ゲスト
(ka0000)
【羽冠】獣達の将帥
マスター:鹿野やいと

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
アム・シェリタ―揺籃館―- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/04/23 12:00
- リプレイ完成予定
- 2018/05/07 12:00
オープニング
イスルダ島は今なお敵地である。浄化が完全でない事や、自然発生する歪虚の数が多いという点も大きいが、何よりもまともな生産施設を設置できていないという点が問題であった。この為にイスルダ島に駐留する各部隊は本島側の港より海路で定期的に補給を受けている。その補給線が最近、歪虚の部隊により頻繁に分断されるようになっていた。イスルダ島への便を集約する港町へ送られてくる補給の隊列に対して行われた攻撃は一か月に十回を越える。敵の数は少数だが襲撃は巧妙で捕捉が難しく、兵を揃えて備えれば襲撃対象を変えて別の街を襲うなど、攻撃はいやがらせに徹していた。
兵を配置することを諦めた王国軍は少数精鋭のハンターを各補給隊列に忍ばせる作戦に方針を転換する。この方針であっても多くの戦力を遊ばせる事にはなるが、兵力を隠蔽するという意味ではこれ以上の方法は思いつかなかった。
参加したハンター達が襲撃に遭遇したのは依頼を受けて10日目のこと。街道を進む細長い隊列が横に広く小高い丘の足元に差し掛かった頃に歪虚の一団は現れた。笛の音か、あるいは獣の鳴き声か。丘の上から響く音を頼りに視線を走らせると、巧妙に偽装された歪虚部隊の姿が見えた。ハンター達はひそかに武器を手に取って持ち場に戻る。敵は整列した兵士達に気を取られ、こちらのハンターの位置を把握していない。致命的な一撃を加えるため、ハンター達はその瞬間の訪れを待った。
●
港町に繋がる街道に臨む小高い丘の陰、20騎を越える歪虚騎士が整列していた。騎乗するのは馬ではなくヴェロキラプトルに似た小型の竜。それが王国軍の補給隊が通りがかるのを息を殺して待ち構えていた。1匹の例外を除いて。
「まーだ理解出来ないんですか!? あったま悪いですねー! ちゃんと学校の教科学んでそれですか!? 元騎士が聞いて呆れてしまいますよ!!」
やかましくぎゃんぎゃん喋っているのは騎竜の中でも大柄な一体、鳥のような頭を持つオヴィラプトルに似た個体だ。名をドーピス。彼の言葉は彼の思考ではなく、ドーピスに跨る名も分からぬ大男の意思を翻訳したものである、らしい。ドーピス談のその話、既に多くの歪虚騎士達が5割は嘘だなと理解していた。フルフェイスヘルムで顔も見えない人物だが、こんな饒舌そうには見えない。声帯に異常があるらしく声を聞いた者は皆無だが、指示が端的で的確な事はドーピスの雑音過多な翻訳を通じても理解できた。
「う。騎士じゃねえ、貴族だ」
2名の隊長片方、ケプロンは思わず口答えしていた。貴族の嫡子であった彼のプライドは歪虚になった今も残っており、結果が見えた上でも黙っているのは苦痛だった。
「どっちにしろ低能なのは変わらないですけどねぇーーーーー!!!???」
首を頻繁に横に回転させながらドーピスは唾を吐きかける勢いでケプロンをまくしたてる。もう一人隊長、元騎士のヴァルナは放っておけばいつまでも喋り続けそうなドーピスの顔を強引に横にどけると、乗り手である大男に正面から向かい合った。
「話はわかりました。ですが、こんな小競り合いのような戦闘に本当に意味があるのですか? 私にはとてもそう思えません」
ヴァルナは鋭い視線で大男を射抜いた。平時には女性らしい柔らかさも残る彼女だが、戦歴ではケプロンを上回る。歪虚となり更に凄みも増したはずだが、目の前の大男にはそれでも通じない。黙っていた大男は目を開くと、彼女の視線に答えるようにヴァルナの視線を見つめ返した。ヴァルナはほんのわずかに視線がぶつかっただけで気おされてしまった。力量に圧倒的な差がある。圧力に屈して次の言葉が告げられない。そこへやかましい騎竜が割り込んできた。
「あーれー? もしかして逆らっちゃいます? ウルトラグレートな僕らの上司に逆らっちゃいます? 命要らない系女子? やだ、ばんゆー! でも心の広いドーピス様はグレートな上司との仲を取り持って仲裁してあげますね。お代は裸踊りで!」
「……は?」
「聞ーこーえーまーせんでしたーー!!? 裸踊りですよ! 貴方みたいな芸も何もなさそうな女らしさ皆無の武骨系筋肉女子にも出来る簡単なお題にしてあげたんですよ! これがほんとならワイン樽一気飲みのところを優しいドーピス様が裸踊りで許してあげると言ってるんです! みっともない感じでお願いしますね!!」
「いや、ちょっと……」
「それともそんな簡単なことも出来ないんですか!? ダメですよーそんなことじゃパワハラ上等の新組織で生きていけませんよ! ほら、脱いでください!! 脱いで脱いで!! 貧相なkンモゲェーーーーーー!!!!????」
その話題の上司の腕がドーピスの首筋の肉をつかみ上げていた。太い二の腕は膨れ上がって血管が浮き上がっており、今にも首の肉を引きちぎりそうだ。口から泡を吹いて暴れるドーピスは必死に命の危機を訴えるが全く意に介さない。そしてこのお喋りな竜を助けようとする仲間はこの場には誰も居なかった。ザマア、などの気持ちで見守るばかりである。
こうして潜伏した軍とは思えない騒がしさが一段落した頃、見計らったように一人の歪虚騎士が致命的な内容を口にした。
「あの、隊長」
「なんだ?」
「それが、王国軍に居場所がばれました」
ヴァルナはちらりと丘を越えた先の補給部隊を見た。明らかにこちらを指向して防御陣形を組みつつある。こうなっては奇襲の段取りに意味はない。
「くそっ、もういい。突撃だ!」
始まってしまったものは仕方ない。隊長二人は整列済みの部隊を率いて輜重隊への突撃を敢行した。
その背後で大男はようやく起き上がったドーピスに何事も無かったかのように跨る。彼は今回も遊軍として後方より戦場を見渡すつもりだった。未熟なまま戦場に投入され、未熟なまま歪虚になり、未熟なまま運用される部下に経験を積ませる必要がある。その為に自分は手出しをしてはいけない。そのように部下達には伝えている。そのはずなのだが。
「うっひょー! 食べ頃の牛さん発見! 赤身肉は最高ですよね! 僕もご飯に行っていいですか!? もう我慢できなーい!!!」
人の話を聞かない・待たない・遮るという最低の通訳は、乗り手の意思をまるで考慮することなく、補給部隊中央付近の荷運び用の牛めがけて全速力で走りだした。指揮官として赴任した彼には考えることがたくさんあるがまず一つ、仕事が終わり次第脅しでなくこの騎竜の太ももの肉をむしって食ってやろうと心に決めたのだった。
兵を配置することを諦めた王国軍は少数精鋭のハンターを各補給隊列に忍ばせる作戦に方針を転換する。この方針であっても多くの戦力を遊ばせる事にはなるが、兵力を隠蔽するという意味ではこれ以上の方法は思いつかなかった。
参加したハンター達が襲撃に遭遇したのは依頼を受けて10日目のこと。街道を進む細長い隊列が横に広く小高い丘の足元に差し掛かった頃に歪虚の一団は現れた。笛の音か、あるいは獣の鳴き声か。丘の上から響く音を頼りに視線を走らせると、巧妙に偽装された歪虚部隊の姿が見えた。ハンター達はひそかに武器を手に取って持ち場に戻る。敵は整列した兵士達に気を取られ、こちらのハンターの位置を把握していない。致命的な一撃を加えるため、ハンター達はその瞬間の訪れを待った。
●
港町に繋がる街道に臨む小高い丘の陰、20騎を越える歪虚騎士が整列していた。騎乗するのは馬ではなくヴェロキラプトルに似た小型の竜。それが王国軍の補給隊が通りがかるのを息を殺して待ち構えていた。1匹の例外を除いて。
「まーだ理解出来ないんですか!? あったま悪いですねー! ちゃんと学校の教科学んでそれですか!? 元騎士が聞いて呆れてしまいますよ!!」
やかましくぎゃんぎゃん喋っているのは騎竜の中でも大柄な一体、鳥のような頭を持つオヴィラプトルに似た個体だ。名をドーピス。彼の言葉は彼の思考ではなく、ドーピスに跨る名も分からぬ大男の意思を翻訳したものである、らしい。ドーピス談のその話、既に多くの歪虚騎士達が5割は嘘だなと理解していた。フルフェイスヘルムで顔も見えない人物だが、こんな饒舌そうには見えない。声帯に異常があるらしく声を聞いた者は皆無だが、指示が端的で的確な事はドーピスの雑音過多な翻訳を通じても理解できた。
「う。騎士じゃねえ、貴族だ」
2名の隊長片方、ケプロンは思わず口答えしていた。貴族の嫡子であった彼のプライドは歪虚になった今も残っており、結果が見えた上でも黙っているのは苦痛だった。
「どっちにしろ低能なのは変わらないですけどねぇーーーーー!!!???」
首を頻繁に横に回転させながらドーピスは唾を吐きかける勢いでケプロンをまくしたてる。もう一人隊長、元騎士のヴァルナは放っておけばいつまでも喋り続けそうなドーピスの顔を強引に横にどけると、乗り手である大男に正面から向かい合った。
「話はわかりました。ですが、こんな小競り合いのような戦闘に本当に意味があるのですか? 私にはとてもそう思えません」
ヴァルナは鋭い視線で大男を射抜いた。平時には女性らしい柔らかさも残る彼女だが、戦歴ではケプロンを上回る。歪虚となり更に凄みも増したはずだが、目の前の大男にはそれでも通じない。黙っていた大男は目を開くと、彼女の視線に答えるようにヴァルナの視線を見つめ返した。ヴァルナはほんのわずかに視線がぶつかっただけで気おされてしまった。力量に圧倒的な差がある。圧力に屈して次の言葉が告げられない。そこへやかましい騎竜が割り込んできた。
「あーれー? もしかして逆らっちゃいます? ウルトラグレートな僕らの上司に逆らっちゃいます? 命要らない系女子? やだ、ばんゆー! でも心の広いドーピス様はグレートな上司との仲を取り持って仲裁してあげますね。お代は裸踊りで!」
「……は?」
「聞ーこーえーまーせんでしたーー!!? 裸踊りですよ! 貴方みたいな芸も何もなさそうな女らしさ皆無の武骨系筋肉女子にも出来る簡単なお題にしてあげたんですよ! これがほんとならワイン樽一気飲みのところを優しいドーピス様が裸踊りで許してあげると言ってるんです! みっともない感じでお願いしますね!!」
「いや、ちょっと……」
「それともそんな簡単なことも出来ないんですか!? ダメですよーそんなことじゃパワハラ上等の新組織で生きていけませんよ! ほら、脱いでください!! 脱いで脱いで!! 貧相なkンモゲェーーーーーー!!!!????」
その話題の上司の腕がドーピスの首筋の肉をつかみ上げていた。太い二の腕は膨れ上がって血管が浮き上がっており、今にも首の肉を引きちぎりそうだ。口から泡を吹いて暴れるドーピスは必死に命の危機を訴えるが全く意に介さない。そしてこのお喋りな竜を助けようとする仲間はこの場には誰も居なかった。ザマア、などの気持ちで見守るばかりである。
こうして潜伏した軍とは思えない騒がしさが一段落した頃、見計らったように一人の歪虚騎士が致命的な内容を口にした。
「あの、隊長」
「なんだ?」
「それが、王国軍に居場所がばれました」
ヴァルナはちらりと丘を越えた先の補給部隊を見た。明らかにこちらを指向して防御陣形を組みつつある。こうなっては奇襲の段取りに意味はない。
「くそっ、もういい。突撃だ!」
始まってしまったものは仕方ない。隊長二人は整列済みの部隊を率いて輜重隊への突撃を敢行した。
その背後で大男はようやく起き上がったドーピスに何事も無かったかのように跨る。彼は今回も遊軍として後方より戦場を見渡すつもりだった。未熟なまま戦場に投入され、未熟なまま歪虚になり、未熟なまま運用される部下に経験を積ませる必要がある。その為に自分は手出しをしてはいけない。そのように部下達には伝えている。そのはずなのだが。
「うっひょー! 食べ頃の牛さん発見! 赤身肉は最高ですよね! 僕もご飯に行っていいですか!? もう我慢できなーい!!!」
人の話を聞かない・待たない・遮るという最低の通訳は、乗り手の意思をまるで考慮することなく、補給部隊中央付近の荷運び用の牛めがけて全速力で走りだした。指揮官として赴任した彼には考えることがたくさんあるがまず一つ、仕事が終わり次第脅しでなくこの騎竜の太ももの肉をむしって食ってやろうと心に決めたのだった。
解説
●依頼内容
補給部隊の防衛
可能なら敵指揮官クラスの撃破
●友軍
・補給部隊
戦闘力無し。牛や馬などに荷車を引かせている
・護衛部隊
現地貴族の私兵。数はそこそこだが練度は並
前衛は槍衾で迎撃、後衛は弓で支援と相互に連携するが
質の差が大きいので戦線を長くは維持できない
●敵軍団(交戦開始5ターン目までに判明する情報を含む)
・騎竜部隊
竜に似た動物に乗る歪虚騎士の一団
OP中のヴァルナとケプロンがそれぞれ10騎ずつ指揮
20名の部下はLV15まで、隊長2名はLv25までの闘狩人スキルを使用
武装は共通で槍と盾
・騎竜ドーピス+無名の大男
一回り大きな騎竜とそれに跨る巨躯の戦士。恐らくこの戦場で最強の駒。
最強のはずだが竜は戦場そっちのけで食料荒らしに熱心で、男は戦闘には参加せず周囲に目を配っている
武器は巨大な槍のみ。闘狩人の近接戦闘力に疾影士の手数を持つ強力な戦士
●敵の行動
ヴァルナの隊が補給部隊の前方を塞ぐように移動
ケプロンが隊列中央に集まった防衛隊の主力に正面から突撃
以後はヴァルナが荷物や荷車の破壊、ケプロンが主力の足止めの方針で行動します
ハンターの存在は考慮に入っていないので、名乗りを上げるなどの余程の行動が無ければ1ターン目の行動は変化しません
無名の大男は歪虚側が明確に劣勢になるまで行動せず、行動する場合でも自身の力を振るうのは後回しにします
ドーピスは牛を襲って「肉うめぇーーーー!!」と叫びつつ肉を食べてるだけなので、大男が動くまでそれ以外の行動はしません
●ハンターの初期位置
前後に長い隊列内で自由に配置してください。
馬車や荷物の中で隠れる、騎馬隊に参加するなど、部隊を離れないならどこでも構いません
●他
NPCの関連付けはありませんが、必要な場合はMS名義で質疑応答を実施します
補給部隊の防衛
可能なら敵指揮官クラスの撃破
●友軍
・補給部隊
戦闘力無し。牛や馬などに荷車を引かせている
・護衛部隊
現地貴族の私兵。数はそこそこだが練度は並
前衛は槍衾で迎撃、後衛は弓で支援と相互に連携するが
質の差が大きいので戦線を長くは維持できない
●敵軍団(交戦開始5ターン目までに判明する情報を含む)
・騎竜部隊
竜に似た動物に乗る歪虚騎士の一団
OP中のヴァルナとケプロンがそれぞれ10騎ずつ指揮
20名の部下はLV15まで、隊長2名はLv25までの闘狩人スキルを使用
武装は共通で槍と盾
・騎竜ドーピス+無名の大男
一回り大きな騎竜とそれに跨る巨躯の戦士。恐らくこの戦場で最強の駒。
最強のはずだが竜は戦場そっちのけで食料荒らしに熱心で、男は戦闘には参加せず周囲に目を配っている
武器は巨大な槍のみ。闘狩人の近接戦闘力に疾影士の手数を持つ強力な戦士
●敵の行動
ヴァルナの隊が補給部隊の前方を塞ぐように移動
ケプロンが隊列中央に集まった防衛隊の主力に正面から突撃
以後はヴァルナが荷物や荷車の破壊、ケプロンが主力の足止めの方針で行動します
ハンターの存在は考慮に入っていないので、名乗りを上げるなどの余程の行動が無ければ1ターン目の行動は変化しません
無名の大男は歪虚側が明確に劣勢になるまで行動せず、行動する場合でも自身の力を振るうのは後回しにします
ドーピスは牛を襲って「肉うめぇーーーー!!」と叫びつつ肉を食べてるだけなので、大男が動くまでそれ以外の行動はしません
●ハンターの初期位置
前後に長い隊列内で自由に配置してください。
馬車や荷物の中で隠れる、騎馬隊に参加するなど、部隊を離れないならどこでも構いません
●他
NPCの関連付けはありませんが、必要な場合はMS名義で質疑応答を実施します
マスターより
ご無沙汰しています。今回の連動もちょこちょことシナリオを出していきたいと思っています。
さて、久しぶりのシナリオですが、小規模ながら乱戦の戦場になります。
慎重さと大胆さの両方が必要な難しい状況です。
あるいは、大声で名乗りを上げて戦場をかき乱すのもロマンかもしれません。
難易度の割りに考えることが多いですが、楽しんでいただければ幸いです
さて、久しぶりのシナリオですが、小規模ながら乱戦の戦場になります。
慎重さと大胆さの両方が必要な難しい状況です。
あるいは、大声で名乗りを上げて戦場をかき乱すのもロマンかもしれません。
難易度の割りに考えることが多いですが、楽しんでいただければ幸いです
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/05/11 09:56
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 マッシュ・アクラシス(ka0771) 人間(クリムゾンウェスト)|26才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/04/23 08:22:43 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/04/21 14:45:37 |