ゲスト
(ka0000)
【黒祀】群れなす暴虐の牙
マスター:坂上テンゼン

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2014/10/15 22:00
- 完成日
- 2014/10/20 03:03
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
夜闇が包む草原に、少女が二人居た。彼方を眺めながら、片割れが口を開く。
「楽しみだね!」
「いえ、とても不愉快だわ」
「……なんで?」
「フラベル。貴女が愉しそうだからよ」
「にひっ! クラベル、それ、ほんとにっ?」
「嘘よ」
少女達の姿は、鏡写しのように似ていた。ただ、その声色だけが大きく異なる。夫々に沈まぬ太陽と、光を返さぬ新月を想起させる声音。
「面倒くさい仕事だなと思っただけ」
「そうかな。大事なことだよ?」
「どうでもいいことだわ」
クラベルと呼ばれた少女は憂鬱な息を吐き、言う。
「誰も彼も皆、勝手に踊り狂っていればいい。貴女も」
「にひっ」
フラベルと呼ばれた少女は晴れやかに笑い、言う。
「うん、踊ってくるねっ! 一杯一杯殺して、褒めてもらうんだぁ」
●
山林を夥しい数の獣が駆けている。
もしその場にいたならば、気絶するほどの獣臭に鼻を刺激されることだろう。土煙を上げ走るそれらの目には、尋常ではない光が宿っていた。
種類も様々だ。猪、狼、羊、鹿、猿……それらが渾然一体として群れとなって移動している。自然では決してありえない群れの組み合わせだ。
このような光景が、どうして有り得るのか――
――なぜなら、かれらは例外なく、歪虚だったからだ。
某日。王国北西部に位置するリベルタース地方の一部。
一帯を治める領主の館で、このような会話がなされた。
「一大事でございます。北部より、大量の歪虚が出現したとの報せが入って参りました!」
秘書より告げられた領主は、開口一番こう応えた。
「どこへ逃げればよいのだ?!」
数日後、領主の館にハンターが集められた。
依頼に応じてだったが、依頼したのはもちろん領主ではない。
「あの人は腑抜けの極みですわ」
一応、貴族の応接室と言える最低限の部屋で――所詮は田舎貴族である――、深刻な顔をした上品な婦人がそう言った。
領主の夫人である。
「もう王国は終わりだ、などと言って、政務も投げ出していの一番に王都に向かって逃げていってしまいました」
遠い目で虚空を見つめる。
「独り言ですわ。事は一刻を争います。
ここより北に歪虚が発生したとの報告がもたらされました。
調査の結果、すでに四つもの村落を滅ぼしているとの報告がありました。
いずれも獣の姿をした、おびただしい大群だとのことです。少なくとも両の指では数え切れない数、だとか。
ここ5年では考えられない規模ですわ。
これまでに被害にあった場所から、歪虚の移動方向をある程度絞れています」
婦人はそこで、机の上に地図を広げ、ひとつの地点を指し示す。
「……どうも村落をひとつずつ探しては襲っているように見えます。
次に襲われる村落は、おそらくこの地点。
おそらくは……この道を通ることになるかと」
夫人は指で地図をなぞる。
「森林を通る事も考えられますが、周囲に柵を張り誘導することは可能でしょう。
この道は平坦であり周囲に隠れ場所も多く、迎撃にはうってつけの場所かと」
素人考えではございますが、と控えめに笑う。
「こちらでも兵は招集しております。人数は揃ってはいますが、あまり錬度は高くなく、なにより全員が覚醒者ではありません。
歪虚との戦いはハンターの皆様の方が詳しいでしょう。必要に応じて指示を出してくださいませ。
直接歪虚と戦うことはできませんが、それ以外の事はできるはずです。
何か必要なものがあれば、ご用意させますわ」
ここまで言ってから、居住まいを正した。
「説明はここまでです。あとは、皆様の智恵をお貸し下さいませ」
「楽しみだね!」
「いえ、とても不愉快だわ」
「……なんで?」
「フラベル。貴女が愉しそうだからよ」
「にひっ! クラベル、それ、ほんとにっ?」
「嘘よ」
少女達の姿は、鏡写しのように似ていた。ただ、その声色だけが大きく異なる。夫々に沈まぬ太陽と、光を返さぬ新月を想起させる声音。
「面倒くさい仕事だなと思っただけ」
「そうかな。大事なことだよ?」
「どうでもいいことだわ」
クラベルと呼ばれた少女は憂鬱な息を吐き、言う。
「誰も彼も皆、勝手に踊り狂っていればいい。貴女も」
「にひっ」
フラベルと呼ばれた少女は晴れやかに笑い、言う。
「うん、踊ってくるねっ! 一杯一杯殺して、褒めてもらうんだぁ」
●
山林を夥しい数の獣が駆けている。
もしその場にいたならば、気絶するほどの獣臭に鼻を刺激されることだろう。土煙を上げ走るそれらの目には、尋常ではない光が宿っていた。
種類も様々だ。猪、狼、羊、鹿、猿……それらが渾然一体として群れとなって移動している。自然では決してありえない群れの組み合わせだ。
このような光景が、どうして有り得るのか――
――なぜなら、かれらは例外なく、歪虚だったからだ。
某日。王国北西部に位置するリベルタース地方の一部。
一帯を治める領主の館で、このような会話がなされた。
「一大事でございます。北部より、大量の歪虚が出現したとの報せが入って参りました!」
秘書より告げられた領主は、開口一番こう応えた。
「どこへ逃げればよいのだ?!」
数日後、領主の館にハンターが集められた。
依頼に応じてだったが、依頼したのはもちろん領主ではない。
「あの人は腑抜けの極みですわ」
一応、貴族の応接室と言える最低限の部屋で――所詮は田舎貴族である――、深刻な顔をした上品な婦人がそう言った。
領主の夫人である。
「もう王国は終わりだ、などと言って、政務も投げ出していの一番に王都に向かって逃げていってしまいました」
遠い目で虚空を見つめる。
「独り言ですわ。事は一刻を争います。
ここより北に歪虚が発生したとの報告がもたらされました。
調査の結果、すでに四つもの村落を滅ぼしているとの報告がありました。
いずれも獣の姿をした、おびただしい大群だとのことです。少なくとも両の指では数え切れない数、だとか。
ここ5年では考えられない規模ですわ。
これまでに被害にあった場所から、歪虚の移動方向をある程度絞れています」
婦人はそこで、机の上に地図を広げ、ひとつの地点を指し示す。
「……どうも村落をひとつずつ探しては襲っているように見えます。
次に襲われる村落は、おそらくこの地点。
おそらくは……この道を通ることになるかと」
夫人は指で地図をなぞる。
「森林を通る事も考えられますが、周囲に柵を張り誘導することは可能でしょう。
この道は平坦であり周囲に隠れ場所も多く、迎撃にはうってつけの場所かと」
素人考えではございますが、と控えめに笑う。
「こちらでも兵は招集しております。人数は揃ってはいますが、あまり錬度は高くなく、なにより全員が覚醒者ではありません。
歪虚との戦いはハンターの皆様の方が詳しいでしょう。必要に応じて指示を出してくださいませ。
直接歪虚と戦うことはできませんが、それ以外の事はできるはずです。
何か必要なものがあれば、ご用意させますわ」
ここまで言ってから、居住まいを正した。
「説明はここまでです。あとは、皆様の智恵をお貸し下さいませ」
リプレイ本文
●戦の備え
早朝。山林に長く広い平坦な一本道が通っている。そこに、整然と並んだ兵士達の姿があった。
間近に迫った戦いのために、訓練をしているのだ。
かれらは現地で召集された兵士だ。故郷と家族を守ろうとする意識は高かったものの、誰もが歪虚との戦いは始めてだった。人手はあったが、誰かが指導する必要があった。
なので、絶えず彼らの間を歩いて、指導する者の姿がある。
「弓を引き放つまでは息を止めろ。呼吸は照準を乱す」
「はい、教官!」
君島 防人(ka0181)はもと居た世界では軍に属し、新兵の教育にも当たってきた。その経験が生きていた。兵士達は防人の指導をよく聞き、良く従った。
「よーし、出来るだけ深く掘ってくれ。丸太や枝の設置も忘れるな」
「敵の勢い削いだり、侵攻速度ばらけさせるだけでも、大分違う、です」
真田 八代(ka1751)と八城雪(ka0146)は決戦の地で兵を指揮し、迎撃の準備を整えていた。戦場に落とし穴や柵、土塁を設置することで、巨大な戦力に対抗しようと言うのだ。
「土塁は逆ハの字に設置してくださいっ!」
「了解であります!」
柏木 千春(ka3061)は兵に指示を与える。
兵達はそれに従い、忙しなく動き回っている。千春はそんな真剣な表情の兵達に共感を覚えていた。
(うん、だいじょーぶ! 絶対に守りますからっ!)
千春は、そう心に誓った。
「……皆さんはこれらの設備で敵の機動力を削ぎ、離れた場所から弓を射掛けるという戦法をとってもらいます。皆さんの持ち場は……」
宇都宮 祥子(ka1678)は兵の隊長格を集め、決定された戦法を眼鏡を持ち上げつつ説明していた。その様子が女教師のようだったのか、いつしか兵からこう呼ばれるようになった……『祥子先生』と。
「これが必要な物のリストです」
「わかりました。手配させましょう」
白神 霧華(ka0915)と話しているのは、依頼人である領主夫人である。
「それにしても、奥様自ら現地に赴くとは……」
彼女は使用人を引き連れ、現地で陣頭指揮に当たっていた。
「私には戦う力はありません。それでも民のため尽くすのは領主の務め。この後も食事の準備をする予定です」
「……私も手伝いましょうか?」
「有難いわ。どうやら貴女も私と同類の女なのかしら?」
女二人、厨房へと向かう。兵の食事のために。
岩井崎 旭(ka0234)とウォルター・ヨー(ka2967)はともに愛馬に跨り、周辺の偵察に当たっていた。
毎日欠かさずにルートを巡回する二人。数日間は静かな日々が続いた。
異変は前触れも無く訪れた。
七日目のことだった。ウォルターは山道で何かを感じた。
……気配。
まっすぐに駆けてくる。
それを察知して間もなく、何かが視界に飛び込んできた。
「メ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛!」
突然の奇声。羊の姿をしていたが、恐ろしく凶暴だ――外見もだが性質はそれ以上に。ウォルターは馬首を回し、奔らせる。
「ウォルター!?」
進行方向に旭がいた。
「見ての通りだ、来やしたよ!」
「上等だぜ!」
旭も転進した。幸い敵は馬ほどは速くは無かった――しかし相当な大群になって追って来る。
(腕が鳴らないわけがない――)
馬を走らせる旭の内心では闘志が滾っていた。自分達の戦う力を、勇気を試す機会。
敵の姿は見えなくなっていた。だが、最初に会った時の事を考えると、おそらく追って来ている。真っ直ぐ此方に向かってきたことから考えると、かなり遠くから察知していたように思える。ウォルターは考えをめぐらせていた。
そして、戦場へと走った。
●決戦の時
「敵襲ー! 敵襲ー!」
ウォルターと旭の声に戦場が色めき立つ。ハンターと兵はすぐさま持ち場に待機した。
ここに至るまで、集落を幾つか犠牲にしている。効果的な戦場が見出せなかったからだ。
集落への避難勧告は済ませており、住民達は避難しているが、それでも土砂崩れのような自然災害に匹敵する被害がもたらされるだろう。
ここで止めなければ、被害はさらに大きくなる。
勝たねばならなかった。
ウォルターと旭は予め用意された通路を通り、戦場の後方に待機する仲間達に合流した。
戦場として指定されたのは両方を森林に挟まれた一本道。範囲はおよそ500m。
道の幅は馬車が二台、余裕を持って並べる程度。道の両方は深い森林かつ上り坂となっている。
聞こえるか聞こえないかほどの小さな音がしはじめた。やがて、それは大きくなり、獣の咆哮と無数の駆ける音が、土煙とともに明らかになった。
猪、狼、羊、鹿、猿――野の獣を元型とした、おびただしい数の歪虚の群れだ。
最初の歪虚が、戦場へと踏み入る――
――そこで、地面が抜けた。
戦場の入り口付近には、落とし穴が複数仕掛けられている。歪虚は次々と底に仕掛けられた杭に突き刺さったり、泥濘の中に落ちたりした。
道の両横の森林部には逆茂木で侵入できないようにされており、歪虚は落とし穴地帯を通るしかない。
しかし――勢いは止まらない。
落とし穴に嵌まっても、地面近くに杭で張られたロープに足を取られて転んでも、他の個体とぶつかり足並みが乱れても、脇目も振らず、時には仲間を踏み台にして、敵に向かって突き進む。
歪虚の進路には逆ハの字型に土塁が積まれ、道は狭められていた。考え無しに突進する歪虚は突如狭くなった道に詰まる。
「今よ。攻撃開始!」
それを遠巻きに見ていた祥子の号令のもと、兵士達が一斉に矢を放つ。
進路を狭められ、密集している歪虚の群れに矢が降り注ぐ。
歪虚は避けることも叶わず、次々と矢が体に突き刺さっていく。非覚醒者とはいえ、配置できるだけ動員した兵達が一斉に放つ矢は歪虚を大いに傷つけた。
「いける。一人一人が弱くても一斉にかかればきっと倒せるわ。そのために訓練もしたし準備も整えてきたんだからね」
祥子は確かな手応えを感じていた。
それでも歪虚は構わず、突き進んでくる。
その先には堀が掘られていたが、歪虚は構わず走り続ける。
しかしその先には進めない。馬防柵が築かれていたからだ。堀のせいで相対的に高くなっており、簡単には飛び越えられなくなっている。後ろには土嚢が敷き詰められており、前からの衝撃に備えている。
先頭の歪虚が柵に激突した。柵の間から顔を覗かせ、荒く息を吐いて唸る。それに続き突撃してくる歪虚が重なって、流れる土砂が堆積するように折り重なっていく。柵が揺れ、周囲は獣の方向と臭いに満ちた。その間も兵の射る矢は降り注ぎ、次々と突き刺さっていく。
それらの背を身軽に駆け登るものがある。小柄な猿の歪虚だ。それは柵を飛び越えた。
最初の一体が飛び越え、それに次々と続く。
だが、勢い良く落下する歪虚が着地すると、地面が抜けた。
そこにも落とし穴が仕掛けられていたのだ。最初の歪虚は底の杭に体を貫かれ、それでもなお顔を上げ、憎々しげに叫んだ。
そこに一陣の光が奔り、歪虚を焼いた。
「さあ私達の出番です! 気合入れていきましょーっ!」
千春のホーリーライトが、歪虚を無に返した。防人と祥子も銃を構え、柵を乗り越えた歪虚を射撃していく。
防人は全身が銃を撃つ機械となったかのような正確な動作で、歪虚の眉間を撃ち抜いていた。
一方祥子は銃が専門と言うわけではないが、マテリアルを込めた必殺の銃弾で、他に劣らぬ戦果を重ねている。
その一方で、馬防柵が大きく傾いていた。歪虚は仲間の体を踏み台にしつつよじ登ってきた。柵の前の落とし穴は嵌まった歪虚の身体によって埋められ、その上を歪虚は突き進んでくる。
その、先頭にいた猪の歪虚の首が、突然無くなった。
土塁の影から姿を現し、斧の強打をもって首を斬り落としたのは雪だった。
「取りあえず、ちけーのから、順にやる、です」
右腕のトライバルアートが、燃えるように輝いて広がる。
さらに、何処かから躍りかかった影が、歪虚の一体を剣で貫いた。
必殺の一撃に頭蓋を貫かれた歪虚は一瞬にして塵となる。
ミミズクの双眸、背に広がる翼。覚醒した旭だ。
「ハッ! 燃えてきたぜ、もっとこいッ!」
剣を構え直し、次の獲物を探す。
「先を越されやしたねえ」
「俺も忘れんなよ?」
それに並ぶように、ウォルターと八代が前に出、それぞれ得物を構える。
それから一歩下がったところで千春、防人、祥子が術具ないし銃を構え、空いている隙間は兵が槍襖を張り、歪虚の進路を阻む。
また後方に建てられた櫓から、十名の兵士が矢を射かけていた。
霧華だけがここにいない。
霧華はその頃、戦場の外へ通じる通路を通り単身歪虚の背面へと回り込んでいた。
不意をついて指揮官を討ち取る算段であったが――
さすがは獣というべきか、最後方の歪虚が霧華に気づき、牙を向いた。
霧華は応戦し、縦横無尽に斬って回ったが、多勢に無勢、敗走を余儀無くされてしまった。
(見た所では指揮官の存在は確かめられず、か――)
それでも、自然にこれだけの数が集まるだろうか?
最前線では歪虚の勢いは一切衰えず、そればかりか勢いを増して、恐れを知らずに突撃してくる。
乱戦状態になっていた。敵味方入り乱れ、雪、旭、ウォルター、八代は奮戦しつつも分断され、防人、祥子、千春も射線を確保し辛くなっていた。
前衛を突破した鹿の歪虚が、角を向けて千春に殺到する。盾で受け止めるが、別の方向からもう一体が来た。無防備な状態の千春を狼の牙が襲う。
そこに、割って入る者があった。
千春を身体で押しのけ、その左腕に狼の牙が食い込む。
「ウォルターさん!」
「あたしゃこの人に、出来れば最期は……だから、邪魔せんでくだせぇよ。三下の畜生風情がさ」
ウォルターは殺意を込め、敵を睨む。
右手で剣を繰り出し、胸を貫いた。歪虚は黒い塵となって消える。
激しい出血があった。苦痛に顔をゆがめる。
ウォルターに、さらに敵が襲いかかろうとしていた。
「防御形態!」
八代がその前に立ちはだかり、六人の兵がそれに続いた。兵はウォルターの前方を囲い、外側に向けて槍の穂先を向けて密集する。
「下がれ!」
八代が殿を務め、機導剣で迫る敵を斬り飛ばす。兵の方にも向かった猿の歪虚が、槍に突き刺さり持ち上げられたまま暴れる。
ハンター達は下がり、体勢を立て直した。前線は押され、後方の櫓のある地点まで下がった。
櫓の間でハンター達が食い止める。
「ここが正念場だ。何としてでも守るぞ」
防人が檄を飛ばす。その通り最後の正念場だった。もうこれ以上、後には退けない。
千春がヒールでウォルターの傷を癒し、敗走した霧華も合流して、一丸となって敵を倒していく。
櫓からは兵士が弓や投石で上からの攻撃を仕掛ける。櫓に登る歪虚もあった。防人はそれを見つけ次第撃ち落としていく。
歪虚の猛攻は続いていた。それでもハンターは戦い続け、前衛を維持し続ける。
ハンターは傷つき、兵も疲弊し、そしておびただしい歪虚が無へと還った。
●喊声を上げて
時間が経ち……
歪虚の勢いは、弱まりつつあった。
凄まじい突撃力ではあったが、つまるところ考え無しに突撃するだけでしかない歪虚は、十分に防衛の準備を整えた人間の前に、次第にその勢いを失っていったのだ。
「さあ――ここらで決めさせてもらうとしやしょうか」
山脈から吹き降ろす風のように無慈悲に鋭いウォルターの刃が、鹿の歪虚の喉を斬り裂いた。
「――返礼でござんす」
「今だ、ハンター突撃!」
「一匹残らずぶっ殺せ、です!」
ウォルターを皮切りに旭と雪が続く。それを機に勢いを増し、兵もそれに続いた。
「無理をするな、落とし穴に落ちた奴を狙え!」
八代は兵に指示を出し、着実に歪虚の息の根を止めていく。
「フォローはお任せを!」
向かってくる歪虚には霧華が眼を光らせ、近づく傍から斬って捨てていく。
「怪我をした人はこっちに集まって下さいっ!」
千春はあえて無理をせず、聖導師の力を活かし後方で味方の治療にあたった。
勢いづく人間の力。歪虚は獣の本性を取り戻したのか、脱兎のごとく逃げ出しはじめるものもあった。
「逃がしはしない」
「後で集まられても困るわ!」
そんな歪虚を、防人と祥子が銃の長射程を活かし、何体も撃ち殺した。
やがて――
攻撃する歪虚はいなくなっていた。
誰かが、勝鬨をあげた。
歓声はやがて大きくなっていき、勝利の声が山間にこだました。
覚醒者だけの勝利ではない、人間の勝利だった。
●人間の勝利
次の日、ハンターによる山狩りが行われ、隠れ潜んでいる歪虚がことごとく始末された。
昼にはそれを終え、依頼人と一緒に、ハンターは食事をすることになった。
「結局、指揮官らしきものは見つかりませんでした。しかし、これだけの歪虚が集まったことは作為的だと感じます……」
霧華は考えを述べた。
「あいつらどー考えても、陽動、です。どっかに、本隊が居んじゃねーか、です」
雪も思うところを述べる。二人はこの件の裏に暗躍する、黒幕の存在に思いを馳せていた。
「だったらそいつらも見つけて倒してやるさ!」
八代はそう言って笑って見せた。
「だな。敵は多いほど燃えるしな!」
旭も年相応の明るさをもって闘志を見せる。
「頼もしい限りですわね」
依頼人は彼らを眩しそうに見つめた。
「奥方様、また何ぞありやしたらどうぞ頼って下せえやし。それがあたしらの生業でござんす」
「アフターケアも万全ですっ! 今後ともハンターズソサエティをごひいきに!」
「ええ。是非」
ウォルターと千春の宣伝めいた文言にも笑顔で頷く。満ち足りた笑顔だった。
「また呼んでいただければ幸いです。鍛え甲斐のある兵士の皆さんでしたから」
祥子が言うと、席が笑いに満ちた。だが兵の訓練にもハンターが大きく貢献したのは本当だ。
「所で、婦人。領主無き今はこの地はどうなさるつもりか」
タイミングを見計らって防人が聞いた。夫人は防人に向き直ると、一呼吸置いてからこう応えた。
「民を見捨てるわけにはいきません。知識が足りぬなら学びましょう。力が足りぬなら鍛えましょう。民を守ることこそが貴族の勤めなのですから」
後に、この夫人――マハ・スフォルツァは、王国でも有数の精強な私兵団を率い、歪虚から人々を守る盾となるが――
それはまた、別の話。
早朝。山林に長く広い平坦な一本道が通っている。そこに、整然と並んだ兵士達の姿があった。
間近に迫った戦いのために、訓練をしているのだ。
かれらは現地で召集された兵士だ。故郷と家族を守ろうとする意識は高かったものの、誰もが歪虚との戦いは始めてだった。人手はあったが、誰かが指導する必要があった。
なので、絶えず彼らの間を歩いて、指導する者の姿がある。
「弓を引き放つまでは息を止めろ。呼吸は照準を乱す」
「はい、教官!」
君島 防人(ka0181)はもと居た世界では軍に属し、新兵の教育にも当たってきた。その経験が生きていた。兵士達は防人の指導をよく聞き、良く従った。
「よーし、出来るだけ深く掘ってくれ。丸太や枝の設置も忘れるな」
「敵の勢い削いだり、侵攻速度ばらけさせるだけでも、大分違う、です」
真田 八代(ka1751)と八城雪(ka0146)は決戦の地で兵を指揮し、迎撃の準備を整えていた。戦場に落とし穴や柵、土塁を設置することで、巨大な戦力に対抗しようと言うのだ。
「土塁は逆ハの字に設置してくださいっ!」
「了解であります!」
柏木 千春(ka3061)は兵に指示を与える。
兵達はそれに従い、忙しなく動き回っている。千春はそんな真剣な表情の兵達に共感を覚えていた。
(うん、だいじょーぶ! 絶対に守りますからっ!)
千春は、そう心に誓った。
「……皆さんはこれらの設備で敵の機動力を削ぎ、離れた場所から弓を射掛けるという戦法をとってもらいます。皆さんの持ち場は……」
宇都宮 祥子(ka1678)は兵の隊長格を集め、決定された戦法を眼鏡を持ち上げつつ説明していた。その様子が女教師のようだったのか、いつしか兵からこう呼ばれるようになった……『祥子先生』と。
「これが必要な物のリストです」
「わかりました。手配させましょう」
白神 霧華(ka0915)と話しているのは、依頼人である領主夫人である。
「それにしても、奥様自ら現地に赴くとは……」
彼女は使用人を引き連れ、現地で陣頭指揮に当たっていた。
「私には戦う力はありません。それでも民のため尽くすのは領主の務め。この後も食事の準備をする予定です」
「……私も手伝いましょうか?」
「有難いわ。どうやら貴女も私と同類の女なのかしら?」
女二人、厨房へと向かう。兵の食事のために。
岩井崎 旭(ka0234)とウォルター・ヨー(ka2967)はともに愛馬に跨り、周辺の偵察に当たっていた。
毎日欠かさずにルートを巡回する二人。数日間は静かな日々が続いた。
異変は前触れも無く訪れた。
七日目のことだった。ウォルターは山道で何かを感じた。
……気配。
まっすぐに駆けてくる。
それを察知して間もなく、何かが視界に飛び込んできた。
「メ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛!」
突然の奇声。羊の姿をしていたが、恐ろしく凶暴だ――外見もだが性質はそれ以上に。ウォルターは馬首を回し、奔らせる。
「ウォルター!?」
進行方向に旭がいた。
「見ての通りだ、来やしたよ!」
「上等だぜ!」
旭も転進した。幸い敵は馬ほどは速くは無かった――しかし相当な大群になって追って来る。
(腕が鳴らないわけがない――)
馬を走らせる旭の内心では闘志が滾っていた。自分達の戦う力を、勇気を試す機会。
敵の姿は見えなくなっていた。だが、最初に会った時の事を考えると、おそらく追って来ている。真っ直ぐ此方に向かってきたことから考えると、かなり遠くから察知していたように思える。ウォルターは考えをめぐらせていた。
そして、戦場へと走った。
●決戦の時
「敵襲ー! 敵襲ー!」
ウォルターと旭の声に戦場が色めき立つ。ハンターと兵はすぐさま持ち場に待機した。
ここに至るまで、集落を幾つか犠牲にしている。効果的な戦場が見出せなかったからだ。
集落への避難勧告は済ませており、住民達は避難しているが、それでも土砂崩れのような自然災害に匹敵する被害がもたらされるだろう。
ここで止めなければ、被害はさらに大きくなる。
勝たねばならなかった。
ウォルターと旭は予め用意された通路を通り、戦場の後方に待機する仲間達に合流した。
戦場として指定されたのは両方を森林に挟まれた一本道。範囲はおよそ500m。
道の幅は馬車が二台、余裕を持って並べる程度。道の両方は深い森林かつ上り坂となっている。
聞こえるか聞こえないかほどの小さな音がしはじめた。やがて、それは大きくなり、獣の咆哮と無数の駆ける音が、土煙とともに明らかになった。
猪、狼、羊、鹿、猿――野の獣を元型とした、おびただしい数の歪虚の群れだ。
最初の歪虚が、戦場へと踏み入る――
――そこで、地面が抜けた。
戦場の入り口付近には、落とし穴が複数仕掛けられている。歪虚は次々と底に仕掛けられた杭に突き刺さったり、泥濘の中に落ちたりした。
道の両横の森林部には逆茂木で侵入できないようにされており、歪虚は落とし穴地帯を通るしかない。
しかし――勢いは止まらない。
落とし穴に嵌まっても、地面近くに杭で張られたロープに足を取られて転んでも、他の個体とぶつかり足並みが乱れても、脇目も振らず、時には仲間を踏み台にして、敵に向かって突き進む。
歪虚の進路には逆ハの字型に土塁が積まれ、道は狭められていた。考え無しに突進する歪虚は突如狭くなった道に詰まる。
「今よ。攻撃開始!」
それを遠巻きに見ていた祥子の号令のもと、兵士達が一斉に矢を放つ。
進路を狭められ、密集している歪虚の群れに矢が降り注ぐ。
歪虚は避けることも叶わず、次々と矢が体に突き刺さっていく。非覚醒者とはいえ、配置できるだけ動員した兵達が一斉に放つ矢は歪虚を大いに傷つけた。
「いける。一人一人が弱くても一斉にかかればきっと倒せるわ。そのために訓練もしたし準備も整えてきたんだからね」
祥子は確かな手応えを感じていた。
それでも歪虚は構わず、突き進んでくる。
その先には堀が掘られていたが、歪虚は構わず走り続ける。
しかしその先には進めない。馬防柵が築かれていたからだ。堀のせいで相対的に高くなっており、簡単には飛び越えられなくなっている。後ろには土嚢が敷き詰められており、前からの衝撃に備えている。
先頭の歪虚が柵に激突した。柵の間から顔を覗かせ、荒く息を吐いて唸る。それに続き突撃してくる歪虚が重なって、流れる土砂が堆積するように折り重なっていく。柵が揺れ、周囲は獣の方向と臭いに満ちた。その間も兵の射る矢は降り注ぎ、次々と突き刺さっていく。
それらの背を身軽に駆け登るものがある。小柄な猿の歪虚だ。それは柵を飛び越えた。
最初の一体が飛び越え、それに次々と続く。
だが、勢い良く落下する歪虚が着地すると、地面が抜けた。
そこにも落とし穴が仕掛けられていたのだ。最初の歪虚は底の杭に体を貫かれ、それでもなお顔を上げ、憎々しげに叫んだ。
そこに一陣の光が奔り、歪虚を焼いた。
「さあ私達の出番です! 気合入れていきましょーっ!」
千春のホーリーライトが、歪虚を無に返した。防人と祥子も銃を構え、柵を乗り越えた歪虚を射撃していく。
防人は全身が銃を撃つ機械となったかのような正確な動作で、歪虚の眉間を撃ち抜いていた。
一方祥子は銃が専門と言うわけではないが、マテリアルを込めた必殺の銃弾で、他に劣らぬ戦果を重ねている。
その一方で、馬防柵が大きく傾いていた。歪虚は仲間の体を踏み台にしつつよじ登ってきた。柵の前の落とし穴は嵌まった歪虚の身体によって埋められ、その上を歪虚は突き進んでくる。
その、先頭にいた猪の歪虚の首が、突然無くなった。
土塁の影から姿を現し、斧の強打をもって首を斬り落としたのは雪だった。
「取りあえず、ちけーのから、順にやる、です」
右腕のトライバルアートが、燃えるように輝いて広がる。
さらに、何処かから躍りかかった影が、歪虚の一体を剣で貫いた。
必殺の一撃に頭蓋を貫かれた歪虚は一瞬にして塵となる。
ミミズクの双眸、背に広がる翼。覚醒した旭だ。
「ハッ! 燃えてきたぜ、もっとこいッ!」
剣を構え直し、次の獲物を探す。
「先を越されやしたねえ」
「俺も忘れんなよ?」
それに並ぶように、ウォルターと八代が前に出、それぞれ得物を構える。
それから一歩下がったところで千春、防人、祥子が術具ないし銃を構え、空いている隙間は兵が槍襖を張り、歪虚の進路を阻む。
また後方に建てられた櫓から、十名の兵士が矢を射かけていた。
霧華だけがここにいない。
霧華はその頃、戦場の外へ通じる通路を通り単身歪虚の背面へと回り込んでいた。
不意をついて指揮官を討ち取る算段であったが――
さすがは獣というべきか、最後方の歪虚が霧華に気づき、牙を向いた。
霧華は応戦し、縦横無尽に斬って回ったが、多勢に無勢、敗走を余儀無くされてしまった。
(見た所では指揮官の存在は確かめられず、か――)
それでも、自然にこれだけの数が集まるだろうか?
最前線では歪虚の勢いは一切衰えず、そればかりか勢いを増して、恐れを知らずに突撃してくる。
乱戦状態になっていた。敵味方入り乱れ、雪、旭、ウォルター、八代は奮戦しつつも分断され、防人、祥子、千春も射線を確保し辛くなっていた。
前衛を突破した鹿の歪虚が、角を向けて千春に殺到する。盾で受け止めるが、別の方向からもう一体が来た。無防備な状態の千春を狼の牙が襲う。
そこに、割って入る者があった。
千春を身体で押しのけ、その左腕に狼の牙が食い込む。
「ウォルターさん!」
「あたしゃこの人に、出来れば最期は……だから、邪魔せんでくだせぇよ。三下の畜生風情がさ」
ウォルターは殺意を込め、敵を睨む。
右手で剣を繰り出し、胸を貫いた。歪虚は黒い塵となって消える。
激しい出血があった。苦痛に顔をゆがめる。
ウォルターに、さらに敵が襲いかかろうとしていた。
「防御形態!」
八代がその前に立ちはだかり、六人の兵がそれに続いた。兵はウォルターの前方を囲い、外側に向けて槍の穂先を向けて密集する。
「下がれ!」
八代が殿を務め、機導剣で迫る敵を斬り飛ばす。兵の方にも向かった猿の歪虚が、槍に突き刺さり持ち上げられたまま暴れる。
ハンター達は下がり、体勢を立て直した。前線は押され、後方の櫓のある地点まで下がった。
櫓の間でハンター達が食い止める。
「ここが正念場だ。何としてでも守るぞ」
防人が檄を飛ばす。その通り最後の正念場だった。もうこれ以上、後には退けない。
千春がヒールでウォルターの傷を癒し、敗走した霧華も合流して、一丸となって敵を倒していく。
櫓からは兵士が弓や投石で上からの攻撃を仕掛ける。櫓に登る歪虚もあった。防人はそれを見つけ次第撃ち落としていく。
歪虚の猛攻は続いていた。それでもハンターは戦い続け、前衛を維持し続ける。
ハンターは傷つき、兵も疲弊し、そしておびただしい歪虚が無へと還った。
●喊声を上げて
時間が経ち……
歪虚の勢いは、弱まりつつあった。
凄まじい突撃力ではあったが、つまるところ考え無しに突撃するだけでしかない歪虚は、十分に防衛の準備を整えた人間の前に、次第にその勢いを失っていったのだ。
「さあ――ここらで決めさせてもらうとしやしょうか」
山脈から吹き降ろす風のように無慈悲に鋭いウォルターの刃が、鹿の歪虚の喉を斬り裂いた。
「――返礼でござんす」
「今だ、ハンター突撃!」
「一匹残らずぶっ殺せ、です!」
ウォルターを皮切りに旭と雪が続く。それを機に勢いを増し、兵もそれに続いた。
「無理をするな、落とし穴に落ちた奴を狙え!」
八代は兵に指示を出し、着実に歪虚の息の根を止めていく。
「フォローはお任せを!」
向かってくる歪虚には霧華が眼を光らせ、近づく傍から斬って捨てていく。
「怪我をした人はこっちに集まって下さいっ!」
千春はあえて無理をせず、聖導師の力を活かし後方で味方の治療にあたった。
勢いづく人間の力。歪虚は獣の本性を取り戻したのか、脱兎のごとく逃げ出しはじめるものもあった。
「逃がしはしない」
「後で集まられても困るわ!」
そんな歪虚を、防人と祥子が銃の長射程を活かし、何体も撃ち殺した。
やがて――
攻撃する歪虚はいなくなっていた。
誰かが、勝鬨をあげた。
歓声はやがて大きくなっていき、勝利の声が山間にこだました。
覚醒者だけの勝利ではない、人間の勝利だった。
●人間の勝利
次の日、ハンターによる山狩りが行われ、隠れ潜んでいる歪虚がことごとく始末された。
昼にはそれを終え、依頼人と一緒に、ハンターは食事をすることになった。
「結局、指揮官らしきものは見つかりませんでした。しかし、これだけの歪虚が集まったことは作為的だと感じます……」
霧華は考えを述べた。
「あいつらどー考えても、陽動、です。どっかに、本隊が居んじゃねーか、です」
雪も思うところを述べる。二人はこの件の裏に暗躍する、黒幕の存在に思いを馳せていた。
「だったらそいつらも見つけて倒してやるさ!」
八代はそう言って笑って見せた。
「だな。敵は多いほど燃えるしな!」
旭も年相応の明るさをもって闘志を見せる。
「頼もしい限りですわね」
依頼人は彼らを眩しそうに見つめた。
「奥方様、また何ぞありやしたらどうぞ頼って下せえやし。それがあたしらの生業でござんす」
「アフターケアも万全ですっ! 今後ともハンターズソサエティをごひいきに!」
「ええ。是非」
ウォルターと千春の宣伝めいた文言にも笑顔で頷く。満ち足りた笑顔だった。
「また呼んでいただければ幸いです。鍛え甲斐のある兵士の皆さんでしたから」
祥子が言うと、席が笑いに満ちた。だが兵の訓練にもハンターが大きく貢献したのは本当だ。
「所で、婦人。領主無き今はこの地はどうなさるつもりか」
タイミングを見計らって防人が聞いた。夫人は防人に向き直ると、一呼吸置いてからこう応えた。
「民を見捨てるわけにはいきません。知識が足りぬなら学びましょう。力が足りぬなら鍛えましょう。民を守ることこそが貴族の勤めなのですから」
後に、この夫人――マハ・スフォルツァは、王国でも有数の精強な私兵団を率い、歪虚から人々を守る盾となるが――
それはまた、別の話。
依頼結果
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依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/10/14 01:31:57 |
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相談卓 柏木 千春(ka3061) 人間(リアルブルー)|17才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2014/10/15 19:51:02 |