• 転臨

【転臨】希望の灯りと共に

マスター:赤山優牙

シナリオ形態
イベント
難易度
普通
オプション
  • relation
参加費
500
参加制限
-
参加人数
1~25人
サポート
0~0人
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2017/09/21 22:00
完成日
2017/10/01 23:21

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●希望の灯り
 イスルダ島沖海戦で圧倒的な勝利を得たフライング・システィーナ号は随伴艦を伴って、イスルダ島の港の一つを制圧した。
 王国海軍本隊の一部も同じ港へ入り、物資の荷下ろしや軍港の機能回復へと作業に入る。島内部へと向かう部隊を援護する為の後方支援拠点の構築という訳だ。
「……明るいですね」
 水の精霊が甲板で周囲を見渡す。港町全体が光のオーラに包まれているのかというほど、明るかった。
 陽が暮れたので、辺は一面、闇に覆われている。拠点は篝火が焚いてあるが、見張り程度のもので水の精霊が言うほどのものではない。
 光を発しているのは、フライング・システィーナ号そのものだった。
 数え切れないほどのサーチライトや魔導照明が照らす様は、さながら、不夜城だ。
「付けられるだけ、付けましたから」
 フライング・システィーナ号と随伴艦隊を指揮する『軍師騎士』ノセヤが苦笑を浮かべながら言った。
 本人もここまで明るいとは思っていなかったようだ。
「ノセヤさん、これって、的になるのではないのですか?」
 水の精霊の疑問はもっともだ。
 敵の攻撃目標になるリスクを減らす為に、夜は最低限の見張りの灯りだけで、重要施設には灯火管制を敷くのが戦場のセオリーだ。
 これでは狙って下さいと言っているようなもの。
「なりますね」
「良いのですか?」
「良くは無いですが……理由はあります」
 そう前置きしてから、ノセヤは言った。
「上陸した本隊を遠くから支援する為の……囮です」
「でも、確実に鳥人雑魔が向かって来るかどうかは分からないのでは」
 かなりの数を先の海戦で撃墜したが、全滅したという訳ではないだろう。
 どの程度で“鳥人雑魔を創りだす”事が出来るかも分からない。一定数は戦力が補充されていても可笑しくはないはずだ。
「向かって来ますよ。それは、彼らが、傲慢――アイテルカイト――だからです。彼らは、必ずフライング・システィーナ号を狙って来ます。戦略的な意味もありますが、何より、『人間に撃退された』という事実を受け入れらない。次の襲撃は前回とは違う条件で挑んでくると読んでいます」
「……つまり、夜襲はあり得ると」
「そのようになると誘っているのです。我が物顔で軍港を明るくしていれば、プライド高い彼らはそれを無視できないと」
 ノセヤの説明に水の精霊はポンと手を叩いた。
「それを見越しての囮!」
 だからこそ、イスルダ沖海戦で、フライング・システィーナ号は先行し、囮の役目を果たしたのだろう。
「囮としての役目を果たしながら、船を守るという事も同時に達成する為には、ハンターの皆様のお力があってこそですが」
「信頼、されているのですね」
「……そうですね。ソルラ先輩が最後まで、ハンターの皆様を信じたように」
 黙するように瞳を閉じたノセヤは言葉を続ける。
「私にとって囮の役目はあくまでも作戦的なものです。本当は違うのです」
 首を傾げる水の精霊。
 ゆっくりと目を開くと静かにこう言うのであった。
「この灯りは、希望なのです。イスルダ島に灯った、私達、人間が諦めていないという名の……」
 ――と。

●ウーザー・イマッド
「ぶぁかにしぉってぇぇぇ!」
 軍港の防衛を自認していた傲慢歪虚ウーザー・イマッドが叫んだ。
 理由は明らか……先の海戦で航空戦力を失っただけではなく、港を制圧され、更に、煌々と光っているのだ。
「こ、こんな事が、あの御方に知られれば……」
「分かっておるわぁぁぁ! 築き上げたこの地位ぃぃぃ! 失う訳にはいかぬぅぅぅぅぅ!」
 八つ当たりのように部下を叩くウーザー。
 人間如きにこの失態。万が一にも、あの御方に知られればどうなるか、想像するに容易い。
「こうなったら、夜に乗じて全力であの船をぉぉぉ! 沈めるのだぁぁぁぁぁ!」
 ダンダンダンと床を踏み鳴らす。
 ちなみに、あの船とはフライング・システィーナ号の事である。
「内陸に向かう人間共の部隊は如何いたしますか……」
 部下の一人が恐る恐る確認した。
 島の内部に向かって人間共が進撃を続けている。当然の事ながら、それを阻止しなければならない。
「船を沈めてしまえば、袋の鼠よぉぉぉ! 陸上部隊のみで牽制させろぉぉぉ」
「そ、それでは、ここの守りが……」
「沈めれば問題ないのだぁぁぁ! ぶぁかものめぇぇぇぇ!」
 ビシビシと部下の頭を叩きながら叫ぶウーザーは気付かなかった。
 自分達が居る場所が、『軍師騎士』ノセヤの斥候に発見されている事を。

●クロス・カウンター
 斥候からの報告を受け、ノセヤは静かに頷いた。
 鳥人雑魔の拠点が分かったというのだ。同時に、その拠点から、内陸部に進撃を続けている本隊の横、あるいは後方に向かって歪虚部隊が出撃したという。
「動きましたね……戦術の基本は、戦力集中ですが、ここは敢えて絡め手でいきます」
 敵は航空戦力と陸上戦力を分けて動いた。
 夜間空襲でフライング・システィーナ号を沈めると判断しての事だろう。
 対空砲火を闇夜を利用してくぐり抜けられると考えているかもしれない。
 もし、ノセヤが相手の立場なら、拠点の防衛かあるいは、航空戦力と協同しての襲撃を行ったはずだ。
「こちらの戦力も限られていますが、急ぎ、ハンター達に応援を」
 ノセヤは速やかに書類に必要事項を書き込んでいく。
 転移門を利用してハンター達を呼び寄せ、戦力を補強するのだ。
「作戦目標は三つ……難しいとは分かっていますが、今こそ、好機です!」
 船の防衛だけではなく、内陸部へ侵攻する友軍の支援と、敵本拠地への奇襲攻撃。
 攻める姿勢を崩さないノセヤの策が、吉と出るか凶と出るか……それは、ハンター達の働きに掛かっているのであった。

リプレイ本文

●フライング・システィーナ号防衛
 数々の照明が眩しい。その明るさに慣れてしまうと、闇夜に乗じて攻めてくる敵を見つけるのが遅れてしまうのではないかと思うほどに。
 皐月=A=カヤマ(ka3534)が島をみつめる。
「いよいよ、イスルダ島奪還も本番って感じだな」
 王国軍は島内部の神殿に向かって侵攻している。
 攻めるとなると、兵站の重要性は高まる。転移門が設置してあるフライング・システィーナ号は、拠点として重要な位置付けだ。
「最後まで、気ぃ抜かねーようにしねーとな」
 手にした無線機を見つめる。
 ここでフライング・システィーナ号に損害を出す訳にはいかないのだ。
 ぐるりと回した視線の中で『軍師騎士』ノセヤの姿が見える。
 彼はストゥール(ka3669)と何やら会話をしていた。
「それでは、船尾はお任せします」
「あぁ、任された。ここで指揮をしっかり、な」
 フライング・システィーナ号には弱点が幾つか存在する。その中の一つは船尾にある巨大な外輪だ。
 これを破壊されると船の移動手段が無くなってしまう。そして、イスルダ島の港に外輪を直せる施設はない。
「何があっても、船は守る」
 そんな決意の言葉と共にライフルを肩に掛けて、ストゥールは歩き出した。
 長い髪を結い止めながら歩く彼女の背中に向かってノセヤは声を掛けた。
「それでは足りませんよ……船を守った上で、必ず、生き残って下さい」
 一瞬、足を止めたストゥールは右手を掲げた。
 立ち去る姿を見届けると同時に、警報が鳴り響く。
 照らされた空に、黒い点のようなものが多く見えてきた。鳥人雑魔による空襲が始まったのだ。

「2時方向から、次に5時方向、来襲!」
 キヅカ・リク(ka0038)の声が拡声器を通じて響く。
 情報を収集し、それを仲間達に伝えているのだ。
「飛んで火にいる何とやら、だな」
 LEDライトを手にして鈴胆 奈月(ka2802)が呟くと場所を移動する。
 襲来方向に合わせて迎撃しようという事だ。夜空だが、照明のおかげで敵の姿はハッキリと見える。
 わざわざ自前のLEDライトで照らす必要はないが……。
「文字通り……サーチ&デストロイ、かな」
 それでも、LEDの灯りを放ちつつ、奈月は光輝く三角形を作り出した。
 光の筋となって、鳥人雑魔へと向かっていく。LEDライトと機導術の融合だ。
 十分な灯りがあるといっても昼間ではないので、やはり、勝手は違ってくる。
 周囲をしきりに気にしながら、マリィア・バルデス(ka5848)は大型魔導銃の銃口を空へと向けた。
「猟撃士の本気を見せてあげるわ……」
 その銃はもはや、人が持てるという代物ではない。覚醒者であるハンターだからこその武器だ。
 本来は車載などが基本となる重さがあるが、それに見合うだけの威力を持っている。
 仲間の銃撃を掻いくぐって迫る1匹の鳥人雑魔に狙いを定めた。
「消えなさい」
 引き金を引くと凄まじい反動。
 打ち出された弾丸は、鳥人雑魔の頭を直撃した。空中でバランスを崩して落下していく。抱えられていた負マテ塊と共に海面に激突し、大爆発を起こした。
 立て続けに銃撃し、リロード。次はマテリアルを込めて放つ。
「……行動不能すれば、落下はする…か」
 マテリアルによる弾丸の雨により敵を行動不能に陥れる力だ。
 かなり有効ではあるが、マリィアはスキルを切り替えた。範囲が限られているというのもあるが、落下した後に抱えられていた藻雑魔が海面を漂っていたからだ。
 前回、かなりの数の藻雑魔が海面からよじ登ってきていたからだ。
 弓矢にて鳥人雑魔を迎撃していたジュード・エアハート(ka0410)は、何度かの射撃である事が気が付いた。
「やっぱり……そういう事だよね」
 藻雑魔の事だ。前回、落下される前に打倒す事ができた。
 だが、今回、その手応えが違うのだ。自爆や増殖する機能があるのではないかとも勘ぐったが、それらの新機能は無いようだ。
「……硬いね。前回の反省かな」
 素早く矢を番えて狙う。ただの矢ではない。特別な矢だ。
 もし、自分がウーザーの立場なら、前回の教訓を活かすだろう。つまり、落下する前に倒されるのであれば、それに耐えられるだけの強化を施した上で、と。
「考えてみれば、短い時間の間で複雑な機能には仕上げられないだろうしね」
 仲間達に藻雑魔が強化されていると伝えつつ、ジュードは矢を放った。
 煌々と輝く空を一矢が貫いていった。

 対空戦が続く中、Uisca Amhran(ka0754)はノセヤからの指示に驚く。
「白兵戦用意! ハンター達の行動を最優先とし、各船員は内部への侵入を許すな」
「乗り込んできますか?」
 その問いにノセヤは頷いた。
 港の中で魚雷型の負マテ塊が使えない以上、爆撃の雨を降らすか、直接乗り込むかしか船を沈める手段はない。
 藻雑魔の耐久力が上がっているという事はつまり、上陸してくる事が前提なのだろう。
「素晴らしい情報ですよ。射撃に対応している方々はそのまま、ハンター達にも注意を呼び掛けて下さい」
「分かりました。ノセヤさんも気を付けて」
 Uiscaが注意を呼び掛けた頃、敵の空襲も厳しくなってきた。
 砲火を避けて肉薄する鳥人雑魔から落とされた藻雑魔。
 リンカ・エルネージュ(ka1840)が駆け寄った。
「照明には手を出させないから!」
 魔導照明に狙ってくると予想していた。
 照明は複数あるので、一台か二台、壊されても影響は無いかもしれない。
 それでも、これは希望の光なのだ。それを無残に破壊されるのを見逃す訳にはいかない。
 霊剣を掲げてリンカは魔法を詠唱する。
「……時の流れすら凍えさす力よ! 鋭き刃で切り裂き、蔦氷となれ!」
 マテリアルで錬成された氷の短剣が藻雑魔に突き刺さると、そこから蔦状の氷が広がった。
 動きが鈍くなった所を奈月のデルタレイが追撃。
「空を狙いつつ、ね」
 デルタレイの標的は3つだ。その内の一つを藻雑魔へと向けたのだろう。
 ハンター達は奮戦しているが、全ての鳥人雑魔は倒せない。そもそも、数に差があるので仕方ない事だ。
 だから、防衛線を突破して藻雑魔が甲板に降り立つのは当然の事。
「来ると思ったでちゅよ!」
 北谷王子 朝騎(ka5818)が符を構えながら叫ぶ。
 こうなるとは分かっていた。しかし、外輪自体を狙っている……という訳ではなさそうだ。
「狙いは船そのものか」
 近くで戦っているストゥールがそう言った。
 外輪自体を狙うならば、爆撃で集中させればいい。だが、そうでないという事は、白兵戦での制圧を考えているのだろう。
「ここは私に任せて、中央へ向かえ」
「分かったでちゅ!」
 朝騎は甲板を駆け出した。
 中央付近では藻雑魔との死闘が繰り広げられているからだ。
「指令所の位置がバレたか?」
 藻雑魔の群れがノセヤが居る指揮所に向かっていく様子に、マリィアがマテリアルを込めた一撃を放つ。
 銃弾の雨で動きを止めても時間稼ぎにしかならない。だが、それで十分だ。甲板各所に散ったハンターが戻ってこれば問題はない。
 その時間稼ぎが吉と出た。
「指令所には近づけさせませんよ」
 鳳城 錬介(ka6053)が巨大な聖盾剣を構えて藻雑魔の行く手を塞ぐ。
 次から次へと甲板に直撃して降りてくる藻雑魔に対し、錬介は聖盾剣で身を守りつつ、本を広げる。
 本のページが開くと彼の周りにマテリアルの光と共に舞い、魔方陣を描いた。
「……風よ、大空を貫く稲妻となり、我らに仇を成す者に天罰を!」
 雷が出現すると、直線上の藻雑魔を貫いた。
 しかし、左右から別の藻雑魔が迫る。その一撃を受け止めながら、今度はマテリアルの波動を発して、雑魔を近寄らせない。
「私も手伝うわ」
 颯爽と錬介と並んだ女性は、水の精霊ソルラだった。
 手には剣……ではなく、水で作られた球がいくつも舞っている。
「戦えるのですか?」
「そんなに強くはないですけど……雑魔程度なら」
 ニッコリとほほ笑んでからソルラは水球を“引っ掴む”と大胆にもそれを藻雑魔へと直接、叩きつけた。
 大音響と共に水球が砕け、その衝撃で傷ついていた雑魔は消滅する。
「頼もしい限りです」
 思わず感心する錬介。水の精霊とは思ったより肉弾戦が好みなのかもしれない。
 藻雑魔の反撃がない訳ではないが、致命的になりそうな一撃に対し、皐月が援護に入っていた。
「見学していて正解だったよ」
 甲板には拠点の為に様々な物資が置いてある。それを迂回する為に一時的に船内を通過した。
 以前、船の見学をしていた時の記憶が役に立ったのだ。

「ここは守るべき拠点で、“未来を繋ぐ”船……積み重ねた海上防衛の経験が役に立てば、沈まない!」
 藻雑魔に対し、魔法攻撃で優勢に戦っていた央崎 遥華(ka5644)の前に、人型の歪虚が突然、降り立った。
 あれは、前回報告書にあった、傲慢の歪虚ウーザーだろう。
「……ふむぅぅぅ! 私の見立てでは貴様は“E”だなぁぁぁ! 隠れかぁぁぁぁぁ!」
「突然、何の話ですか!」
 ウーザーの視線が胸に向いている事に気が付き、思わず胸元に手を当てる遥華。
 いや、これはウーザーの策略だ。こうやって、注意を反らすのだろう。冷静になり、遥華は指を差した。
「出ましたね! ウーパールーパー!」
「それは可愛らしい名前ですぅぅぅ! 是非とも、使わせて貰いましょうぉぉぉ!」
 名前をワザと間違わせて平静さを欠かせてやろうという作戦は失敗したようだ。
 可愛い名前が良くなかったかもしれないし、そもそも、ウーザーがウーパールーパーが何たるかを知らないのかもしれない。
「つ、通じない……」
「では、貴女をもう少し見てみましょうぅぅぅ!」
 ウーザーのゴーグルのような目がイヤらしく動く。
 その視界が氷の嵐で包まれた。
 リンカが駆け付けたのだ。先程からの会話は嫌でも耳に届いていたので、もの凄いジト目でウーザーを睨む。
「ウーキー、貴方の暴虐もここまです!」
「平らな小娘にぃぃぃ用はないですぅぅぅぅ!」
「た、平らじゃないもん!」
 どうも、ウーザーの精神よりも、ハンター達の方が精神的にダメージを受けているような気がしないでもないやり取りだが……。
 負のマテリアルを操り、幾本もの弾丸を形成すると、それを二人に向かって放つウーザー。
「わたしができること、がんばりますね!」
 弾丸の雨を羊谷 めい(ka0669)が割って入り受け止める。
 そして、真剣な表情で、ウーザーを睨んだ。
「うー……うささん、です? 可愛らしいお名前なのですね」
「私は偉大なるウーザー・イマッド様じゃぁぁぁぁぁ!」
「えっ、違うのです?」
「私はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――!」
 しつこいぐらい大きな声で高らかと宣言するウーザー。
 それを遮るように、奈月の射撃が入った。
「うっさい」
「この私のぉぉぉ! 宣言を邪魔するとわぁぁぁ!」
 これは相手にしているだけキリが無いだろう。
 その間に、めいが朗々と歌いだした。歪虚などに悪影響を与える鎮魂歌だ。
「ゆっくり聞いていってくださいね」
「聞いてられるかぁぁぁ!」
「いいえ、ぜひ、聞いて下さい」
 そんな押し問答みたいのが繰り広げられるが、ウーザーに鎮魂歌による影響は出ていないようだ。
 もっとも、全くもって意味が無い訳ではなく、周囲の藻雑魔の動きは鈍くなっていた。
 それらを撃退しつつ、セレス・フュラー(ka6276)が雷虹剣を手にしながらウーザーへと切りかかる。
「おぉぉぉ! “E”のようなぁぁぁ、そうじゃないようなぁぁぁ、小娘めぇぇぇ!」
「同じネタを何度も繰り返しても面白くないよ」
 残像を残しつつ、素早い動いで斬りつける。
 避けようとしたウーザーの動きをセレスは器用にも鞭で制した。避けきれなかった紫色に変色した刃がウーザーの身体を捉える。
「おのれぇぇぇ!」
 セレスの弱点を探すようにゴーグル状の目が駆動音を立てながら動いた。
 そこへ、ペイント弾が直撃し、カラフルに染まる。Uiscaが放ったものだ。
「また貴様かぁぁぁ! 戦闘能力519ぅぅぅ! いや、629ぅぅぅ!」
「更に強力になった私の力、見せてあげますよ」
 ウーザーの視界を奪った訳では無さそうだ。どんな機能なのか、ゴーグルの先でワイパーが動いている……。
 だが、注意はUiscaに向いたまま。
「数値に騙されましたね。私は攻撃の本命では無いです。これが繋いできた絆の力……私たちの勝利ですっ!」
 この隙をハンター達が見逃すはずがない。
 セレスが斬りつけた刃、駆け付けた朝騎が放った符術、二人の魔術師の魔法……確実にダメージを与えたはず。
「結構、丈夫なのね」
 息を整えながらセレスが呟いた。
 あれだけの集中攻撃をまともに受けて、まだ立っているのだ。
「ではぁぁぁ! 私からいくぞぉぉぉ!」
 ウーザーが両手を空に向かって突き出した。
 この流れ……傲慢歪虚特有の能力【強制】かもしれない。
 ハンター達は一斉に意識を集中させて、抵抗を試みる――。
「愚か者は海に飛び込むがいいぃぃぃぃ!」
「違うでちゅぅぅぅ! そこは、戦術的に自害でちゅよぉぉぉ!」
 自害を装うとしていた朝騎が叫ぶ。
 その為に念入りな準備をしてきたというのに……。
「前回の反省を活かして戦うのが研究者というものなのですよぉぉぉ!」
 ハンター達に【強制】は掛かりにくい。その結果、【強制】に掛かった振りをする存在が居ても可笑しくはないと警戒したようだ。
 もっとも、誰も【強制】に掛かっていないので、意味がない【強制】なのだが。
 このままでは不利になると察したのか、ウーザーが突如として走り出す。
 包囲が欠けている一か所を目指す。船から脱出してしまえば、暗闇に紛れて逃亡は容易いはず。
「さらばだぁぁぁ!」
 ところが、その逃げ道はあっという間にキヅカによって塞がれる。
 彼は、“わざと”隙を作っていたのだ。ウーザーがここを通るようにと。
「逃がしはしない。この船を、守る為に!」
「貴様ぁぁぁ! ネタになるデータがないぞぉぉぉ!」
「えぇーい! 滅へ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!」
 体当たりしてきたウーザーを攻性防壁で弾き飛ばすキヅカ。
 彼の船を守ろうとした本気が成した事……だろう。きっと。
 ゴロゴロと転がったのは、セレスの真下。
「白かぁぁぁぁぁ!」
「名前をおちょくるような真似してごめんねと言おうと思ったけど……普通に消えて」
 逆手に持ち替えて剣先をウーザーへと叩きこんだ。
 その一撃はゴーグル状の目を破壊しつつ、ウーザーの頭部を貫く。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
 最後に断末魔を叫びながらウーザーは消え去った。
 いつまでも耳に残る語尾を響かせながら――。

●敵航空戦力基地破壊
「大事で、でも、振り返って来なかった出身国だけど……少しでも何か出来れば……」
 そんな自身の心の有り様を小さく呟いたユリアン(ka1664)。
 物陰に隠れながら振り返ると、仲間達の姿が見えた。
 その背景に、港が明るく光っている。フライング・システィーナ号の灯りが、暗闇の中で煌々としていた。
「上手くたどり着いたようだな」
 白山 菊理(ka4305)が地図を手にしながら言った。
 ここまで敵に見つかりにくいルートを選んできた。それには、先行していたユリアンの活躍がある。
 モフロウが静かに一行へと降りてきた。時音 ざくろ(ka1250)が大事そうに迎える。
「ホシノ、ざくろ達の絆は結ばれたよ」
 ファミリアズアイで空から地形を確認していたのだ。
 歪虚や雑魔などとの遭遇戦もなく、無事にウーザーの航空基地へと到着したが、本番はここから。
 情報通り、巨大な建物な中に、魔導機械とも雑魔ともいえるような機械な姿の何かが見える。
 あれが、傲慢の歪虚ウーザーの拠点で間違いないだろう。航空戦力である鳥人雑魔の基地だ。あれを破壊しない限り、鳥人雑魔が出現続けるのであれば、フライング・システィーナ号の安全を確保できない。
「基地を見つけられた以上、あの世行き決定だな」
 愛用のライフルを構えたのはコーネリア・ミラ・スペンサー(ka4561)だった。
 入口には見張りらしき藻雑魔が数体居るだけで、他は無防備だ。
 基地の規模を考えれば、もっと防衛に力を入れる必要があるはずだ。よもや、襲撃を受けるとは考えもしていないのだろう。
 つまり、ノセヤの読み通りという事であり、ここからは、ハンター達に任されているという事でもある。
 灯りが目立たないように布で調整しつつ、夜桜 奏音(ka5754)は、僅かな光源の中、ルート選択の為に占いをしていたが、ここから先は戦闘だ。
「さて、敵がフライング・システィーナ号に気を取られてるうちに退路を断っておきましょうか」
 敵の目が船へと向いている間だからこそ、奇襲になる。
 ここで、敵の策源地を落としておけば、後ほど、大きな意味を持つはずだ。
 準備が整った一行はお互いの顔を見合わせた。
 襲撃の人数は最低限しかいない。相手に反撃の隙を与えず、速攻で倒すつもりなのだ。

 コーネリアの射撃から始まったそれは、入口を見張っていた藻雑魔に弾丸の雨を浴びせる。
 合わせるように、奏音の符が舞うと、光り輝く結界が現れて敵を焼き尽くした。
「機械と合わさった……帝国の剣機とは違う?」
 真っ先に建物の中に飛び込んだのはユリアンだった。
 巨大なパイプオルガンのような魔導機械に、不気味な文様を浮かび上がらしている肉塊が一緒になっているそれは異質そのものだった。
 刀を突き立てるが鈍い感触が伝わってくるだけで、効果があるように思えない。
 パイプオルガンのような物が肉塊から突き出ると先から負のマテリアルの塊を射出して、ハンター達に攻撃を開始した。
「ユリアンが注意を引いている間に!」
「夫婦の共同作業といえば、ケーキカットだと思うのだけどな」
 ケーキカットもするからとざくろの慌てた声が響く中、二人の機導師が敵に張り付いた。
 敵は魔導機械と合わさってはいるようであるのだ。全容を解明できないだろうが、弱点は探れるかもしれない。
「たまには機導師らしい働きができるといいが……っと」
 マテリアルを介してなだれ込んでくる情報を選択、全体の構造を把握に努める。
 意識を集中して作業している二人を排除すべく、敵が負マテ塊を射撃しようとしたが、それをコーネリアが妨害した。
 次々に出現する砲身のような筒を撃ち抜きながら、スキルをフルに使って、行動を鈍らせる。
 そんなコーネリアに藻雑魔が迫る。
 コーネリアはライフルを手放すと即座に拳銃と籠手を手にした。
「邪魔をするなら容赦はない!」
 藻雑魔の攻撃を籠手で防ぎ、銃弾を叩き込む。
 その間に、敵の解析をざくろ達は終わらせた。構造上の弱点は上部の噴出口内部の柱。
「そこが崩れれば重みで最上部から崩れるはず!」
 大声で仲間に伝える。
 上部といっても巨大な敵だ。上がるだけでも一苦労だろう。敵も黙ってはいない。
 ハンター達を排除すべく無数のパイプを出現させたが、その一角が輝く結界に焼かれて消滅した。
「調べる事は終わりましたし、こんな物、さっさと消滅させましょうか」
 奏音の符術だった。大量の符が奏音の周囲をマテリアルの光を残して飛び交う。
 符の力を最大限に消費して放つ、高威力の符術が、上部へと至る道を作り上げた。
(……風の……音が、聞こえる……っ!)
 音が聞こえるままにユリアンは高めたマテリアルを解放させた。
 身体を纏う新緑光の風が羽根を形創った。敵を蹴って上部へと上がるユリアンにパイプが貫く――が、それはユリアンが残した残像だった。
「くっ!?」
 ユリアンの行く手を塞ぐようにパイプ状の物が幾つもせり出してバリケードを形成。
 その様子にコーネリアが雑魔を殴り飛ばしつつ、反応した。
「援護する」
 足先で器用にライフルを宙に上げたコーネリア。狙いを定めるとマテリアルを込めて引き金を引く。
 弾丸の雨が、塞いだパイプを一掃させた。
「砕けろ! 突風霊魔撃改!」
「中に閉じ込められないように!」
 ざくろと菊理がそれぞれ、敵本体へと猛攻を加えて牽制する。
 仲間達の援護を受けながら、ユリアンは噴出口内部へと至ると、精霊刀を一閃した。
 幾つもの羽根の残像を残しつつ退くと、残像を貫くパイプが傷つけた柱に突き立てられていく。
「崩壊……する?」
 大きな振動と共に、自身の重みに耐え切れず崩壊が始まった敵に、ありったけの攻撃を叩き込むハンター達。
 断末魔のような叫びを奇怪な曲を奏でながら、魔導機械と合わさった雑魔は、崩れていったのであった。

●敵陸上部隊殲滅
 東の空が徐々に白みがかって来た。
 ハンター達の視界の中に、直立している牛の姿が映る。
 二足歩行している時点でただの牛ではないのは確かだ。あれは、ウーザー配下の雑魔。その狙いは神殿に向かっている王国軍の背後を突くことだ。
「ウーザーってのが作った雑魔……変な見た目だなぁ」
 天竜寺 詩(ka0396)がその様子をみつめながら呟いた。
 パッと見、直立している牛なのだが、頭はむさ苦しいオッサンの顔になっている。
 同じ顔が並んでいるのは不気味の一言だ。
「虚博が作った雑魔と良い勝負かも……ともかく、あんな変な雑魔にやられる訳にはいかないよ!」
 そして、戦馬に脚で合図を送ると、仲間達と共に駆け出した。
 先行するのは、トリプルJ(ka6653)だ。
 マテリアルの光を体内から発する。ただの光ではない。雑魔の注意を向ける光だ。
「せっかく6属性全部入れてきたんだ、派手に食いついて貰おうか!」
 これで、敵は勿論、仲間からの攻撃に巻き込まれたって安心――つまり、準備は万全なはず。
 もっとも……非常に言いにくい事ではあるが、その部分に攻撃が当たれば有効……という程度なのだが……だが、そんな細かい事だとしても、トリプルJは気にしないだろう。
「さっさと寄ってきやがれ!」
 突出している彼に牛人雑魔が気が付かない訳がない。
 一斉にぐるりと方向転換すると、地響きと土煙を上げながら迫ってくる。
 その勢いを迎撃するかのように藤堂 小夏(ka5489)は刀を構えた。
「俄然やる気がでるよ。まぁ、気負うつもりはないけど」
 大声出したり、手を振ってみたり、光を当ててみても反応がイマイチだっただけに、雑魔のこの動きにようやく本番だと思う。
 イスルダ島攻略の為にも、この雑魔はここでキッチリ殲滅しておかなければならない。
「ヘーイ、こっちだよー」
 意味があるかどうか分からないが、それでも、小夏は手をぶんぶんと振った。
 それに反応してくれたかどうか分からない数体が、突然、スピードを上げて一直線に向かってくる――が、喉元にドスンと矢が突き刺さる。
「なんつーか、ぶっ倒すとスカッとしそうな敵ではあるな」
 次の矢を素早く番えながら、ジャック・エルギン(ka1522)が言う。
 耐久力はありそうなので、遠慮なく攻撃を打ち込めるだろうか。
「んじゃ、片っ端から当てていくか」
 ジェックはカオスセラミックの弓から矢を放った。
 スキルアシストの力で3本同時に射出した矢が牛人雑魔の1体を確実に倒す。
 雑魔の群れがその程度で怯む事はない。差し迫ってくる牛人雑魔に引き続き、射撃を繰り返すジャックの隣で、七支槍を突き出すヴァイス(ka0364)。
 直後、マテリアルの稲妻が、轟音と共に暗闇を切り裂いた。
「先制させて貰うぜ」
 接敵する前に可能な限りのアウトレンジでの攻撃。
 相手の射程より有利な状態で攻撃するのは戦術の基本だ。ナイフよりも剣が、剣よりも槍が、槍よりも飛び道具が有利なのはそういう事だ。
 ヴァイスは闘狩人でありながら、魔術師としての力も持っている。そして、彼が手にしている愛槍は魔法の威力が高い。
「自分達の攻撃にお互い気を配るんだ!」
 これから先、接敵すると乱戦気味になるだろう。
 そこで慌てる事がないように、仲間らに呼び掛ける。皆が自分の持てる力を最大限に発揮できれば、勝利は間違いないはずなのだから。
「久しぶりに地上での戦い……ワンパターンで芸がなくて申し訳ないのだけれど」
 台詞だけ見ると遠慮している様相ではあるが、半ば不敵な表情を浮かべながらコントラルト(ka4753)が、杖を振って機導術を放つ。
 二人の闘狩人が撃つ距離よりも更に遠く、コントラルトの魔法は届いていた。
 芸がないと言ったのは魔法を撃つ事だろうが、彼女の魔法の威力は極めて強力である。威力を高める為には地道に強化や修練を積むしかないので、そういう意味でいうと、芸がないというより、強くなるために努力した事が結実する瞬間ともいえるだろう。
「これなら、接敵したら、一気に焼き払う事ができそうね」
 大事なのはタイミングか。
 先行した前衛が囮となって、敵中へと入った。トリプルJは全ての防具を使いながら囮役をこなす。
「仲間の攻撃が全アタリするとさすがに逝きかねねぇからなぁ……」
 歴戦のハンターが揃っているので、下手に攻撃が当たればただで済まないだろう。
 かといって、仲間からの攻撃を気にして下がったら囮にはならない。傷をスキルで回復しつつギリギリのラインを保持する必要があるだろう。
「ダメなレジェンドになるのはゴメンだぜ」
「大丈夫。援護するから」
 背中を守るように小夏が刀を振った。
 闇雲に刀を振り回しているだけではない。仲間の攻撃に合わせるように、倒しきれなかった雑魔にトドメを差したりとしていた。
 こういう時は、連携して戦うという基本的な事が重要だ。小夏は仲間の立ち位置から射線の邪魔にならないようにと意識しながら戦う。
 牛人雑魔が業を煮やしたのか、強引に頭を突っ込んできた。
「むさい!」
 ベシっと叩き落した上で蹴り飛ばす。
 敵の方が数が多いが、攻撃力は圧倒的にハンター側が強い。戦線を崩壊させなければ、雑魔を一気に崩せるはずだ。
 その時、眼前に迫っていた牛人雑魔が突如として消滅し、人影が現れた。
「……抜けたか」
 龍崎・カズマ(ka0178)だった。
 彼は大きく迂回しながら牛人雑魔へと迫っていたのだ。
 古地図は役には立たなかったが、仲間達の灯りのおかげで位置は推測できた。
「馬鹿じゃないと思ったら、思った以上に真逆だったか……」
 所詮は雑魔という事なのだろう。
 ハンター達の攻撃が始まってすぐ、迂回したカズマは、雑魔の最後尾から隠密裏に葬っていたのだ。
 幾体か倒したところで気が付かれてしまい、こうして、敵の中を突破してきた。
「指揮官っぽい存在は居なかったな。一気に畳みかけていいはずだ」
 カズマは敵陣の中を突破する中で、指揮官らしき存在を探したが居なかった。
 ならば、烏合の衆も同然。
「情報ありがとう。それじゃ、早く終わらせて、紅茶でも」
 詩が笑顔で言うと、マテリアルを集中させる。
 彼女を絡むように徐々に形となるそれは、茨のようだった。ただの祈りではなく、「茨の王」の力を模した魔法だ。
 その援護を受けて前衛を支え、必要であれば、回復魔法も行使する。詩は聖導士としての力で戦線を支える。
「いよいよ、こいつの出番か」
「敵の動きにも注意して、孤立するのを防ぐんだ」
 ジャックが弓を背負うと剣を手にし、ヴァイスは槍を振るって呼び掛ける。
 接敵して乱戦気味になってきた為、二人は近接戦闘へと切り替えたのだ。
 周囲が明るくなってきた事もあって、戦い易さは先程よりも楽になってきている。
 来た道を振り返ると、フライング・システィーナ号の灯りは健在だった。
「船や拠点の連中は上手くやったんかね」
 ジャックの言葉にヴァイスは大きく頷いた。
「灯りが健在という事は、無事なのだろう。後は俺達が、仕上げれば終了だ」
 船の灯りは分かりやすい目印という事か。
 残った雑魔の一団が、機導術の炎に包まれた。
 コントラルトが放ったものだ。威力、範囲、共に圧倒的な力を見せつける。
「一気に焼き払うわ」
「いいぜ、撃ってこいや!」
 傷をスキルで回復しつつ、トリプルJが叫ぶ。
 彼の周りにもっとも敵が集中している。一網打尽にするには今しかないだろう。
「それじゃ、あばよ! って、おいおい!」
 ニヤリと笑ったトリプルJの表情が固まる。打倒したと思っていた牛人雑魔が大地に転がりながらトリプルJの足を掴んでいたからだ。
 このままだと強力無比な術に巻き込まれる――。
「囮、お疲れさん」
 カズマが素早くフォローに入り、腕ごと雑魔を切り落とす。
 二人が跳躍するように場を離れた直後、コントラルトが撃ったファイアスローワーの炎が包み込んだ。
「焼肉にならないのが残念な所だな」
 誰かの冗談が響いた。魔法が消え去ると同時に、牛人雑魔の姿もなくなっていたからだった。

●戦い終えて
 イスルダ島攻略の為に停泊していたフライング・システィーナ号は、ウーザー率いる敵航空戦力を壊滅。
 同時に、敵の拠点と王国軍の背後を突こうとした雑魔も撃破する事に成功し、大きな戦果を挙げた。
 大戦果だが、遥華の心中は穏やかでは無かった。
「大丈夫……今回は、ちゃんと警戒しているから……大丈夫」
 あのエロディラの手癖の悪さは相当なものだ。
 ひたすらスカートの裾を抑えながら、辺りをキョロキョロとする姿が、とても艶めかしい。
「待ってぇぇぇ!」
 その時、めいの叫び声が入ってきた。
 振り返ると、下着を咥えて走るエロディラと追いかけるめい。
 エロディラと目が合うと……ポテッと咥えていた下着を離し、遥華へと猛ダッシュを仕掛ける。
「いやぁぁぁぁぁ!」
 語尾を伸ばした遥華の叫び声が響くのであった。
 脱兎のごとく逃げ出す遥華。それを楽しそうに追いかけるエロディラ。いつもの光景が戻ったような、そんな気をさせるのであった。

 おしまい。

依頼結果

依頼成功度大成功
面白かった! 26
ポイントがありませんので、拍手できません

現在のあなたのポイント:-753 ※拍手1回につき1ポイントを消費します。
あなたの拍手がマスターの活力につながります。
このリプレイが面白かったと感じた人は拍手してみましょう!

MVP一覧

  • 白き流星
    鬼塚 陸ka0038
  • 征夷大将軍の正室
    天竜寺 詩ka0396
  • 空を引き裂く射手
    ジュード・エアハートka0410
  • 緑龍の巫女
    Uisca=S=Amhranka0754
  • 抱き留める腕
    ユリアン・クレティエka1664
  • 非情なる狙撃手
    コーネリア・ミラ・スペンサーka4561
  • 最強守護者の妹
    コントラルトka4753
  • 流浪の聖人
    鳳城 錬介ka6053

重体一覧

参加者一覧

  • 白き流星
    鬼塚 陸(ka0038
    人間(蒼)|22才|男性|機導師
  • 虹の橋へ
    龍崎・カズマ(ka0178
    人間(蒼)|20才|男性|疾影士

  • ヴァイス・エリダヌス(ka0364
    人間(紅)|31才|男性|闘狩人
  • 征夷大将軍の正室
    天竜寺 詩(ka0396
    人間(蒼)|18才|女性|聖導士
  • 空を引き裂く射手
    ジュード・エアハート(ka0410
    人間(紅)|18才|男性|猟撃士
  • Sanctuary
    羊谷 めい(ka0669
    人間(蒼)|15才|女性|聖導士
  • 緑龍の巫女
    Uisca=S=Amhran(ka0754
    エルフ|17才|女性|聖導士
  • 神秘を掴む冒険家
    時音 ざくろ(ka1250
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • 未来を示す羅針儀
    ジャック・エルギン(ka1522
    人間(紅)|20才|男性|闘狩人
  • 抱き留める腕
    ユリアン・クレティエ(ka1664
    人間(紅)|21才|男性|疾影士
  • 青炎と銀氷の魔術師
    リンカ・エルネージュ(ka1840
    人間(紅)|17才|女性|魔術師
  • 生身が強いです
    鈴胆 奈月(ka2802
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • 這い寄る毒
    皐月=A=カヤマ(ka3534
    人間(蒼)|15才|男性|猟撃士
  • 毅然たる令嬢
    ストゥール(ka3669
    人間(紅)|18才|女性|機導師
  • 黒髪の機導師
    白山 菊理(ka4305
    人間(蒼)|20才|女性|機導師
  • 非情なる狙撃手
    コーネリア・ミラ・スペンサー(ka4561
    人間(蒼)|25才|女性|猟撃士
  • 最強守護者の妹
    コントラルト(ka4753
    人間(紅)|21才|女性|機導師
  • スライムの御遣い
    藤堂 小夏(ka5489
    人間(蒼)|23才|女性|闘狩人
  • 雷影の術士
    央崎 遥華(ka5644
    人間(蒼)|21才|女性|魔術師
  • 想いと記憶を護りし旅巫女
    夜桜 奏音(ka5754
    エルフ|19才|女性|符術師
  • 丘精霊の配偶者
    北谷王子 朝騎(ka5818
    人間(蒼)|16才|女性|符術師
  • ベゴニアを君に
    マリィア・バルデス(ka5848
    人間(蒼)|24才|女性|猟撃士
  • 流浪の聖人
    鳳城 錬介(ka6053
    鬼|19才|男性|聖導士
  • 風と踊る娘
    通りすがりのSさん(ka6276
    エルフ|18才|女性|疾影士
  • Mr.Die-Hard
    トリプルJ(ka6653
    人間(蒼)|26才|男性|霊闘士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
鬼塚 陸(ka0038
人間(リアルブルー)|22才|男性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2017/09/20 08:45:54
アイコン 1.システィーナ号
鬼塚 陸(ka0038
人間(リアルブルー)|22才|男性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2017/09/21 12:38:59
アイコン 2.敵陸上部隊殲滅
鬼塚 陸(ka0038
人間(リアルブルー)|22才|男性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2017/09/21 18:09:57
アイコン 3.敵航空戦力基地破壊
鬼塚 陸(ka0038
人間(リアルブルー)|22才|男性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2017/09/21 01:49:39
アイコン 質問卓
鬼塚 陸(ka0038
人間(リアルブルー)|22才|男性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2017/09/21 18:11:29
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/09/18 22:18:59