ゲスト
(ka0000)
内陸の街ドスガ ~騎士アーリア~
マスター:天田洋介

- シナリオ形態
- シリーズ(続編)
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,300
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/12/27 19:00
- 完成日
- 2019/01/09 15:33
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
グラズヘイム王国の南部に広がる伯爵地【ニュー・ウォルター】を覆っていた暗い闇は、振り払われた。
黒伯爵を名乗る歪虚軍長アスタロトが率いていた敵は壊滅。討伐が一段落して、少なくとも戦の状況からは脱したといえる。
差し迫る危機は去ったものの、懸案は残った。畑が荒らされただけでなく、灌漑関連の破壊が顕著。そして各地では戦いの残照が残っていた。
冬になり、木枯らしが吹き荒ぶ城塞都市マール。
ここはマール城の一室。薪が燃え盛る暖炉の側にて、領主アーリアは妹ミリアからの報告を受けていた。
「調査の結果、葡萄樹雑魔の事件について、新事実が判明しましたの。歪虚崇拝者達によって暗示の飲み薬が使われましたが、これには裏事情があったようで」
「悪党にとっての事情か」
「兄様も知っての通り、飲み薬の暗示効果に即効性はありません。長期に渡って使わないと洗脳はできませんの。ですが、そうはいっていられなくなった状況に追いこまれて、村の祭りで使おうとしたらしいです。時間がかかるのなら、まとめた人数を洗脳しよう。そういう短絡的な発想に至ったようで……。原因になったのは、アスタロト派とは別の歪虚崇拝者集団の存在ですの」
「派閥争いなのか」
「これは……とてもいいにくいことなのですが、ニュー・ウォルターが平和になったことが大いに関係しているようで」
「気にするな。事実を話してくれ」
「はい。アスタロト派がごく少数となった現在、他の歪虚派閥がニュー・ウォルターを狙っているようですの。アスタロト派としては、それを許すことはできず、仲間を増やして対抗しようとしたようで……。その焦りの発露こそが、あの葡萄樹雑魔の事件の真相でしたの」
「歪虚同士であれば序列があるはずだ。完全ではないだろうが、それなりの秩序が保たれる。しかし指導者を失った末端だけとなれば、話は別。そういうことなのか?」
「その通りですの。ただ今、各地に特務を派遣して調べている最中なのです。兆候があれば、すぐに連絡が届くようになっていますの」
ミリアからの報告を聞いたアーリアは、引き続きの調査を望んだのだった。
それから四日後。以前とは別の地域で、葡萄樹雑魔の汁を利用する飲み薬製造の現場が押さえられた。
高濃度の飲み薬を無理矢理に飲ませて、洗脳しようとした事件からの発覚だった。多くは捕らえられたものの、残念ながら犯人二人に逃げられてしまう。
その報告が届いた頃、今後のことを相談するためにハンター一行がマール城へと招かれていた。
「逃げた逃亡犯二人を捕まえて欲しいですの。二人とも銃器の扱いに慣れた覚醒者。それと悪知恵が働くようで、注意が必要なのです。逃げられたのも一般人を盾にされたせいらしく。あと、どこで手に入れたのが、それぞれに魔導バイクを所有しているようなのです」
ミリアによれば、逃亡先も判明している。二人とも『ドスガ』と呼ばれる街で目撃されていた。
ドスガはアスタロトが討伐された以降、急速に発展している内陸の街だ。領外からやってきた大商人が投資をしたことで、人々が集まりだしている。
急遽の要請だったが、ハンター一行はミリアからの依頼を引き受けたのだった。
黒伯爵を名乗る歪虚軍長アスタロトが率いていた敵は壊滅。討伐が一段落して、少なくとも戦の状況からは脱したといえる。
差し迫る危機は去ったものの、懸案は残った。畑が荒らされただけでなく、灌漑関連の破壊が顕著。そして各地では戦いの残照が残っていた。
冬になり、木枯らしが吹き荒ぶ城塞都市マール。
ここはマール城の一室。薪が燃え盛る暖炉の側にて、領主アーリアは妹ミリアからの報告を受けていた。
「調査の結果、葡萄樹雑魔の事件について、新事実が判明しましたの。歪虚崇拝者達によって暗示の飲み薬が使われましたが、これには裏事情があったようで」
「悪党にとっての事情か」
「兄様も知っての通り、飲み薬の暗示効果に即効性はありません。長期に渡って使わないと洗脳はできませんの。ですが、そうはいっていられなくなった状況に追いこまれて、村の祭りで使おうとしたらしいです。時間がかかるのなら、まとめた人数を洗脳しよう。そういう短絡的な発想に至ったようで……。原因になったのは、アスタロト派とは別の歪虚崇拝者集団の存在ですの」
「派閥争いなのか」
「これは……とてもいいにくいことなのですが、ニュー・ウォルターが平和になったことが大いに関係しているようで」
「気にするな。事実を話してくれ」
「はい。アスタロト派がごく少数となった現在、他の歪虚派閥がニュー・ウォルターを狙っているようですの。アスタロト派としては、それを許すことはできず、仲間を増やして対抗しようとしたようで……。その焦りの発露こそが、あの葡萄樹雑魔の事件の真相でしたの」
「歪虚同士であれば序列があるはずだ。完全ではないだろうが、それなりの秩序が保たれる。しかし指導者を失った末端だけとなれば、話は別。そういうことなのか?」
「その通りですの。ただ今、各地に特務を派遣して調べている最中なのです。兆候があれば、すぐに連絡が届くようになっていますの」
ミリアからの報告を聞いたアーリアは、引き続きの調査を望んだのだった。
それから四日後。以前とは別の地域で、葡萄樹雑魔の汁を利用する飲み薬製造の現場が押さえられた。
高濃度の飲み薬を無理矢理に飲ませて、洗脳しようとした事件からの発覚だった。多くは捕らえられたものの、残念ながら犯人二人に逃げられてしまう。
その報告が届いた頃、今後のことを相談するためにハンター一行がマール城へと招かれていた。
「逃げた逃亡犯二人を捕まえて欲しいですの。二人とも銃器の扱いに慣れた覚醒者。それと悪知恵が働くようで、注意が必要なのです。逃げられたのも一般人を盾にされたせいらしく。あと、どこで手に入れたのが、それぞれに魔導バイクを所有しているようなのです」
ミリアによれば、逃亡先も判明している。二人とも『ドスガ』と呼ばれる街で目撃されていた。
ドスガはアスタロトが討伐された以降、急速に発展している内陸の街だ。領外からやってきた大商人が投資をしたことで、人々が集まりだしている。
急遽の要請だったが、ハンター一行はミリアからの依頼を引き受けたのだった。
リプレイ本文
●
ハンター一行がドスガの街へ着いたのは、午後四時半を過ぎた頃。冬の日の入りは早く、市場に並ぶ屋台の多くは片付けを始めていた。
「魔導バイクで逃げた逃亡犯二人か。ある意味でいえば、ここドスガまで追い詰めたといえなくもないな」
ロニ・カルディス(ka0551)は、鳳凰院ひりょ(ka3744)から受け取った二人の写真に今一度目をこらす。一人の男は頬に大きな傷があり、もう一人は前歯なしの糸目男だ。変装を施さない限りは、どちらもわかりやすい特徴を持っていた。
(アスタロト派とは別の歪虚派閥の存在か……。また面倒なことになりそうだな)
鳳凰院は市場の人々を眺める。客の数はまばらだが、活気のある街でなければ、これほどの市が成り立つとは思えない。また途中で見かけた店舗は、どれも立派だった。
「逃げた先がこのドスガってことは、隠れ家なり仲間がいるなりするんじゃないかなって思うの」
「ですね。今日のところは宿を決めましょう。旅人を装ったほうが自然だと思いますので」
ディーナ・フェルミ(ka5843)とミオレスカ(ka3496)は、売れ残りの串焼きを安く買って仲間達にあげる。屋台の主人に訊いたところ、ドスガには宿屋が八軒もあるという。
「私にいい考えがあります。宿を分けて泊まるのはどうでしょうか? 連絡の手段はありますし」
多由羅(ka6167)は各自、宿屋での聞き込みを提案する。街中の調査は明日からでいいのではないかと。
「それがいい。バイクに乗っているのなら、それなりに目立っていただろうからな。人が集まる宿屋はうってつけだ。酒場か飯処も大抵一緒にやっているだろうし」
レイア・アローネ(ka4082)と同じく、全員が多由羅の案に賛成した。別々の宿へと泊まり、情報収集が行われる。なるべく怪しまれないよう、慎重に探られていった。
それぞれが客室で一人になってから、無線やスマホで連絡を取り合う。
地方の街とは思えないほど、ドスガでは魔導機械が導入されているようだ。そうなったのはごく最近であり、業者のほとんどは領外から来た新参者ばかりである。専門ではないが、魔導バイクを扱う店も何軒かあるようだった。
●
「いい酒を取り揃えているようだな」
二日目、ロニは立ち寄った酒場で、料理と一緒にコップ四分の一ほどの酒を注文する。場末でありがちな混ぜ物は感じられず、水で薄められてもいない。酒の扱いから信じられると判断して、バーテンダーに逃亡犯二人の写真を見せた。
「しばらくどこかへ行っていたようですが、三日前に見かけましたよ。やけに怯えた風で、一人は怪我していましたね。生憎と名前まではわかりません」
「そうか。他にも知っていることがあれば教えてくれ」
幾ばくかのチップを渡して、話を聞かせてもらう。人の流れが激しいドスガだが、治安がよいのは自警団のおかげのようだ。官憲の手が届かないところに、目が配られているとのことである。
ミオレスカは街の大通りを散策した。
(歪虚崇拝者が一枚岩でないのは、意外ですね。いずれにしろ、アスタロトがいたときの方がよかった、ということは絶対にありません)
ほぼすべての建物がここ数年間に建てられたものらしく、どれも真新しい。わずかな期間でここまで発展したとは驚きの一言である。
おいしそうなにおいに誘われて飯店へ。お店の名物はダンプリングだ。餃子のように小麦粉の皮で包んだ料理で、具材によってメニューがたくさんあった。厨房を眺めると冷蔵庫があって、新鮮な食材が使われている。
はふはふっとスープのダンプリングを食べながら、客達の顔ぶれを眺めた。アスタロトとの戦いで逃げ延びた人達も住みついていると聞いている。
「領主さんのこと、どう思っています?」
料理を運んできた給仕にアーリアのことを聞いてみる。評判はよくもなく悪くもない。食料支援について感謝しているが、大商人カミネテの存在のほうが大きいようだ。
逃亡犯のうち一人が、昨日ここでミオレスカと同じ料理を食べたようである。
(街の中心部にある小高い丘に建てられているのが、大商人の屋敷……。まるで城に住まう領主気取りだな)
鳳凰院は魔導バイクで流しながら街の様子を頭の中に入れていく。大商人の名はカミネテで、問屋稼業が主な生業のようだ。
街を二周したところで、魔導バイクが売れている店舗を訪ねてみた。
「いいバイク、乗ってるね。売らないかい? 高く買うよ!」
「気に入っているんでね。ところで――」
店員に逃亡犯の写真を見せたところ、パーツを買いに来たことがある客だという。あまりに横柄な態度だったので、店長が出禁にしたらしい。
「パーツを半額以下で売れと脅してきたり、暴れたり、散々な客だったんだ。乗っていたバイクは盗品に違いないよ」
逃亡犯二人がどこからバイクを手に入れたのか、店員は不思議がっていた。
「真っ当そうなところは聖導士のロニやディーナに任すとして。どんなに襟を正した街でも、こういうところは必ずあるものだ」
レイアは歓楽の場に足を運んだ。男女が色や酒、暴力に狂い、下品な声をあげている一角へと。
(見つかるのはアスタロト派の残党か、あるいはミリアのいっていた他の派閥か?)
殴り合いの勝者に賭ける見世物小屋に入り、カウンターでの軽めの酒を嗜んだ。
「あの獅子のような肩の刺青、変わっているな」
「あれはカミネテの用心棒、いや自警団のマークじゃよ。腕章でもいいらしいが、腕に彫っている奴が多いですな」
気が合った賭け事好きの老人に、いろいろと教えてもらう。歪虚崇拝者についてもそれとなく聞いてみたが、少なくとも表立った勧誘はしていないようだ。
「この街での崇拝の対象? わしは興味ないが、そういう人物がいるとしたらカミネテだな。こんなど田舎をわずか数年で、こんなに発展させちまったんだから」
会う方法はないかと訪ねてみると、老人にからかわれた。「奴は女好きだから、街中にやってきたとき、色目でも使ってみたらどうだ?」と。
ディーナはマール出立前にミリアから詳しい情報を聞きだしていた。
(酒場で酒に一緒とか、誘拐して無理矢理とか想像していたけど、違ったの。まさか炊き出しに洗脳の薬を混ぜていたなんて、卑怯ですの)
当時、食した人々の様子がおかしいとの通報で事態は発覚したようだ。特に腹立たしいのは善意の教会を利用したところだ。
(犯行現場と被害者から、黒幕の狙いが想像つくかもって考えたの。指示した人が絶対いると思うの)
ディーナはドスガの教会で行われていた貧しき者達への施しの場を訪ねる。
(とても濃い味付けのスープですの)
手伝いながら味見してみたものの、飲み薬が混じっているかわからなかった。少なくともシスター達から悪意は感じられない。
「これだけの施しを毎日二回なんて、大変ですの」
「カミネテ様がお金だけでなく、食材も寄付してくれるんです。あの方も昔孤児だったそうですよ。だから昔の恩返しがしたいと仰っていました」
ディーナはシスター達から事情を聞きだす。よく考えた末、ディーナはしばらくの間、
配給を手伝うことにした。
伯爵地絡みの依頼が初めての多由羅は、それを最大限に活かす行動をとる。
(わざわざここまで逃げてきたということは、ここに、その組織の手がかりがある可能性があるはずです)
敢えて仲間達との接触を避けてドスガの街中を彷徨い歩く。活気のある商人の街に潜んでいるであろう闇を探るために。
「あの、こちらでは仕事を募集していますか? 三日ほど働きたいのですが。あの、お金がなくて困っているんです。どうか!」
「人手不足だけど、そんなに短くちゃさすがに雇えないね」
職探しをしているうちに、商人側の事情もわかってくる。欲しいのは主に肉体労働に適した屈強な者達。体力には自信のある多由羅だが、見かけで判断されて雇ってはもらえなかった。
「あんたべっぴんさんだから、カミネテのお屋敷で雇ってもらったらどうだい?」
「女性の皆様は、そうしているのでしょうか?」
「女だけじゃなくて、あぶれた男も雇っているようだぞ。乱暴者を再教育して、逆に街を守る自警団の一員にしているんだ。犯罪も減るし、一石二鳥だろ?」
「丁寧に教えて頂いて、ありがとうございます」
多由羅は店主に礼をいってその場を立ち去る。宿屋に戻る途中、再教育という言葉が気になって仕方がなかった。
●
魔導バイクの特徴や写真を見せての目撃情報から、三日目には逃亡犯二人の足取りが絞られていった。
(顔を隠しているなんて、怪しいですの)
教会にいたディーナは、深くフードを被る怪しい人物を見かける。その者はパン入りの籠をシスターから奪って、黄色い魔導バイクで逃走した。
ディーナは速攻で仲間に連絡。そして法輪「精霊馬」を発進させて、パン泥棒が跨がる黄色い魔導バイクを追いかける。
「あのバイクの人物か?」
「まだ証拠はなくて、パン泥棒に過ぎないの。せめて顔が観れたら」
ディーナは魔導バイク「バルバムーシュ」で合流した鳳凰院と連携した。適度な車間距離をあけて、相手に気づかれないよう細心の注意を払う。
辿り着いたのは街の中心部から外れた空き地だった。そこに建てられていた小屋へとパン泥棒が入っていく。見張っていると、馬に乗った仲間達が駆けつける。
「小屋には二人いますね。暗くて顔まではよくわかりません」
ミオレスカは双眼鏡を構えて、窓から覗ける小屋の中を確かめた。
「逃走犯が使った、もう一台のバイクが見当たらないな。青かったと報告書にあったはずだ」
「よし、小屋の近くにちょうどいい建物があるな。ここは私に任せてくれ」
ロニと話し終わったレイアが腰を屈めて、小屋に隣接する三階建ての建物へと近づいていく。
壁歩きを活用して建物の壁面をのぼっていき、小屋の屋根上に移っていた。そして小屋内の二人の会話に聞き耳を立てている。その内容は彼女が持っていた無線を通じて、他の仲間達にも届けられた。
『肩の怪我はどうだ? ほら、早くパンを食っちまえよ。後で他の食いもんも持ってきてやるからよ』
『ありがとうよ。大分よくなってきた。それにしても飲み薬の計画が失敗するとはな。うまいやり方だと思ったんだが。奴らを真似たのが失敗の原因だったんだろうか……』
『急ぎすぎたせいだろう。奴らはゆっくりと時間をかけてやっているからな。まあ、このパンを少しぐらい食っても問題ないぐらいの、薬の薄さだし』
『背に腹はかえられねぇしな。ま、説教さえ聞かなきゃなんとかならぁな』
『やり直すには、あの雑魔の株分けの苗をもう一度手に入れないと。あの屋敷に忍びこむの、大変だったんだが』
『前と同じ手は通じないだろうな。しかし、どうにかしてやり遂げたい! アスタロト様だけが俺達の主なのだから』
無線から流れてくるやり取りを聞いたハンター達は、誰もが驚きの表情を浮かべる。重要な情報がいくつも含まれていたからだ。
「お話から察するに、教会は善意で貧しい人々に施しをしているようです。ですが食材は大商人のカミネテ様の支援だとディーナが仰っていましたし……、怪しく感じられます。それと私が聞いた限りでは、自警団に入った乱暴者の性格が変わったとか。どれも洗脳の飲み薬が関係しているような」
多由羅と同じことを誰もが想像したようである。特にディーナは顔を真っ赤にして、怒りを露わにしていた。
「元々、歪虚の新派閥が領内に葡萄樹雑魔を持ちこんだ。汁を材料にして歪虚崇拝者を増やすために。その計画知って焦ったアスタロト派が、雑魔の株を盗みだして栽培。パクリ作戦を実行しようとしたのだが、焦りすぎて大失敗。そんなところなのだろう」
「ということはだ。カミネテは新派閥。つまり歪虚崇拝者の新しい元締めなのか? 今のところ牙を隠しているだけで」
鳳凰院とロニが口にした疑問を確かめるためには、逃走犯二人の捕縛が必須だ。
レイアが仲間の元へと戻り、役割分担が決められていく。そのとき小屋から激しい物音が。気づかれたと判断して、急遽小屋への踏み込み作戦が実行に移される。
「伏せるか隠れろ!」
小屋の窓向こうの輝きに気づいたレイアが叫んだ。刹那、小屋の中から銃撃が。余程薄いのか壁を穴だらけにして銃弾が飛んできた。
「せめて……!」
遠方で待機していたミオレスカが、野外に駐車中の黄色い魔導バイクを狙撃。ところが走れないようにしたはずなのに、排気音が響き渡る。小屋の扉を破りながら現れたのは、青い魔導バイクだ。跨がっていた二人は、写真の逃亡犯で間違いなかった。
「やはりあいつらか」
「逃がしませんの!」
鳳凰院とディーナは魔導バイクで後を追う。他の仲間達も愛馬で追走を開始する。
「あいつらは街の外へ向かっているはずだ!」
ロニは一旦愛馬を停めて、仲間達に方針を伝えた。逃亡犯二人はドスガで目立ちたくないのか、銃撃を控えている。やがて門を潜り抜けてドスガから脱出。枯れた草原を疾走した。
鳳凰院とディーナが先回りして、青い魔導バイクを自由に走らせない。
ディーナはもセイクリッドフラッシュの輝きで攻撃。鳳凰院はソウルトーチで逃亡犯二人の気を引く。そうこうするうちに馬で駆ける仲間達が追いついた。
草原では遠慮無く銃弾がばらまかれる。ハンター達は怯むことなく、逃亡犯二人を追い詰めていく。
「お前達の仲間は既に捕まえたぞ」
レイアは青い魔導バイクに衝撃波を放った後で、カマをかける。
「そろそろ捕まったほうが身のためです」
多由羅は次元斬で空間を切り裂いて逃亡犯二人を脅した。二度目は外さないと、瞳の輝きで訴えながら。
様々な攻撃が効いたのか、青い魔導バイクの動きは鈍くなっていた。
「充分な枯れ草が広がるこの一帯なら、転倒しても大丈夫でしょう」
ミオレスカは草原にぽつりとある岩の上に立って、大火弓を構える。狙い定めて放たれた一矢は、青い魔導バイクの後輪に命中。土埃をまきあげながら派手に転倒する。
こうして逃亡犯二人は、ハンター達の手によって捕まえられた。
●
マール到達まで、逃亡犯二人には黙秘を貫かれた。それでも小屋での会話は充分な収穫になる。ハンター一行は城のアーリアとミリアに直接報告した。
「みなさんの想像通りのことが、おそらく過去に起きたのだろう。一番の懸念は大商人カミネテの正体か」
「さすがに証言だけで、どうこうするわけにはいきませんの。ただ、ディーナが教会から持ってきたパンには、例の飲み薬が混入していましたの。極々少量でしたが」
アーリアとミリアは、次の一手を考えるとのことである。豪華な食事と広い風呂でゆっくりと休んだ一行は、翌日帰路に着いたのだった。
ハンター一行がドスガの街へ着いたのは、午後四時半を過ぎた頃。冬の日の入りは早く、市場に並ぶ屋台の多くは片付けを始めていた。
「魔導バイクで逃げた逃亡犯二人か。ある意味でいえば、ここドスガまで追い詰めたといえなくもないな」
ロニ・カルディス(ka0551)は、鳳凰院ひりょ(ka3744)から受け取った二人の写真に今一度目をこらす。一人の男は頬に大きな傷があり、もう一人は前歯なしの糸目男だ。変装を施さない限りは、どちらもわかりやすい特徴を持っていた。
(アスタロト派とは別の歪虚派閥の存在か……。また面倒なことになりそうだな)
鳳凰院は市場の人々を眺める。客の数はまばらだが、活気のある街でなければ、これほどの市が成り立つとは思えない。また途中で見かけた店舗は、どれも立派だった。
「逃げた先がこのドスガってことは、隠れ家なり仲間がいるなりするんじゃないかなって思うの」
「ですね。今日のところは宿を決めましょう。旅人を装ったほうが自然だと思いますので」
ディーナ・フェルミ(ka5843)とミオレスカ(ka3496)は、売れ残りの串焼きを安く買って仲間達にあげる。屋台の主人に訊いたところ、ドスガには宿屋が八軒もあるという。
「私にいい考えがあります。宿を分けて泊まるのはどうでしょうか? 連絡の手段はありますし」
多由羅(ka6167)は各自、宿屋での聞き込みを提案する。街中の調査は明日からでいいのではないかと。
「それがいい。バイクに乗っているのなら、それなりに目立っていただろうからな。人が集まる宿屋はうってつけだ。酒場か飯処も大抵一緒にやっているだろうし」
レイア・アローネ(ka4082)と同じく、全員が多由羅の案に賛成した。別々の宿へと泊まり、情報収集が行われる。なるべく怪しまれないよう、慎重に探られていった。
それぞれが客室で一人になってから、無線やスマホで連絡を取り合う。
地方の街とは思えないほど、ドスガでは魔導機械が導入されているようだ。そうなったのはごく最近であり、業者のほとんどは領外から来た新参者ばかりである。専門ではないが、魔導バイクを扱う店も何軒かあるようだった。
●
「いい酒を取り揃えているようだな」
二日目、ロニは立ち寄った酒場で、料理と一緒にコップ四分の一ほどの酒を注文する。場末でありがちな混ぜ物は感じられず、水で薄められてもいない。酒の扱いから信じられると判断して、バーテンダーに逃亡犯二人の写真を見せた。
「しばらくどこかへ行っていたようですが、三日前に見かけましたよ。やけに怯えた風で、一人は怪我していましたね。生憎と名前まではわかりません」
「そうか。他にも知っていることがあれば教えてくれ」
幾ばくかのチップを渡して、話を聞かせてもらう。人の流れが激しいドスガだが、治安がよいのは自警団のおかげのようだ。官憲の手が届かないところに、目が配られているとのことである。
ミオレスカは街の大通りを散策した。
(歪虚崇拝者が一枚岩でないのは、意外ですね。いずれにしろ、アスタロトがいたときの方がよかった、ということは絶対にありません)
ほぼすべての建物がここ数年間に建てられたものらしく、どれも真新しい。わずかな期間でここまで発展したとは驚きの一言である。
おいしそうなにおいに誘われて飯店へ。お店の名物はダンプリングだ。餃子のように小麦粉の皮で包んだ料理で、具材によってメニューがたくさんあった。厨房を眺めると冷蔵庫があって、新鮮な食材が使われている。
はふはふっとスープのダンプリングを食べながら、客達の顔ぶれを眺めた。アスタロトとの戦いで逃げ延びた人達も住みついていると聞いている。
「領主さんのこと、どう思っています?」
料理を運んできた給仕にアーリアのことを聞いてみる。評判はよくもなく悪くもない。食料支援について感謝しているが、大商人カミネテの存在のほうが大きいようだ。
逃亡犯のうち一人が、昨日ここでミオレスカと同じ料理を食べたようである。
(街の中心部にある小高い丘に建てられているのが、大商人の屋敷……。まるで城に住まう領主気取りだな)
鳳凰院は魔導バイクで流しながら街の様子を頭の中に入れていく。大商人の名はカミネテで、問屋稼業が主な生業のようだ。
街を二周したところで、魔導バイクが売れている店舗を訪ねてみた。
「いいバイク、乗ってるね。売らないかい? 高く買うよ!」
「気に入っているんでね。ところで――」
店員に逃亡犯の写真を見せたところ、パーツを買いに来たことがある客だという。あまりに横柄な態度だったので、店長が出禁にしたらしい。
「パーツを半額以下で売れと脅してきたり、暴れたり、散々な客だったんだ。乗っていたバイクは盗品に違いないよ」
逃亡犯二人がどこからバイクを手に入れたのか、店員は不思議がっていた。
「真っ当そうなところは聖導士のロニやディーナに任すとして。どんなに襟を正した街でも、こういうところは必ずあるものだ」
レイアは歓楽の場に足を運んだ。男女が色や酒、暴力に狂い、下品な声をあげている一角へと。
(見つかるのはアスタロト派の残党か、あるいはミリアのいっていた他の派閥か?)
殴り合いの勝者に賭ける見世物小屋に入り、カウンターでの軽めの酒を嗜んだ。
「あの獅子のような肩の刺青、変わっているな」
「あれはカミネテの用心棒、いや自警団のマークじゃよ。腕章でもいいらしいが、腕に彫っている奴が多いですな」
気が合った賭け事好きの老人に、いろいろと教えてもらう。歪虚崇拝者についてもそれとなく聞いてみたが、少なくとも表立った勧誘はしていないようだ。
「この街での崇拝の対象? わしは興味ないが、そういう人物がいるとしたらカミネテだな。こんなど田舎をわずか数年で、こんなに発展させちまったんだから」
会う方法はないかと訪ねてみると、老人にからかわれた。「奴は女好きだから、街中にやってきたとき、色目でも使ってみたらどうだ?」と。
ディーナはマール出立前にミリアから詳しい情報を聞きだしていた。
(酒場で酒に一緒とか、誘拐して無理矢理とか想像していたけど、違ったの。まさか炊き出しに洗脳の薬を混ぜていたなんて、卑怯ですの)
当時、食した人々の様子がおかしいとの通報で事態は発覚したようだ。特に腹立たしいのは善意の教会を利用したところだ。
(犯行現場と被害者から、黒幕の狙いが想像つくかもって考えたの。指示した人が絶対いると思うの)
ディーナはドスガの教会で行われていた貧しき者達への施しの場を訪ねる。
(とても濃い味付けのスープですの)
手伝いながら味見してみたものの、飲み薬が混じっているかわからなかった。少なくともシスター達から悪意は感じられない。
「これだけの施しを毎日二回なんて、大変ですの」
「カミネテ様がお金だけでなく、食材も寄付してくれるんです。あの方も昔孤児だったそうですよ。だから昔の恩返しがしたいと仰っていました」
ディーナはシスター達から事情を聞きだす。よく考えた末、ディーナはしばらくの間、
配給を手伝うことにした。
伯爵地絡みの依頼が初めての多由羅は、それを最大限に活かす行動をとる。
(わざわざここまで逃げてきたということは、ここに、その組織の手がかりがある可能性があるはずです)
敢えて仲間達との接触を避けてドスガの街中を彷徨い歩く。活気のある商人の街に潜んでいるであろう闇を探るために。
「あの、こちらでは仕事を募集していますか? 三日ほど働きたいのですが。あの、お金がなくて困っているんです。どうか!」
「人手不足だけど、そんなに短くちゃさすがに雇えないね」
職探しをしているうちに、商人側の事情もわかってくる。欲しいのは主に肉体労働に適した屈強な者達。体力には自信のある多由羅だが、見かけで判断されて雇ってはもらえなかった。
「あんたべっぴんさんだから、カミネテのお屋敷で雇ってもらったらどうだい?」
「女性の皆様は、そうしているのでしょうか?」
「女だけじゃなくて、あぶれた男も雇っているようだぞ。乱暴者を再教育して、逆に街を守る自警団の一員にしているんだ。犯罪も減るし、一石二鳥だろ?」
「丁寧に教えて頂いて、ありがとうございます」
多由羅は店主に礼をいってその場を立ち去る。宿屋に戻る途中、再教育という言葉が気になって仕方がなかった。
●
魔導バイクの特徴や写真を見せての目撃情報から、三日目には逃亡犯二人の足取りが絞られていった。
(顔を隠しているなんて、怪しいですの)
教会にいたディーナは、深くフードを被る怪しい人物を見かける。その者はパン入りの籠をシスターから奪って、黄色い魔導バイクで逃走した。
ディーナは速攻で仲間に連絡。そして法輪「精霊馬」を発進させて、パン泥棒が跨がる黄色い魔導バイクを追いかける。
「あのバイクの人物か?」
「まだ証拠はなくて、パン泥棒に過ぎないの。せめて顔が観れたら」
ディーナは魔導バイク「バルバムーシュ」で合流した鳳凰院と連携した。適度な車間距離をあけて、相手に気づかれないよう細心の注意を払う。
辿り着いたのは街の中心部から外れた空き地だった。そこに建てられていた小屋へとパン泥棒が入っていく。見張っていると、馬に乗った仲間達が駆けつける。
「小屋には二人いますね。暗くて顔まではよくわかりません」
ミオレスカは双眼鏡を構えて、窓から覗ける小屋の中を確かめた。
「逃走犯が使った、もう一台のバイクが見当たらないな。青かったと報告書にあったはずだ」
「よし、小屋の近くにちょうどいい建物があるな。ここは私に任せてくれ」
ロニと話し終わったレイアが腰を屈めて、小屋に隣接する三階建ての建物へと近づいていく。
壁歩きを活用して建物の壁面をのぼっていき、小屋の屋根上に移っていた。そして小屋内の二人の会話に聞き耳を立てている。その内容は彼女が持っていた無線を通じて、他の仲間達にも届けられた。
『肩の怪我はどうだ? ほら、早くパンを食っちまえよ。後で他の食いもんも持ってきてやるからよ』
『ありがとうよ。大分よくなってきた。それにしても飲み薬の計画が失敗するとはな。うまいやり方だと思ったんだが。奴らを真似たのが失敗の原因だったんだろうか……』
『急ぎすぎたせいだろう。奴らはゆっくりと時間をかけてやっているからな。まあ、このパンを少しぐらい食っても問題ないぐらいの、薬の薄さだし』
『背に腹はかえられねぇしな。ま、説教さえ聞かなきゃなんとかならぁな』
『やり直すには、あの雑魔の株分けの苗をもう一度手に入れないと。あの屋敷に忍びこむの、大変だったんだが』
『前と同じ手は通じないだろうな。しかし、どうにかしてやり遂げたい! アスタロト様だけが俺達の主なのだから』
無線から流れてくるやり取りを聞いたハンター達は、誰もが驚きの表情を浮かべる。重要な情報がいくつも含まれていたからだ。
「お話から察するに、教会は善意で貧しい人々に施しをしているようです。ですが食材は大商人のカミネテ様の支援だとディーナが仰っていましたし……、怪しく感じられます。それと私が聞いた限りでは、自警団に入った乱暴者の性格が変わったとか。どれも洗脳の飲み薬が関係しているような」
多由羅と同じことを誰もが想像したようである。特にディーナは顔を真っ赤にして、怒りを露わにしていた。
「元々、歪虚の新派閥が領内に葡萄樹雑魔を持ちこんだ。汁を材料にして歪虚崇拝者を増やすために。その計画知って焦ったアスタロト派が、雑魔の株を盗みだして栽培。パクリ作戦を実行しようとしたのだが、焦りすぎて大失敗。そんなところなのだろう」
「ということはだ。カミネテは新派閥。つまり歪虚崇拝者の新しい元締めなのか? 今のところ牙を隠しているだけで」
鳳凰院とロニが口にした疑問を確かめるためには、逃走犯二人の捕縛が必須だ。
レイアが仲間の元へと戻り、役割分担が決められていく。そのとき小屋から激しい物音が。気づかれたと判断して、急遽小屋への踏み込み作戦が実行に移される。
「伏せるか隠れろ!」
小屋の窓向こうの輝きに気づいたレイアが叫んだ。刹那、小屋の中から銃撃が。余程薄いのか壁を穴だらけにして銃弾が飛んできた。
「せめて……!」
遠方で待機していたミオレスカが、野外に駐車中の黄色い魔導バイクを狙撃。ところが走れないようにしたはずなのに、排気音が響き渡る。小屋の扉を破りながら現れたのは、青い魔導バイクだ。跨がっていた二人は、写真の逃亡犯で間違いなかった。
「やはりあいつらか」
「逃がしませんの!」
鳳凰院とディーナは魔導バイクで後を追う。他の仲間達も愛馬で追走を開始する。
「あいつらは街の外へ向かっているはずだ!」
ロニは一旦愛馬を停めて、仲間達に方針を伝えた。逃亡犯二人はドスガで目立ちたくないのか、銃撃を控えている。やがて門を潜り抜けてドスガから脱出。枯れた草原を疾走した。
鳳凰院とディーナが先回りして、青い魔導バイクを自由に走らせない。
ディーナはもセイクリッドフラッシュの輝きで攻撃。鳳凰院はソウルトーチで逃亡犯二人の気を引く。そうこうするうちに馬で駆ける仲間達が追いついた。
草原では遠慮無く銃弾がばらまかれる。ハンター達は怯むことなく、逃亡犯二人を追い詰めていく。
「お前達の仲間は既に捕まえたぞ」
レイアは青い魔導バイクに衝撃波を放った後で、カマをかける。
「そろそろ捕まったほうが身のためです」
多由羅は次元斬で空間を切り裂いて逃亡犯二人を脅した。二度目は外さないと、瞳の輝きで訴えながら。
様々な攻撃が効いたのか、青い魔導バイクの動きは鈍くなっていた。
「充分な枯れ草が広がるこの一帯なら、転倒しても大丈夫でしょう」
ミオレスカは草原にぽつりとある岩の上に立って、大火弓を構える。狙い定めて放たれた一矢は、青い魔導バイクの後輪に命中。土埃をまきあげながら派手に転倒する。
こうして逃亡犯二人は、ハンター達の手によって捕まえられた。
●
マール到達まで、逃亡犯二人には黙秘を貫かれた。それでも小屋での会話は充分な収穫になる。ハンター一行は城のアーリアとミリアに直接報告した。
「みなさんの想像通りのことが、おそらく過去に起きたのだろう。一番の懸念は大商人カミネテの正体か」
「さすがに証言だけで、どうこうするわけにはいきませんの。ただ、ディーナが教会から持ってきたパンには、例の飲み薬が混入していましたの。極々少量でしたが」
アーリアとミリアは、次の一手を考えるとのことである。豪華な食事と広い風呂でゆっくりと休んだ一行は、翌日帰路に着いたのだった。
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相談卓 ひりょ・ムーンリーフ(ka3744) 人間(リアルブルー)|18才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/12/27 12:49:27 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/12/27 09:47:42 |