• 東幕

【東幕】雨過天晴

マスター:猫又ものと

シナリオ形態
イベント
難易度
易しい
オプション
参加費
500
参加制限
-
参加人数
1~25人
サポート
0~0人
報酬
普通
相談期間
6日
締切
2019/04/03 19:00
完成日
2019/04/17 06:42

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●あなたのいない世界
 ――差し込む茜色の光が目に染みる。
 見慣れた自室の天井は、吹っ飛んで半分程になっている。
 狐卯猾にゲートを開く舞台にされ、攻撃を受けた龍尾城は半壊。スメラギの寝室もその被害を受けた。
「……この光景、前にも見たよな。あれは獄炎と戦った時だっけか。なぁ、紫……」
 当たり前のようにいいかけて、気付く。
 名を呼んだところで、あの男は現れない。
 城の地下で、龍脈に流れた負のマテリアルを身を張って止めたのだ。
 無事でいるはずがない。
 解っている。解っているけれど――。
 崩れた城のに大きく差し込む茜色。それは歪虚王、九尾獄炎を倒したあの日と同じで……。


 ――九尾討伐、誠に大義でございます。本当に、本当に、よく頑張りました。きっと先代も、お歴々のスメラギ様も、あなたを誇らしくお思いになられるでしょう。

 ――それが私の最後の契約。スメラギ……あなたに我が魂の片鱗を託しましょう。力を継承し――そして役割を引き継ぐのです。世界の……星の守護者として……。


 あの時は、獄炎を封じるために放った術の反動で、本気で死にかけた。意識こそ回復したが、足は二度と動かないかもしれない……というほどのダメージを負った。
 そんな自分を背負って歩いた紫草。
 自分に生きる為の力を分け与えて消えて行った黒龍。

 ――みんな、みんな。自分を遺して消えて行く。

 狐卯猾に蹂躙された結果、大規模に破壊された天ノ都。そこに勝利の余韻はない。
 町は静かに佇んでいる。こんなところまであの日と一緒か。

 ……こんな時だからこそ。笑っていなくてはならない。
 こんな時だからこそ、盛大に勝利を祝わなければならない。
 これから自分がしなくてはならないことは、涙を流すことではない。
 笑って笑って――死んでいった者達の戦いが無駄ではなかったと証明する。
 幸せに過ごしていると。胸を張って歩き続ける。
 それが、エトファリカの死生観であり流儀。

 強がりで笑うのは慣れている筈なのに。
 何度もそうしてきた筈なのに。
 ――自分は今、上手く笑えているのだろうか。
「……紫草」
 絞り出すように呟いたスメラギ。
 夕焼けが目に染みて、痛くて……。

 ――……? ……――。

 囁くようなその音に、帝はまだ気づいてはいなかった。


●雨過天晴
「皆さん、スメラギさんから招待状が来ていますよ」
 人が多く集まるハンターズソサエティ。ソサエティ職員、イソラが手紙を持ってハンター達に歩み寄る。
「招待って何の話だ?」
「先日の憤怒王分体狐卯猾討伐や、東方の治安維持に努めたハンターさん達にお礼がしたいとかで、慰労会を開かれるそうです。そこに皆さまを招待したいとのことですよ」
「……ああ、そういうことね」
 手紙を広げながら笑顔で続けたイソラに、ハンターも笑顔で頷く。
「スメラギさん達の方でお食事やお飲み物は用意されているそうですが、差し入れも歓迎だそうです。……あと、今回は献花台を設置するので、故人の労を労ってやって欲しいって書いてありましたよ」
 手紙を読み上げるイソラに、目を伏せるハンター達。
 東方という国は若干変わった死生観があり、大変な目に遭った時こそ笑うとかで、こういった時も盛大な宴を催すのだが……流石に今回は街の被害も、犠牲者も多く、ただただお祝いする……というのも憚られたのだろう。
 暗い雰囲気になった彼らに、イソラはアワアワとしながら続ける。
「あ、あの。今回は九代目詩天さんもいらっしゃるそうですよ! 皆さんにお礼がしたいと仰っていたそうです」
「そっか。真美さんも来るんだね」
「……それじゃ、お邪魔するなら差し入れとお花を用意した方がいいかな」
「そうね。スメラギも今回ばかりは落ち込んでいるでしょうし……」
「何か元気が出るもの持っていけるといいね」
「はーい。それでは、参加される方はこちらに署名お願いしますねー」
 ぽつりぽつりと語らうハンター達。イソラの声がオフィス内に響く。


 まだ、残された課題は色々とあるけれど、ひとまずの区切りはついた。
 戦いを制し、勝ち残ったことを祝おう――。
 ハンター達は、スメラギが示した会場へと足を運ぶのだった。

リプレイ本文

 戦いを経て、気付けば東方は桜の季節を迎えていた。
「……すごいの。こんな時でもお花は咲くの」
「はい。命の力を感じますね」
 桜の花を見上げるディーナ・フェルミ(ka5843)とフィロ(ka6966)。
 2人は献花台に花を供えた後、戦勝会に参加している人達のフォローに回っていた。
 ――慰労会に参加している人達は、穏やかに飲んだり食べたりしているものが殆どだったが、時折献花台で泣き崩れたり、深酒をし過ぎたのか具合が悪くなったりする者も少なからず存在したのだ。
 哀しい時に笑えと、苦しい時こそ立ち上がれと。
 この国はそうやって、今まで数々の苦難を乗り越えて来たのだろう。
 それは解っているけれど……それでも。それが出来る強い人ばかりではない。
 そういった人達に寄り添えたらいいと、ディーナもフィロも思う。
「……さて。お酒もお食事も減って来たようですね。私運んで参りますね」
「はいなの。私も酔いつぶれた人介抱してくるの。これでも聖導士なの!」
「それは助かります。お願いしますね。……と、ディーナさん、ちょっとお待ちください」
 フィロに呼び止められ、振り返るディーナ。フィロが出して来たハンカチで流れるように口を拭かれてキョトンとする。
「失礼しました。汚れていらしたものですから」
「あっ。そうだったの? ここのご飯美味しくてつい沢山食べちゃったからかもなの」
「美味しく食べられる事は良い事ですよ」
「ありがとなの。ひと段落したら、フィロさんも一緒にご飯食べるの」
 ニコニコしているディーナに笑顔で頷くフィロ。
 ――人々の悲しみに、心の悲鳴に寄り添いたい。
 明るく過ごす事も、その一つになるだろうか。
 そしてもう1組、せっせと給仕に勤しむ者達がいた。
 エステル・ソル(ka3983)と雲雀(ka6084)、三条 真美(kz0198)である。
 ちなみに3人共メイド服姿だったりする。エステルが青、雲雀が赤、真美が黄色の色違いで愛らしい。
 エステルに提案を受けた雲雀は……。
「メイドさんですか? いいですねー」
 ……などと軽くOKしたのであるが。
 良く考えてみたら……いや、良く考えなくても真美は九代目詩天。貴人である。
 そういった立場のものがそんな恰好で、しかも給仕をするのは如何なものかと心配したのだが、エステルはその辺りすっぽ抜けていたようで――。
 慰労会の会場内、友人であるハンター達の前でのみという条件で何とか許された。
「ところで、真美ちゃん。これ受け取って欲しいのです」
 エステルに言われて小首を傾げる真美。袋の中に大金が入っている事に気付いて目を丸くする。
「エステルさん、これは……?」
「これは真美ちゃんの意思で使えるお金です。人助けに役立てながら、お金の勉強をして欲しいのです」
 笑顔で袋を差し出すエステル。真美は申し訳なさそうにしながらも口を開く。
「申し訳ないですが、こちらは受け取れません。流石に額が大きいですし、武徳も気にすると思いますので」
「え。でも……武徳さんにはきちんとお話するですよ?」
「お気持ちは嬉しいのですが、武徳は今近隣諸国との和平などに心を砕いています。不透明な献金と思われる事は避けたいのです」
 そう言われてしょんぼりするエステル。
 彼女としては深い意味はなく、ただ単に真美にお金の使い方を覚えて欲しかっただけなのだが……。
 周囲はそうは受け取ってくれない可能性がある、という事なのだろう。
 大人の世界は難しい……!
 真美は励ますようにエステルの手を取った。
「お金の使い方を覚えればいいんですよね? それじゃあ、今度一緒にお買い物に行きましょう。エステルさんが私のお金の使い方を監視して戴ければ安心ですし」
「ああ、それがいいです。エステルは何に使うのかも決めずに大量購入したりしましたから、変なモノ買おうとしたらすぐに気づくですよ」
「ひ、ひばりちゃん! あれは違うです! 量を見誤っただけです……!」
 雲雀から思わぬ暴露話をされて慌てるエステル。
 真美が笑って続ける。
「その時は雲雀さんも是非一緒に……」
「分かったです。ご一緒するですよ」
「皆で一緒にお買い物です!」
 笑顔で指切りをするをする3人。
 思わぬ次の約束が出来て嬉しい。
 更に、真美がお金の使い方を覚えてくれたらもっと嬉しい!
 この先も、沢山嬉しい事が増えて行ったらいいと思う。


 そして、慰労会で一際注目を集めていたのは、百鬼 一夏(ka7308)と十色 エニア(ka0370)の2人の舞姫達だった。
 桜の樹の下で舞う2人は、まるで桜の精霊のようで……もっとも、一夏にそう言えば『私はヒーローのつもり』と答えるだろうし、エニアは死神のつもりだったのだが。

 故郷の正装に身を包み、シャン……と鈴を打ち鳴らす一夏。
 ――これは、彼女の故郷に伝わる鎮魂の舞だ。
 これには死んだ者の魂を鎮めるだけではなく、残された者の悲しみも鎮める力があると信じられてきたものだ。
 その伝承が本当かどうかは分からないけれど……せめて、悲しみに沈む人に届くように。
 明日からは前を向けるようにと願いを込めて……。
 そして、自分の力が至らぬばかりに死なせてしまった人に謝罪と――安らかな眠りを祈願しながら、高らかに舞う。
 ――私はもっと強くなって、これからもヒーローを目指します。仲間の思いも命も無駄にしないように……!
 だからどうか、見守っていて下さい……。
 一夏の切なる願いが込められた舞は、ますます熱を帯びて行く。

 そしてエニアは、白いドレスをたなびかせ、赤い靴で――少しおどけて、でも悲し気にステップを踏んでいた。
 エニアは今、『死神』だ。
 リアルブルーに居た頃に読んだ小説に、白い服に赤い靴の死神が出て来た。
 ちょっと泣き虫で、魂を送る際には踊っている……そんな変わり者の死神の話だった。
 ちぐはぐな感じが何だか自分に似ている気がして、ずっと覚えていた。
 
 ――わたしのはただの自称だけれど、それでも。これがわたしのやり方。
 どうか死んだ人達が、行くべきところへ辿り着けるように。
 その旅路が穏やかであるように。
 祈りを込めて踊りましょう。
 一つの戦いが終わった今だって、運ばれる魂はあるのだから……。

 ――最期の瞬間、近くにいられなくてごめんなさい。

 声に出さぬ謝罪は舞となり、見るものの心を魅了し、癒して行く。


 星野 ハナ(ka5852)はスメラギ(kz0158)の元を訪れると、単刀直入に切り出した。
「貴方をどうしようもなく傷つける事を言いに来ましたぁ」
「あ? 何だよ。藪から棒に」
「紫草様を探していただきたいんですぅ」
「……何でそんな事気にするんだ?」
「歪虚になられたら困るからですぅ。紫草様が異界の門の楔として向こう側でご存命中なら絶対助けに行かなきゃなりませんしぃ」
「……紫草は城の地下で、門に流れ込む負のマテリアルを身を持って止めた。直接ゲートを閉じた蓬生ならまだしも、紫草があっち側に行ってる可能性はねえだろうよ」
「そうですかぁ。……亡くなっているならあの方が人として終われた事をきちんと表して、歪虚に持って行かれないよう祀って守る必要があると思いますぅ」
「紫草は探したいとは思ってるが、今の東方にそんな余力はねえ。更にはあいつの身体が残ってる保証もねえ。……普通なら蒸発しちまってる。そこは理解してくれ」
 頷くハナ。見つからなかった場合は、矢張り祀る必要があるだろうか……。
 そんな事を考えていた彼女の耳に、絞り出すようなスメラギの声が届いた。
「……あいつはこの国の犠牲になった。歪虚になる程恨んでるなら……俺様の命くらいくれてやるよ」
 ハッとするハナ。
 傷つけるような事を言う。それは解ってはいたけれど……傷口に塩を塗り込むような形になってしまったのではないか。
 これ以上声をかけるのも躊躇われて、彼女は目を伏せた。


「スメラギさん、こんにちはー!」
 元気に手をぶんぶんと振りながらやってきた宵待 サクラ(ka5561)に、スメラギもおう、と手を挙げて応える。
「あのね! 今日は報告があって来たんだよ」
「ん? なんかあったのか?」
「去年スメラギさんに許可を貰って持ち帰った桜の苗木があったでしょ。それをね、同盟にある学園の丘に植えたんだ」
 目を輝かせるサクラ。
 移植された桜の苗木は大事にされて、すくすくと成長した事。
 そこには精霊が住んでいて、聖導士を目指す子供達も毎日お詣りするという精霊に優しい環境であったからか、咲いた桜が準精霊化した事。
 たまにではあるが、大精霊に近しい人たちに憑依して、自分の意志を伝えに来てくれるようになった事。
 そして今、学園に植えられた桜が見頃を迎えている事――。
「本当に綺麗な桜なんだよ。いつかスメラギさんが時間が取れたら、学園の丘の桜を見に来てくれないかな。今は勿論そうだし、これからもずっと忙しいだろうとは思うけど……貴方が西方へ繋いでくれた物がどうなったか、見て欲しいんだ」
「おう。そのうちお邪魔させてもらうぜ」
「やった! 精霊様や学園の皆にも伝えておくね!」
 笑顔になるサクラ。嬉しい約束が一つ増えた。
 この約束が帝にも希望になればいいと思う。


「私はタチ……じゃなくて紫草さんを探すよ。きっとこのままじゃ先へ進めないだろうから」
 天竜寺 詩(ka0396)の決意に目を見開くスメラギ。少し考えた後に口を開く。
「……どんな形でも構わねえから、出来れば見つけてやってくれ。今の東方はあいつを探してやるほどの手間は割けない」
「うん。そうだよね。解ってる。……何か分かったら、すぐ知らせるから」
「ああ、頼む」
 頷くスメラギに、眉根を寄せる詩。
 ――本当は、彼も紫草を探しに行きたいんだろうと思う。
 けれど、それは許されないから――。
 それにあの人は私にとっても大切な人。だから、探したい……。
「……なあ、詩」
「何?」
「紫草さ、今まで山程縁談あったんだぜ。それなのに『スメラギ様を差し置いてそのような事は出来ません』とか言って全部断りやがんの。そんな義理立ていらねーつーのにな」
「……紫草さんらしいよね」
「まあなあ。もしあいつ見つけたらさ、今度はちゃんと捕まえとけよ」
「そう、だね……」
 ――スメラギには自分の気持ちがバレていたのだろうか。
 どこまでも生意気な弟だなぁ……。
 不意に熱くなった目頭を誤魔化すように、詩は空を見上げた。


「……東方の酒も悪かねえな。ほら、お前らも飲めよ」
 誰もいない桜の樹の下で盃を傾けるアニス・テスタロッサ(ka0141)。
 並べた2つの盃に、酒をなみなみと注ぐ。
 ――一つは反撃を託すために命張って逝った奴の分。
 もう一つは、そいつの敵討ちを成し遂げて、静かに胸を張って逝った奴の分。
 ……いい奴ほど早く死ぬ、と言ったのは誰だったか。
 世の中は不条理だ。
 いつ死んでもいいと思っている自分が生きていて、まだ沢山の未来があった奴が死んでいくなんて……。
「何度も死に損なってんだよなぁ……。こりゃ、無様晒してでも生きろって事かねぇ……」
 ぼやくアニス。ひらりひらりと舞う桜の花弁が、『そうだ』と言いたげに盃に落ちる。
「……ったく。俺はお前らの命を背負って生きる資格なんかねーのに。そうしろってのか? 冗談じゃねえや」
 煙草に火をつけたアニス。
 ――この先、どうしたらいいのか。何をしたらいいのかはよく分からないけれど。
 あいつらに顔向けできないような事だけはしたくない……。
 立ち上る紫煙が桜の花に溶けていくのを、彼女はじっと見つめていた。


「スメラギ様、お茶お持ちしましたよ。ご飯ちゃんと食べてます?」
「おう」
 お盆にお茶請けとお茶を乗せてやってきたアシェ-ル(ka2983)。
 スメラギは、彼女からバツが悪そうに目線を外す。
「……この間は急に呼び出して悪かったな」
「いえ。いいんですよ。一度呼んだら、もう呼ばれないって事はないですよね!?」
「あ? お前嫌じゃねーの?」
「嫌だったら側室になるなんて言いませんし! これからも遠慮せずに呼んで下さい! 沢山側室抱えて下さっても大丈夫ですよ! 全員とお友達になる自信あります!」
「お前なー……」
 ズバッと言い切った彼女に苦笑する帝。
 彼女の明るさに救われているのは事実だが、頼り過ぎるのも如何なものかと――。
 そんな事を考えていた彼。不意に呼ばれたような気がして振り返る。
「どうかしました?」
「え。今呼ばれなかったか?」
「私には聞こえませんでしたが……」
「マジで? 最近よくあるんだよな……」
「もしかして、黒龍の声だったりしませんかね」
「ハァ?」
「国の問題を片付けたら、黒龍を探す番ですし! 丁度いいですね!」
「いやいや。探すっつったって再誕してるかも分かんねーのに……」
「だってその声、私には聞こえませんし。スメラギ様にしか聞こえないって言ったら黒龍の可能性がダントツじゃないですか! 調べてみませんとね!」
 どんどん話を進めていくアシェールに、スメラギは小さくため息をついた。


 天ノ都の地下龍脈に降り立った十 音子(ka0537)は、暗闇の中でため息をついた。
 立花院 紫草(kz0126)が消えたとされる場所は、正確には分かっていない。
 負のマテリアルの汚染が酷く、調査しきれていないとは聞いていたが、ここまで酷いとは……。
「お役に立てなかったみたいっすね。申し訳ねっす」
「いえ。仕方ないですよ」
 申し訳なさそうに言う神楽(ka2032)に首を振る音子。
 ここに来る前に、神楽の手によって唯一残されていた紫草の鎧を調査してみたのだが……残念ながら残滓を見つける事は出来なかった。
 どういった形であれ、僅かでも彼が残っていれば……と思ったのだが。ここで見つけるのも難しいようだ。
 静寂に満ちた龍脈。紫草はここで独り何を思ったのだろうか。
「……紫草さんは凄いっすね。俺には真似できねっす。ただもう少し俺達を頼って欲しかったっすよ」
「あいついっつもそうなんだよ。ちったあ後の事も考えろっつーのな」
 神楽のぼやきに頷くスメラギ。そうだ……と呟いて彼を見る。
「お前、本当に良かったのかよ」
「何がっすか?」
「金だよ! 金!!」
 暗い龍脈に木霊するスメラギの声。神楽は今回の宴の参加費と称してポンと500万Gを差し出したのだ。
「良いから渡したっすよ。余ったら復興支援に回してくれっす」
「余るに決まってんだろ!? お前富豪かよ!?」
「別に富豪じゃねーっすけど、支援感謝符持ってる俺は領主みたいなもんだから気にしないで欲しいっす」
 カラカラと笑う神楽。事情を察した音子が淡々と続ける。
「ああ、貰っておくといいですよ。いくらあっても足りなくなるでしょうし。私もこれから借金返済ですよ」
「音子さんもハンター稼業で稼げばすぐじゃないっすか」
「そーだといーんですけどねー」
「どこも大変なんだな……」
 軽く言う神楽に肩を竦める音子。しみじみと言うスメラギの肩を、彼女がポン、と叩く。
「とりあえずここは浄化した方が良さそうですね。さ、若者。頑張りなさい」
「そーっすね。今後の為にも手配するっすかね」
「そーだな。城の地下が汚染されてんのは笑えねーわな」
 他人事のように言う音子。明るく言う神楽に、帝はもう一度頷く。
 今後の為に、やる事は山積みだ。それでも、一歩一歩、進めて行かねばならない。


 桜の樹の下に設置された献花台は、色とりどりの花で埋め付くされていて……沢山の人達が、亡くなった人を悼みに来たのだと分かる。
 鳳城 錬介(ka6053)とユリアン(ka1664)は花をそっと供えると、静かに手を合わせ……ミィリア(ka2689)もそれに続く。
 黙って、花々を睨み付けている銀 真白(ka4128)に気付いて、ミィリアが首を傾げる。
「真白、どしたの? お花供えないの?」
「……勿論供えるとも」
 歩み寄り、ぎこちない動きで花を置いた真白。
 ――正直、花を供えられているこの状況が許せない。
 ……どうしてあの人がここにいないのか。
 仕方がないと分かってはいる。あの人は自分の務めを精一杯果たしたのだと。
 それでも、割り切れなくて――。
 残された事を少し恨みに感じる自分に未熟さを感じて、真白は唇を噛む。
 沈黙を破るように、錬介は空を仰いだ。
「皆、逝ってしまいましたね……」
「そうだね……」
 呟くユリアン。
 牡丹、正秋、瞬……それから、数えきれない幕府や朝廷の兵の方々。
 ユリアンの妹と真白は、偶然にも正秋の父をも看取った。
 命に優先順位はないけれど、前を向く人ほど、必要な人ほど先に逝ってしまう様に思えて……。
 人を遺し逝くその重みを、こんな形で思い知ってしまった――。
「……ミィリア、頑張るよ」
 ぽつりと呟き、えへへと笑うミィリア。頭上で咲き誇る桜を見上げる。
 そうだ。一度散った桜は、今年も綺麗に元気に咲いている。この花のように、また前に進んで行けると思う。
 皆が守った人達が、皆が切り開いてくれた未来で笑ってくれていると、そう思うから……。
「悲しい事、つらい事。忘れるんじゃなくって胸に抱えたままだけど。そんな強さは、皆がいたからこそ貰えた強さだよね。きっと」
「そうですね。共に戦場を駆けた人がいなくなるのは寂しいですが、思い出まで消える訳ではありませんから」
 錬介の呟きに頷くユリアン。
 そうだ。彼らと過ごした日々は楽しかった。
 おおいに笑う事は出来なくても、『ありがとう』の言葉を乗せれば少しだけ笑みは浮かべられる――。
 仲間達の話を聞いていた真白も、手を握り締めたままこくりと頷いた。
「……そうだな。私達は、生きなくては……」
 ――人は必ずいつかは死ぬ。
 昔はそれが恐ろしく泣いた事もあったが……兄は、死しても残るものがあると教えてくれた。
 その時は漠然と聞いていた言葉だったが、それは真実だったと今は思う。
 だって、あの人はまだ、真白の心の真ん中に位置している――。
 この思いも、生きて行けばいずれは昇華される日が来るのだろうか……。
 そんな事を考えていた真白の顔を、ミィリアがガシッと掴んで上を向かせた。
「真白、話そう!」
「……何をだ?」
「真面目でがんばるお侍さんとか、めっちゃくちゃ失礼な事ばっか言うお侍さんとか! いっぱいお話ししよう、皆の事! ちょっと真白聞いてる?」
「聞いてはいるが、頭を抑えられていては頷けないぞ……」
「あっ。ごめん。そうだった」
 慌てて真白を離すミィリア。そんな彼女に、ユリアンがくすりと笑う。
「話すと供養になるっていうし、良いんじゃないかな」
「どうせだったら、東方の復興計画についてもお話したいですね。先の長い話になりそうですし」
「そうだね! 話そう! 沢山! よーし! 食べよう! 飲もう!」
 錬介の提案に腕を回して張り切るミィリア。彼もくつりと笑って彼女の背を追う。
「慰労会に顔を出しましょう。スメラギ様や真美様にもご挨拶しませんと」
「そうだね。行こう、真白さん」
 ユリアンの声に頷く真白。
 彼女は献花台を振り返り、その光景を目に焼き付けて――その後は一度も振り返る事なく、仲間達と共に歩いて行った。


「アルトさん。お友達が亡くなったんでしょう? 僕の胸貸しましょうか」
「ありがとう。間に合ってるよ」
 レギとアルト・ヴァレンティーニ(ka3109)のやり取りに苦笑するアルスレーテ・フュラー(ka6148)。
 アルトは懐から包みを出してレギに差し出す。
「レギ君。この間誕生日だっただろう? これあげるよ」
「覚えててくれたんですね! 嬉しいなあ」
 包みの中身を確認したレギ。サッと顔色が変わって彼女を見る。
「……セトさんの遺品だよ。ずっと渡そうと思ってたんだけどね。遅くなってごめん」
「……いいえ。ありがとうございます」
 ドックタグと手帳を大事そうに抱えるレギ。そこにアルスレーテがツナサンドと紅茶を並べる。
「私からはこれよ。はい、高級ツナサンド。お茶も入ってるから飲みなさい」
「わあ、ありがとうございます!」
 早速ツナサンドを頬張るレギ。アルトはその顔を覗き込む。
「ねえ、レギ君。エンタロウの事なんだが……何か奴の恥ずかしいエピソードとか知らないか?」
「恥ずかしい話限定ですか?」
「別に限定しなくてもいいんだけど。あいつ、戦闘中に私のスカートめくって来るくらいだし、変な話の1つや2つあっても不思議じゃなさそうかなって」
 アルスレーテの補足にうーんと考え込む彼。暫し考えていたものの、思いつかないのか申し訳なさそうな顔をする。
「分からないならいいのよ。無理しないで」
「すみません……。どちらかというと兄の方がエンタロウさんに叱られてましたし」
「ああ、セトさんならそうかもね……」
 レギを宥めるアルスレーテ。彼の言葉に、アルトは苦笑して続ける。
「じゃ、オーロラという名前に覚えはないかな」
「……聞いた事ないですね」
「エンタロウと親しい女の子とかいなかった?」
「それなら、養女しようとしてた子がいたって。そんな話を兄が……」
 顔を見合わせるアルトとアルスレーテ。レギに更に質問を重ねる。
「……その子は今どうしているか知ってる?」
「詳しくは知らないんですが、確か亡くなったんじゃなかったかな……」
 ――エンタロウはオーロラを『あの子』と言った。
 王と眷属というよりむしろもっと近い関係――元から知り合いなのではないかと思ったが。
 もしその子が『亡くなっていなかった』としたら……?
 難しい顔をしている2人に、レギが首を傾げる。
「お役に立てる情報ありました?」
「うん! 色々教えてくれてありがとう。情報料は何がいいかな?」
「じゃあ、僕のお姫様の笑顔ください。写真で」
「分かったわ。ちょっと可愛い写真隠し撮りしてきてあげるから待ってなさい」
「……!? あっ。えーと。ハンターになって、何か心配事とかないかな? 年数はともかく密度なら結構あるから相談に乗れるよ」
 アルスレーテの爆弾発言に慌てるアルト。
 誤魔化すように、レギに先の話を振った。


 スメラギと真美を労い、菓子を差し入れた志鷹 都(ka1140)は独り、献花台へとやってきていた。
 三つの花とお茶を供え、犠牲者の為に祈る。

 ――生まれ故郷での戦で多くの命が喪われた。
 ……私は力になれたのだろうか。大切な故郷を、民を守る為に。
 ため息をつく都。茶に映る己の顔を静かに見つめる。

 ――全ての涙は地を潤す慈雨となり、人々の想いは未来をつくる種となる。
 戦火に焼かれ、汚染された故郷に、再び綺麗な緑と花、笑い声が咲くよう。
 虹の彼方へ旅立っていった人達が安心できるよう。
 哀しい事があった今年も桜が咲いた。来年も、この光景が見られるように。
 痛みも悲しみも全て胸に、故郷と人々の傷に寄り添い歩んでいきたい……。
 癒やしの手を持つ事。この国に生まれた事は、私の誇り。

 この地は必ず蘇らせる。――だからどうか、貴方達の魂が安らかな眠りにつけますように。
 頭を垂れた都。その上に、さらさらと花弁が降り注いだ。


 献花を終えて、真美の姿を探していた七葵(ka4740)。
 主がよもやメイドの恰好をしていると思わず、一瞬固まる。
「真美様、良くお似合いですが……その恰好は?」
「これはその……! エステルさんにお願いされて……!」
「ああ、そういう事。似合ってるよ。でも君みたいに立場のある子が給仕なんてしてていいの?」
「流石にこの恰好で市井に出る訳にいきませんけども……これも社会勉強の1つかなって」
 アワアワと慌てる真美に笑みを返す龍堂 神火(ka5693)。
 東方の状況や青の世界の凍結で心が重かったが、彼女を見ていると何だか心が軽くなる気がする。
 七葵は小さくため息をつくと、徐に切り出した。
「真美様、少し宜しいでしょうか?」
「何でしょう?」
「自分は詩天に尽くすと誓った身ですが、東方の現状を考えると拝領の話を受けるべきなのではと悩んでいる次第で……」
「七葵が詩天近くの土地を管理して下さるのなら助かります。武徳にも何かと苦労をかけてしまっていますから……」
「左様にございますか……。しかし、やはり自分は真美様の事が気がかりでして……」
「私が頼りないばかりに七葵に心配をかけてしまっていますね」
「……! とんでもございません! 真美様は頼もしくなっておられます」
 眉根を寄せる真美に慌てて言い添える七葵。それを黙って聞いていた神火が口を開く。
「じゃあ、僕が近くにいて、真美さんのお手伝いをするのはどうかな」
「……神火殿がですか?」
「うん。歪虚との戦いが終わったら、東方に行くのも良いなって思ってるんだ。移住か留学がいいかなーって。七葵さんが安心できるなら詩天でもいいかな。僕も安心だし」
「それは嬉しいです。救国の士が滞在するとなれば、民達も喜びます」
 神火の未来の話に目を輝かせる真美。ふと、思い出したように顔を上げる。
「……神火さん。お見合いの話は、正式にお断りします」
「え、そうなの?」
 首を傾げる神火に頷く真美。七葵も腕を組んで考え込む。
「その話を持ち掛けて来た征夷大将軍も不在となった。帝に権力が集中している今、婚姻などという事になれば真美様の御身も危ない。それに、詩天独自の自治を目指したい水野殿にとっては、その話は歓迎できないという事なのだろう」
「ああ、なるほど。そういう事か……」
「はい。……ですので、婚約者のフリをして戴かなくて大丈夫になりますから。今まで申し訳ありませんでした」
「いいのいいの! 別にそれ、撤回する気もないし」
「えっ? どうしてですか?」
「だってほら、詩天は表立って帝の支援をしているでしょ。その立場を狙って見合いの話が来るかもしれないし。それに、その方が僕にとって都合が……いやいや。とにかく、いつでもお手伝いするから!」
 不思議そうな真美に誤魔化すように早口で続けた彼。
 何でだろう。見合いの話を断ると言われて、喜んでしまった自分がいる。
 求婚した話も撤回しなければ、もっと近くで力になれる――と。
 いや。でもそれじゃ、彼女の手札ではないのでは……?
 考え込む神火。
 彼自身、その感情が何であるのか気づいておらず……機微に疎い七葵も残念ながら一切気づいていなかった。


 スメラギの自室。破れた天井から覗く空をキヅカ・リク(ka0038)とスメラギはぼんやりと見上げていた。
「……九尾討伐の後の戦勝会だっけ。その時もこんな風に話したよね」
「そうだったか?」
「そーだよ。あれからお互い……遠くに来たもんだよね」
 ここまで来るのに、色々なものを喪った。
 守れたものはほんの一握りで、零れ落ちて行ったモノも多いけれど。
 それでも、ここで立ち止まる訳にはいかないから――。
「あの時、僕が聞いた事、覚えてる? 本当の名前、何ていうのって」
「俺様はスメラギだぜ。それ以上にはなるがそれ以下になるつもりはない」
「ああ、そう言ってたね。でも、それはもう過去のものにしないといけないんじゃないのかな」
 ――変わらなきゃいけない。
 君も、僕も。
 口で言うのは簡単だけどね……。
 そう続けたリクに、スメラギは赤い双眸を向ける。
「……暁丸。目が日の出みたいな色してっから、死んだお袋がつけたって紫草に聞いた」
「そーなんだ。……いい名前だね」
「暁ってな昇る太陽だ。沈むのは許されねえんだ。何があっても」
 自分に言い聞かせるような帝の声。リクは黙って頷く。
「……リク、手伝えよな」
「勿論。これでも守護者なんだ。ちょっとは箔もつくだろ?」
 ニヤリと笑う2人。コツリと拳を突き合わせて――。


 1人静かに献花を終えた鞍馬 真(ka5819)は、スメラギを訪ねていた。
 ――無理をして強がっているのが傍目でも分かって、大人としてどうしても放っておく事が出来なかったのだ。
「やあ。調子はどうだい?」
「おう、真。まあボチボチだな。最近は書類の処理が遅いって朱夏にドヤされてばっかりだ」
「そうかー。手伝える事があればと思ったけど、それは難しそうだなぁ」
 頭をボリボリと掻く帝に、乾いた笑いを返す真。
 ……こういう日常でも、喪ったものの大きさを痛感しているに違いない。
 こうやって気を遣われる事も、彼は嫌がるかもしれないけれど……。
「……書類もそうだけど。これからは戦い以上に大変な事も多いだろう。私には、君の重圧はあまり分からないし、代わる事も出来ないけど……君は帝であると同時に、一人の人間である事も忘れないでね」
「でもさ。俺様は『スメラギ』だ。俺様がそうなるって決めた。……だから、少なくとも俺様個人は、今必要ねえんじゃねえのかな」
 苦しげに呟くスメラギを、まじまじと見つめる真。
 徐にバチコーンと人差し指で帝の額を小突く。
「あだ!!? 何すんだ!」
「危険な考え方を追い払おうと思ってね。誰かを頼れるような立場ではない事も理解はするけど。個を喪っていい理由にはならないよ」
「でもよ……」
 グダグダと続けようとしたスメラギ。真は、そのままそぉい! と帝を布団に叩き込む。
「……早く寝なさい。そんな考え方をするという事は疲れてるんだろうから」
「待て待て。俺様にはまだやる事がだな……!」
「今日くらい早寝したって国はなくならないよ。はい寝た寝た。何なら子守歌でも歌おうか?」
「うっせ! 子供扱いすんな!!」
「ああ、それは失礼した。じゃあおじさんの余計なお節介だと思って受け入れてくれ」
「おじさんってお前まだ若いだろ!?」
 しれっとしている真にズバズバと切り返して行くスメラギ。
 ――彼の私室から、久しぶりに明るい声が響いていた。

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参加者一覧

  • 白き流星
    鬼塚 陸(ka0038
    人間(蒼)|22才|男性|機導師
  • 赤黒の雷鳴
    アニス・テスタロッサ(ka0141
    人間(蒼)|18才|女性|猟撃士
  • 【ⅩⅧ】また"あした"へ
    十色・T・ エニア(ka0370
    人間(蒼)|15才|男性|魔術師
  • 征夷大将軍の正室
    天竜寺 詩(ka0396
    人間(蒼)|18才|女性|聖導士

  • 十 音子(ka0537
    人間(蒼)|23才|女性|猟撃士
  • ボルディアせんせー
    ボルディア・コンフラムス(ka0796
    人間(紅)|23才|女性|霊闘士
  • 母のように
    都(ka1140
    人間(紅)|24才|女性|聖導士
  • 抱き留める腕
    ユリアン・クレティエ(ka1664
    人間(紅)|21才|男性|疾影士
  • 大悪党
    神楽(ka2032
    人間(蒼)|15才|男性|霊闘士
  • 春霞桜花
    ミィリア(ka2689
    ドワーフ|12才|女性|闘狩人
  • 東方帝の正室
    アシェ-ル(ka2983
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • 茨の王
    アルト・ヴァレンティーニ(ka3109
    人間(紅)|21才|女性|疾影士
  • 部族なき部族
    エステル・ソル(ka3983
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • 正秋隊(雪侍)
    銀 真白(ka4128
    人間(紅)|16才|女性|闘狩人
  • 千寿の領主
    本多 七葵(ka4740
    人間(紅)|20才|男性|舞刀士
  • イコニアの騎士
    宵待 サクラ(ka5561
    人間(蒼)|17才|女性|疾影士
  • 九代目詩天の想い人
    龍堂 神火(ka5693
    人間(蒼)|16才|男性|符術師

  • 鞍馬 真(ka5819
    人間(蒼)|22才|男性|闘狩人
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミ(ka5843
    人間(紅)|18才|女性|聖導士
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナ(ka5852
    人間(蒼)|24才|女性|符術師
  • 流浪の聖人
    鳳城 錬介(ka6053
    鬼|19才|男性|聖導士
  • 笑顔を守る小鳥
    雲雀(ka6084
    エルフ|10才|女性|霊闘士
  • お約束のツナサンド
    アルスレーテ・フュラー(ka6148
    エルフ|27才|女性|格闘士
  • ルル大学防諜部門長
    フィロ(ka6966
    オートマトン|24才|女性|格闘士
  • ヒーローを目指す炎娘
    百鬼 一夏(ka7308
    鬼|17才|女性|格闘士

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ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/04/01 13:50:13