【奏演】LastSong

マスター:風亜智疾

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,500
参加制限
-
参加人数
3~10人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2017/09/12 12:00
完成日
2017/09/25 03:27

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング


 彼女は今日も絵を描いている。
 灰色オオカミの仲間の動物の他に、新しく二羽の青い鳥を加えて、絵を描いている。
 窓から吹き込む風が、彼女の髪をそっと揺らした。
「……元気にならなくちゃね、ヴェラ」
 絵筆を置いて、彼女――ヴェロニカ・フェッロ(kz0147)は微笑む。
 痛む胸は暫く収まりそうにない。一人きり泣いてしまうことも、夢見も食欲も暫くはこのままだ。
 それでも。
 彼女は知っている。
 彼女の願いを叶えるために、戦ってくれた人たちがいることを。
 だから、そんな人たちのために、何か出来ることをしたい。
 感謝を表すには一体どうすればいいだろう。


 同盟内の各地に散っていった元信者たちのフォローへと向かう前に、とヴェロニカに呼ばれたディーノ・オルトリーニ(kz0148)は久々に彼女の家へとやって来た。
「いらっしゃいディーノ、待ってたのよ!」
「……お嬢、少し聞いてもいいか」
「あら、なぁに?」
「この、甘ったるい匂いと大量の食材はどうした」
 ディーノが引き気味なのも仕方ないだろう。
 足の悪い彼女は長年自炊生活をほぼ一人で行っているため、それなりに料理の腕がある。
 独り身のディーノは、食材を買ってくるというお遣いのお駄賃として、よく食事をさせてもらっていた。
「ここしばらく、食欲がないと言ってなかったか」
「いやだわ、私だけで食べるわけないでしょう?」
 まだ涙を流すときがあるのだろう。
 やや腫れぼったい目で笑いつつ、ヴェロニカは焼き上がったハーブクッキーをオーブンから取り出した。
「私が出来る感謝の示し方なんて、あまりないから。みんなを招待しようと思って!」
 それがたとえ、空元気だと自分で分かっていても。
 何かをせずにはいられないのが、事実。
「というわけでディーノ。貴方はお酒を買ってきてね? 私じゃ重いし時間がかかるし銘柄が分からないもの!」
 はいこれ、と財布を握らされたディーノは、こめかみを押さえながら財布を突き返した。
「それくらいは俺が出す……」


 ハンターオフィスの受付担当、バルトロは苦笑交じりに一枚の依頼を貼り付けた。
「依頼っつーより、慰労会のお知らせ、みたいなもんだがなぁ」
 色々あった二人だ。今回くらい大目に見てもいいだろう。
 それに、事実彼女たちに関する事件で、様々なハンターたちには助力もらったのだ。
 ハンターにも、息抜きが必要だろう。
 強面の割には人情に篤いのが、バルトロという男だった。

リプレイ本文

『―――を、よろしく……』

■軽やかなゲームと共に
 ヴェロニカの家の中は、元々彼女が作っていたお菓子以外にも沢山の食べ物や飲み物、花で埋められていた。
「変ね。私が皆へ感謝をと思ったのに」
 笑いながらそう言ったヴェロニカに、持ち込んだプリンを皿の上に出して様々なもので飾り付けていた浅緋 零(ka4710)は小さく笑った。
「みんな、ヴェラと一緒に、遊びたいんだよ……?」
「私も感謝する。素敵な茶会への招待を。ありがとう」
 雨を告げる鳥(ka6258)も同じ気持ちだと頷けば、どこかくすぐったそうにヴェロニカは笑った。
「でもお客様なのに」
「友人としてきたのだ。気遣いは不要である」
 独特な語り口調は、初めての相手には何処か他人行儀に聞こえてしまうだろう。けれど、ヴェロニカは知っている。
 レインはいつだって、周囲を気遣う優しい人なのだと。
「そういえば、レインがくれたあのハーブの苗。私は見るのが初めてなのよ。あとで話を聞いてもいい?」
「私は答える。勿論構わないと」
 嬉しそうに笑ったヴェロニカの方をちょん、と突いて振り向かせた零の手には、味見とばかりに生クリームとフルーツが乗ったスプーンが。
「え、とあの。レイ?」
「あーん、だよ、ヴェラ」
 何処かで見た光景な気がするのは、気のせいだろうか。

 リビングではカードゲームやスケッチブックを広げつつゲームの準備をする晴風 弥(ka6887)とオグマ・サーペント(ka6921)の姿がある。
「ところで、このスケッチブックはどう使うんですか?」
「ふっふっふー。あとからのお楽しみで!」
「はい、どうぞ二人とも」
 楽し気に会話する二人の元へ、飲み物を持って歩み寄ったのは鞍馬 真(ka5819)だ。
「そろそろヴェロニカさんたちも戻ってくると思うけど、準備は出来てるかな?」
「おう! ばっちり!」
「で。書くものはどうするのかな?」
「……あ」
 クィーロ・ヴェリル(ka4122)の言葉に思わず固まった弥に、神代 誠一(ka2086)が笑って肩を叩く。
「大丈夫、ここは外じゃないし、ヴェラが貸してくれると思うよ」
「? 私のこと呼んだ?」
 ひょっこりと顔を出したヴェロニカに色鉛筆を貸してもらう手はずを整え、まずはカードゲーム対決と参りましょう!


 カール・フォルシアン(ka3702)はじっとレイレリア・リナークシス(ka3872)が構えたカードたちを見つめる。
 今回いち抜けしたうちの一人、ルスティロ・イストワール(ka0252)は楽し気にそんな様子を眺めていて。
 最初に始まった「ババ抜き」は、人数が少し多すぎたためチーム戦となった。
 「カール&真ペア」「オグマ&弥ペア」「零&レインペア」「誠一&ルスティロペア」「レイレリア&ヴェロニカペア」だ。
 クィーロは少し離れたところでみんなを見守っている。
 カールは難しそうな顔をして手を伸ばした。
 最初はヴェロニカが持っていたのだが、悲しいかな彼女はポーカーフェイスが出来ないタイプのようで。
 一度目のバトルで最下位になってしまった彼女は、早々にカードをレイレリアに持ってもらう作戦へと切り替えたのだ。
(レイレリアさんは冷静な方です。そう簡単には表情は変わらないでしょう)
 すっとカールが横に視線をずらせば、そこにはハラハラとカードとレイレリア、カールを見やるヴェロニカの姿。
「真さんどう思われますか?」
「……持ってるだろうね」
 苦笑して頷く真に、カールも同意見だ。
「ヴェラ……顔に出てる」
「はっ!!」
「ヴェロニカ様落ち着いてください。そしてすみません、常に笑顔でいて頂ければ助かります」
 遂にはチームのレイレリアからも「笑顔以外ダメ」と遠回しに忠告。
「……はい」
 その様子を見て思わず吹き出す弥とオグマ、誠一。
「まぁまぁ、素直なところがヴェロニカさんのいいところだよね」
 ルスティロのフォローに、がっくり肩を落としながら「ありがとうございます」と蚊の鳴くような声でヴェロニカは感謝の言葉をつぶやくのだった。

 カードゲームは計5回戦い、勝者は「カール&真ペア」が2度1位勝ち抜けで1位。
 残念ながら最下位は「レイレリア&ヴェロニカペア」の1位勝ち抜け0回となった。
「うぅ……ごめんなさい、レイレリア」
「いいえ、楽しく交流することが目的ですから。気になさらないでください」


 次に行われたのは所謂「連想ゲーム」のようなもの。
 スケッチブックにお題に沿ったイラストを描き、それを当てるというゲームだ。
 最初は伝言ゲームのようにしようかと思ったのだが、それだとスケッチブックが正直いくらあっても足りない。
 仕方なく今回はこの手でいこう。ということになった。
 見本というわけではないが、最初にお題を見て絵を描いたのはヴェロニカだ。
 お題を見て首を傾げた彼女がおもむろに描いたのは――1本の太めの布のようなもの。
 やけに古びてボロボロに見える布っぽいそれを見て、顔を引く尽かせたのは部屋の端で様子を見ていたとある中年男。
「わかった……」
 すっと手を挙げたのは零だ。
「ディーノ、でしょ?」
「正解よ」
「おい。よりによって何でストールを描いたんだお嬢」
「そのものは禁止ってルールだもの」
 古いボロボロのストールを身に纏っているディーノを表すには、とてもわかりやすいものだ。
 まずは簡単なもの。わかりやすいもので慣らすというヴェロニカなりの心遣いだったのだが。
 解せぬ、という表情を浮かべるディーノに、みんなが苦笑するのだった。

 次。描かれた絵に、一同が静まり返る。
「あー……すみません、図形なら得意なんですが」
 苦笑する誠一が描いたのは、大きな丸の上に小さな丸が2つ。大きな丸の下にはそれより大きな丸がひとつ。
 そこからにょろにょろと太めの楕円っぽいものが5つ出ていた。
「……図形」
「私は進言する。誠一。図形ではなく絵を描くように」
「……悪い」
 首を傾げるメンバーの中、手を叩いて挙手したのは弥だった。
「はいはい! 俺分かった! ドーナツと大福!」
「確実に違う気がしますね」
「ちぇー」
 ヴェロニカは心当たりがあるのだろう。思い切り苦笑している。
「あっ! 僕分かりましたよ! たぬきさんですね!」
 手を挙げたカールが、珍しく年相応の笑顔で答えを告げた。
「カールさんありがとう……!」
「せんせい……それはない、と思うよ……?」
「そのものはなし、だったのでは?」
 誠一の描いた狸の絵を見て、ジト目の零が呟いてレイレリアが苦笑する。
 肩を落とした誠一と零を見て、遂にヴェロニカは声を上げて笑いだすのだった。

■夕暮れ夜はじめと魔法の水
「や、誠一。ここにいたんだ」
「……悪い。これ飲んだら戻るから」
 いつの間にかリビングから抜け出し、苦笑交じりで振り返った誠一がいたのはヴェロニカの庭先に置かれた石製の長椅子だった。
 手元には、小さめのボトルとグラスが二つ。
「つまみがないと悪酔いしないかな、と思ってさ」
 声をかけたクィーロの手には、彼が持参したおつまみがあった。
 家の中と違って静かな庭先。少しずつ日が陰り夜の帳が下りようとしている。
 二人で軽くグラスを合わせ、ゆっくりとアルコールを喉へと落とす。
 しばらくそうやって無言が続いたが。
 先に口を開いたのはクィーロだった。
「誠一……僕は彼が死んだことに対して、何の感情も抱けないんだ」
 クィーロの言う『彼』。それは、誠一の心に影を落とした人物を指している。
 あの日以来、背を預ける相棒である誠一の様子がおかしいと、クィーロは気づいていた。
 でも、それを直接指摘することはない。
 それをするべきではないと思うし、クィーロは自分に出来ることをきちんと把握しているからだ、
「僕はやはり何処か壊れているのかな?」
 どちらかというと、誰かの死を悼めない自分の方がおかしいのではないかと。そう思ってもいる。
 クィーロ自身、トトーという人間に生きていて欲しいと思ったのは事実だ。
 けれど、こうも思っていた。
 恐らく彼は助からない。きっとここで死ぬだろう。と。
 だから、トトーが死んだことに対して何も思うことはなかったのだ。
 誠一のように悲しめない。それは自分が、人の死に対して何も思えないということではないだろうか、と。
「壊れてなんかない」
 きっぱりと、そんなクィーロの言葉を否定して、誠一はグラスを傾ける。
「他の誰かと比べなくていい。お前はお前なんだから」
 それに、誠一は知っている。伊達にクィーロの相棒をしているわけではないのだ。
「お前がここにいる。それだけでいい。今だって、きっと探してくれたんだろ?」
「……そうだね。でも誠一。さっきの君は、僕と同じ顔をしてたよ。何を抱えてるかは……まぁ想像はつくけどね」
 ふと一瞬表情を凍らせた誠一に、笑ってクィーロはその背を叩き立ち上がる。
「君が話せる時が来たら教えてね。僕は君の隣にいるからさ」
 そのまま手を振って、クィーロが家の中へと戻っていく。
 それを見送って、誠一は残されたつまみとグラスに小さく笑った。
「……サンキュ、クィーロ」


「お酌、しようと思ったけど……」
 零は小さく笑って、踵を返す。
 男同士、相棒同士にしか分からないこともあるだろう。
 零自身も様々な思いがあった。
 ハンターに向けられる憎悪の視線が怖かった。一人で抱え込む大切な人の姿に不安を覚えた。家族を奪った存在への憎しみと、何も出来なかった自分の無力さを思い出し。
 一体自分に何が出来たのだろう、と自問自答を繰り返す日々だった。
 けれど。
 昼間、ゲームの合間に見せてもらったヴェロニカの絵に、少し安心した。
 多彩な色彩は蘇り、僅かに含まれた影が一層物語を引き立てている。
 そして、新たに加えられた二匹の青い鳥。
 それを思い出して、そっと目を細める。
「レイ、どうかした?」
「ヴェラ。……ん、なんでもないよ」
 不思議そうに首を傾げつつ近寄って来たヴェロニカが、庭先の人影に気付いて顔を曇らせた。
「…………」
 思う所があるのだろう。零の友人はいつだって人のことばかり考えて、心を痛める。
 自分のことで辛いことがあっても、まず周りを優先するのは、本当にいいことなのだろうか。
「私は断言する。ヴェロニカ・フェッロ。誠一は大丈夫だ」
 いつの間にかやって来たレインが語りかける。
「彼にも気の置けない友人がいるのだから」
 だから、とレインは思う。
 だから自分も、零やヴェロニカにとって、そうありたいと。
「……そう、ね。ありがとう、レイン」
 小さく笑うその心に、まだ影は残っているのだろう。それでも、いつかと。レインは願う。
 いつか、彼女の心を晴らすことが出来ればいい、と。
 そう、強く思った。
「……そう、だ。レイン、これ……」
 ふと、零はポケットから取り出したものをレインへと差し出す。
「……これは?」
 渡されたのは、てるてる坊主を咥えてとんがり帽子をかぶった、フェルトで作られた燕のストラップ。
「レイの、お手製。……自信作、だよ」
 手のひらの贈り物を暫く見つめ、レインは珍しく。本当に珍しく、小さく口角を引き上げた。
 それはもしかしたら、無意識だったのかもしれないが。
「有難う、レイ。大切にしよう」


「あぁ、ディーノさん。こちらでしたか」
「俺に用だったか。すまん」
 お酒の入ったグラスを差し出して、真は笑った。
 それを受け取ったディーノと軽く杯を合わせ、壁に背を付けつつ僅かに離れた場所からメンバーたちを眺める。
「一度、ちゃんとお話してみたかったんです」
「……俺の話なんざ、参考にもならんがな」
 肩を竦める男の目は、戦場とは違い僅かに柔らかい。
 視線の先には、絵本作家を囲む彼女の友人たち。
「……感謝している。お前たちのおかげで、ヴェラは今も笑っている」
「いえ……私は何も出来ませんでした。悩んでばかりで」
 自嘲気味に呟かれた言葉に、ディーノはそっと自身の隣に立つ真へと視線を移す。
 少し何かに迷うようにした後、ゆっくりと口を開いた。
「誰もが、同じ方法で助ける必要は、ない。各々が、各々に出来ることをすれば、十分だ」
 ハンターはチームで戦うもの。個々人の能力が高ければそれだけでいい、というわけにはいかない。
「お前のように、冷静に状況を見据える者も必要だ。……お前が役に立たなかった、ということは、絶対にない」
 口下手なディーノなりに、励ましているのだろう。
 それが分かっているから、真は言葉を遮らないし、否定の言葉を口にしない。
「お前はヴェラも、トトーも、間違いなく救った。……お前なりの、やり方を見つけてみろ。それだけで、捉え方が変わることもある」
「私なりの、やり方……」
 グラスの酒を一気に飲み干したディーノが壁から背を離す。
 向かう先は、透明な液体の入ったグラスに手を伸ばすヴェロニカの元だ。
「全員がヒーローでは、統率は取れない。全員で、ヒーローになってみろ」
 柄じゃないがな。
 小さく笑って足早にヴェロニカの元へと向かったディーノが、ヴェロニカの手元からグラスを奪った。
「ちょっと。何するのよディーノ」
「お嬢に酒を呑まれるのは御免だ」
「む。なんでよ」
「……被害者をこれ以上増やしたいのか」
「酔って抱き着くだけでしょう!?」
 珍しくキャンキャンと噛みつかんばかりに言い募るヴェロニカと、そ知らぬふりでグラスの中身を飲み干すディーノを眺めて、真は笑う。
「全員で、か」
 その言葉の意味を知る日が、いつか来るのだろうか。

 ――日は落ち、月と星の光が世界を支配する。
 
■数多の祈りと
 足の悪いヴェロニカの趣味の一つが、庭でハーブを育てること。
 その話を聞いて以来、誠一は一度その庭へ訪れたいと思っていた。
 時に陰る事もある色彩は、再び明るさを取り戻し始めていて。
 月明りの下、音も気配も決して歩を進めた誠一の眼前に広がっているのは、多種多様な草花たち。
 風に揺れるその中で、ふと目に留まった青い花弁に足を止めた。
「――それは、フラックスというハーブよ。先生」
 淡い光の中でも確かに色付くその花に小さく触れた彼の背後から、そっと小さな声が響く。
 へらり、と笑みを零しつつ、ゆっくり振り返る誠一の視線の先。想像していた通りの人影があった。
 これは怒っているな。直感で、彼はそう思う。眼前のヴェロニカは確かに笑っているのに、その視線にはどこか力がある。
「こんばんは、先生。想像していたけれど、案の定だったわね」
 眠れないのならハーブティでも淹れたのに、と小さく頬を膨らませる彼女に苦笑しつつ、自分の隣を視線で指し示した。
 小さく音を立てて草花が揺れる。その音を背景に、夜の静寂に小さな声が響く。
「……ごめんな、ヴェラ。君に青い鳥を返してあげられなくて」
 微かに、隣に立つ彼女が息を飲んだ、気がした。
 ずっと考えていた。
 あの時『彼』にああいう最期を与える以外の方法は、本当になかったのかと。
 生きてさえいれば、やり直すことは何度だって出来る。出来た。
 けれど。命を失ってしまえば、もうやり直すことも出来ない。
 刀越しに確かに貫いたその生命を、本当に永らえさせる方法はなかったのか。
 大切な友人である彼女の青い鳥を、彼女の元に返してやることは、出来なかったのかと。
「青い鳥を君に返すことは出来なかったけど。君の周りに倖せが満ちるよう、世界を広げる手伝いなら出来るから」
 努めて笑顔で。不安にさせることのないように。意識して、声が沈まぬように。
 ――己の心と、同じように。沈まぬように。
「……先生は、自分の選択を後悔している?」
「いや、それはない。絶対に」
「本当に?」
 後悔『してはいけない』と言い聞かせているのではない?
 ヴェロニカの言葉に、一瞬息が詰まったのは何故だろう。
 それでも、と。誠一は思う。考える。考え込んでしまう。
 どうしていつも、守りたいと、手にしたいと、掬い上げたいと思うものほど手のひらから零れ落ちていってしまうのか。
 守りたくて手にしたくて足掻いてもがいて苦しみ抜いて。――それでも、彼の手をすり抜けた。
 こんなはずじゃなかったと。もっと別の方法があったんじゃないかと。いっそ、消えてしまいたいと願ってしまうほどに。
 痛む胸を誤魔化して嘘をついて騙して。それでも見ないふりが出来きずに酷い罪悪感と悲歎だけが、心と体を締め付ける。
「―――ぃ」
 遠く、耳鳴りが響く。
 血と硝煙の臭いと、斃れる数多の人々。
 助けたい。助けられない。救いたい。掬えない。どうして。
 自分の手は血濡れていると、そんな幻視は絶えず。こんな手じゃなにも守れないと、掴めないと、何処かで誰かが囁いている気が、して。
 ぐっと、服越しに古傷をきつく握りしめるように押さえた。
 痛い。傷が? 違う。痛いのは。音も光も感じない。暗闇に叩き込まれて、息も――。
「セーイチ!!」
 バチン! と。急に取り戻された聴覚が拾ったのは何かを叩くような音。
 次に取り戻されたのは痛覚。じわじわと、頬に痛みがやってくる。
 一体何が、と。目を瞬けば。
 レンズの向こう、眉を吊り上げながら両手を伸ばして自分の頬を手のひらで挟む、大きな空色に涙を湛えたヴェロニカがいた。
「人の話を聞いて! セーイチのばか!!」
 拙い罵声に釣られて零れた彼女の涙は、彼にとって三度目の涙だ。
「私は、貴方にそんな想いをさせるためにあの絵を託したんじゃないわ」
 あの時、ヴェロニカが託した青い鳥。
 あれは確かに、自身にとって青い鳥であったトトーとエミリを想って描いたものだった。
 誠一もそれは確信に近く理解していた。
「知ってる? セーイチ。青い鳥は、最後主人公たちの手から離れるのよ」
 倖せの鳥は少年と少女の元から魔女の元へと譲られた。そんな童話の結末を、彼女は知っている。
「私、青い鳥は自由の象徴だと思っているの」
 唯一、誠一が彼女の想いを捉え間違っていたのは、そこだった。
 彼女にとって青い鳥は、幸せを運ぶ鳥というだけではなかったのだ。
 彼女が青い鳥――トトー達に願ったのは、自由と解放。
 何にも囚われることなく、自由に空を飛べるように、と。
「思い出して、セーイチ。トトーは、貴方に恨みを残していってしまった?」
 下から覗き込みながら、涙で濡れた顔で彼女は問う。
 最後の最期、トトーが残したのは怨嗟だったのかと。
「……いや」
 違う。あの時トトーは、刀を手にした自分に何と言った?
 彼はこう言ったのだ。微笑んで、しっかりと誠一の目を見て。

『悔やまないでくれ……僕にとって、これが、残された、最後の救い、なんだからさ』

 救いとは、何をもってそういうのだろう。
 命が続くこと。未来があること。それが救いである人は多いだろう。
 けれど、そうでない人も確かにいるのだ。
 自分の意思からかけ離れ、操られた先の未来を望まぬもの。
 彼があそこで終わることは、彼にとっての救いだったのだ。
「彼が終わりを救いだと言って、セーイチがそれを与えたのなら。貴方は確かに救ったのよ」
 それがいいことなのか悪いことなのか。それは与えられた本人にしか分からない。
 そしてトトーは、それが救いだと笑った。
「失ったものを振り返ることが悪いとは思わないわ。でも、お願いだからそれと同じだけ救ったものも振り返って」
 血に濡れてなお、前に進むというのなら。
 過ぎ去った後ろを悔いると同時に、来る先に望み希う光を見出してほしい。
 それは、もうずっと彼に救われてきたヴェロニカが強くつよく願うこと。
「捨てる必要はないわ。抱えても構わない。だってそれが、今の貴方を作るものだもの」
 月明りの下、泣きながら微笑むヴェロニカを見下ろす。
「セーイチ。貴方が自分を赦すことが出来なくとも、貴方の周りの人は貴方の傍にいるわ」
 今日集った仲間の中にも、そっと彼を労わる人たちがいる。
 静かな庭のその中にいるのは、確かに誠一とヴェロニカの二人だけだけれど。
 家の中から、屋根の上から。その想いは捧げられている。
 されるがままの誠一に、ヴェロニカは一等美しく微笑んだ。
「勿論、私も傍にいるわ。だって私、セーイチのこと大好きだもの」
 頬を撫でる少し冷たい風に、場違いながら過行く季節を感じて。その後、あぁ、彼女が手を離したのだと誠一は気づいた。
 数歩、先を歩く彼女が、くるりと一度だけ振り返った。
 ついと指さされたのは、自分の胸元。
「それは、私から貴方への贈り物。……立ち止まったら、鳴らしてみて。私が手を引きに行くわ」
 笑って家の中へと戻っていくその背を見送った後、そっと自分の胸ポケットに違和感を覚えて視線を落とす。
 そこには、小さな銀色のハーモニカと、それに細いリボンで括りつけられたセンテッドゼラニウムが1輪。
 ゆっくりと目を伏せ、一度大きく息を吐く。
 見上げれば空には柔らかく光る月。
 後悔は、まだ消えない。それでも、挫折も痛みも自分の一部だというのなら。
 それら全てを益へと変えられるように。月明りに手を翳し、光を掴むように握り込む。
 すべて抱えて、それでも仲間と歩いていけるように――。

 センテッドゼラニウム。花言葉は――『君ありて幸福』


 玄関の中。そっと壁から背を離してクィーロは息を吐く。
 いつの間にか自分まで息を詰めていたらしい。小さく苦笑ひとつ。
 一体いつからこんなに心配性になったのだろう。
 年上の相棒は、自分より老成しているようでその実自分よりも危うい部分がある。
「……もうしばらくは、大丈夫かな……」
 零れた息は、安堵を含んでいた。
 視線を落として自分の手を見れば、そこには真新しい酒とレモンバーベナの葉が一枚。
『彼を救ってくれて、ありがとう。クィーロ』
 昼、ふと一人になったときに寄って来たヴェロニカが、感謝の言葉と共に彼へと手渡したものだった。
 それを見つめつつ、クィーロは思う。
(でも君が、重さに耐えられなくなった時は……)
 その時自分はきっと、その重荷全てを吹き飛ばす暴風になるかもしれない。
 小さく音を立てて玄関が開かれたその時にはもう、クィーロの姿はそこから消えていた。
 その場に残されたのは、毛布とホットミルク。
 レイレリアが用意し、クィーロに託した、誠一を労わるものたちだけだった。

 レモンバーベナ。花言葉は――『忍耐』


 屋根の上、真はゆっくりと星空を見上げて息を吐いた。
 彼とは違った意味で後悔していた自分が、どう言葉をかけていいのかと悩んでいたこともある。
 だから、そっと見守って、その心が穏やかであるようにと願うしかなかった。
『シン、彼の最期に一緒にいてくれて、ありがとう』
 ヴェロニカからの感謝に対して、どうしても素直に受け取れなかったのは真自身が『自分は迷って役に立てなかった』と罪悪感を抱いていたからだ。
 自分が動かなかったせいで、誠一が傷ついたのではないかと。そう考えてしまうことも、少なからずあったかもしれない。
「でもそれはきっと、神代さんに失礼だね」
 それすら抱えて歩もうという彼を、心から真は尊敬している。
 だからこそ、祈る。
 彼が心穏やかに過ごせるように、と。
 そのためになら力になろうと。強く思った。
 真の服の内ポケット。ディーノから譲られたダーツと一緒に入れられた、ヴェロニカからのカモミールがそっと香った。

 カモミール。花言葉は――『逆境に負けぬ強さ』


 彼女の家はそう広くはない。足が悪く動きづらいこともあるからだと彼女は笑っていたが、庭はそれなりの広さだった。
 矛盾しているその事実に絵本作家は笑って、生き物を育てることが出来ないから、代わりに草花をたくさん育てたいのだと語った。
 実に不思議な人だと、家の裏側、小さな裏庭で月を見上げていたルスティロは思う。
「……僕は結局、自分の意地を通しただけなんだよね」
 ねぇ、カーバンクル。と、自分の守護精霊へと語りかけるように紡がれる言葉は、庭や屋根の上、家の中にいる誰にも聞こえない。
「彼女の苦しみを僕は背負わなかったし、彼に希望を見せることもなかった」
 皆といて楽しかった。けれど、結局自分は『語り手』でしかないのだと、そう思う。
 トトーの事件も、今日この日の出来事すらも。自分にとっては一つの物語。
 だからなのかもしれない。何処か、居心地が悪いと。あの場にいてもいいのかと、思ってしまったのは。
「それでも。彼女に幸せな物語が続くなら……僕はそれで十分だ」
 物語はハッピーエンドで締めくくられるべきだ。
 悲しい物語よりも、ルスティロが好むのは幸せな物語。
『ルスティロ。私は貴方もまた、彼を救ったと。そう思っているわ』
 昼にそう言ってランタンとローリエの葉を手渡してきたヴェロニカは、もしかしたら彼が夜に家を抜け出すのを感じ取っていたのかもしれない。
 そんな彼女の物語を悪用した敵。だから。
「もし、またあの歪虚が物語を歪めるなら僕は……」
 金の髪、嫉妬の色の瞳を持つ歪虚。エミーリオを思い出し、彼は決意を新たにする。
 もしまた物語に濁った色味を加えるというのなら、全力でそれを消し去ろう。と。
 何故ならルスティロは、ハンターの物語を英雄譚として語り継ぐものなのだから。

 ローリエ。花言葉は――『栄光・勝利』


 窓から外を眺めていたカールは、そっと息を吐いた。
 庭で、屋根の上で、家の中で、裏庭で。
 至る所で、それぞれの想いが語られ、祈られている。
 自分もまた同じ。
 今までの依頼で出会った人や、起こったことを振り返りつつ緩やかに吹く風を身に受けていた。
「ままなりませんね、人というものは」
 命続くことが救いになるもの。命終えることが救いになるもの。
 答えが一辺倒でないからこそ、人は悩み苦しみ、そしてもがきながら進んでいく。
 身を斬り裂く痛みを伴っても尚、それは変わらない。
 信頼する神代が心に抱えていたものと、僅かでも自分の抱く想いは同じだろうか。
 それも、どうなのかは語りつくさなければ分からないことだが。
『命を終えることで救われる。そんな人も、必ずいるのよ』
「それでも僕は……」
 昼間、カールへ向けてヴェロニカは言った。命が続くことだけが救いではないと。
 そっと手渡されたヤロウの葉と一冊の童話を撫でつつ、思う。
 たとえ自分の想い通りにならなくても、誰かを救うことを諦めたくはないのだ。
 だから、そんな険しい道を歩く彼を、自分なりの思いでケア出来たらいい。
 そう願った。

 ヤロウ。花言葉は――『治療・指導』


「みんな、大変だったんだろうなぁ」
 布団に寝転がりながら、弥は思う。
 彼は今回の事件について詳しくは知らない。
 けれど、だからこそみんなを明るくしたいと思って、今回ここにやって来たのだ。
 夜の帳に紛れて色々なメンバーが思い思いに自分の心と向き合っている。
『ありがとう、ワタリ。貴方のおかげで、みんな楽しそう』
 くるり、手に持ったタイムの葉を回しながら思い出すのは、日中ヴェロニカに言われた言葉。
 一緒に渡された蜂蜜は、弥がハーブティへ淹れて喜んでいたのを見て、ヴェロニカがお土産にとくれたものだった。
「次は俺も、手伝えるように頑張ろう」
 ぐっと手を伸ばす。
 いつか彼女の力になろう。そう、胸に誓って。

 タイム。花言葉は――『行動力・活動的』


 家の中に戻って来たヴェロニカと顔を合わせたのはオグマだった。
「オグマも起きていたのね」
「えぇ、お時間は取りません。少しだけ、ヴェロニカさんとディーノさんとお話ししたくて」
「……俺もか」
 リビングから姿を現したディーノもまた、眠っていなかったらしい。
 小さく苦笑して、ヴェロニカが頷いた。
 色々なことがあった。今回の事件は、参加したハンターだけでなくヴェロニカやディーノの心にも、消えない何かを残しただろう。
 彼女の絵が明るいだけでなく、どこか影を含んだものになったのも、それが一因だろうから。
「何事も、ゆっくりで良いと思います。みんな、ヴェロニカさんに無理をしてほしいわけではないし、私に比べれば時間がある」
 皆の前で笑顔を絶やさなかったヴェロニカ。それはきっと、安心させるためだったのだろうとは思う。
 彼女の気持ちは、思いは分かる。けれど、みんな無理を望んでいるわけではないのだ。
「時間が必要な出来事もあります」
 そう言って、今度はディーノへも視線を向ける。
「私で手伝えることがあれば、いつでも手伝わせてください」
「……感謝する。オグマ」
 ディーノの言葉に頷きで同意して、そっとヴェロニカが何かを取り出しオグマへとそれを渡す。
「力強く優しいオグマへ。貴方も偶には息抜きをしてね?」
 微笑んで、ヴェロニカは寝室へと消えていった。見送ってディーノもリビングへと戻っていく。
 オグマが手のひらへと視線を向ければ、そこにはクレソンの葉と蜂蜜の小瓶がひとつ。

 クレソン。花言葉は――『不屈の力』


 ヴェロニカが寝室に戻ったとき、実は零もレインもレイレリアも、誰も眠ってはいなかった。
 けれど彼女の意思を尊重して寝たふりをしていたのだ。
 気づかずに眠りについた彼女が寝息を立て始めてからしばらくして。そっと零は目を開いて体を起こす。
 ちょうど同じタイミングで、反対側からレインも体を起こした。
「……ちょっと妬ける、ね」
「よほど心配だったのだろう。ヴェロニカ・フェッロらしい」
 庭でどんな会話がされたのか、零たちには分からない。
 けれど、そっと覗き込んだヴェロニカの目元が腫れていたから、多分また誠一の前で泣いたのだろう。
 ずるいな。と。零は小さく唇を噛んだ。
 支えたいのに、いつも上手に先に手を差し伸べるのは自分の『せんせい』で。自分は二番目になってしまう。
 本当は自分が一番傍で、支えてあげたいのに。
 果たして零の小さな嫉妬は、どちらに向けられているのだろう。
 せんせいか、ヴェロニカか。
 ふと考え込みそうになった零を呼び戻したのは、レイレリアの声だ。
「……やはり、安眠は出来ていないようですね」
 眠りながら、それでも手を固く握りしめ、涙を流すその姿から、悪夢を見ているのだろうということは簡単に想像が出来た。
「悲しむ心は尊いもの。怒りや憎しみも同じ。その記憶を忘れる必要もない」
「えぇ、その通りです」
 労わるように、布団の上へと置かれるレインの手。言葉に同意するレイレリアの頷き。
 零は考える。
 自分は、レインのように言葉巧みではないし、レイレリアのように導く言葉が紡げる自身は、あまりない。
 自分に出来ること。それは。

『……寂しがりなんだ、彼女は……』

 そう。彼も言っていた。ヴェロニカは、寂しがりなのだと。
 そして今は夢の中、きっと一人ぼっちで悲しんでいる。
 だから自分に出来る精一杯で、友だちである彼女を支えたい。助けたい。
「大丈夫、一人じゃない……よ」
 魘されるヴェロニカの手を取って、柔らかく頭を撫でる。
「青い鳥は、笑って、飛び立った……。……大丈夫。足が……動かなくても、想いは、届いたよ」
 大切な人たちの傍に。夢の中でも、その心を守れるよう、寄り添うために。
 優しく紡がれる言葉と、温かい手。
 やがて、涙が止まり、固く握りしめられた手が緩んだところで、そっとその手を繋いだ。
「ずっと一緒、だよ……」
 小さく、ヴェロニカが微笑んだような、そんな気がした。

 翌朝。いつの間にか眠っていた三人より先に目を覚ましたヴェロニカによって、そっとそれぞれの荷物の中へと贈り物が入れられていた。
 零とレインには、ヴェロニカとお揃いのバレッタとマーシュマロウが一輪ずつ。
 レイレリアには、小さなロザリオとラークスパ―が一輪。

 マーシュマロウ。花言葉は――『恩恵・優しさ』
 ラークスパ―。花言葉は――『清明・慈悲』


 夜が更ける。やがて訪れる明日のために。
 日はまた昇る。いつか振り返る昨日のために。
 全ての人の祈りと願い、想いを紡ぎながらまた、今日も世界は続いていく。
 時に傷つき、悩み、悔い、それでも前へと進む。
 そんな彼らをそっと労わるように、時に背を押すように。
 風がそっと、リビングテーブルの上に置かれたスケッチブックをめくる。
 そこには、草花の中、ゲームに興じる14匹の動物たち。

『――ヴェロニカを、よろしく……』

 囁かれるように、何処からともなくそんな声がした、気がした。


 END

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  • 英雄を語り継ぐもの
    ルスティロ・イストワール(ka0252
    エルフ|20才|男性|霊闘士
  • その力は未来ある誰かの為
    神代 誠一(ka2086
    人間(蒼)|32才|男性|疾影士
  • はじめての友達
    カール・フォルシアン(ka3702
    人間(蒼)|13才|男性|機導師
  • 六水晶の魔術師
    レイレリア・リナークシス(ka3872
    人間(紅)|20才|女性|魔術師
  • 差し出されし手を掴む風翼
    クィーロ・ヴェリル(ka4122
    人間(蒼)|25才|男性|闘狩人
  • やさしき作り手
    浅緋 零(ka4710
    人間(蒼)|15才|女性|猟撃士

  • 鞍馬 真(ka5819
    人間(蒼)|22才|男性|闘狩人
  • 雨呼の蒼花
    雨を告げる鳥(ka6258
    エルフ|14才|女性|魔術師
  • ゲーム好き
    晴風 弥(ka6887
    人間(蒼)|18才|男性|疾影士
  • その幕を降ろすもの
    オグマ・サーペント(ka6921
    ドラグーン|24才|男性|符術師

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ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
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2017/09/08 21:47:04
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神代 誠一(ka2086
人間(リアルブルー)|32才|男性|疾影士(ストライダー)
最終発言
2017/09/11 01:08:18