収穫祭の時期だから

マスター:石田まきば

シナリオ形態
イベント
難易度
普通
オプション
  • relation
参加費
500
参加制限
-
参加人数
1~25人
サポート
0~0人
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2014/11/27 22:00
完成日
2014/12/01 11:33

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●芋祭

 ゾンネンシュトラール帝国にも【Ernten Sie Fest】……つまり【収穫祭】は存在している。
 しかし他領土に比べると作物の産出が少ない帝国に置いて、その意味合いは少しばかり違っていた。

 寒い冬を乗り切るための準備期間、帝国に暮らす者達は特に忙しく立ち回る。
 冬を乗り切るために家畜の数を減らしヴルストをしこたま作ったり、芋を備蓄し。
 乾燥食材や保存食を作り、芋を備蓄する。
 アクアヴィットを作ったりカルヴァドスを作り、芋を備蓄するのだ。

 そして冬を越せる量を蓄えた後、その余剰分を使って『ぱぁーっと騒ぐ』のだ。
 それは帝都や師団都市と言った大きな街に限らない。規模の小さな集落においても同じことがいえた。
 これが帝国民にとっての年に一度の『お祭り』と呼べる行事で、人々に【芋祭】として親しまれていた。

●エルヴィンバルト要塞

「カミラ様、どうしたんですかー?」
 食後に調理場を覗き込んだジークリットが、そこに師団長の姿を見つけて声をかける。手のあいたコック達と共に打ち合わせをしているようだ。
「ブランシュ上等兵はどう思われますか?」
 熱心なシェフが説明と共に意見を求めてくる。なんでも持ちやすく、食べやすいパイの形を考案したいとカミラが言いだしたようだ。マーフェルスではパイ皿を使って作るのが一般的。固定観念が根付き過ぎているせいで、皆で頭を捻っているらしい。
「食べ歩ければ屋台メニューにできると思わないか、ジークリット」
 カミラの目が輝いている。何か新しいことをはじめようとしているらしい。
「ポテトアップルパイですよねー?」
「そうだ、そろそろ収穫祭の時期だからな」
 一年の中でも特に手の込んだ料理が出回る季節。料理人でもある師団長が楽しみにしていないわけがなかった。
 こうした行事では特に、新しい料理で人々の目を引き付けることができる。カミラは帝国の食事事情を向上させたいと思っている一人で、師団長の座についた理由の大半は、それが理由だと豪語するほどだ。勿論師団長の任はこなしているけれど、時々箍が外れた行動をとるのはそのせいである。
「今年はカミラ様考案の新メニューではないのですねー」
 楽しみにしておりましたのに、とジークリット。周囲のシェフ達も頷く。
「そこは別の手を考えているぞ。ただ、今ある料理ももっと広まればいいと思ってな」
 その為にも、今年は少し大掛かりにやろうと思っているんだ、と楽しそうに笑った。

「師団長、棒状にしてみたらどうでしょう!」
「一本ずつ成形するのは手間じゃないのか?」
「四角く広げた生地に、具を細長く並べて、上から被せて……」
「なるほど、そこから切り分ければ手間も減るな」
「早速試作に入りますね!」

●大収穫祭の為に

(辺境にも同盟にも、祭があったな……)
 王国はベリアルの襲撃でそれどころではなかったが。そういえばピース・ホライズンで準備していたハロウィンも、準備ばかりで本格的なお祭りにはならずに終わってしまったはずだ。そこまで思い返したところでカミラは一つの考えを実行に移すことにした。
(今、帝国には公式の祭が存在しない)
 たった今マーフェルスを賑やかし始めている収穫祭だって、街単位、集落単位で行われるものなのだ。帝国内で「収穫祭」と呼んではいるけれど、国が先導するようなものではなく、その期間も各地でバラバラだ。そこには天候の問題や、歪虚討伐を最重要視している帝国の作戦展開のタイミングなど、冬支度の足並みをそろえるのが難しい事情が大きく絡んでいる。
(だが、国が先導することに意味はあると思う)
 実際に他の地域の祭りの噂等、聞こえてくるだけでもうかがい知ることはできる。その効果は一言で表せはしないけれど、これからの帝国に一つくらい大きな祭が増えることは、悪くない提案だと思う。
(帝国が、マテリアルの浄化の事を考えてもいいのではないか?)
 なんでも、楽しい気分が浄化に一役買うのだという。帝国の全土で足並みがそろえば、それもまた新たな力になるのではないだろうか。
(だが、陛下は改めて皇帝陛下になったばかり)
 祭の主催を進言するには時期が早いようにも思えた。急に「国で祭りを主導するから歪虚討伐作戦をその期間縮小する」等と、反対派が喜びそうだ。
 ……来年ならどうだろう? 今よりは悪くない状況のはずだ。
(今年は、そのための下地にするか)
 心当たりには声をかけてみよう、帝国全土ではなくていい。ほんの一部でも、同じ時期に足並みをそろえることができたなら。全体でも同じことができるという証明になるのなら。
(来年も楽しみだ)
 気が早いのはわかっているのだけれど。

●シュラーフドルン

「そういうわけだから、費用と人員の工面を頼むな、テオ」
 楽しそうな笑顔で面倒な要求をする年下の上司、作成中の資料からちらりと視線をあげるテオバルト。
「わかりました。その代わり、屋台は確実に軌道に乗せてくださいね」
 そこの利益も見込んで組みますよとさりげなくやり返す。
「それは大丈夫だろう、今年はいい甘薯が入ったからな。シロップも悪くない……いや、素材勝負がいいのか?」
 悩み始めるカミラに、別の声がかかる。
「ところで嬢ちゃん、大きくやるなら……隣人達にも声はかけるのか?」
 モーリッツがちらりと森の方角に視線を投げた。
「騒がしくします、なんて今まで連絡したことなんてありませんでしょう、ハウプトマン副長。こちらから言う義務はありません。……出てきても止める義務はありません」
 勝手にすればいいと言うテオバルト。剣機作戦でほんの少しだが共闘したという話はまだ信じ切れていない。それでも譲る気が全くないわけではないようだ。
「……そういえばモーリ、エーリカ達の怪我はもういいのか?」
「おお、皆訓練も支障なくなってきてるぜ」
 あれで新兵たちも一人前だな等と和やかな会話を始めた二人に、テオバルトが珍しくじろりとにらみをきかせた。
「二人とも、妙な笑顔で私を見るのやめていただけますか」
「いやーテオ坊も大人になったと思ってなー」
「嫌ったままずっと突き進むのかと思っていたが、案外変わるものだな」
「あの引きこもり族が外に出て問題になったら面倒をかぶるのは我々第三師団なんですからね!」
「「でも、止めないんだろう?」」
 カミラとモーリの声が揃った。

●森都

 楽しそうな音、楽しそうな声。
(ちょっとくらい、外に出ても怒られない……よな)
 空の色はあまり綺麗じゃないけれど、耐えられないわけじゃない。大人達、特に年配の者達は外を嫌う者も居るけれど。本やおもちゃや、色々なものを持ち帰って来る者だっていないわけじゃない。
 毎年、このくらいの時期になると騒がしさが増す、森の外の世界。今年は特に、その雰囲気が強くなっているような気がした。

リプレイ本文



(帝国には何度か来たことあるけど、こうやってゆっくりするのは初めてだなぁ)
 土地柄、歪虚に関わらずに訪れる機会は少ない。街の様子にキヅカ・リク(ka0038)は目を瞬かせた。
 帝国貴族の一員として色々あったのは過去であって、自分がこの国を好きなことには変わらない。
(皆も素敵な一時を過ごしてクレルと良いナ☆)
 案内をかってでたアルヴィン = オールドリッチ(ka2378)は友人達に故郷を案内するのだと、以前から交わしていた約束が果たせるいい機会ということもあり俄然張り切る。
「皆どこか希望はアルノカナ?」
「俺、美味しいもの食べたい! 甘いの!」
 勢いよく好物を主張するのはジュード・エアハート(ka0410)。ピョンピョン跳ねていてもスカートの中は見えない。
(甘やかされたいということかね)
 女性に対するときと同じようにエアルドフリス(ka1856)が手を貸してやる。それが自然だと思えるほどに慣れた。
「えへへー。ありがとエアさんっ♪」
「この時期は特にポテトアップルパイが名物ナンダヨー。お芋ダケなら他でも食べられるケド、ここの名物は是非皆に食べて欲しいネ」
 数年前に師団長が変わってから、要塞勤務者達の営む屋台も出るようになった。
「師団が出してる屋台もあるんだっけ、俺、そこのがいいな」
 ユリアン(ka1664)の言葉で最初の目的地が決まった。

 アミグダ・ロサ(ka0144)は第三師団への問い合わせから始めた。
「当技芸団の興行をさせて頂きたいのですが……」
「リズリエルのところか? それは是非頼みたいな」
 警備もしているから、場所に困ったらうちの部下達に声をかけたりするといい、なるべく手を貸すように伝えておくぞと後方から声がする。振り向けば、いつの間にかカミラが居るのだった。

「では、観察を始めましょうか」
 その一言で音桐 奏(ka2951)は意識を切り替える。
(時間を無駄に使うわけではありませんが……流石に観察するだけではつまらないですね)
 以前交わした約束を思い出す。第三師団の屋台に行けば会えるだろうか。可能性に賭け踵を返した。

「よう、シャイネ! 剣機騒動以来だな」
 馴染みのエルフにナハティガル・ハーレイ(ka0023)は声をかけた。
「ユレイテルの奴も元気にしてるか? 酒でも飲みながら近況聞かせてくれや」
「それならシードルを置いているって呼び込みがあったから、その店でいいかい?」
「いいぜ、どっちだ?」

(多少は外に出るのも慣れてきたけど)
 ここまでにぎやかだとは聞いていない。
「充分盛り上がってるじゃない。私が出なくても大丈夫よね帰」
 踵を返そうとしたシュネー・シュヴァルツ(ka0352)の首根っこを、カグラ・シュヴァルツ(ka0105)は容赦なく引っ掴んだ。
「ここまで来ておいて帰れるわけないでしょう」
 まさか業務不履行で報酬泥棒ですかと従妹に畳みかける。シュネーの抵抗がなくなった。
「さて、行きましょうか」

「ねえシーラ、あそこにも本があるわ」
「人の波に突っ込まなくとも本は逃げないぞ、エア……もう行ったのか」
 祭を理由にエルティア・ホープナー(ka0727)を連れ出したシルヴェイラ(ka0726)だが、祭の空気に紛れた書物の匂い、物語の気配に気を取られてばかりのエルティアに仕方がないなと苦笑をこぼす。
(籠もっているよりはいいだろう)
 外の空気を吸う事も大事だからと連れ出したが、やはり本の事になると捉えどころがなくなるのは昔から変わらない。

「お嬢さんの居る店? 今は結構だ、別件で行くことになっ……おっと」
 道中慌てて言葉を止めて、ちらりと伺う。
「今、何か言ってた?」
 エアルドフリスの顔を覗き込むジュード。きこえていなかったようだ。
(気を抜けると思ったんだが)
 前に参加した宴会の出来事はまだ記憶に新しい。飲み過ぎないように気を付けてやろうと胸中に留める。そうなると他が疎かになるという自覚は、まだエアルドフリスにはなかった。



「もふもふ教の布教許可と、そのための屋台を出す許可が欲しいくまー!」
 だがしろくま(ka1607)の話は話半分にしか聞いてもらえなかった。
 彼の応対に出た第三師団兵達の脳内は『本当に人間かどうか』という疑問でしめられたからである。
「「「屋台の手伝いはするし宣伝もするから、まず顔を見せてほしい」」」
 警備上の問題という建前もあり、双方合意の元穏便に確認は済んだ模様。

(ほんと帝国は芋ばっかよねぇ、土地柄仕方ないとはいえ)
 串にささったブルストと飲み物を手に祭の空気を味わっているエリシャ・カンナヴィ(ka0140)は、一人で当てもなく歩き回っていた。
(私はブルストとお酒があればそれで十二分に満足だけれどね)
 人目、特に種族人間の目が多いと、大手を振るって飲めないのが一番面倒だけれど。

「せっかくなら盛り上げる料理を作りたいなぁ」
 なるべくその土地の食材を生かしたいとも考えるアルファス(ka3312)。調理はきちんと手順を追えば美味しい料理ができあがる。植物も手をかければ育ってくれるし、機械だって動く。なんでも丁寧にやることが肝心だと思う。
(祭ならスナック系が良いよね)
 蒸した芋を潰したペーストに、飴色になるまで炒めた玉葱。つなぎにする小麦粉に、味を調える塩胡椒。丁寧に混ぜたら生地の出来上がり。
 チーズや肉、魚等のおかずになるものの大きさを揃えて、生地で包んで団子状にしていく。空気が入らないように気を付けるのも大事。
「これを揚げれば完成っ♪」

(収穫を祝うお祭りか。ささやかでも、楽しいものだよな)
 シャーリーン・クリオール(ka0184)の屋台からは玉葱の香ばしい香りが漂っている。
 骨と野菜をじっくり煮込んで作ったコンソメスープに、飴色になるまでじっくり炒めた玉葱をたくさん。これをゆっくり煮込めば互いの旨味が合わさって美味しいスープの完成だ。固いパンを浸し、チーズをたっぷりかけたものを窯で焼けば、腹も膨れるスープということで人を呼んだ。汁物といえばクネーデルズッペが一般的な帝国にとって、これだけ手間暇をかけた汁物は特に庶民にとって目新しさが強いのだ。

 要である醤油は流石に入手できない。味噌も同様だ。干した海草があるとの事で出汁で旨味を足すことにする。
「本来であれば豆を使った調味料を使うのですが」
 なくても案外できるものである。
「いつもと違った匂いがするな」
 カミラが顔を覗かせた。
「お久しぶりです、ゲーベルさん。以前お話した故郷の料理を作ってみました。お口に合えばよろしいのですが」
「覚えていてくれたのか!」
 味見の分を差し出すと、満面の笑みが返された。
「昔憧れたものと同じ香りがするな……ありがとう。私もこれを覚えるぞ」
 幸せそうな顔で頬張る。既に表情が美味いと語っていた。

「ここのは確実に美味しいよ、絶対ね」
 行きあったシャイネにユリアンが薦めている。
「本当に芋だらけなんだね」
 改めて言葉にするのはリク。実際に目にするとその勢いに圧倒される。揚げた芋に添えるタレの違いだけで競い合う呼び子は初めてだ。
(主食、なんだっけ)
 ふかし芋の屋台で湯気を立てている芋の山が視界にうつる。そしてそれを美味そうに食べるルミナの顔が脳裏に浮かんでいた。堂々と市井に紛れる皇帝陛下に、芋ばかりの国。はじめこそ不思議に思っていたけれど、すとんと腑に落ちていく。

「食べ比べなら、ジュードさん半分こしない?」
 皆で分けてもいいよねと提案したユリアンに、何か閃いたジュード。
「エアさん、エアさん、一口ちょーだい」
 袖くいくい、からの上目づかい。最後に口を開けて待つ仕草まで自然にコンボさせた。
 ねだられるまま取り分けて、エアルドフリスが手ずから入れる。
「えへへ、ありがとー♪ 俺のも一口あげるね」
 はい、あーん♪ 満面の笑顔を添えてお返し。
「子供っぽいのは卒業したいんじゃあなかったのかね?」
 揶揄いながらも差し出された一口を受け取り、エアルドフリスも自然に受け入れた。
「何か変なものでも見たのか?」
 リクの驚いた表情が気になったらしい。エアルドフリスは首を傾げた。
「ルールーとハーティは仲良しサンダネー♪」
「よくあるんです、か?」
「いつもこうだよね、かなり」
「フフーフ、愛がアルよねー♪」

「おーまーつーりー♪」
 即興のメロディにあわせて、両手広げてくるくるり。ベル(ka1896)の動きに合わせて、胸元のカウベルもリズムを刻む。
 カランコロン♪
「んぅー。ぜんぶかいたいけど、むだづかいはメッておばさまに言われてるし……」
 困っちゃうなあ、悩んじゃうなあ。でもそれさえも楽しいなあ。首から下げた紐付きの財布も、握りしめたり離したり。
「どーれにしよーかなー」
 コロンカラン♪
「おみせごとに味もちがうって言ってたし、みーんなたべたいなぁ……そーだ♪」
 いいこと思いつーいたっ!

「わぁ~、やっぱりお祭りは人もお店もいっぱい~」
 芋料理の屋台が並ぶ中歓声をあげる少女の名は夢路 まよい(ka1328)。
「ん~っ、これだけお店がたくさんあると、どこから回ったものかしら~」
 小首を傾げてひとひねり。手をぽんと叩いて、ひとつの答えに辿り着く。
「いっそ、片っ端からぜ~んぶ……楽しみ♪」

(盛り上げるとか……得意じゃない、から……)
 参加するだけでも盛り上がる、という話も分かってはいるのだけれど。仕事という形で来た以上、何かそれらしいことをしないと気が済まないズィルバーン・アンネ・早咲(ka3361)である。
(警備を兼ねた、祭の参加者……ってことで)
 音楽の披露や屋台を出すようなことはできないけれど、それなら腕に覚えもあるからと。なるべく周囲の様子を気にかけながら、祭の空気に紛れて行った。

(せっかく新しいお祭りを作るなら、何か独自の特徴があると名物になるかもっ!?)
 シアーシャ(ka2507)は何かいい案がないかなと首を傾げる。
「う~ん……」
 スティック状のポテトアップルパイを頬ばる。りんごの甘ささっぱり、芋の甘みもくどくない、表面もさっくりの絶妙なバランスだ。
「美味し~い♪」



「武器とか農具とか、何でも直しますよっ!」
 広場につながる通路のうちのひとつ、露店の並ぶ一角でソフィア =リリィホルム(ka2383)の明るい声が響く。
(お祭りを楽しみたいのもあるけど、やっぱりここは本職をアピールしておかないとっ!)
 愛用の工具箱や砥石、磨き布等を並べ、道行く人々に声をかけていく。帝国は板金も盛んなので、物によっては装飾品の依頼もありそうだ。
「皮細工や木工でも、相談次第で承りますっ」
 逆に非金属の方が需要はあるのかなとも思い、時折混ぜた。

 帝国案内ツアーの紅一点、ルナ・レンフィールド(ka1565)は一度に多くの人と縁が出来たことが嬉しくて、終始楽しげな笑顔。
(演奏の約束もしているし、絶対素敵な一日になるんだからっ)
 気持ちがルナの行動にも表れていて、何をしていても「楽しんでいるんだな」と皆が見て取れるほど。
「アルヴィンさん! これ、何ですか?」
 屋台の軒先にある、茨のモチーフが入った旗を指さすルナ。
「アレは師団の意匠ダネー」
 ミ・パルティを基本とする帝国兵は、装備の左半分を個人でカスタマイズすることが可能だ。上層部になるにつれて意匠に拘る事を良しとする風潮もあるくらいである。第三師団は緑と茨の意匠を採用しているため、師団兵必携のバックラーは基本的に全員同じ物だ。
「装備改造の為の板金が盛んダカラ、機導術以外だと凝った武具防具の製造も帝国ナラデハにナルんじゃナイカナ?」
「ほわー、すごいですねっ!」
 目を輝かせるルナ。なんでも素直に受け取り感動する様子に、アルヴィンも話すのが更に楽しくなっていた。

 得物に使えそうなナイフはないかと露店を冷かすエリシャは見覚えのある背に声をかけた。
「はぁい、確か森エルフが皇帝選挙に立候補した時以来かしら?」
「エリシャも来ているのか、久しいな。……ああ、君なら知っているか、柳葉包丁を」
「またどうして?」
「武器に出来ないかと探しているんだが、形状が分からなくてな」
 君ならと思ったのだが。以前のエリシャの得物を覚えていたらしい。
「作らせればいいんじゃない?」
「それも考えてみるか……」
 二人の視界の端で、気になる影が動いていた。それをちらりと指し示し尋ねる。
「件の森エルフの子供がうろちょろしてるけど、国防的に良いのアレ」
「危険因子なら対応するぞ。逆に被害にあう可能性だが、未熟なようでいても森の子達の様だから」
 事件でもない限りは触れない方針らしい。

「どう? 儲かってる?」
「いらっしゃいませっ! 今日は何を?」
 声に振り向けば、帝国ツアー中の見知った一行が顔を見せに来てくれる。差し入れに芋料理やお酒も渡されて、お祭り気分の共有に感謝しつつ、抜け目なく聞くソフィア。
「わざわざありがとうございますー。ところで皆さんはお直し必要ないですか?」
 ユリアンがバゼラードを出してくる、それを受け取り再び笑顔。
「まいどありですっ、差し入れといつもお世話になってるお礼もあわせて、友情価格、更には全体のお手入れもつけちゃいますね♪」

「あっ。そろそろ演奏の時間っ! ごめんなさい、私はここでっ! 楽しかったです! またね!」
「僕達も見に行くヨ、楽しみにシテルネ♪」
 頑張って、と送り出す。
「はいっ、待ってますね!」
 ルナはぺこりとお辞儀して、サーシャを待たせないようにと駆け出した。



「……おや」
 シャイネの声に、ナハティガルもそれに気づく。一目で街慣れしていないとわかる落ち着きのない歩き方。店の冷やかし方も分からず売り子をうまくあしらえない小柄で細めの体躯。時折見える長い耳。
「ん? あのお上りさん連中は……一緒に回るか?」
「君がいいならね」
 話があるんじゃなかったっけ? との疑問には、後で時間くれりゃいいぜと笑った。

 幾度目かの寄り道、エアが振り向く。シーラ見て、と微笑みを浮かべある方向を目配せで伝える。
「本ではないのか? ……ああ」
「ふふ、森の香りが紛れ込んでるわ。やっぱり気になるわよね」
 二人の視線の先には。まだ年若いエルフの少女。露店の書物に目を輝かせつつも、どうすればいいのかわからない様子であたりを見回している。
(人とエルフが歩み寄るきっかけになるかもしれないわね)
 この収穫祭が小さな切欠に、いつか大きな物語を紡ぐ欠片になればいいとエアは思う。
 シーラはかつての幼馴染と少女を重ね合わせ、目元を和ませていた。

 ベルが何件もの店を渡り歩いて一個ずつ買い集めたポテトアップルパイは、両手で抱えてもこぼれそうなほど。
 店に入るかどうか迷っているエルフの少年を見つけて、ベルは迷わず駆け寄った。
 カランカランッ♪
「ねーねー。いっしょにたーべーよー♪」
 一人じゃ食べられないからと、笑顔で空いたベンチに行こうと誘う。
「え……僕?」
 勢いに飲まれた少年は、戸惑いながらもついてくる。
「あひょへ、ららしれりゅってひふほー♪」
 もぐもぐ、ごっくん。
「ベルっていうの、あなたは?」
 名前を知って、甘いものを一緒に食べたら。もう友達だよっ♪

「エア」
 どれだけ祭を巡っても、エアの勢いは収まらない。手段を講じるしかないだろうと、シーラが小さくため息を一つ。今もまた別の方角に歩を進めようとしているエアの手を自らの手を重ねた。
「はぐれられても適わない。いいな?」
 探す身にもなってくれ、そう言外に籠めたつもりだったのだが。
「子供じゃないのに……でも、そうね、シーラがはぐれちゃ大変だものね」
 置いて行かれて寂しがる貴方の為よと切り返された。

「祭ができるんならよ……」
 シャイネと二人酒を酌み交わしながらナハティガルは零す。
 難しい事なのはわかっているが。ユレイテルの力になりたいと思うナハティガルだからこそ。
「なあシャイネ。ちょいとこれ、ユレイテルに話振っといて貰えねぇか?」
「……少し時間がかかるかもしれないけど、必ず。伝えるよ」



「別に世間はここでなくたって見れるわ、本の中でとか」
 反論を試みるシュネーだが揚げ芋をちびちびと食べながらでは格好がつかないが、対するカグラもポテトボールを食べているので問題はない。
「本の中の世間では、学べない事もありますよ」
 シュネーが不満を示すのは恒例行事だ。
(そろそろですね)
 シュネーを誘い広場の方へ移動する。何を目的にしているかはギリギリまで言わない。しかし移動中に飛び交う噂話からシュネーは答えを知ってしまったようで、何とか逃れようと抵抗を始めた。
「……舞台? 嫌よ、そんな場所に出たら死んでしまうわ」
 珍しくはっきりとした口調だが、内容は情けない。
(これの出番ですね)
 調達していた串を懐から取り出したカグラは、おもむろにシュネーに向かって投げつけた!
「ちょ……兄さんなによ、その串……」
 ダーツのように飛来する串を見ても、シュネーは慌てない。
「兄さんだって見世物になるのは嫌でしょうって、もう!」
 軽やかにステップを踏みながらリズムよく避け、串を掴みとる。このまま飛んで行っては危ないからとの配慮だが、測らずしも彼女のその無駄のない動きはダンスのように周囲の目には映っていた。
「見世物というよりも、ちょっとした勉強ですね」
 シュネーに文句を続けさせる気のないカグラは、次々と串を投擲していく。
(注目を浴びてる?)
 カグラが串切れを起こし避ける必要がなくなってから、シュネーは自分が囲まれていることに気づいた。
「……恥で死ねるわ」
「恥では死にません。とりあえず、お疲れ様」
 いてもたってもいられず、頭を抱え蹲るシュネー。
 観客に軽く一礼した後、シュネーの首根っこを再び掴んでカグラは舞台から立ち去るのだった。

 長い黒髪の鬘に、化粧にドレス。本来の目付きの悪さも和らげて、静架(ka0387)はミステリアスな女性として広場に陣取っていた。
 舞台とは違う、祭りに賑わう人々になるべく近い場所から笑顔を眺める。
「皆さん楽しそうで、素敵ですよね」
 まずは自らが知る曲を爪弾きリュートを鳴かせる。その演奏に気づいたリアルブルー出身の者がリクエストだと挙げてくる曲、それを自分も知っていれば答えた。けれどあくまでも前には出ない音に留めていた。あくまでも背景として、ほんの少し人々の生活を彩るのが目的だからだ。

「ステージか、なら心おきなく歌えそうだ」
 すっきりとしたシルエットのスーツに身を包み、手にはギター。広場の専用スペースの下見をしながら、サーシャ・V・クリューコファ(ka0723)は用意した歌詞を心の内でなぞる。
 共に演奏する予定のルナとの音合わせはどうしようか、どのようにこの歌の話をしようか。出来る限りを尽くすための準備をしようと思っていた。

 スープを煮込む合間もただ鍋を見ていただけではない。ゆでた芋とすりおろしたりんご、刻んだチーズにりんご酢をあわせ潰したものを、塩やスープで調味して団子状に。さわやかな酸味と甘みを利かせたマッシュポテトといったところ。デザートというほどではないが、強い酒があまり飲めず、甘みのある肴を好む者達に好評を得る結果となった。
(それでも、他の帝国都市よりまともというのが、不思議だ)
 美味しそうに食べる人々を、シャーリーンは感慨深げに眺めるのだった。

「来年はもっと賑やかになりますようにってね♪」
 中の具が何かわかるように目印をつけなかったのはアルファスの遊び心。何が当たるか、食べるまで分からないというのも楽しい。一口で頬張れる大きさだから、気軽に摘まめるのもポイントだ。
 お酒と相性がいいとか子供のおやつにも楽しいとの触れこみがうまく働いて、売れ行きも上々。ポテトフライとはまた違ったホクホクの感触も好評だ。

「とっても可愛いしろくまシュークリームとしろくまクッキーくまー♪ もふもふ可愛い上にとっても美味しいくま♪」
 お菓子は飛ぶように売れた。時間と材料の許す限り作っては売り、作っては売ったしろくまは、ただ一心にその喜びをかみしめる。
(くっくっくっくまー! この可愛くも美味しいお菓子を食べたらしろくまの愛くるしさに目覚めるに違いないくま! これで布教はばっちりくま☆)
 帝国兵達の広めた台詞は『菓子を作るクマが居る』である。もふもふ教についての説明は、やはり頭からすっぽ抜け、しろくまそのものが出し物という認識だったようだ。
「あれだけ売れたのに、おかしいクマー?」
 収穫祭の後、どれだけ待っても新たな入信者が来ずしろくまが首を傾げるのは、まだ先の話である。

 ジュードが勧めてきたカルヴァドスを前にユリアンは迷う。
(ワイン煮や菓子はいけるけど……)
 いつもワイン一杯で酩酊感を得る程度だ。その上で強い酒を試してもいいものだろうか。
「……これくらい、なら?」
 限度より少なく見積もって量を伝えた。

 アクアヴィットを嗜みながら、改めて人々を観察する。
(そういえば……こちらの芋で、焼酎はつくれるのでしょうか)
 誰か挑戦しないだろうか、等と思う奏だった。

「シードルは最初エルフの飲み物だったって説がアルンダヨー」
 エルフハイムのエルフ達にとっては祭事に使われる神聖な飲み物シードル。それが周辺地域に広まり、絶品さに魅了された人間達は林檎を栽培し独自にシードルを作るようになった。しかしエルフのそれと同じ味を再現できていない……という話だ。
 聞きながらもカルヴァドスを手にほろ酔い気分のジュード。このあともう一杯いこうかな、そう思ったところで止められる。
「その辺でやめておけ」
 自分の酒量限界を把握して貰えているのだと気づいた。
「じゃ、これ最後にするねー。んー、良い気分ー……♪」
 言葉にしたら更に気分も高まって、ジュードは満面の笑顔になる。そのまま演奏にあわせゆらゆらと体を揺らし拍を取っていたジュードだが、度の強い酒のせいで緩やかに酔いが回ったらしい。丁度いいやと、隣に座るエアルドフリスの肩を借りてしまうことにした。

 曲を重ねるにつれ子供達に囲まれていた静架は、その中の一人に笑顔の無い子を見つける。演奏を急に途切れさせる訳にもいかず視線だけで伺えば、どこか不安そうに、通り過ぎる大人達をせわしなく振り返っている。
 キリの良いところで演奏の手を止め、続きをねだる子供達にごめんねと言いながらその子の前にしゃがみ込み視線を合わせた。
「迷子になってしまったんですね。一緒に、探しに行きましょうか?」
 笑顔は苦手だ、けれど精一杯の優しい声音に、その子の目元がくしゃりと歪む。静架の差し出した手にすがり、小さく頷くのだった。

 屋台の料理を一つずつチェックするアンネ。
(せっかくだから、なにか買いたい、けど……)
 できれば食べ歩けるものがいい。その上でも、自分の好みに合うものがあればいいと思う。ザッハトルテが一番だけれど、流石にそれは置いていない。
(それはまあ、分かってた……ん……?)
 見つけたのはスティックタイプのポテトアップルパイ。甘いものの屋台もあまり多くない中で、一際アンネの気を惹いた。
 林檎といえばアプフェルシュトゥルーデルの味も懐かしい。置いてもらえるかどうかジュードに頼んでみてもいいだろうかと思いながら、パイを手に警備を再開するのだった。

「すれ違った相手の口に、このパイを突っ込むイベントとかっ? ……なにか違うなあ」
 何が違うのか、考え直してみるシアーシャ。
(口に入れるならアーンって素敵な人にしてもらいたいよね)
 そうだ、まさにお祭りってば、男女の出会いの場所じゃないか!
(あたしのまだ見ぬ王子さま……会えるかな……!)
 顔の部分はぼやけたままだけれど、シアーシャの妄想が広がっていく。美味しそうに食べる姿が可愛いよ、いつまでも見ていたいな。君も僕にアーンしてくれるかい?
(だなんてだなんてっ、キャーッ!)
 誰かが妄想通りにパイを入れてくれたりしないかな、なんて無意識が働いて。シアーシャはぱっかんと口を開けたまま夢見心地。しばらく楽しい妄想にふけっていた。

「あっ」
 スティック状のなにかを食べ歩くアンネをみつけ、まよいは思わず駆け寄っていた。
「お姉ちゃんの食べてるの、とっても美味しそう! ねぇねぇ、それどこで買えるの?」
「ああ、これ、は……あっちの、帝国兵? の屋台」
 ポテトアップルパイだという答えと共に屋台のある場所を教わる。まだ行っていない場所だ。すでにいくつかの芋料理を買ってはいたけれど、甘いものだというなら食べない道理はない。
「へぇえ~、ありがとっ。さっそく行ってみるね♪
 そのまま踵を返しかけ、思い出したように振り返るまよい。手に持っていたポテトフライ、蒸し芋のタルタル串を指し示した。
「あ、そだ! 教えてくれたお礼に、これあげるっ」
「……ありがと、いただく……」
 少し冷めてしまってはいるが、誰かと食べるのも悪くないなと、まよいの背を見送りながらアンネは思った。

(祭りなら当然出番だなっ。どっからでも稼いでやんぞっ)
 モノクロベースに赤マント。右の耳には月飾り、片目の下には涙を乗せて。リズリエル・ュリウス(ka0233)扮するMOONRISEのマスコットうさぎが大玉に乗ったまま練り歩いている。演出音楽も自前で、奏でるリュートも月模様。
 一か所にとどまらず、常に人を魅せる動きのうさぎはすぐに人々の間で噂が広がっていった。おひねりには丁寧なお辞儀で答えて、お腹が空いたと怒り、昼の月に手が届かないと泣いて、ぽよぽよくるりと一回転で楽しい気分を表現する。パントマイムとジェスチャーゲームの合わせ技で、周囲に笑いを振りまいていた。
「まぁ普通にしゃべるんだけどなっ」
 そのうち黙っているのも飽きて、うさぎリズリエルもしゃべりだす。
「言葉といっしょにこいつらもーだっ」
 フープやボールを取り出して、ジャグリングへと興行内容もシフトしていった。

 大道芸人のうさぎ姿が目に留まり、知らず笑顔を浮かべるユリアン。
「着ぐるみ、懐かしいな……父さんが、まるごとコレクターでさ、家に沢山あって……」
 時折、きょうだい皆でその辺にあるまるごとを抱きしめて寝入ることがあった、なんて自分から言うのはどこか気恥ずかしかった。

「こんにちは、カミラさん」
 リクの名乗りに、剣機作戦の参加者だと把握したカミラは参加の礼を告げる。
「楽しめているか?」
「ええ。……来年はルミナちゃんを呼んで芋料理コンテストでもしたらいいじゃないですか」
「陛下がお手すきなら、死ぬほど芋料理を食べていただく計画も考えてはいたんだ」
 いい案だ、感謝する。リクは冗談のつもりだったのだが、カミラは本気で考慮するようだ。
(真面目な人なので結構苦労しそうだなぁ、って思ってたんだけど)
 料理の話は別なのだ。

「お嬢様、今のうちに」
 水を手渡し背にかばう。うさぎは子供達にとっての夢の世界の住人も同じだ。中身、リズリエルの姿をさらすわけにはいかない。隠形の技術も利用して、今マーフェルスをにぎわす噂の存在を人目からかくまうことにアミグダは力を尽くす。

 手荷物も随分と増えたところで、やっとありついたポテトアップルパイ。移動ばかりで疲れていた体に優しい甘みが広がっていく。
「シーラ、貴方これ家でも作れる? また食べたいわ」
 道行く人々を眺めながらも、手元は今日見聞きしたことを書き込んでおり休みを知らないエア。この後店のシェフにレシピも聞かなければと思っておりまだまだ書き足りない。知識欲も留まるところを知らない。
「仰せのままに」
 祭の空気につられたのか、いつもとは違うおどけた調子で答えるシーラ。行動がいつもと同じでも、祭という非日常が気分を随分と変えてくれる。
(こんな日も、悪くないな)

「とーんつーんしゅっ?」
 自分が大道芸人であることは周知できたと考えてリズリエルは祭の空気を楽しむことに。
(いもばっかかっ、肉もちょうづめばっかだなっ)
 物足りないのは否めないが、空腹には代えられない。肉汁が特に多くて美味そうなヴルストが食べたいとロサをせっつく。
「あらあらお嬢様、食べ過ぎは厳禁ですわ。使い過ぎもいけませんのよ?」
 それにその恰好では好きなだけ食べるなんて不可能ですよと嗜めて、リズリエルの財布の紐を首にかけた紐を締めるようにしっかり〆る。
「少し待っていてくださいませ」
 湿らせたハンカチも用意して、口元べったり対策も万全だ。

 打ち合わせも終えて、スペースの中央へ。
「諸君、私の歌声を聴き給え!」
 サーシャの声に人々の視線が集まる。まずは意識を引かなければならない。盛り上がりのあるアップテンポの曲ではないから、前口上を入れたのだ。
「タイトルは、星光の恵み、だ……皆の耳を一時、かりよう」

 サーシャの歌を支えるギターの旋律。そこに沿い重ねるようにルナも紡ぐ。特に意識したのは余韻になる響きの部分。出来る限り柔らかく、出来る限り歌詞に乗った気持ちに合わせて。耳を傾ける人の心に、言葉と共に入り込むような音を意識する。
(引き込むような曲にしたいって、言ってました)
 音合わせの時に聞いた言葉を抱くように、リュートに籠めた。

 くすんだ 空からこぼれた
 僕の足元で光が 芽吹いた
 何も 見えない 小さな 光を
 掬い取って 地面に植えたのさ

 声に聴き入らせるように。けれど風のように空間を流す歌声が広場に響き渡っていく。
 サーシャが好む星空に、この収穫祭という祭の空気を纏わせて完成した曲は、来年の収穫祭への餞になっただろうか。

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MVP一覧

  • 幸せの青き羽音
    シャーリーン・クリオールka0184
  • うさぎのどうけし
    リズリエル・ュリウスka0233
  • 癒しへの導き手
    シュネー・シュヴァルツka0352
  • アークシューター
    静架ka0387
  • まないた(ほろり)
    サーシャ・V・クリューコファka0723
  • もふもふ☆教祖様
    しろくまka1607
  • 嗤ウ観察者
    アルヴィン = オールドリッチka2378
  • 大工房
    ソフィア =リリィホルムka2383
  • 《聡明》なる天空の術師
    アルファスka3312

重体一覧

参加者一覧

  • 一刀必滅
    ナハティガル・ハーレイ(ka0023
    人間(紅)|24才|男性|闘狩人
  • 白き流星
    鬼塚 陸(ka0038
    人間(蒼)|22才|男性|機導師

  • カグラ・シュヴァルツ(ka0105
    人間(蒼)|23才|男性|猟撃士
  • 優しさと厳しさの狭間
    エリシャ・カンナヴィ(ka0140
    エルフ|13才|女性|疾影士
  • 荊の果実
    アミグダ・ロサ(ka0144
    人間(紅)|24才|女性|魔術師
  • 幸せの青き羽音
    シャーリーン・クリオール(ka0184
    人間(蒼)|22才|女性|猟撃士
  • うさぎのどうけし
    リズリエル・ュリウス(ka0233
    人間(紅)|16才|女性|疾影士
  • 癒しへの導き手
    シュネー・シュヴァルツ(ka0352
    人間(蒼)|18才|女性|疾影士
  • アークシューター
    静架(ka0387
    人間(蒼)|19才|男性|猟撃士
  • 空を引き裂く射手
    ジュード・エアハート(ka0410
    人間(紅)|18才|男性|猟撃士
  • まないた(ほろり)
    サーシャ・V・クリューコファ(ka0723
    人間(蒼)|15才|女性|機導師
  • 時の手綱、離さず
    シルヴェイラ(ka0726
    エルフ|21才|男性|機導師
  • 物語の終章も、隣に
    エルティア・ホープナー(ka0727
    エルフ|21才|女性|闘狩人
  • 夢路に誘う青き魔女
    夢路 まよい(ka1328
    人間(蒼)|15才|女性|魔術師
  • 光森の奏者
    ルナ・レンフィールド(ka1565
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • もふもふ☆教祖様
    しろくま(ka1607
    人間(紅)|28才|男性|聖導士
  • 抱き留める腕
    ユリアン・クレティエ(ka1664
    人間(紅)|21才|男性|疾影士
  • 赤き大地の放浪者
    エアルドフリス(ka1856
    人間(紅)|30才|男性|魔術師
  • えがおのまほうつかい
    ベル(ka1896
    エルフ|18才|女性|魔術師
  • 嗤ウ観察者
    アルヴィン = オールドリッチ(ka2378
    エルフ|26才|男性|聖導士
  • 大工房
    ソフィア =リリィホルム(ka2383
    ドワーフ|14才|女性|機導師
  • 力の限り前向きに!
    シアーシャ(ka2507
    人間(紅)|16才|女性|闘狩人
  • 志の黒
    音桐 奏(ka2951
    人間(蒼)|26才|男性|猟撃士
  • 《聡明》なる天空の術師
    アルファス(ka3312
    人間(蒼)|20才|男性|機導師

  • ズィルバーン・アンネ・早咲(ka3361
    人間(蒼)|15才|女性|機導師

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
鬼塚 陸(ka0038
人間(リアルブルー)|22才|男性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2014/11/27 08:43:54
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2014/11/27 00:22:15