• 星罰

【星罰】しょくは必要だろう

マスター:石田まきば

シナリオ形態
イベント
難易度
普通
オプション
  • relation
参加費
500
参加制限
-
参加人数
1~25人
サポート
0~0人
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2019/10/09 19:00
完成日
2019/10/13 02:19

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●芋

 ごろごろごろごろごごろごろごろ。

「ここは厨房ではなく、訓練場です」
「まあ知ってるだろうなあ」
 どこか棒読みの副長テオバルトに、同じく副長モーリッツがくつくつと笑いながら答える。魔導トラックの荷台から転がり出てくる芋、芋、芋……!
 だだっ広いだけのはずの訓練場が、どんどんいもに埋め尽くされている。
 カミラがどこからか芋を運んでくるのである。何度も。……皆で三回を数えたところで、計測はテオバルトの仕事と気付いた部下達は皆いつもの業務に戻っていった。
 仕事なので仕方がないと理解はしているが、毎度芋の転がり落ちるさまをみなければいけないテオバルトとしては非常に納得したくない現象である。
 気付いた部下が机と椅子、更には風で飛ばないように重石付きの書類を持って来た時にはあきらめもついたのだけれど。
 なにせここは屋外だ。そろそろ涼しくなってきたとはいえ、吹き曝しで書類仕事というのも厳しいものがある。……慣らされてはいるのだけれども。
(そろそろでしょうか)
 頃合いを見計らって部下達を呼び集めるテオバルト。ちなみにカミラは(テオバルトの予想だと)最後の芋の搬入に向かっている。
「オフィスに手伝いを求める書類を出す人員と、簡易竈の設置面子を集めなさい。厨房にも器材や必要物資を確認するように」
「「「はいっ!」」」
 彼等が散っていった後、改めて芋の山と向き合う。
「……まったく、どうやってしまいこむつもりなのかと」
「それはお前さんだろう?」
 簡易竈の第一弾を運んで来たモーリッツが指摘する。
「わかってはいるんですけどね」
「じゃあやるしかねぇなぁ!」
 がはははは! 同僚の笑い声を聞きながら、この諦めにも慣れてしまったと小さくため息を吐くのだった。

●加工しよう!

「なににしろ、戦場食は必要だろう」
 というのが、今回のカミラの言い分である。
「日持ちする状態にすれば、今回使い切れずとも、備えておけるだろう?」
 にしたってギリギリ過ぎやしないか。そうは思うが。
「のちの復興で使う必要も出るだろう」
 ……確かに。
「がっはっは! 物は言いようだな!」
「ハウプトマン副長は黙っていてください」
 豪快に笑い飛ばすだけで全く話を勧めないモーリッツがテオバルトによって封じ込められた。
「物資は先の戦いでだいぶ消費されているからな。すぐに集められる食材と言えば結局は、芋になる」
 だからと言ってかき集めてくればいいというものでもないのだが。
「……結局、じゃがいもでんぷんでしたっけ、それに変えるという話で構いませんね?」
「なんだテオ、わかっているじゃないか!」
「先ほど、イサークが作り方のメモを書類と一緒に届けてきましたからね。貴方の指示でしょう、ゲーベル師団長」
「まあそうだが、手配もしてくれたのだろう?」
「……しましたとも。このまま訓練場が使えないままで困るのは私達全員ですから」
「さすがテオだな!」
「……………で?」
「何がだ?」
「いえ、少女達は……なぜここに呼んでいるのですか」
 事前の申請は受け付けていませんよ、とテオが視線で示すのはエルフの少女達である。
 見習い巫女となり、巫女として働き、そして穢れを取り除かれて……巫女を続けることを望まなかった者達、の、一部。
「試しに手を貸して貰えないかと伝話しておいたのだが、来てくれたようだな!」
 カミラが手を振る先では、引率らしくシャイネがにこやかに手を振っている。
「説明を求めているのですが!」
「彼女達は巫女ではない道を模索したいという話でな。丁度いいので職場体験という奴だ。手に職は必要だろう?」
 こちらは手が足りない、向こうは余っている、一石二鳥だな?
「……ハンターには、彼女達の指導も含めて依頼、という追記をしておきます」
「ああ、そうしておいてくれ。勿論森都の方でも報酬を出せると言っているから。そこの調整もよろしく頼むな」


●ジャガイモでんぷん(所謂、片栗粉)のつくりかた☆

(1)ジャガイモの皮を剥きます(ピーラーと包丁があります)

(2)芋をすりおろします(金属製のおろし金です)

(3)おろした芋を綺麗な布で包み、口を綺麗な紐で縛ります(零れないように注意)

(4)大鍋に汲んだたっぷりの水に(3)を浸けて、水の中でふったりもんだりします(布が破れないように注意)

(5)(4)をしっかり絞ってから取り出します

(6)(5)の大鍋を、そのまま15分くらいおいておきます

(7)上の方の水を静かに捨てて底の方の白い粉だけを残します

(8)たっぷりの水を入れてよくかき混ぜ、もう一度15分くらいおきます

(9)上の水を捨てます

(10)(8)(9)をもう一度行います

(11)ちょっと塊になっている白いものをほぐして、粉状にします

(12)鉄板や陶器の皿等に広げ、水分が飛ぶまで乾かします(半日くらい)

リプレイ本文

●少女達の“これから”

「問い合わせの方は、あの後如何です?」
 Gacrux(ka2726)の問いかけにシャイネが目を瞬かせる。正博士にも仄めかせてきたと続けられて、なるほどと頷いて。
「待機ではあるみたいだね」
 作戦の進行中であることもそうだが、条件の擦り合わせに時間が必要らしい。少なくとも話は帝国に繋いだ、という部分は確認できただけいいのかもしれない。
「……世界中が手を組めば、不可能も可能にできるんですよ」
 錬魔院と組合しかり、王国やアークエルスにも研究機関はあるのだ。折角同じ世界なのだから、手を組まない理由はないはずだと、Gacruxは思う。
 無心に芋を摩り下ろす音だけが妙に耳に響いた。

(巫女を続けないという選択ができるようになったのは、良いことである、筈)
 そう思いはするけれど、鞍馬 真(ka5819)の脳裏にどうしても過ってしまうのは、ここに居ない少女達のこと。
 現状は続ける事しか選べない彼女達と、あえて巫子に戻る数名は前を向いているのだろう。けれど、その負担は大丈夫だろうか?
 口に出すことはしないけれど、今、森都でどうしているのだろうかと、想った。

「皮むきとすり下ろしを交代制にしたらどうでしょう?」
 ずっと同じ作業だと飽きちゃいますしね、と提案するエステル・クレティエ(ka3783)に頷きが返ってくる。実際には軽く洗う作業もあるので二交代なんてこともなくなりそうだ。
 とはいえ涼しさも増してきているので、水回りの作業は細かい作業の苦手な帝国兵達が率先して済ませてしまっている。少女達の体験用に少し、土付きの芋が残っていた程度だ。
「水が冷たい冬じゃなくて良かったよ」
「そこは同感だね♪」
 訓練時の掛け声をあげながら作業に勤しむ兵達を眺めて呟くユリアン・クレティエ(ka1664)の隣に、少女達を引き連れた吟遊詩人がやってくる。
「……あの子達、別の道を選べるようになったんだ」
 ほっと、安堵の息を添えてから、少しだけ目線を合わせるように、腰を落とした。
「シャイネ先生にお願いして色々経験して、楽しいと思える事が見つかると良いね」
 きっと、一人ずつ別の何か、素敵な出会いがあると思うよ。
「急がなくていいんだ、確かめながら、選んでいってね」

「そう言えば、芋の保存法ってカミラさんに言えばいいのかな?」
 置き場所や、林檎との活用法を伝えに行ってくるねと離れたユリアンの背を見送って、ルナ・レンフィールド(ka1565)が親友と向き合う。
「エステルちゃん、これ……」
 ほんのり染まった頬と、今日この場に来るまでの距離感で、なんとなく察してはいたけれど。
 改めて見せてもらった右手に光る指輪に、エステルの目が輝く。
「待って、ました……っ!」
「その、OKのお返事をもらっただけで、まだ、ゴールじゃないけど」
 頑張った成果が実った、その言葉にどれだけの感情が、想いが籠もっているか。兄と親友、どちらも近い場所にいる二人だからこそ、エステルの感慨もひとしおだ。
 つい、長く息をはきだしてしまった。
「心配、かけちゃってたもんね」
「そうじゃないんです、兄様、もう少し勿体ぶるかと思ってたから。でも、ふふっ♪」
 思い出す程に、つい笑ってしまう、今なら離れているからきっと、大丈夫。
「ちゃんと捕まったんだなって。その上で、笑顔が増えてたから……ほんとう、よかった……!」
 ルナの腕に触れて、寄り添って。
「……不束な兄ですが、しっかり襟首、捕まえててくださいね?」
 目線をより近づけて。隠しごとを打ち明けて、願い事を唇にのせる。
「姉様? ……そう、呼べる日が無事に来ますように」
「……色々、ありがとう、エステルちゃん」
 おでこをコツンと触れさせあったまま、未来の義姉と一緒に微笑みあう。
「これからもよろしくね」
「勿論。何かあれば私が叱るので、まかせて?」
「……じゃあ、次はエステルちゃんだね!」
 お姉ちゃんのサポートは、いかが?

●芋の山をやっつける“たくさん”の方法

「甘い物を食いたいかー!?」
「「「食べたーい!」」」
「よし、みんなでやってみようぜ!」
 ボルディア・コンフラムス(ka0796)先生のケーキ講座、はっじっまっるっよー☆
「皮を剥いた芋は茹でて柔らかく! 指は切るなよ、今日は無いようだが芽があったらしっかり取り除くこと!」
 ボルディアの声が合図になって、皆で芋の山に取り掛かっていく。
「包丁での皮むきが難しいなら秘密兵器ピーラーです!」
 青の世界は凄いのです。便利道具なのですとエステル・ソル(ka3983)も高らかに掲げている。
 とはいえ、少女達はまず包丁の持ち方から教わることになった。多めに用意はされていたけれど、人数全員に行きわたるほどピーラーの数が無かったのである。
 芋を洗う班と皮を剥く班に分かれて、マリィア・バルデス(ka5848)が手本で一個の芋の皮を剥いていく。 
「ジャガイモの芽と緑色をした皮の部分は毒だから、厚めに取り除いてね」
 毒、という言葉に驚く少女達に、食べなければ大丈夫だと微笑みかける。今日は無いから大丈夫だと安心させた上で、凸凹な芋の凹んだ部分を芽に見立てて教えておくことにする。
「芽の部分は包丁の刃の1番下の部分を使って抉ってちょうだい」
 芋との境界線も見えなくなるくらいまで取り除ければ一番だと、一度少女達の前に差し出してよく観察させる。
「皆見たかしら? じゃあ次ね。ジャガイモの皮を剥く時は右手に持った包丁は動かさない。左手でジャガイモを持ったら、右手の親指でゆっくりジャガイモを回して皮を剥いていくの」
 持った状態で一度皆の姿勢を確認。それから少しずつ挑戦させてみる。調子よく出来る子はそのまま包丁で。苦手そうな子はピーラーを。マリィアの教えによって、少女達は少しずつ、自分達の向き不向きを見つけ出していく。

「滑らないようにしっかり持って……そう、そんな感じだよ。上手いね」
 真もピーラーの持ち方から教えていく。慌てないように、まずはゆっくりと。うっかり指を削ってしまったら話にもならないので注意を添えようとして。
「痛いっ!?」
 共に芋の山を囲んでいた時音 ざくろ(ka1250)の声が上がった。同じようにピーラーを使って居るはずなので、そして少女達の手元の危なっかしさを心配していたので気付かなかった。
「やっちゃった……」
 正真正銘の素人、もう一名ご案内である。
「他に怪我した子は居ない?」
 少女達に声をかけてから、真の唄が小さな桜色を綻ばせる。
「ありがとう!」
 笑顔で礼を告げるざくろはまだピーラーを持ったまま。
「そのまま手、貸してもらっていいかな」
「え? 手? ピーラーじゃなくて?」
 そのまま少女達の前に移動しても、まだ首を傾げるざくろの横で、真が真剣に先生の顔になった。
「この持ち方だと、さっきみたいに怪我をしてしまうから。一番の最初に教えたところ、皆、しっかり覚えてね」
「「「はーいっ」」」

「全部加工するにしても間に合わない、とな」
 戦闘食という名目だけではないことは一目瞭然な量。しかし、シャーリーン・クリオール(ka0184)は腕を揮うだけだと思いなおす。
 実際に手は芋の皮向きを絶えず進めていた。だがその場所は少女達の教師としての立ち位置ではなく、回転する大鍋の前だったりする。中で踊るように撥ねながら加熱され水分を飛ばされている芋の様子をみなければいけないからだ。これはポテトフレークの試作だ。大鍋を簡易竈の上で回転させる土台の構築に少し手間がかかったが、角度に拘ったおかげで鍋の中をかき混ぜる手間も少なく悪くない感じである。
「あとは回転動力の改善だな……」
 ハンドルをつけるところまでは上手く行ったのだ。しかし回転は完全に人力。料理に慣れていない帝国兵が交代で、竈の向こう側で一定の速度で回し続けている。ちなみに依頼人である彼らの上司は笑いながら体力作りにいいなと言っていた。でも少し申し訳なさを感じるシャーリーンである。
「簡単にマッシュポテトやポテトサラダになる、という言葉が効きすぎたかな?」

「お待ちかねのスイーツづくりなのです!」
「「「なのです!!!」」」
 ソルの声に楽し気な声が続く。包丁を使わずに作れるレシピだと話題にしていたからか、甘いものだからか。少女達のテンションはかなり高い。
「何より材料も覚えやすいですからね」
 皆で作った、出来たばかりの片栗粉に砂糖と水を加えて、かき混ぜて、少しずつ温めて、透明になるまでかき混ぜて、火からおろしてかき混ぜて、更にかき混ぜて……
「ちょっとだけ、根気は居るかもしれませんけど」
 火加減はもちろん、少女達が火傷しないように気を付けながら、交代でそれぞれの鍋をかき混ぜていく。
「お仕事が終わってから。わらび餅はデザートとして皆さんで食べましょうね?」
 黒蜜やきなこが定番ですけど、そのままでも甘くて美味しいですよ、なんて言いながら。お手本で出来上がった、透き通ったぷるぷるに目を奪われた少女達からは揃った声が返った。

「柔らかくなった芋は徹底的に潰して食べやすく! ここでしっかりやらねーとケーキにした時ゴロゴロするからな!」
 あえてそういう食感を楽しみたい場合もあるけれど、今回は芋よりもケーキ感が重要だ。だから基本の作り方として、丁寧な方法を教えることにしたボルディアである。
「結構滑って芋が移動したりするからなー、時々、かき混ぜて確認するのも大事だぞ」
 動きが常に同じじゃない、というのも飽きないポイントだ。
「卵と砂糖を混ぜるぞ、ここは気合入れないと味もバラバラになるからな! ほら、ぐるぐるぐるぐる……」
 分量についてはすべて、コップを使って比率での教え方だ。
「卵の割り方はさっきやった通りだけど、このケーキなら割れても大丈夫だからな。でも殻はちゃんと取り除くんだぞ。そのためにもコップの中に割り入れることが大事だな」

 馴染み過ぎて、当たり前のシルエットにいつも通りに声をかけそうになって、ぽんと肩に手を置きそうになって。けれどすぐに思い出した神代 誠一(ka2086)は、ぎゅっとこぶしを握り込む。
「よ! また会ったな」
 挨拶と共に隣に座り込む。都合よく空いていた包丁を手に取って、返事が来る前に芋にあてた。
 笑うのは得意だ。胸の内だけで親しげに名を呼んで、その瞬間に自然に浮かぶ笑みを表情に乗せればいいだけだ。ぎこちない歪みは一瞬で消して、クィーロ・ヴェリル(ka4122)が振り向いた瞬間を笑顔で迎える。
 嫌そうな顔だ。何年も前に見た顔は、確かにこんなだった……気がする。
「何だお前? この間から……俺のストーカーか?」
「ばっか、だーれがストーカーだよ!」
 胸が痛い。けれどそんなこと表に出す気はゼロだ。ただ、笑え、俺。
「ギルドの張り紙みて来たとこにお前が居たんだよ!」
 知った顔に挨拶しただけでストーカーとか、酷いじゃないか? 揶揄いを込めた拗ねた顔に、出来た筈だ。

(本当、なんなんだこいつ)
 そう思いはするが、作業の邪魔をしないならただの雑音で背景だ。そう考えて黙々と芋の皮を剥いていくクィーロ。
「うわ、意外とむつかし……っぶね!」
 煩いと思いはするが、そう、ただの雑音だ。作業に集中していれば耳に入らない、気にならなくなる筈。
「手ぇ切るところだった……」
「煩いな。黙ってやれないのか、お前」
 勝手に言葉が口をついて出ていた。
「久しぶりなんだから仕方ないだろ」
 馬鹿にされて怒ると思ったのに、口元に笑みが浮かんでいて妙にイラつく。
「そう言うお前こそ、余所見してて平気なのか?」
 余裕だな、なんて声に感心が混じる。どこまで呑気だ、この男。
「はっ、人の心配する暇があるなら、芋の一つ位まともに料理できるようになっとけよ」
 見るからに危なっかしい手つきの奴が隣に居ると迷惑だと続ければ、流石に誠一の眉が動いた。
(ほらな)
 目につくから離れろ、と瞳に力を籠めて睨むように返したのだが。
「おま。それ言うか!? ったく、そんなこと言うなら勝負だ、勝負!」
「っ!?」
 なんでそうなる?

「強化人間と呼ばれた者達も居ましたね……」
 当時は得体が知れないからと警戒していました、と続けるGacruxに、首を傾げる少女達。
「でもですね、そんな俺に“相手が怖いのは、相手を知らないからだ”と言った知人がいるんですよ」
 目から鱗が落ちる気分って、あの時を言うんでしょうね。
「皆さんは実際にどうですか、知った今、怖さは、変わりましたか」
 穢れがまだ、怖いのか、それともただ別の道が示されてそちらを正面から見ているのか。巫女に戻ってほしいというわけではなくて、ただ、少しだけでも向き合う気持ちを得てほしいと、そんな感傷のようなものを込めて、投げかけてみる。
「……結局戦いになりましたが。暴食王の提案も互いを知る手段だったと、そんな考え方がある、という一つの意見ですよ」
 難しかったかもしれませんね、と理由をつけて投げかけた話を纏めて終わりにしまう。Gacruxとしては投げかけるだけでよかったのだ。うまく言葉に出来ないだろう、答えが明確にあるだろうとは思えなかったので。

「……真面目な話ぃ、料理で1番デンプン使うのは蕨餅とか水饅頭なんですぅ。あれ砂糖とデンプンほぼ同量なのでぇ」
 わらびもち作りに向かっていったソル達を見ながらも、後続の澱粉作りに精を出す星野 ハナ(ka5852)である。実際には好みがあるでしょうけどぉ、と言う彼女の視線の先では砂糖の方が多い配合のようだ。添えるタレ等の食べ方によっては砂糖が少ない場合もあるらしい。とりあえずは同僚で覚えておけばいい、ということである。
「使い勝手を考えたら消費法としては悪くないかなって思いますぅ。だって蒲鉾なんて100gの擂り身に澱粉たった2gですよぅ」
 消費方法は多く思いつくんですけどねぇ、と呼吸を挟みながら、次の芋をくるくると向いていく。手元が狂わないのは普段から大量生産に慣れている分の経験値が生きているのだろう。
「風邪引きさんの栄養補給とか、冬に温かい飲み物が欲しい時とかに活躍する葛湯だって適正量は飲み物100ccに対して大匙各1杯の澱粉と溶かすための水ですぅ。4人前の料理のとろみも大体小匙各2杯の澱粉と水が基本ですぅ」
 とにかく、意外と減らない可能性を伝えたい、ということらしい。
「芋餅だって、私は芋1個にデンプン大匙1杯までかなぁって思いますしぃ、料理で大量消費は結構難しいんですぅ」
 そう告げるハナは溜息つきで難しさをアピールしているが、かなり重要な話をしていることに気付いているのだろうか。負傷者の食事補助にも有効だろうと、速やかに帝国兵がメモを取っていたりする。
「あとは……そうですねぇ。小麦粉澱粉は洗濯糊や古糊に使いますからぁ、そういう使い方が芋の澱粉でも出来れば、大量消費出来るかもしれませんねぇ」
 とはいえ折角の食材ですし、食べられるなら食べた方が良さそうですけどぉ。

 おろし金は簡単だけれど、だからこそ油断は出来ないものだ。
「そこ一度止まって!」
 おしゃべりに夢中になっていた少女達に鋭い声をかけたのはマリィアだ。びくりと震えた少女達に今度は優しい声音で笑みを向ける。
「ちゃんと止まってくれてよかった。ほら、最後まで摺りおろして自分の指まで摺らないようにね。もう少しで危なかったのよ」
 力一杯押し付けるように摺っては駄目よ?
「手が滑った時に怪我するから。小さくなって持っているのが難しいと思ったら、次の芋に変えちゃいなさい」
 余った芋だって使い道はあるからと適当なボウルに集めておく。あとで刻んで揚げてしまうつもりなのだ。

「持ちやすく切るのもひとつの手ですよ」
 自分の指をおろさないよう気を付けて、と伝えるエステルの横では、実際にルナが持ちやすい形にカットした芋をすりおろしている。
 その視線はユリアンに幾度も向かっているのだが、綺麗に洗った皮付きの芋が出てきたところでルナの手も止まった。
「それって」
「前も一緒に作ったよね」
 全て言わずとも通じる。共通の思い出を、こうして穏やかに振り返れる、この時間が、愛しい。
 少しずつ形作られていくアコーディオンがルナの胸を温めるなか、ふとユリアンがルナの手に触れた。
「っ」
「あ、ごめん」
 その芋、そろそろ預かるよ、と改めて手を差し出される。確かにもう少しで指がおろし金に触れそうだ。
「……欠片は、私が使ってもいいですか?」
 気遣ってくれたのだと、そう思うだけで頬が染まる。皆の分も集めて来ますとの提案に頷かれて。
「茹でて潰せば同じですし。小麦粉と混ぜてニョッキとかどうかなって思ってて」
「いいね、それ。期待してるよ」
 だから気合を入れて、ボウルを持ったまま少女達の方に向かう。
(先を、考えてもらえてる)
 空いた手で顔に触れれば、確かに熱くて。こんな顔でずっと隣に居られなかったのだ。
 練習していることも、少しずつ上達していることも、全部知ってくれていて。その上で、未来を仄めかす言葉。頬が染まらないわけ、なかった。

「慣れて来たら、ただ剥くんじゃなくて。早く、とか、綺麗に、とか。少し工夫してみよう。ただし、焦らないようにね」
 沢山あるから急がなきゃって気持ちになるかもしれないけど。全部皮を剥かなきゃいけないわけじゃないからね。
 落ち着いた声音で言い聞かせる。これは以前の説得でも気にかけていたことだ。
「刃物だけじゃなくて、火をつかったり、熱くしたり。扱う時はどんな時も思い出して」
 焦るとね、余計に周りが見えなくなったりするから。
 あくまでも基礎から。けれどそこで終わりじゃなくて、応用に挑戦して、少しずつ新しいことに触れる楽しみを知ってほしいと思う。
 そう続けていたところでまた、聞き覚えのある悲鳴が……!
「いったーい!?」
 おろし金で指をざりっといってしまったざくろの声である。
「……本当に、気を付けてね」
 ちょっと治しに行ってくるね、と駆けていく真の背に、行儀のよい声が返った。

 千切りにした芋に、同じように切りそろえたベーコンや野菜を混ぜて焼いたファルシデュールはガレットに似ているが、ニンニクなどの香味素材がある所がその違いだろうか。ベーコンの塩分だけでも味はついているが、クリームなどを使うことで味をまろやかに纏めている。人手はあるからと賄いは芋餅だけでは味気ないと提案者達のレシピが実際に試されることになったので、芋尽くしではあるが豪勢な並びになっていく。
 出来上がったばかりの澱粉にチーズやミルクを加えてパンケーキ風に焼いたものを置くついでに、シャーリーンは芋餅に林檎ジャムを添えた。
「後でおやつにもなるだろうさ」
 足りなければ、芋団子を足せばいいかと考えていたりする。

「タピオカや、糊など……様々に形を変えるのです」
 ユメリア(ka7010)が少女達に語り掛ける様子は全てを知り伝える吟遊詩人そのもので、だからこそ少女達は自然に受け入れ、ユメリアの声に聞き入っている。
「同じ道を歩んでも、輝き方も未来も。人の数だけ違うものになりますし……」
 想いが籠もる。自分がこれまでに触れ合った者達、中でも大切な友人達を、特に親しき高瀬 未悠(ka3199)と重ねたからだろうか。
 それとも今の、これからのユメリア自身が歩む道が、森で過ごす日々のイメージが足りないから、だろうか。
 すぐ横で同じように作業をしていた未悠が頷く。
「自分の生き方を誰かに決められるのは窮屈だけど、自分の生き方を自分で決めるのは勇気がいるわよね」
 それは確かにユメリアの不安を的確に表した言葉。けれど、少女達の今をも示す言葉。
「でもね、大丈夫よ」
 笑顔が花開く。己の幸せを見つけて、成就させた未悠だからこそ浮かべられる、自信に溢れた花。
「強い気持ちがあれば幸せを掴めるわ。例え間違っても、何度でもやり直せるの……貴女達は生きているんだもの」
 きっとその為に。未来を掴んでほしいから……託されたのだと、思うのだ。
 少女達ひとりひとりの顔を見て、そしてユメリアを見つめた。
「間違ったとしても、目的とは違う結果だったとしても、そこで新しい出会いがあったりもするのよ」
 ユメリアの補助を受けてポテトピールパイのつくり方を離していく。ずっと、難しい話ばかりよりも、何か興味を惹くことを。
「皮まで美味しく食べられるなんて、ほら、ジャガイモは最高よね!」

「お、思った以上に上手く行かない……」
 多くの嫁が交代で家事を切り盛りしてくれているけれど、いざとなれば手伝えるように。なんて奮起したのも今回の理由のひとつだったりするのである。
「普段しないから、こんなに大変だなんて知らなかったな」
 いつも美味しいごはんが出てくる。それがどれだけ凄い事なのかを改めて実感する。感謝の言葉も気持ちも忘れていないつもりだけれど、これからはもっと気持ちを籠めなきゃ、と思うざくろである。
 既に二回も治療してもらってしまった。反面教師として、つまり教材的な意味では役に立ったのかもしれないけれど。
(もう少し、格好いいところが見せられないと、大黒柱の立場がないよね!)
 失敗が重なる度に、ちょっとずつ少女達の視線が痛くなっていた。ビデオレターの件で既に大家族の主だと知られているので、その視線は本気で疑問が籠められていたのである。
「ここから挽回するんだよっ!」
 気持ちを入れ替えて、また別の行程へと移動していく。今の自分でも向いているといったら?
「これなら……!」

 気合十分、けれど慎重に大鍋を傾けていく。
(視線がぁ~……)
 三回目を予想しているだろう視線がチクチク向かってくる。だからこそ、ざくろはより集中していく。頬が赤いのは見つめられた時の癖みたいなものなので仕方ない。
「大丈夫、これでもざくろ、力はあるからね」
 余裕をもって鍋を元の向きに戻して微笑む。それから少女達と一緒に、安堵の息を零すのだった。

「後は型だが、正直焼けるなら結構なんでもいいな、だが気に入りのは使うなよ?」
 計量に使ったコップだっていい、なんて笑うボルディアに少女たちそれぞれが気に入った容器を差し出して見せてくる。その素材や大きさを見て是非を答えながら、その理由もしっかり伝えていった。
 他と大きさが違いすぎる場合は焼き時間の調整を考えて別のにさせたり。
 竈の熱に耐えられない素材の場合は燃えてしまうと伝える。
 ケーキ一つ作るにしても考える事は多い。それがどんなことであっても同じなのだと、少女達に伝わっただろうか?
 でも、一番は。
「揚げたり焼いたりもいいけど、やっぱ甘い物も欲しくなるしな」
 焼き上がりを待ちながらも澱粉の作業に戻っていく巫女達。そわそわと竈を見る様子が微笑ましい。
(楽しみながら作れてるようで良かった!)

 届けられた言葉で、ユメリアの胸には熱がともった。少女達も同じであればいいと、そう、願う。
「望まぬ出来事も、自分の完成図がわかっていれば……強さに、力に変わります」
 目標が明確にあれば、何があっても進む勇気に変えていける。それは未悠に教えられた真実で、そして新たな制への目標を得た証。
 だからこそユメリアは少女達が、留まったまま、蹲ってしまわないように言葉を紡いでいく。
 早い段階で仕込んでおいた材料、保温された瓶の中身を鍋にあける。念のために持ち込んでいた根菜はうまく仕事をしたようだ。
 少しずつ、粘土を増して、少しずつ、甘さが増していく。積み重ねてきた想いと同じように、少しずつ、形が作れるようになっていく。
「今はまだ、これくらいですけど……」
 未悠に差し出す一匙分の甘味。それはまだ試作段階の水あめで、けれど確かに未来の歌詞へとつながる一歩。どうにか音符らしい形には出来たと思うけれど。
 ほんの一舐めを見守るだけでも、緊張が走る。
「~~♪」
 綻ぶ未悠の顔に、ユメリアも、綻んで。
「とっても美味しいわ! ありがとう、ユメリア!」
「どういたしまして……未悠。これで、何時でもあなたの好きな物で出迎えられそうです」
 慣れない呼び捨てにどうしても照れが混じってしまう。けれどそれこそが未悠の笑顔が更に満開になるトリガーでもあるのだ。

(なんだかんだで、相手してくれるんだよなあ……)
 正直、嬉しい。記憶を失くしても、拒絶を見せていても。結局は隣に居ることを止めないところ。
 ばれないように笑みを堪えながら芋の皮を剥き続ける誠一は、相棒だった男が料理上手なのをずっと近くて見てきたのだ。勝てる気はしない。イラついた顔で、けれど本気で皮を剥き続けるクィーロ相手に、手抜きなんてできるはずもない。
(今の俺で向き合うだけだ)
 その上で、今のクィーロを受け入れる。それが自分に出来る事だと、信じている。

 ちょっとだけ上級者向けなのですよ、とエステルが取り掛かるのはフライドポテトだ。
 帝国では定番かもしれないけれど。少女達には見慣れないものだったらしい。なにせ目の前で調理するところからだったので。
 揚げる、という行程も見せておこうと思ったのだ。他の行程は大体皆のレシピで揃っていたし。シンプルだけど、気を付けなければ簡単に怪我をする調理法。
「新しいお芋は油が跳ねやすいので、手袋とゴーグルしてくださいね」
 言いながら鍋の前に立つソルもきちんと防御態勢は整えている。基本的には自分でやるつもりだが、希望者がいたら代わるつもりだ。

 ポテトの焼き具合もそろそろだろうかと竈の前で待機しているところでエステルが戻ってくる。
「兄様、さっき焼けた分って、もう味見しちゃった?」
「え、まだだけど」
 さてはねだりに来たのか、と横目で見返せば、小さく舌を出されてしまう。
「確かに食べやすい頃合い……かな?」
 片栗粉と小麦粉を合わせたクッキーは、口に入れた瞬間解けてしまうような軽い食感になる。
「保存食にどうかと思って」
 そう考えたユリアンは、少量の粉チーズや炒った大豆の粉で味にバリエーションもつけたものを作っている。確かに芋の味ばかりの中、風味が違うだけでも随分と印象が変わっている。
「腹持ちも変わるし、何より運びやすいと思うんだ」
 説明した時のカミラの目が少し怖かったけれども。
「このあたりなら、もう持てるかな……はい、これくらいでいい?」
「ありがとう兄様!」
 早速とばかりに友人の元へとかけていく妹を見送る。
「未悠さんとユメリアさんもどうですか?」
 けれど、もう一人はどこに?
「……どうしたんですか、ユリアンさん?」
「よかった、丁度探していたから」
 手にはルナの味見の為に取り分けておいたクッキー。
「たべごろだよ、はい、ルナさんも」
 口元に寄せられるのが菓子だと分かっていても、ルナの目は戸惑いに揺れている。
「今、手が離せないよね?」
 確かにルナは今、ニョッキの鍋を運んでいたところで。
「……いただきます」
 真っ赤な顔でユリアンの手から食べるクッキーの味……しっかり覚えていられる自信はなかった。

 師団の殺風景な場所で芋尽くし、と言葉だけでは非常に帝国の香りしかしないけれど。実際に並ぶ料理は見た目も様々で、ガーデンパーティと呼んでも差し支えない結果になっていた。
 これが賄の基準というわけではない、という注意はどこまで少女達の記憶に残るだろうか。
「でも、何でも興味を持つのが1番よ」
 美味しそうに食べる少女達の姿に目を細めるマリィアは思う。少しでも、明るい道が開けているなら……

●“これから”はあくまでも、定まらないまま

「シャイネ様と呼ぶのは……他人行儀でしょうか」
 とても嬉しい提案だったのだ、と打ち明けるユメリアの言葉に、未悠はどこか落ち着かない気分になる。親友がついに一歩を踏み出すのだと喜ばしい気持ちもあるけれど。
 どこか危うい様子に心配だってあるのだ。
「別の案があるのかしら?」
 恐る恐る、といった聞き方になってしまったのは仕方ないと思うのだ。
 しかも当のシャイネはこちらに向かってきていることに気付いてしまった。ユメリアを止めるべきか、新たな生活に早くなじむためにも背を押すべきか、何故か妙な予感が過って未悠は気が気ではない。
「では……施す者の称号ダーナにかこつけて、旦那様、とか?」
「だ、旦那様っ!?」
 小首をかしげる親友があまりにも無邪気に見えて、焦ってしまう。
「それは誤解を招いちゃうわよっ!?」
「僕は是非とも歓迎するよ♪」
 いいの、と聞く前に、ついにシャイネがユメリアの隣まで来てしまった。
「ふ、二人とも綺麗だしとってもお似合いだけど……っ」
 まだ、親友と二人の時間が……そう思ってしまうのは、いけないことだろうか。

(なんなんだこいつは!)
 気付けば乗せられて勝負になっていた。片栗粉をどれだけ多く作れるか? そんなのさっきの手元を見れば一目瞭然、なんで負ける勝負を持ち出したのか、全く意味が分からない。
(とにかくさっさと終わらせる!)
 だからクィーロは猛然と芋に向き合い続ける。咄嗟に勝負を受けてしまった自分を。このやりとりを知っていると、そう考えてしまった自身への疑問を完膚なきまでに吹き飛ばすために。
 勝負はあっさりとつけることができた。当たり前だ、最初から結果は見えていた。ただ誠一が仕事が終わるまでは勝負だと煽るままに乗せられてしまっていた。
 隣で作業することを止めることも思いつかず、ただずっと手を動かしていた。
(俺は、こいつを知ってる……?)
 過った突拍子もない考えを鼻で笑って、振り払う。
「俺の勝ちだ」
 だから、もう、俺に近づくな。

依頼結果

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参加者一覧

  • 幸せの青き羽音
    シャーリーン・クリオール(ka0184
    人間(蒼)|22才|女性|猟撃士
  • ボルディアせんせー
    ボルディア・コンフラムス(ka0796
    人間(紅)|23才|女性|霊闘士
  • 神秘を掴む冒険家
    時音 ざくろ(ka1250
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • 光森の奏者
    ルナ・レンフィールド(ka1565
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • 抱き留める腕
    ユリアン・クレティエ(ka1664
    人間(紅)|21才|男性|疾影士
  • その力は未来ある誰かの為
    神代 誠一(ka2086
    人間(蒼)|32才|男性|疾影士
  • 見極めし黒曜の瞳
    Gacrux(ka2726
    人間(紅)|25才|男性|闘狩人
  • シグルドと共に
    未悠(ka3199
    人間(蒼)|21才|女性|霊闘士
  • 星の音を奏でる者
    エステル・クレティエ(ka3783
    人間(紅)|17才|女性|魔術師
  • 部族なき部族
    エステル・ソル(ka3983
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • 差し出されし手を掴む風翼
    クィーロ・ヴェリル(ka4122
    人間(蒼)|25才|男性|闘狩人

  • 鞍馬 真(ka5819
    人間(蒼)|22才|男性|闘狩人
  • ベゴニアを君に
    マリィア・バルデス(ka5848
    人間(蒼)|24才|女性|猟撃士
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナ(ka5852
    人間(蒼)|24才|女性|符術師
  • 重なる道に輝きを
    ユメリア(ka7010
    エルフ|20才|女性|聖導士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
鞍馬 真(ka5819
人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2019/10/05 23:22:14
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/10/08 19:21:38