ゲスト
(ka0000)
暴れ狂う化け物 ~襲われる妖精の丘~
マスター:天田洋介

- シナリオ形態
- シリーズ(続編)
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,300
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/01/23 19:00
- 完成日
- 2017/01/31 04:39
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
ハンターの活躍によってリンダールの森のある妖精の丘に平和が訪れる。
年が明けても少年ハンスは妖精の家族三人と共に暮らしていた。一時的な逗留のつもりだったが、あまりに居心地がよかったからだ。
「ほんと、助かったよね。ハンターのみんなのおかげで野ねずみが退治できたし。蓄えの食料が盗られたのは痛かったけど、何とかなったしね」
ここは丘の空洞内にある住処。ハンスの言葉に妖精の両親が頷いた。
ハンスが遠く離れた人里で買い求めた根野菜や乾燥ハーブが妖精家族の食料となる。
父妖精タッタ、母妖精マニィ、赤ん坊妖精リッタはとても小さい身体なので、一冬分なら一回の買いだしで充分だった。問題はどちらかといえばハンスの分である。それは父妖精タッタに協力してもらい、狩りで手に入れた。薪は落ち枝を集めるだけで充分に賄える。
ある日、ハンスが手作りの弓で野鳥二羽を狩った。
帰ろうとしたとき、切り立った崖の上で動く影を見かける。ハンスと父妖精タッタは枯れた茂みに隠れて様子を覗う。
(もしかしていつの間にかいなくなっていた野犬?)
逆光だったが、相手が移動するうちに鮮明に眺められるようになる。
それは野犬ではなく、野ねずみだった。但し、以前に丘を襲った個体とは比べものにならないほどの巨躯だ。醜悪な顔の両眼を青白く光らせて大地へと飛びおりる。人の胴ほどの太さがある樹木の幹を尻尾の撓りでへし折って甲高く鳴いた。大口を開けて飛ばした牙は数十メートル先の崖へと突き刺さる。
(まずい……)
幻獣らしき巨躯の野ねずみが歩む方角には妖精の丘があった。以前の野ねずみ集団とどのような関わりがあるのかはわからない。しかし危険が迫っていることに間違いはなかった。
「あれは危険だ。だから見つからないよう、丘からマニィとリッタを連れてだして欲しいんだ。いつも水汲みしているところが集合場所だよ」
ハンスに言い含められた父妖精タッタが樹木の幹の間を縫うようにして飛んでいく。
ハンスは幻獣野ねずみの監視に努めた。見つからないよう常に風下を気にしながら。
小一時間が経ち、ハンスと妖精家族は無事に合流を果たす。
ハンスが背負う鞄の中へ赤ん坊のリッタを退避させたとき、凄まじい轟音が響き渡った。幻獣野ねずみが妖精の丘を壊し始めたのである。
「や、止めてくれよ」
悔しいが自分達だけでは、どうすることもできなかった。歯ぎしりをたて、妖精の丘に背を向けてハンスが走りだす。
それから三日後。ハンスは妖精家族を連れて古都アークエルスへと辿り着いた。他の人間に視られることを嫌がったので、妖精家族は大きな鞄に隠したまま。
真っ先に足を運んだ先はハンターズソサエティー支部。受付嬢に事情を説明して依頼する。ハンターたちに幻獣野ねずみを退治してもらいたいと。
年が明けても少年ハンスは妖精の家族三人と共に暮らしていた。一時的な逗留のつもりだったが、あまりに居心地がよかったからだ。
「ほんと、助かったよね。ハンターのみんなのおかげで野ねずみが退治できたし。蓄えの食料が盗られたのは痛かったけど、何とかなったしね」
ここは丘の空洞内にある住処。ハンスの言葉に妖精の両親が頷いた。
ハンスが遠く離れた人里で買い求めた根野菜や乾燥ハーブが妖精家族の食料となる。
父妖精タッタ、母妖精マニィ、赤ん坊妖精リッタはとても小さい身体なので、一冬分なら一回の買いだしで充分だった。問題はどちらかといえばハンスの分である。それは父妖精タッタに協力してもらい、狩りで手に入れた。薪は落ち枝を集めるだけで充分に賄える。
ある日、ハンスが手作りの弓で野鳥二羽を狩った。
帰ろうとしたとき、切り立った崖の上で動く影を見かける。ハンスと父妖精タッタは枯れた茂みに隠れて様子を覗う。
(もしかしていつの間にかいなくなっていた野犬?)
逆光だったが、相手が移動するうちに鮮明に眺められるようになる。
それは野犬ではなく、野ねずみだった。但し、以前に丘を襲った個体とは比べものにならないほどの巨躯だ。醜悪な顔の両眼を青白く光らせて大地へと飛びおりる。人の胴ほどの太さがある樹木の幹を尻尾の撓りでへし折って甲高く鳴いた。大口を開けて飛ばした牙は数十メートル先の崖へと突き刺さる。
(まずい……)
幻獣らしき巨躯の野ねずみが歩む方角には妖精の丘があった。以前の野ねずみ集団とどのような関わりがあるのかはわからない。しかし危険が迫っていることに間違いはなかった。
「あれは危険だ。だから見つからないよう、丘からマニィとリッタを連れてだして欲しいんだ。いつも水汲みしているところが集合場所だよ」
ハンスに言い含められた父妖精タッタが樹木の幹の間を縫うようにして飛んでいく。
ハンスは幻獣野ねずみの監視に努めた。見つからないよう常に風下を気にしながら。
小一時間が経ち、ハンスと妖精家族は無事に合流を果たす。
ハンスが背負う鞄の中へ赤ん坊のリッタを退避させたとき、凄まじい轟音が響き渡った。幻獣野ねずみが妖精の丘を壊し始めたのである。
「や、止めてくれよ」
悔しいが自分達だけでは、どうすることもできなかった。歯ぎしりをたて、妖精の丘に背を向けてハンスが走りだす。
それから三日後。ハンスは妖精家族を連れて古都アークエルスへと辿り着いた。他の人間に視られることを嫌がったので、妖精家族は大きな鞄に隠したまま。
真っ先に足を運んだ先はハンターズソサエティー支部。受付嬢に事情を説明して依頼する。ハンターたちに幻獣野ねずみを退治してもらいたいと。
リプレイ本文
●
リンダールの森に響く蹄の音とエンジン音。森道を走っていたハンター一行は同行のハンスの言葉で速度を緩めた。
妖精の丘を目指すには道なき道を進む必要があった。ここまで使ってきた馬車やバイク類を森林道近くの茂みに隠す。そして馬だけを連れて、木々の狭間を縫うように歩きだした。
「あれはもしかして?」
ハンスが立ち並ぶ樹木や茂みの中に動く影を見つける。目を懲らすと双眼鏡を持った片手を大きく振るアルト・ヴァレンティーニ(ka3109)だ。先行偵察を終えた彼女は、安全だと判断したここで一行の到着を待っていたのである。
一行は話し合うために休憩をとることにした。ついでにパン等を食べて空腹を満たす。
「あれは余程怒っているようだねぇ。丘のそこら中が穴だらけになっていて、内側の空洞が丸見えになっていたよ」
アルトは丘の状況を詳しく報告した。これからの作戦に必要不可欠なもので話さざるを得ないのだが、妖精夫婦の落ち込んでいく様子が如実にわかる。タッタとマニィは赤ん坊のリッタをあやしながら表情をゆがめて泣きそうになっていた。
「私たちがきっちり懲らしめてあげるから、あまり心配しないで。後で一緒にお家を直そうね」
リアリュール(ka2003)が妖精ミヤビと一緒に大丈夫だと妖精夫婦をなぐさめる。
「兎に角、妖精家族達の生活を脅かす悪い子ちゃんはさっさとご退場願うわ!」
エミリオ・ブラックウェル(ka3840)は強気の姿勢で妖精夫婦を安心させようとした。
「えっと、ハンス君とタッタさん達はこの辺で待機していてもらえるかな。日が暮れるまでに何とかするからね」
「わかりました。この辺りは庭のようなものなので大丈夫です」
宵待 サクラ(ka5561)は妖精夫婦にキャンディをあげながらハンスと話す。エミリオの好意で妖精ミヤビと猫サラディナーは護衛としてハンス達と一緒に残ることとなる。アルトの妖精アリアも、赤ん坊妖精リッタを守るために残ると張り切っていた。
「恵のバイク、楽ちんだったよ。 帰りも甘えさせてもらうよ」
「ご主人さまの送り迎えはメイドのお仕事ですからねー。やー、それにしても幻獣さんは幻獣さんでもネズミの幻獣さんはロクなことしませんねー」
そんな会話を玉兎・恵(ka3940)と玉兎 小夜(ka6009)が交わす。夫婦になったばかりの二人なのだが、幻獣のねずみ(幻鼠)にはよい思い出がないようである。
アルトによれば幻鼠は自己の存在を誇示したいのか、丘の頂に陣取っているという。ふと思いだしたように暴れだすのを繰り返しているらしい。
一行の移動は再開された。ハンス達と別れて樹木と茂みの間を歩き続ける。
森の一部が拓けた草原に妖精の丘は存在していた。草原外縁に辿り着いた一行は茂みに隠れながら遠くの丘を望む。視力のよい者はそのままで、そうでない者は双眼鏡で覗いたときに絶句したり、悔しさを滲ませる。実際に目にした丘は報告を聞いて想像していた以上に酷い有様だった。
「……前に暴れたときが三時間ぐらい前。もうすぐ動きだすはずだよ」
予想を口にしたアルトが覚醒してオーラを纏う。仲間達もそれに続く。ここへ至る道中で作戦は立ててある。これ以上の崩壊を許すつもりはないと一行は動きだしたのだった。
●
「では始めるとしようかね。宵の口までにはまだ少しだけ時間があるはずだから」
空を見あげるとほんのりと赤みがさしている。アルトは飛花による炎如くの真っ赤なオーラを身に纏いながら草原へと一歩を踏みだした。
「んじゃ行くよ、次郎! 大鼠を怒らせてこっちに引っ張ってきて」
宵待は愛犬を囮として向かわせる。アルトの側で止まった柴犬が立ち座りをし、狼のような遠吠えを響かせた。
妖精の丘の頂で寝そべっていた幻鼠が振り返る。前足二本の爪を露出させ、のそりと起きあがり、姿を晒したアルトと柴犬を高みから見下ろす。
(ダメ元でチーズを置いたけど、誘いだせないかしら?)
エミリオはアルト達が覗える大樹の裏に隠れていた。射程内のアルトに運動強化を付与しながら、ちらりと大岩の上に置いたチーズの塊を眺める。アルト達が立っている場所もそうだが、大岩の位置は丘から風上にあたる。幻鼠がそれなりの嗅覚を持っているのなら、そろそろ気づいてもおかしくはなかった。
(これだけ固めればまず平気だろう。しかしいつ動くのだ?)
睨み合いが数分ほど続く。アルトは飛花の再付与を心がける。
(ここからならギリギリ届くはずよね)
玉兎恵が降着しそうな雰囲気を打破すべく、虹の弓の弦を撓らせた。狙い定めて放たれた矢はなだらかな弧を描きつつ、幻鼠の頬を掠めていく。
耳を劈くような高音の鳴き声が草原一帯に響き渡った。幻鼠は一瞬のうちに丘を駆けおりてアルトの間近へと迫る。
「なっ!」
充分な距離だと確信していたアルトは面食らう。撓る幻鼠の尻尾がアルトの足に絡みつこうとしたが、跳ね気味のバックステップで回避。そのとき柴犬が幻鼠の背中を踏み台にしてから、草原をジグザグに走りだす。
アルトも身を翻し、妖精の丘から幻鼠を引き離すために全力で駆ける。太刀を両手で構える宵待の側を通り過ぎてから反転攻勢へ。撓るワイヤーウィップを宙に舞わせたエンタングルによって、幻鼠の逃げ道を一部封じ込めた。
矢を放つ玉兎恵が的確に幻鼠の動きを読む。逃げようとした先へ放たれて弾幕の役目を果たす。
「いくら幻獣でも、やって駄目なことは駄目なんだいっ」
宵待は牙を剥いて襲ってくる幻鼠にフェイントをかけながら足を狙った。しかし一振り目は伸びた幻鼠の爪に太刀筋をそらされてしまう。
上空で煌めきが一つ。エミリオがジェットブーツで浮かびながら回り込む。眼下の幻鼠に向けて手にしていた瓶を叩きつけようとする。命中せずに地面で割れたものの、それでも構わなかった。
「この目で確かに視たわ」
地面に着地したエミリオが幻鼠の動きを目視してニヤリと笑う。瓶の中身は水と薄荷油を混ぜたミントウォーターだ。チーズで引き寄せることは叶わなかった幻鼠だが、ミントウォーターの香りは苦手なようである。醜悪な顔をさらに歪ませて、瓶が割れた周辺を露骨に避けていた。
現状で避けたい一番厄介な展開は、幻鼠に森へ逃げ込まれてしまうことだ。それを食い止めるためにエミリオは愛馬サラディナーサへと跨がった。後部に積んである大樽二つの中身もミントウォーター。栓を抜いて草原の外縁を走り回り、幻鼠が近寄らないように撒いていく。
暴れ狂う幻鼠の撓る長い尻尾は非常に太くて、近づくハンターを余裕で弾きとばす。
鞭攻撃で邪魔してくるアルトを追い込もうとした幻鼠だが、玉兎恵の妨害射撃やリアリュールの牽制射撃によって阻止されてしまう。
幻鼠は大岩へ寄りかかりながら牙飛ばしのために顎を落とした。睨んでいたのは遠方で弓矢を構える玉兎恵だ。そのとき、大岩の影から何かが迫りだす。
「くっさいから大口開くな!」
幻鼠の米神付近を殴りつけた魔腕の拳は玉兎小夜のもの。殴打で千切れた右耳が枯れ草の上へと落ちる。続いて次元斬の切っ先を食らわそうとしたとき、幻鼠も玉兎小夜に向けて大口を開けていた。
「ヴォーパルバニーは貫きて尚貫かん!」
結果として双方に挟まれていた大岩が砕け散った。歪ながら直径五mはあった球状のそれが一瞬のうちに砂塵や小石と化す。埃が舞い上がり、周囲の視界は真っ白に覆われる。
(どのあたりに……)
リアリュールは二股になった樹木の幹に腰かけて、戦いの場を俯瞰していた。埃による白煙の中に幻鼠を見つけた瞬間、「いたの」と呟いてすでに構えていた矢を射る。
制圧射撃は効果的で、幻鼠は悲鳴のような鳴き声を垂れ流す。震えて、その場に縫い取られたように動けなくなった。
「さすがに及び腰になってきたな。頃合いか?」
エンタングルで幻鼠を翻弄し続けたアルトもここで大きくでた。これまでも狙ってきた敵の脚部だが、ついにワイヤーウィップを左後ろ足へ絡ませることに成功。滑車代わりに樹木の幹へウィップを引っかけて思い切り引っ張ると、幻鼠が激しく転倒する。
愛馬から降りたエミリオが頭上に光の三角形が浮かびあがらせた。つい先程、外縁に続いて妖精の丘の頂にもミントウォーターを撒いたばかりだ。
「これ以上はあの丘に近づいて欲しくないもの」
本心の独白に続いて一条の光が解き放たれた。尻尾を撓らせて威嚇し続ける幻鼠の脇腹を貫く。それだけでは終わらず、抜いた魔導拳銃でつつがなく急所を撃ち続ける。仲間と呼吸を合わせて決して幻鼠を休ませないように。
仲間達の攻撃によって幻鼠の警戒心が宵待から外れた。この機会を逃さずに一気に攻め込んだ。「そこっ!」と叫びながら太刀で横一文字斬り。宵待が切り落とした幻鼠の右前足前部が枯れた草むらに転がる。
充血した両眼を見開いた幻鼠はそこら中に牙を飛ばす。これ以上自分に近づくなと叫んでいるかの如く。
(アルトさんなら耐えられるだろうけど、恵には絶対ダメだし!)
玉兎小夜が斬魔刀で飛んでくる牙を受け流しながら幻鼠との間合いを縮めていく。視界の隅に必ず玉兎恵を置いて、他の仲間達にも流れ牙が当たらないよう気をつけながら。
(ご主人さまには当てさせませんよ)
玉兎恵もまた玉兎小夜のことを考えながら戦っていた。これまでも妨害射撃で彼女に当たりそうな牙を撃ち墜としてきた。ここから先は妨害射撃を織り交ぜて、幻鼠の逃げ道を塞いでいく。
「燻り狂えるものの傍に寄るべからず」
玉兎小夜が振り下ろした斬魔刀が、幻鼠の背中に食い込んだ。真っ二つにとはいかなかったが、重傷を負わせたといってよい。
鈍った動きの幻鼠を一斉に畳みかける。
宵待と玉兎小夜が挟み込むように刃を突き立てた。這いつくばってでも逃げようとする幻鼠にエミリオ、玉兎恵、リアリュールが遠隔攻撃。アルトはワイヤーウィップで幻鼠の首を絡め取った。
しぶとい幻鼠も疲弊で鈍っていく。頭蓋への止めを刺したのは玉兎小夜だった。
エミリオが愛馬に飛び乗ってハンス達を呼びに行く。
「やー、死体とか燃やした方がいいのかな?」
幻獣なので死体は残った。「死んだら仏様、墓でも作るか」と玉兎小夜は率先してスコップを手にする。
世界が真っ赤に染まる黄昏時。適当に掘られた穴へと幻鼠は葬られた。
合流したハンスと妖精夫婦は幻鼠の墓を眺めてほっと胸をなで下ろす。赤ん坊妖精のリッタは無邪気に笑っていた。
●
一晩を野宿で過ごし、翌朝にあらためて妖精の丘を調査した一同は大きくため息をつく。本来の出入り口以外に人が余裕で通り抜けられる陥没や横穴が四個所。牙攻撃で穿たれたと思しき小さな貫通孔は三十を下らなかった。
「くよくよしても始まらないよ。ハンス君、タッタさん達! 片付け始めよう!」
「住処の片付けと修繕ね。かなり散らかった状態だろうから、まずは空洞内の片付けからがいいかしら」
宵待とエミリオが張り切っていた。昨晩のうちに拾い集めた枝等で箒等の掃除道具は準備済みだ。
「ひとまず天井を何とかしないと。シートがあれば一番なんだけど」
アルトは軍用ツールボックスから大工仕事に使えそうな道具を取りだす。
帰路の日数を計算にいれてぎりぎりまで修復作業を行ったとしても、残念ながらすべてを直すことは不可能だった。綺麗になるまで帰らないというハンターもいたが、こればかりは致し方ない。
それでも当分の間は急場を凌げるように穴を覆い隠していく。妖精夫婦が教えてくれた森の場所へと出向き、ハンスと一緒に木材や枯れ葉、それに粘土を丘へと運び込む。それらを使い、雨風だけは防げるように応急修理を施す。
「もう大丈夫。普通の野ねずみも幻獣ねずみもいませんよ」
「鼠の類いだけでなく雑魔等も大丈夫ですよ」
玉兎恵とリアリュールの調査と見立てでは、もう襲われることはないという。踊りだすぐらい、妖精夫婦が殊の外喜んでいた。
「たくさんありますので、どんどん食べて下さいね」
最後の晩は直した丘の地下空間にて、妖精夫婦が教えてくれた茸類とハンスが獲った雁肉を使った鍋料理が振る舞われる。
「これはなかなかだね。こってりとした旨さに滋味深さが隠れているねぇ」
アルトは早速二杯目を頂く。ふとアリアが妖精仲間と団らんしている姿を眺めてて頬を綻ばせた。抱きかかえるリッタをあやしている姿はアルトをも和ませる。
「無下に倒された木々や踏みにじられた草はとても残念ね。元に戻すのは難しいから早く再生を願うのみね」
「この丘もまだまだだね。もう一週間ぐらいいられたらよかったんだけど」
リアリュールと宵待が食べるのを一旦やめて、片付け終わった地下の生活空間を眺める。
丘の地下に埋め込まれた石積みの破損が軽微だったのが不幸中の幸いだった。もしも甚大な被害だったら放棄を勧めるしかなかったところである。
「早めの退治が功を奏したようね。もう一度暴れられたのなら大変だったかも知れないわ」
「最低限の準備は必要ですし、あれ以上は難しかったはずです。兎にも角にも、みなさんのおかけですよ」
エミリオはハンスにお替わりをよそってもらう。寒い日の鍋料理は身体中に染み渡った。
玉兎恵と玉兎小夜は並んで座りながら鍋を味わう。
「このお料理おいしいのでまた作ってみようと思って、どういった茸か妖精のマニィさんに訊いてみたんです」
「それで?」
「わからないそうなんです。ハンスさんにも訊いてみたけど、市場とかで見たことないっていってました」
「ここでしか食べられない妖精の鍋ってことなのかな。それならゆっくりと味わって食べましょ」
「はい♪」
その晩、恵と小夜だけでなく、誰もが春が訪れた妖精の丘の夢を見たという。
「なるべく早く古都へ出向いて、丘の修復を頼もうと思っています。よろしかったら手伝ってもらえると助かります」
森道のところまでハンスと妖精家族を見送りに来てくれる。馬や馬車、バイクへと乗り込んだハンター一行は挨拶を交わして帰路に就いたのだった。
リンダールの森に響く蹄の音とエンジン音。森道を走っていたハンター一行は同行のハンスの言葉で速度を緩めた。
妖精の丘を目指すには道なき道を進む必要があった。ここまで使ってきた馬車やバイク類を森林道近くの茂みに隠す。そして馬だけを連れて、木々の狭間を縫うように歩きだした。
「あれはもしかして?」
ハンスが立ち並ぶ樹木や茂みの中に動く影を見つける。目を懲らすと双眼鏡を持った片手を大きく振るアルト・ヴァレンティーニ(ka3109)だ。先行偵察を終えた彼女は、安全だと判断したここで一行の到着を待っていたのである。
一行は話し合うために休憩をとることにした。ついでにパン等を食べて空腹を満たす。
「あれは余程怒っているようだねぇ。丘のそこら中が穴だらけになっていて、内側の空洞が丸見えになっていたよ」
アルトは丘の状況を詳しく報告した。これからの作戦に必要不可欠なもので話さざるを得ないのだが、妖精夫婦の落ち込んでいく様子が如実にわかる。タッタとマニィは赤ん坊のリッタをあやしながら表情をゆがめて泣きそうになっていた。
「私たちがきっちり懲らしめてあげるから、あまり心配しないで。後で一緒にお家を直そうね」
リアリュール(ka2003)が妖精ミヤビと一緒に大丈夫だと妖精夫婦をなぐさめる。
「兎に角、妖精家族達の生活を脅かす悪い子ちゃんはさっさとご退場願うわ!」
エミリオ・ブラックウェル(ka3840)は強気の姿勢で妖精夫婦を安心させようとした。
「えっと、ハンス君とタッタさん達はこの辺で待機していてもらえるかな。日が暮れるまでに何とかするからね」
「わかりました。この辺りは庭のようなものなので大丈夫です」
宵待 サクラ(ka5561)は妖精夫婦にキャンディをあげながらハンスと話す。エミリオの好意で妖精ミヤビと猫サラディナーは護衛としてハンス達と一緒に残ることとなる。アルトの妖精アリアも、赤ん坊妖精リッタを守るために残ると張り切っていた。
「恵のバイク、楽ちんだったよ。 帰りも甘えさせてもらうよ」
「ご主人さまの送り迎えはメイドのお仕事ですからねー。やー、それにしても幻獣さんは幻獣さんでもネズミの幻獣さんはロクなことしませんねー」
そんな会話を玉兎・恵(ka3940)と玉兎 小夜(ka6009)が交わす。夫婦になったばかりの二人なのだが、幻獣のねずみ(幻鼠)にはよい思い出がないようである。
アルトによれば幻鼠は自己の存在を誇示したいのか、丘の頂に陣取っているという。ふと思いだしたように暴れだすのを繰り返しているらしい。
一行の移動は再開された。ハンス達と別れて樹木と茂みの間を歩き続ける。
森の一部が拓けた草原に妖精の丘は存在していた。草原外縁に辿り着いた一行は茂みに隠れながら遠くの丘を望む。視力のよい者はそのままで、そうでない者は双眼鏡で覗いたときに絶句したり、悔しさを滲ませる。実際に目にした丘は報告を聞いて想像していた以上に酷い有様だった。
「……前に暴れたときが三時間ぐらい前。もうすぐ動きだすはずだよ」
予想を口にしたアルトが覚醒してオーラを纏う。仲間達もそれに続く。ここへ至る道中で作戦は立ててある。これ以上の崩壊を許すつもりはないと一行は動きだしたのだった。
●
「では始めるとしようかね。宵の口までにはまだ少しだけ時間があるはずだから」
空を見あげるとほんのりと赤みがさしている。アルトは飛花による炎如くの真っ赤なオーラを身に纏いながら草原へと一歩を踏みだした。
「んじゃ行くよ、次郎! 大鼠を怒らせてこっちに引っ張ってきて」
宵待は愛犬を囮として向かわせる。アルトの側で止まった柴犬が立ち座りをし、狼のような遠吠えを響かせた。
妖精の丘の頂で寝そべっていた幻鼠が振り返る。前足二本の爪を露出させ、のそりと起きあがり、姿を晒したアルトと柴犬を高みから見下ろす。
(ダメ元でチーズを置いたけど、誘いだせないかしら?)
エミリオはアルト達が覗える大樹の裏に隠れていた。射程内のアルトに運動強化を付与しながら、ちらりと大岩の上に置いたチーズの塊を眺める。アルト達が立っている場所もそうだが、大岩の位置は丘から風上にあたる。幻鼠がそれなりの嗅覚を持っているのなら、そろそろ気づいてもおかしくはなかった。
(これだけ固めればまず平気だろう。しかしいつ動くのだ?)
睨み合いが数分ほど続く。アルトは飛花の再付与を心がける。
(ここからならギリギリ届くはずよね)
玉兎恵が降着しそうな雰囲気を打破すべく、虹の弓の弦を撓らせた。狙い定めて放たれた矢はなだらかな弧を描きつつ、幻鼠の頬を掠めていく。
耳を劈くような高音の鳴き声が草原一帯に響き渡った。幻鼠は一瞬のうちに丘を駆けおりてアルトの間近へと迫る。
「なっ!」
充分な距離だと確信していたアルトは面食らう。撓る幻鼠の尻尾がアルトの足に絡みつこうとしたが、跳ね気味のバックステップで回避。そのとき柴犬が幻鼠の背中を踏み台にしてから、草原をジグザグに走りだす。
アルトも身を翻し、妖精の丘から幻鼠を引き離すために全力で駆ける。太刀を両手で構える宵待の側を通り過ぎてから反転攻勢へ。撓るワイヤーウィップを宙に舞わせたエンタングルによって、幻鼠の逃げ道を一部封じ込めた。
矢を放つ玉兎恵が的確に幻鼠の動きを読む。逃げようとした先へ放たれて弾幕の役目を果たす。
「いくら幻獣でも、やって駄目なことは駄目なんだいっ」
宵待は牙を剥いて襲ってくる幻鼠にフェイントをかけながら足を狙った。しかし一振り目は伸びた幻鼠の爪に太刀筋をそらされてしまう。
上空で煌めきが一つ。エミリオがジェットブーツで浮かびながら回り込む。眼下の幻鼠に向けて手にしていた瓶を叩きつけようとする。命中せずに地面で割れたものの、それでも構わなかった。
「この目で確かに視たわ」
地面に着地したエミリオが幻鼠の動きを目視してニヤリと笑う。瓶の中身は水と薄荷油を混ぜたミントウォーターだ。チーズで引き寄せることは叶わなかった幻鼠だが、ミントウォーターの香りは苦手なようである。醜悪な顔をさらに歪ませて、瓶が割れた周辺を露骨に避けていた。
現状で避けたい一番厄介な展開は、幻鼠に森へ逃げ込まれてしまうことだ。それを食い止めるためにエミリオは愛馬サラディナーサへと跨がった。後部に積んである大樽二つの中身もミントウォーター。栓を抜いて草原の外縁を走り回り、幻鼠が近寄らないように撒いていく。
暴れ狂う幻鼠の撓る長い尻尾は非常に太くて、近づくハンターを余裕で弾きとばす。
鞭攻撃で邪魔してくるアルトを追い込もうとした幻鼠だが、玉兎恵の妨害射撃やリアリュールの牽制射撃によって阻止されてしまう。
幻鼠は大岩へ寄りかかりながら牙飛ばしのために顎を落とした。睨んでいたのは遠方で弓矢を構える玉兎恵だ。そのとき、大岩の影から何かが迫りだす。
「くっさいから大口開くな!」
幻鼠の米神付近を殴りつけた魔腕の拳は玉兎小夜のもの。殴打で千切れた右耳が枯れ草の上へと落ちる。続いて次元斬の切っ先を食らわそうとしたとき、幻鼠も玉兎小夜に向けて大口を開けていた。
「ヴォーパルバニーは貫きて尚貫かん!」
結果として双方に挟まれていた大岩が砕け散った。歪ながら直径五mはあった球状のそれが一瞬のうちに砂塵や小石と化す。埃が舞い上がり、周囲の視界は真っ白に覆われる。
(どのあたりに……)
リアリュールは二股になった樹木の幹に腰かけて、戦いの場を俯瞰していた。埃による白煙の中に幻鼠を見つけた瞬間、「いたの」と呟いてすでに構えていた矢を射る。
制圧射撃は効果的で、幻鼠は悲鳴のような鳴き声を垂れ流す。震えて、その場に縫い取られたように動けなくなった。
「さすがに及び腰になってきたな。頃合いか?」
エンタングルで幻鼠を翻弄し続けたアルトもここで大きくでた。これまでも狙ってきた敵の脚部だが、ついにワイヤーウィップを左後ろ足へ絡ませることに成功。滑車代わりに樹木の幹へウィップを引っかけて思い切り引っ張ると、幻鼠が激しく転倒する。
愛馬から降りたエミリオが頭上に光の三角形が浮かびあがらせた。つい先程、外縁に続いて妖精の丘の頂にもミントウォーターを撒いたばかりだ。
「これ以上はあの丘に近づいて欲しくないもの」
本心の独白に続いて一条の光が解き放たれた。尻尾を撓らせて威嚇し続ける幻鼠の脇腹を貫く。それだけでは終わらず、抜いた魔導拳銃でつつがなく急所を撃ち続ける。仲間と呼吸を合わせて決して幻鼠を休ませないように。
仲間達の攻撃によって幻鼠の警戒心が宵待から外れた。この機会を逃さずに一気に攻め込んだ。「そこっ!」と叫びながら太刀で横一文字斬り。宵待が切り落とした幻鼠の右前足前部が枯れた草むらに転がる。
充血した両眼を見開いた幻鼠はそこら中に牙を飛ばす。これ以上自分に近づくなと叫んでいるかの如く。
(アルトさんなら耐えられるだろうけど、恵には絶対ダメだし!)
玉兎小夜が斬魔刀で飛んでくる牙を受け流しながら幻鼠との間合いを縮めていく。視界の隅に必ず玉兎恵を置いて、他の仲間達にも流れ牙が当たらないよう気をつけながら。
(ご主人さまには当てさせませんよ)
玉兎恵もまた玉兎小夜のことを考えながら戦っていた。これまでも妨害射撃で彼女に当たりそうな牙を撃ち墜としてきた。ここから先は妨害射撃を織り交ぜて、幻鼠の逃げ道を塞いでいく。
「燻り狂えるものの傍に寄るべからず」
玉兎小夜が振り下ろした斬魔刀が、幻鼠の背中に食い込んだ。真っ二つにとはいかなかったが、重傷を負わせたといってよい。
鈍った動きの幻鼠を一斉に畳みかける。
宵待と玉兎小夜が挟み込むように刃を突き立てた。這いつくばってでも逃げようとする幻鼠にエミリオ、玉兎恵、リアリュールが遠隔攻撃。アルトはワイヤーウィップで幻鼠の首を絡め取った。
しぶとい幻鼠も疲弊で鈍っていく。頭蓋への止めを刺したのは玉兎小夜だった。
エミリオが愛馬に飛び乗ってハンス達を呼びに行く。
「やー、死体とか燃やした方がいいのかな?」
幻獣なので死体は残った。「死んだら仏様、墓でも作るか」と玉兎小夜は率先してスコップを手にする。
世界が真っ赤に染まる黄昏時。適当に掘られた穴へと幻鼠は葬られた。
合流したハンスと妖精夫婦は幻鼠の墓を眺めてほっと胸をなで下ろす。赤ん坊妖精のリッタは無邪気に笑っていた。
●
一晩を野宿で過ごし、翌朝にあらためて妖精の丘を調査した一同は大きくため息をつく。本来の出入り口以外に人が余裕で通り抜けられる陥没や横穴が四個所。牙攻撃で穿たれたと思しき小さな貫通孔は三十を下らなかった。
「くよくよしても始まらないよ。ハンス君、タッタさん達! 片付け始めよう!」
「住処の片付けと修繕ね。かなり散らかった状態だろうから、まずは空洞内の片付けからがいいかしら」
宵待とエミリオが張り切っていた。昨晩のうちに拾い集めた枝等で箒等の掃除道具は準備済みだ。
「ひとまず天井を何とかしないと。シートがあれば一番なんだけど」
アルトは軍用ツールボックスから大工仕事に使えそうな道具を取りだす。
帰路の日数を計算にいれてぎりぎりまで修復作業を行ったとしても、残念ながらすべてを直すことは不可能だった。綺麗になるまで帰らないというハンターもいたが、こればかりは致し方ない。
それでも当分の間は急場を凌げるように穴を覆い隠していく。妖精夫婦が教えてくれた森の場所へと出向き、ハンスと一緒に木材や枯れ葉、それに粘土を丘へと運び込む。それらを使い、雨風だけは防げるように応急修理を施す。
「もう大丈夫。普通の野ねずみも幻獣ねずみもいませんよ」
「鼠の類いだけでなく雑魔等も大丈夫ですよ」
玉兎恵とリアリュールの調査と見立てでは、もう襲われることはないという。踊りだすぐらい、妖精夫婦が殊の外喜んでいた。
「たくさんありますので、どんどん食べて下さいね」
最後の晩は直した丘の地下空間にて、妖精夫婦が教えてくれた茸類とハンスが獲った雁肉を使った鍋料理が振る舞われる。
「これはなかなかだね。こってりとした旨さに滋味深さが隠れているねぇ」
アルトは早速二杯目を頂く。ふとアリアが妖精仲間と団らんしている姿を眺めてて頬を綻ばせた。抱きかかえるリッタをあやしている姿はアルトをも和ませる。
「無下に倒された木々や踏みにじられた草はとても残念ね。元に戻すのは難しいから早く再生を願うのみね」
「この丘もまだまだだね。もう一週間ぐらいいられたらよかったんだけど」
リアリュールと宵待が食べるのを一旦やめて、片付け終わった地下の生活空間を眺める。
丘の地下に埋め込まれた石積みの破損が軽微だったのが不幸中の幸いだった。もしも甚大な被害だったら放棄を勧めるしかなかったところである。
「早めの退治が功を奏したようね。もう一度暴れられたのなら大変だったかも知れないわ」
「最低限の準備は必要ですし、あれ以上は難しかったはずです。兎にも角にも、みなさんのおかけですよ」
エミリオはハンスにお替わりをよそってもらう。寒い日の鍋料理は身体中に染み渡った。
玉兎恵と玉兎小夜は並んで座りながら鍋を味わう。
「このお料理おいしいのでまた作ってみようと思って、どういった茸か妖精のマニィさんに訊いてみたんです」
「それで?」
「わからないそうなんです。ハンスさんにも訊いてみたけど、市場とかで見たことないっていってました」
「ここでしか食べられない妖精の鍋ってことなのかな。それならゆっくりと味わって食べましょ」
「はい♪」
その晩、恵と小夜だけでなく、誰もが春が訪れた妖精の丘の夢を見たという。
「なるべく早く古都へ出向いて、丘の修復を頼もうと思っています。よろしかったら手伝ってもらえると助かります」
森道のところまでハンスと妖精家族を見送りに来てくれる。馬や馬車、バイクへと乗り込んだハンター一行は挨拶を交わして帰路に就いたのだった。
依頼結果
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/01/20 22:25:29 |
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質問卓 玉兎 小夜(ka6009) 人間(リアルブルー)|17才|女性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2017/01/19 18:24:20 |
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作戦相談卓 玉兎 小夜(ka6009) 人間(リアルブルー)|17才|女性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2017/01/23 19:24:41 |