ゲスト
(ka0000)
強さ、とは。
マスター:DoLLer

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/11/02 07:30
- 完成日
- 2016/11/05 17:45
オープニング
夕闇に染まり、赤と黒に染まる街。
自分を暗黒の世界から助け出してくれた人とテミスは再開した。
「音楽もお料理もなさるんですね。そしてハンターとしても。あの、今度……私にも」
アサシンの道から救い出された少女、テミスはそう言った。
彼女は強さが欲しかった。
ほとんど名前も知らないような小さな山麓の農村で彼女は生まれた。真面目が取り柄の両親とこまっしゃくれた弟と、それからたくさんの羊たちに囲まれて。草笛が得意なバター職人の青年と会うたびに恥じらいを覚えたり、おばさんに届けものに行ったご褒美に竪琴の音色を聞かせてもらったり。そんな生活だった。残念なところは退屈なところと、お金のないことだった。
税の取り立てが厳しくて、父は生活を助けるために羊のブランドを打ち立てようと必死に働いていたことだけ覚えている。
そんなある日、悪夢はやって来た。
「金にならん豚を養う気はないのでな。金が欲しかろう? だからお前らを金になる豚にしてやろというのだ」
ブランド打ち立ての為に金を貸し付けた男はそういうとゾンビを放った。
その夜、全部血に染まった。テミスの他小屋にこもって閉じこもっていた子供たちはそのままトラックに載せられて……。
後は毎日、いかに人を殺すか、人に取り入り、隙を見て短剣を突き立てることだけを教えられた。
そんなの死んでも御免だ。
そう言ったバター職人の彼はその日のうちに頭をかち割られた。しばらくして、それでも心の奥底で抵抗する私の目の前に物言わぬ死の奴隷となって戻ってきた。
死んでも終われない。その恐怖が心を壊し、もう笑うこともなくなって。
あの新興成金を殺す為にメイドとして入り込め、と命令された時には、頷くだけの人形に成り下がっていた。
でも、心に響く音楽が。楽しい毎日を彩っていた音楽が、私を救ってくれた。
だけど暗殺を失敗した彼女は、もう鏡に映せないほどの暴力で歪んでしまったが、助け出してくれたハンターと今の主は、心と体の傷を一つ一つ治してくれた。もう傷跡がいくつか残るばかり。
今でもハンターからの贈り物である心をよみがえらせてくれた音色を奏でるオルゴールは大切な宝物。
「今の主は色んな人から狙われています。歪虚にも、反帝国組織ヴルツァライヒにも、帝国にすら目を付けられているかもしれない」
テミスはまっすぐ前を向いてそう言った。
「戦い方を教えて下さい。私を救ってくれた人を守りたいんです。守られるだけじゃイヤなんです」
絶対に。絶対に。
ハンターの手を握る彼女の手の力が強くなった。
「私は覚醒者じゃない……ゾンビ1体だって、私には勝つことは難しい」
ぎりり、と歯噛みしてテミスは俯いた。
覚醒者じゃなくてもできることはたくさんあるよ。ハンターはそう囁いてくれたが、テミスはぶんぶんと首を振った。
「それでも目の前で吹き荒れる暴力にもう負けたくないんです! 世界を救うような力じゃなくていい。大切な人を失いたくないんです。歴戦の皆さんが来てくれるまで、そんな時間稼ぎだけでもいい。助けてくれた人、守ってくれた人、そんな大切な人を守り通したいんです」
本当なら彼女には彼女の戦い方があるはず。
それは知っていた。知っていたけれども彼女はそれを良しとしなかった。村で存分に自分の役目を果たしたところで何も変えられなかったのだから。
「戦う力を、強さを、教えて下さい」
教えていいのか。そんな迷いを感じ取ってはいた。
それはそうだろう。どうやっても超えられない壁はある。精霊に加護を与えられたものとそうでないものの差は歴然だ。
だけど逃げて、もう二度と会えないなんて御免だ。
逃げて自分の選択を悔やむのは御免だ。
「……お願いします」
彼女は頭をいっぱいに下げて、そう言った。
自分を暗黒の世界から助け出してくれた人とテミスは再開した。
「音楽もお料理もなさるんですね。そしてハンターとしても。あの、今度……私にも」
アサシンの道から救い出された少女、テミスはそう言った。
彼女は強さが欲しかった。
ほとんど名前も知らないような小さな山麓の農村で彼女は生まれた。真面目が取り柄の両親とこまっしゃくれた弟と、それからたくさんの羊たちに囲まれて。草笛が得意なバター職人の青年と会うたびに恥じらいを覚えたり、おばさんに届けものに行ったご褒美に竪琴の音色を聞かせてもらったり。そんな生活だった。残念なところは退屈なところと、お金のないことだった。
税の取り立てが厳しくて、父は生活を助けるために羊のブランドを打ち立てようと必死に働いていたことだけ覚えている。
そんなある日、悪夢はやって来た。
「金にならん豚を養う気はないのでな。金が欲しかろう? だからお前らを金になる豚にしてやろというのだ」
ブランド打ち立ての為に金を貸し付けた男はそういうとゾンビを放った。
その夜、全部血に染まった。テミスの他小屋にこもって閉じこもっていた子供たちはそのままトラックに載せられて……。
後は毎日、いかに人を殺すか、人に取り入り、隙を見て短剣を突き立てることだけを教えられた。
そんなの死んでも御免だ。
そう言ったバター職人の彼はその日のうちに頭をかち割られた。しばらくして、それでも心の奥底で抵抗する私の目の前に物言わぬ死の奴隷となって戻ってきた。
死んでも終われない。その恐怖が心を壊し、もう笑うこともなくなって。
あの新興成金を殺す為にメイドとして入り込め、と命令された時には、頷くだけの人形に成り下がっていた。
でも、心に響く音楽が。楽しい毎日を彩っていた音楽が、私を救ってくれた。
だけど暗殺を失敗した彼女は、もう鏡に映せないほどの暴力で歪んでしまったが、助け出してくれたハンターと今の主は、心と体の傷を一つ一つ治してくれた。もう傷跡がいくつか残るばかり。
今でもハンターからの贈り物である心をよみがえらせてくれた音色を奏でるオルゴールは大切な宝物。
「今の主は色んな人から狙われています。歪虚にも、反帝国組織ヴルツァライヒにも、帝国にすら目を付けられているかもしれない」
テミスはまっすぐ前を向いてそう言った。
「戦い方を教えて下さい。私を救ってくれた人を守りたいんです。守られるだけじゃイヤなんです」
絶対に。絶対に。
ハンターの手を握る彼女の手の力が強くなった。
「私は覚醒者じゃない……ゾンビ1体だって、私には勝つことは難しい」
ぎりり、と歯噛みしてテミスは俯いた。
覚醒者じゃなくてもできることはたくさんあるよ。ハンターはそう囁いてくれたが、テミスはぶんぶんと首を振った。
「それでも目の前で吹き荒れる暴力にもう負けたくないんです! 世界を救うような力じゃなくていい。大切な人を失いたくないんです。歴戦の皆さんが来てくれるまで、そんな時間稼ぎだけでもいい。助けてくれた人、守ってくれた人、そんな大切な人を守り通したいんです」
本当なら彼女には彼女の戦い方があるはず。
それは知っていた。知っていたけれども彼女はそれを良しとしなかった。村で存分に自分の役目を果たしたところで何も変えられなかったのだから。
「戦う力を、強さを、教えて下さい」
教えていいのか。そんな迷いを感じ取ってはいた。
それはそうだろう。どうやっても超えられない壁はある。精霊に加護を与えられたものとそうでないものの差は歴然だ。
だけど逃げて、もう二度と会えないなんて御免だ。
逃げて自分の選択を悔やむのは御免だ。
「……お願いします」
彼女は頭をいっぱいに下げて、そう言った。
リプレイ本文
ルナ・レンフィールド(ka1565)が出会いざまにテミスに駆け寄り、そのままぎゅっと抱きしめた。
「お久しぶりです!」
「ルナさん……先だっては本当にお世話になりました」
「ルナだけじゃない。あなたの新たなる一歩、新たな心の灯を見守ろう」
ルシール・フルフラット(ka4000)は軽く握った拳を己の胸の前に当て、騎士然として語り掛けた。
そしてまたブリジット(ka4843)もその傍らで頷いた。言葉は多くはいらない。ただいつものように優しい眼差しを受け取とると。テミスも応えるようにして小さく頷き返した。
「約束、果たしに来ましたよ。テミスさん……」
リラ(ka5679)は少し切なそうに目を細めてそう挨拶した。会えるのが嬉しいことと、そして彼女が救われた顛末を目の当たりにしたメンバーたちと再会できたことと、それから、これから教える戦い方で死地に赴くことになるんじゃないかという、うすぼんやりとした不安感がないまぜになると、いつものような元気な笑顔は作れなかった。
「ふーン、知り合いなんだ」
フォークス(ka0570)はそんな仲間達の様子や表情を窺って、ぽつりと述べた。
特に感慨もないが……まぁ、邪魔くさい事態に転ぶことはなさそうだ。彼女達のどことなく絆を感じさせる動作にフォークスは半分だけ目蓋をおろした。
「Burningな関係に、ちょっとヤケた? でも、なんだか心構えを知る前ってあんな感じよね。なんか思い出しちゃった」
「いーやぁ。そうでもないカナ。仲がいいみたいだから『責任』もって面倒みてくれそうで助かったなーって思っただけ」
クロード・N・シックス(ka4741)の問いかけにフォークスは一瞥だけしてそっぽを向いたのを、クロードはくすくすと笑ったがマリィア・バルデス(ka5848)はどちらかと言うと鋭い目つきでそれを追っていた。
「非覚醒者に本気の戦いさせるのは分の悪いこと。でも、この世界の大半はそんな分の悪い普通の人の努力だけで成り立っているのよ。自分の行動を自分で決めた選択を尊重すべきだと思うけれど」
「……餅は餅屋に任せろって話さ。戦いなんて一人でやったってゴミみたいなもんだろ。まぁ真面目にはやるし、嘘は教えないよ」
なんとなく。マリィアはフォークスの背中に闇を見た気がした。
それでも彼女は生きて来てここにいる。テミスもそのくらいの拘泥する心は必要かもしれない。
「一つずつ、学んでくれればよい。納得するまで付き合うのがワシらの役目じゃ」
先の作戦で新しく刻まれた傷跡を撫でながら、バリトン(ka5112)は笑って見せた。
「ダイジョーブ? 私も人の事言えないけど……」
「できないならできないなりのことをする。それを教えるのもまたワシらの役目だろうて」
「That's Right!」
怪我人同士のクロードとバリトンは笑いあって勢い肩を叩きあった。
その後傷に響いて呻くことになったが、どうにも考えることは同じらしい。うまくやっていけそうな実感が二人にはあった。
●
「リアルブルーでも使い手によって能力の差が出にくい銃火器はすぐ広まった。良いものはさっさと取り入れて使う。後は適確にそれを使いこなす身体、それから確かな情報と判断力がそこそこにあれば十分さ」
「覚醒者でも非覚醒者でも威力の変わらぬ銃は向いておるだろう。一撃で倒せない覚醒者や歪虚には弾種によって攻撃方法を変えられるのも有益だ。ペイント弾で視界を奪うなどもいいだろう」
バリトンとフォークスの勧めによってテミスの主要な武器は銃に決まり、早速、武器の構えから始まる。
「デリンジャーと比べると反動が凄いので肩を壊さないようにしてくださいね。反動は銃弾が発射される際の爆発で起こります。つまり銃身で起こりますから、これを抑えるには?」
「……銃身に近いところを持つ」
リラの説明にテミスはグリップを掴み、更に足を軽く開いてバリトンが用意した大鎧に的を絞る。
「そうです。そして必ず側面や背面から攻撃してください。そして狙うのは……必ず頭。できるだけ離れずに」
リラは正面を陣取るテミスを引っ張り横に移動させる。正面から闘う必要はないのだ。戦うよりも命を守ることに徹して欲しい。
「腕は伸ばしきらない。衝撃で肩が外れるわ。軽く曲げて。上体は軽く前へ」
リラに指導されて構えるテミスにマリィアが適確に腕、背中、頭を矯正し、正しい姿勢を叩きこんでいく。
「人間は緊張すると腕を突き出し腰が浮く。その結果、至近距離でも外してしまうのよ。この姿勢は絶対に体に叩き込むこと」
そう言いつつ、マリィアは半回転して、背中から肩を預けるようにして、テミスをかちあげた。無論不意打ちの彼女はそのまますっ転んだが、すぐさま立ち上がって鎧に向かって構える。
「腰が浮いてる! 腕も伸びすぎ! 次はランニングしてから構えるわよ」
「はいっ」
マリィアが何度か転ばせたり、ホルダーから抜くまでの動作を何度もチェックをしている間に遺った面々はその他の道具を整えていく。
「次は私ですね」
ブリジットはゆっくり礼をすると、やおら虎徹を引き抜き、まっすぐ伸ばしてテミスの鼻先に当てた。
「次の訓練は攻撃にさらされながらも目を逸らさないこと。使えるものは全部使うためにも、恐怖で目を逸らしていたら何も始まりません。いいですか、これは慣れです」
ブリジットは軽くステップインしてを真上から攻撃を仕掛け、ぴたりと額の前で止めた。テミスの身体は反射的に防御しようと腕が上がっているのを見て、ブリジットは片手でそれを引き下ろした。
「暴力がよりも、それに対する恐怖が判断力を失わせるんです。全部寸止めします。目を逸らさないで。そして可能なら私の身体に触れる努力をしてください」
ブリジットが舞うように刀の一撃をあらゆる方向から剣戟を加えていく。わざと視界に入るように工夫されたそれに対して、テミスは身体を固くしていたが、ブリジットがちゃんと止めることから、その反射的な防御は時間と共に薄れていった。
「てぇや!!」
頃合いを見てテミスが突っ込んできたが、白の舞手たるブリジットは近くにあった机にふわりと登って回避すると同時に刀の峰でテミスの背中を叩き、また目の前で刀を止める。
「『止めてくれるなら考える必要はない』と思ってましたね? それも一つの慣れです。ですが実戦は甘くないですよ。全身青あざは覚悟してくださいね」
見抜かれたテミスはそれでも全力でブリジットに立ち向かっていった。
「自分だけで防御できないなら机でも窓でも、本でも、壁でもなんでも使いなさい」
ブリジットの助言を得て、テミスの動きは徐々にスマート、巧妙になっていく。避けられた瞬間に目がブリジットを追うと同時に、周りの障害物も見ている。テミスの瞳の動きを覗いたブリジットはこの子が呑みこみが速いと感じていた。
「先程のブリジットとの訓練を見る限り、やはり大物の剣を扱うのは難しいようだ。ナイフを引き続き使うと良い。ナイフとはいえ最近は性能のいいものも多いから探しておくといいだろう」
ブリジットが終わりの礼と共にルシールが、テミスの頭をくしゃりと撫でてそう言った。冬場なのに汗だらけで髪の毛もじっとりとしているのが分かる。
「はいっ」
「いい返事だ。そしていい目だ。その気持ちを揺らがせてはならないぞ。私が教えられるのはナイフの扱いだが、それよりも騎士の心を教えたい」
「騎士の、心ですか?」
マリィア、ブリジットの訓練ととにかく全力を尽くしがむしゃらに戦うことだけになっていたテミスはその言葉に驚いたようだった。怒れる獣のようになっていた表情が途端に収まりを見せる。
「騎士とは特に優雅であれとか、そういうものではないぞ。私も若いころは先ほどまでのテミスのようにがむしゃらに戦ってきた。戦いとはそんなものだ。ただし自分の意志を曲げぬこと。本来の目的を見失わぬこと」
なんのことやらと呆然とするテミスにルシールはくすりと笑った。
「先程はブリジットを追うことに執着するあまりに、視野が狭まっていた。本来なら机で盾にしたり逃げながら隙を見計らっても良かったはずだ。目の前のことに集中しすぎて本来の目的を見失ったということだ。騎士は常に戦いは他の為にある。試合に勝って勝負に負けた、などではいけない」
「あ……」
ようやく何を言いたいのか理解して、恥じ入るテミスにルシールはその腕を引き上げて立たせるとナイフを手渡した。
「だから、何が大切なのか、自分の本当にしたいことは何か。間違ったものを信条にしないように。広く正しい知見が必要になる。そして、一度決めたら……ためらわぬことだ」
テミスの背中についてナイフの構えを教え込むと、一度二度と攻撃の型を教える。
さすがにテミスは扱いになれているのか、すぐさまその動きはマスターした。
「それでは次は目標に対して躊躇なく、振り下ろすこと」
ルシールが指さしたのは戦闘準備を済ませたクロードの姿があった。目線が合うとクロードはウィンクひとつして、「バーンとぉ、Come on!」と迎えうつ姿勢を取って見せた。
「対戦相手だ。戸惑うとやられるぞ」
ルシールの言葉にテミスは頷くと、クロードに一礼してナイフを構えると、静々と距離を詰めた。
そして攻撃範囲内に入った瞬間、全力で飛び出した。だが、覚醒者のクロードは金色の瞳をより一層輝かせると、それを紙一重でかわす。
「あたしもさ、小さいころ死にそうになったよ。歪虚を倒そうとしたの。家族もみんなやられて刀も折れて……」
語りながらも、クロードはテミスの腕を捻じり上げていく。
「そこで師匠と出会ったの。拳一つでぶっ飛ばしてくれて、爽快だったなぁ」
捻じり上げて、体勢が浮き上がったテミスにクロードは鋭い拳を叩きこんだ。多撃必倒のクロードは一瞬で数撃をねじ込み、テミスはそのまま吹き飛んだ。
「戦い方教えてくれってずーっと言ったけどさ、師匠も困ってたみたい。戦い方なんてそれぞれに応じたものがあるからね。……で、オネンネしちゃうワケ? 甘えたいばかりのビッチ?」
「罠を使うんだよ。射線は確保しつつ侵入を拒む方法、ここは地の利ならそっちにあるじゃない」
うずくまるテミスにそう踏みつけた瞬間、フォークスが言葉を飛ばす。
するとテミスは机の陰に転がり込んで盾にし、部屋の外に向かって移動しながら、帽子掛けをひっくり返して追撃を阻止する。
「いい動きね。Good!」
それらを飛び越えた瞬間、視界がピンクに染まった。廊下で飛び越える瞬間を狙っていたテミスが構えていたのはデリンジャーだ。ペイント弾か。
「おお、やりおるのう。わしが言ったことをちゃんと実践しておる」
「移動してからの構えも綺麗なものね」
バリトンとマリィアはその動きを見て、素直に感嘆の言葉を口にし、互いにちかりと視線をかわす。
そして、ペイントを拭きとるクロードの首にナイフを突き立て……ようとしたが、それは叶わなかった。
「うーん、so badだね。目が見えなくてもね、足音で全部わかっちゃった」
身体を捻ってトンファーでナイフを弾き飛ばし、続けざまにもう一撃。テミスを狙うクロード。カウンターのように叩き込まれる一撃をテミスが避けられるはずもなかった。
キラキラと輝かせるクロードの瞳がふっと曇るとその手を緩めた。
「アウチっ。いっつつつ……」
「え……」
「いやぁ、大規模作戦で割と腹膜やられちゃってて、びきーんって来た。あはは」
昏倒を覚悟していたテミスが呆然としているのをクロードはにっこりと笑った。
「こんなLuckyだってあるの。だから戦う為の心構えの真髄は『絶対にあきらめない事』。いい?」
「ああ、もう青あざだらけ……ハーブティーじゃなくって軟膏の作り方を覚えてくればよかったです」
ルナはボロボロになったテミスの前にハーブティーを差し出して、眉根を寄せた。そんな彼女は一通りの訓練が終わっても、『予測できるように知識を増やせ、その為にも読み書きは重要じゃ』というバリトンの勧めに従い、資料を読んでいた。今はフォークスが教えてくれた信号弾やブービートラップの作り方を自分なりに読み書きを活用しながら、まとめ直している。
その目の輝きは強くて、身を焼いてしまうほどではないかと心配してしまう。
「テミスさん……」
「はい」
笑わない。いつだって彼女は本気だ。ルナの呼びかけにもきっと何か教授があると、真摯に受け取らなくてはならないという気概が感じられる。
初めて知り合ったあの時から、彼女はずっと。
「~~!!!」
ルナはなんだか悲しくなって、テミスを抱きしめた。
「張り詰めたままの弦は……弾けてしまうんですよ?」
「ありがとうございます。でも、今努力しないと、また一人になってしまいます。私は」
テミスが言葉を紡いでいる途中で、ルナは思いっきりテミスをくすぐった。
「あの」
「なんで笑わないんですか!? こことかこことか、私前にくすぐられて、もうひどかったのに! えい、えいっ。笑ってください!! 笑って、ください……」
ルナはそのままテミスに崩れるようにして顔を埋めた。
「……歌もそうなんです。張り詰めれば悪い事を呼び寄せるんです。それを恐れると余計に。だから。オンとオフの切り替え、してください……」
「はい」
「また、それ」
どこか単調なテミスに向かって、ルナは顔を上げた。その顔はどことなく優しいことに気付いた。
「ありがとうございます。でしたら……あの、聴かせてもらってもいいでしょうか」
心はそんなにすぐ元には戻らない。
だけど、音楽の聴いている間だけ。彼女は元に戻れる。何の悩みもない幸せだった頃に。まるでおとぎ話に出てくる獣になる呪いのかかった人のよう。
「はい!」
ルナがリュートを取り上げ、弦を打ち鳴らした瞬間。
テミスは確かに笑っていた。
ハーブの香りと共に、夜空にしっとりとした調べが流れていく。
●
「強さってのは武力、人員、財源が組み合わって成り立つもんだよ。独りなんて大したことはできないんだから、無茶しないよーにネ」
フォークスの言葉に、みんな沈鬱な顔をした。そう。テミス独りでできることは少ない。
「フォークスの言葉ももっともだ。だからこそ、必ず守り、自分も生きるということ。それは忘れないようにな。そういう失敗をしてきたから」
「貴女の生命はもう一人のものだけじゃないこと、忘れないでくださいね」
ルシールとルナの言葉にテミスはテミスが胸を張って答えた。
「皆様からいただいたもの、粗末にしないよう精進していきます」
彼女の中身は全部壊されて空っぽだった。
だけど、瞳に湛える光を覗けば、集まった皆の心が宿っていることは窺い知ることができた。その背に死すら厭わぬという不穏な影は感じない。
「お久しぶりです!」
「ルナさん……先だっては本当にお世話になりました」
「ルナだけじゃない。あなたの新たなる一歩、新たな心の灯を見守ろう」
ルシール・フルフラット(ka4000)は軽く握った拳を己の胸の前に当て、騎士然として語り掛けた。
そしてまたブリジット(ka4843)もその傍らで頷いた。言葉は多くはいらない。ただいつものように優しい眼差しを受け取とると。テミスも応えるようにして小さく頷き返した。
「約束、果たしに来ましたよ。テミスさん……」
リラ(ka5679)は少し切なそうに目を細めてそう挨拶した。会えるのが嬉しいことと、そして彼女が救われた顛末を目の当たりにしたメンバーたちと再会できたことと、それから、これから教える戦い方で死地に赴くことになるんじゃないかという、うすぼんやりとした不安感がないまぜになると、いつものような元気な笑顔は作れなかった。
「ふーン、知り合いなんだ」
フォークス(ka0570)はそんな仲間達の様子や表情を窺って、ぽつりと述べた。
特に感慨もないが……まぁ、邪魔くさい事態に転ぶことはなさそうだ。彼女達のどことなく絆を感じさせる動作にフォークスは半分だけ目蓋をおろした。
「Burningな関係に、ちょっとヤケた? でも、なんだか心構えを知る前ってあんな感じよね。なんか思い出しちゃった」
「いーやぁ。そうでもないカナ。仲がいいみたいだから『責任』もって面倒みてくれそうで助かったなーって思っただけ」
クロード・N・シックス(ka4741)の問いかけにフォークスは一瞥だけしてそっぽを向いたのを、クロードはくすくすと笑ったがマリィア・バルデス(ka5848)はどちらかと言うと鋭い目つきでそれを追っていた。
「非覚醒者に本気の戦いさせるのは分の悪いこと。でも、この世界の大半はそんな分の悪い普通の人の努力だけで成り立っているのよ。自分の行動を自分で決めた選択を尊重すべきだと思うけれど」
「……餅は餅屋に任せろって話さ。戦いなんて一人でやったってゴミみたいなもんだろ。まぁ真面目にはやるし、嘘は教えないよ」
なんとなく。マリィアはフォークスの背中に闇を見た気がした。
それでも彼女は生きて来てここにいる。テミスもそのくらいの拘泥する心は必要かもしれない。
「一つずつ、学んでくれればよい。納得するまで付き合うのがワシらの役目じゃ」
先の作戦で新しく刻まれた傷跡を撫でながら、バリトン(ka5112)は笑って見せた。
「ダイジョーブ? 私も人の事言えないけど……」
「できないならできないなりのことをする。それを教えるのもまたワシらの役目だろうて」
「That's Right!」
怪我人同士のクロードとバリトンは笑いあって勢い肩を叩きあった。
その後傷に響いて呻くことになったが、どうにも考えることは同じらしい。うまくやっていけそうな実感が二人にはあった。
●
「リアルブルーでも使い手によって能力の差が出にくい銃火器はすぐ広まった。良いものはさっさと取り入れて使う。後は適確にそれを使いこなす身体、それから確かな情報と判断力がそこそこにあれば十分さ」
「覚醒者でも非覚醒者でも威力の変わらぬ銃は向いておるだろう。一撃で倒せない覚醒者や歪虚には弾種によって攻撃方法を変えられるのも有益だ。ペイント弾で視界を奪うなどもいいだろう」
バリトンとフォークスの勧めによってテミスの主要な武器は銃に決まり、早速、武器の構えから始まる。
「デリンジャーと比べると反動が凄いので肩を壊さないようにしてくださいね。反動は銃弾が発射される際の爆発で起こります。つまり銃身で起こりますから、これを抑えるには?」
「……銃身に近いところを持つ」
リラの説明にテミスはグリップを掴み、更に足を軽く開いてバリトンが用意した大鎧に的を絞る。
「そうです。そして必ず側面や背面から攻撃してください。そして狙うのは……必ず頭。できるだけ離れずに」
リラは正面を陣取るテミスを引っ張り横に移動させる。正面から闘う必要はないのだ。戦うよりも命を守ることに徹して欲しい。
「腕は伸ばしきらない。衝撃で肩が外れるわ。軽く曲げて。上体は軽く前へ」
リラに指導されて構えるテミスにマリィアが適確に腕、背中、頭を矯正し、正しい姿勢を叩きこんでいく。
「人間は緊張すると腕を突き出し腰が浮く。その結果、至近距離でも外してしまうのよ。この姿勢は絶対に体に叩き込むこと」
そう言いつつ、マリィアは半回転して、背中から肩を預けるようにして、テミスをかちあげた。無論不意打ちの彼女はそのまますっ転んだが、すぐさま立ち上がって鎧に向かって構える。
「腰が浮いてる! 腕も伸びすぎ! 次はランニングしてから構えるわよ」
「はいっ」
マリィアが何度か転ばせたり、ホルダーから抜くまでの動作を何度もチェックをしている間に遺った面々はその他の道具を整えていく。
「次は私ですね」
ブリジットはゆっくり礼をすると、やおら虎徹を引き抜き、まっすぐ伸ばしてテミスの鼻先に当てた。
「次の訓練は攻撃にさらされながらも目を逸らさないこと。使えるものは全部使うためにも、恐怖で目を逸らしていたら何も始まりません。いいですか、これは慣れです」
ブリジットは軽くステップインしてを真上から攻撃を仕掛け、ぴたりと額の前で止めた。テミスの身体は反射的に防御しようと腕が上がっているのを見て、ブリジットは片手でそれを引き下ろした。
「暴力がよりも、それに対する恐怖が判断力を失わせるんです。全部寸止めします。目を逸らさないで。そして可能なら私の身体に触れる努力をしてください」
ブリジットが舞うように刀の一撃をあらゆる方向から剣戟を加えていく。わざと視界に入るように工夫されたそれに対して、テミスは身体を固くしていたが、ブリジットがちゃんと止めることから、その反射的な防御は時間と共に薄れていった。
「てぇや!!」
頃合いを見てテミスが突っ込んできたが、白の舞手たるブリジットは近くにあった机にふわりと登って回避すると同時に刀の峰でテミスの背中を叩き、また目の前で刀を止める。
「『止めてくれるなら考える必要はない』と思ってましたね? それも一つの慣れです。ですが実戦は甘くないですよ。全身青あざは覚悟してくださいね」
見抜かれたテミスはそれでも全力でブリジットに立ち向かっていった。
「自分だけで防御できないなら机でも窓でも、本でも、壁でもなんでも使いなさい」
ブリジットの助言を得て、テミスの動きは徐々にスマート、巧妙になっていく。避けられた瞬間に目がブリジットを追うと同時に、周りの障害物も見ている。テミスの瞳の動きを覗いたブリジットはこの子が呑みこみが速いと感じていた。
「先程のブリジットとの訓練を見る限り、やはり大物の剣を扱うのは難しいようだ。ナイフを引き続き使うと良い。ナイフとはいえ最近は性能のいいものも多いから探しておくといいだろう」
ブリジットが終わりの礼と共にルシールが、テミスの頭をくしゃりと撫でてそう言った。冬場なのに汗だらけで髪の毛もじっとりとしているのが分かる。
「はいっ」
「いい返事だ。そしていい目だ。その気持ちを揺らがせてはならないぞ。私が教えられるのはナイフの扱いだが、それよりも騎士の心を教えたい」
「騎士の、心ですか?」
マリィア、ブリジットの訓練ととにかく全力を尽くしがむしゃらに戦うことだけになっていたテミスはその言葉に驚いたようだった。怒れる獣のようになっていた表情が途端に収まりを見せる。
「騎士とは特に優雅であれとか、そういうものではないぞ。私も若いころは先ほどまでのテミスのようにがむしゃらに戦ってきた。戦いとはそんなものだ。ただし自分の意志を曲げぬこと。本来の目的を見失わぬこと」
なんのことやらと呆然とするテミスにルシールはくすりと笑った。
「先程はブリジットを追うことに執着するあまりに、視野が狭まっていた。本来なら机で盾にしたり逃げながら隙を見計らっても良かったはずだ。目の前のことに集中しすぎて本来の目的を見失ったということだ。騎士は常に戦いは他の為にある。試合に勝って勝負に負けた、などではいけない」
「あ……」
ようやく何を言いたいのか理解して、恥じ入るテミスにルシールはその腕を引き上げて立たせるとナイフを手渡した。
「だから、何が大切なのか、自分の本当にしたいことは何か。間違ったものを信条にしないように。広く正しい知見が必要になる。そして、一度決めたら……ためらわぬことだ」
テミスの背中についてナイフの構えを教え込むと、一度二度と攻撃の型を教える。
さすがにテミスは扱いになれているのか、すぐさまその動きはマスターした。
「それでは次は目標に対して躊躇なく、振り下ろすこと」
ルシールが指さしたのは戦闘準備を済ませたクロードの姿があった。目線が合うとクロードはウィンクひとつして、「バーンとぉ、Come on!」と迎えうつ姿勢を取って見せた。
「対戦相手だ。戸惑うとやられるぞ」
ルシールの言葉にテミスは頷くと、クロードに一礼してナイフを構えると、静々と距離を詰めた。
そして攻撃範囲内に入った瞬間、全力で飛び出した。だが、覚醒者のクロードは金色の瞳をより一層輝かせると、それを紙一重でかわす。
「あたしもさ、小さいころ死にそうになったよ。歪虚を倒そうとしたの。家族もみんなやられて刀も折れて……」
語りながらも、クロードはテミスの腕を捻じり上げていく。
「そこで師匠と出会ったの。拳一つでぶっ飛ばしてくれて、爽快だったなぁ」
捻じり上げて、体勢が浮き上がったテミスにクロードは鋭い拳を叩きこんだ。多撃必倒のクロードは一瞬で数撃をねじ込み、テミスはそのまま吹き飛んだ。
「戦い方教えてくれってずーっと言ったけどさ、師匠も困ってたみたい。戦い方なんてそれぞれに応じたものがあるからね。……で、オネンネしちゃうワケ? 甘えたいばかりのビッチ?」
「罠を使うんだよ。射線は確保しつつ侵入を拒む方法、ここは地の利ならそっちにあるじゃない」
うずくまるテミスにそう踏みつけた瞬間、フォークスが言葉を飛ばす。
するとテミスは机の陰に転がり込んで盾にし、部屋の外に向かって移動しながら、帽子掛けをひっくり返して追撃を阻止する。
「いい動きね。Good!」
それらを飛び越えた瞬間、視界がピンクに染まった。廊下で飛び越える瞬間を狙っていたテミスが構えていたのはデリンジャーだ。ペイント弾か。
「おお、やりおるのう。わしが言ったことをちゃんと実践しておる」
「移動してからの構えも綺麗なものね」
バリトンとマリィアはその動きを見て、素直に感嘆の言葉を口にし、互いにちかりと視線をかわす。
そして、ペイントを拭きとるクロードの首にナイフを突き立て……ようとしたが、それは叶わなかった。
「うーん、so badだね。目が見えなくてもね、足音で全部わかっちゃった」
身体を捻ってトンファーでナイフを弾き飛ばし、続けざまにもう一撃。テミスを狙うクロード。カウンターのように叩き込まれる一撃をテミスが避けられるはずもなかった。
キラキラと輝かせるクロードの瞳がふっと曇るとその手を緩めた。
「アウチっ。いっつつつ……」
「え……」
「いやぁ、大規模作戦で割と腹膜やられちゃってて、びきーんって来た。あはは」
昏倒を覚悟していたテミスが呆然としているのをクロードはにっこりと笑った。
「こんなLuckyだってあるの。だから戦う為の心構えの真髄は『絶対にあきらめない事』。いい?」
「ああ、もう青あざだらけ……ハーブティーじゃなくって軟膏の作り方を覚えてくればよかったです」
ルナはボロボロになったテミスの前にハーブティーを差し出して、眉根を寄せた。そんな彼女は一通りの訓練が終わっても、『予測できるように知識を増やせ、その為にも読み書きは重要じゃ』というバリトンの勧めに従い、資料を読んでいた。今はフォークスが教えてくれた信号弾やブービートラップの作り方を自分なりに読み書きを活用しながら、まとめ直している。
その目の輝きは強くて、身を焼いてしまうほどではないかと心配してしまう。
「テミスさん……」
「はい」
笑わない。いつだって彼女は本気だ。ルナの呼びかけにもきっと何か教授があると、真摯に受け取らなくてはならないという気概が感じられる。
初めて知り合ったあの時から、彼女はずっと。
「~~!!!」
ルナはなんだか悲しくなって、テミスを抱きしめた。
「張り詰めたままの弦は……弾けてしまうんですよ?」
「ありがとうございます。でも、今努力しないと、また一人になってしまいます。私は」
テミスが言葉を紡いでいる途中で、ルナは思いっきりテミスをくすぐった。
「あの」
「なんで笑わないんですか!? こことかこことか、私前にくすぐられて、もうひどかったのに! えい、えいっ。笑ってください!! 笑って、ください……」
ルナはそのままテミスに崩れるようにして顔を埋めた。
「……歌もそうなんです。張り詰めれば悪い事を呼び寄せるんです。それを恐れると余計に。だから。オンとオフの切り替え、してください……」
「はい」
「また、それ」
どこか単調なテミスに向かって、ルナは顔を上げた。その顔はどことなく優しいことに気付いた。
「ありがとうございます。でしたら……あの、聴かせてもらってもいいでしょうか」
心はそんなにすぐ元には戻らない。
だけど、音楽の聴いている間だけ。彼女は元に戻れる。何の悩みもない幸せだった頃に。まるでおとぎ話に出てくる獣になる呪いのかかった人のよう。
「はい!」
ルナがリュートを取り上げ、弦を打ち鳴らした瞬間。
テミスは確かに笑っていた。
ハーブの香りと共に、夜空にしっとりとした調べが流れていく。
●
「強さってのは武力、人員、財源が組み合わって成り立つもんだよ。独りなんて大したことはできないんだから、無茶しないよーにネ」
フォークスの言葉に、みんな沈鬱な顔をした。そう。テミス独りでできることは少ない。
「フォークスの言葉ももっともだ。だからこそ、必ず守り、自分も生きるということ。それは忘れないようにな。そういう失敗をしてきたから」
「貴女の生命はもう一人のものだけじゃないこと、忘れないでくださいね」
ルシールとルナの言葉にテミスはテミスが胸を張って答えた。
「皆様からいただいたもの、粗末にしないよう精進していきます」
彼女の中身は全部壊されて空っぽだった。
だけど、瞳に湛える光を覗けば、集まった皆の心が宿っていることは窺い知ることができた。その背に死すら厭わぬという不穏な影は感じない。
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強さとは…【相談卓】 ルナ・レンフィールド(ka1565) 人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2016/10/30 20:49:48 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/10/30 20:47:54 |