【AP】騎馬戦でちゅのよ!

マスター:尾仲ヒエル

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
  • duplication
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
無し
相談期間
5日
締切
2016/04/10 22:00
完成日
2016/04/18 02:50

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 野原にずらりと並んだハムスターたち。
 その中から一匹の小柄なハムスターが進み出た。
「あーら、また今年も負けにいらしたのでちゅか?」
 彼女の名前はシュウマイ。
 裕福な屋敷で飼われるジャンガリアンハムスターで、シュウマイ至上主義を掲げるシュウマイ軍の大将である。
 そんなシュウマイの頭には、ころんとした丸い緑色の飾りがついている。
 そう、グリンピースである。
「去年はちょっと調子が悪かっただけでちゅ!」
 ちょっと太めのハツカネズミがシュウマイに反論する。
 彼の名はおもち。
 おもち至上主義を掲げるおもち軍の大将である。
 そんなおもちの頭にも、丸い黄色の飾りがついている。
 みかんである。
「今年こそは、おもちが世界で一番美味しい食べ物だということを証明してみせるでちゅよ!」
「お・も・ち! お・も・ち!」
 掛け声に応え、おもちの背後に並んでいたねずみとリスたちが声を揃える。
「今年もシュウマイ軍の勝利だ!」
 負けじとシュウマイ軍でも歓声が上がり、シュウマイの周囲を屈強なハムスターたちが取り囲んだ。
「シュウマイお嬢さんにはしっぽ一本触らせねえぜ!」

 もう今年で何年になるだろうか。
 毎年この季節になると、シュウマイ軍とおもち軍は熾烈な戦いを繰り広げてきた。
 勝負は頭の飾りの奪い合い。
 いわゆる騎馬戦である。
「そういえば昨日うっかり、ここにしびれ薬入りのおもちを落としてしまいましたの。そろそろ効いてくるころでちゅかちらねえ?」
「何がうっかりでちゅか。だいたい、精鋭揃いのおもち軍が、そんな見え透いた罠にひっかかるわけが……」
「うっ」
 うめき声と共に、おもち軍のメンバー数名がお腹を押さえ、ばたばたと倒れ出す。
「みんなー!?」
「あらあらまあまあ。大変でちゅわねえ。これじゃあ勝負は無理そうでちゅわねえ?」
「くっ……卑怯者!」
「オーッホホホ! どんな手を使っても勝てばいいのでちゅわ!」
 高笑いを響かせるシュウマイと、唇を噛むおもち。
 そんな彼らの背後で、何か重い物の落ちるような音が響いた。
 ボスン。
 ドタタタ。
 おもちたちが振り返った先の地面には、尻もちをつくハンターたちの姿があった。
 姿こそ人間のままだが、なぜかねずみサイズに縮まり、頭にはねずみ耳、お尻にはねずみしっぽまでついている。
「き、君たちは……!」
 以前、ハンターたちに助けられた経験のあるおもちが声を上げた。
 まだ状況を呑み込めていないハンターたちは、きょろきょろと周囲を見回している。
「ひい、ふう、みい……」
 そんなハンターの数を数えていたおもちが、勢いよくシュウマイを振り返った。
「勝負は続行でちゅ! 彼らにはおもち軍に入ってもらうでちゅ!」
「なっ……! ずるいでちゅわ! あきらかに強そうでちゅし、どう見てもねずみじゃないでちゅわ!」
 すっとハンターの傍に近付いたおもちが、その内の1人に何やらひそひそと耳打ちする。
 耳打ちを受けたハンターは首を傾げ、おずおずと口を開いた。
「……ちゅ、ちゅー?」
「この耳! このしっぽ! そしてこの鳴き声! これはもう完全にねずみでちゅ!」
「思いっきり言わせてるじゃないでちゅの! ずるいでちゅわ! ずるいでちゅわ!」
 短い足で地団太を踏むシュウマイに、おもちが爽やかに言い放った。
「どんな手を使っても勝てばいいんでちゅ!」

リプレイ本文

「みんな似合ってるでちゅ」
 ハンターたちの頭にみかんを載せたおもちが満足気に頷く。
「騎馬役を選ぶんだよね。じゃあ私はリスさんにしまちゅ!」
 茶色のねずみ耳をぴこんと立てて宣言した遠藤・恵(ka3940)が、リスたちのいる所に駆け寄った。
 中でも一番肉付き良くもふもふしていているリスを選ぶと、頬袋の辺りを遠慮なく撫でながら自己紹介を始める。
「遠藤・恵でっちゅ! よろしくおねがいしまーっちゅ!」
「ひょほひふでリスー。僕はジャンプが得意でリスよ」
 おっとりと答えながら撫で回されるリス。語尾はリスらしい。
「うわあ、もふもふってかわいいー! ここは既に天国ですか!?」
「ひゃああー」
 その横でユリアン(ka1664)は、相棒に選んだすばしっこそうなねずみに、持参したチーズを差し出していた。
「どうぞ宜しく。俺はユリアン。ちょっと色々お願いチュるけど、終わったらもっとあげるから頑張って」
「ねず影と申しまちゅ。走りは任せてほしいでちゅ」
「ほんとー……にどんな手を使っても勝てばいいんでちゅか……?」
 心配顔のマルカ・アニチキン(ka2542)の質問に、おもちが頷いて見せる。
「いいんでちゅ」
「ふん。いいでちゅわよ。どうせ今年も我が軍の勝利でちゅわ」
 シュウマイは余裕の表情だ。
 マルカは、自分の白いねずみ耳とお揃いの白いねずみを選ぶ。
 おもちと比べると、ずいぶんとほっそりして見えるが、こちらが標準体型なのだろう。
「失礼しまちゅね」
 頭にハンディLEDライトを括りつけられながら、白ねずみが首を傾げた。
「これ何でチュか?」
「作戦があるんでちゅ」
 白ねずみの耳に作戦をささやくマルカは、今日は魔法を頼りにしていない。
 様々な出会いを通して、彼女の中で何かが少しずつ変わってきているのかもしれなかった。
「ちゅーちゅー、おもちさん、加勢しまちゅよー! チュードはおもち派でちゅからね」
 一番尻尾の立派なリスを選んだジュード・エアハート(ka0410)が弓を取り出すと、シュウマイ軍がざわめいた。
「と、飛び道具!?」
「短弓でちゅよ。リスさんの邪魔にならないよう、弓も取り回しの良い小さなものにしたんでちゅー」
「それは凄い……って、そういうことじゃないでちゅわ! ちょっとおもち! どういうことでちゅの!?」
 ほのぼのと再会を喜ぶザレム・アズール(ka0878)とおもちの耳には、その声は聞こえていないようだ。
「おもち、元気にしていたか?」
「元気だったでちゅよ。ザレムちゃんも元気そうで何よりでちゅ」
「私の話を聞きなさいでちゅわ!」
 ずだだだだ、と地団太を踏んだシュウマイが、勢いよく振り返る。
「いいでちゅわ。そっちが飛び道具なら、こっちは頭脳と鍛え上げた肉体で勝負でちゅ。作戦Bでいきまちゅわよ!」
「応!」
 屈強なハムスターたちが、カンフーポーズを決める。
 続けてシュウマイは自軍から茶色のハムスターを呼び寄せると、ひそひそ相談を始めた。
「あの、よかったら、これ飲んでください……」
 準備を進めるシュウマイ軍のハムスターの一匹に、ペットボトルが差し出される。
「お。ありがとよ」
 顔を上げずに受け取ったハムスターが蓋を開けた瞬間、事前にめちゃくちゃに振られていた炭酸飲料が勢いよく噴き出した。
 開けた本人はもちろん、周囲にいた数匹も巻き込まれる。
「す、すみません。でも、どんな手を使っても勝てばいいのでちゅよね……?」
 おどおどと謝りながらマルカが逃げていく。
 まさに濡れねずみ。体中からぽたぽた雫を垂らして立ちすくむハムスターたちの気力は、だいぶ削がれた様子だ。
「あの子……可愛い顔してなかなかやりまちゅわね……」
 一部始終を見ていたシュウマイが小さく唸る。

 準備を終えた両軍が向かい合い、ぴいい、という草笛と共に戦闘が始まった。
 騎馬たちが一斉に駆け出し、草原のそこかしこで取っ組み合いが始まる。
 黒色の大柄なねずみに乗ったザレムは動かず、背後のおもちに話しかけた。
「俺がガードを担当しよう。おもちは大将として後ろにドンと構えていてくれ」
「了解でちゅ。お願いするでちゅ」
「だが、黙って守るだけじゃないぞ」
 ザレムが、黒く太い重機関銃を構える。
 その圧倒的な見た目に、敵陣の空気が凍った。
「さあどうする? グリンピースを置いて逃げたら撃たないぞ」
 降伏勧告を聞いたハムスターたちに動揺が走る。
「ひるむな! 戦いはこれからでちゅわ! 皆!」
「応!」
 敵陣中央にいるシュウマイを、護衛役の屈強なハムスターたちが囲んだ。
 護衛たちの体に隠され、小柄なシュウマイの姿が見えなくなる。
「アチュウ!」
 カンフー技で攻めるシュウマイ軍に対し、おもち軍が押され始める。
「アチュチュチュ!」
「ちゅう!?」
 おもち軍の2個目のみかんを弾き飛ばしたハムスターに声がかけられる。
「あなたの相手は私でちゅ」
 ハムスターに向かい合ったマルカの雰囲気は、戦闘前とがらりと変わっていた。瞳に闘志が宿り、遠慮がちな様子が消えている。
 相手が突撃してきた瞬間、すかさずライトが点灯される。
「チュ!?」
 まぶしそうに目を閉じたハムスターの元へ白ねずみが駆けた。
「アターッチュ!」
 すれ違いざま、マルカの手がグリンピースを見事もぎとった。
「行くよ!」
 敵陣手前、そう叫んだユリアンが、大将を守るハムスターたちに向かって真っ直ぐに突入する。
「左!」
 護衛のハムスターたちにぶつかりそうになる寸前、ねず影が地面を蹴り、方向転換を決めた。
「右!」
 そのまま迂回するように走り横から突っ込む、と見せかけて、また離れる。
 ねず影の素早さを活かし、護衛たちの注意を引きつける作戦だ。
「ユリアンちゃん凄い……でも何か……」
 ぶつぶつ呟くおもち。
「どうかしましたか?」
 おもちの近くに戻ってきたマルカが尋ねる。
「シュウマイがこんなに大人しくしているはずがないんでちゅ」
「何か仕掛けてくる可能性があるってことか」
 ザレムが敵陣に鋭い視線を送った。

 一方、敵陣近くでは、ユリアンの陽動に合せてジュードが動いていた。
「チュウチュウ、我こそはおもち軍のチュードなり!」
 ジュードのリスがジャンプするたび、鮮やかな赤のスカートが、ひらりひらりとひるがえった。
 純白のフリルの間からスカートの中が見えそうになると、ふさふさの尻尾に絶妙の角度でガードされる。
 見えそうで見えない誘惑に、年頃のハムスターたちの視線が釘付けになり、敵陣に隙が生まれた。
「隙あり! リスさん、ここで決めまちゅよ!」
 虹色のロングボウを構えた恵が叫ぶ。
「リスさん、ジャンプ!!」
 呼吸を合わせて飛んだリスの体が、美しい放物線を描いて飛んだ。
 その位置が頂点に達した時、恵の瞳が護衛の背後の影を捕える。
「一撃必中、いっけえええ!!!」
 狙いすました一撃が放たれ、スパーン、という小気味の良い音と共に、グリンピースが弾け飛んだ。
「恵ちゃん、やったでちゅ!」
 おもちが騎馬の上でぴょんぴょん飛び跳ねたが、敵陣に反応はない。
「これは……シュウマイじゃない!」
 騎馬から転げ落ちて目を回していたのは、茶色のハムスター。
 その時、敵陣右奥から声が響いた。
「突撃でちゅわー!」
 いつの間にか護衛達の間から抜け出していたシュウマイが、新たな護衛を引き連れて走り出す。
 同時に、残っていたハムスターたちも、一斉におもちを目指して駆け出した。
 護衛を引き連れたシュウマイも含め、その数、12騎。
「そんな……間に合わないでちゅ!?」
「難しいことは分からないけど……私が間に合わせまちゅ!」
 おもちの悲痛な叫びに答える恵の表情に、諦めの色はない。
「そうでちゅ。おもちさんには簡単に近づけさせないでちゅよー!」
 ジュードが射程の長さを活かし、最大射程から固まっている護衛目がけて続けざまに矢を放つ。
 行動の自由を奪う矢の雨に降られ、騎馬もろとも護衛たちの動きが完全に止まった。
「いっけええ!」
 きりりと引き絞られた恵の弓から虹色の矢が飛び、護衛のグリンピースが撃ち抜かれる。
「行くよ。ねず影」
「承知」
 ユリアンの一言で、ねず影が全速力でシュウマイを追う。
 おもちの傍では、マルカとザレムが敵を迎え撃っていた。
「目を狙ってください!」
 マルカの指示で白ねずみが頭を振り、突撃してくる騎馬の目にライトの明かりを当てていく。
「チュ!?」
 眩しさに耐えきれず、先頭のハムスターの動きが止まり、後続の2匹も足を止める。
「Dレイで確実に豆だけを撃ち抜こう」
 瞳を真紅に染めたザレムの前に、光のトライアングルが現れた。
 その三つの頂点から放たれた光が、こちらに向かってくるハムスターたちのグリンピースを一直線に貫く。
「チュ?」
「チュ!」
「チュウ!」
 3つのグリンピースが同時に落とされ、ハムスターたちの足並みが崩れる。
「蒼流星(ステッラ・カデンテ)の出番でちゅね」
 金色の瞳を細めてジュードが笑う。
 放たれた矢は、蒼い流星のように空を駆け、その矢を追いかけるように、ルオオン、と、竜の咆哮にも似た音が戦場に響き渡る。
 グリンピースを貫かれた護衛と、ついでに大音量に驚いた隣の一匹が草原に転げ落ちた。
「ここは通さないよ」
 再び駆け出したシュウマイと護衛たちに向かって、光の壁を纏ったザレムが突進した。
「ヂュ!?」
 壁に触れた途端、先頭の護衛が騎馬ごと大きく後ろに弾き飛ばされる。
「な、何事でちゅの!?」
 驚いた後続のシュウマイたちが急停止する。
「こっちの勝ちってこと」
 にこっと笑った恵が、シュウマイの背後の護衛のグリンピースを撃ち抜く。
 一陣の風を感じて振り返ったシュウマイは、目を見開く時間さえ与えられなかった。
「ごめんね、ハムスターのお嬢さん」
 いつの間にか迫っていたユリアンの腕が、大将のグリンピースをむしり取った。

「あの短時間でここまで見事な連携を……完敗でちゅわ」
 結果はおもち軍の圧勝。
 がくりと膝をついたシュウマイに、おもちが手を差し出した。
「シュウマイ……いい勝負だったでちゅよ」
「おもち……」
 2匹の手が重なったかに見えた瞬間、おもちがひっくり返る。
「ちゅうう!?」
「オーッホホホ! 油断しましたわね!」
 足払いを決めたシュウマイが立ち上がり、転がるおもちに指を突きつける。
「私たちが負けたのはハンターにでちゅわ! ということで今年はのーかんでちゅのよ。来年こそボコボコにして差し上げまちゅからおぼえてらっしゃい!」
 そのまま踵を返して立ち去ろうとしたシュウマイたちの後ろ姿に、ザレムが呟く。
「残念。帰っちゃうのか。ケーキを持ってきたんでちゅけど」
 シュウマイの耳がぴくりと動いた。
 すかさずユリアンが畳みかける。
「ナッツもあるんだけどなあ」
 ぴくりぴくり。
 他のハムスターたちも、シュウマイの様子をちらちらと窺っている。
「……どうしてもと言うのでしたら、一緒に食べて差し上げても構わないでちゅのよ?」
「どうしてもー!」
 振り返ったシュウマイに恵が間髪入れずに答え、にぎやかなおやつタイムが始まった。
 ユリアンが差し出すナッツを、ハムスターたちがコリコリとかじる。
「ねず影も御苦労さま」
「かたじけないでちゅ」
 ねず影も、もらったチーズを美味しそうに頬張っている。
「勝ったのに……大将なのに扱いがあんまりでちゅ……」
「よしよし。おもちは頑張ったよな」
 足払いをかけられたまま転がっていたおもちを、ザレムが優しく撫でた。
「……つきたてのおもちみたいだな」
 ザレムが触るたび、おもちのお腹がぷにんと揺れる。
「わあ。俺も俺もー」
 わくわくした様子でジュードが加わり、急遽もちつき大会が始まった。
 ぺったん。ぷにん。ぺったん。ぷにん。
「ザレムちゃんもチュードちゃんも、くすぐったいでちゅう」
 転がったままくすぐったがるおもちに大将の威厳などない。
 リスたちから全員に素朴なコップ――俗に言うどんぐりの帽子が配られると、ユリアンがペットボトルを取り出した。
「喉が渇いている子がいたら、ミネラルウォーターをどうぞ」
「紅茶もあるぞ。あとこれも。おもちといったらスイーチュ、だからな」
 ザレムが取り出した物に、おもちが不思議そうな表情を浮かべる。
「それ、なんでちゅか?」
「ザッハトルテと桜餅」
「おもち!?」
 その言葉に、おもち軍のメンバーがわらわらと寄ってくる。戦いの理由になるだけあって、本当におもちが好きらしい。
「美味しい!」
「桜の味がするでリス」
 しびれ薬から回復したメンバーも舌鼓を打つ。
「あー、夢中で食べてる姿も可愛いー」
 もぎゅもぎゅと桜餅を頬張るリスを恵が撫でていると、シュウマイが近づいてきた。
「特別にわたくしのことを撫でても構いませんでちゅのよ?」
「撫でてほしいの? いいよー」
 恵に背中の黒い筋に沿って撫でられながら、シュウマイがナッツを美味しそうにかじる。
「お嬢さんが普通に会話してらっしゃる」
 その様子を見て、くっ、と男泣きするハムスターの護衛たち。
「皆さんお疲れさまでした。おもちさんもジュースをどうぞ」
 マルカの差し出した小ぶりの樽に、おもちたちの肩がびくっと跳ねた。
「マルカちゃん……まさかとは思いまちゅけど、それ、ぶしゃーってならないでちゅよね?」
「ふふ。どうでしょう?」
 何事もなく開けられた樽から注がれたジュースを、おもちたちがごくごくと飲み干す。
「甘くて美味しいでちゅー」
「ぷはーでチュ」
 横ではマルカを乗せていた白ねずみもジュースを堪能している。
 そこにシュウマイがてちてちと近付いてきた。
「あなた、将来有望でちゅわね。シュウマイ軍に入りませんこと?」
「ああ! マルカちゃんはおもち軍のメンバーでちゅよ! チュードちゃんも皆も、おもち派でちゅよね!」
 勢いよく振り返ったおもちの目に映ったのは、草原に転がる5つのみかん。
「あら? 帰っちゃったのでちゅか? 聞きたいことがあったのでちゅけれど」
 しょんぼりするおもちに、シュウマイが指を突きつける。
「じゃあおもちでいいでちゅわ。あのスカートがチラーッとするのが有効そうでしたから、研究するのでちゅわ。協力しなさいでちゅ」
「え。でも僕たちそもそもはいてな……」
「そーれ!」
 シュウマイの指示でハムスターの護衛たちがおもちを担ぎ上げる。
「ちゅう!? なんかべたべたするでちゅう!」
「きっと炭酸を浴びたからでチュね! そーれわっしょーい!」
「わっしょーいでちゅわ」
「わざとでちゅね! 絶対わざとでちゅよね!? いやああ! みんな、助けるでちゅ!」
 声を掛けられたおもち軍のメンバーは顔を見合わせると、そっと手を振った。
「後片付けはやっておくでチュ」
「いってらっしゃいでリスー」
「やっぱり扱いがひどいでちゅうぅぅ」
 悲鳴と共に、草原に爽やかな風が吹いた。

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MVP一覧

重体一覧

参加者一覧

  • 空を引き裂く射手
    ジュード・エアハート(ka0410
    人間(紅)|18才|男性|猟撃士
  • 幻獣王親衛隊
    ザレム・アズール(ka0878
    人間(紅)|19才|男性|機導師
  • 抱き留める腕
    ユリアン・クレティエ(ka1664
    人間(紅)|21才|男性|疾影士
  • ジルボ伝道師
    マルカ・アニチキン(ka2542
    人間(紅)|20才|女性|魔術師
  • 白兎と重ねる時間
    玉兎・恵(ka3940
    人間(蒼)|16才|女性|猟撃士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
マルカ・アニチキン(ka2542
人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2016/04/10 21:00:39
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/04/09 19:27:39