• 血断

【血断】死体になど芽吹くものか

マスター:ゆくなが

シナリオ形態
ショート
難易度
難しい
オプション
参加費
1,500
参加制限
-
参加人数
3~7人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2019/06/19 12:00
完成日
2019/06/28 10:04

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 死体に芽吹くくらいなら、仇花でいい。
 もしかしたら、クリュティエ(kz0280)の思考とはそういうものなのかもしれない。
 彼女は今、リゼリオにいた。
 リゼリオ、ハンターズソサエティ前。ハンターたちの本拠地の建物前である。
 今日は雨だった。
 傘を叩く雨粒の音が、それ以外の音をかき消して思考に没頭させてくれる。自分の呼吸の音とか、心臓の音とか、そんなものも雨音に埋もれてしまうのだが、歪虚たるクリュティエにそれらの生体音はないのだろう。
 彼女は、あのオフィスの扉からハンターたちが出てくるのを待っていた。
 経緯を語るには、少し時間を遡る。

●死体に花は咲くのだろうか
「彼らは邪神の討伐を選んだの」
 黙示騎士の居城たるサルヴァトーレ・ネロの展望室でバニティーが発した言葉に、クリュティエの胸はひやりと凍りついた。
「どう、して……?」
 声が震えていた。平静を装うように努めても、どうにもうまくいかなかった。
「それはハンターにしかわからないよ」
 バニティーは窓の向こうの星々を眺めながら、クリュティエと目を合わせずに言う。
「もし、気になるのなら……ハンターと直接話して答えを聞く以外ないんじゃないかな」
 淡々と、バニティーは言う。
「ハンターズソサエティはリゼリオにある。そこに行けば確実にハンターと話せると思うよ」
「でも……、負のマテリアルの影響はどうする? リゼリオは都市だ。無用な混乱を我は招きたくない」
「そこはわたしの虚飾の能力でどうにかしてあげる。2時間くらいは持続するはずだから、その間に話せばいいでしょ? 転移はテセウスに頼めばいい」
「……すまない。我は行ってくる」
「謝ることないよ。きっと、戦いが本格的になってしまえば──挨拶をする時間もないから」

●花が芽吹くには何が必要だろう
 かくしてクリュティエは、ハンターたちに会いにやってきた。
 無論、彼女はリゼリオの天気など知らないし傘など持っていない。傘を買う金銭もない。けれど、こうして傘で雨を避けているのは、オフィスに努めるまだ少女の面影のある職員が貸してくれたからだ。その職員は丁寧にタオルすら用意していた。雨に濡れたクリュティエに体を拭くことを勧めた。歪虚はきっと風邪をひかないのだけれど、少女の気持ちを無下にはできなかったのでクリュティエは大人しく、髪を拭いて服の水滴を払い、傘を受け取った。タオルを返すと、少女はお辞儀して、小走りにオフィスまで戻って行った。
 その少女の背中を見ながらクリュティエは思った。
「ああ──、奪うのはなんて嫌なことだろう」
 邪神討伐をハンターが決めた以上、この先には苛烈な戦いが待っている。それはクリュティエもわかっているし、ハンターだってそうだろう。
 クリュティエだってわかっている。ハンターは考えなしではない。邪神に抵抗することだって、考えた末に決めたことなのだろう。自分たちの世界に多大な被害が出るとわかっていて、決めたことなのだ。その覚悟は生半可なものではないはずだ。だからきっと──話したところで彼らの決定は覆らないだろう。
 わかっている。でも、やはり思ってしまう。どうして恭順してくれなかったのか。どうしても恭順の道はないのだろうか、と。
 でもきっと、ハンターは『未来』のために討伐の道を選んだのだ。
 会ったことのあるハンターたちは『未来』の話をしていた。でもそれがクリュティエにとってはよくわからなかった。
 確実にここある『今』ではなく、どうしてまだここにはない『未来』を信じられるのだろう。どうしてそれが希望に溢れたものだと言えるのだろう。
 だって、ハンターたちが選ぼうとしている未来は、犠牲の先にしかないじゃないか。それなら、今を続けてもいいじゃないか。
 邪神討伐で一体、どれだけの被害が出ることだろう。クリムゾンウェスト、リアルブルー、エバーグリーン。彼らが邪神を倒したのなら、邪神の中に記録されている世界だって犠牲になるのだ。クリムゾンウェストの何倍も、何億倍も、那由多を掛けても足りないような数の人々の願いがあそこには詰まっているのに。
 そんな犠牲を積み上げた丘の上で、蒼穹を仰いで大団円のつもりか。
 そんな犠牲を積み上げた大地に芽吹く花を、お前たちは美しいと言うのか。
 笑えない。全く──全く、笑えない。
 そんな花なら実も結ばずに枯れるがいい。そもそも、芽吹くに値しない。咲いた花が美しいから、必要な犠牲だった? 喪失が輝かせるものがあるだと?
 結局、見捨てたお前の力不足なだけだろう。犠牲を肯定するな。治らぬ傷を刺青みたいに見せびらかすな。失ったものはどうやったって戻らない。代替えは存在しない。だから、大切なんだろう。だから、大事なんだろう。だから、だから、だから──
「──失うことも、奪うことも辛いじゃないか」
 過日の戦闘で、人を斬った感触を思い出して、クリュティエは震えた。感触を上書きするように、傘の持ち手をぎゅっと握った。
「わかっている。……わかっているさ」
 それでもわかっていると言い聞かせる。この後に及んで、ハンターの決断は覆らないだろう。クリュティエがどんなに恭順を望んでも、きっと変わりはしない。
 だから、今日はゆっくり話す最後の機会なんだ。クリュティエはそう思うことにした。次に会ったら、戦うしかないだろうから。
 だって、戦わなければ邪神の中の、数多の世界が、人々が、願いが、消えてしまうのだから。
「わかっている。わかっている……」
 ──本当に、わかってる?
 呪文みたいに呟く言葉は、やはり雨音に散り散りになった。

●枯れた花もある、これから咲く花もある
 バニティーはまだ展望室で、クリュティエのいた場所を見つめていた。彼女はハンターの決断に関する大事な部分を意図的に言わなかった。
 ファーザーを毒電波から解放し、全宇宙と永遠は無理だけどひとつの宇宙として世界を再誕させること。そして、ハンターたちが黙示騎士を説得し味方にしようとしていることを。
 特に後者を言ってしまえばクリュティエは警戒するだろう。ハンターに会いに行くことすらしなかったかもしれない。そういう理由もあるけれど、なにより。
「これはあなたたちの決断。わたしは機会を作ったよ。だから、あとは──頑張れ、かな」

リプレイ本文

「雨、やみそうにないっすねぇ」
 庇から垂れる水滴の向こうには、雨が降り続いている。神楽(ka2032)はそんな空模様を見上げて呟いたのだった。
「この調子じゃ、夜まで降り続けるだろうな」
 そう言うのはボルディア・コンフラムス(ka0796)だ。
 ハンター達は今、リゼリオのとあるオープンカフェにいた。
 もちろんクリュティエ(kz0280)も一緒だった。

 ハンター達は彼女を説得するために、ハンターオフィス本部前からカフェへ場所を移した。今日は雨降り。なので室内に場所を移すことにしたのだが、オフィスというハンターの本部や密室では警戒されてしまうと考えたので、あるカフェへ入ることにした。カフェの店主もハンターの街リゼリオに店を構えているだけあって事情を理解してくれた。店を貸し切って人払いも済ませてある。

「クリュティエ、何か頼みますか?」
 Gacrux(ka2726)が隣に腰掛けているクリュティエにメニュウを渡す。
「いや、特に……」
「妾はパフェを頼むぞ」
 紅薔薇(ka4766)が言う。
「クリュティエ殿、金銭の心配はしなくて良い。妾達が支払う。だから、ここで少しでも良い時間が過ごせればいいと思うのじゃ」
「……」
「なんと、このパフェ、特上サイズがあるのか!? これはぜひ頼まねばならぬ! お主も一緒に食べたらどうかのっ」
「わかった。……食べてみる」
「うむ! では、頼むぞ! 他の者も注文は決まったかの?」
 ハンターはそれぞれ店員に注文を告げた。聞き取った店員は奥へ引っ込む。クリュティエを警戒させないため、またハンター以外を危険に巻き込まないためこの店の店員達にも可能な限り席には近寄らないよう言ってある。
「この選択に決まれば来るだろうと思っていた。そんな感じに、血相を変えて」
 アウレール・V・ブラオラント(ka2531)は静かにクリュティエを見ていった。彼はこんな日を予感していた。待っていたという感覚すらある。
「最初に聞きたいんすけど」
 と、神楽が言った。
「決戦前に神霊樹の情報をファナティックブラッドにコピーしたらどっちが勝っても世界の再誕で犠牲者が生き返ったりしないっす?」
「それは無理だろう」
 クリュティエが答える。
「邪神は対象を破壊するというプロセスを経て、宇宙を記録する。この世界の神霊樹のデータを邪神が手に入れたとするのなら、それは神霊樹を破壊したということだ。邪神は複製ではなく対象の切り取りしかできないのだ」
「あ〜、なるほどっす。てことは、邪神は何が何でもこっちに侵攻してくるってことっすね」
「恭順してくれればこのような事態にはなっていない」
「それについてなんすけど……」
 神楽は周囲のハンターに目配せした。
「……まずは話をするにあたって、俺らが何を決断したかを話した方がいいと思うんすけど、話しちゃってもいいすかね?」
「よいのではないか? このままでは話が噛み合わぬじゃろう」
 紅薔薇は最初から、これからの方針を話すつもりだったので神楽に同意する。そしてゆっくり話し出した。
「妾達ハンターは邪神の討伐を選択した。同時に、第4の選択肢を選んだのじゃ」

 神楽と紅薔薇はお互いの話を補完しながら、第4の選択肢について説明した。
 ファーザーを毒電波が苦しめていること。
 そのせいで宇宙の再誕が阻害されていること。
 毒電波の正体は反動存在……ルサンチマンであり、再誕を望まないモノ達の怨嗟であること。
 ハンターはファーザーをその毒電波から解き放ち、全ての宇宙は救えないがひとつなら宇宙を再誕させることができること。
 そして、邪神との決戦までに黙示騎士達を説得して味方に引き入れる計画であることを話した。

「というわけで、直球で言うがクリュティエよ妾達の仲間になれ。共に全ての世界を救うのじゃ!! ……と、正直いきなり言われても納得できんじゃろ。よって今から妾達はお主を全力で説得する、言葉の限りをつくす。その全てを聞いたのち、お主も自分の答えを出して欲しい」
「そうか……」
 クリュティエはハンターの決断に、少しだけ温かいものを感じていた。
「お前達の考えは嬉しい。『宇宙を再誕させようとすること』を考えてくれたことが嬉しい。でも……それでは全ては救われない」
 ハンターの選択は可能な限り犠牲を抑える方法だ。でも、完全に犠牲がなくなるわけではない。ハンターの作戦が成功すれば、宇宙を再誕させることは可能だろう。それでも、邪神の中に取り込まれた宇宙の全てが救われない限りクリュティエはその選択を肯定することはできない。
「そんなに犠牲を厭うなら、何故恭順しないのだ?」
「その選択肢を選ぶと思われてた方が意外ではあるんだが」
 リュー・グランフェスト(ka2419)がこたえる。
「前に剣を合わせて以来、か。変わんないみたいだな、クリュティエ。……お前の考えにはいくつか業腹に感じる事はあれ、それが誠意である事は受け取る。この機会だって、俺は素直に嬉しく思っている。俺も剣を抜くつもりはない」
 戦う気がないのはクリュティエも同様だ。リューは話を続ける。
「犠牲を出したくない。だから邪神に恭順してくれ、だったよな。けれど、それを聞いていたとしても俺の答えは変わらない。そもそも投票なんだから俺の意見もその中のひとつに過ぎない訳だけどな」
「犠牲を肯定するのか?」
「俺は犠牲を好んでるわけではない。でも、恭順する事は、今生きている事を、交わされた世界を守るという約束を、裏切るって事だ」
「だったら、その約束をしたものと共に永遠の今を生きればいいじゃないか」
「……精霊達が恭順なんて選択肢を選べる訳がない事は、わかってるだろう? 俺は……嫌だね。共にある精霊と、積み上げられた思いと、今生きている命を見捨てる事は決して出来ない」
 恭順を選んだ場合、大精霊との戦闘が予想された。【反影】での戦いを考えるに精霊との戦闘もあるのだろう。
「それで犠牲が無い選択肢なんて本当に言えるのか?」
「それでも、多くを救うにはそれしかないじゃないか」
 リューの言葉にクリュティエはたじろがない。
「いずれ全てがダメになるのなら、少しでも多く保存できるようにするしかないじゃないか。そのための恭順だ」
「そっすねぇ。でも」
 神楽はひょいっと立ち上がって、庇の末端まで歩いていく。そして両手を合わせて皿を作り、雨水を受け止めた。
「どんなに手をきつくあわせても隙間から水は零れ落ちるっす。仮に零れ落ちなくする事が出来ても既に零れて地に染み込んだ水を掬う事は出来ねっす」
 激しい雨は、神楽の両手に小さな水溜りをつくった。
「ファナティックブラッドが世界を再誕しても記録されてない精霊や弱者は存在しないっす。仮にファナティックブラッドが俺達の世界を全て記録できてもそいつが不要と消した記憶に存在した者、したはずの者はなかったことになってしまうんす。ファナティックブラッドが全てを記録する事を止めた時から誰も犠牲にしない事は無理なんすよ」
 そして、神楽は両手の皿を破断させて、溜まっていた水を全て地面に落とした。
「だから俺達に未来がいるんす。数多の犠牲は、多くの死は、無駄ではなく新たな命を産む為に必要だったと証明する為に。喪失を輝かせる為に俺達は更に屍を積み重ねてでも、屍の上に花を咲かせなくちゃいけないんっす……って、ちょっと熱くなったっすね。ごめんっす」
 手を振って水滴を落としている神楽に、ボルディアが「ほらよ」とおしぼりを投げてよこした。
「さんきゅっす」
 神楽はそれで手を拭きながら自分の席に戻る。
「クリムゾンウェストを今の状態のまま取り込んだとしても、欠落するものがある。それは我も知っている。でも、だからこそ恭順さえすれば最もデータ量の多い状態で保存作業に入れるのだ」
「ねぇクリュティエ……以前話をした時、喪う事の無い世界へ案内する事が出来るとするならって言ってたわよね」
 ここで口を開いたのはユーリ・ヴァレンティヌス(ka0239)だ。
「それってつまり……裏を返せば永遠に喪い続けるって事じゃない?」
「何故そうなる。今を続けていれば、喪うことなんてないだろう」
「『今』を永遠に続ける……とは、つまりは停滞だ。そして、その『今』が何処を指すかにもよるでしょう。それが、幸せなものであるなら、恭順を選ぶ者も居るとは思う。でも……」
「『今』は『今』だろう。保存されてしまえば、喪うことなんてない」
 ユーリは静かにクリュティエを見据えている。目と表情から視線を外さない。相手がどう考えているか見抜く必要があるから。
「終わりを永遠に繰り返し続ける『今』が、本当に喪う事の無いと……それが救いだと貴女は言い切れる? 確かに、全部喪えばそれ以上喪う事はないわね。でも……喪い続ける時点で、それを繰り返す時点で救いでも何でもない。それと、それを為すという事は、明日を生きようとする者達を犠牲にするのと同じだと気づいてる? その時点で、貴女の言ってる事は矛盾してるの」
「邪神が全てを記録できないのは知っている。我々だってこの世界にすでに犠牲を出しているのも知っている。でも、そうでもしないと失うものが多すぎるのだ。お前達の選択で、死にゆく一般人が本当に明日を望んでいたのか? 『今』が幸せな人々を犠牲にして掴んだ一部の人間が求めただけの明日はそんなに素晴らしいものなのか? 邪神に恭順すれば、きっと全ての世界は再誕する。それまでループする世界の中で新しいものは手に入れられないが、これ以上失うこともないじゃないか」
「ちょっと待てよ」
 リューはそのループの中に生きている人間について聞く。
「今まで取り込まれて来た奴らは皆が皆、諸手を上げてその言葉に納得して恭順したのか? お前達の力を前に絶望して受け入れたのではないのか?」
「確かに力でねじ伏せた世界もある」
 クリュティエが答える。
「だが、恭順を受け入れた世界だってある。彼らは安寧なる終末を過ごしている。とても静かで穏やかな世界だよ」
「でも、そいつらは邪神の中で歪虚になるわけだろう? 歪虚になった自分は、負のマテリアルに飲み込まれてその方向しか見なくなった自分は本当に俺と言えるのか? 歪虚となった者達と剣を交えるのはそういう事だ。死んだ瞬間に、存在はしても生きてはいない。別物になってしまった事が分かってしまう……それは幸福に生きてるって言えるのかな?」
「確かに生者は歪虚と相容れない。何故なら歪虚は生物からマテリアルを摂取しなければならないからだ。でも、邪神の中で争っている世界というのは、最後まで邪神への抵抗をやめなかった世界なんだ。彼らはループの中でも戦い続け、或いは自らの選択に絶望し人間同士で争ってもいる。最初から邪神に恭順しておけば、平和な世界を繰り返せる」
「でも、それは緩やかに死んでいるだけじゃないか」
「でも、記録するのならその方がよいだろう」
「のう、クリュティエ殿。反動存在についてはどう考えるのじゃ?」
 紅薔薇が宇宙の再誕を妨げている人の悪性について問いかけた。
「そもそも、お主はこのことを元から知っておったのか?」
「知っている。それだって救うべきものだ」
「それらが救われたくないと思っていてもか?」
「それが何故、救わないことに直結するのだ?」
 クリュティエの顔には、反動存在についての嫌悪も、彼らを救うことについての疑問も欠片もなかった。彼女にとっては、邪神の中にいる存在も、反動存在も、目の前のハンターも等しく救うべき対象なのだ。善も悪も関係ない、彼らがどう思っていようが関係ない。クリュティエが人間の形をしていても、このような思考をするあたり中身は確実に化け物なのだろう。
 ここで話が一旦途切れたからか、店員が注文した品々を運んできた。コーヒーや紅茶、そして紅薔薇とクリュティエの前にはもはや塔にしか見えないレベルの物理的高さを誇るパフェが運ばれてきた。旬の果物が使われており色彩は瑞々しい。
 店員が去ってから、今度はボルディアが話しはじめる。それを聞きつつ、紅薔薇はスプーンでクリームとアイスの塔を攻略にかかっていた。
「お前はさ、1人でも犠牲が出ること、助けられない人が、想いがあることが怖いんだよな。それは俺もよくわかるんだ。……俺もこの世界の人間を守りたくて守護者になったから。守りたい、そうは思う。でも、それでも人は死んでしまうんだ」
 全ての人間が全ての思いを抱いて永遠に生きていけることはできない。生のマテリアルの循環により駆動するこの世界も同様だとボルディアは語る。
「じゃあその死んだ人間は後世に何も遺せなかったのか? そんな事はない。親から子へ、友へ、恋人へ、家族へ、仲間へ……死んだそいつの想いは継がれる。たとえ俺が死んだとしても、俺の意志は誰かが継いでくれる。だから俺が死んでも俺の意志は消えねぇ」
「そうやって残るものがあるから、犠牲を許容しろと?」
「違うって。そうやって……いや、もしかしたらそうやってしか残せないものがあるのかもしれない。そうやって俺達の生命は続いてきたし、これからも続いていくんじゃねぇかな。クリュティエだって、古代の守護者の想いを継いだ存在だろ? お前の中に、カレンデュラ達の想いは生きてるだろうが」
「だからこそ、我は未来を拒絶し今を志向する。これが我を形作った守護者の思いだ」
「あー、うん。そうなるんだな……。でもさ、聞いておきたいんだけど、それじゃあダメなのか? いや、クリュティエを責めてるとかじゃなくそういう風に続くものがあるって話じゃ、お前は納得しないのか? ってことなんだけど」
「それはできない。我が望むのは存続ではなく、『復活』だからだ」
 邪神が取り込んだもの達の復活。それを望むからこそ信じているからこそ、クリュティエは行動する。
「なるほどな。……なあ、クリュティエ。それでも俺は言いたいんだ。俺等の提案は邪神内部の異世界を犠牲にして俺等の世界を残すってワケじゃない。異世界の想いを継いで生きていく世界を作るんだ。一緒に生きていくんだ。それに──永い永い旅で疲れ果てた異世界の奴等に生きる場所を与える作戦だ」
「──でも……それでは、救いきれない」
「おっと」
 テーブルから乗り出した紅薔薇がスプーンで、溶けて垂れだしたクリュティエのパフェのクリームを掬った。
「これ、クリュティエ殿。早く食べないと溶けてしまうぞ」
「……そうだな」
 クリュティエは言われるがまま、スプーンでパフェを食べ始める。
 Gacruxは彼女がこの世界の食べ物にまた食べ方に慣れているかどうか心配だったが、それは杞憂であった。仇花の記憶によるものか、あるいは紅薔薇の真似をして、少しずつ食べ進めていく。
「食べながらでよいから聞いて欲しいのじゃ。妾達ハンターの案でも世界の再誕は可能らしいのじゃ。もちろんそれには様々な困難を乗り越えなければならぬが、だからこそ協力して欲しいと思うのじゃ。ダメかの?」
 見捨てる世界がある限りそれできない、とクリュティエ。
「仮に妾達が恭順しても、反動存在がある限り再誕は不可能でもか?」
 それは……、
「実は『父』が世界再誕を諦めかけていてもか?」
 それ……でも……、
「妾達は『全てを見捨てないために』戦う道を選んだのじゃ。失敗を恐れ未来に繋がる道を諦める事が、何もかも見捨てて逃げ出す事と何が違うのじゃ!!」
 それでも、ひとつの宇宙の再誕では全ては救われない。だから我は逃げない。逃げていない。
「妾とて、邪神の中の世界を犠牲にして良いとか考えておらぬ。だからこその『第4の選択肢』なのじゃ。のう、クリュティエ殿、パフェは美味しいかの?」
 悪くない味だ、とクリュティエ。
「それはよかったのじゃ」
 にこっと、紅薔薇が年相応の笑顔を見せる。
「甘い物を食べるだけで人は幸せになれるのじゃ。じゃが、それすらもできぬ者達が邪神の中で永劫を繰り返しておる。それすらも救いたいと思うのは、人として『守護者』として間違っておるか?」
「間違ってない。我だって救いたいと思っている」
 クリュティエがぽつりと言った。
「でも、我は全てを救うのだ。そして永遠の『今』による喪失のない宇宙に辿り着きたい。それはそんなに間違いなのか?」
 クリュティエの言葉が途切れた。

 全てを救いたい。誰も彼も救いたい。
 邪神の行為を続けていればきっと、きっと──。

「そろそろ私も喋りたいところだが、私の心持は『説得』とは違うかも知れない」
 アウレールがカップをソーサーに優雅に戻した。
「理詰めでの交渉なら前にやったからな。同じことばかりでは芸がないだろう」
「覚えているよ、お前の話は」
「でも、貴女が行動を変えるには至らなかった。他人はそう簡単に変えられるものでも変わるものでもないのだろう。だから──ただ覚悟と思いの丈を告げようと思う。共感が生まれぬのなら、剣の意思もまた否定しない。全て己の願うままに、というわけだ。……最初に言ってしまうがね。私はある意味、貴女と同じように未来を信じられない」
「む、そうなのか?」
「実はね」
 クリュティエの素直な反応にアウレールは軽やかにこたえる。
「邪神の描くのは、クリムゾンウェストの吸収が全宇宙の再誕を齎すというお仕着せの未来だ。そしてアレは今でさえ不完全なものしか与えられない。あの中でループする世界……繰り返す絶望と苦痛、そこに生きる喜びはあるのか。先の見えない闇で無限に苦しみ続ける、それはきっと死より辛いのだろう。もし駄目だったら――それが私には恐ろしいのさ」
「意外だな。お前はもっと自信に満ちた奴だと思っていた」
「疑うからこそ開ける道もあるのさ。だから我々は代替案を示したのだ。それは先ほど言った通りだ。より確実な救済として、宇宙を統合し、ひとつの世界に再誕させる計画。……再誕とは即ち未来そのもの、変革を求めずにどうして辿り着けよう」
「邪神の中にいる者達のことを考えてくれた。それは我も嬉しい。でも、それでは足りない。お前達の再誕では『全部』と『永遠』が欠けている。それを見過ごすことはできない」
「我々の計画では、反転存在と戦うことになるだろう。そして、再誕のためにはそれを打ち倒す必要がある。彼らが救済を望んでいなくても、貴女はアレらすら救いたいと言うのか」
「当たり前だ」
 この時、理解したものもいるだろう。クリュティエは、救われたい者を救うのではない。自分が救いたいから救うのだ。相手の気持ちも顔も関係ない。善悪もない。救いたいから救うだけなのだ。
「──反動存在。誰もが心に抱え、戦わねばならぬ人の悪性。貴女の心もまた例外ではない。だが、それでも……少しでも多くを守りたいと願うなら、その結末は未来にしかないのだ」
「どうしてだろう」
 ため息のように吐き出された言葉は硝子片みたいな鋭さで、それでも誰に触れることもなく地面に落ちて砕けた。
「我も、お前達も、望んでいるものはそう変わらないはずなのに」
「……そうだね」
 それでも、砕けた欠片を拾い集めるように、アウレールがこたえる。
「私は、自ら描き掴み取ろうとする未来以外を信じない。気付いている筈だ、私と貴女の本当に欲しいものは同じだと。だが、貴女は『今』という定型に嵌め込まれた永遠を望み、私は変ることで続く未来を望んでいる。『続く』ことは同じだというのに」
「まあ、その点俺も同じだろうな」
 ボルディアもそんな未来を考えていた。
「俺等がいなくなっても、子供とか意志とかが世界に残ると思っている……そんな世界が残って欲しい。別に、悲観しているわけじゃない。でも……なんでこんなにぶつかり合っちまうのかな」
 もしかしたら、似ているからこそ、ぶつかってしまうのかもしれない。
「似ていると感じるのなら、同じだと思うのなら、貴女は尚更俺達の仲間になるべきでしょう」
 Gacruxが口を開いた。
「このままでは貴女の願いは叶えられないのだから」
「……何を言っているのだ、お前は」
「邪神の中の世界を見捨てられないと貴女は言う。でも、恭順を選んだところで、邪神内に保存スペースを確保する為に他の異世界と殺し合いが予測されていたのです。俺達の為に、貴女は他の異世界を犠牲にする事になったでしょう」
 クリュティエは眉を顰めた。
「邪神は記録機関である以上、保存した世界を消去することはない。もちろん、異世界間戦争で宇宙の優劣はつくだろうが、それに負けても勝っても、邪神のバックアップにより再びループが開始するだけだ。……それにお前達の為にだけに恭順を進めているのではない。戦いは無駄が多すぎるからしたくないだけだ。お前達もすでに邪神の中に在る世界も我の中では同列で、救うべき対象だ」
「その行動は古代、人間よりも大精霊を選んだ仇花達の後悔に由来するものですか? ……もう手離していいんですよ」
「確かに仇花の情念は我の基になっているが、我は後悔などしてない」
「死後マテリアルは星に還り命に生まれ変わる。記憶や願いは失うが……命ある未来をやり直せる」
「このクリムゾンウェストにはマテリアルの循環による輪廻転生の考えがあるのだろう。でも、それがなんだというのだ。我が望むのは『復活』だ。転生ではない。ただ『復活』を志向する」
「でも、貴女が囚われている記憶と『今』の状況は違うでしょう」
「自分を構成する要素によって決定を下すことは囚われていることなのか?」
「人間はカレンデュラが助け、今、俺達が存在しています。仇花の騎士達は人間も大精霊も見捨てていなかった。未来は繋がれていた。邪神は痛みの記憶しか見ないから辛かったでしょう。彼女の消滅の悲嘆も刻まれているのだろう……あの時も何もしてやれず、すまなかった」
「邪神の中には穏やかな世界もある。恭順により眠るように滅んだ世界だ。確かに争ってばかりの世界もある。それは邪神への抵抗を選んだからだ。だが、その世界が痛みと悲しみに満ちていたとしても、彼らを救わない理由にはならない。それに、カレンデュラは最後に大精霊と和解している。アレ個人の後悔は解消されている。お前はカレンデュラを、最後まで後悔の拭えなかった可哀想な奴とでも思っていたのか?」
「違う。そんなことは思っていない。それでも今、俺は貴女を想っている。俺は投票の時封印を選んでいた。邪神内の異世界を解放し、無力化後に最低コストで邪神を封印すれば此の世界も貴女も失わずに済むと考えた。俺の決断は貴女を選んでいた」
「……ならば、何故恭順を選ばない」
「反動存在によって、宇宙の再誕は叶わない。願いも忘れ、未来を否定し、怨讐に囚われた意思達が再誕を妨害している。数多の世界の嘆きに耳は傾けても、貴女を望む目の前の願いは見てはくれないのでしょう。再誕の道を選べば、俺達は対立せずに済むんです。確かに生きる事は辛い。貴女もまた俺を悲しませる。そして、貴女はまだ誰かの為に犠牲になろうとする。でも、もうそんなことはしなくていいんですよ」
「後悔を手離せば……か?」
「そうでしょう」
 クリュティエはどこか憐れみを含んだ瞳をGacruxに向けた。
「思えば、お前は出会った時からそうだった。お前と言う奴は『我』のことを見ていないんだな」
「そんなことはない。俺は、貴女に希望と幸福を──」
「我が絶望と後悔に塗れているとでも言いたげだな」
 静かに彼女はGacruxの言葉にこたえる。
「我は後悔などしていない。邪神の行為の果てに全てが救われ永遠の『今』が続くと言う希望を持っているから、こうして行動している。我は誰の犠牲にもなっていない。これはクリュティエという個体が選んだ行為の結果だ。我のことを選んでいる? 我のことを考えてるだと? だったら何故、お前は恭順を選ばなかったのだ……!?」
 ここに来て、やや不安定だったクリュティエの精神が傾いた。
「対立したくないと言いながら、どうしてこちらに来ないんだ? 我を傷付けたくないと言いながらどうして我が何で傷付くかを考えないんだ? 結局、お前は我をカレンデュラの代替品にしたいだけなんじゃないのか? ……我のことを考えていると言いつつ自分のことしか考えていないお前の言うことを、信じることはできない」
「でも、このままでは……貴女は独りになってしまう。貴女は独りではないのです」
「知っている。我は孤独ではない。黙示騎士という仲間がいる。そして、邪神の中にある世界の住民全てが仲間だ。だから、彼らを失いたくないんだ」
 一度言葉を区切ってから、クリュティエは不毛ではあるが決別に近い問いをGacruxに投げつけた。
「もし──、この場にカレンデュラがいたとして。お前は結局どちらを選ぶんだ?」
 Gacruxはクリュティエの心に寄り添いたいと思っていた。だからこそ、これ以上何も言えなかった。
「ちょっと〜、みなさん顔が厳しいっすよ〜。この後記念写真撮りたいと思ってるんすから、あまり表情筋を固めないで欲しいっす〜」
 いつも以上にへらへらした態度は、神楽が荒んだ雰囲気を回復しようとした結果だ。クリュティエもいつもの冷静さを取り戻す。
「えっと、そうっすね〜、あと俺が言いたいのは……、あ。クリュティエさん、今ここで俺達と決闘するってのはどうっすか!?」
「……何を言っている」
「決闘っすよ、決闘! そっちが勝ったら参加者の命を奪うといいっす。決戦の前にこっちの戦力を削れるなら文句ないっすよね? 俺達は自分達の決断に命を懸けるっす。お前はどうっす?」
 神楽の気軽な調子の中には真剣味が隠れている。冗談だけで言っているわけではないのだ。
「……今日はやめておこう。そうしたい」
「ん〜、なんかひっかかるっすね〜。俺にも何がってのはわからないんすけど……。でも、なんつーか、う〜ん、……うん、やっぱ俺じゃよくわからねっす! あ、そろそろ時間やばいんじゃないっすか? みなさん、写真撮りましょうっす〜」
 この時ばかりは店員を呼んで集合写真を撮ってもらった。カメラは、神楽の三下魔導カメラだ。撮影後、すぐに写真が現像される。
「はい、どうぞっす。またこんな風に話せたらいいっすね」
 クリュティエは神楽から受け取った写真をまじまじと見る。不思議だった。どうして彼等と戦わなくてはいけないのだろう。どうしてそうなってしまうのだろう。
「ねぇ、クリュティエ」
 ユーリはずっと落ち着いた。クリュティエが味方になることを決意しなくても、その穏やかさと隠れた芯の強さは変わらない。
「私は貴女に自分の信じるものを曲げろとは言わない。ただ……貴女はその為に、自分と異なる者達を犠牲にして為す覚悟はある? 私は有る。邪神に取り込まれた者達を犠牲にしなければ為せないなら、彼等を犠牲にしてでも成し遂げ、彼等の分まで生きる。それが……私なりの彼等への誠意だと思うから」
「誠意というのなら、最初から犠牲にしない道を選べばいい。でも、ユーリがそれをしないことは知っているつもりだ」
「そっか。……訊きたいんだけど、クリュティエは全ての世界が救われる再誕を信じてるんだよね?」
「……信じているさ。そうでなければ──戦場になど行くものか、殺す……ものか」
「私は貴女の信念を曲げろと言わない。簡単にできることではないと思うから。でも、それは本当に貴女の信念なの? 貴女が自分で決めたことなの? もしそうでないというのなら……私達はまだ、敵対するには早すぎるんじゃないかな」
「真剣に聞くけど、ファナティックブラッドの方こそ引く事は出来ないのか?」
 リューがそう問いかけた。
「破壊しない限り止まらないだろう。我も止まるつもりはない。全てを救うために」
「そうか……。わかった。答えてくれてありがとうな」
「帰るってことはテセウスが迎えに来るんだろ?」
 と、ボルディアが確認する。
「そうだ」
「……今すぐに返事をくれ、とは言わねぇ。他の黙示騎士を裏切ることにもなるだろうしな。だが今、他のハンター達が黙示騎士を説得してるハズだ。そいつらが俺らの話に協力してくれたら、改めてお前の考えを聞かせてくれ。やっぱり、俺達の決断にはお前の協力が必要なんだよ、クリュティエ。さっきも言ったが、俺達の考えは似ている。あと一歩、お互いが歩み寄ればきっと手を携えるはずなんだ」
「……」
 クリュティエの沈黙に紅薔薇が声をかけた。
「妾はお主に、自分の答えを見つけて欲しいのじゃ。お主にもいろいろあるのはわかっておる。でも、『お主自身』だけが出せる答えがあるはずじゃ」
「我だけの?」
「そうじゃ。お主の反動存在も救う、という思いは否定しない。けれど、それによって宇宙の再誕が妨げられていることから目を逸らしてはいけないと思うのじゃ」
「でも……それでは……それはつまり……」

 このままでは全てどころか、何も救えないのか──?

「ぁ──、傘」
 そこから意識を逸らすように、クリュティエが呟いた。ソサエティの職員から借りた傘のことだ。
「傘、返しておいてくれないか。ありがとうって伝えておいて欲しい」
「そういうことは貴女が直接伝えた方がいいと思うがね」
 アウレールが言葉を受け取った。
「……だが、もう、時間がない」
「そうか。今回は頼まれておくよ」
「……すまない」
「謝罪を受けるようなことじゃないさ」
 そして、最後にクリュティエはGacruxに向かって言った。
「今のお前の言葉を受け取ることも信じることもできない。それは我に向けられた言葉ではないと思うから」
「次会うのは、戦場ですか?」
「そうなるのだろうな」
 それでも最後の挨拶にはまだ、少しだけ時間がありそうだった。

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  • 龍奏の蒼姫
    ユーリ・ヴァレンティヌス(ka0239
    エルフ|15才|女性|闘狩人
  • ボルディアせんせー
    ボルディア・コンフラムス(ka0796
    人間(紅)|23才|女性|霊闘士
  • 大悪党
    神楽(ka2032
    人間(蒼)|15才|男性|霊闘士
  • 巡るスズラン
    リュー・グランフェスト(ka2419
    人間(紅)|18才|男性|闘狩人
  • ツィスカの星
    アウレール・V・ブラオラント(ka2531
    人間(紅)|17才|男性|闘狩人
  • 見極めし黒曜の瞳
    Gacrux(ka2726
    人間(紅)|25才|男性|闘狩人
  • 不破の剣聖
    紅薔薇(ka4766
    人間(紅)|14才|女性|舞刀士

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ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/06/13 23:54:11
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紅薔薇(ka4766
人間(クリムゾンウェスト)|14才|女性|舞刀士(ソードダンサー)
最終発言
2019/06/19 08:49:44