ゲスト
(ka0000)
【CF】帝国皇子と聖なる夜(勤)
マスター:稲田和夫

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 4日
- 締切
- 2015/01/01 19:00
- 完成日
- 2015/01/11 07:58
このシナリオは2日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
崖上都市「ピースホライズン」で進められていたクリスマスの準備も佳境に入っていた。
魔導仕掛けのイルミネーションの輝きを筆頭に、店も家も問わず、クリスマスの色で溢れている。
ハンターたちの手伝ったその成果も、町を歩く人々に広まっていた。
例えばプレゼントであったり、ツリーを飾る小物であったり。
目新しいものも、定番のものも等しくクリスマスの空気に溶け込んで、ピースホライズンのお祭り空気をより鮮やかにしている。
クリスマス当日は目前に迫っている。
どう過ごそうか、決まっていても、決まっていなくても。ピースホライズンに足を運ぶ人の数は日に日に増えていくのだった。
●
ゾンネンシュトラール帝国首都バルトアンデルスにおいてもそれは変わらない。
ピースホライズンほど華やかではないものの、最新の機導術により作られたイルミネーションなどで飾り付けられた町並みを、明るい表情の人々が行きかっている。
まして、今は夕方だ。イルミネーションはその鮮やかさを増し、多くの人々は家族や親しい人々と過ごす楽しい夜に心躍らせているのだろう。
それはバルトアンデルス城も例外ではないかのように思える。帝国の中枢たるここには休みこそないものの、今日の勤めを終えた兵士や役人たちが流石に今日ばかりは晴れがましい表情で退出して来る。
しかし、その人の流れに逆らうようにして城内に入っていく人々がいた。ある種の諦めとも取れる苦笑を浮かべながら、夜の近づいた城内に向かう人々の中に、今年は数名のハンターの姿もあった。
●
「日中からの引継ぎ事項は以上です。各員はそれぞれの配置について警備や業務を始めて下さい」
ゾンネンシュトラール帝国皇子にして皇帝代理人カッテ・ウランゲルは第三執務室に集合した夜勤の兵士たちに向かって手短に、しかし過不足無く必要な事を伝える。
城には複数の執務室が設置されているが、カッテが当直の場合はここを使用することが多かった。
帝国の政治と軍事の中心地であるバルトアンデルス城は、夜であっても完全に眠らないのだ。城自体を警備するため、いつ起きるか解らない各地の緊急事態に備えるため夜勤の兵士や役人の配置は欠かせない。それは、この聖輝節の晩とて何ら変わりは無いのであった。
「皆さん、本当にご苦労様です」
カッテ自身は良くも悪くも普通の少年ではない。彼にとってはこれが普通なのだろう。しかし、カッテはいつもなら手短に終える引継ぎの最後に、こう付け加えた。
「……多くの人が、この聖夜を楽しく過ごせるようにするためには、僕たちのよう立場の人間も必要なのだと思います。この帝国で暮らす多くの人々のために、そして今年は運よく今日が非番だった皆さんの同僚たちのため、今夜も頑張りましょう!」
最後に、夜勤の終わりに暖かい飲み物が振る舞われることを説明すると、兵士や役人たちは少しだけ明るい表情になって城内各所に散って行き、執務室にはカッテと数名のハンターだけが残された。
「ハンターの皆さんもありがとうございます」
礼儀正しく頭を下げるカッテ。
「今回、覚醒者である皆さんが招集に応じてくださったおかげで、兵士の皆さんについては、いつもの年より多くの方に休暇を取っていただくことが出来ました」
そう真面目な表情で言ってから、カッテはくすりと相好を崩す。
「折角の聖夜に、僕と執務室で過ごすなんてあまり愉快ではないでしょうけれど……よろしくお願いしますねっ」
カッテの背後にある大きな飾り窓とベランダから見える帝都では夕闇が濃くなり、街の灯りが輝きを増していた。
魔導仕掛けのイルミネーションの輝きを筆頭に、店も家も問わず、クリスマスの色で溢れている。
ハンターたちの手伝ったその成果も、町を歩く人々に広まっていた。
例えばプレゼントであったり、ツリーを飾る小物であったり。
目新しいものも、定番のものも等しくクリスマスの空気に溶け込んで、ピースホライズンのお祭り空気をより鮮やかにしている。
クリスマス当日は目前に迫っている。
どう過ごそうか、決まっていても、決まっていなくても。ピースホライズンに足を運ぶ人の数は日に日に増えていくのだった。
●
ゾンネンシュトラール帝国首都バルトアンデルスにおいてもそれは変わらない。
ピースホライズンほど華やかではないものの、最新の機導術により作られたイルミネーションなどで飾り付けられた町並みを、明るい表情の人々が行きかっている。
まして、今は夕方だ。イルミネーションはその鮮やかさを増し、多くの人々は家族や親しい人々と過ごす楽しい夜に心躍らせているのだろう。
それはバルトアンデルス城も例外ではないかのように思える。帝国の中枢たるここには休みこそないものの、今日の勤めを終えた兵士や役人たちが流石に今日ばかりは晴れがましい表情で退出して来る。
しかし、その人の流れに逆らうようにして城内に入っていく人々がいた。ある種の諦めとも取れる苦笑を浮かべながら、夜の近づいた城内に向かう人々の中に、今年は数名のハンターの姿もあった。
●
「日中からの引継ぎ事項は以上です。各員はそれぞれの配置について警備や業務を始めて下さい」
ゾンネンシュトラール帝国皇子にして皇帝代理人カッテ・ウランゲルは第三執務室に集合した夜勤の兵士たちに向かって手短に、しかし過不足無く必要な事を伝える。
城には複数の執務室が設置されているが、カッテが当直の場合はここを使用することが多かった。
帝国の政治と軍事の中心地であるバルトアンデルス城は、夜であっても完全に眠らないのだ。城自体を警備するため、いつ起きるか解らない各地の緊急事態に備えるため夜勤の兵士や役人の配置は欠かせない。それは、この聖輝節の晩とて何ら変わりは無いのであった。
「皆さん、本当にご苦労様です」
カッテ自身は良くも悪くも普通の少年ではない。彼にとってはこれが普通なのだろう。しかし、カッテはいつもなら手短に終える引継ぎの最後に、こう付け加えた。
「……多くの人が、この聖夜を楽しく過ごせるようにするためには、僕たちのよう立場の人間も必要なのだと思います。この帝国で暮らす多くの人々のために、そして今年は運よく今日が非番だった皆さんの同僚たちのため、今夜も頑張りましょう!」
最後に、夜勤の終わりに暖かい飲み物が振る舞われることを説明すると、兵士や役人たちは少しだけ明るい表情になって城内各所に散って行き、執務室にはカッテと数名のハンターだけが残された。
「ハンターの皆さんもありがとうございます」
礼儀正しく頭を下げるカッテ。
「今回、覚醒者である皆さんが招集に応じてくださったおかげで、兵士の皆さんについては、いつもの年より多くの方に休暇を取っていただくことが出来ました」
そう真面目な表情で言ってから、カッテはくすりと相好を崩す。
「折角の聖夜に、僕と執務室で過ごすなんてあまり愉快ではないでしょうけれど……よろしくお願いしますねっ」
カッテの背後にある大きな飾り窓とベランダから見える帝都では夕闇が濃くなり、街の灯りが輝きを増していた。
リプレイ本文
最初の交代時間が訪れた。それぞれの兵士が、配置を後退する。待機の者は巡視に、歩哨の者は休憩にといった具合である。
こういう場合、何らかの合図があるのが普通だ。当然、この城にもそれはあるが、この日流れたそれはいつもとは違っていた。
「これは……リアルブルーの歌か?」
城内各所の兵士たちはもの珍しそうに、あるいは懐かしそうに城内に流れる音楽に聞き耳を立てた。
「中々いい調子じゃねェか」
城内の一画でベースを弾きながら、ヤナギ・エリューナク(ka0265)は、クリスマスソングを歌う鈴木悠司(ka0176)に笑いかけた。
「ヤナギさんこそ」
曲が終わった所で汗を拭いつつ悠司も笑う。
「だけど、まさかお城にこんな設備があるなんてね」
悠司とヤナギの歌を城内に流していたのは、ゾンネンシュトラール帝国軍の『アイドル』グリューエリン・ヴァルファーために制作された機導術の音響機器の簡易版である。
ヤナギと悠司が迷惑にならない範囲で演奏をしても良いかカッテに聞いた際、カッテがそれならばと使用を許可したのだ。
もともと、こういう事にはやたらと寛容なお国柄だ。おかげで、げんなりしていた兵士たちも、思わぬ所でクリスマス気分を味わえたのであった。
「そもそも、殿下と共にクリスマスを過ごせるのに往く人来る人、何故皆げんなりしているのか理解不能だ」
悠司とヤナギのクリスマスソングが流れる中、交代のために城の回廊で仲間のハンターたちと落ち合ったアウレール・V・ブラオラント(ka2531)は理解出来ないといった表情で呟く。
「家族を持つ者にとっては、大切な日です。私も騎士でしたから、こういった事の大切さは理解していますが……その悲しさも解ります。だからこそ、私もこの依頼に参加した訳ですし」
Serge・Dior(ka3569)が、宥めるように述べた。
「それにしても……こういう歌を流すとは、帝国は大分私が聞いていた印象と違う気がします。……私が参加する事も、全問題にはなりませんでしたし」
●
最初から第三執務室に詰めているエルバッハ・リオン(ka2434)は、今回は手伝える書類が多かったこともあり、真面目にカッテや他の宿直者を手伝っていた。
「ここのところハメを外しすぎていると思いますし、真面目にお仕事をしましょうか」
小さく呟くリオン。その言葉通り、着ている服装はごく普通のものだし、手伝いの合間にしっかり周囲に気を配っていた。
そして、リオンはクリスマスソングが流れ皆が休憩に入り始めたのを見計らって持参した軽食を配りつつ、カッテに尋ねた。
「殿下は、魔導アーマーの有用性や運用方法について、どのようにお考えでしょうか?」
「ナサニエルがエンジンを接収したというだけでも期待は出来ると思います。装甲を厚くして高火力の兵器を搭載すれば、突破力に優れた兵器となるかもしれません」
「お答えいただき、ありがとうございます。素人考えではありますが、私も現状では万能の働きはさすがに無理と思います。ただ、拠点防衛など、運用方法を限定すれば、十分な働きをするかもしれません」
と、二人が真面目な話をしている側を疲れた顔の兵士が通り過ぎようとする。
「……お疲れ様です。お飲物でもいかがですか?」
「……え!?」
その兵士はリオンに飲み物を渡されるついでに、柔らかな膨らみを押し付けられ、顔を真っ赤にして走り去る。
素知らぬ顔のリオン。
カッテも首を傾げるのであった。
●
その頃、オキクルミ(ka1947)は仮眠室で一人目を覚ましたところであった。
「う~ん、よく寝れたっ!」
それまで、仮眠中であったこともあり薄着である彼女がしなやかな肢体を思いっ切り曲げたり伸ばしたりしている様は何というかとても色っぽい。
おかげで、ついさっきリオンに押し付けられた事で、只でさえ内股になっていたその若い兵士は、間違って男性用の仮眠室で寝ていたそんなオキクルミの姿に、一瞬茫然と見惚れた後、もっと内股になり、しどろもどろに謝った。
「す、すみませんっ! じょ、女性が寝ていたとは露知らずっ!」
「……?」
しかも、若い兵士が悲鳴を上げたことで近くにある女性兵士用の仮眠室から別の女性兵士がすっ飛んできたことで更に状況はややこしくなった。
「何事ですかっ!?」
見れば、女性兵士の方も仮眠中にすっ飛んで来たらしく、薄着である。
一瞬、状況が分からずきょとんとするオキクルミだが、妙に内股な兵士を見てぽんと手を打つ。
「……はい、そこ! イチャコラはこーいう共用の仮眠室じゃなく、どっか目だない部屋でヤりなさい!」
今度は、二人の兵士が茫然とする番であった。一体、このエルフは何を言っているのか? だが、オキクルミは茫然とする二人をベッドに正座させドヤ顔で説教をかまし始めた。二人が混乱の余り素直に聞き続けるのを良いことに散々、言い終えたオキクルミは最後にこう締めくくった。
「やれば出来る。ボク達に努力と(自主規制)の大切さを教えてくれるいい言葉だね」
●
リオンも仮眠に入り、第三執務室は主要な照明が落され、常夜灯の柔らかい光のみが室内を照らしていた。
その室内にて、シェリル・マイヤーズ(ka0509)はカッテと話し込んでいた。
「じゃ……む……?」
思わずかくりと首をかしげるシェリル。
「ええ、ジャムです。特に、グリオット(さくらんぼの一種)のジャム。それと、濃い紅茶があれば大抵は乗り切れます」
「私は……一林檎と、ガム……」
「ガムは……ちょっと気に入りました。はしたないのですけど、噛みながらの方が頭が冴えて能率が上がるような気がして……」
「また、お仕事のことばっかり……ね、カッテ、本当は幾つなの……?」
「……幾つだと思います?」
カッテは大窓に寄り掛かると悪戯っぽく首を傾げた。
ふと、窓の外の夜景の光に照らされるカッテを見たシェリルは気付いた。
その表情が見た目の年齢に似つかわしくない、どこか憂いのようなものを湛えていること。そして、窓から見える夜空が雲に覆われ、星が一つも見えないことに。
「革命の時、僕はまだ子供でした。それでも、何が起こっているかは解っていた……いいえ、理解するしかなかったのです」
唐突に、シェリルは理解した。
――もしかして、カッテは、私と同じ……
かつて、シェリルがLH044からの脱出の際に地獄を見たように、この少年も革命で何かを見てきたのだ、と。
そして、自分がこの異世界の皇子に惹かれるのは、その目が自分と同じような何かを見ているからだ、と。
「カッテ……! あのね……」
居た堪れなくなったシェリルは声を上げた。一つには、前回彼女がカッテと共にある依頼に赴いた時からずっと蟠っていたことをきちんと謝りたいという思いからだったのだろう。
しかし、カッテが不思議そうな顔をした瞬間、第三執務室のドアがノックされ、二人の会話はそこで中断されたのであった。
●
「お仕事捗っていますか? メリークリスマスです」
ドアが開けられた瞬間、ランプシェードの暖かい光が部屋中を照らす。そこに立っていたのは、もふもふしたまるごとひつじを被ったマリアン・ベヘーリト(ka3683)である。
カッテとシェリルは一瞬固まっていたが、やがてどちらからともなく、クスクスと笑い出す。
「ありがとうございます。厳密には過ぎ去ってしまいましたけど……」
と苦笑するカッテに、今度は悠司とヤナギが近づいた。
「全く、こんな日だってのにな。色々気苦労も絶えねェだろうに、尊敬に値するよ、お前サンは……」
そう言うと、ヤナギはわしわしとカッテの頭を撫でた。
「なッ……で、殿下に向かって……ッ!」
その様子を見たアウレールが大声をあげそうになるが、当のカッテが照れくさそうにしながらも、少なくとも悪い顔はしていないを見て、辛うじて押とどまった。
「そだ、秘密だケド。これ、クリスマスのプレゼントな……勤務中とか固いコト、言うなよ?さくっと受けとっちまいな」
そう言いながら、ヤナギは取り出したプレゼントの箱を渡す。リゼリオで買ったらしいそれは、きれいな包装が施されていた。
「わあっ、ありがとうございます! これは、何でしょうか?」
ヤナギは悪戯っぽく笑う。
「後で開けてみな……張りつめている時に聞けば、きっとリラックスして能率が上がると思うゼ」
「はい、これは俺からのクリスマスプレゼント。勤務ばかりじゃ疲れちゃうでしょ?」
続いて悠司も微笑みながらラッピングされた細長い箱を差し出す。
「鈴木さんまで……嬉しいです」
大切そうに箱を抱えるカッテ。
「と、言っても……後で中身を見たら、もっと仕事しろって言っているみたいに思われるかもしれないけど……良かったら使ってね」
この光景を見ながらアウレールは難しい顔で腕組みしている。
「殿下への貢物……私も何か用意すべきであったか……」
●
「そろそろ、お腹が空きました」
明け方が近くなり、空腹を感じたマリアンは、持参した料理を取り出し始めた。彼女が用意したのは干し肉とナッツを牛乳と調味料につけたものをあぶり焼きにして、固めのパンにチーズと共に挟み込んだもの
と牛乳とチーズの残りを溶いたスープをビンに入れて保温したものである。
一方、アウレールの方は城へ仕事をしに来るのも幾度目か、流石に慣れた様子でカッテの手伝いを行っていたが、カッテが紅茶をカップに注ぐのを見て、自身も用意した軽食とコーヒーを摂り始めた。
「大丈夫ですか?」
ふと、アウレールが顔を上げるとにっこりと笑うカッテと目が合った。
「し、心配御無用です! 徹夜行軍や選挙時のデスマーチを思い出せば、此度は遊びに来ているも同然!」
顔を真っ赤にして胸を張るアウレール。相変わらず脳内、見事に殿下一色である。まあ、それほど疲れてい無いというのも本当だろう。
「それより、私は殿下のお体が心配です……こんな依頼が回ってくる時点で、人材不足で殿下に仕事が集中する不健全な状況が改善されていない証拠。辺境での実験でも、各国との調整や事務が増えております。今は良くても、この上何か起きたら……」
と、ここでアウレールは自分の言葉にはっとなった。
首を傾げるカッテ。
(あの人型機械は確かに強力だ。味方であれば頼もしいことこの上ない。が、もし敵に回ればどうなる……?)
「アウレール……?」
目に見えて深刻な表情になったアウレールを気遣うカッテ。
(いや、やめよう。縁起でもない)
アウレールは頭を振って、その考えを追い出すとか、カッテに会釈してみせた。
「大丈夫です。さあ、もう少しですね、殿下」
(迷うな……とりあえず今は、殿下のお役に立てれば、それで良い……帝国の平和な祝日を、こうして支えることが出来れば)
仕上げに掛ったアウレールはふと窓の外を払暁が近いことを知った。
「……来る年こそ、我が国に幸あれ」
アウレールは静かに呟くのだった。
●
かくして、この夜の夜勤はつつがなく終わった。
ハンターたちは、引き継ぎを終えたカッテと共に城の食堂の一つでささやかな祝杯を挙げていた。
「……寒い朝、これは嬉しいねェ。良いクリスマスプレゼントだゼ」
ニヤリと笑いながらワインを味わうヤナギ。
「普段はワイン、あんまり飲まないから、何だか特別な気分だよね……じゃあ、乾杯しようか! 寂しいクリスマスを過ごしたヤナギさんに!」
「あァ? 悠司、お前だって似たようなモンじゃねえか!」
「俺!? 俺は帝国を護る為の責任感から……!」
こうして、笑いあいながら二人は湯気の立つカップを打ち合わせた。
「うん、暖かで美味しいね。……これで少しはクリスマス気分を味わえたかな?」
「1人のクリスマスは何だか不安だったけど、無事終わって良かったな……」
マリアンも、暖かいレモネードを啜り、ほっと息を吐く。
「パパとママが居ないのは寂しいけど、会おうと思えばいつでも会えるんだし、大丈夫だよね……ふわぁ……」
ほっとした反動か、マリアンは小さく欠伸をした。
「お酒だ~! ぷっは~……お仕事の後の一杯は堪らないね!」
一方、オキクルミは却ってテンションがあがったのか、ワインを一気に飲み干す。
「あ、皇子は飲まないの?」
レモネードを啜っていたカッテは苦笑する。
「僕にはまだ早いので……」
「え~? もう少し勝手気ままに振舞っても良いと思うよ? あ、今のは勝手とカッテをかけたジョークでね?」
幸い、オキクルミはカッテの背後で飲み物を吹き出したカッテには気付かない。
「……あ。そういえばお代わりはOKなのかな?」
そういいつつ、ずいっとカップを差し出すオキクルミにカッテは微笑みつつ食堂の係にお代わりを頼み、こう言い添えた。
「では、お代わりをこの方と……あちらの方にもお願いします」
その言葉に、食堂の隅で酒では無くレモネードをいただいていたSergeは思わず立ち上がった。
「カ、カッテ様?」
「お酒、お好きなのでしょう? 温まりますから」
(一体、どういう観察眼なのか……)
思わず兜の奥からカッテを見つめるSerge。カッテはSergeが好きな酒を遠慮しているのを察したのだ。
Sergeは一瞬迷ったが、彼の人柄では貴人から薦められた盃を干さないという訳にもいかず、何より通常のワインとも違うその香りは抗い難かった。
「恐縮です。カッテ様」
Sergeは一礼すると、ゆっくりと兜を脱いでその素顔をカッテに見せ、礼儀にかなった所作でワインを干すのだった。
●
ほとんどのハンターが帰った後、自らも勤務を終えたカッテは中庭のベンチに腰掛けてシェリルと話していた。
「もし、あの提案を無許可で実行していたのならそれは問題です。でも、何かを提案するだけならそれは問題ではありません。あの依頼では、ハンターの方々が色々と考えて下さったのは解っています。だから僕は気にしていませんよ」
カッテがそう言って微笑んだのでシェリルもほっとした。
「良かった……ずっと、気に、なっていたから……」
その直後、シェリルはふっと気が遠くなっていくのを感じた。ずっと気になっていたことを話せて気が抜けたのだろう。そのまま、シェリルはかくりと傾いてカッテの肩に自身の頭を預ける形になる。
だが、カッテは何も言わず驚きもしなかった。
何故なら、カッテもまたすやすやと寝息をたてていたから。
「何をやってやがるんだ。朝っぱらから……」
と、近くでさり気無くカッテの警護に当たっていたモヒカン頭の第一師団兵士、ゲロルト兵長が呆れた様子で二人に近づく。
寝息をたてるシェリルの手には、ブランケットが握られたままになっている。
ゲロルトは、小さく舌打ちすると二人の肩を覆うようにブランケットを掛けるのだった。
こういう場合、何らかの合図があるのが普通だ。当然、この城にもそれはあるが、この日流れたそれはいつもとは違っていた。
「これは……リアルブルーの歌か?」
城内各所の兵士たちはもの珍しそうに、あるいは懐かしそうに城内に流れる音楽に聞き耳を立てた。
「中々いい調子じゃねェか」
城内の一画でベースを弾きながら、ヤナギ・エリューナク(ka0265)は、クリスマスソングを歌う鈴木悠司(ka0176)に笑いかけた。
「ヤナギさんこそ」
曲が終わった所で汗を拭いつつ悠司も笑う。
「だけど、まさかお城にこんな設備があるなんてね」
悠司とヤナギの歌を城内に流していたのは、ゾンネンシュトラール帝国軍の『アイドル』グリューエリン・ヴァルファーために制作された機導術の音響機器の簡易版である。
ヤナギと悠司が迷惑にならない範囲で演奏をしても良いかカッテに聞いた際、カッテがそれならばと使用を許可したのだ。
もともと、こういう事にはやたらと寛容なお国柄だ。おかげで、げんなりしていた兵士たちも、思わぬ所でクリスマス気分を味わえたのであった。
「そもそも、殿下と共にクリスマスを過ごせるのに往く人来る人、何故皆げんなりしているのか理解不能だ」
悠司とヤナギのクリスマスソングが流れる中、交代のために城の回廊で仲間のハンターたちと落ち合ったアウレール・V・ブラオラント(ka2531)は理解出来ないといった表情で呟く。
「家族を持つ者にとっては、大切な日です。私も騎士でしたから、こういった事の大切さは理解していますが……その悲しさも解ります。だからこそ、私もこの依頼に参加した訳ですし」
Serge・Dior(ka3569)が、宥めるように述べた。
「それにしても……こういう歌を流すとは、帝国は大分私が聞いていた印象と違う気がします。……私が参加する事も、全問題にはなりませんでしたし」
●
最初から第三執務室に詰めているエルバッハ・リオン(ka2434)は、今回は手伝える書類が多かったこともあり、真面目にカッテや他の宿直者を手伝っていた。
「ここのところハメを外しすぎていると思いますし、真面目にお仕事をしましょうか」
小さく呟くリオン。その言葉通り、着ている服装はごく普通のものだし、手伝いの合間にしっかり周囲に気を配っていた。
そして、リオンはクリスマスソングが流れ皆が休憩に入り始めたのを見計らって持参した軽食を配りつつ、カッテに尋ねた。
「殿下は、魔導アーマーの有用性や運用方法について、どのようにお考えでしょうか?」
「ナサニエルがエンジンを接収したというだけでも期待は出来ると思います。装甲を厚くして高火力の兵器を搭載すれば、突破力に優れた兵器となるかもしれません」
「お答えいただき、ありがとうございます。素人考えではありますが、私も現状では万能の働きはさすがに無理と思います。ただ、拠点防衛など、運用方法を限定すれば、十分な働きをするかもしれません」
と、二人が真面目な話をしている側を疲れた顔の兵士が通り過ぎようとする。
「……お疲れ様です。お飲物でもいかがですか?」
「……え!?」
その兵士はリオンに飲み物を渡されるついでに、柔らかな膨らみを押し付けられ、顔を真っ赤にして走り去る。
素知らぬ顔のリオン。
カッテも首を傾げるのであった。
●
その頃、オキクルミ(ka1947)は仮眠室で一人目を覚ましたところであった。
「う~ん、よく寝れたっ!」
それまで、仮眠中であったこともあり薄着である彼女がしなやかな肢体を思いっ切り曲げたり伸ばしたりしている様は何というかとても色っぽい。
おかげで、ついさっきリオンに押し付けられた事で、只でさえ内股になっていたその若い兵士は、間違って男性用の仮眠室で寝ていたそんなオキクルミの姿に、一瞬茫然と見惚れた後、もっと内股になり、しどろもどろに謝った。
「す、すみませんっ! じょ、女性が寝ていたとは露知らずっ!」
「……?」
しかも、若い兵士が悲鳴を上げたことで近くにある女性兵士用の仮眠室から別の女性兵士がすっ飛んできたことで更に状況はややこしくなった。
「何事ですかっ!?」
見れば、女性兵士の方も仮眠中にすっ飛んで来たらしく、薄着である。
一瞬、状況が分からずきょとんとするオキクルミだが、妙に内股な兵士を見てぽんと手を打つ。
「……はい、そこ! イチャコラはこーいう共用の仮眠室じゃなく、どっか目だない部屋でヤりなさい!」
今度は、二人の兵士が茫然とする番であった。一体、このエルフは何を言っているのか? だが、オキクルミは茫然とする二人をベッドに正座させドヤ顔で説教をかまし始めた。二人が混乱の余り素直に聞き続けるのを良いことに散々、言い終えたオキクルミは最後にこう締めくくった。
「やれば出来る。ボク達に努力と(自主規制)の大切さを教えてくれるいい言葉だね」
●
リオンも仮眠に入り、第三執務室は主要な照明が落され、常夜灯の柔らかい光のみが室内を照らしていた。
その室内にて、シェリル・マイヤーズ(ka0509)はカッテと話し込んでいた。
「じゃ……む……?」
思わずかくりと首をかしげるシェリル。
「ええ、ジャムです。特に、グリオット(さくらんぼの一種)のジャム。それと、濃い紅茶があれば大抵は乗り切れます」
「私は……一林檎と、ガム……」
「ガムは……ちょっと気に入りました。はしたないのですけど、噛みながらの方が頭が冴えて能率が上がるような気がして……」
「また、お仕事のことばっかり……ね、カッテ、本当は幾つなの……?」
「……幾つだと思います?」
カッテは大窓に寄り掛かると悪戯っぽく首を傾げた。
ふと、窓の外の夜景の光に照らされるカッテを見たシェリルは気付いた。
その表情が見た目の年齢に似つかわしくない、どこか憂いのようなものを湛えていること。そして、窓から見える夜空が雲に覆われ、星が一つも見えないことに。
「革命の時、僕はまだ子供でした。それでも、何が起こっているかは解っていた……いいえ、理解するしかなかったのです」
唐突に、シェリルは理解した。
――もしかして、カッテは、私と同じ……
かつて、シェリルがLH044からの脱出の際に地獄を見たように、この少年も革命で何かを見てきたのだ、と。
そして、自分がこの異世界の皇子に惹かれるのは、その目が自分と同じような何かを見ているからだ、と。
「カッテ……! あのね……」
居た堪れなくなったシェリルは声を上げた。一つには、前回彼女がカッテと共にある依頼に赴いた時からずっと蟠っていたことをきちんと謝りたいという思いからだったのだろう。
しかし、カッテが不思議そうな顔をした瞬間、第三執務室のドアがノックされ、二人の会話はそこで中断されたのであった。
●
「お仕事捗っていますか? メリークリスマスです」
ドアが開けられた瞬間、ランプシェードの暖かい光が部屋中を照らす。そこに立っていたのは、もふもふしたまるごとひつじを被ったマリアン・ベヘーリト(ka3683)である。
カッテとシェリルは一瞬固まっていたが、やがてどちらからともなく、クスクスと笑い出す。
「ありがとうございます。厳密には過ぎ去ってしまいましたけど……」
と苦笑するカッテに、今度は悠司とヤナギが近づいた。
「全く、こんな日だってのにな。色々気苦労も絶えねェだろうに、尊敬に値するよ、お前サンは……」
そう言うと、ヤナギはわしわしとカッテの頭を撫でた。
「なッ……で、殿下に向かって……ッ!」
その様子を見たアウレールが大声をあげそうになるが、当のカッテが照れくさそうにしながらも、少なくとも悪い顔はしていないを見て、辛うじて押とどまった。
「そだ、秘密だケド。これ、クリスマスのプレゼントな……勤務中とか固いコト、言うなよ?さくっと受けとっちまいな」
そう言いながら、ヤナギは取り出したプレゼントの箱を渡す。リゼリオで買ったらしいそれは、きれいな包装が施されていた。
「わあっ、ありがとうございます! これは、何でしょうか?」
ヤナギは悪戯っぽく笑う。
「後で開けてみな……張りつめている時に聞けば、きっとリラックスして能率が上がると思うゼ」
「はい、これは俺からのクリスマスプレゼント。勤務ばかりじゃ疲れちゃうでしょ?」
続いて悠司も微笑みながらラッピングされた細長い箱を差し出す。
「鈴木さんまで……嬉しいです」
大切そうに箱を抱えるカッテ。
「と、言っても……後で中身を見たら、もっと仕事しろって言っているみたいに思われるかもしれないけど……良かったら使ってね」
この光景を見ながらアウレールは難しい顔で腕組みしている。
「殿下への貢物……私も何か用意すべきであったか……」
●
「そろそろ、お腹が空きました」
明け方が近くなり、空腹を感じたマリアンは、持参した料理を取り出し始めた。彼女が用意したのは干し肉とナッツを牛乳と調味料につけたものをあぶり焼きにして、固めのパンにチーズと共に挟み込んだもの
と牛乳とチーズの残りを溶いたスープをビンに入れて保温したものである。
一方、アウレールの方は城へ仕事をしに来るのも幾度目か、流石に慣れた様子でカッテの手伝いを行っていたが、カッテが紅茶をカップに注ぐのを見て、自身も用意した軽食とコーヒーを摂り始めた。
「大丈夫ですか?」
ふと、アウレールが顔を上げるとにっこりと笑うカッテと目が合った。
「し、心配御無用です! 徹夜行軍や選挙時のデスマーチを思い出せば、此度は遊びに来ているも同然!」
顔を真っ赤にして胸を張るアウレール。相変わらず脳内、見事に殿下一色である。まあ、それほど疲れてい無いというのも本当だろう。
「それより、私は殿下のお体が心配です……こんな依頼が回ってくる時点で、人材不足で殿下に仕事が集中する不健全な状況が改善されていない証拠。辺境での実験でも、各国との調整や事務が増えております。今は良くても、この上何か起きたら……」
と、ここでアウレールは自分の言葉にはっとなった。
首を傾げるカッテ。
(あの人型機械は確かに強力だ。味方であれば頼もしいことこの上ない。が、もし敵に回ればどうなる……?)
「アウレール……?」
目に見えて深刻な表情になったアウレールを気遣うカッテ。
(いや、やめよう。縁起でもない)
アウレールは頭を振って、その考えを追い出すとか、カッテに会釈してみせた。
「大丈夫です。さあ、もう少しですね、殿下」
(迷うな……とりあえず今は、殿下のお役に立てれば、それで良い……帝国の平和な祝日を、こうして支えることが出来れば)
仕上げに掛ったアウレールはふと窓の外を払暁が近いことを知った。
「……来る年こそ、我が国に幸あれ」
アウレールは静かに呟くのだった。
●
かくして、この夜の夜勤はつつがなく終わった。
ハンターたちは、引き継ぎを終えたカッテと共に城の食堂の一つでささやかな祝杯を挙げていた。
「……寒い朝、これは嬉しいねェ。良いクリスマスプレゼントだゼ」
ニヤリと笑いながらワインを味わうヤナギ。
「普段はワイン、あんまり飲まないから、何だか特別な気分だよね……じゃあ、乾杯しようか! 寂しいクリスマスを過ごしたヤナギさんに!」
「あァ? 悠司、お前だって似たようなモンじゃねえか!」
「俺!? 俺は帝国を護る為の責任感から……!」
こうして、笑いあいながら二人は湯気の立つカップを打ち合わせた。
「うん、暖かで美味しいね。……これで少しはクリスマス気分を味わえたかな?」
「1人のクリスマスは何だか不安だったけど、無事終わって良かったな……」
マリアンも、暖かいレモネードを啜り、ほっと息を吐く。
「パパとママが居ないのは寂しいけど、会おうと思えばいつでも会えるんだし、大丈夫だよね……ふわぁ……」
ほっとした反動か、マリアンは小さく欠伸をした。
「お酒だ~! ぷっは~……お仕事の後の一杯は堪らないね!」
一方、オキクルミは却ってテンションがあがったのか、ワインを一気に飲み干す。
「あ、皇子は飲まないの?」
レモネードを啜っていたカッテは苦笑する。
「僕にはまだ早いので……」
「え~? もう少し勝手気ままに振舞っても良いと思うよ? あ、今のは勝手とカッテをかけたジョークでね?」
幸い、オキクルミはカッテの背後で飲み物を吹き出したカッテには気付かない。
「……あ。そういえばお代わりはOKなのかな?」
そういいつつ、ずいっとカップを差し出すオキクルミにカッテは微笑みつつ食堂の係にお代わりを頼み、こう言い添えた。
「では、お代わりをこの方と……あちらの方にもお願いします」
その言葉に、食堂の隅で酒では無くレモネードをいただいていたSergeは思わず立ち上がった。
「カ、カッテ様?」
「お酒、お好きなのでしょう? 温まりますから」
(一体、どういう観察眼なのか……)
思わず兜の奥からカッテを見つめるSerge。カッテはSergeが好きな酒を遠慮しているのを察したのだ。
Sergeは一瞬迷ったが、彼の人柄では貴人から薦められた盃を干さないという訳にもいかず、何より通常のワインとも違うその香りは抗い難かった。
「恐縮です。カッテ様」
Sergeは一礼すると、ゆっくりと兜を脱いでその素顔をカッテに見せ、礼儀にかなった所作でワインを干すのだった。
●
ほとんどのハンターが帰った後、自らも勤務を終えたカッテは中庭のベンチに腰掛けてシェリルと話していた。
「もし、あの提案を無許可で実行していたのならそれは問題です。でも、何かを提案するだけならそれは問題ではありません。あの依頼では、ハンターの方々が色々と考えて下さったのは解っています。だから僕は気にしていませんよ」
カッテがそう言って微笑んだのでシェリルもほっとした。
「良かった……ずっと、気に、なっていたから……」
その直後、シェリルはふっと気が遠くなっていくのを感じた。ずっと気になっていたことを話せて気が抜けたのだろう。そのまま、シェリルはかくりと傾いてカッテの肩に自身の頭を預ける形になる。
だが、カッテは何も言わず驚きもしなかった。
何故なら、カッテもまたすやすやと寝息をたてていたから。
「何をやってやがるんだ。朝っぱらから……」
と、近くでさり気無くカッテの警護に当たっていたモヒカン頭の第一師団兵士、ゲロルト兵長が呆れた様子で二人に近づく。
寝息をたてるシェリルの手には、ブランケットが握られたままになっている。
ゲロルトは、小さく舌打ちすると二人の肩を覆うようにブランケットを掛けるのだった。
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/12/30 18:21:46 |
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相談卓 シェリル・マイヤーズ(ka0509) 人間(リアルブルー)|14才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/01/01 16:05:13 |