• 幻魂

【幻魂】 来る死を見つめる鏡

マスター:桐咲鈴華

シナリオ形態
ショート
難易度
不明
オプション
参加費
1,500
参加制限
-
参加人数
4~10人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
締切
2016/03/14 19:00
完成日
2016/03/22 06:18

みんなの思い出? もっと見る

オープニング



 蛇の戦士シバが遺した霊闘士の技。
 ハンター達は、幻獣の森に住む大幻獣『ナーランギ』より技の正体は霊闘士の奥義であると教えられる。
 奥義を取得できるのは、厳しい試練を潜り抜けた霊闘士のみ。覚悟を決めたハンター達は辺境各地に点在する『魂の道』に向かって歩き出した。




「…………ここが、そのようですね……」
 エフィーリア・タロッキ(kz0077)はとある森の奥地までハンター達を案内していた。大幻獣ナーランギの示した『魂の道』の所在はタロッキ族にも言い伝えられているようだ。ただ、その危険度の高さからこの場所から帰ってきた者は稀であり、『真に命を賭けて赴く場』『生存率1割』などといった、畏れに尾ひれがついた噂が流れるようになり、タロッキの霊闘士達も全く訪れることのない場であった。魂の道の案内人である大幻獣『シャレーヌ』とその眷属の『ルピナ』が指し示したこの場所へ、エフィーリアがハンターらを案内したのだった。

「『鏡像の林』……ここはそう呼ばれています。……映し出されるものは、『自らの死の未来』」

 エフィーリアが解説をする。ここを訪れるハンター達の為に、彼女もまた調べられるだけの事は調べてきたらしい。
「ここに生えた木々は全てが鏡のようになっていて、様々な光や姿を映し出します……。奥へと進んでいくと、自らが最も恐れているという『自分の死ぬ未来』が、鏡の中を通して映し出されるそうです。……ですが、実際に帰らぬ者となった方が居る以上、単なる映像というだけには……とどまらないのでしょう……」
 エフィーリアが言うには、彼女は『ここから生きて帰ってきた』とされる者の手記や口伝によると、この鏡の映像は自分自身を投影してしまう程に現実味の在る光景らしく、その光景に囚われた者は、鏡の中の自分と同じ結末をその場で同じように辿ると言われている。記録には林の中で息絶えている者は様々な死因があったらしく、それぞれ持っていた固有のイメージに食い殺された、と表現されているらしい。
「……ここで肝要になるのは……『目を逸らさない事』そして……『負けない事』です。己の死の未来、そこから逃げる事なく、自らの心を持って立ち向かう事が大事だと、手記にはありました……」
 手記に記されていたのはここまでです。とエフィーリアは区切る。踏破した者が居たとして、その全てを語ることはしないのだろう。攻略法が見つかってしまっては『道』の意味がない。エフィーリアは心配そうな顔で、ハンター達に向き直る。
「……私には、貴方方を見送る事しか、出来ません。……どうか、どうかお気をつけて。皆無事に……帰って来て下さい……」

 見送るエフィーリアを後に、ハンター達は『鏡像の林』へと歩を進めていくのだった。

リプレイ本文

●鏡像の中に揺れるは

 『鏡像の林』の中を進むハンター達は、鏡のようにくっきりと自らの姿を反射する木々の間を歩いていた。彼らは大精霊に示された『祖霊の欠片』を求め、魂の道たるこの林に来た。予めエフィーリアが言っていた『死の幻影』に気を張りつつ、慎重に歩を進めてゆく。
「見た目からして妖しいよね~」
 そのうちの一人、髪を解いた十色 エニア(ka0370)がその林の様子を見つつ呟く。いつも髪を留めている簪は、出発前に友人であるエフィーリアに預けておいたのだ。
 エニアの言うように、林は見た目からして不思議だ。鏡のように景色を反射しているかと思えば、他の鏡の木はただのガラスの木のように映し出されており、合わせ鏡のように奇妙な反射はしていない。まるで『人だけを映し出している』かのようで、少し不気味さを覚える。
「……って、あれ?」
 エニアはいつの間にか一人になっていた。周囲を歩いていた仲間のハンター達の姿を見失ってしまった訳ではない。仲間と逸れたなら気づくはずだ。
「……なに、これ」
 そうしてエニアが周りを見渡していると、はっと、目の前にある存在に気づく。禍々しい黒巻き角を持つ、杖を携えた黒いドレスの少女。それは紛うことなき歪虚だ。そしてエニアはその姿に見覚えがある。黒い髪、中性的な顔立ち、濁った目……それは。
「これ……わたし……?」
 エニアが見ているのは、鏡の木の一つ。それに映し出された自分が歪虚の姿となっている。エニアは慌てて今の自分の姿を見る。これは鏡が見せるまやかしだと願って自らの姿を確認する。
 しかしエニアの予想に反し、自らが纏っているのは鏡と同じドレス、頭に手をやると、角の感触が指に伝わる。鏡の中の自分も同じ動きをしており、まさしく自分自身の姿が今、映し出されている。
 そうして、急に鏡の中の自分が魔術を放つ。携えた手を持って一閃。周囲が炎に包まれている。その姿に目を奪われたエニアは、現実の自分も同じ動きをしていると思い込んでしまう。周囲に炎が、烈風が逆巻き、人々が燃え崩れ、真空刃に切断され……

 ……そうして、背後から迫った、『双子の妹』に刃を突き立てられ、胸から血に染まる白刃が突き出される。

「……ぁ」
 討たれたと、そう思った。自らの傷を確認することなく、胸元から激しい痛みと寒気が身体を蝕んでいく気がする。崩れ落ちそうになる自分を鏡を通して見る。ふと……その頭に、簪を付けている事に気づく。

 そこでエニアははっと気づく。簪はエフィーリアに預けていて、ここにはない。それに今急に歪虚になるのは不自然ではないか、と。妹も、今ここにはいない。今、歪虚になる理由はどこにもないと理論武装を硬め、ぎゅっと目を瞑って、今映し出されてる情景を否定する。
(歪虚化も、胸の痛みも、妹も……幻だ、覚めろ……っ)
 強く思いを振り絞り、その幻影を振り払うように、立ち上がる。

「……あれ?」
 気が付くと、エニアは林の入り口に立っていた。遠目からエフィーリアが駆けてくる様子が見える。
「……どういうこと?」
 先程までの痛みは消え、自分も元の姿に戻っているが、エニアにはあの時見た幻影と、今ここにいる事に大しての答えを得ることは、出来なかった。




 外待雨 時雨(ka0227)は雨の降る森の中を歩いていた。いや、正確には今、雨など降ってはいない。だが彼女の見る光景はいつも雨だ。故に傘をさし、道を歩いてゆく。それは鏡の中に映る彼女とて同じことだ。いや、鏡の中ではより激しく雨が降っている。土はぬかるみ、雨から雫が滴り落ちる。これが彼女の見ている情景であり、そして、今まさに彼女が感じている景色だ。
 ふと、その鏡に視線をやる。絶えず歩いている自分だったが、その道のぬかるみが少しずつ乾いてゆく。降っていた雨が、少しずつ小雨になっていく。
「…………」
 それは自らの見ている景色も同じだ。雨は次第にあがってゆく。降りしきる雨が少しずつ消え失せ、傘をたたく雨の音もなくなっていく。
「え……?」
 時雨は少しずつあがっていく雨に、心細そうな声をあげて、天を見やる。生まれて来た時よりいつも、自分と共にあった雨。何処に行くにも一緒だった、時雨にとって『友』といえる存在が、時雨の目の前から今、消え失せた。
「あぁ……あ、あぁぁ…………!」
 時雨は、その場にへたり込む。誰も彼もが彼女の元から去っていく時も、雨だけはいつも自分の傍へ寄り添ってくれていた。どこで何をしていても、包み込むように見守ってくれた雨、それが今、自らの元から去っていってしまった。
 心が、乾いていく。ざらざらとした不快な感情が心の内側にふつふつと湧き上がってくる。あるいは、自分が最も恐れる死というのは、こういうことかもしれない。寂しさに心は凍てつくも、それを溶かしてくれる雨は、もう

「………ぁ」

 ふと、時雨は、空に差す日差しに気づく。厚い雲間から差し込む、太陽の光に。その光を時雨は見て、安心したかのように何かを悟る。
 いつも共にあり続けた、雨。それが離れてゆくのは……寂しいけれど、もしかしたら。雨――友には、たくさん、心配をかけてしまったかもしれないと。
 その雨が去ったということは……『もう大丈夫』と、安心してくれたのかもしれない。雨が、自分の事を信じてくれたのかという事かもしれないと、そう思って。
(……ならば、友は……)
 きっと、次なる涙をまた洗い流しに旅立っていったのかもしれないと、そう思った。なら、次は自分が涙を我慢する番。例え乾きそうになったとしても、この空の下でまた誰かが、涙に濡れたその瞳を空の色で満たしてくれると信じて。
 そう、友がこうして……日差しを私に、贈ってくれたのだから。

「…あら?」
 そうして立ち上がった時雨は、気づくと、森の入り口付近に居た。彼女は首をかしげつつ、閉じていた傘をまた、開くのだった。





 とある託宣を受けた。
 世界が闇に覆われ、禍々しい黒龍が目を醒ます。無数の刃の翼と、刃を突き立てたような一本の鋭い角を携えた半龍人。それが人を襲い、殺し、世界を焼き尽くし滅ぼす様を見た。

 自分は、それを防ぐためにハンターになった。
 
 そうして、今。

 自分は、黒き龍と、相見えている。
「は、ぁ……っ!」
 龍人を見据えるUisca Amhran(ka0754)は、自らのメイスを振りかざして相対する。
 龍人は巨大かつ鋭い翼を振るい、眼前の敵を切り裂かんとする斬撃を放つ。Uiscaは盾でそれを打ち払い、掻い潜るように懐に入ると、携えたメイスで渾身の一撃を叩き込む。が、鱗に覆われた腕がそれを受け止め、身体ごと回転させた尻尾の殴打に吹き飛ばされる。Uiscaは遠く吹き飛ばされながら、龍人……いや
「姉……さま……!」
 それは強欲の歪虚として変わり果てた、自らの姉君、星輝 Amhran(ka0724)だ。彼女は本来、父を殺された憎しみに囚われて生きてきたが、ハンターの皆と過ごすときの中、妹や恋人と触れ合い、温もりを知ったために『人並みの幸せ』に焦がれた。普通の家で、普通の家族として……ただの少女として生きていけたとすればと、そう考えた。手に入らないものを求め、その願い、欲がねじ曲がり歪んだ姿……強欲の歪虚と、成り果ててしまったのだった。彼女は最早、愛するものも喰らい、自らの一部として永遠に生きることしか考えていなかった。故に、相対するUiscaもまた殺し、その臓腑を喰らいつくそうという獰猛な眼光を持って睨みつけている。
(私は、白き龍の御使い)
 対するUiscaも、そんな変わり果てた姉を前に一歩も引く気はない。空中で幻獣を呼び、身体を翻してその背に跨がる。彼女にとって、信仰と託宣こそが心の拠り所だ。故にその相手が誰だろうと関係ない。予言されていた黒龍が自分の姉であろうとも、倒すのみ。幻獣と共に、再び星輝へと迫り、星輝もまたそれを向かい撃とうと翼を振り翳す。

 彼女らの戦いを邪魔するものはいない。いや、邪魔するものもまとめて葬り去ってしまったからだ。周囲の鏡は全て焼け野原に変わり、立ち込めるような黒い雲は赤色に染まる空すらも覆い尽くしてしまう。血だまりか、池か。そんな水たまりにふっと映った自らの顔をUiscaは目撃する。

―――嗤っている。

 その身体は既に、白い鱗と翼に覆われた人ならざる人へと成り果てていた。姉を黒き龍人とするならば、自分は白き龍人。対極となるかのような自分は瞳孔を見開き、口の端を釣り上げて笑っている。まるで、そう。姉との死闘を心から愉しんでいるかのように。

 片や自分自身の闘争本能を抑えず死闘に陶酔し、片や全てを喰らわんとする欲望に支配され
 そうして、二人の龍人は、互いに牙と剣をその身に受け
 二人同時に、事切れてしまった。

(嗚呼……)

 そう、これは幻影。鏡の木が見せるビジョンの一つでしかない。されど二人は鏡に映し出された幻影の構図と同じように、森の地面に横たわっていた。互いに受けた傷の場所が、激しく痛む。

 そんな意識の中で、Uiscaは思い出す。かつての自分が居た場所、エルフの森の聖地。閉じ籠もっていた自分を導いてくれたのは、託宣を受けたあの日に泉の辺で出会った人……その人から外の世界を知り、飛び立つ勇気を貰い、そして多くの友人に、最愛と呼べる人に出逢うことが出来た。
 もしも自分があのまま森の中で燻ったままだったならば、託宣以外に拠り所のない自分は今見えたビジョンの通りになってしまう所だっただろう。だが違う、今の自分には多くの愛しい人たちがいる。道を違えれば身体を張って諌めてくれる友が。
 だから……きっと、こんな未来は訪れない。そうUiscaは確信していた。未来は、変わるものなのだと。
 そう思って、Uiscaはゆっくりと立ち上がった、


 対して星輝もまた、呑まれそうになっていた意識を覚醒させる。朧げな記憶の中、自らの有り様を再び思い出した。
(……そうじゃ、今更、手に入らぬ幸せに手を伸ばしても詮無きことではなかったか)
 今ある幸せを如何に大事にすべきか、それが今の人生の命題だ。生とは死があるからこそ尊く、大事なものだ。故にこのような結末は要素の一つとしてあれど、実現はきっとしない……そう考えた。永遠になど価値はないと、華などないと考えた。
 ならばこのような幻影、見た所でどうという事はない。自分には妹がいる、将来の義弟がいる、許嫁がいる。既に幸せの花が咲き誇る自らの人生に、何を恥じる事があろうか。
「……こんなものワシの結末ではなかろう!」
 そう言って、星輝は立ち上がる。


「……あら?」
「む?」
 立ち上がった二人は、鏡の林の前に居た。入る前の入り口、そこに二人で立っていたのだった。
「なんじゃ…? これはどういうことかのう」
「……森の外に、追い出されたってことでしょうか」
 二人は疑問符を浮かべ、林へと視線を送る。林は相も変わらず不気味にその姿を映し出していた。



「あれ、此処……どこ?」
 黒の夢(ka0187)は一人、林の中にいた。きょろきょろと周囲を見回しても誰もおらず、はっと自らの目にとまったのは、自らの姿を映し出している、鏡の木。
「……これ、わがは……い?」
 その姿はどの眷属にも属さない、されど、どの眷属の姿ともとれる歪な姿。妊婦のように膨らんだ下腹部で、壊れた神呪の鐘が、その首に吊られていた。
 何もかもをも魅了するような、不可思議かつ蠱惑的な魅力を放つその姿、自らの内面の一部を覗き見るような感覚に、黒の夢はその光景に釘付けにされ目が逸らせない。やがて激しい頭痛に襲われその場に崩れ落ち、『それ』と自らの区別がつかなくなってきた頃、自らは歌い始める。その呪いの歌は、鏡に映った……自らの親しい人や、忌むべき歪虚を問わずに狂わせ、互いに殺し合いを始めさせる。
 理念も、信念さえもない。ただただ刃が、熱が、自らの与り知らぬ隣で繰り広げられる中を悠然と歩き、狂気の歌を奏でてゆく。

 やがて、血だまりの中に沈んだ荒野の中で、自らの胸に刃を突き立てられる。その人は誰か、朧げな意識ではうっすらとした輪郭しか見えない。ただ、その顔はとても、悲しみに満ちたものだった。黒の夢は、そんな人物の頬を、ゆったりと撫でながら
『そんな顔しないで、汝になら……本望である……』
 そう言って、自らの身体から、ぶつんと、何かが切れる感覚に陥った。

 暗闇に落ちた意識の中、現在も、過去も未来もごちゃごちゃにかき混ぜられた意識の中。走馬灯めいたその移り変わる膨大な情景が記憶の中へと雪崩れ込むように入ってくる。

 つぅ、と涙が一筋流れる。そうして、かき乱された巨大な感情の渦に飲まれ、潰されそうになったその時、――鐘の声が自らの耳へと、届いた。

 黒の夢は、その音に合わせるように、歌い始める。それは、閉じこもる自分自身へと聴かせるように。記憶の中で、『自分』を見つけ出せるように。

――きこえたかい?

 自らに問いかけるように、その言葉を投げかける。


「……あれ、ここって入り口なのな?」
 黒の夢は、はっと意識を呼び覚ます。見回すと、そこは林の入り口。どうやってここに辿り着いたか定かでないまま、頭に疑問符を浮かべる黒の夢であった。




 林の中を歩いていたと自分は思っていた。ふと、鏡のような木に映る、自分の姿を見た。
 それは、様々だった。ある木には血を吐いて倒れる姿が、ある木には耳から血を流し崩れ落ち、ある木には鼻から……そのどれもが、身体から血を吹き出して倒れる姿。身体の内部を病気に侵されて死ぬ光景。
「やめろ……」
 弥勒 明影(ka0189)はそれらを見て頭を抱える。自らの死ぬ現実をまじまじと突きつけられる。自らの身体の事は嫌というほどに解っている。幻影とは知りつつも、正確にありうる未来。自らの抱く不安感をを想起させられる。
 彼は神霊の力により生き永らえている。彼の身体は既に多くの病魔に侵された重篤の状態であり、その恩恵がなくなった時の未来がこの姿。故に彼の死は具体的かつ、十分に有り得る未来だ。どうしようもなく現実感の伴う死の情景に、次第に木に映る自らの姿が重ねられていく。胸が、腹が、臓腑の全てが痛み、軋む、そんな錯覚を覚えて、よろよろと膝をつく。気を抜けばこのまま本当に血を吐いてしまいそうだ。
「負けて……たまるか……」
 彼は病に負けて堪るかという意思の元、それらをねじ伏せてきた。鋼の決意で学業を収め、友を得て、果ては神霊の力で病を回復させるに至った。

 そんな彼の目の前に、『友』が現れる。彼は、拳銃をその手に携え、自らの額に突きつけ

 そして、その引き金を引き、脳天を撃ち貫かれた。

「――――!」
 それは鏡の中の情景、されど瞬きをする度に、『鏡の中の自分』と視点が切り替わる。客観的に、主観的に、その光景を垣間見る。頭の奥に鈍い痛みが走り、目の奥が、鼻の奥が、喉の奥が焼けつくように痛む。

 病魔に侵されてなお吼え続けた『意思の怪物』は、病で殊更に激しさを増した。
 友は――鏡の中の『友』は告げる。その意思に届く者など居ない。故に、その他者への期待は、何れ多くの人間を災禍の中へと落としこむと。そうなる前に、手を掛けたのだと……。

 強いショックは自らの意識が本物か、偽物なのかを曖昧にする。今いるこの場所が現実か、鏡の中なのか、幻影なのか、未来なのかが理解できなくなる。身体の中の臓腑の全てが、病に侵され、腐り落ちていくような気持ち悪い感覚と、脳を貫く激痛が彼を支配し……。


「――まだ、だ……!」

 地面にガツン! と拳を打ち付ける。激痛は歯を食い縛って耐え、こみ上げてくる嘔吐感は喉を締め付けて無理矢理に押さえつける。
 人は生まれる時、産声をあげて生まれる。泣いて、生を受ける。
 泣いて始まるのが生ならば、死は笑って終えなければならない。少なくともこのような場所で非業の死を遂げるなど、自分自身を断じて許さぬ。

「まだだ……まだ、死ねるか……!」

 何より、この林には妹が共に来ている、彼女もまたここに居るのならば、こんな無様な所を見せる訳にはいかないと、奥歯を強く噛みしめて、立ち上がる。
 意思の怪物は、咆哮する。立ち上がる。眼前に見える道それは、奥へと続く道。
「……俺は、こんな所で止まらない……!」
 明影は、地を蹴るように踏みしめ、一歩一歩強く、歩を進めていった。






 鏡の中に、炎が見える。
 燃えているのは何だ。目を凝らしてそれを見る。普通に歩いていたと思えば、急に鏡の中の景色が移り変わった。リューリ・ハルマ(ka0502)はその鏡の中の様子に目を奪われる。

 それは燃え盛る街。そして、そこに映る自分自身は、酷い怪我をしていた。腕は折れ、頭や腹部から血を流し、脚に至っては片方がなくなっていた。
「――!!」
 その様子に息を呑む。どくん! と心臓が大きく鼓動を撃つと、鏡の中の自分が、倒れる。
 既にそれは自分を映し出す鏡ではなくなっていたが、リューリにはそんな些細な事など気にもならない位に既に鏡の中の景色に惹き込まれてしまっている。恐怖に脚が竦み、その場にへたり込むと同時に、ふっと情景が移り変わった。

 自分は満身創痍だ。炎に包まれる街の中、横たわっている。街が歪虚に襲われ、破壊される様が目に飛び込んでくる。動こうにも脚はなく、片方の手の感覚はない。それでも残った腕を地面に突き立て、必死に起き上がろうとする。その度に前進を苛む激痛により、力が入らずに倒れ伏す。一歩も動けない状態でいた。
 歪虚は破壊の限りを尽くす。殺戮に殺戮を重ねる凄惨な光景が眼前に否応なく展開される。
「こ……のっ……こっち、向けっ……!」
 立ち上がろうとするも、一歩も動けない。そんな中で守ろうとしていた人が、街が蹂躙されてゆく。それでも少しでもこの光景を変えたいと願うリューリは落ちていた石を、必死に投げる。
「ここに……倒せそうな敵が、居るでしょっ……! こっち、来てってば……!」
 掠れる声と震える腕で投げた石が、放物線を描いて力なく飛んでゆく。歪虚にそれが当たるものの、既に死に体のリューリを見ても、目もくれず殺戮を続ける。
(嫌だ……見たく、ない! こんなの見るくらいなら、一思いに殺してよ……!)
 人々が引き裂かれる。食い散らかされる。建物が破壊され、炎と血の海が広がってゆく。そんな様子を、目を逸らすことも、死んで見なくなる事も許されないままに、人々の全てがこの街から消えた所で、リューリの体から徐々に体温が消えていく……。


「う、うぅぅ……っ」
 だが、リューリはその様子から目を逸らさない。歯を噛みしめて、その様子を見続ける。
 死ぬ程に、いや、死を受け入れる程に彼女にとって辛い光景を、彼女は涙すら堪えて見続ける。
 この光景はリューリの最も恐れる光景だ。自分が何も出来ないまま、自分の守りたかったものを壊され続ける様。何も残せないままに終わる事を自分は何よりも恐れている。

 だけど、だからこそここから目を逸らしてはいけない。自分が恐れる光景をしっかりと心に焼き付ける。
(絶対に、こんな事にはさせないんだから……っ)
 彼女はハンターになって思い続けた事がある。それは、『誰かが引き継いでくれる事』だ。
自分一人では到底及ばぬ戦いであっても、仲間が居れば大丈夫と。自らが祖霊の力を借り受ける時も、誰かの気持ちを自分が引き継いでるのじゃないかと。

 故に、何も残せないなんてことはない。この光景には絶対にさせないと心に誓いながらも、自分一人でこんな不幸に立ち向かわなくても良いのだと、仲間がいると確信する。

 不思議と、体は立ち上がる。力が、湧いてくる。満身創痍の体に力が宿り、拳を握り締める。
「……っ、ぐー……ぱんち!!」
 握りしめた拳で、自らの頬殴る。がつん! とした鈍い衝撃と共に、意識が現実へと回帰した。
「……うん、まだ、私は……歩ける」
 死の恐怖を、自らの覚悟と仲間への想いで打ち払ったリューリは、そのまま林の奥へと進んでいくのだった。



 バリトン(ka5112)は無数の敵に囲まれていた。自分は今先程、林の中に居たのだが、ふと自らが戦ってる姿が、鏡の木に映った。
 やけに現実感のある光景に自分の意識は投影されて見入ってしまい、気づくと、自分の意識は鏡の中の自分のものになっていた。
「せい、やぁっ!」
 その巨剣を持って数多の敵をなぎ倒すバリトン。周囲全ては敵だらけ、襲い来る無数の敵を豪腕を持って吹き飛ばし、踏み潰し、両断し、獅子奮迅の如く暴れまわる。
 されども敵の数はやまぬ。真に『無数』ともいえる数が次々に押し寄せてくる。まるでそれは黒い濁流のようだ。死が意思を持ってバリトンを飲み込もうとしてくるような暴力的な奔流。バリトンはそれに抗い続ける。鍛え上げた肉体を持ってそれらを迎撃し、打ち払ってゆくも、絶えず押し寄せる暴威に少しずつ体力を削り取られてゆく。
 あるいはかすり傷、あるいは打ち身。その一つ一つは小さくとも、巨大な城塞が水の雫で風化していくかのように、バリトンの肉体が削られ続けてゆく。

 自分は、誰の為に戦っているのか。
 誰かを守る為かもしれないし、守るべきものをなくして自棄になり、死に場所を探しているだけなのかもしれない。


「死……か」

 戦いの最中でバリトンは悟る。死ぬ、と。
 バリトンは数多の敵を薙ぎ倒す力を持つ。されど、敵の数に終わりが見えない。そして、自らの体力も限界へと近づいてきているのを感じる。
 力の濁流の中に飲み込まれて、消える。いかに強靭な人間であれど、海が相手ではどうしようもない。バリトンは死について、考えていた。

(わしは、死ぬにあたって、何かを遺せているだろうか)

 自分よりも先に死んだ友の子達は、強く育った。弟子達も先に逝った者もあれど、皆一人前になっていった。
 死など、傭兵になった50年以上前から済ませている。死ぬ事に大しての恐怖などバリトンには今さら存在しない。

(恐れる事はない、死ぬ時が来ただけじゃ)

 やるべき事はやった。満足といえば、満足といえる人生だったのだろう。良い人生だったと……笑えはしないだろうが……。

(……笑えぬ、のか?)

 受け入れかけていた敵の白刃を、バリトンは巨剣をもって叩き潰す。
(……そうじゃ)
 バリトンには約束があった。
 生まれ育った孤児院を、花で埋め尽くしてやると約束した。
 自分達の知らない所で買ってに死ぬなと、孫娘達と約束した。
 この名、『ベルンハルト』という名に相応しく生きると、約束した。

 他にも多く、多く、歳を、時間を重ねただけ約束をした。
 その多くが、喪いかけていたバリトンの意識を、繋ぎ止める。

「……死を『受け入れる』というのは、わしには似合わんな」

 眼前には敵の濁流。絶え間なく襲い来る刃の嵐。されどもその嵐は、バリトンの振るった一陣の烈風によって容易くも両断された。

「終わりが見えぬなら、終わりが見えるまで動くだけよ。体は動く、頭も冴えとる。――この意識が消える、最期のその時まで、

 死というものに、抗わせてもらおうか」

 バリトンは動じない。死は受け入れるものだと思っていた彼は、自らの意思で死を『押し返すもの』である事だと悟った。そんな彼の意思を後押しするのは、大切な人たちと紡いだ数多の『約束』という名の絆の力。
 そうしてバリトンは、無数の敵をたった一人で押し返し続けた。
 無我夢中で剣を振るっているうちに……死の幻影も、跡形もなく吹き飛ばされていた。
「……ふ、わしはまだ死ぬには早いということらしい」
 巨剣を背に背負い直すと、バリトンはずかずかと林の奥へと歩いていった。



 アーシェ(ka6089)は鏡の中に、多くの敵に取り囲まれる自分と仲間の姿を見ていた。これは幻影だ。自らの辿る、死の結末を映し出されてるだけに過ぎないと、鏡を見つめる自分に言い聞かせる。だが、あまりにも現実感のある光景に、アーシェはそこから目を逸らせない。自らの戦う様を見ているにつれ、その姿に引き込まれ、意識が引っ張られていく。
 やがて戦況は不利になる。多くの敵を前に味方が負傷し、撤退せざるを得なくなる。そうして仲間と共に撤退をするが、負傷した仲間が脚をもつれさせて、バランスを崩す。
「駄目……っ!」
 アーシェはその仲間を突き飛ばす。すると追撃してきた敵の凶刃が、アーシェを貫いた。
「ぁ………っ」
 ぐしゃり、と体の中が潰れる感覚に襲われる。体の中から刃の痛みがじわじわと広がっていく。それは映し出された幻影であるにも関わらず、見ている自分にも痛みを生じ、胸の奥から痛みが湧き出てくる。
(あ……)
 あまりの痛みにがくり、と膝を折る。庇った味方は何とか逃がす事に成功するが、アーシェはその場で事切れてしまった。

(死……ぬ……?)
 アーシェの意識がだんだんと、膝をついたまま薄れていく。息を荒げ、意識が少しずつ朦朧としていく。
(死ぬ……って、会いたい人に、会えなくなる事、だよね……それは、イヤ……だけど……)
 自らの中の死のイメージが大きくなる。死が少しずつ、自らの内に広がっていくことを確信していく。
(……だけど、死は……誰しもにも、訪れる、もの……)
 死は、避けることは出来ない。生きているものには死が存在する。それが数年後か、何十年も先になるか、……ひょっとしたら明日かも、しれない。
(だからこそ……今が、大事だと、思う)
 アーシェは考える。自分はハンターになったことを何ひとつ後悔などしてはいない。自分で選んだ道だ。これを否定すると、ハンターになると誓った自分を、笑顔で送り出してくれた人たちを否定してしまう。

(死は、見えてしまった。私はこうして死んでしまうのかもしれない。これが、いつの事かはわからない。だけど、だからこそ……終わりが見えたなら、その先を、考えよう)

 アーシェは、死してなおその先を見ようとした。不可能ではない。今はまだ、こうして生きている。諦めたら、本当に死を受け入れてしまう。そうなってしまっては、もう前に進めない。

 終わりは確かに見えた。だけどだからこそ、その先に繋がっていく道を探すのだ。
 アーシェは乗り越えていく。死の恐怖を、痛みを、覚悟を持って。

「死んで、たまるか……なのっ……!」

 アーシェは地面に手をついて、立ち上がる。先に進める。恐怖に脚を止めることなく、一歩一歩確実に進んでいく。
 この道が、ハンターが、死に繋がるものだったとしても構わない。その先を見る為に、アーシェは歩を進めていくのだから。




 一人、ぽつんと鏡の中に立っている人物が、自分の目に飛び込んできた。シェリル・マイヤーズ(ka0509)は、鏡の中に写っている自分に視線を奪われる。
 それは、ただ一人でぽつんと立っているのではない。血に濡れた自らの刀、返り血で染まった自分。そして……その足元に積み上げられるのは、無数の亡骸。

 それは彼女にとって見るに耐えないものだ。多くの死を見つめてきた彼女にとって、誰もいなくなった孤独とは耐え難いもの。喪ってしまった両親から貰った暖かさを忘れられずに、愛を、ぬくもりを求めて彷徨う、一人ぼっちの子。とても寂しくて、怖くて、シェリルは自らの肩を抱いて蹲った。

 気が付くと、そこは鏡の中の自分の見ていた情景と重なっていた。『まるで死神のよう』と、とある歪虚に言われたように、
争いを続ける人間に絶望したシェリルは、人であるままに歪虚も、人も、全てを殺し尽くした。
 自らが大事だと想っていた人たち。慕う兄や、優しい友達にも、最後にはその刀を突き立てて命を奪った。死体の山と、血の海の中、だれもいなくなった世界で一人、静かに涙を零す。
(歪虚を倒せば、皆が笑顔になれると思ってた……正しい事だと、思ってた……)
 しかし実際の世界は綺麗なものではなかった。人が生み出す負の感情が、歪虚を生み出す。怒りや嫉妬、憎しみや憎悪、人間は欲にまみれて争いを続ける。些細な事で行き違い、価値観の相違が争いを生む。結局人間も歪虚が『都合が悪いから消す』。歪虚も人間が『都合が悪いから消す』。そこに違いなどない。
 それに気づいてしまったシェリルは、人の未来を憂いだ。殺し、殺され合い、憎しみの連鎖が消えないなら……いっそ、全てを壊して、全てを消せば、哀しみも、何もかもなくなる。それが正しいことだと信じて、全てを、全てを、全てを殺した。
 何もない世界。生きているものが何もなくなった世界で、シェリルは一人、膝を抱く。
 誰かと通じ合う為に『心』がいるのなら……自分一人しかいなくなった世界に、『心』など要らないと……。

 闇の中で、一人。瞳を、閉ざした。
 迷うシェリルは、この結末もまた自らの望んだものであると、自然に受け入れた。





 だが、ふとシェリルは思い出した。頭を撫でられた感触を。かけてくれた言葉を。つないでくれた手の温もりを。
 今在る人の暖かさを、思い出した。

「……本当は、セカイなんて……どうでも、いい」
 何もなくなってしまった荒野で、シェリルは呟く。シェリルには、世界を守るなどという大それた大義は理解出来ないし、『世界を平和にする』など現実味の無い理想を追い求め続ける夢想者になどなれはしない。

 シェリルが願うのは、ほんの少しの些細な事。すぐ傍にある、優しさ、温もり。
 自分が手を伸ばせば届く、触れられる、大切な存在。その、笑顔。

「その笑顔は……その笑顔、だけは、守るんだ……」

 自分が誰かに、ほんの少し優しくなれたら。
 自分が誰かに、ほんの少し温もりを与えられたら。

 その小さな一つ一つの思いやりが、ほんの少しだけ、人の生み出した闇を照らせたなら。
 それこそが、世界を変える方法の一つなのではないかと、シェリルは確信する。

「……まだ、死ねない」
 顔をあげ、シェリルは立ち上がる。そこは屍の広がる荒野ではない。鏡の木が立ち並ぶ、鏡像の林。
 護り、されど死なず。その為に強くなると誓った。耳飾りに触れ、決意を噛みしめる。
 シェリルはゆっくりと、森の奥へと進んでいった。


●祖霊の欠片

 こうして明影、リューリ、シェリル、バリトン、アーシェの5人が、鏡像の林の最奥へと辿り着いた。最奥には鏡のように光を反射する、巨大な宝石のような結晶が鎮座している。
 5人のハンター達は申し合わせたかのように、その大きな結晶へと手を触れた。すると、頭の中へと意識が流れ込んできて、そうしてこの場所の意味を理解した。


 死はどんな形であれ、必ず訪れるもの。人が生きる限り、それは避けては通れぬ道。
 ここで目にする幻影は死の可能性の一つ。されどその死に現実味がある程に恐怖に脚を取られるだろう。
 その恐怖をどのように変えるか。どのように乗り越えるかの覚悟を試される場所だ。故にここの幻影は訪れたものを惑わすためのものでもなければ、訪れえぬIfの未来を表しているものでもない。ましてや死ぬ事から目を逸らして回避しようという技術を試される場でもない。

 必ず死ぬと解ったうえで、どのような覚悟を持ってそれを乗り越えるのかを示す場所。それは命を無為に捨てる訳ではない。真に死を理解した上で、なお進めるだけの覚悟があるのかを試される場所だ。

――死すらも超越する無尽の意思を振るった明影

――死にたくなる程の無念から目を逸らさなかったリューリ

――死を振り撒き行き着く先を見た上で、自らの意思を確固たるものにしたシェリル

――死を押し返す頑強たる信念を持つバリトン

――死のその先を見る為に生き続ける事を決めたアーシェ


 形は違えど、死すらも乗り越える程の強い意思の力が、彼らを死の幻影から解き放った。
 『死』というものを理解した彼らは、同時にその命の重さを十全に理解したのだった。

 祖霊の欠片が、その手に取られる。輝きが満ち、その力が強く宿る。

 こうしてハンター達は鏡像の林から『祖霊の欠片』を取得する事に成功したのだった。

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参加者一覧

  • 黒竜との冥契
    黒の夢(ka0187
    エルフ|26才|女性|魔術師
  • 輝きを求める者
    弥勒 明影(ka0189
    人間(蒼)|17才|男性|霊闘士
  • 雨降り婦人の夢物語
    外待雨 時雨(ka0227
    人間(蒼)|17才|女性|聖導士
  • 【ⅩⅧ】また"あした"へ
    十色・T・ エニア(ka0370
    人間(蒼)|15才|男性|魔術師
  • 元気な墓守猫
    リューリ・ハルマ(ka0502
    エルフ|20才|女性|霊闘士
  • 約束を重ねて
    シェリル・マイヤーズ(ka0509
    人間(蒼)|14才|女性|疾影士
  • 【魔装】の監視者
    星輝 Amhran(ka0724
    エルフ|10才|女性|疾影士
  • 緑龍の巫女
    Uisca=S=Amhran(ka0754
    エルフ|17才|女性|聖導士
  • (強い)爺
    バリトン(ka5112
    人間(紅)|81才|男性|舞刀士
  • 里を守りし獣乙女
    アーシェ(ka6089
    人間(紅)|15才|女性|霊闘士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 【相談卓】死に至る幻影
黒の夢(ka0187
エルフ|26才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2016/03/14 16:17:04
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/03/10 02:01:17