ゲスト
(ka0000)
【郷祭】栄光に満ちた幸福の中で
マスター:鹿野やいと

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2014/10/25 12:00
- 完成日
- 2014/11/03 01:58
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
老人は丘の上に座り込み、1人住み慣れた村を眺めていた。秋口の穏やかな風は村から丘へと駆け上がり、人の喧騒を温かさを伝えるかのようだ。老人が村へやってきたのは、もう何十年も前になる。リアルブルーの地球からクリムゾンウェストへ転移した時、彼を助けてくれたのがこの村の者達だった。以来ハンターとしての活動を続けながらも、彼はこの村を守り続けた。村に住んだ彼は家を建て、妻を娶り、子を作り、そして子を送り出し、妻を看取った。この村は、老人にとって歴史であり、掛け替えの無い宝だった。
しかし……。
「じいちゃーん!」
「お? おお……」
やってきた少年達が手を振っている。戻ってこない老人を心配して、誰かが寄越したのだ。
「じいちゃん、そろそろ夕飯だぜ」
「今日はお祭りの前祝いで一杯空けるんだって。はやくしないと冷めちゃうよ」
そう、明日はお祭り。村では隣の村の人間も集めて準備の総仕上げにかかっている。今年の実りに感謝し、エールの樽を空ける。酒を飲めない子供達も、普段は食べられないご馳走を楽しみにしていた。
「そうだな……」
老人は風に吹かれたまま、その場を動かなかった。少年二人は顔を見合わせる。
「じいちゃん、どこか悪いのか?」
「いんや……ちょっとな」
老人は身体を起こす。足はしっかと大地に立つが、表情は遠くを見たままだった。
「ふるさとの町を思い出しておったんじゃ」
故郷は遠い。遠すぎる。老人は思い出さないように努めていたが、サルヴァトーレ・ロッソの落着で歯止めが効かなくなっていた。あの船なら何かを変えてくれるに違いないと思った。藁にすがる思い出でリゼリオに向かった彼が手に入れたのは、藁以下の絶望だった。
「さ、行こう。せっかくの料理が冷めちまうからの」
心配そうに見上げる子供達を促し、老人は重い足取りで丘を降りていった。
■
君は楽な警備の依頼と聞いてこの依頼を受けた。実際に仕事は立っているだけで終了し、労力よりも多い賃金が渡された。村では誰もが祭りに沸き立ち、陶磁器製のジョッキに満たされたエールを次々と空けている。かく言う自分も熱に当てられ、リゼリオに戻らずエールをご馳走になっていた。特産らしくエールは旨い。共に出される肉料理も格別で、今日はこのまま満腹感で気持ちよく眠れそうな気がしていた。そんなほろ酔い気分の頃、君は2人の少年に声をかけられた
「なあ兄ちゃん。兄ちゃん、ハンターだよな?」
少年二人は見知った顔だった。この村の住人で、歩哨をしていた時に差し入れを持ってきてくれていた。君は何事かと腰を屈め、少年達と視線の高さを合わせる。
「実はさ、じいちゃんが最近元気ないんだ。いつもぼーっとしてさ」
「すぐ昔の話始めるんだ。リアルブルーでこんなことがあったとか」
老人の事は知っていた。リアルブルー出身の猟撃士、ダンカン・ベルムバッハ。キャリア何十年と言う大ベテランで、イスルダの戦いにも参戦していたという。細かいことはそこまで知らないが、この年まで生き残ったことだけでも尊敬に値する。記憶の中での彼は年に負けず覇気に溢れた人物だったが、確かに昨日見た彼は元気がなかった。
「でさ、俺達考えたんだ」
「今日は野菜も肉も酒も一杯あるから、リアルブルーの料理とか作れないかなって」
「兄ちゃん、リゼリオに住んでるんだろ?」
「何でも良いから、知ってたら作り方を教えて欲しいんだ」
君は唸ってどうしたものかと思案した。知っているのと作るのでは違うし、再現できるわけでもない。しかし同じ仕事の先輩の彼には元気になってもらいたい。何をするにも人手が居る。君はまだ祭りに残っている仲間達の事を思い浮かべた。
しかし……。
「じいちゃーん!」
「お? おお……」
やってきた少年達が手を振っている。戻ってこない老人を心配して、誰かが寄越したのだ。
「じいちゃん、そろそろ夕飯だぜ」
「今日はお祭りの前祝いで一杯空けるんだって。はやくしないと冷めちゃうよ」
そう、明日はお祭り。村では隣の村の人間も集めて準備の総仕上げにかかっている。今年の実りに感謝し、エールの樽を空ける。酒を飲めない子供達も、普段は食べられないご馳走を楽しみにしていた。
「そうだな……」
老人は風に吹かれたまま、その場を動かなかった。少年二人は顔を見合わせる。
「じいちゃん、どこか悪いのか?」
「いんや……ちょっとな」
老人は身体を起こす。足はしっかと大地に立つが、表情は遠くを見たままだった。
「ふるさとの町を思い出しておったんじゃ」
故郷は遠い。遠すぎる。老人は思い出さないように努めていたが、サルヴァトーレ・ロッソの落着で歯止めが効かなくなっていた。あの船なら何かを変えてくれるに違いないと思った。藁にすがる思い出でリゼリオに向かった彼が手に入れたのは、藁以下の絶望だった。
「さ、行こう。せっかくの料理が冷めちまうからの」
心配そうに見上げる子供達を促し、老人は重い足取りで丘を降りていった。
■
君は楽な警備の依頼と聞いてこの依頼を受けた。実際に仕事は立っているだけで終了し、労力よりも多い賃金が渡された。村では誰もが祭りに沸き立ち、陶磁器製のジョッキに満たされたエールを次々と空けている。かく言う自分も熱に当てられ、リゼリオに戻らずエールをご馳走になっていた。特産らしくエールは旨い。共に出される肉料理も格別で、今日はこのまま満腹感で気持ちよく眠れそうな気がしていた。そんなほろ酔い気分の頃、君は2人の少年に声をかけられた
「なあ兄ちゃん。兄ちゃん、ハンターだよな?」
少年二人は見知った顔だった。この村の住人で、歩哨をしていた時に差し入れを持ってきてくれていた。君は何事かと腰を屈め、少年達と視線の高さを合わせる。
「実はさ、じいちゃんが最近元気ないんだ。いつもぼーっとしてさ」
「すぐ昔の話始めるんだ。リアルブルーでこんなことがあったとか」
老人の事は知っていた。リアルブルー出身の猟撃士、ダンカン・ベルムバッハ。キャリア何十年と言う大ベテランで、イスルダの戦いにも参戦していたという。細かいことはそこまで知らないが、この年まで生き残ったことだけでも尊敬に値する。記憶の中での彼は年に負けず覇気に溢れた人物だったが、確かに昨日見た彼は元気がなかった。
「でさ、俺達考えたんだ」
「今日は野菜も肉も酒も一杯あるから、リアルブルーの料理とか作れないかなって」
「兄ちゃん、リゼリオに住んでるんだろ?」
「何でも良いから、知ってたら作り方を教えて欲しいんだ」
君は唸ってどうしたものかと思案した。知っているのと作るのでは違うし、再現できるわけでもない。しかし同じ仕事の先輩の彼には元気になってもらいたい。何をするにも人手が居る。君はまだ祭りに残っている仲間達の事を思い浮かべた。
リプレイ本文
時刻は昼を少し回ったぐらいだ。
昼から酒を飲む贅沢は素晴らしいが、ひとまずは棚の上にあげる。目の前の子供達の気持ちに答えないとといけない。厨房は村の女性達に場所を譲ってもらった。肉も野菜も十分にある。あとは料理を作るだけ!
しかし集まったハンター6名は、まずその料理自体をどうするかで悩んだ。
「えと、リアルブルーの料理がわかる人は……?」
ユリアン(ka1664)は、並ぶ他のハンターに顔を向けた。まず最初に素材の入った籠を背負ったメンター・ハート(ka1966)と目が合った。まるごとうさぎをきこんでいるのは彼女曰く、「イートイン教のマスコットキャラ」らしい。聞いたことがないがそれはともかく……。
「焼いて食べれるようにする下ごしらえなら得意だぞ!」
確かに大事なことだけど、その後の知識が今大事なのでひとまず次の人間を見た。
「陽平君ってリアルブルーの人だよね? ダンカンさんの街の郷土料理ってわかる?」
「え? ドイツ料理かあ……」
留内陽平(ka0291)は、ばつの悪そうな顔をする。
「どんなのかは分かるけど、ちゃんとした作り方までは……」
普段料理をしない男性なら平均的な反応である。誰も彼を責めることはできない。ただ、この答え方は一部の人に対して少々曖昧すぎた。
「分かるんですね! じゃあ教えてください!」
嬉しそうに反応したのはユリアンでなく、シアーシャ(ka2507)だった。シアーシャの顔はきらきらと輝いていたが、その表情はなんというか、俗っぽかった。
(おじいちゃんはブルーで、どんな風に育ったのかな? 大恋愛したり、出会いとか別れとか…きっと色んなドラマがブルーであったはず……。そう……あたしもいつ、ブルーの素敵な人と出会って恋に落ちるかも分からない。だからもっとブルーのことも知っておかなくちゃ…!)
以上、何も聞いていない状態での彼女の妄想である。
「というわけで、リアルブルーの料理、勉強させてください」
「何が『というわけで』、なの?」
陽平はシアーシャの勢いに押されながらも、それを拒みきれない。悲しいかな、言ってる事に意味が通らなくても、可愛い女の子にお願いされたら断れないのが男というものだ。
「よし、2人も一緒に作ろう。味を再現できるようになったらおじいさんも喜ぶよ!」
「おー!」
少年二人とシアーシャは嬉しそうに腕を振り上げる。二人を巻き込んで何かを始める彼女を、止める者は誰も居ない。その様子を村の母親達や姉達が笑顔で見守っていた。ユリアンはそこは置いておき、年長者の顔を見た。ルトガー・レイヴンルフト(ka1847)。彼はこの騒動が始まってから壁際で泰然自若と構えている。
「良い子達だな」
「ルトガーさん」
ルトガーは目を細め子供達を見ている。その目には強い決意のようなものが見て取れた。
「ブルーの食事を、と考えたのは子供たちだ。子供たちなりに一生懸命考えた、励まし方だ。完全な食事の再現、ということよりも、子供たちの気持ちを彼に伝え、今この時を楽しんでもらおうと思う」
その通りだ。料理が大事なのではない。料理を提案した子供達や、協力してくれる皆の気持ちが大事なんだ。感動した。さすがは年長者。言う事の重みが違う。
「何故ならば、俺は生活能力が皆無だからだ。そして、料理は食べる専門だ」
きりっと二枚目顔で、しばらく見たことないほどのドヤ顔。喋ってる内容は戦力外宣言。あわれ、ユリアンの小さな感動は秒殺されてしまった。
背後では陽平とシアーシャ達がベーコンを切り始めている。他の具材と形を揃えるとか、食べやすい大きさにするとかそういう配慮は一切ない。料理がわからない人間ばかりで料理を進めれば、あと数分持たずにここは地獄と化すだろう。恐怖に固まるユリアンに、ズィルバーン・アンネ・早咲(ka3361)がそっと助け舟を出した。
「大丈夫……。私が料理わかるから」
ユリアンはアンネの手をがっしり握り締めた。ひとまず、料理で食材を無駄にすることだけは回避できるだろう。かくして料理の準備が始まった。
村人達が見守る中、かくして料理は始まった下準備を終えたアンネは次の工程に移り、卵を溶きながら故郷の事を思っていた。
(やっぱり……故郷の味、恋しいと、思う)
こちらの世界での食事は思ったよりも粗末ではなかったし、住むには困らなかった。でも、やはり手に入らなくなった物は多い。彼女の中で大きいのはチョコレートだ。気候の違い、生産可能な地域の差もあって、カカオ(厳密にはそれに似た種)の値段は高い。そしてケーキという存在は、ひたすらに遠い存在になってしまった。首都でみたザッハトルテの値段は、そう簡単に手の届くものではなかった。
「アンネさん、次はどうすれば?」
ユリアンの呼びかけでアンネは故郷の風景から引き戻された。ユリアンとメンターは切り終わった豚肉を乗せた盆を持っている。豚肉は指示通り2cm程度の厚さに切られ、叩いて薄く延ばしてあった。こうして叩くことで柔らかくなり、薄くなる分火の通りも良くなる。最初にアピールしていたとおり、メンターが手際よく片付けてくれている。
「じゃあここに……」
そう言って、アンネは3個のボウルを並べた。中にはそれぞれ小麦粉、溶き卵、パン粉が入っている。
彼女が作ろうとしているのはヴィーナー・シュニッツェル。比較的簡単なウィーン風カツレツだ。順番に衣を付けて行く作業はユリアンとメンター、子供達に任せた。普段はやらない作業に皆楽しそうに衣を付けて行く。アンネは下処理の終わったそれを順番にラードで揚げていく。狐色に焼けていくカツレツは、とても良い匂いを振りまいていた。
「これは……」
ルトガーも子供達に混じって調理の様子を興味津々見つめている。分量、材料、手順、味付けと必死にメモを取るルトガーはまるで子供のようであった。一つ目のカツレツは味見のための細かく切られ、全員に配られた。
「うむ、旨い」
豚肉は捌いたばかり、卵は今朝集めたばかり。新鮮なものばかりでおいしくないはずがない。
「味見以上に食べちゃダメですよ!」
更に手を伸ばそうとするルトガーの手をはたいてから、アンネは作業を再開した。その頃、シアーシャと陽平と言えば。
「茹で足りなかったかな?」
「そうなの? これぐらいでも火は通ってるよ」
「そうかなあ?」
十分茹でたと思ってお湯から上げたじゃがいもに串が通らず、何をすべきか見失っていた。これをスライスし、ベーコンと炒めれば本当に自分の知るジャーマンポテトになるのだろうか。そもそもジャガイモのスライスもどれぐらいの厚さが正しいのか。厚すぎたら火が通らないのは陽平にもわかるが、薄すぎたら炒めてる最中に壊れて崩れやしないだろうか?
「心配するな、少年!」
戻ってきたメンターがばしっと陽平の肩をたたく。
「いや、でも……」
「じゃが芋と玉葱と肉だ。ちゃんと焼けば食える」
「あのなあ……」
メンターの言い分は確かに正しいが、それだけでは料理ではない。料理は科学だ。切り方、茹で方、炒め方、全て理由がある。そして陽平はその科学を知らない。このままじゃ、食べ物をダメにしてしまう。アンネと比較して、自分の無知が容易にわかった。だから、手が進まなかった。
「大丈夫。ちゃんと焼けば食べられる」
フォローしたのは、そのアンネだった。彼女は自分の料理の合間に、陽平の様子をずっと見ていてくれていた。
「芋はもう一回茹でましょう。粉ふき芋になっていも良いし、マッシュポテトでも良いわ。ベーコンは油で低温でゆっくり炒めて匂いと油を出すの。玉葱も透き通るまでじっくり炒めて、でも強い火で焦がさないように中ぐらいの火を使うと良いわ。バターを使う時は一度フライパンでしっかり溶かして火を通すこと。塩は多すぎると元に戻せないから最後にちょっとずつ。それから…」
「ちょ、ちょっと待って、そんなにいっぺんには」
「それも大丈夫」
慌てるシアーシャに微笑みかけ、アンネは後ろを振り向いた。
「一度でわかってくれる助っ人がいるわ」
そこには見守っていた母親達が笑顔で腕組みしていた。ジャーマンポテトは好みで味も形も変わる。
2人が恐る恐る粉ふき芋で作ったジャーマンポテトは、母親の作る優しい味がしていた。
料理が完成し、もてなしの準備が終わると、端っこでぼんやりしていたダンカン老が中央に呼ばれた。
何事かと驚くダンカンだったが、並んだ料理を見て更に驚いた。
「お……おお……こいつは……」
元々この村は彼のいた国と同じエールやソーセージ等を作る村だ。使われたベーコンには見覚えがあったし、エールも他と変わらない。それでもその料理の並びには、間違いなくドイツの香りがした。驚いたダンカンは子供達に促されるままに席に座る。その席の正面、中央のステージに陽平がクラシックギターを持って現れた。
「ダンカンさん。何か、リクエストありますか?」
「え?」
「ドイツの楽曲なら、だいたい引けますよ。クラシックの練習曲に多いんです」
「……何でもええのか?」
「はい、有名な曲なら何でも」
「それなら……」
陽平の笑顔に背中を押され、ダンカンは古いクラシックの曲をリクエストした。演奏が始まり、遠い昔に聞き覚えのある旋律が流れると、ダンカンは思わずため息をついた。遠い故郷を思いながら、その旋律に耳を傾ける。
「懐かしいのう」
活力のなかった顔が優しくほころぶ。ダンカンの気分が晴れてきたのを見計らい、シアーシャが新しいエールを継ぎ足す。ユリアンはリアルブルーから流れ着いた物品をダンカンの前に並べていった。ダンカンは驚きながらも、小さなLEDライトに触れる。転移後の月日は、リアルブルーの世界にこそ大きな変化をもたらしていた。
「あの船を見てびっくりしたわい。わしらの時代は、宇宙なんてものは頭にもなかったからのう」
レトルトカレーは昔食べたイギリス式のカレーに良く似た味だった。缶ビールは最初驚いたものの、故郷の味とは少し違う。故郷の匂いは感じなかったものの、紛れも無く遠い世界の品物とわかった。
「わしの世界は、わしの知らん世界になってしもうたんじゃなあ……。わしの頃はこんな便利なものはなかったからのう」
「ダンカンさん、リアルブルーの話、良かったらもっと聞かせてもらえませんか?」
「私も聞きたいです!」
ユリアンに続きシアーシャも身を乗り出す。語れば喉の奥につっかえたものが吐き出せるかもしれない、という思いと、いくばくかの好奇心。
ダンカンは興味津々話掛ける二人に押されて困ったように笑い、そしてぽつぽつと昔話を始めた。ダンカンの語る内容は、クリムゾンウェストの人間には信じ難い内容だった。人間同士の全面戦争。そしてその後の貧困。ダンカンはその災禍だけを身に受けて育った世代だった。
「わしらの世界にも戦争があった。酷い戦争じゃったが、ひとまず終わった。終わった後こそ、苦労はしたがのう」
ユリアンやシアーシャの予想した世界と、それはだいぶと毛色が違った。陽平のみてきた世界と、ダンカンのみてきた世界はあまりにも違う。
「でもおじいちゃん」
シアーシャの声は陽平の奏でる音楽の中で、優しく響いた。
「それでも、嫌なことばかりじゃなかったんだよね?」
ダンカンは顔をあげ、シアーシャを見つめる。
やがて顔を綻ばせ、優しい笑みを浮かべた。
「そうじゃな。そうじゃとも、そうじゃとも」
「ダンカンさん。折角の料理が冷めてしまうぞ。子供達が作ってくれたのだ。どんどん食べてやってくれ」
「うむ……うむ。こんな旨い料理は、いつぶりかのう」
ルトガーに促され、ダンカンは大きな口をあけカツレツにかぶりつく。
エールもすぐに飲み干し、次の一杯を給仕をしていた村娘に頼んでいた。
ルトガーは横を通り過ぎたシアーシャに小さく「お手柄だな」と告げたが、シアーシャはその意味がよくわからなかった。
翌朝、ハンター達は馬のいななきで目を覚ました。
外には馬にまたがったダンカンの姿がある。傍らには早くに起きた子供達や何人かの大人達も居る。
ダンカンはハンター達に気づくと、巧みに馬をそちらへ寄せた。
「世話になったのう」
「ダンカンさん、どうしたんです?」
ダンカンは全身を装備で固めていた。古いながらも使い込まれた名品ばかりだ。
それは紛うことなき戦いの衣装。鈍く輝く鎧は彼の生きた歴史そのものだ。
「お前さん達に教えてもらったのだ。わしの今日までの日常が、どれだけ輝いておったかを、な」
ダンカンの顔は晴れ晴れとしていた。そこにいるのは力を失った老人ではない。
覇気を取り戻した老ハンターを見、ルトガーも思わず会心の笑みを漏らす。
「時間をもてあましただろう。失う前に気付けたのは幸運だったな」
「うむ。あやうくワシは、大事な物を見失うところであった」
時間は戻らない。自身の身体も、感じ方も。彼の住む故郷も、彼の知る故郷ではないだろう。
彼の記憶の中の故郷は、彼の中で美化される一方。美化されすぎてしまうがゆえに、目の前の真実を隠してしまう。
それは誰にでも訪れる話。けれど、誰もが一度は迷う場所。ダンカンはそこから抜け出していた。
ダンカンは手に持った槍を振り上げる。そして朗々と響く声で一堂に告げた。
「今、グラスヘイム王国に5年前の悪夢が再来しておる。
再び襲来した悪夢に多くの者が生活を奪われ、家族を奪われ、嘆きと悲しみの中におるのだ。
この世に助けを呼ぶ声がある限り、何に代えても助けにいかねばならん。わしは、その為に今日まで生きてきたのだからな!」
「じいちゃん!」「じいちゃん!」
「世話になったと、村長や村のみんなによろしく言っておいてくれ」
少年達は涙ぐみながらも、強くうなづき返す。それが今生の別れになるかもしれない、と彼らにも理解できたのだ。
「走れぃ! ハインケル3世!」
ダンカンはそのまま、地平線の向こうへ馬を走らせる。
朝焼けに走り去る彼の後姿を、ハンター達は笑顔で見送った。
「おじいちゃん、元気になったな!」
「元気になりすぎだよ……」
メンターの率直な感想に陽平は苦笑するしかない。
それでも、ダンカンの姿は陽平自身の答えにもなった。
どんなに暗い闇に迷っても、答えは必ず目の前にある。
「じいちゃん、また来てくれるかな」
「きっと帰ってくる。おじいさんの故郷は、リアルブルーだけじゃないと、あたしは思うんだぞ」
メンターは見送る少年達の頭を、わしわしと撫で回した。
昼から酒を飲む贅沢は素晴らしいが、ひとまずは棚の上にあげる。目の前の子供達の気持ちに答えないとといけない。厨房は村の女性達に場所を譲ってもらった。肉も野菜も十分にある。あとは料理を作るだけ!
しかし集まったハンター6名は、まずその料理自体をどうするかで悩んだ。
「えと、リアルブルーの料理がわかる人は……?」
ユリアン(ka1664)は、並ぶ他のハンターに顔を向けた。まず最初に素材の入った籠を背負ったメンター・ハート(ka1966)と目が合った。まるごとうさぎをきこんでいるのは彼女曰く、「イートイン教のマスコットキャラ」らしい。聞いたことがないがそれはともかく……。
「焼いて食べれるようにする下ごしらえなら得意だぞ!」
確かに大事なことだけど、その後の知識が今大事なのでひとまず次の人間を見た。
「陽平君ってリアルブルーの人だよね? ダンカンさんの街の郷土料理ってわかる?」
「え? ドイツ料理かあ……」
留内陽平(ka0291)は、ばつの悪そうな顔をする。
「どんなのかは分かるけど、ちゃんとした作り方までは……」
普段料理をしない男性なら平均的な反応である。誰も彼を責めることはできない。ただ、この答え方は一部の人に対して少々曖昧すぎた。
「分かるんですね! じゃあ教えてください!」
嬉しそうに反応したのはユリアンでなく、シアーシャ(ka2507)だった。シアーシャの顔はきらきらと輝いていたが、その表情はなんというか、俗っぽかった。
(おじいちゃんはブルーで、どんな風に育ったのかな? 大恋愛したり、出会いとか別れとか…きっと色んなドラマがブルーであったはず……。そう……あたしもいつ、ブルーの素敵な人と出会って恋に落ちるかも分からない。だからもっとブルーのことも知っておかなくちゃ…!)
以上、何も聞いていない状態での彼女の妄想である。
「というわけで、リアルブルーの料理、勉強させてください」
「何が『というわけで』、なの?」
陽平はシアーシャの勢いに押されながらも、それを拒みきれない。悲しいかな、言ってる事に意味が通らなくても、可愛い女の子にお願いされたら断れないのが男というものだ。
「よし、2人も一緒に作ろう。味を再現できるようになったらおじいさんも喜ぶよ!」
「おー!」
少年二人とシアーシャは嬉しそうに腕を振り上げる。二人を巻き込んで何かを始める彼女を、止める者は誰も居ない。その様子を村の母親達や姉達が笑顔で見守っていた。ユリアンはそこは置いておき、年長者の顔を見た。ルトガー・レイヴンルフト(ka1847)。彼はこの騒動が始まってから壁際で泰然自若と構えている。
「良い子達だな」
「ルトガーさん」
ルトガーは目を細め子供達を見ている。その目には強い決意のようなものが見て取れた。
「ブルーの食事を、と考えたのは子供たちだ。子供たちなりに一生懸命考えた、励まし方だ。完全な食事の再現、ということよりも、子供たちの気持ちを彼に伝え、今この時を楽しんでもらおうと思う」
その通りだ。料理が大事なのではない。料理を提案した子供達や、協力してくれる皆の気持ちが大事なんだ。感動した。さすがは年長者。言う事の重みが違う。
「何故ならば、俺は生活能力が皆無だからだ。そして、料理は食べる専門だ」
きりっと二枚目顔で、しばらく見たことないほどのドヤ顔。喋ってる内容は戦力外宣言。あわれ、ユリアンの小さな感動は秒殺されてしまった。
背後では陽平とシアーシャ達がベーコンを切り始めている。他の具材と形を揃えるとか、食べやすい大きさにするとかそういう配慮は一切ない。料理がわからない人間ばかりで料理を進めれば、あと数分持たずにここは地獄と化すだろう。恐怖に固まるユリアンに、ズィルバーン・アンネ・早咲(ka3361)がそっと助け舟を出した。
「大丈夫……。私が料理わかるから」
ユリアンはアンネの手をがっしり握り締めた。ひとまず、料理で食材を無駄にすることだけは回避できるだろう。かくして料理の準備が始まった。
村人達が見守る中、かくして料理は始まった下準備を終えたアンネは次の工程に移り、卵を溶きながら故郷の事を思っていた。
(やっぱり……故郷の味、恋しいと、思う)
こちらの世界での食事は思ったよりも粗末ではなかったし、住むには困らなかった。でも、やはり手に入らなくなった物は多い。彼女の中で大きいのはチョコレートだ。気候の違い、生産可能な地域の差もあって、カカオ(厳密にはそれに似た種)の値段は高い。そしてケーキという存在は、ひたすらに遠い存在になってしまった。首都でみたザッハトルテの値段は、そう簡単に手の届くものではなかった。
「アンネさん、次はどうすれば?」
ユリアンの呼びかけでアンネは故郷の風景から引き戻された。ユリアンとメンターは切り終わった豚肉を乗せた盆を持っている。豚肉は指示通り2cm程度の厚さに切られ、叩いて薄く延ばしてあった。こうして叩くことで柔らかくなり、薄くなる分火の通りも良くなる。最初にアピールしていたとおり、メンターが手際よく片付けてくれている。
「じゃあここに……」
そう言って、アンネは3個のボウルを並べた。中にはそれぞれ小麦粉、溶き卵、パン粉が入っている。
彼女が作ろうとしているのはヴィーナー・シュニッツェル。比較的簡単なウィーン風カツレツだ。順番に衣を付けて行く作業はユリアンとメンター、子供達に任せた。普段はやらない作業に皆楽しそうに衣を付けて行く。アンネは下処理の終わったそれを順番にラードで揚げていく。狐色に焼けていくカツレツは、とても良い匂いを振りまいていた。
「これは……」
ルトガーも子供達に混じって調理の様子を興味津々見つめている。分量、材料、手順、味付けと必死にメモを取るルトガーはまるで子供のようであった。一つ目のカツレツは味見のための細かく切られ、全員に配られた。
「うむ、旨い」
豚肉は捌いたばかり、卵は今朝集めたばかり。新鮮なものばかりでおいしくないはずがない。
「味見以上に食べちゃダメですよ!」
更に手を伸ばそうとするルトガーの手をはたいてから、アンネは作業を再開した。その頃、シアーシャと陽平と言えば。
「茹で足りなかったかな?」
「そうなの? これぐらいでも火は通ってるよ」
「そうかなあ?」
十分茹でたと思ってお湯から上げたじゃがいもに串が通らず、何をすべきか見失っていた。これをスライスし、ベーコンと炒めれば本当に自分の知るジャーマンポテトになるのだろうか。そもそもジャガイモのスライスもどれぐらいの厚さが正しいのか。厚すぎたら火が通らないのは陽平にもわかるが、薄すぎたら炒めてる最中に壊れて崩れやしないだろうか?
「心配するな、少年!」
戻ってきたメンターがばしっと陽平の肩をたたく。
「いや、でも……」
「じゃが芋と玉葱と肉だ。ちゃんと焼けば食える」
「あのなあ……」
メンターの言い分は確かに正しいが、それだけでは料理ではない。料理は科学だ。切り方、茹で方、炒め方、全て理由がある。そして陽平はその科学を知らない。このままじゃ、食べ物をダメにしてしまう。アンネと比較して、自分の無知が容易にわかった。だから、手が進まなかった。
「大丈夫。ちゃんと焼けば食べられる」
フォローしたのは、そのアンネだった。彼女は自分の料理の合間に、陽平の様子をずっと見ていてくれていた。
「芋はもう一回茹でましょう。粉ふき芋になっていも良いし、マッシュポテトでも良いわ。ベーコンは油で低温でゆっくり炒めて匂いと油を出すの。玉葱も透き通るまでじっくり炒めて、でも強い火で焦がさないように中ぐらいの火を使うと良いわ。バターを使う時は一度フライパンでしっかり溶かして火を通すこと。塩は多すぎると元に戻せないから最後にちょっとずつ。それから…」
「ちょ、ちょっと待って、そんなにいっぺんには」
「それも大丈夫」
慌てるシアーシャに微笑みかけ、アンネは後ろを振り向いた。
「一度でわかってくれる助っ人がいるわ」
そこには見守っていた母親達が笑顔で腕組みしていた。ジャーマンポテトは好みで味も形も変わる。
2人が恐る恐る粉ふき芋で作ったジャーマンポテトは、母親の作る優しい味がしていた。
料理が完成し、もてなしの準備が終わると、端っこでぼんやりしていたダンカン老が中央に呼ばれた。
何事かと驚くダンカンだったが、並んだ料理を見て更に驚いた。
「お……おお……こいつは……」
元々この村は彼のいた国と同じエールやソーセージ等を作る村だ。使われたベーコンには見覚えがあったし、エールも他と変わらない。それでもその料理の並びには、間違いなくドイツの香りがした。驚いたダンカンは子供達に促されるままに席に座る。その席の正面、中央のステージに陽平がクラシックギターを持って現れた。
「ダンカンさん。何か、リクエストありますか?」
「え?」
「ドイツの楽曲なら、だいたい引けますよ。クラシックの練習曲に多いんです」
「……何でもええのか?」
「はい、有名な曲なら何でも」
「それなら……」
陽平の笑顔に背中を押され、ダンカンは古いクラシックの曲をリクエストした。演奏が始まり、遠い昔に聞き覚えのある旋律が流れると、ダンカンは思わずため息をついた。遠い故郷を思いながら、その旋律に耳を傾ける。
「懐かしいのう」
活力のなかった顔が優しくほころぶ。ダンカンの気分が晴れてきたのを見計らい、シアーシャが新しいエールを継ぎ足す。ユリアンはリアルブルーから流れ着いた物品をダンカンの前に並べていった。ダンカンは驚きながらも、小さなLEDライトに触れる。転移後の月日は、リアルブルーの世界にこそ大きな変化をもたらしていた。
「あの船を見てびっくりしたわい。わしらの時代は、宇宙なんてものは頭にもなかったからのう」
レトルトカレーは昔食べたイギリス式のカレーに良く似た味だった。缶ビールは最初驚いたものの、故郷の味とは少し違う。故郷の匂いは感じなかったものの、紛れも無く遠い世界の品物とわかった。
「わしの世界は、わしの知らん世界になってしもうたんじゃなあ……。わしの頃はこんな便利なものはなかったからのう」
「ダンカンさん、リアルブルーの話、良かったらもっと聞かせてもらえませんか?」
「私も聞きたいです!」
ユリアンに続きシアーシャも身を乗り出す。語れば喉の奥につっかえたものが吐き出せるかもしれない、という思いと、いくばくかの好奇心。
ダンカンは興味津々話掛ける二人に押されて困ったように笑い、そしてぽつぽつと昔話を始めた。ダンカンの語る内容は、クリムゾンウェストの人間には信じ難い内容だった。人間同士の全面戦争。そしてその後の貧困。ダンカンはその災禍だけを身に受けて育った世代だった。
「わしらの世界にも戦争があった。酷い戦争じゃったが、ひとまず終わった。終わった後こそ、苦労はしたがのう」
ユリアンやシアーシャの予想した世界と、それはだいぶと毛色が違った。陽平のみてきた世界と、ダンカンのみてきた世界はあまりにも違う。
「でもおじいちゃん」
シアーシャの声は陽平の奏でる音楽の中で、優しく響いた。
「それでも、嫌なことばかりじゃなかったんだよね?」
ダンカンは顔をあげ、シアーシャを見つめる。
やがて顔を綻ばせ、優しい笑みを浮かべた。
「そうじゃな。そうじゃとも、そうじゃとも」
「ダンカンさん。折角の料理が冷めてしまうぞ。子供達が作ってくれたのだ。どんどん食べてやってくれ」
「うむ……うむ。こんな旨い料理は、いつぶりかのう」
ルトガーに促され、ダンカンは大きな口をあけカツレツにかぶりつく。
エールもすぐに飲み干し、次の一杯を給仕をしていた村娘に頼んでいた。
ルトガーは横を通り過ぎたシアーシャに小さく「お手柄だな」と告げたが、シアーシャはその意味がよくわからなかった。
翌朝、ハンター達は馬のいななきで目を覚ました。
外には馬にまたがったダンカンの姿がある。傍らには早くに起きた子供達や何人かの大人達も居る。
ダンカンはハンター達に気づくと、巧みに馬をそちらへ寄せた。
「世話になったのう」
「ダンカンさん、どうしたんです?」
ダンカンは全身を装備で固めていた。古いながらも使い込まれた名品ばかりだ。
それは紛うことなき戦いの衣装。鈍く輝く鎧は彼の生きた歴史そのものだ。
「お前さん達に教えてもらったのだ。わしの今日までの日常が、どれだけ輝いておったかを、な」
ダンカンの顔は晴れ晴れとしていた。そこにいるのは力を失った老人ではない。
覇気を取り戻した老ハンターを見、ルトガーも思わず会心の笑みを漏らす。
「時間をもてあましただろう。失う前に気付けたのは幸運だったな」
「うむ。あやうくワシは、大事な物を見失うところであった」
時間は戻らない。自身の身体も、感じ方も。彼の住む故郷も、彼の知る故郷ではないだろう。
彼の記憶の中の故郷は、彼の中で美化される一方。美化されすぎてしまうがゆえに、目の前の真実を隠してしまう。
それは誰にでも訪れる話。けれど、誰もが一度は迷う場所。ダンカンはそこから抜け出していた。
ダンカンは手に持った槍を振り上げる。そして朗々と響く声で一堂に告げた。
「今、グラスヘイム王国に5年前の悪夢が再来しておる。
再び襲来した悪夢に多くの者が生活を奪われ、家族を奪われ、嘆きと悲しみの中におるのだ。
この世に助けを呼ぶ声がある限り、何に代えても助けにいかねばならん。わしは、その為に今日まで生きてきたのだからな!」
「じいちゃん!」「じいちゃん!」
「世話になったと、村長や村のみんなによろしく言っておいてくれ」
少年達は涙ぐみながらも、強くうなづき返す。それが今生の別れになるかもしれない、と彼らにも理解できたのだ。
「走れぃ! ハインケル3世!」
ダンカンはそのまま、地平線の向こうへ馬を走らせる。
朝焼けに走り去る彼の後姿を、ハンター達は笑顔で見送った。
「おじいちゃん、元気になったな!」
「元気になりすぎだよ……」
メンターの率直な感想に陽平は苦笑するしかない。
それでも、ダンカンの姿は陽平自身の答えにもなった。
どんなに暗い闇に迷っても、答えは必ず目の前にある。
「じいちゃん、また来てくれるかな」
「きっと帰ってくる。おじいさんの故郷は、リアルブルーだけじゃないと、あたしは思うんだぞ」
メンターは見送る少年達の頭を、わしわしと撫で回した。
依頼結果
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/10/23 02:43:12 |
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相談卓 メンター・ハート(ka1966) ドワーフ|28才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2014/10/24 09:15:25 |