ゲスト
(ka0000)
【東幕】雨過天晴
マスター:猫又ものと

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在25人 / 1~25人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2019/04/03 19:00
- リプレイ完成予定
- 2019/04/17 19:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
●あなたのいない世界
――差し込む茜色の光が目に染みる。
見慣れた自室の天井は、吹っ飛んで半分程になっている。
狐卯猾にゲートを開く舞台にされ、攻撃を受けた龍尾城は半壊。スメラギの寝室もその被害を受けた。
「……この光景、前にも見たよな。あれは獄炎と戦った時だっけか。なぁ、紫……」
当たり前のようにいいかけて、気付く。
名を呼んだところで、あの男は現れない。
城の地下で、龍脈に流れた負のマテリアルを身を張って止めたのだ。
無事でいるはずがない。
解っている。解っているけれど――。
崩れた城のに大きく差し込む茜色。それは歪虚王、九尾獄炎を倒したあの日と同じで……。
――九尾討伐、誠に大義でございます。本当に、本当に、よく頑張りました。きっと先代も、お歴々のスメラギ様も、あなたを誇らしくお思いになられるでしょう。
――それが私の最後の契約。スメラギ……あなたに我が魂の片鱗を託しましょう。力を継承し――そして役割を引き継ぐのです。世界の……星の守護者として……。
あの時は、獄炎を封じるために放った術の反動で、本気で死にかけた。意識こそ回復したが、足は二度と動かないかもしれない……というほどのダメージを負った。
そんな自分を背負って歩いた紫草。
自分に生きる為の力を分け与えて消えて行った黒龍。
――みんな、みんな。自分を遺して消えて行く。
狐卯猾に蹂躙された結果、大規模に破壊された天ノ都。そこに勝利の余韻はない。
町は静かに佇んでいる。こんなところまであの日と一緒か。
……こんな時だからこそ。笑っていなくてはならない。
こんな時だからこそ、盛大に勝利を祝わなければならない。
これから自分がしなくてはならないことは、涙を流すことではない。
笑って笑って――死んでいった者達の戦いが無駄ではなかったと証明する。
幸せに過ごしていると。胸を張って歩き続ける。
それが、エトファリカの死生観であり流儀。
強がりで笑うのは慣れている筈なのに。
何度もそうしてきた筈なのに。
――自分は今、上手く笑えているのだろうか。
「……紫草」
絞り出すように呟いたスメラギ。
夕焼けが目に染みて、痛くて……。
――……? ……――。
囁くようなその音に、帝はまだ気づいてはいなかった。
●雨過天晴
「皆さん、スメラギさんから招待状が来ていますよ」
人が多く集まるハンターズソサエティ。ソサエティ職員、イソラが手紙を持ってハンター達に歩み寄る。
「招待って何の話だ?」
「先日の憤怒王分体狐卯猾討伐や、東方の治安維持に努めたハンターさん達にお礼がしたいとかで、慰労会を開かれるそうです。そこに皆さまを招待したいとのことですよ」
「……ああ、そういうことね」
手紙を広げながら笑顔で続けたイソラに、ハンターも笑顔で頷く。
「スメラギさん達の方でお食事やお飲み物は用意されているそうですが、差し入れも歓迎だそうです。……あと、今回は献花台を設置するので、故人の労を労ってやって欲しいって書いてありましたよ」
手紙を読み上げるイソラに、目を伏せるハンター達。
東方という国は若干変わった死生観があり、大変な目に遭った時こそ笑うとかで、こういった時も盛大な宴を催すのだが……流石に今回は街の被害も、犠牲者も多く、ただただお祝いする……というのも憚られたのだろう。
暗い雰囲気になった彼らに、イソラはアワアワとしながら続ける。
「あ、あの。今回は九代目詩天さんもいらっしゃるそうですよ! 皆さんにお礼がしたいと仰っていたそうです」
「そっか。真美さんも来るんだね」
「……それじゃ、お邪魔するなら差し入れとお花を用意した方がいいかな」
「そうね。スメラギも今回ばかりは落ち込んでいるでしょうし……」
「何か元気が出るもの持っていけるといいね」
「はーい。それでは、参加される方はこちらに署名お願いしますねー」
ぽつりぽつりと語らうハンター達。イソラの声がオフィス内に響く。
まだ、残された課題は色々とあるけれど、ひとまずの区切りはついた。
戦いを制し、勝ち残ったことを祝おう――。
ハンター達は、スメラギが示した会場へと足を運ぶのだった。
●あなたのいない世界
――差し込む茜色の光が目に染みる。
見慣れた自室の天井は、吹っ飛んで半分程になっている。
狐卯猾にゲートを開く舞台にされ、攻撃を受けた龍尾城は半壊。スメラギの寝室もその被害を受けた。
「……この光景、前にも見たよな。あれは獄炎と戦った時だっけか。なぁ、紫……」
当たり前のようにいいかけて、気付く。
名を呼んだところで、あの男は現れない。
城の地下で、龍脈に流れた負のマテリアルを身を張って止めたのだ。
無事でいるはずがない。
解っている。解っているけれど――。
崩れた城のに大きく差し込む茜色。それは歪虚王、九尾獄炎を倒したあの日と同じで……。
――九尾討伐、誠に大義でございます。本当に、本当に、よく頑張りました。きっと先代も、お歴々のスメラギ様も、あなたを誇らしくお思いになられるでしょう。
――それが私の最後の契約。スメラギ……あなたに我が魂の片鱗を託しましょう。力を継承し――そして役割を引き継ぐのです。世界の……星の守護者として……。
あの時は、獄炎を封じるために放った術の反動で、本気で死にかけた。意識こそ回復したが、足は二度と動かないかもしれない……というほどのダメージを負った。
そんな自分を背負って歩いた紫草。
自分に生きる為の力を分け与えて消えて行った黒龍。
――みんな、みんな。自分を遺して消えて行く。
狐卯猾に蹂躙された結果、大規模に破壊された天ノ都。そこに勝利の余韻はない。
町は静かに佇んでいる。こんなところまであの日と一緒か。
……こんな時だからこそ。笑っていなくてはならない。
こんな時だからこそ、盛大に勝利を祝わなければならない。
これから自分がしなくてはならないことは、涙を流すことではない。
笑って笑って――死んでいった者達の戦いが無駄ではなかったと証明する。
幸せに過ごしていると。胸を張って歩き続ける。
それが、エトファリカの死生観であり流儀。
強がりで笑うのは慣れている筈なのに。
何度もそうしてきた筈なのに。
――自分は今、上手く笑えているのだろうか。
「……紫草」
絞り出すように呟いたスメラギ。
夕焼けが目に染みて、痛くて……。
――……? ……――。
囁くようなその音に、帝はまだ気づいてはいなかった。
●雨過天晴
「皆さん、スメラギさんから招待状が来ていますよ」
人が多く集まるハンターズソサエティ。ソサエティ職員、イソラが手紙を持ってハンター達に歩み寄る。
「招待って何の話だ?」
「先日の憤怒王分体狐卯猾討伐や、東方の治安維持に努めたハンターさん達にお礼がしたいとかで、慰労会を開かれるそうです。そこに皆さまを招待したいとのことですよ」
「……ああ、そういうことね」
手紙を広げながら笑顔で続けたイソラに、ハンターも笑顔で頷く。
「スメラギさん達の方でお食事やお飲み物は用意されているそうですが、差し入れも歓迎だそうです。……あと、今回は献花台を設置するので、故人の労を労ってやって欲しいって書いてありましたよ」
手紙を読み上げるイソラに、目を伏せるハンター達。
東方という国は若干変わった死生観があり、大変な目に遭った時こそ笑うとかで、こういった時も盛大な宴を催すのだが……流石に今回は街の被害も、犠牲者も多く、ただただお祝いする……というのも憚られたのだろう。
暗い雰囲気になった彼らに、イソラはアワアワとしながら続ける。
「あ、あの。今回は九代目詩天さんもいらっしゃるそうですよ! 皆さんにお礼がしたいと仰っていたそうです」
「そっか。真美さんも来るんだね」
「……それじゃ、お邪魔するなら差し入れとお花を用意した方がいいかな」
「そうね。スメラギも今回ばかりは落ち込んでいるでしょうし……」
「何か元気が出るもの持っていけるといいね」
「はーい。それでは、参加される方はこちらに署名お願いしますねー」
ぽつりぽつりと語らうハンター達。イソラの声がオフィス内に響く。
まだ、残された課題は色々とあるけれど、ひとまずの区切りはついた。
戦いを制し、勝ち残ったことを祝おう――。
ハンター達は、スメラギが示した会場へと足を運ぶのだった。
解説
さて、今回は事件ではありません。
東方は天ノ都の一角で催される、慰労会をお楽しみください。
狐卯猾の討伐や東方の治安を守る為に尽力されたハンター様は是非お越し下さいませ。
飲むもよし、食い倒れて戴くもよし、楽しく踊るのもよし、今まであったことをしみじみと語り合って戴くもよしです。
また、今回の戦いは武家や公家に沢山の死傷者が出たことから、献花台が置かれています。
お花を供えて、静かに故人を悼んで戴くこともできます。
スメラギが皆さんへの労いにお食事や飲み物を用意していますが、差し入れも歓迎です。
真美も何か持参するつもりのようです。
■同行者の指定
同行する人がいる場合【同行者のフルネームと番号】を冒頭に記載してください。
例:【同行者】スメラギ(kz0158)
複数いらっしゃる場合は【チーム名】でご指定戴いても大丈夫です。
同行者がいらっしゃらない場合は、お一人でいらっしゃっている方と一緒に書かせて戴くことがあります。
希望されない方は【単身希望】とお書き添え下さい。
■NPCの同行
皆さまの案内役としてスメラギと真美が同行しています。
武徳は所用があるため不在です。
バタルトゥとイェルズは怠惰王対応で忙しくしている為今回は来られません。
レギは呼ぶことができます。
■その他
白紙は描写できませんのでご注意ください。
猫又の都合でプレイング〆切までの日程が1日ほど伸びております。ご注意ください。
東方は天ノ都の一角で催される、慰労会をお楽しみください。
狐卯猾の討伐や東方の治安を守る為に尽力されたハンター様は是非お越し下さいませ。
飲むもよし、食い倒れて戴くもよし、楽しく踊るのもよし、今まであったことをしみじみと語り合って戴くもよしです。
また、今回の戦いは武家や公家に沢山の死傷者が出たことから、献花台が置かれています。
お花を供えて、静かに故人を悼んで戴くこともできます。
スメラギが皆さんへの労いにお食事や飲み物を用意していますが、差し入れも歓迎です。
真美も何か持参するつもりのようです。
■同行者の指定
同行する人がいる場合【同行者のフルネームと番号】を冒頭に記載してください。
例:【同行者】スメラギ(kz0158)
複数いらっしゃる場合は【チーム名】でご指定戴いても大丈夫です。
同行者がいらっしゃらない場合は、お一人でいらっしゃっている方と一緒に書かせて戴くことがあります。
希望されない方は【単身希望】とお書き添え下さい。
■NPCの同行
皆さまの案内役としてスメラギと真美が同行しています。
武徳は所用があるため不在です。
バタルトゥとイェルズは怠惰王対応で忙しくしている為今回は来られません。
レギは呼ぶことができます。
■その他
白紙は描写できませんのでご注意ください。
猫又の都合でプレイング〆切までの日程が1日ほど伸びております。ご注意ください。
マスターより
お世話になっております。猫又です。
狐卯猾討伐お疲れ様でした。……ということで、慰労を兼ねた追悼シナリオをお届けします。
皆様のご協力のお陰で【東幕】連動、ひとまずの区切りを迎えることが出来ました。
東方の話をやりたい、という思いつきから始まった話を運営さんや近藤SD、赤山MSにご協力戴き何とかここまで持って来ることが出来ました。
ディブという枠を超えた連動でしたが、色々なMSさんと協力できたことは良い経験となりました。
関わって戴いたPCさん、MSさん全てに厚く御礼申し上げます。
……何ていうとこれで最終回みたいですけど、事後連動はまだまだ続くんじゃよ!!
それでは皆様のご参加、心よりお待ちしております。
狐卯猾討伐お疲れ様でした。……ということで、慰労を兼ねた追悼シナリオをお届けします。
皆様のご協力のお陰で【東幕】連動、ひとまずの区切りを迎えることが出来ました。
東方の話をやりたい、という思いつきから始まった話を運営さんや近藤SD、赤山MSにご協力戴き何とかここまで持って来ることが出来ました。
ディブという枠を超えた連動でしたが、色々なMSさんと協力できたことは良い経験となりました。
関わって戴いたPCさん、MSさん全てに厚く御礼申し上げます。
……何ていうとこれで最終回みたいですけど、事後連動はまだまだ続くんじゃよ!!
それでは皆様のご参加、心よりお待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/04/17 06:42