ゲスト
(ka0000)
強さ、とは。
マスター:DoLLer

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/11/02 07:30
- リプレイ完成予定
- 2016/11/11 07:30
オープニング
夕闇に染まり、赤と黒に染まる街。
自分を暗黒の世界から助け出してくれた人とテミスは再開した。
「音楽もお料理もなさるんですね。そしてハンターとしても。あの、今度……私にも」
アサシンの道から救い出された少女、テミスはそう言った。
彼女は強さが欲しかった。
ほとんど名前も知らないような小さな山麓の農村で彼女は生まれた。真面目が取り柄の両親とこまっしゃくれた弟と、それからたくさんの羊たちに囲まれて。草笛が得意なバター職人の青年と会うたびに恥じらいを覚えたり、おばさんに届けものに行ったご褒美に竪琴の音色を聞かせてもらったり。そんな生活だった。残念なところは退屈なところと、お金のないことだった。
税の取り立てが厳しくて、父は生活を助けるために羊のブランドを打ち立てようと必死に働いていたことだけ覚えている。
そんなある日、悪夢はやって来た。
「金にならん豚を養う気はないのでな。金が欲しかろう? だからお前らを金になる豚にしてやろというのだ」
ブランド打ち立ての為に金を貸し付けた男はそういうとゾンビを放った。
その夜、全部血に染まった。テミスの他小屋にこもって閉じこもっていた子供たちはそのままトラックに載せられて……。
後は毎日、いかに人を殺すか、人に取り入り、隙を見て短剣を突き立てることだけを教えられた。
そんなの死んでも御免だ。
そう言ったバター職人の彼はその日のうちに頭をかち割られた。しばらくして、それでも心の奥底で抵抗する私の目の前に物言わぬ死の奴隷となって戻ってきた。
死んでも終われない。その恐怖が心を壊し、もう笑うこともなくなって。
あの新興成金を殺す為にメイドとして入り込め、と命令された時には、頷くだけの人形に成り下がっていた。
でも、心に響く音楽が。楽しい毎日を彩っていた音楽が、私を救ってくれた。
だけど暗殺を失敗した彼女は、もう鏡に映せないほどの暴力で歪んでしまったが、助け出してくれたハンターと今の主は、心と体の傷を一つ一つ治してくれた。もう傷跡がいくつか残るばかり。
今でもハンターからの贈り物である心をよみがえらせてくれた音色を奏でるオルゴールは大切な宝物。
「今の主は色んな人から狙われています。歪虚にも、反帝国組織ヴルツァライヒにも、帝国にすら目を付けられているかもしれない」
テミスはまっすぐ前を向いてそう言った。
「戦い方を教えて下さい。私を救ってくれた人を守りたいんです。守られるだけじゃイヤなんです」
絶対に。絶対に。
ハンターの手を握る彼女の手の力が強くなった。
「私は覚醒者じゃない……ゾンビ1体だって、私には勝つことは難しい」
ぎりり、と歯噛みしてテミスは俯いた。
覚醒者じゃなくてもできることはたくさんあるよ。ハンターはそう囁いてくれたが、テミスはぶんぶんと首を振った。
「それでも目の前で吹き荒れる暴力にもう負けたくないんです! 世界を救うような力じゃなくていい。大切な人を失いたくないんです。歴戦の皆さんが来てくれるまで、そんな時間稼ぎだけでもいい。助けてくれた人、守ってくれた人、そんな大切な人を守り通したいんです」
本当なら彼女には彼女の戦い方があるはず。
それは知っていた。知っていたけれども彼女はそれを良しとしなかった。村で存分に自分の役目を果たしたところで何も変えられなかったのだから。
「戦う力を、強さを、教えて下さい」
教えていいのか。そんな迷いを感じ取ってはいた。
それはそうだろう。どうやっても超えられない壁はある。精霊に加護を与えられたものとそうでないものの差は歴然だ。
だけど逃げて、もう二度と会えないなんて御免だ。
逃げて自分の選択を悔やむのは御免だ。
「……お願いします」
彼女は頭をいっぱいに下げて、そう言った。
自分を暗黒の世界から助け出してくれた人とテミスは再開した。
「音楽もお料理もなさるんですね。そしてハンターとしても。あの、今度……私にも」
アサシンの道から救い出された少女、テミスはそう言った。
彼女は強さが欲しかった。
ほとんど名前も知らないような小さな山麓の農村で彼女は生まれた。真面目が取り柄の両親とこまっしゃくれた弟と、それからたくさんの羊たちに囲まれて。草笛が得意なバター職人の青年と会うたびに恥じらいを覚えたり、おばさんに届けものに行ったご褒美に竪琴の音色を聞かせてもらったり。そんな生活だった。残念なところは退屈なところと、お金のないことだった。
税の取り立てが厳しくて、父は生活を助けるために羊のブランドを打ち立てようと必死に働いていたことだけ覚えている。
そんなある日、悪夢はやって来た。
「金にならん豚を養う気はないのでな。金が欲しかろう? だからお前らを金になる豚にしてやろというのだ」
ブランド打ち立ての為に金を貸し付けた男はそういうとゾンビを放った。
その夜、全部血に染まった。テミスの他小屋にこもって閉じこもっていた子供たちはそのままトラックに載せられて……。
後は毎日、いかに人を殺すか、人に取り入り、隙を見て短剣を突き立てることだけを教えられた。
そんなの死んでも御免だ。
そう言ったバター職人の彼はその日のうちに頭をかち割られた。しばらくして、それでも心の奥底で抵抗する私の目の前に物言わぬ死の奴隷となって戻ってきた。
死んでも終われない。その恐怖が心を壊し、もう笑うこともなくなって。
あの新興成金を殺す為にメイドとして入り込め、と命令された時には、頷くだけの人形に成り下がっていた。
でも、心に響く音楽が。楽しい毎日を彩っていた音楽が、私を救ってくれた。
だけど暗殺を失敗した彼女は、もう鏡に映せないほどの暴力で歪んでしまったが、助け出してくれたハンターと今の主は、心と体の傷を一つ一つ治してくれた。もう傷跡がいくつか残るばかり。
今でもハンターからの贈り物である心をよみがえらせてくれた音色を奏でるオルゴールは大切な宝物。
「今の主は色んな人から狙われています。歪虚にも、反帝国組織ヴルツァライヒにも、帝国にすら目を付けられているかもしれない」
テミスはまっすぐ前を向いてそう言った。
「戦い方を教えて下さい。私を救ってくれた人を守りたいんです。守られるだけじゃイヤなんです」
絶対に。絶対に。
ハンターの手を握る彼女の手の力が強くなった。
「私は覚醒者じゃない……ゾンビ1体だって、私には勝つことは難しい」
ぎりり、と歯噛みしてテミスは俯いた。
覚醒者じゃなくてもできることはたくさんあるよ。ハンターはそう囁いてくれたが、テミスはぶんぶんと首を振った。
「それでも目の前で吹き荒れる暴力にもう負けたくないんです! 世界を救うような力じゃなくていい。大切な人を失いたくないんです。歴戦の皆さんが来てくれるまで、そんな時間稼ぎだけでもいい。助けてくれた人、守ってくれた人、そんな大切な人を守り通したいんです」
本当なら彼女には彼女の戦い方があるはず。
それは知っていた。知っていたけれども彼女はそれを良しとしなかった。村で存分に自分の役目を果たしたところで何も変えられなかったのだから。
「戦う力を、強さを、教えて下さい」
教えていいのか。そんな迷いを感じ取ってはいた。
それはそうだろう。どうやっても超えられない壁はある。精霊に加護を与えられたものとそうでないものの差は歴然だ。
だけど逃げて、もう二度と会えないなんて御免だ。
逃げて自分の選択を悔やむのは御免だ。
「……お願いします」
彼女は頭をいっぱいに下げて、そう言った。
解説
少女テミスからの依頼です。
非覚醒者である彼女でも戦える方法を一つでも伝授してください。
●テミス
女 15才 非覚醒者
現職業はメイド、クリームヒルトという人物の下で家事などを行っています。
ナイフとデリンジャーの扱いは、ヴルツァライヒによって使役されていた時代に教えられている。
身体能力は高め。
文字は簡単な言葉なら読み書きできる程度の学はあります。また意欲が高いので、教えるとすぐ覚えます。
手先もそれなりに器用。
●場所や時間設定
特に指定はありませんので、必要であれば適当に設定してください。
期間は5日間とします。
非覚醒者である彼女でも戦える方法を一つでも伝授してください。
●テミス
女 15才 非覚醒者
現職業はメイド、クリームヒルトという人物の下で家事などを行っています。
ナイフとデリンジャーの扱いは、ヴルツァライヒによって使役されていた時代に教えられている。
身体能力は高め。
文字は簡単な言葉なら読み書きできる程度の学はあります。また意欲が高いので、教えるとすぐ覚えます。
手先もそれなりに器用。
●場所や時間設定
特に指定はありませんので、必要であれば適当に設定してください。
期間は5日間とします。
マスターより
簡単に戦い方を教えれば済む話ですが、タイトルは強さとは。です。
一般人ですので当然皆様のようには戦えません。下手な戦闘知識は邪魔とか危なっかしい以外の何物でもないでしょう。
しかし(言葉通りの意味で)戦い方を教えないと、依頼は失敗です。
NGワードは「武器を持って戦うだけが戦いじゃないよ。色んなサポートでも戦っていることになるんだ」に類する言葉です。
それでも戦いたい。そんな彼女の心を慮ってくださると幸いです。
一般人ですので当然皆様のようには戦えません。下手な戦闘知識は邪魔とか危なっかしい以外の何物でもないでしょう。
しかし(言葉通りの意味で)戦い方を教えないと、依頼は失敗です。
NGワードは「武器を持って戦うだけが戦いじゃないよ。色んなサポートでも戦っていることになるんだ」に類する言葉です。
それでも戦いたい。そんな彼女の心を慮ってくださると幸いです。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/11/05 17:45
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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強さとは…【相談卓】 ルナ・レンフィールド(ka1565) 人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2016/10/30 20:49:48 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/10/30 20:47:54 |