ゲスト
(ka0000)
【黒祀】群れなす暴虐の牙
マスター:坂上テンゼン

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/10/15 22:00
- リプレイ完成予定
- 2014/10/24 22:00
オープニング
夜闇が包む草原に、少女が二人居た。彼方を眺めながら、片割れが口を開く。
「楽しみだね!」
「いえ、とても不愉快だわ」
「……なんで?」
「フラベル。貴女が愉しそうだからよ」
「にひっ! クラベル、それ、ほんとにっ?」
「嘘よ」
少女達の姿は、鏡写しのように似ていた。ただ、その声色だけが大きく異なる。夫々に沈まぬ太陽と、光を返さぬ新月を想起させる声音。
「面倒くさい仕事だなと思っただけ」
「そうかな。大事なことだよ?」
「どうでもいいことだわ」
クラベルと呼ばれた少女は憂鬱な息を吐き、言う。
「誰も彼も皆、勝手に踊り狂っていればいい。貴女も」
「にひっ」
フラベルと呼ばれた少女は晴れやかに笑い、言う。
「うん、踊ってくるねっ! 一杯一杯殺して、褒めてもらうんだぁ」
●
山林を夥しい数の獣が駆けている。
もしその場にいたならば、気絶するほどの獣臭に鼻を刺激されることだろう。土煙を上げ走るそれらの目には、尋常ではない光が宿っていた。
種類も様々だ。猪、狼、羊、鹿、猿……それらが渾然一体として群れとなって移動している。自然では決してありえない群れの組み合わせだ。
このような光景が、どうして有り得るのか――
――なぜなら、かれらは例外なく、歪虚だったからだ。
某日。王国北西部に位置するリベルタース地方の一部。
一帯を治める領主の館で、このような会話がなされた。
「一大事でございます。北部より、大量の歪虚が出現したとの報せが入って参りました!」
秘書より告げられた領主は、開口一番こう応えた。
「どこへ逃げればよいのだ?!」
数日後、領主の館にハンターが集められた。
依頼に応じてだったが、依頼したのはもちろん領主ではない。
「あの人は腑抜けの極みですわ」
一応、貴族の応接室と言える最低限の部屋で――所詮は田舎貴族である――、深刻な顔をした上品な婦人がそう言った。
領主の夫人である。
「もう王国は終わりだ、などと言って、政務も投げ出していの一番に王都に向かって逃げていってしまいました」
遠い目で虚空を見つめる。
「独り言ですわ。事は一刻を争います。
ここより北に歪虚が発生したとの報告がもたらされました。
調査の結果、すでに四つもの村落を滅ぼしているとの報告がありました。
いずれも獣の姿をした、おびただしい大群だとのことです。少なくとも両の指では数え切れない数、だとか。
ここ5年では考えられない規模ですわ。
これまでに被害にあった場所から、歪虚の移動方向をある程度絞れています」
婦人はそこで、机の上に地図を広げ、ひとつの地点を指し示す。
「……どうも村落をひとつずつ探しては襲っているように見えます。
次に襲われる村落は、おそらくこの地点。
おそらくは……この道を通ることになるかと」
夫人は指で地図をなぞる。
「森林を通る事も考えられますが、周囲に柵を張り誘導することは可能でしょう。
この道は平坦であり周囲に隠れ場所も多く、迎撃にはうってつけの場所かと」
素人考えではございますが、と控えめに笑う。
「こちらでも兵は招集しております。人数は揃ってはいますが、あまり錬度は高くなく、なにより全員が覚醒者ではありません。
歪虚との戦いはハンターの皆様の方が詳しいでしょう。必要に応じて指示を出してくださいませ。
直接歪虚と戦うことはできませんが、それ以外の事はできるはずです。
何か必要なものがあれば、ご用意させますわ」
ここまで言ってから、居住まいを正した。
「説明はここまでです。あとは、皆様の智恵をお貸し下さいませ」
「楽しみだね!」
「いえ、とても不愉快だわ」
「……なんで?」
「フラベル。貴女が愉しそうだからよ」
「にひっ! クラベル、それ、ほんとにっ?」
「嘘よ」
少女達の姿は、鏡写しのように似ていた。ただ、その声色だけが大きく異なる。夫々に沈まぬ太陽と、光を返さぬ新月を想起させる声音。
「面倒くさい仕事だなと思っただけ」
「そうかな。大事なことだよ?」
「どうでもいいことだわ」
クラベルと呼ばれた少女は憂鬱な息を吐き、言う。
「誰も彼も皆、勝手に踊り狂っていればいい。貴女も」
「にひっ」
フラベルと呼ばれた少女は晴れやかに笑い、言う。
「うん、踊ってくるねっ! 一杯一杯殺して、褒めてもらうんだぁ」
●
山林を夥しい数の獣が駆けている。
もしその場にいたならば、気絶するほどの獣臭に鼻を刺激されることだろう。土煙を上げ走るそれらの目には、尋常ではない光が宿っていた。
種類も様々だ。猪、狼、羊、鹿、猿……それらが渾然一体として群れとなって移動している。自然では決してありえない群れの組み合わせだ。
このような光景が、どうして有り得るのか――
――なぜなら、かれらは例外なく、歪虚だったからだ。
某日。王国北西部に位置するリベルタース地方の一部。
一帯を治める領主の館で、このような会話がなされた。
「一大事でございます。北部より、大量の歪虚が出現したとの報せが入って参りました!」
秘書より告げられた領主は、開口一番こう応えた。
「どこへ逃げればよいのだ?!」
数日後、領主の館にハンターが集められた。
依頼に応じてだったが、依頼したのはもちろん領主ではない。
「あの人は腑抜けの極みですわ」
一応、貴族の応接室と言える最低限の部屋で――所詮は田舎貴族である――、深刻な顔をした上品な婦人がそう言った。
領主の夫人である。
「もう王国は終わりだ、などと言って、政務も投げ出していの一番に王都に向かって逃げていってしまいました」
遠い目で虚空を見つめる。
「独り言ですわ。事は一刻を争います。
ここより北に歪虚が発生したとの報告がもたらされました。
調査の結果、すでに四つもの村落を滅ぼしているとの報告がありました。
いずれも獣の姿をした、おびただしい大群だとのことです。少なくとも両の指では数え切れない数、だとか。
ここ5年では考えられない規模ですわ。
これまでに被害にあった場所から、歪虚の移動方向をある程度絞れています」
婦人はそこで、机の上に地図を広げ、ひとつの地点を指し示す。
「……どうも村落をひとつずつ探しては襲っているように見えます。
次に襲われる村落は、おそらくこの地点。
おそらくは……この道を通ることになるかと」
夫人は指で地図をなぞる。
「森林を通る事も考えられますが、周囲に柵を張り誘導することは可能でしょう。
この道は平坦であり周囲に隠れ場所も多く、迎撃にはうってつけの場所かと」
素人考えではございますが、と控えめに笑う。
「こちらでも兵は招集しております。人数は揃ってはいますが、あまり錬度は高くなく、なにより全員が覚醒者ではありません。
歪虚との戦いはハンターの皆様の方が詳しいでしょう。必要に応じて指示を出してくださいませ。
直接歪虚と戦うことはできませんが、それ以外の事はできるはずです。
何か必要なものがあれば、ご用意させますわ」
ここまで言ってから、居住まいを正した。
「説明はここまでです。あとは、皆様の智恵をお貸し下さいませ」
解説
想定された戦場:
両方を森林に挟まれた一本道。範囲はおよそ500メートル。
道の幅は馬車が二台、余裕を持って並べる程度。
道なので平坦、かつ障害物はない。
道の両方は深い森林かつ上り坂となっている。隠れる所はある。敵はここを通るよう誘導することができる。
敵:
猪、狼、羊、鹿、猿などさまざまな獣を元型とした歪虚。
極端に強力な個体はいない。強さは大体皆同じ。数は不明だが少なくとも10や20では済まない。
味方勢力
一般人の兵大勢。
直接戦闘できるほどの戦闘力はないが、罠を仕掛けたり櫓を造るなどのことはできる。
皆PCの指示に従う。
準備期間:
現地到着から戦闘開始までの期間は七日。
両方を森林に挟まれた一本道。範囲はおよそ500メートル。
道の幅は馬車が二台、余裕を持って並べる程度。
道なので平坦、かつ障害物はない。
道の両方は深い森林かつ上り坂となっている。隠れる所はある。敵はここを通るよう誘導することができる。
敵:
猪、狼、羊、鹿、猿などさまざまな獣を元型とした歪虚。
極端に強力な個体はいない。強さは大体皆同じ。数は不明だが少なくとも10や20では済まない。
味方勢力
一般人の兵大勢。
直接戦闘できるほどの戦闘力はないが、罠を仕掛けたり櫓を造るなどのことはできる。
皆PCの指示に従う。
準備期間:
現地到着から戦闘開始までの期間は七日。
マスターより
坂上テンゼンに候。宜しくお願いされたし。
「人手」と「資源」を使い、大量の敵と戦う、というシナリオになっております。
資源は田舎でも手に入るものに限られてきますが、量には困らないでしょう。
罠や仕掛けなど、色々考えてみて下さい。
個々の戦闘力より協調性とアイデアが試される作戦です。
宜しくお願いします。
「人手」と「資源」を使い、大量の敵と戦う、というシナリオになっております。
資源は田舎でも手に入るものに限られてきますが、量には困らないでしょう。
罠や仕掛けなど、色々考えてみて下さい。
個々の戦闘力より協調性とアイデアが試される作戦です。
宜しくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/10/20 03:03
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/10/14 01:31:57 |
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相談卓 柏木 千春(ka3061) 人間(リアルブルー)|17才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2014/10/15 19:51:02 |