:30
- 完成日
- 2014/12/23 18:04
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●Nightmare Thinks
「……なるほどね。つまり、あの中には本当に、何かしら積まれている訳か」
どこかの廃屋。
歪虚の襲撃によって放棄されたこの場で。白衣の男――アレクサンドル・バーンズは、横になっていた。
腕を頭の後ろに組み、天井を見上げながらである。
彼が今解析している記憶は、己が『目』とも言える、ゴブリンの雑魔が過去に得た物。その中には、空を横切り落ちて行く巨大戦艦の姿があった。
「けど、積荷次第じゃ、おっさんの役に立つかもしれないな」
一戦を交えた者たちの反応を見れば、何かしらの兵器はあるはずだ。そして、兵器があるとすれば。当然――『エネルギー源』もまた。
再び彼が目を開けると、そこに居たのは一体の雑魔。蝙蝠のようなそれは、彼の知るとある歪虚が通信用に使っていた物だ。
「――ん、どうした?」
その目を見据えるようにして、中にある情報を得る。
「面倒臭がりなこいつらにしては、中々考えたものだな。…まぁ、おっさんが言えた義理ではないが」
苦笑いして、顎に手を当てる。
「――まぁ、あそこにどれだけの戦力があるのか。…ちょっと反応を見るのも悪くはないか。何かきな臭い動きだし…若しかしたら俺が欲しがる物もあるかも知れん。ただ、…こっちはまだ能力が完全に戻ってないからな。俺自身は今回は出ないが――伝えてくれ。増援は送ると」
飛び去る蝙蝠型雑魔を見送りながら、アレクサンドルは、己が力を発揮するための『素材』を探す。
幸いにして、この廃屋は、『鉱山』の目の前にあった。
「即席じゃ耐久力が低すぎるからな。こうやってもどのくらい持つかは分からないけど――精々、義理は果たさせてもらうとしよう」
思い出すは、一戦を交えたハンターたちの姿。
あの者たちならば、並大抵の雑魔では相手にならない。ならば――
●進軍
辺境要塞に駐在する帝国軍が、大掛かりな歪虚の動きを察知したのは昼ごろ。
すぐさま彼らはそれを迎撃すべく軍を編成する。
両軍は、マギア砦西側にて激突する。
「――戦況はどうなっている」
「はっ!敵の士気は高くないようです。戦っては引き、戦っては引き…まるで何かの様子見をしているようです」
「ふーむ。…ただの士気の問題ならばいいのだが…伏兵には十分に注意したまえ」
「はっ!」
伝令が後退した後、指揮官が考え込む。
(「…これは誘い込まれているのか?それとも――ん?」)
彼の思考は、風切り音によって遮られた。
「どうし――」
次の瞬間。隕石がその場に落ち、爆発に彼は巻き込まれた。
土煙の中、立ち上がる銀色の人影1つ。それはゴーレムにも見えるが、周りの者は理解していた。
――これは、歪虚であると。
――空中。普通の矢も弾丸も届きはしないこの場所に、巨大な影が舞っていた。
翼竜型のその下に、ぶら下がる銀色の球状影は5つ。
付近に居たハンターたちに救援の知らせが届いたのは、直後であった。
――偶々同行していたガルヴァン・マフォジョを伴い、彼らは現場へと急行する。
別の箇所でも、襲撃は発生している。この一戦を早く完結させられれば、他所に兵を向かわせ、増援する事が可能となる。
――負けるわけには、いかないのだ。
「……なるほどね。つまり、あの中には本当に、何かしら積まれている訳か」
どこかの廃屋。
歪虚の襲撃によって放棄されたこの場で。白衣の男――アレクサンドル・バーンズは、横になっていた。
腕を頭の後ろに組み、天井を見上げながらである。
彼が今解析している記憶は、己が『目』とも言える、ゴブリンの雑魔が過去に得た物。その中には、空を横切り落ちて行く巨大戦艦の姿があった。
「けど、積荷次第じゃ、おっさんの役に立つかもしれないな」
一戦を交えた者たちの反応を見れば、何かしらの兵器はあるはずだ。そして、兵器があるとすれば。当然――『エネルギー源』もまた。
再び彼が目を開けると、そこに居たのは一体の雑魔。蝙蝠のようなそれは、彼の知るとある歪虚が通信用に使っていた物だ。
「――ん、どうした?」
その目を見据えるようにして、中にある情報を得る。
「面倒臭がりなこいつらにしては、中々考えたものだな。…まぁ、おっさんが言えた義理ではないが」
苦笑いして、顎に手を当てる。
「――まぁ、あそこにどれだけの戦力があるのか。…ちょっと反応を見るのも悪くはないか。何かきな臭い動きだし…若しかしたら俺が欲しがる物もあるかも知れん。ただ、…こっちはまだ能力が完全に戻ってないからな。俺自身は今回は出ないが――伝えてくれ。増援は送ると」
飛び去る蝙蝠型雑魔を見送りながら、アレクサンドルは、己が力を発揮するための『素材』を探す。
幸いにして、この廃屋は、『鉱山』の目の前にあった。
「即席じゃ耐久力が低すぎるからな。こうやってもどのくらい持つかは分からないけど――精々、義理は果たさせてもらうとしよう」
思い出すは、一戦を交えたハンターたちの姿。
あの者たちならば、並大抵の雑魔では相手にならない。ならば――
●進軍
辺境要塞に駐在する帝国軍が、大掛かりな歪虚の動きを察知したのは昼ごろ。
すぐさま彼らはそれを迎撃すべく軍を編成する。
両軍は、マギア砦西側にて激突する。
「――戦況はどうなっている」
「はっ!敵の士気は高くないようです。戦っては引き、戦っては引き…まるで何かの様子見をしているようです」
「ふーむ。…ただの士気の問題ならばいいのだが…伏兵には十分に注意したまえ」
「はっ!」
伝令が後退した後、指揮官が考え込む。
(「…これは誘い込まれているのか?それとも――ん?」)
彼の思考は、風切り音によって遮られた。
「どうし――」
次の瞬間。隕石がその場に落ち、爆発に彼は巻き込まれた。
土煙の中、立ち上がる銀色の人影1つ。それはゴーレムにも見えるが、周りの者は理解していた。
――これは、歪虚であると。
――空中。普通の矢も弾丸も届きはしないこの場所に、巨大な影が舞っていた。
翼竜型のその下に、ぶら下がる銀色の球状影は5つ。
付近に居たハンターたちに救援の知らせが届いたのは、直後であった。
――偶々同行していたガルヴァン・マフォジョを伴い、彼らは現場へと急行する。
別の箇所でも、襲撃は発生している。この一戦を早く完結させられれば、他所に兵を向かわせ、増援する事が可能となる。
――負けるわけには、いかないのだ。
リプレイ本文
●反撃の狼煙
「CAM見学を考えた矢先に、こんな事になっているとは、何とも面倒な物です」
周囲の戦況を見回し、アクセル・ランパード(ka0448)がため息一つ。
「そうだ!これからいいところだってのに……邪魔しないでよ!」
頬を膨らませて怒るのは、ウーナ(ka1439)。彼女もまたこの突如の奇襲により、見学予定をキャンセルせざるを得なかった者の一人であったのだ。
「あなたたちがハンターですか?見ての通り、指揮官不在で我が軍は不利になっております。……少しでも、助力をお願いできれば――」
「仕方有りません。――先ずはこの盤面、覆して見せましょう」
帝国軍士官らしき者のお願いに、アクセルがくいっと眼鏡を押し上げ、その奥にある目が光る。
――彼らとて、誇り高き帝国軍人だ。その彼らがハンターたちに頼むと言う事は――相当、追い詰められているのだろう。
士官たちと二、三言、言葉を交わすと、アクセルは味方に向かって叫ぶ。
「さて、立て直しの間は……お願いしますよ」
その言葉に答えるかのように、歩み出る影三つ。
●時間稼ぎ
「士気を回復するには、先ずは勇敢に戦う姿を見せるのが一番だよね」
大きく少女は、息を吸い込む。
「――行くぞ、雑魔ぁぁぁぁぁっ!!!私が相手だぁぁぁぁぁっ!!!」
光輝く機杖を構え、少女――クレール(ka0586)は、再編のため後退する帝国兵と入れ替わるようにして、敵の群れの中へと飛び込む。
後退する敵中からまさか強襲が来るとは思わなかったのか、先頭に居た雑魔の一体は、いきなり胴を光砲に打ち抜かれ、その場に崩れ落ちる。
すぐさま周囲の敵は彼女から距離を置き、一斉に彼らの遠距離攻撃手段――石を構える。
雨霰のように降り注ぐ投石。最早石とは言えず、岩レベルの物すら降り注ぐ中。彼女はそれを防ぎ、かわす。だが、余りに数が多い。石が、彼女の体を打ちつけ、少しずつ傷つけていく。
「すぐ動ける方!遠距離攻撃できる方!お願いです、力を貸してくださいっ!!射撃援護お願いします!」
クレールの呼びかけに答える様に、散発的な矢、弾が後方より飛んでくる。飽くまでも少数なのは、再編中のためなのだろう。人に同時に二つ以上の事をやらせるのは困難なのだ。
「五人一組です!早く!」
「遠距離攻撃が出来る方はこちらへ。近接班は前へ!」
馬を走らせ各所に指示を出すアクセルの指揮を補佐する形で、アウレール・V・ブラオラント(ka2531)が細かい隊形を調整する。
元々訓練の行き届いていた軍人だっただけあり、慣れない陣形に戸惑う事は無く、軍は小隊化していく。
「空中の警戒は怠らないでくださいね」
無論、前の指揮官を重傷に追い込んだ、歪虚たちの『空爆』にも気を配る。
「味方指揮官の負傷により味方の士気は低下。対して、敵戦力は未だ健在……状況ははっきり言ってよろしくないと思いましたが……これなら立て直せそうですね」
弾幕に紛れ、ユーリ・ヴァレンティヌス(ka0239)がクレールの後ろから跳躍。空中から体重を乗せての斜め一閃が、巨人の一人を肩口から両断する。
だが、その瞬間、自陣の後ろで爆発が起こる。
――ハンターたちは忘れていたのだ。爆発によって指揮官を攻撃した、最初の金属質歪虚が『討伐された』と言う報告は上がってきていない。
その状態で再編を行おうとすれば、その歪虚に対応する人員は当然、割かなければいけない。
「ちょっと行ってくる!後は頼むよ!」
「おーけー、任せておいて!」
迎撃に向かうクレールと、バトンタッチするように交差するアルト・ヴァレンティーニ(ka3109)。
「はいはーい、こっちにはこないでねー!」
ウーナの威嚇射撃による掃射が、地に弾丸のラインを引き、敵の前進を食い止める。
その間に、アルトが腰の刀に手を掛ける。
「新しい刀の試し斬り、させてもらうよ!」
大きく体を捻り、僅かに鞘から刃を出す。周囲に、低い唸りが轟く。
――振動刀。リアルブルーの機械技術によって作られた、この新兵器。その威力は、如何なる物か。
「ハッ――」
一閃。前進と同時に、捻った体を元に戻すように、バネを開放。横に、一気に薙ぐ。
掻き消えたように見えたアルトの姿が、敵の後ろに出現した直後。両断された巨人の体が、それぞれ地に崩れ落ちる。
「見ろ!所詮木偶の坊、ボクらの敵ではない!」
叫び声をあげる。オォー!と、返事が返ってくるのを聞き、アルトは自分の士気鼓舞の策が効を奏した事を確信する。
「やはり遅いようですね」
襲い来る巨大な拳を、バックステップして回避し。白神 霧華(ka0915)の大鎌が一閃し、雑魔の腕を断ち切る。だが、絶叫しながらもそれは怯む事はなく、逆に全力で突進し、彼女に体当たりする。
「いたた…そう簡単には止まってくれませんか」
若しもこれが、一般サイズの道具を運用する歪虚ならば、今の一撃はその戦闘能力を奪い取れていたはずだ。だが、怠惰の巨体は、それ自体が巨大な『攻城槌』とも言うべき武器にもなるのである。
然し、霧華とて彼らを甘く見ていたわけではない。その全身を包む防具は鉄壁の如く。体当たりを食らっても、吹き飛ばされるだけで、さほど大きなダメージは受けてはいない。
「ならば、こうですわね」
ワイヤーが鎧の袖から伸び、敵の首に絡みつき、吹き飛ばされる彼女の体を空中で留める。
そのままワイヤーを引くようにして、敵の首に飛び掛り絡みつき。鎌で一気に首を落とす。
「ね?簡単ですよね?」
マテリアルヒーリングで己の傷を治癒しながら、にこりと笑うその姿には、敵のみならず味方すら戦慄する。
接近戦ではハンターたちに斬殺されるだけだと分かったのか、敵は一斉に後退する。
「……っ!?」
投石。先ほどクレールに向かって行われたその攻撃を、今度は彼らは全ハンターに仕掛けた。
――仮にも、軍を以ってして戦う規模の相手だ。いくらハンターたちが常人ならぬ強さを持っていたとしても。全軍を後退させ、ハンターだけで前線を支えようとすれば。それはハンターたちに著しい圧力が掛かる事を意味する。
降り注ぐ雨のような岩が、少しずつ、彼らの体力を削っていく。
一方、金属歪虚の方へと向かったクレール。
「あの構造……まさか、人工物……?」
歪虚の殆どは、生物を基にしているはずだ。この様に完全に『物質』で出来ている物は、比較的に珍しい。
「あんなの、鍛冶師として、技師として……許せないっ!奴らは、ここで撃ち壊すっ!!」
唇を噛み締め、彼女は敵に接近する。
掲げた機杖から放たれた光条が、歪虚の関節部に直撃する。熱が、液体金属を多少なりとも固形化させたのか、その動きが僅かに鈍る。
『――!』
爆発による攻撃を防ぐため、距離を離し続けるクレール。追いつけないと判断したのか、金属歪虚は地を猛烈に蹴りつける。
ドン。
その足裏に爆発が発生し、推進力に変換される。
空中で手足をを引っ込め、球形に変形したそれは、そのまま鉄球の如く、クレールに体当たりを仕掛ける!
「きゃっ…!?」
杖を構えて防御するが、余りの勢いに押される。しかも――攻撃は、それだけではなかった。
『――!!』
爆発。体当たりがクレールに直撃した直後、その衝撃力を以って――歪虚は、全身の火薬を起動させたのである。
爆発に飲み込まれるクレール。それを見て、思わず心配になってしまう兵士たち。
彼らが息を呑んで見守る中、炎の中から、クレールは立ち上がる。
「負けて…なるものか…っ」
強引に歪虚に抱きつき、その外装の隙間に、杖を突き立てる。
「鍛冶師が炎を恐れてたまるか!機械技師が……爆発を恐れて、たまるかぁぁぁぁ!」
迸る閃光が、金属歪虚の表層を砕いていく。
傷つきながら尚もそれはクレールに手を伸ばすが――その手は、後方より飛来する弾丸に砕かれる事となる。
●反攻~正面~
「待たせましたね。…反撃、開始です」
アクセルの命と共に、小隊に再編された帝国軍の反攻が開始される。
「やっと来たか」
矢の雨に怯んだ敵の一体の足を、オウカ・レンヴォルト(ka0301)の刀が両断する。倒れたそれに刀を突き立て、更に三発銃弾を打ち込む。
「対空警戒は怠るな!もう来ないとは限らんぞ!」
アウレールは指示を飛ばしながらも、周囲に目を配らせる。
(「どこかに低空から観察している斥侯がいる筈……?」)
「大型には複数隊で対応するのです!」
アクセルもまた、司令官として、動きを指揮する。確実に、敵を一隊ずつ、『喰らって』行く。
だが、そんな彼は、きっと敵にとっては目障りだったのだろう。
風切り音。と同時に、観測手の報告。
「何かがここに落下してきます!」
「着弾予想点にいる方は全員避難を!」
彼もまた、馬を駆り、その場から離脱する。
迅速な避難の甲斐があり、直接『爆撃』に巻き込まれた者は皆無。
「今だ!遠隔攻撃で集中砲火を浴びせろ!」
アウレールの号令と共に、弓や銃を持った者が一斉に前に出る。
『…気をつけて、敵は突撃技を持ってます!』
トランシーバーから伝わるクレールの声。
「何?」
直後、着地した金属歪虚は足で地を蹴る。
爆発は猛烈な加速に変換され、空中で、鋼鉄の怪物は鉄球に変形する。
急激な強襲に回避は間に合わず、着弾を伴う爆発は、一小隊の兵士を吹き飛ばしていく。
「うろたえるな……散開して射撃を続けろ」
四方に散開した各小隊の一斉射撃が歪虚に浴びせられる。装甲の各所から小さな爆発が巻き起こる。それは矢弾の衝撃を相殺しているようだが、火薬にも限りがある。一斉射撃により、直ぐにそれは使い切られていく。
足元にある最後の爆薬を用いて、それは指揮官であるアクセルに飛び掛る。
「そう来ますか」
大盾で攻撃を受け止め、そのまま馬上で後ろにのけぞるようにして、投げ飛ばす。
「浮いている状態なら、爆発は脅威に成り得ませんね」
一斉射撃が、金属歪虚を打ち砕いた。
「空中の警戒は継続!まだ来るかも知れん」
アウレールが、指示を飛ばす。
霧華とアルトが、先頭に立って前線を押し上げていく。
●反攻~強襲~
「邪魔です……!」
大型歪虚の顔面を踏みつけるようにして、ユーリは跳ぶ。
敵の上を駆けるようにして、彼女は敵陣の後方を目指す。
「フン……ッ!」
それに気を取られた怠惰の軍を、ショルダータックルでガルヴァンが突き飛ばし、道を開けていく。
「おおー!こりゃ楽だね……っと!」
その道を通り、前進するウーナが、横から飛び掛る雑魔の一体を空中で射殺する。
彼女らの武威に恐れを成したのか、道は開け、目の前に歪虚の指揮官が見える。
「よし、このまま――」
刀に手を掛け、一気に突撃しようとした瞬間。
「危ないですぞ!」
ガルヴァンの体当たりが、横にユーリを突き飛ばす。
直後、着弾した金属歪虚が爆発を引き起こし、ガルヴァンを後ろに吹き飛ばす。
「大丈夫か!?」
「来ないでくだされ!」
オウカの目の前で、ガルヴァンに向けて二発目の金属歪虚が着弾。何とか腕で急所はガードしたが、ガルヴァンの傷は浅くはない。
「むう……」
敵指揮官付近には、きっと彼が連絡に使う何かがある筈。そう思って目を凝らして探してみるが、この土煙の中では、オウカには目標の物は発見できなかった。
「っ…!」
突進してくる鉄球のような金属歪虚を、防御障壁を展開して受け止める。
カウンターの刀の一閃は、然し爆発の反動により距離を取ったその歪虚には当たらない。降り注ぐ爆撃が更にガルヴァンを狙い、ウーナをも爆発に巻き込む。
「……まずいですね」
ユーリが汗を一滴、垂らす。
まさかここまで温存するとは思わなかった。
それはハンターたちの立て直しが迅速で、爆撃が間に合わなかったせいではあるのだが。歪虚の指揮官は、残った『爆弾』の全てで、自身に迫る脅威を排除しようとしたのだ。
爆撃のタイミングは彼の思うまま。故に、着弾直前にだけ、兵を後退させるという芸当も出来たのだ。ハンター側は空中を警戒していた者はおらず、後ろの警戒兵は……彼らのいる歪虚後方からは遠すぎたのである。
目の前の金属歪虚は四体。対するハンター側は、ガルヴァンがほぼ継戦不能――爆発三発を受けても倒れなかっただけ大したものだが――である。
実質三対三だが、周りに他の雑魔がいる分、倒しあいとなればハンターたちの不利。
これを覆すには――
「――やはり、頭を狙うしかなさそうですね」
地を揺らす踏み込み。鞘からの加速を載せた、抜刀。
(「刃に輝きが宿らん事を……精霊達、彼女に力を」)
彼女の帰りを待つ友の祈りもまた、彼女に力を与えてくれる。
全体重を加速力に変換し、ユーリの刀が、歪虚の指揮官である巨人を狙う!
ドン!ガンッ!
「っ!?」
爆発音に続いて、鈍い金属音。
バックステップで僅かに距離をとった指揮官とユーリの間に、金属歪虚が着弾したのである。
必殺の一刀は金属歪虚の爆発装甲に相殺されながらも、その体の1/3まで食い込むが、そこまで。
返される拳が無防備な頭部に叩き込まれ、そのまま後ろからもう一体が、彼女に激突した。
●終戦
金属歪虚がユーリに群がったと言う事は、然しオウカとウーナにチャンスが生まれた事をも意味する。
「あれか…!」
空中へと舞い上がろうとする一体の蝙蝠型歪虚を、オウカは目ざとく捉える。
「いかにも偵察や通信の為の形をしているな」
拳銃の射撃は、然しそのサイズもあって当たってはいない。
「はーい、精密射撃はお任せ、ってね!」
ウーナのアサルトライフルが、その翼の片方を撃ち抜く。
「これで終わりだ」
空中でバランスを崩したそれを、跳躍から掴む様にして地面に叩き付けるオウカ。刀を突き立てると、痙攣して動かなくなった。
「もう一体!?勘弁してよ」
――通信用の歪虚は、例えれば伝書鳩のような物である。
どこに伝書鳩を『一羽だけ』飼っている軍がいるだろうか。
空中に別の蝙蝠型の姿を認めたウーナが、そちらへの狙撃を開始する。
が、直後、体当たりしてきた金属歪虚に、地に押し倒される事になる。
拳を振り下ろそうとした歪虚は、しかし――無数の矢に吹き飛ばされる事となった。
「ふむ…」
戦が終わった後。アウレールが、状況を確認する。
兵には金属歪虚による被害が多少出た物の、各ハンターの指揮、奮戦により大部分は無事。
突撃班が敵後方をかき回して注意を前線から引いたり、一部の連絡を絶ったのも一因である。
歪虚指揮官は残兵を連れて撤退したが、一体を残して金属雑魔は全て撃破された。同じ手は直ぐにはできないだろう。
だが、ガルヴァンの負傷は著しい。命に別状はないが――暫くは戦えないだろう。
族員に連れられ、部族へ帰っていく彼を見送るハンターたち。
果たして、戦況は、どう動いたのだろうか。
「CAM見学を考えた矢先に、こんな事になっているとは、何とも面倒な物です」
周囲の戦況を見回し、アクセル・ランパード(ka0448)がため息一つ。
「そうだ!これからいいところだってのに……邪魔しないでよ!」
頬を膨らませて怒るのは、ウーナ(ka1439)。彼女もまたこの突如の奇襲により、見学予定をキャンセルせざるを得なかった者の一人であったのだ。
「あなたたちがハンターですか?見ての通り、指揮官不在で我が軍は不利になっております。……少しでも、助力をお願いできれば――」
「仕方有りません。――先ずはこの盤面、覆して見せましょう」
帝国軍士官らしき者のお願いに、アクセルがくいっと眼鏡を押し上げ、その奥にある目が光る。
――彼らとて、誇り高き帝国軍人だ。その彼らがハンターたちに頼むと言う事は――相当、追い詰められているのだろう。
士官たちと二、三言、言葉を交わすと、アクセルは味方に向かって叫ぶ。
「さて、立て直しの間は……お願いしますよ」
その言葉に答えるかのように、歩み出る影三つ。
●時間稼ぎ
「士気を回復するには、先ずは勇敢に戦う姿を見せるのが一番だよね」
大きく少女は、息を吸い込む。
「――行くぞ、雑魔ぁぁぁぁぁっ!!!私が相手だぁぁぁぁぁっ!!!」
光輝く機杖を構え、少女――クレール(ka0586)は、再編のため後退する帝国兵と入れ替わるようにして、敵の群れの中へと飛び込む。
後退する敵中からまさか強襲が来るとは思わなかったのか、先頭に居た雑魔の一体は、いきなり胴を光砲に打ち抜かれ、その場に崩れ落ちる。
すぐさま周囲の敵は彼女から距離を置き、一斉に彼らの遠距離攻撃手段――石を構える。
雨霰のように降り注ぐ投石。最早石とは言えず、岩レベルの物すら降り注ぐ中。彼女はそれを防ぎ、かわす。だが、余りに数が多い。石が、彼女の体を打ちつけ、少しずつ傷つけていく。
「すぐ動ける方!遠距離攻撃できる方!お願いです、力を貸してくださいっ!!射撃援護お願いします!」
クレールの呼びかけに答える様に、散発的な矢、弾が後方より飛んでくる。飽くまでも少数なのは、再編中のためなのだろう。人に同時に二つ以上の事をやらせるのは困難なのだ。
「五人一組です!早く!」
「遠距離攻撃が出来る方はこちらへ。近接班は前へ!」
馬を走らせ各所に指示を出すアクセルの指揮を補佐する形で、アウレール・V・ブラオラント(ka2531)が細かい隊形を調整する。
元々訓練の行き届いていた軍人だっただけあり、慣れない陣形に戸惑う事は無く、軍は小隊化していく。
「空中の警戒は怠らないでくださいね」
無論、前の指揮官を重傷に追い込んだ、歪虚たちの『空爆』にも気を配る。
「味方指揮官の負傷により味方の士気は低下。対して、敵戦力は未だ健在……状況ははっきり言ってよろしくないと思いましたが……これなら立て直せそうですね」
弾幕に紛れ、ユーリ・ヴァレンティヌス(ka0239)がクレールの後ろから跳躍。空中から体重を乗せての斜め一閃が、巨人の一人を肩口から両断する。
だが、その瞬間、自陣の後ろで爆発が起こる。
――ハンターたちは忘れていたのだ。爆発によって指揮官を攻撃した、最初の金属質歪虚が『討伐された』と言う報告は上がってきていない。
その状態で再編を行おうとすれば、その歪虚に対応する人員は当然、割かなければいけない。
「ちょっと行ってくる!後は頼むよ!」
「おーけー、任せておいて!」
迎撃に向かうクレールと、バトンタッチするように交差するアルト・ヴァレンティーニ(ka3109)。
「はいはーい、こっちにはこないでねー!」
ウーナの威嚇射撃による掃射が、地に弾丸のラインを引き、敵の前進を食い止める。
その間に、アルトが腰の刀に手を掛ける。
「新しい刀の試し斬り、させてもらうよ!」
大きく体を捻り、僅かに鞘から刃を出す。周囲に、低い唸りが轟く。
――振動刀。リアルブルーの機械技術によって作られた、この新兵器。その威力は、如何なる物か。
「ハッ――」
一閃。前進と同時に、捻った体を元に戻すように、バネを開放。横に、一気に薙ぐ。
掻き消えたように見えたアルトの姿が、敵の後ろに出現した直後。両断された巨人の体が、それぞれ地に崩れ落ちる。
「見ろ!所詮木偶の坊、ボクらの敵ではない!」
叫び声をあげる。オォー!と、返事が返ってくるのを聞き、アルトは自分の士気鼓舞の策が効を奏した事を確信する。
「やはり遅いようですね」
襲い来る巨大な拳を、バックステップして回避し。白神 霧華(ka0915)の大鎌が一閃し、雑魔の腕を断ち切る。だが、絶叫しながらもそれは怯む事はなく、逆に全力で突進し、彼女に体当たりする。
「いたた…そう簡単には止まってくれませんか」
若しもこれが、一般サイズの道具を運用する歪虚ならば、今の一撃はその戦闘能力を奪い取れていたはずだ。だが、怠惰の巨体は、それ自体が巨大な『攻城槌』とも言うべき武器にもなるのである。
然し、霧華とて彼らを甘く見ていたわけではない。その全身を包む防具は鉄壁の如く。体当たりを食らっても、吹き飛ばされるだけで、さほど大きなダメージは受けてはいない。
「ならば、こうですわね」
ワイヤーが鎧の袖から伸び、敵の首に絡みつき、吹き飛ばされる彼女の体を空中で留める。
そのままワイヤーを引くようにして、敵の首に飛び掛り絡みつき。鎌で一気に首を落とす。
「ね?簡単ですよね?」
マテリアルヒーリングで己の傷を治癒しながら、にこりと笑うその姿には、敵のみならず味方すら戦慄する。
接近戦ではハンターたちに斬殺されるだけだと分かったのか、敵は一斉に後退する。
「……っ!?」
投石。先ほどクレールに向かって行われたその攻撃を、今度は彼らは全ハンターに仕掛けた。
――仮にも、軍を以ってして戦う規模の相手だ。いくらハンターたちが常人ならぬ強さを持っていたとしても。全軍を後退させ、ハンターだけで前線を支えようとすれば。それはハンターたちに著しい圧力が掛かる事を意味する。
降り注ぐ雨のような岩が、少しずつ、彼らの体力を削っていく。
一方、金属歪虚の方へと向かったクレール。
「あの構造……まさか、人工物……?」
歪虚の殆どは、生物を基にしているはずだ。この様に完全に『物質』で出来ている物は、比較的に珍しい。
「あんなの、鍛冶師として、技師として……許せないっ!奴らは、ここで撃ち壊すっ!!」
唇を噛み締め、彼女は敵に接近する。
掲げた機杖から放たれた光条が、歪虚の関節部に直撃する。熱が、液体金属を多少なりとも固形化させたのか、その動きが僅かに鈍る。
『――!』
爆発による攻撃を防ぐため、距離を離し続けるクレール。追いつけないと判断したのか、金属歪虚は地を猛烈に蹴りつける。
ドン。
その足裏に爆発が発生し、推進力に変換される。
空中で手足をを引っ込め、球形に変形したそれは、そのまま鉄球の如く、クレールに体当たりを仕掛ける!
「きゃっ…!?」
杖を構えて防御するが、余りの勢いに押される。しかも――攻撃は、それだけではなかった。
『――!!』
爆発。体当たりがクレールに直撃した直後、その衝撃力を以って――歪虚は、全身の火薬を起動させたのである。
爆発に飲み込まれるクレール。それを見て、思わず心配になってしまう兵士たち。
彼らが息を呑んで見守る中、炎の中から、クレールは立ち上がる。
「負けて…なるものか…っ」
強引に歪虚に抱きつき、その外装の隙間に、杖を突き立てる。
「鍛冶師が炎を恐れてたまるか!機械技師が……爆発を恐れて、たまるかぁぁぁぁ!」
迸る閃光が、金属歪虚の表層を砕いていく。
傷つきながら尚もそれはクレールに手を伸ばすが――その手は、後方より飛来する弾丸に砕かれる事となる。
●反攻~正面~
「待たせましたね。…反撃、開始です」
アクセルの命と共に、小隊に再編された帝国軍の反攻が開始される。
「やっと来たか」
矢の雨に怯んだ敵の一体の足を、オウカ・レンヴォルト(ka0301)の刀が両断する。倒れたそれに刀を突き立て、更に三発銃弾を打ち込む。
「対空警戒は怠るな!もう来ないとは限らんぞ!」
アウレールは指示を飛ばしながらも、周囲に目を配らせる。
(「どこかに低空から観察している斥侯がいる筈……?」)
「大型には複数隊で対応するのです!」
アクセルもまた、司令官として、動きを指揮する。確実に、敵を一隊ずつ、『喰らって』行く。
だが、そんな彼は、きっと敵にとっては目障りだったのだろう。
風切り音。と同時に、観測手の報告。
「何かがここに落下してきます!」
「着弾予想点にいる方は全員避難を!」
彼もまた、馬を駆り、その場から離脱する。
迅速な避難の甲斐があり、直接『爆撃』に巻き込まれた者は皆無。
「今だ!遠隔攻撃で集中砲火を浴びせろ!」
アウレールの号令と共に、弓や銃を持った者が一斉に前に出る。
『…気をつけて、敵は突撃技を持ってます!』
トランシーバーから伝わるクレールの声。
「何?」
直後、着地した金属歪虚は足で地を蹴る。
爆発は猛烈な加速に変換され、空中で、鋼鉄の怪物は鉄球に変形する。
急激な強襲に回避は間に合わず、着弾を伴う爆発は、一小隊の兵士を吹き飛ばしていく。
「うろたえるな……散開して射撃を続けろ」
四方に散開した各小隊の一斉射撃が歪虚に浴びせられる。装甲の各所から小さな爆発が巻き起こる。それは矢弾の衝撃を相殺しているようだが、火薬にも限りがある。一斉射撃により、直ぐにそれは使い切られていく。
足元にある最後の爆薬を用いて、それは指揮官であるアクセルに飛び掛る。
「そう来ますか」
大盾で攻撃を受け止め、そのまま馬上で後ろにのけぞるようにして、投げ飛ばす。
「浮いている状態なら、爆発は脅威に成り得ませんね」
一斉射撃が、金属歪虚を打ち砕いた。
「空中の警戒は継続!まだ来るかも知れん」
アウレールが、指示を飛ばす。
霧華とアルトが、先頭に立って前線を押し上げていく。
●反攻~強襲~
「邪魔です……!」
大型歪虚の顔面を踏みつけるようにして、ユーリは跳ぶ。
敵の上を駆けるようにして、彼女は敵陣の後方を目指す。
「フン……ッ!」
それに気を取られた怠惰の軍を、ショルダータックルでガルヴァンが突き飛ばし、道を開けていく。
「おおー!こりゃ楽だね……っと!」
その道を通り、前進するウーナが、横から飛び掛る雑魔の一体を空中で射殺する。
彼女らの武威に恐れを成したのか、道は開け、目の前に歪虚の指揮官が見える。
「よし、このまま――」
刀に手を掛け、一気に突撃しようとした瞬間。
「危ないですぞ!」
ガルヴァンの体当たりが、横にユーリを突き飛ばす。
直後、着弾した金属歪虚が爆発を引き起こし、ガルヴァンを後ろに吹き飛ばす。
「大丈夫か!?」
「来ないでくだされ!」
オウカの目の前で、ガルヴァンに向けて二発目の金属歪虚が着弾。何とか腕で急所はガードしたが、ガルヴァンの傷は浅くはない。
「むう……」
敵指揮官付近には、きっと彼が連絡に使う何かがある筈。そう思って目を凝らして探してみるが、この土煙の中では、オウカには目標の物は発見できなかった。
「っ…!」
突進してくる鉄球のような金属歪虚を、防御障壁を展開して受け止める。
カウンターの刀の一閃は、然し爆発の反動により距離を取ったその歪虚には当たらない。降り注ぐ爆撃が更にガルヴァンを狙い、ウーナをも爆発に巻き込む。
「……まずいですね」
ユーリが汗を一滴、垂らす。
まさかここまで温存するとは思わなかった。
それはハンターたちの立て直しが迅速で、爆撃が間に合わなかったせいではあるのだが。歪虚の指揮官は、残った『爆弾』の全てで、自身に迫る脅威を排除しようとしたのだ。
爆撃のタイミングは彼の思うまま。故に、着弾直前にだけ、兵を後退させるという芸当も出来たのだ。ハンター側は空中を警戒していた者はおらず、後ろの警戒兵は……彼らのいる歪虚後方からは遠すぎたのである。
目の前の金属歪虚は四体。対するハンター側は、ガルヴァンがほぼ継戦不能――爆発三発を受けても倒れなかっただけ大したものだが――である。
実質三対三だが、周りに他の雑魔がいる分、倒しあいとなればハンターたちの不利。
これを覆すには――
「――やはり、頭を狙うしかなさそうですね」
地を揺らす踏み込み。鞘からの加速を載せた、抜刀。
(「刃に輝きが宿らん事を……精霊達、彼女に力を」)
彼女の帰りを待つ友の祈りもまた、彼女に力を与えてくれる。
全体重を加速力に変換し、ユーリの刀が、歪虚の指揮官である巨人を狙う!
ドン!ガンッ!
「っ!?」
爆発音に続いて、鈍い金属音。
バックステップで僅かに距離をとった指揮官とユーリの間に、金属歪虚が着弾したのである。
必殺の一刀は金属歪虚の爆発装甲に相殺されながらも、その体の1/3まで食い込むが、そこまで。
返される拳が無防備な頭部に叩き込まれ、そのまま後ろからもう一体が、彼女に激突した。
●終戦
金属歪虚がユーリに群がったと言う事は、然しオウカとウーナにチャンスが生まれた事をも意味する。
「あれか…!」
空中へと舞い上がろうとする一体の蝙蝠型歪虚を、オウカは目ざとく捉える。
「いかにも偵察や通信の為の形をしているな」
拳銃の射撃は、然しそのサイズもあって当たってはいない。
「はーい、精密射撃はお任せ、ってね!」
ウーナのアサルトライフルが、その翼の片方を撃ち抜く。
「これで終わりだ」
空中でバランスを崩したそれを、跳躍から掴む様にして地面に叩き付けるオウカ。刀を突き立てると、痙攣して動かなくなった。
「もう一体!?勘弁してよ」
――通信用の歪虚は、例えれば伝書鳩のような物である。
どこに伝書鳩を『一羽だけ』飼っている軍がいるだろうか。
空中に別の蝙蝠型の姿を認めたウーナが、そちらへの狙撃を開始する。
が、直後、体当たりしてきた金属歪虚に、地に押し倒される事になる。
拳を振り下ろそうとした歪虚は、しかし――無数の矢に吹き飛ばされる事となった。
「ふむ…」
戦が終わった後。アウレールが、状況を確認する。
兵には金属歪虚による被害が多少出た物の、各ハンターの指揮、奮戦により大部分は無事。
突撃班が敵後方をかき回して注意を前線から引いたり、一部の連絡を絶ったのも一因である。
歪虚指揮官は残兵を連れて撤退したが、一体を残して金属雑魔は全て撃破された。同じ手は直ぐにはできないだろう。
だが、ガルヴァンの負傷は著しい。命に別状はないが――暫くは戦えないだろう。
族員に連れられ、部族へ帰っていく彼を見送るハンターたち。
果たして、戦況は、どう動いたのだろうか。
依頼結果
参加者一覧
サポート一覧
依頼相談掲示板 | |||
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作戦相談卓 ウーナ(ka1439) 人間(リアルブルー)|16才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2014/12/19 01:25:10 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/12/14 23:24:21 |