ゲスト
(ka0000)
【闇光】少年、主への思いと空の旅
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/02/16 22:00
- 完成日
- 2016/02/22 15:52
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●帝国の空へ
プエル(kz0127)はグラズヘイム王国において休息およびやることを考えていたが、とある噂を耳にして動かずにはいられなかった。
「レチタティーヴォ様が残していた物? 気になる」
きっと素敵な物に違いない。
「なら、僕は見に行ってみるべきだよね」
おとなしくしていろとエクエスには言われていたが、部下にまかせっきりも良くない。レチタティーヴォみたいな演出家になるには自分がやらねばならいのだ。
きちんと服を着て、武器も持って、レチタティーヴォを模した大切な人形は自分のベッドに寝かしつけた。
「やっぱり、お前もくる?」
プエルはレチタティーヴォの形をした人形を肩掛け鞄に他の荷物と一緒にいれる。町で買ったチョコレート菓子とティーバッグやミネラルウオーター。必要そうなものは入れてある。
しかし、ゾンネンシュラール帝国への道のりは遠い。
「空が飛べたらなぁ」
ぼんやりと空を眺める。
「ガルドブルムがうらやましいなぁ」
ここにはいない相手を思う。どこかで遠目に見た記憶があるが、記憶は定かではない。
「あれ? なんか空飛んでる?」
プエルは木の陰に隠れる。
怖い物なら困る。
目の前に下りてきたのはワイバーンだ。それも、鞍と手綱が付いている。
「……うーん、これは……」
プエルは恐る恐る木の陰から出てくる。
おっかなびっくりプエルは近づく。
「誰かのペットだったのかな……乗ってもいいのかな……」
プエルが鐙に足を掛けてもワイバーンは動かずじっとしているため、そのまま鞍に座った。視界が一気に高くなる。
「楽しいっ! わ、わああ!」
ワイバーンは翼を広げた。
「ちょ、ちょっと待って!?」
プエルはあわてて手綱を握る。馬と同じ要領でいいのかと不安もあったが、ワイバーンが飛ぶに任せた。
空高く飛ぶワイバーンにわくわくしながらプエルは旅を楽しむ。
ゾンネンシュラール帝国の空の上にやって来たのだった、出会ったワイバーンにしがみついて。
「ふわあああ、すごいや」
眼下に広がる平原と戦いの傷跡。
「大きな人形だなぁ……魔導アーマーとかCAMとかいう奴? すごいなぁ……動いてる?」
プエルはワイバーンに下りてもらうようお願いした。
「歪虚と人間がいる? 魔導アーマー取ろうとしているのかな。僕でも遊べる? あ、これがあったら面白いことできるかなっ!」
プエルはわくわくしつつ考える、大きな金属でできた人形なら操れるはずだと。
だが眺めていて気付いたことがある。魔導アーマーやデュミナスに憑りついている人形はレチタティーヴォの物のようだった。
「うーん、僕じゃ、『どいて』って言いにくいなぁ」
良い案は浮かばない。レチタティーヴォの物であれば攻撃はできないと考えるから。
「まさに、箱庭! ……ふふっ」
歪虚も人間も必死に残骸を奪おうとしたり、攻撃したり忙しい。眺めているプエルは楽しくなってきた。
「結局、これ眺めるしかないかなぁ……何か、ピッとすると面白くなるねっ! でも、僕じゃレチタティーヴォ様の思いの境地にたどり着けないや……うっ。帰ろうかな……」
ワイバーンの向きを反転させようとした時、プエルは飛んでくる物体に気付いた。急いで回避行動させるが、体勢を崩してしまう。
「うわああああ」
プエルは落ちて地面に倒れる。幸いだったのは、低空だったことだ。
「いたた……どうしよう……」
プエルは途方に暮れて、岩陰に隠れることにしたのだった。
●依頼
「――というわけで、帝国領北部州フレーベルニンゲン平原においてデュミナスや魔導アーマーの回収が行われているんですよ。壊れてしまっているので動きませんが……いえ、だから回収作業のお手伝いをお願いしているんですよね……」
ハンターオフィスの職員は溜息をもらす。
「歪虚も回収しているみたいなので結構、大変みたいです。ほら、機体を動かしちゃったりできるみたいで。ただ、歪虚自体も攻撃されているんですよね」
それは誰かが遊んでいるのではとハンターは思うが。
「そうですよね……。気を付けて行って来て下さい。あ、回収がメーンじゃなくて、確実に歪虚を減らすということで構いません。今回、貸し出せるものはないので、どのあたりでどんな状況か確認してきていただけるだけでも十分です。そこに回収部隊が行けばいいんですから」
つまりは基本は調査と歪虚殲滅、出来れば回収と言うことかとハンターが尋ねる。
「そうです。よろしくご検討ください!」
プエル(kz0127)はグラズヘイム王国において休息およびやることを考えていたが、とある噂を耳にして動かずにはいられなかった。
「レチタティーヴォ様が残していた物? 気になる」
きっと素敵な物に違いない。
「なら、僕は見に行ってみるべきだよね」
おとなしくしていろとエクエスには言われていたが、部下にまかせっきりも良くない。レチタティーヴォみたいな演出家になるには自分がやらねばならいのだ。
きちんと服を着て、武器も持って、レチタティーヴォを模した大切な人形は自分のベッドに寝かしつけた。
「やっぱり、お前もくる?」
プエルはレチタティーヴォの形をした人形を肩掛け鞄に他の荷物と一緒にいれる。町で買ったチョコレート菓子とティーバッグやミネラルウオーター。必要そうなものは入れてある。
しかし、ゾンネンシュラール帝国への道のりは遠い。
「空が飛べたらなぁ」
ぼんやりと空を眺める。
「ガルドブルムがうらやましいなぁ」
ここにはいない相手を思う。どこかで遠目に見た記憶があるが、記憶は定かではない。
「あれ? なんか空飛んでる?」
プエルは木の陰に隠れる。
怖い物なら困る。
目の前に下りてきたのはワイバーンだ。それも、鞍と手綱が付いている。
「……うーん、これは……」
プエルは恐る恐る木の陰から出てくる。
おっかなびっくりプエルは近づく。
「誰かのペットだったのかな……乗ってもいいのかな……」
プエルが鐙に足を掛けてもワイバーンは動かずじっとしているため、そのまま鞍に座った。視界が一気に高くなる。
「楽しいっ! わ、わああ!」
ワイバーンは翼を広げた。
「ちょ、ちょっと待って!?」
プエルはあわてて手綱を握る。馬と同じ要領でいいのかと不安もあったが、ワイバーンが飛ぶに任せた。
空高く飛ぶワイバーンにわくわくしながらプエルは旅を楽しむ。
ゾンネンシュラール帝国の空の上にやって来たのだった、出会ったワイバーンにしがみついて。
「ふわあああ、すごいや」
眼下に広がる平原と戦いの傷跡。
「大きな人形だなぁ……魔導アーマーとかCAMとかいう奴? すごいなぁ……動いてる?」
プエルはワイバーンに下りてもらうようお願いした。
「歪虚と人間がいる? 魔導アーマー取ろうとしているのかな。僕でも遊べる? あ、これがあったら面白いことできるかなっ!」
プエルはわくわくしつつ考える、大きな金属でできた人形なら操れるはずだと。
だが眺めていて気付いたことがある。魔導アーマーやデュミナスに憑りついている人形はレチタティーヴォの物のようだった。
「うーん、僕じゃ、『どいて』って言いにくいなぁ」
良い案は浮かばない。レチタティーヴォの物であれば攻撃はできないと考えるから。
「まさに、箱庭! ……ふふっ」
歪虚も人間も必死に残骸を奪おうとしたり、攻撃したり忙しい。眺めているプエルは楽しくなってきた。
「結局、これ眺めるしかないかなぁ……何か、ピッとすると面白くなるねっ! でも、僕じゃレチタティーヴォ様の思いの境地にたどり着けないや……うっ。帰ろうかな……」
ワイバーンの向きを反転させようとした時、プエルは飛んでくる物体に気付いた。急いで回避行動させるが、体勢を崩してしまう。
「うわああああ」
プエルは落ちて地面に倒れる。幸いだったのは、低空だったことだ。
「いたた……どうしよう……」
プエルは途方に暮れて、岩陰に隠れることにしたのだった。
●依頼
「――というわけで、帝国領北部州フレーベルニンゲン平原においてデュミナスや魔導アーマーの回収が行われているんですよ。壊れてしまっているので動きませんが……いえ、だから回収作業のお手伝いをお願いしているんですよね……」
ハンターオフィスの職員は溜息をもらす。
「歪虚も回収しているみたいなので結構、大変みたいです。ほら、機体を動かしちゃったりできるみたいで。ただ、歪虚自体も攻撃されているんですよね」
それは誰かが遊んでいるのではとハンターは思うが。
「そうですよね……。気を付けて行って来て下さい。あ、回収がメーンじゃなくて、確実に歪虚を減らすということで構いません。今回、貸し出せるものはないので、どのあたりでどんな状況か確認してきていただけるだけでも十分です。そこに回収部隊が行けばいいんですから」
つまりは基本は調査と歪虚殲滅、出来れば回収と言うことかとハンターが尋ねる。
「そうです。よろしくご検討ください!」
リプレイ本文
●込み合う戦場
無数の弓矢が放たれ、行く手を遮る歪虚たちに雨あられのように降る。
「いつまでたってもれちたんの残滓が消えませんね。一つずつ消すまでです」
ミオレスカ(ka3496)は嘆息しつつも、次のために矢を用意する。
「数ばかりは多いな……数えるのも面倒だ、ひとまとめに片づけよう」
ロニ・カルディス(ka0551)は神に祈りつつ、スタッフをスイッと回し地面を付く。力が閃光となってハンターの進む道を築く。
「おおう、壮観じゃのぅ」
紅薔薇(ka4766)はマテリアルを活性化させ、徐々に伸びる一行の道の先端に真っ先に踏み込む。皮肉気に笑うと技の「華刃『木花咲耶姫』」を使い、道を作る。
「残骸回収か……それだけ物資が足りてないって事だろうし……オレはカネさえもらえれば……さあ、アザリー、頼りにしていますっ!」
「クエェエ」
ステラ・レッドキャップ(ka5434)は思わず口を突いた独り言の後、相棒の幻獣リーリー・アザリアの愛称を呼び気を引き締める。
「人形は小さく、動き回るかもしれない。なら、私はまずはCAMの動きを止めよう」
イーディス・ノースハイド(ka2106)はつれている幻獣リーリー・ミストラルの背でランスを構え、一気に駆け抜けるように指示を出す。大人しいと言われるリーリーの中でも獰猛な性質を持つミストラルは、待ってましたとばかりに目標めがけ駆けだした。
「ホントに機体が動いて歪虚を攻撃しているな。見ていて面白いからと放っておくわけにはいかないか」
レイオス・アクアウォーカー(ka1990)は戦場を眺めつぶやく。そんな中、目指す先を中心に空の鞍を載せたワイバーンが旋回して飛んでいるということ、乗り手がいれば歪虚だろうと気になった。それよりも、まずは目の前の動き回る機体を止めることを優先と考える。
「結構昔から無茶はしたけど、ロボットと戦うなんてことはしなかったわね」
烏丸 涼子 (ka5728)は半生から考えられない状況であったが、ここにいるからには全力で向かうのみだった。
「ふむ……ワイバーンもいるようじゃが、手出ししない限り放置じゃな。わしはあの巨大骸骨にあたるとしよう」
バリトン(ka5112)はゾンビたちを蹴散らし進む。暴食に属する歪虚たちが機体を回収しに来ているのだろうし、歪虚の中でも死体を弄ぶその眷属には最大の嫌悪が彼にはあった。そんな奴らに機体を渡す気は全くなかった。
プエルは帰ろうと考えていたが、ハンターの様子を見る。
「あいつら……レチタティーヴォ様の人形を攻撃するんだよね」
思考がぐるぐるしていた。
●一進一退
デュミナスや魔導アーマーをできる限り回収するためには慎重さが必要となる。張り付いている人形をどうにか落として。
ミオレスカとロニは機体を奪いに来ているらしいゾンビたちを駆逐していく。それらはさほど強くないが、湧いてくるようで減らない。
近づいてくるゾンビの攻撃を避けつつ、よじ登ってくる小さいゾンビを払い落す。
「気持ちがいいものではないですね」
ミオレスカは小さいゾンビの攻撃が鎧で防ぎ切れるとしても、言い知れぬ不安に駆られる。
「あれが小さい奴を操っていると言うわけでもないのか」
人間大のゾンビもロニのセイクリッドフラッシュによって塵に還る。その後も小さいゾンビたちは自分のやるべきことをしているようだった。
「それなら、あの大きな骸骨でしょうか」
「ならそちらに俺は行こう」
ロニは進路を決めるが、進むにしても数の多いゾンビたちを減らさないとならない。
「銃を持つ方の足を壊す」
イーディスはランスで狙う。デュミナスがアサルトライフルを撃つ可能性を減らすために最小限の破壊を考える。人形を狙いやすくするにも動き回るのを止めたかった。
「分かりました」
ステラはデュミナスの後方に回り、イーディスが狙った部分を狙い撃つ。
「ちと数が多いな」
紅薔薇は接敵直前にゾンビたちに囲まれたため、再び技を使って斬り刻んだ。
「薙ぎ払い」を使い魔導アーマーの側まで来たレイオスはもう一本の武器を手にする。
「大型兵器に生身で挑む、これはこれで面白そうだ。さて、力づくでパージしてやるよ!」
レイオスは己を奮い立たせるように声を上げ、それが動けなくなるように狙う。
「……アイアンボールは危険だな」
涼子は少し離れた所から人形に銃を向ける。
人形たちは手足や胴など動かす分担を決めているのかあちこちについていた。
バリトンは目の前の敵と対峙する中で、戦いに滾る血と暴食への怒りを経験で培われた意志で抑え込み己の力とする。
「さて、おぬしはわしをどれくらい楽しませてくれるかの?」
敵へ威嚇とも、無防備で誘い込むような動作とも取れるようなしぐさの後、鋭い攻撃を叩きこんだ。
ハンターが押しているとはいえ、歪虚や人形が操る機械は脅威だった。消耗戦になってくると、人間であるハンターに不利となってくる。
デュミナスにくっつく人形たちは連携を取り、攻撃をする。
少し離れているが狙われたステラは、目の前に迫った攻撃を、銃弾で軌道を変えるとともに、アザリアの回避を助ける。目の前をかすった風に冷や汗が流れた。
レイオスはアイアンボールを振り回され、回避し損ねた分だけ打撃を受ける。
巨大骸骨の攻撃は避けられたが、時々鋭い動きをするのか当てられた瞬間、バリトンは鎧を通り越して骨がきしむのを感じた。
攻防が続くが終わりは来る。
紅薔薇が地面すれすれに刃を走らせ、鋭い斬撃を食らわせた瞬間、デュミナスの足の関節が折れた。
「まだ抵抗するようなら、腕もぶった切るがのぉ」
紅薔薇は破壊はできる限り最小限でと考え、デュミナスの関節等動きに関する仕組みを頭に叩き込んできていた。
「人形は狙いにくいがな」
イーディスは動きを注視し、斬り裂く。
「アザリーは回避に専念してくださいね」
ステラはリーリーに告げつつ、高い位置にいる人形を重点的に狙う。
デュミナスにつく人形たちは脚が動かなくても腕は動かせたため、人間を巻きこむように盾を勢いよく押し倒した。
「使い方間違っているおかげで助かるな」
イーディスは盾を構え破片等を防ごうとし、リーリーは回避行動を素早く取ったため大事には至らなかった。
「まあ、後は時間の問題じゃ!」
紅薔薇は人形に向け刃を振るった。
「それにしても固いなぁ」
レイオスは魔導アーマーに攻撃を叩き込んだ瞬間、眉をしかめた。
別の角度から涼子が人形を狙っているため、少しずつ状況は変わるはずだが、人形は多く張り付いている。
「壊す方針に変えるならそれならそれでそちらを狙うが?」
涼子の言葉にレイオスは首を横に振る、壊すにしても人形を狙う必要もあるのだから。
巨大骸骨に避けられた瞬間、バリトンは目を剥いたが、大きいだけではないと言うことかと笑う。
「楽しませてくれる、ということか……むう? 再生するのか……避けられた分、こちらが不利になる……」
攻撃を加えた所が、少しふさがっているようだった。回復は早くないため、回避をさせないよう、より慎重に攻撃さえすればよいのだった。
ロニはレクイエムで敵の動きを鈍らせ、少しずつバリトンに近づく。
一方でミオレスカは動きの鈍った敵を重点的に狙って撃つ。そして、彼女自身も少しずつ移動をする、デュミナスが使えるなら使いたいという思いがあったから。
プエルはがれきの陰でじっとしている。大きな人形のどちらに近づくか考えつつ、時々移動する。幸い気付かれていない。
「余の物のできるかなぁ」
紫の目が期待に輝いた。
●潜んでいた者
デュミナスが動かなくなった後、人形がいないか目視で確認する。見えない部分にいる可能性は否定できないため注意だ。
ミオレスカが近くに来たとき、イーディスと紅薔薇が入れ違いに移動を始める。魔導アーマーを止めるために。
ステラは周囲の警戒を行う、相棒のリーリーと共に。そこで周囲がはっきりと見える。
魔導アーマーと戦うレイオスと涼子は地道な戦いを強いられているようだった。しかし、そちらに向かった二人がいるため、一気に流れは変わるはずだ。
巨大な骸骨と戦うバリトンはなかなか迫力がある。そこにもゾンビを消しつつ近づくロニがおり、戦況は確実に変わる。バリトンが負っている傷もロニの力でひくだろう。
ステラは遠くから手前に意識が戻る。手綱が動いたからだった。
「こらっ! 草喰うなっ」
「くえっ」
咥えたものが草ではないと気付いてリーリー自身驚き、跳びあがる。
「余、余の髪は草じゃない! ふふっ……可愛い、余は初めて見た! 今日はリーリーより、大きなあっちが欲しい!」
プエルは引っ張られた髪を撫でつけて整えつつ、走り出した。
「ってか、てめえ! なんでこんなところにいるんだ!」
ステラが愛らしい口調をかなぐり捨て、アザリアをなだめつつ追いかけようとする。
デュミナスに登っていたミオレスカは、走り寄ってきた人物に驚く。
「……れちたんの?」
「ふふっ、お前は邪魔!」
近くに来たプエルはにこりと微笑むと負のマテリアルを放出する。
ミオレスカは直撃を食らう位置におり、回避もままならない。衝撃と闇に飲み込まれる恐怖が生じるが、出かける前の友人の言葉を思い出し、諦めずに機体の反対側に落ちるよう逃げた。
「あっ、邪魔しないで」
何体か残っていた人形がプエルの頭に落ちてきたが、頭の上にへばりついているだけで特に何かするわけではなかった。
人形を頭に張りつけたままプエルはデュミナスによじ登る。
魔導アーマーと人形と戦っている者たち、移動途中の者たちもこちらの騒ぎに気付く。
「なっ、あいつ!」
レイオスは見覚えのある姿に舌打ちをするが、目の前の物を放置もできない。
「あれは」
涼子にはただの少年のようにも見える。レチタティーヴォがらみで集めた情報にもあったが、歪虚のくせに脅威に見えない奇妙な存在と彼女は思った。
「おい、操るマネキンでも探しに来たのかよ! それとも、CAMを操るのか? 死体を操るのも手こずっていたのに」
レイオスは目を魔導アーマーから離さず声を張り上げた。何をしようとしているのか分からないが、本当に操れると脅威になるが、挑発に乗ってプエルの気も削ぐかもしれないため黙ってはいられない。
「うるさい! できる!」
ミオレスカとステラはすぐにプエルを狙えるようにポイントする。
魔導アーマーに向かいかけの紅薔薇とイーディスが中間地点にいる。ゾンビたちがまだいる為、寄ってくるのを攻撃しつつ、様子をうかがう。状況によってはすぐさま戻らないとならない。
ハンターが固唾をのむ中、プエルは頑張った。
「うう、大きい……あ、でも、人形みたいに、分散させてやればいいのか……」
理解したという顔をして再び集中を始める。
ミオレスカとステラが引き金を引く。プエルが操るのに大きさが問題なら、止めたデュミナスが動き始める危険がある。
「うわっあ」
プエルはあわてて避けてデュミナスから落ちる。
「ここの人形の騒動は、あなたの仕業?」
この場にいる歪虚で人形を操りそうなのはプエルなため、涼子は念のため尋ねる。
「これはレチタティーヴォ様のだよ!」
プエルは服に付いた埃と叩き落としながら答えた。
「それで……あなたは何をしているの? レチタティーヴォがいなくなった後、クロフェドはまだ悪逆の限りを尽くしているというのに?」
「悪逆? 人間は無に還るのが正しいのに、なぜ抵抗するの? そっちの方が悪逆だ!」
プエルは噛みつくように言う。
「あーあー、まだ戦闘中じゃ!」
紅薔薇は刀をプエルに突き付ける。
「警告するのじゃ。それは妾たちはそれを持って帰らねばならんのでのう、これ以上とどまるなら、ちとやりあわねばなくなるのじゃ」
プエルはむっとした顔になり、手は大剣の柄に伸びる。
「ケエー」
それまで旋回していたワイバーンが急降下をしてきた。
「紅薔薇!」
イーディスが警告を発し、ワイバーンの降下先を予測し衝撃波を放つ。
ミオレスカとステラも、新たな敵に向けて射撃する。
「う、うわあああ」
プエルはワイバーンの足に両肩をつかまれ、連れ去られた。
あっという間にハンターたちの視界から消えた。
一気に妙な静寂が訪れるが、戦いはまだ終わっていない。
「呆けている場合ではない! 早く倒さないと」
イーディスは指摘する、魔導アーマーについている人形も歪虚たちも残っているのだから。
「呆けてはおらぬが、なんかのぉ」
紅薔薇は空を見て苦笑を一つした。
●一気に
魔導アーマーについている人形消し去り、残っている大きな骸骨とゾンビを撤退させるための戦いが始まる。
ロニが何度目かの「ヒーリングスフィア」を掛けた、仲間が近くに来たのを察して。
デュミナスの側で警戒しつつミオレスカとステラが援護射撃をする。
「あの少年みたいなのはいないと思いますが」
ミオレスカが枯渇しそうなマテリアルを振り絞り、骸骨を直接狙う。
「それに人形の数が分からないですし」
ステラは近付く物を撃つ。プエルの頭に降ってきた物もいたため、隙間に入られていたら目立たないと警戒する。
「人形だけじゃない、ゾンビもまだいるしな」
レイオスは魔導アーマーの側で弓に持ち替え射る。
「そっちは片付いたのかのう?」
バリトンは構えて問う、満身創痍だが気力に満ちる強さは衰えない。
「終わった。あとはゾンビとこいつだ」
イーディスはランスで攻撃していく。
「こういう輩は燃えやすかったりするかのう」
紅薔薇は地面すれすれに刃を走らせ、炎を散らし攻撃をし、にやりとした。手ごたえは十分あった。
「壊して問題ないから」
涼子はマテリアルを込めた拳で、鎧があっても抜けるような一撃を食らわせた。
ハンターの攻撃を受けた巨大な骸骨は動きを鈍らせる。
「楽しませてもらったのーぉ!」
バリトンが回避を捨てるような大きな動きで、たたき切るように大上段から一気に刃を振り落とした。
耐えきれなくなった歪虚は砕け散り、無に還った。
「まだ片付けがあるからな」
余力はあったロニの回復魔法が、ハンターたちを包んだ。
回収してくれる部隊が来るまで、機体の側で待機する。
●空へ
「……レチタティーヴォ様」
くっついてきた人形をプエルは頭から引き離し抱きしめる。
人形は蠢き逃げようとしているようだった。
「……あなたの役に立てたのかな?」
人形は動くのをやめ、顔を見上げるようなしぐさをした後、プエルに溶け込むように消えてなくなった。
「……今、レチタティーヴォ様に頭撫でてもらった気がするっ!」
プエルは顔を明るくして眼下を見た。
「クロフェド……どうしているのかな……僕がレチタティーヴォ様みたいになるって言ったらなんていうのかな」
ワイバーンが飛ぶに任せた。
無数の弓矢が放たれ、行く手を遮る歪虚たちに雨あられのように降る。
「いつまでたってもれちたんの残滓が消えませんね。一つずつ消すまでです」
ミオレスカ(ka3496)は嘆息しつつも、次のために矢を用意する。
「数ばかりは多いな……数えるのも面倒だ、ひとまとめに片づけよう」
ロニ・カルディス(ka0551)は神に祈りつつ、スタッフをスイッと回し地面を付く。力が閃光となってハンターの進む道を築く。
「おおう、壮観じゃのぅ」
紅薔薇(ka4766)はマテリアルを活性化させ、徐々に伸びる一行の道の先端に真っ先に踏み込む。皮肉気に笑うと技の「華刃『木花咲耶姫』」を使い、道を作る。
「残骸回収か……それだけ物資が足りてないって事だろうし……オレはカネさえもらえれば……さあ、アザリー、頼りにしていますっ!」
「クエェエ」
ステラ・レッドキャップ(ka5434)は思わず口を突いた独り言の後、相棒の幻獣リーリー・アザリアの愛称を呼び気を引き締める。
「人形は小さく、動き回るかもしれない。なら、私はまずはCAMの動きを止めよう」
イーディス・ノースハイド(ka2106)はつれている幻獣リーリー・ミストラルの背でランスを構え、一気に駆け抜けるように指示を出す。大人しいと言われるリーリーの中でも獰猛な性質を持つミストラルは、待ってましたとばかりに目標めがけ駆けだした。
「ホントに機体が動いて歪虚を攻撃しているな。見ていて面白いからと放っておくわけにはいかないか」
レイオス・アクアウォーカー(ka1990)は戦場を眺めつぶやく。そんな中、目指す先を中心に空の鞍を載せたワイバーンが旋回して飛んでいるということ、乗り手がいれば歪虚だろうと気になった。それよりも、まずは目の前の動き回る機体を止めることを優先と考える。
「結構昔から無茶はしたけど、ロボットと戦うなんてことはしなかったわね」
烏丸 涼子 (ka5728)は半生から考えられない状況であったが、ここにいるからには全力で向かうのみだった。
「ふむ……ワイバーンもいるようじゃが、手出ししない限り放置じゃな。わしはあの巨大骸骨にあたるとしよう」
バリトン(ka5112)はゾンビたちを蹴散らし進む。暴食に属する歪虚たちが機体を回収しに来ているのだろうし、歪虚の中でも死体を弄ぶその眷属には最大の嫌悪が彼にはあった。そんな奴らに機体を渡す気は全くなかった。
プエルは帰ろうと考えていたが、ハンターの様子を見る。
「あいつら……レチタティーヴォ様の人形を攻撃するんだよね」
思考がぐるぐるしていた。
●一進一退
デュミナスや魔導アーマーをできる限り回収するためには慎重さが必要となる。張り付いている人形をどうにか落として。
ミオレスカとロニは機体を奪いに来ているらしいゾンビたちを駆逐していく。それらはさほど強くないが、湧いてくるようで減らない。
近づいてくるゾンビの攻撃を避けつつ、よじ登ってくる小さいゾンビを払い落す。
「気持ちがいいものではないですね」
ミオレスカは小さいゾンビの攻撃が鎧で防ぎ切れるとしても、言い知れぬ不安に駆られる。
「あれが小さい奴を操っていると言うわけでもないのか」
人間大のゾンビもロニのセイクリッドフラッシュによって塵に還る。その後も小さいゾンビたちは自分のやるべきことをしているようだった。
「それなら、あの大きな骸骨でしょうか」
「ならそちらに俺は行こう」
ロニは進路を決めるが、進むにしても数の多いゾンビたちを減らさないとならない。
「銃を持つ方の足を壊す」
イーディスはランスで狙う。デュミナスがアサルトライフルを撃つ可能性を減らすために最小限の破壊を考える。人形を狙いやすくするにも動き回るのを止めたかった。
「分かりました」
ステラはデュミナスの後方に回り、イーディスが狙った部分を狙い撃つ。
「ちと数が多いな」
紅薔薇は接敵直前にゾンビたちに囲まれたため、再び技を使って斬り刻んだ。
「薙ぎ払い」を使い魔導アーマーの側まで来たレイオスはもう一本の武器を手にする。
「大型兵器に生身で挑む、これはこれで面白そうだ。さて、力づくでパージしてやるよ!」
レイオスは己を奮い立たせるように声を上げ、それが動けなくなるように狙う。
「……アイアンボールは危険だな」
涼子は少し離れた所から人形に銃を向ける。
人形たちは手足や胴など動かす分担を決めているのかあちこちについていた。
バリトンは目の前の敵と対峙する中で、戦いに滾る血と暴食への怒りを経験で培われた意志で抑え込み己の力とする。
「さて、おぬしはわしをどれくらい楽しませてくれるかの?」
敵へ威嚇とも、無防備で誘い込むような動作とも取れるようなしぐさの後、鋭い攻撃を叩きこんだ。
ハンターが押しているとはいえ、歪虚や人形が操る機械は脅威だった。消耗戦になってくると、人間であるハンターに不利となってくる。
デュミナスにくっつく人形たちは連携を取り、攻撃をする。
少し離れているが狙われたステラは、目の前に迫った攻撃を、銃弾で軌道を変えるとともに、アザリアの回避を助ける。目の前をかすった風に冷や汗が流れた。
レイオスはアイアンボールを振り回され、回避し損ねた分だけ打撃を受ける。
巨大骸骨の攻撃は避けられたが、時々鋭い動きをするのか当てられた瞬間、バリトンは鎧を通り越して骨がきしむのを感じた。
攻防が続くが終わりは来る。
紅薔薇が地面すれすれに刃を走らせ、鋭い斬撃を食らわせた瞬間、デュミナスの足の関節が折れた。
「まだ抵抗するようなら、腕もぶった切るがのぉ」
紅薔薇は破壊はできる限り最小限でと考え、デュミナスの関節等動きに関する仕組みを頭に叩き込んできていた。
「人形は狙いにくいがな」
イーディスは動きを注視し、斬り裂く。
「アザリーは回避に専念してくださいね」
ステラはリーリーに告げつつ、高い位置にいる人形を重点的に狙う。
デュミナスにつく人形たちは脚が動かなくても腕は動かせたため、人間を巻きこむように盾を勢いよく押し倒した。
「使い方間違っているおかげで助かるな」
イーディスは盾を構え破片等を防ごうとし、リーリーは回避行動を素早く取ったため大事には至らなかった。
「まあ、後は時間の問題じゃ!」
紅薔薇は人形に向け刃を振るった。
「それにしても固いなぁ」
レイオスは魔導アーマーに攻撃を叩き込んだ瞬間、眉をしかめた。
別の角度から涼子が人形を狙っているため、少しずつ状況は変わるはずだが、人形は多く張り付いている。
「壊す方針に変えるならそれならそれでそちらを狙うが?」
涼子の言葉にレイオスは首を横に振る、壊すにしても人形を狙う必要もあるのだから。
巨大骸骨に避けられた瞬間、バリトンは目を剥いたが、大きいだけではないと言うことかと笑う。
「楽しませてくれる、ということか……むう? 再生するのか……避けられた分、こちらが不利になる……」
攻撃を加えた所が、少しふさがっているようだった。回復は早くないため、回避をさせないよう、より慎重に攻撃さえすればよいのだった。
ロニはレクイエムで敵の動きを鈍らせ、少しずつバリトンに近づく。
一方でミオレスカは動きの鈍った敵を重点的に狙って撃つ。そして、彼女自身も少しずつ移動をする、デュミナスが使えるなら使いたいという思いがあったから。
プエルはがれきの陰でじっとしている。大きな人形のどちらに近づくか考えつつ、時々移動する。幸い気付かれていない。
「余の物のできるかなぁ」
紫の目が期待に輝いた。
●潜んでいた者
デュミナスが動かなくなった後、人形がいないか目視で確認する。見えない部分にいる可能性は否定できないため注意だ。
ミオレスカが近くに来たとき、イーディスと紅薔薇が入れ違いに移動を始める。魔導アーマーを止めるために。
ステラは周囲の警戒を行う、相棒のリーリーと共に。そこで周囲がはっきりと見える。
魔導アーマーと戦うレイオスと涼子は地道な戦いを強いられているようだった。しかし、そちらに向かった二人がいるため、一気に流れは変わるはずだ。
巨大な骸骨と戦うバリトンはなかなか迫力がある。そこにもゾンビを消しつつ近づくロニがおり、戦況は確実に変わる。バリトンが負っている傷もロニの力でひくだろう。
ステラは遠くから手前に意識が戻る。手綱が動いたからだった。
「こらっ! 草喰うなっ」
「くえっ」
咥えたものが草ではないと気付いてリーリー自身驚き、跳びあがる。
「余、余の髪は草じゃない! ふふっ……可愛い、余は初めて見た! 今日はリーリーより、大きなあっちが欲しい!」
プエルは引っ張られた髪を撫でつけて整えつつ、走り出した。
「ってか、てめえ! なんでこんなところにいるんだ!」
ステラが愛らしい口調をかなぐり捨て、アザリアをなだめつつ追いかけようとする。
デュミナスに登っていたミオレスカは、走り寄ってきた人物に驚く。
「……れちたんの?」
「ふふっ、お前は邪魔!」
近くに来たプエルはにこりと微笑むと負のマテリアルを放出する。
ミオレスカは直撃を食らう位置におり、回避もままならない。衝撃と闇に飲み込まれる恐怖が生じるが、出かける前の友人の言葉を思い出し、諦めずに機体の反対側に落ちるよう逃げた。
「あっ、邪魔しないで」
何体か残っていた人形がプエルの頭に落ちてきたが、頭の上にへばりついているだけで特に何かするわけではなかった。
人形を頭に張りつけたままプエルはデュミナスによじ登る。
魔導アーマーと人形と戦っている者たち、移動途中の者たちもこちらの騒ぎに気付く。
「なっ、あいつ!」
レイオスは見覚えのある姿に舌打ちをするが、目の前の物を放置もできない。
「あれは」
涼子にはただの少年のようにも見える。レチタティーヴォがらみで集めた情報にもあったが、歪虚のくせに脅威に見えない奇妙な存在と彼女は思った。
「おい、操るマネキンでも探しに来たのかよ! それとも、CAMを操るのか? 死体を操るのも手こずっていたのに」
レイオスは目を魔導アーマーから離さず声を張り上げた。何をしようとしているのか分からないが、本当に操れると脅威になるが、挑発に乗ってプエルの気も削ぐかもしれないため黙ってはいられない。
「うるさい! できる!」
ミオレスカとステラはすぐにプエルを狙えるようにポイントする。
魔導アーマーに向かいかけの紅薔薇とイーディスが中間地点にいる。ゾンビたちがまだいる為、寄ってくるのを攻撃しつつ、様子をうかがう。状況によってはすぐさま戻らないとならない。
ハンターが固唾をのむ中、プエルは頑張った。
「うう、大きい……あ、でも、人形みたいに、分散させてやればいいのか……」
理解したという顔をして再び集中を始める。
ミオレスカとステラが引き金を引く。プエルが操るのに大きさが問題なら、止めたデュミナスが動き始める危険がある。
「うわっあ」
プエルはあわてて避けてデュミナスから落ちる。
「ここの人形の騒動は、あなたの仕業?」
この場にいる歪虚で人形を操りそうなのはプエルなため、涼子は念のため尋ねる。
「これはレチタティーヴォ様のだよ!」
プエルは服に付いた埃と叩き落としながら答えた。
「それで……あなたは何をしているの? レチタティーヴォがいなくなった後、クロフェドはまだ悪逆の限りを尽くしているというのに?」
「悪逆? 人間は無に還るのが正しいのに、なぜ抵抗するの? そっちの方が悪逆だ!」
プエルは噛みつくように言う。
「あーあー、まだ戦闘中じゃ!」
紅薔薇は刀をプエルに突き付ける。
「警告するのじゃ。それは妾たちはそれを持って帰らねばならんのでのう、これ以上とどまるなら、ちとやりあわねばなくなるのじゃ」
プエルはむっとした顔になり、手は大剣の柄に伸びる。
「ケエー」
それまで旋回していたワイバーンが急降下をしてきた。
「紅薔薇!」
イーディスが警告を発し、ワイバーンの降下先を予測し衝撃波を放つ。
ミオレスカとステラも、新たな敵に向けて射撃する。
「う、うわあああ」
プエルはワイバーンの足に両肩をつかまれ、連れ去られた。
あっという間にハンターたちの視界から消えた。
一気に妙な静寂が訪れるが、戦いはまだ終わっていない。
「呆けている場合ではない! 早く倒さないと」
イーディスは指摘する、魔導アーマーについている人形も歪虚たちも残っているのだから。
「呆けてはおらぬが、なんかのぉ」
紅薔薇は空を見て苦笑を一つした。
●一気に
魔導アーマーについている人形消し去り、残っている大きな骸骨とゾンビを撤退させるための戦いが始まる。
ロニが何度目かの「ヒーリングスフィア」を掛けた、仲間が近くに来たのを察して。
デュミナスの側で警戒しつつミオレスカとステラが援護射撃をする。
「あの少年みたいなのはいないと思いますが」
ミオレスカが枯渇しそうなマテリアルを振り絞り、骸骨を直接狙う。
「それに人形の数が分からないですし」
ステラは近付く物を撃つ。プエルの頭に降ってきた物もいたため、隙間に入られていたら目立たないと警戒する。
「人形だけじゃない、ゾンビもまだいるしな」
レイオスは魔導アーマーの側で弓に持ち替え射る。
「そっちは片付いたのかのう?」
バリトンは構えて問う、満身創痍だが気力に満ちる強さは衰えない。
「終わった。あとはゾンビとこいつだ」
イーディスはランスで攻撃していく。
「こういう輩は燃えやすかったりするかのう」
紅薔薇は地面すれすれに刃を走らせ、炎を散らし攻撃をし、にやりとした。手ごたえは十分あった。
「壊して問題ないから」
涼子はマテリアルを込めた拳で、鎧があっても抜けるような一撃を食らわせた。
ハンターの攻撃を受けた巨大な骸骨は動きを鈍らせる。
「楽しませてもらったのーぉ!」
バリトンが回避を捨てるような大きな動きで、たたき切るように大上段から一気に刃を振り落とした。
耐えきれなくなった歪虚は砕け散り、無に還った。
「まだ片付けがあるからな」
余力はあったロニの回復魔法が、ハンターたちを包んだ。
回収してくれる部隊が来るまで、機体の側で待機する。
●空へ
「……レチタティーヴォ様」
くっついてきた人形をプエルは頭から引き離し抱きしめる。
人形は蠢き逃げようとしているようだった。
「……あなたの役に立てたのかな?」
人形は動くのをやめ、顔を見上げるようなしぐさをした後、プエルに溶け込むように消えてなくなった。
「……今、レチタティーヴォ様に頭撫でてもらった気がするっ!」
プエルは顔を明るくして眼下を見た。
「クロフェド……どうしているのかな……僕がレチタティーヴォ様みたいになるって言ったらなんていうのかな」
ワイバーンが飛ぶに任せた。
依頼結果
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依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/02/14 08:09:47 |
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回収相談卓 バリトン(ka5112) 人間(クリムゾンウェスト)|81才|男性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2016/02/16 21:55:07 |