【節V】espressivo

マスター:石田まきば

シナリオ形態
イベント
難易度
普通
オプション
参加費
500
参加制限
-
参加人数
1~25人
サポート
0~0人
報酬
無し
相談期間
5日
締切
2016/02/14 22:00
完成日
2016/02/27 14:14

このシナリオは5日間納期が延長されています。

オープニング



『突然だけど、今年のヴァレンタインデーを再開する!』
『『『な、なんだってー!!!』』』


 カカオ減産、そして高騰に伴うチョコレートの供給危機を前に、ハンターズソサエティのショップ店員シルキー・アークライトが敗北し、ソサエティショップ史上初のチョコレート販売停止がなされた事は記憶に新しい。
 アカシラが偶さかカカオ豆の原生地を知っていた事から、突如として執り行われることとなった【長江】への進撃は、破竹の勢いを見せた。実に百名を超えるハンター達による怒涛の侵攻に、現地の歪虚達は手も足も出なかった。結果として、ハンター達は東方の支配地域に食い込み、西方へのカカオの供給を回復させしめたのである。

 東方での争乱は、西方へも確かな影響を与えていた。西方に溜めこまれていたたカカオ豆は値下がりを免れず、爆発的な勢いで在庫が掃きだされることとなったのだ。カカオ豆は徐々に適正価格に近付いて行き――ついに、チョコレートの流通が、回復したのである。

 バレンタインデーというハートウォーミングでキャッチ―なイベントを前にして届いた朗報に、市井には喜びの声が溢れたという。
 尤も、裏方は血の涙を流しているかもしれないのだが。



 チョコレート投げ大会で余った粒のチョコレートは、まだそれなりの量が残っている。それを全て袋に詰めて、シャイネは広場へと向かっていた。
 知り合いに出会ったら配ろうという算段なのである。
 見るからに去年よりも目減りした状況ではあるが、そこは数での勝負としたものだろう。
 去年、知り合いの店で手作りチョコレートを買って、お得意様や知人への贈り物としたけれど。
 今年はイベントの主催で予算を使ってしまった。つまりこの状況は必然なのだった。
「余りものには福がある……とも聞いたしね♪」
 年明け、いや、暮れる前から特に慌ただしい情勢が続いているのだ。縁起を担ぐというのも悪くないだろうと思った。
「どちらも、リアルブルーの言葉だったかな?」
 似たような言葉が故郷にもあった気もするけれど。
 ハンターだから、だろうか。色々な土地の文化を覚えていくと、時々こういうこともある。
 種族や習慣などが違っても、人の集まりなのだから、同じような状況を示す言葉はあるものだ。どれを使うかは、きっと過ごす場所が影響しているのだろう。
「ふふ、言葉を使う吟遊詩人ならでは、といったところかな♪」
 特に自分はそれが顕著なのだろうと思う。そうだ、この発見もまた何かの詩にできるだろうか?



 道行く店に並ぶチョコレートは、色とりどりの包み紙でおめかし。
 キラキラのリボンに、かわいい形のシール。
 色のついた袋はちょっとした特別感。
「……うん、流石に少し、味気ないかな?」
 チョコレート粒の詰まった袋を見下ろして、視界に移っては流れていく、綺麗なプレゼント用のチョコレートを思い起こした。
 袋の中のチョコレートは一つ一つ、ひょいと口に入れる事が出来る大きさ。
 包み紙は確かに彩り豊かだけれど。
 確かに……このまま手渡すのは、味気ない。
 投げても大丈夫なように、きちんと包んであるけれど。
 気温も低く、そう溶けることはないけれど。
「一人一つずつ、というのも少ないし、数個ずつ掬い上げて渡すのも……いや、面白いかな?」
 つかみどり、という言葉が脳裏に浮かぶ。
 面白いとは思うけれど、チョコレートは日頃の感謝の気持ちを伝えるための贈り物。
 一種の剥き身状態は失礼になるかもねと、くすくす笑って踵を返す。
 散々、人を煽って投げさせておいて、それもどうかと思うけど。
「さっきの店に、ラッピング用品、あったよね」
 小さな袋に、いくつかを纏めて入れて。リボンで縛るだけでもいいのかもしれない。



 もう聞いたかな
 カカオ豆の行く末を?

 傍に居たいと隣に座り
 ありがとうねと笑顔を向けて
 言葉にするのは難しくても
 積み重ねてきた気持ちはそこに

 チョコレートを切欠に
 胸の内を伝えよう
 声に出さなくたって
 言葉が浮かばなくたって
 きっと
 伝わるものはあるはずだから

 カカオ豆の行く末が
 僕らの道を阻むとしても
 かわりのモノだっていいのかも
 諦める道もあったかも
 けれど
 この日のチョコレートは特別だから

 カカオ豆の行く末に
 カカオ豆を求めた先に
 今があるから
 チョコレートを 贈ろう

リプレイ本文

●労

 APVでシェリル・マイヤーズ(ka0509)を出迎えたのは執事だった。
 首を傾げた彼女に、ヒース・R・ウォーカー(ka0145)が向けるのは営業スマイル。
「たまには労ってやるのも一興と思ってねぇ」
 座りなよと促された先を見れば、1セットだけ。かつてのカフェを再現したテーブル席が設えてある。
「ココアなら、ボクが振る舞っても問題ないし、ねぇ」
 淹れてくるからとキッチンに向かうヒースに分かったと頷いて。
「……タングラム」
「シェリルもきたですか」
 ヒースといいシェリルといい暇人ですか。そう言いながらも顔役の機嫌は悪くない。
「タングラムさまと、デート、みたいな……ぷしゅぅ」
 補佐の方は会話できる状態でもない。
 いつも通りなので気にせず腰掛ければ、足元に柔らかなぬくもりが触れた。
「ナナクロ?」
 抱き上げて膝に乗せればヒースの声が飛んでくる。
「毛がココアに入ったら一大事だからねぇ」
 見張っておいてくれ。その言葉に抗議するように鳴く黒猫。
「だいじょうぶ……きっと、ミルクも温めてるよ」
 ヒースのことだから。撫でてやると体を丸める。その尻尾に鈴付きのリボンが着いていて、揺れるたびチリンと軽やかな音が鳴った。
(あったかい)
 色々と話したい、聞きたいことがある。でも、焦っちゃ駄目だ。
「……鈴、可愛い……ね」
 ヒースってこんな趣味もあるんだ?

 ココアのお茶請けはブロックのチョコ。
「……タングラム。へーかと、カッテと……」
 温かいココアがあっても、心配から来る不安は治まらないようで。
(仕方ないとは思うけどねぇ)
 今日はあくまでも給仕だと、労う姿勢に徹するヒース。
 シェリルが2人から話を聞きだす、その会話はしっかり聞きながら。
「殺しても死にそうにないじゃないですか」
 いつもの軽口だか本気だか、多分両方を併せ持ったタングラムの言葉に、確かにと、つい頷いてしまった。
「……頼んだら……これ、へーかとカッテに、届けて貰える……かな?」
 シェリル手製のトリュフはグリオットのジャム入りだそうだ。
「ヒースにも。誕生日だから……」
 おめでとうの言葉にそう言えば、と頷く。自分の誕生日に関心が無いから忘れていた。
「去年よりは、上手になったんだよ?」
「礼を言うよ、シェリル。上達しているか、ゆっくり味わって確かめるよぉ」
「……むー」


●媚薬?

 手伝ってくれる柊 真司(ka0705)の背を追いながらチョコ菓子を運ぶセリス・アルマーズ(ka1079)。今日はどうしてか真司の隣を歩くことができない。
(あれは夢なんだから関係ないんだってば)
 どうしてか、新年早々に見た夢が思い起こされるのだ。

(どうも様子が変だな)
 漠然とわかっても、原因が全く思い当たらない。
(疲れてるのか?)
 昨日は一日がかりで菓子を作り続けたのだ。精神的に疲れていてもおかしくない。
「セリス。余った菓子があるだろ? ティータイムにでもしないか?」
 テーブルも借りられるらしいしと続く。孤児院側も振る舞い菓子に来た二人に協力的だ。
(疲れには甘いものだって言うしな)
 少しくらいのんびりしたっていいだろう。

「うん。久しぶりに作ったが上手くできてたみたいだな」
 出来立てを味見した時とまた風味が違うなー、と熱心に食べる真司の様子を、お茶を片手にぼぅっと眺める。
(なんで……?)
 一挙一動をつい目が追ってしまう。
(なんでドキドキするの……私は信仰に生きると決めてるんだから)
 なのに、真司の手や口元が気になって仕方ない。
 2人でお茶をするくらいなんてことないはずだ。昨日だってずっと一緒だった。
(お茶ってだけで……全部あの夢のせい!)
 フリフリの可愛い服を見たててもらって、こうして向かい合って様々なお茶を試して……
(忘れなさい、私!)
 ぶんぶんと首を振ってもみるが、逆効果のようでどんどんと夢の中の真司の様子が思い出される。
 一つ一つが、今目の前に居る彼と重なる。

(チラチラ見てるんだが何故なんだ)
 じっと見つめていると、次第にセリスの動きがぎこちなくなっていく。
(ロボットみたいな……俺、何かやらかしたか?)
 菓子の出来も、今飲んでいるお茶も変な味はしていない。
(実は無理でもしてたんだろうか)
 孤児院を訪問はセリスの聖導士としての日課のようなものだ。休むなんて自分からは言わないだろう。
「なあ、もしかして体調でも崩したか?」
 腕を伸ばし、真司はセリスの額に手を当てた。
「熱はないな……おい、おいセリス!?」
 瞬時に顔が真っ赤になる。
「ベ、別に意識してるなんてそんなこと」
 我に返るまでの少しの間、うわごとのように繰り返されたセリスの呟き。
 幸か不幸か、慌てる真司には届いていないである。


●為

「ふふ、シャイネの詩は素敵ね」
 広場の歌声に耳を傾けるエルティア・ホープナー(ka0727)。
(こんなお菓子1つで誰かの想いが伝わるなんて……ね)
 メッセージを包みの柄に利用したチョコを見つけ、小さく驚く。文字と共に物語がそこに込められているようにも見えたから。
「エア、終わったようだよ」
 挨拶に行こうと促すシルヴェイラ(ka0726)の声で我に返った。

(リアルブルーのお祭りと聞いていたが、しっかり浸透したなあ……)
 以前から下地はあったのだから当然なのだと思い出すシーラ。
 しかし恩恵を受けている身としては喜ばしい事でもあった。
(……あれくらいの失敗なら、大丈夫だ)
 いくら珈琲が好きな自分でも限度がある。その限界を超えた苦味を思い出すのは少しばかり苦痛だけれど、エアの手作りチョコと言う貴重品に出会わせてくれたのだから。

「エア? 前くらい見て歩けよ」
 転ばない様に、もし転んでもすぐ支えられる様に気をつけるくらい、自分にとってはいつものことだが。
「今年はどうしようかしら……」
 周囲を見回しながら歩くエアの呟きが聞こえてくる。
「去年は少し失敗してしまったみたいだけれど……」
 どうやら変えようと考えてくれている。その事実が純粋に嬉しかった。

 探しているのはレシピや、ラッピングの為の手順書だ。見つける度にフラフラと引き寄せられ、ついでとばかりに関係のない、けれどとても興味をそそられる書物にも出会ってしまう。
(いつ来ても、いつ見ても新しい物語との出会いがあるわ)
 だから探すのをやめられない。
「ねぇシーラ。帰ったら、チョコレートに合う珈琲、淹れてくれるかしら?」
 エアの手には2人分の、二種類の味のチョコ。エア自身が食べてみたいもの。シーラが好きだと思ったもの。
「とても美味しそうなチョコレートを見つけたのよ♪」
 小さくだがエアの口元が綻ぶ。
「え? ああ、わかった。とびきりのを淹れてやるさ」
 手作りではなく、確実に美味しく食べられる方を重視したようで。
「これを食べるのにはどの本が合うかしら……さ、早く帰りましょう?」
 お茶請けならぬチョコ請けに本を選ぼうと家路を急ぐエアの背を追いながら、シーラの口元が緩んだ。
(存外悪くない)
 自分と過ごす時間のために、自分の好みを考えてくれる喜びがそこにあったから。


●≠

 見覚えのある銀色に、アルカ・ブラックウェル(ka0790)は寄り道を決めた。
「こんにちは、シャイネ」
 ひらひらと手を振って迎え入れる吟遊詩人、その髪をじっと見つめる。
「やっぱり、綺麗な銀髪だなあ、ボクの父さんと同じ!」
 だからだろうか、近い距離で話したくなる。
「……吟遊詩人だからね。演技も得意だよ?」
 似ているようで別人。その存在が甘い言葉を囁く。
「言葉を仕事に、操る身だからね。よい聞き手にもなれるよ♪」
 お代は、君の相談事そのもの。

 バレンタインに皆からリクエストを受けたアルカは、唯一、失敗せず、1人で作れる菓子を作ることになった。
「そうやってイベントの空気に乗っても、違うって思うんだよね」
 例えば街中の恋人達。告白を前に緊張する女の子達。彼等と同じ世界に居る気がしない。自分だけ遠い別の場所に居るような。
「昔はさ……お兄ちゃんと結婚出来ると思ってたんだ」
 だからかな?
 双子で、お互いに対だと思っていて。なのに番にはなれない。一番の特別の特別になれないと理解した時に、自分は『恋』をする権利も、感情もなくしたのかもしれない。
「なーんて、ね?」


●笑顔と共に

「やっぱり、人がたくさんですー」
 目についた美味しそうなものを端から順に試しながら、アルマ・アニムス(ka4901)とミリア・コーネリウス(ka1287)は歩いていた。
「アルマ、それ少しくれるか?」
「勿論ですー」
 はいどうぞ、とチョコレートバーをミリアの口元に寄せる。
 ぱくり
「ミリアのも気になってたんですー」
 ミリアもクレープをアルマの前に差し出す。口がふさがっている分、目が仕方ないなと言っている。
 周囲の恋人達と変わらないやりとり。割ってから渡すとか、相手の手に持たせるとかそんな事は思い至らない。2人の間にある手はぎゅっと繋がれたまま。

 もぐもぐ
 一口を終えた後。改めて周囲を見回すアルマ。
「恋人さんらしき方たちもたくさん……」
 すごいですねーと同意を求めれば、ミリアと視線が重なった。
 一緒に甘いものを楽しむ時間は楽しい。自然に笑顔を交わす。
 自分達も他からしてみれば恋人同士に見えるということは、今まで気にしていなかった。
 けれど、バレンタインだからだろうか。今日は特別周りの恋人達が気になった。
「ミリア」
 無意識に、少しだけ低い声が出た。
「僕ら、ずっと一緒です」
 約束はしている。ただ、確認したくなっただけだ。
「ああ、一緒にいるぞ」
 ずっと守っていくと返した時と同じように、当然だと返してくれるミリア。
「……お婿に貰ってくれます?」
 間があいてしまった分、半分は冗談めかして繰り返す。
「んー家も財産もないから。ボクが引き取られる側じゃないか?」
 彼女の声はどこまでも当たり前のように自然だ。
 だから勢いのまま、続けた。
「ミリアがお嫁さんにくるですー?」
 するりと。笑ったまま言葉が続く。アルマ自身そう続けるのは自然だと思った。

「アルマとなら家族になってもいいな」
 考える必要もない。だって今までと何も変わらないのだから。
(どうした?)
 アルマの手が少しだけ硬くなったような気がして見上げる。どこか驚いたような表情にミリアは首を傾げた。
「……それ、意味わかって言ってます?」
 何を今更?
「一生付き合ってくれんだろ?」
 約束したのだ。今も、これからも。一緒に居る約束は家族になるのと同じだ。
「……はいっ。一生、よろしくお願いしますっ」
 アルマの顔に笑顔が戻る。それが嬉しくて、ミリアも笑顔を返した。


●噛みあわせ

 白薔薇のブーケには一束ずつ、違う色のリボンを添える。
(ちょっと照れくさいね)
 特別自分が目立っているわけではないと分かっていても。

 広場が近づき、ユリアン(ka1664)が寄るのはホットチョコレートのスタンド。隣にあったチョコも合わせて買いつける。
(この花でもいいんだけど)
 互いに友人と思っていても……人の目にどう映るか考えると、それは避けるべきだ。

 ユリアンが差し出すのは歌へのチップと、コイン型のチョコ。
「久しぶり?」
 シャイネの首には見覚えのあるペンダント。
「着けてくれたんだ。よく似合ってるよ」
「大事な友人からの贈り物だしね?」
 言ってみたかっただけ、お遊びの気安い会話。

「……どう、だった?」
 間近で対峙したと聞いていて。
「ごめん」
 答えを聞く前に、口をついて出たのは謝罪の言葉。
 聞きたい、でも無遠慮だと思う。
「得られたのは、噛みあわない確信、かな?」
 過去も、今も。

「あ、ハーモニカって吹けるかな?」
 時間が有る時にでも教えて貰いたいんだ。
 ユリアンの申し出に返るのはいつも通りの曖昧な返事。
 立場の自由を愛する吟遊詩人ゆえに。


●その一歩を

 ふと久延毘 大二郎(ka1771)の脳裏に蘇ったのは去年の所業。
(それどころではない!)
 強引に頭の隅に追いやる。今は何よりも目の前、八雲 奏(ka4074)のことを考えなければ。

 気付かれないよう深く息を吸い込む奏。勇気が空気に溶けているなら、この体中に満ちてほしい。
「バレンタインはインパクト!」
 自分に出来る最大限は笑顔を見せることだと信じて。自分自身をも勢いに乗せる。
「という事で、私をドキッとさせてくれたら。素敵なご褒美をあげちゃいますよ♪」
 言いきれたことに、胸のうちで安堵する。無茶振りだともわかっている。でも、そうしないと……
(本当は渡すのだって、緊張ばかりなんですよ?)

「ど、ドキッと……? また難しい事を……すまん、少し考えさせてくれんか?」
 考え込む素振りを理由に視線を逸らすフリ。そうすれば奏も一度視線を外すことを見越して。
 その隙が大二郎の狙い。後ろから彼女を抱きすくめた。
 小さく震えた肩に気付き、更に腕に力を込める。
「どうだ? た、多少は……ドキッとしただろう?」
 耳元で囁く。声が震えた自覚がある。
(だがこれを敢行してでも『ご褒美』を手に入れたいのだ)

 くすっ
 出来るだけいつも通りに。おどけたように見せたいから。
「合格点でしょうか。ふふ、格好良かったですよ♪」
 あともう少しだけ、勇気をふり絞りたい。
「それでは……」
 くるりと向き直る。大二郎の腕の中にずっといたいけれど。今日はバレンタインだから。
 真っ直ぐに顔を見つめて。奏が差し出すのは大きなハートチョコ。
(言ったも同然だけど、でも)
 視線が重なるのを待ってから。
「毘古ちゃんが大好きだから、ハートチョコです。割ったりしないで一気に食べて下さいね」

 いつもの笑顔とも、からかうような微笑みとも違う真剣な眼差し。
 チョコと、言葉。
 奏に見入りそうに、手を伸ばしそうになる自分を抑える。
「君から贈られた全てには、あの日が来たら必ず答えよう」
 整えたいものがある。タイミングも何もかも、全てを揃えてから。
「だから……それまで待っていてくれ」

 伝えきった唇が震えて、手で隠す。大二郎の声を聞きながら、精一杯の笑顔を浮かべた。
 あとは待てばいい、そう言ってくれた。
「ホワイトデー、楽しみにしてます。答え、聞かせて下さいね♪」


●家族の足し算

「つ、作れるかな……お父さんの方が絶対に美味しいし……」
 不安げなルーファス(ka5250)の目線にあわせ微笑むマーゴット(ka5022)。
「でも、こういうのって上手く作れるかより、気持ちを込める事が重要だと思うから」
 兄さんならどんなのでも受け取ってくれると思うよ、と背を押す。
「自分の気持ち……」
 やっと見つけた、やっと会えた実の父親。
 それまでボクの存在を知らなかったはずなのに、何の抵抗もなく、ボクを息子として受け入れてくれた。
(信じてくれた)
 ボクだって不安だった。でも、家族に会えてほっとして。
 居場所をくれて……

 菓子工房に人の気配を感じ取り、アルファス(ka3312)はそっと中を覗いていた。
(なるほどね)
 アルファス自身、販売用も、大事な一つも、勿論彼ら家族の分も準備は終えている。
 改めてルーファスを眺める。
(年齢から考えても裏稼業してた頃の子かぁ……吃驚はしたけど、可愛いものだね♪)
 似ていたから実感も早かった。
(僕よりも2人に仲良くなって欲しいし、見守ってようかな?)
 血の繋がりだけじゃない家族になるために。

 用意したレシピを何度も確認しながら揃えた材料を、更に慎重に扱うマーゴット。
(兄さんの為に、二人で作るものだけど……ルーファスの分も)
 数を増やす分、材料も増えて扱いに慣れにくい。
「お姉ちゃんは……どんな気持ちでチョコを作るの?」
 次の道具を出しながら、首を傾げていたルーファスの言葉。
「えっと、お姉ちゃんも好きなの?」
「私? んーそうだね……一言で言えば感謝かな」
 家族になってくれたことに対して。
「……兄さんと会う事が出来た事への、ね」
 言いながら、手に取った瓶の中身をボウルに振り入れた。

(ああ、それは隠し味なのに入れ過ぎ……!)
 遠目から見てもアルファスにはわかる。今すぐ飛び出して手直ししたい。
(……って)
 踏みとどまる。2人が作っているのは自分の為のチョコだ。
(大事なのは味じゃないもんね。それより)
 2人のぎこちなさの方が気になった。けれど見守るしかできない。彼らを信じるしかないのだ。

「ボクはお父さんと仲良くなりたい……思い出を増やしたい」
 親子という事実だけじゃなくて。
「ボクがお父さんに何かしてあげられたって、そう思いたいんだ」
 事実の先にある関係をきちんと作りたい。だから。
 できたばかりのチョコ。飾り付けたばかりの包みのひとつを差し出す。
「これ……お姉ちゃんにもあげる。家族だって……お父さんが、その」
 マーゴットとも、家族になりたいから。

「ありがとう。それじゃあ、私からも」
 マーゴットの言葉で、やり取りが一段落したことを知る。
(近づいてくれたかな♪)
 本音ではもう1人……それは自分の都合だ。今は2人の距離が縮まったことに満足しておく。
「2人ともエプロンなんかして、何やってるの?」
 そ知らぬ顔で工房に入るアルファス。
 恥ずかしそうなルーファスの背をマーゴットがぽんと押して促す。
「はい、お父さん……」
 おずおずと差し出された包みを手に取れば、義妹からも差し出されて。
「はい、兄さん。いつもありがとう」
「おお! 凄く嬉しいなぁ♪ ルーファスもマギーもありがとう」
 2人を纏めて抱き寄せて、悪戯な表情を浮かべた。
「折角だから、食べさせてもらっていいかな?」
 差し出すルーファスの手からぱくり。隠れていない味の主張はあるけれど、食べられる範囲。
「うん、とっても美味しいよ!」
 心から微笑むアルファスだった。


●意図

 気持ちを伝えたあの日を境に、位置が変わった。
 この日を迎えるまでを思い出しながらも、レオン(ka5108)はルシール・フルフラット(ka4000)が歩きやすいよう気を配る。
「いい雰囲気ですね」
 堂々と、この人の隣を歩けるという実感。

(なんだか気恥ずかしいものがあるな)
 恋人として並び、女性扱いされていると気づくたびに頬が熱くなる気がする。
 クリスマスの装飾に目を奪われたふりをしてルシールはレオンから視線を逸らす。季節が冬で良かった。でなければすぐに顔が赤くなってしまっていただろう。
「どこかで休まないか」
「それなら、いい店がありますよ」
 連れられた先、名を告げるレオンの様子で、この外出が念入りに手はずを整えられていたものだと気づいた。
(そうだ。私にとって弟子であり……大切な男の子だった)
 異性としては見ていない筈だった。それを覆すほどの真っ直ぐな好意を示されて、言葉に出来ず、つい口付けで返してしまった……今日は、上手く伝えられそうだ。
「どうされましたか?」
 席に案内され、気付けば向かい合って座っている。恋人の言葉に小さく、呼吸を整えて。
「……あっ、愛しているぞ、レオン」
 今日の為に用意していた、贈り物と共に。

 可愛いものが好きでも隠しているような、可愛い人。
「一番好きなものを選んでくださいね」
 戸惑うような仕草と、嬉しそうにぬいぐるみを見つめる瞳の輝き。そんな小さなことも素直に見せてくれる。気持ちを伝えてくれた時に、最後薄い壁がなくなったような感覚。それはレオンにとって。ルシールと恋人になったことの実感を際立たせてくれる。
 それでも控えめな大きさのぬいぐるみを一つ選んだ彼女の手を、自然にとり誘う。今日の最後の目的地へと。
 仕立て屋で待っているのは似合うはずと選んでおいた白いドレス。
「今度、これを着てくれませんか?」

 サイズの直しが必要のない仕上がりの一着を前に、そしてその意味に頬を染める。
「……後で、私の部屋に来なさい」
 レオンにだけ聞こえるように囁く。分かってやっているのかとも思う。けれど言葉どおり似合うから、それだけで選んだのだろうとわかる。普段ならば着ない可愛らしいラインのドレス。
(意味を教えなくては)
 師匠らしく、ではなくて。ただ誰よりも最初に、着た姿を見せたいから。


●唇に

 溢れるチョコの香りに綿狸 律(ka5377)の心は華やぐ。
「きょーや! 次はあれ見ようぜ!」
 皆守 恭也(ka5378)の手を離すことはなく、共に行こうと足を急く。
「美味しそうなの多いなー、どれにするか迷う!」
 指折り数え始めた律に恭也が小さくたしなめた。
「食べ過ぎると虫歯になるぞ?」
「そこまで子供じゃないやいっ!」

「きょーや! ハッピーバレンタイン!」
「っ!?」
 がぽっ
 広場の一角に見つけたベンチ。歩き回った休憩にと腰を下ろしてすぐの事。律のチョコ攻撃は不意の出来事。
 主人であり恋人が殺意を向けてくるわけがなく。まして稽古をつけるための武器でもないチョコである。予想をするのも、まして反撃など思いつく間もなく。恭也はチョコを咥えさせられた。一口では難しい長さのそれを、どう食べるべきだろうか。
「先に真ん中に辿り着いたら勝ちな!」
 喋れないのをいいことにルールは決めうち。律も反対側からチョコを咥えた。
(絶対負けないからな)
 勝負とあれば受けてたとう。

 もぐ
(これ……って……!)
 もぐ
 少しずつ近づいてくる恭也の顔。それを意識し始めた途端に頬が熱くなる。
 自分から仕掛けた悪戯なのに。まずい!
「どうした? 絶対負けないんだろう……?」
 チョコに意識を集中しようと咥えなおした隙に恋人の声が耳朶をうつ。ただのゲームなのに。
(きょーや、が、近い)
 恥ずかしい。顔が熱い。甘くて、耳に心地いい。
 そう思う間にも距離は狭まっていく。ひどくゆっくりに思えて、食べすすめることが出来なくなる。
 ゲームの筈なのに。

 勝つことを念頭に置いていた恭也だが、律の表情が変わるにつれその速度を緩めた。意図的に、時間をかけて。律の染まる頬と、脳内でせめぎ合っているであろう感情を思う。律の動きが完全に止まった事に気付いてからは一度に距離を詰めた。
 びくり
 腰を上げそうになった律の腕を掴み、捉えた。
 まだ少し残っていたチョコを律の唇ごと奪って。そのまま二つの甘さを味わった。

「……甘い」
「ば……ばーか! ばか! きょーやのばか!!」
 離れてすぐ、驚きから回復した律の言葉。真っ赤な顔で言われても効果はなくて。
「ごめんって」
 律の為に買ったチョコを差し出す恭也。その顔に浮かぶ優しい笑みに、律の許さないはずの決意はゆるりと解れた。


●繋ぐ

 懐手を決め込むセンダン(ka5722)が口を開く。
「……で、何しに来たんだよ」
「こんな素敵な催し物をやっているんです。折角ですし一緒に過ごして下さいな」
 柔らかく答える閏(ka5673)がセンダンの袖を掴む。仕方ないとその手を繋いでやった。
 言葉では勝てない。口の中だけで呟いた言葉は溜息になった。

「お土産をと思いまして」
 一緒に選んで欲しいのだ。
「適当で良いんじゃねぇのか、何でも喜ぶだろ」
 投げやりな言葉は予想出来てもいたけれど。だからこそ言葉を重ねる。
「いいえ。ちゃんと貰った人の気持ちになって考えないと……」
 叱る様に、口喧嘩の構えになりかけて。今日のもう一つの目的を思い出した。言葉で押し勝ちたいわけではないのだ、本当は。落ち着きを取り戻した閏が取り出すのは一つの包み。
「心を込めて、センの為に作ったので受け取ってくれますか?」
 二人で出かける理由は、悪戯な邪魔が入らないようにする為だ。そして受け取る側になることで、土産選びにも気持ちを入れてほしいと願いも重ねた。

「なんだよ、これ」
 バレンタインには詳しくない。センダンの目が疑いに染まる。
 だが相手は閏で、怪しいものではないと知っている。すぐに開いて……でてきたチョコレートを迷わず口に放った。
(甘い)
 人に弱い誰かみたいな。その当人は自分が食べた感想を言うのを待っている。
「あ、んだよ。普通だよ」
 言葉に出るのは簡単な言葉。閏が作る食べ物どれも美味い。美味いのが当たり前で、普通だ。
(なんでだ)
 閏の目じりに浮かぶ涙が光った。
「もう少し感想があってもいいじゃないですか……」
 いちいち言わないと分からないというのは面倒だ。口は達者なくせして察しが悪いとか、殺すぞ?
 不満の顔に負ける。黙っていたら次の言葉が降ってくるだけだ。
「……まずけりゃ食わねぇよ」
 気まずげに、閏の顔は見ない。面倒言わせやがって。

 素直ではない呟きが嬉しくて。滲んでいた涙はなりを潜めた。
 この気持ちを分かって欲しくてセンダンを見上げる。視線は重ならない。かわりに気付いたのは口元の小さな汚れ。
 自分の顔が笑み崩れる自覚と共に、爪先立って手を伸ばした。
「全く、子供じゃないんですから……」
 閏の手を見ても動かないセンダン。軽く拭えば簡単に、汚れは見えなくなった。


●歩

 時間が解決する、なんて便利な言葉。
 過去は鈍磨する、つまり同じ事だろ?

 昔、確かにあった悲痛な想いも決死の誓いも、今ここにある価値には及ばない。
 それがウォルター・ヨー(ka2967)の思う、今。
 今が幸福だから良し……では過去の価値を貶める。
 見栄っ張りな自覚はある。けれど過去があっての今と知るからには。

 自分の抱える過去と今。質だけはきっと同じと信じ。
 揃えるべきは量。
 過去と今が釣り合ってこそ、今と同じと認めてこそ。
 過去を貶めず、風化もさせず。腫れ物の罪咎でもなく。
 揺るぎ無い『自分自身』にできる。

 知り得た欠片を繋ぎ合わせて。
 心の中で紡いでいく。

 今だけを素直に受け入れる事は、過去の自分を否定すること。
 過去を疎かにすることは、ラザラスさんが自分自身を殺すこと。
 それは恐怖で。
 素直に受け取れないのは、仕方ない。
 彼にとっての精一杯。
 柏木 千春(ka3061)が怒ることでも、悲しむことでもない。

 動き出した関係は私を、こそばゆさと嬉しさで囲む。
 私に出来るのは、貴方の毒にならないこと。
 量も甘さも控えめに、見えない愛はたくさん込めた手作りトリュフ。
 手作りを受け取ってくれただけでも、嬉しくて。

「受け取ったら言うこと聞いてくれるんじゃなかったっけ?」
「ラザラスさん!?」
「例えばエプロンだけでごはんの支度してくれても? いいしね?」
「そんなことしません!」
 つんと、そっぽを向いて怒ったふり。
 本気で言っていると思ってはいないから、怒る理由もないの。

(なぁんて)
 視線が逸れた隙に気配を殺す、自分自身を殺すように。
(本当、ちょろいね、ずるいのにね)
 人混みに紛れ、己を殺し、殺し、殺し……彼女の反対側に。
 むに
 そっと近付いた手で耳の、柔らかい部分を摘む。

「っ!?」
 急にいなくなったと思ったら。慌てた私を、笑ってた?
 言葉にならないかわりに、戸惑いの視線を、赤い頬を向けて。

 あたしを僕にした、切欠は間違いなく君だから。
 君に伝える義務がある。
 君には知る権利がある。
 ふらふらと、はしっこいだけの剣士で通してきた自分が、そうでなくなる。
 過去と今を同時に抱いて、罪も幸せも己そのものにする為の。自己表明を。

「そうそう、来年はもっと甘いやつがいいな」
 ……この先を、望んでも。いいの?


●魅惑

 忙しいのは前日まで。店はバイトに任せて、自由な空気の中で羽を伸ばす。
「俺も少しは蓄えを覚えたんでな」
 そんなエアルドフリス(ka1856)の言葉に甘えて、ジュード・エアハート(ka0410)が強請るのは気になっていた芝居の演目。
 2人で迎える二度目のバレンタインだから、泊まるホテルのランクもあげて。
(俺はエアさんが少しでも長く傍にいてくれるだけでも贅沢なんだけど)
 口にしていいのか迷って、思うだけに留める。

 盛装が必要になるようなホテルは、堅苦しさもあるけれど。
(偶には結構)
 はじめこそ窮屈に感じていたスーツも、麗しの花の前には霞む。目を、いや五感を、心を奪われた身としては……自分との時間の為に着飾る恋人がいるだけで。
 部屋で赤のドレスを緩めるジュード。薄紅の花弁から覗く足に目を奪われる。
「ねぇ、エアさんって他人の足の爪、綺麗にできる?」
 そんなシーンあったよね。芝居の中にあったやり取り。恋人の声にも艶が混じる気配があって。
「爪の手入れ? 出来ん事も無いが」
 歯切れが悪いのは、出来るようになった、その経緯にいくらか後ろめたさがあるからだ。今は続いていないにしても。
(ジュードの役に立つなら良かったかね)
 世渡るための技を恋人への奉仕に使えるのなら。

(誰かにやったことあるんじゃないかなぁ)
 だってこの人は経験豊富な恋人だから。言ってみれば予想通りで。分かっていても仄かに、見ず知らずの誰か、過去の影に妬いてしまう。
「ねぇ……俺にもやって?」
 悪戯めかして。でも、響きは甘く。すぐ傍の、まだ服を緩めても居ない恋人の膝に足を差し出す。

 押頂いた足の、詰めを丁寧に塗り染める。色は勿論、今日の揃いの色、部屋に咲く赤い薔薇の色。
「石でも付けるかね?」
 例えば指輪と揃いの石を、今日の証に刻むように。
 互いしか知らない、俺しか知らない装飾と言うのは非常にそそるな……

「今夜は、楽しかったかね」
 気にかかることはあるけれど。その答えは本人が見つけるしかないものだから。
 ささやかでも、支えになれているだろうか。その確認に留める。
「エア、さん? ……ん」
 答えるかわりに、グラスからつまんだトリュフを一つ、口に含んで。恋人の唇へと顔を寄せる。
 転がす時間は長く。
「ジュード……ザッハトルテは、後でも」
「いいよ?」

依頼結果

依頼成功度大成功
面白かった! 8
ポイントがありませんので、拍手できません

現在のあなたのポイント:-753 ※拍手1回につき1ポイントを消費します。
あなたの拍手がマスターの活力につながります。
このリプレイが面白かったと感じた人は拍手してみましょう!

MVP一覧

重体一覧

参加者一覧

  • 真水の蝙蝠
    ヒース・R・ウォーカー(ka0145
    人間(蒼)|23才|男性|疾影士
  • 空を引き裂く射手
    ジュード・エアハート(ka0410
    人間(紅)|18才|男性|猟撃士
  • 約束を重ねて
    シェリル・マイヤーズ(ka0509
    人間(蒼)|14才|女性|疾影士
  • オールラウンドプレイヤー
    柊 真司(ka0705
    人間(蒼)|20才|男性|機導師
  • 時の手綱、離さず
    シルヴェイラ(ka0726
    エルフ|21才|男性|機導師
  • 物語の終章も、隣に
    エルティア・ホープナー(ka0727
    エルフ|21才|女性|闘狩人
  • 陽光の愛し子
    アルカ・ブラックウェル(ka0790
    人間(紅)|17才|女性|疾影士
  • 歪虚滅ぶべし
    セリス・アルマーズ(ka1079
    人間(紅)|20才|女性|聖導士
  • 英雄譚を終えし者
    ミリア・ラスティソード(ka1287
    人間(紅)|20才|女性|闘狩人
  • 抱き留める腕
    ユリアン・クレティエ(ka1664
    人間(紅)|21才|男性|疾影士
  • 飽くなき探求者
    久延毘 大二郎(ka1771
    人間(蒼)|22才|男性|魔術師
  • 赤き大地の放浪者
    エアルドフリス(ka1856
    人間(紅)|30才|男性|魔術師
  • ミストラル
    ウォルター・ヨー(ka2967
    人間(紅)|15才|男性|疾影士
  • 光あれ
    柏木 千春(ka3061
    人間(蒼)|17才|女性|聖導士
  • 《聡明》なる天空の術師
    アルファス(ka3312
    人間(蒼)|20才|男性|機導師
  • 落花流水の騎士
    ルシール・フルフラット(ka4000
    人間(紅)|27才|女性|闘狩人
  • 重装鉄壁
    八雲 奏(ka4074
    人間(蒼)|16才|女性|闘狩人
  • フリーデリーケの旦那様
    アルマ・A・エインズワース(ka4901
    エルフ|26才|男性|機導師
  • 元凶の白い悪魔
    マーゴット(ka5022
    人間(蒼)|18才|女性|舞刀士
  • 死者へ捧ぐ楽しき祈り
    レオン(ka5108
    人間(紅)|16才|男性|闘狩人
  • 竜鱗穿つ
    ルーファス(ka5250
    人間(蒼)|10才|男性|猟撃士
  • 仁恭の志
    綿狸 律(ka5377
    人間(紅)|23才|男性|猟撃士
  • 律する心
    皆守 恭也(ka5378
    人間(紅)|27才|男性|舞刀士
  • 招雷鬼
    閏(ka5673
    鬼|34才|男性|符術師

  • センダン(ka5722
    鬼|34才|男性|舞刀士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/02/12 21:29:41