ゲスト
(ka0000)
【操縁】Malizia
マスター:風亜智疾

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/05/17 22:00
- リプレイ完成予定
- 2018/05/31 22:00
オープニング
■Invidia
エミーリオがそれに興味を持ったのは、本当に偶然だった。
随分と前に焼け落ちたのだろう村の片隅に蹲る青年から漂う、酷い執着の香り。
その源は何なのかと辿ってみれば、彼の手元には煤けはしたものの辛うじて形を留めた一枚の絵。
この廃屋だらけの村の中で唯一生命と呼べるその青年へとゲームを持ち掛け、そうして契約した。
いいな、と思った。ずるい、とも思った。
執着出来るだけの何かを持った青年が、酷く妬ましかった。
そして同時に、理解が出来なかった。
何故、妬ましく思う相手を排しないのかと。
《ヒト》に見られる『忍耐』やら『我慢』やら。
そういうものを、エミーリオは嫌いだし、苦手としていたから。
それが、今から約10年前のお話。
やがて青年は嫉妬の歪虚・エミーリオとのゲームに負けた。
周囲はそう思うだろう。
けれど違う。エミーリオは嗤った。
エミーリオという歪虚にとって、あの青年はゲームの駒の一つ。
彼が用意した舞台上で演じる役者の一人にしかすぎなかったからだ。
この世界において《ヒト》という形を取る生き物は須らく嫉妬という感情を持ち合わせているものだと、エミーリオは思う。
そうでなければこの世界で『嫉妬』を好む歪虚が存在出来るはずがない。
他の歪虚の考えなど、エミーリオは知らない。
楽しそうなゲームであればちょっかいをかけるし、そうでないなら傍から見て楽しむだけだ。
そして今、彼は誰かの用意した大きな舞台よりも、自前の舞台の方が楽しくて仕方がない。
舞台に上がるためのチケットは既に、対戦相手に届けられた。景品だって、当の本人は気づいてないだろうがちゃんと用意してある。
ただ残念なことに、景品を入れておくために用意しておいた森の奥の鳥籠は使えなくなってしまったが。
「まっ、使えなくテモどうにでもなるからイイけどネっ! キャハハハハッ!!」
実際のところ、エミーリオという歪虚が絵本に固執する理由などない。
ただ気まぐれで始めたゲームの駒が、それに酷く執着していたから。それを中心に嫉妬を増長させていたから。
ゲームの駒を動かしていたら、対戦相手が出来たから。
その程度だ。その程度だった。
けれど、気づいたら使わない手はないのだ。
ジャルージーは《ヒト》が面白くて仕方がない。妬ましくて仕方がない。
何故あの絵本に『子狐』が出てこないのか。
出逢う人々を動物にして絵本に出すのなら、その中にどうして作者を表したものがいないのか。
けれど、作者はとある時から『子狐』と自身を動物として表しているらしい。
だというのに絵本には一度も子狐は出てこない。妬ましさを感じ取って愉しくて嗤いが止まらない。
もし万が一『子狐』が絵本に出てきたとしても、その子狐は決して不自由な姿ではないだろう。
他の動物たちと同じように動き回り、旅をし、遊びまわるのだろう。
現実の『足の悪い子狐』など、初めからいなかったかのように。
人間は愛しいと思うものに対して、よく妬ましさを抱くことがある。
それこそが嫉妬の歪虚たる自身の好物だ。
妬み嫉みは常に表に出るものではない。当人すらも知らず知らず胸の内で、大事に大事に育てられるものだ。
そうして当人がどうしようもなくなった時こそが、彼にとっての刈り入れ時。
だから待っていた。ずっと。ずうっと。
歪虚はずっとゲームを続けていた。
お互いの駒を潰し、どちらかが倒れればゲームオーバー。
「さぁ、ソロソロ次のゲームを始めようカ!」
退屈はダイキライ。我慢もダイキライ。
そんな自分にしては、待ってやった方なのだ。だから。
「楽しませてクレナイと、どーなってもシラナイよ!」
■paura
どうして。どうしてどうしてどうしてなんでなんでなんで。
その日。ある雑貨屋で働く男は、今度新しく別の街に出店するための品物を受け取り、新しい店舗へと届けている所だった。
相手はとある事情でなかなか出歩くことが出来ない人だったので、時間の都合がつくときにこちらから出向くようにしていたのだ。
庭の綺麗な一人で住む相手は、街から少し外れた場所にその居住を構えている。
以前、なぜ不便な場所に住むのかと尋ねたことがあった。
己の問いかけに相手は笑って、少しでも多く自立するためだと答えた。
周囲に人手が多いとつい頼りすぎてしまうから、と。周りも手を貸してくれるだろうから、と。
それにちょっとだけ、と。
「ほんのちょっとだけ、だけれど。毎日自由に動き回るみんなを見ていたら、いいなって思ってしまうかもしれないから」
目の前に迫る鋭い牙に、男は動けない。
鋭い牙のその更に向こうで、金の髪が風に揺れる。
三日月のようににたりと上げられた口角と、白磁のような肌を包むドレス。
そして何より、無機質に光る緑の瞳。
眼前の獣は普通の獣ではない。
明らかに無機質の……まるで石のようなもので出来た、ズタボロの布みたいなものを首に巻き付けた、それは。
「はっ、灰色おお――」
――ブラックアウト。
エミーリオがそれに興味を持ったのは、本当に偶然だった。
随分と前に焼け落ちたのだろう村の片隅に蹲る青年から漂う、酷い執着の香り。
その源は何なのかと辿ってみれば、彼の手元には煤けはしたものの辛うじて形を留めた一枚の絵。
この廃屋だらけの村の中で唯一生命と呼べるその青年へとゲームを持ち掛け、そうして契約した。
いいな、と思った。ずるい、とも思った。
執着出来るだけの何かを持った青年が、酷く妬ましかった。
そして同時に、理解が出来なかった。
何故、妬ましく思う相手を排しないのかと。
《ヒト》に見られる『忍耐』やら『我慢』やら。
そういうものを、エミーリオは嫌いだし、苦手としていたから。
それが、今から約10年前のお話。
やがて青年は嫉妬の歪虚・エミーリオとのゲームに負けた。
周囲はそう思うだろう。
けれど違う。エミーリオは嗤った。
エミーリオという歪虚にとって、あの青年はゲームの駒の一つ。
彼が用意した舞台上で演じる役者の一人にしかすぎなかったからだ。
この世界において《ヒト》という形を取る生き物は須らく嫉妬という感情を持ち合わせているものだと、エミーリオは思う。
そうでなければこの世界で『嫉妬』を好む歪虚が存在出来るはずがない。
他の歪虚の考えなど、エミーリオは知らない。
楽しそうなゲームであればちょっかいをかけるし、そうでないなら傍から見て楽しむだけだ。
そして今、彼は誰かの用意した大きな舞台よりも、自前の舞台の方が楽しくて仕方がない。
舞台に上がるためのチケットは既に、対戦相手に届けられた。景品だって、当の本人は気づいてないだろうがちゃんと用意してある。
ただ残念なことに、景品を入れておくために用意しておいた森の奥の鳥籠は使えなくなってしまったが。
「まっ、使えなくテモどうにでもなるからイイけどネっ! キャハハハハッ!!」
実際のところ、エミーリオという歪虚が絵本に固執する理由などない。
ただ気まぐれで始めたゲームの駒が、それに酷く執着していたから。それを中心に嫉妬を増長させていたから。
ゲームの駒を動かしていたら、対戦相手が出来たから。
その程度だ。その程度だった。
けれど、気づいたら使わない手はないのだ。
ジャルージーは《ヒト》が面白くて仕方がない。妬ましくて仕方がない。
何故あの絵本に『子狐』が出てこないのか。
出逢う人々を動物にして絵本に出すのなら、その中にどうして作者を表したものがいないのか。
けれど、作者はとある時から『子狐』と自身を動物として表しているらしい。
だというのに絵本には一度も子狐は出てこない。妬ましさを感じ取って愉しくて嗤いが止まらない。
もし万が一『子狐』が絵本に出てきたとしても、その子狐は決して不自由な姿ではないだろう。
他の動物たちと同じように動き回り、旅をし、遊びまわるのだろう。
現実の『足の悪い子狐』など、初めからいなかったかのように。
人間は愛しいと思うものに対して、よく妬ましさを抱くことがある。
それこそが嫉妬の歪虚たる自身の好物だ。
妬み嫉みは常に表に出るものではない。当人すらも知らず知らず胸の内で、大事に大事に育てられるものだ。
そうして当人がどうしようもなくなった時こそが、彼にとっての刈り入れ時。
だから待っていた。ずっと。ずうっと。
歪虚はずっとゲームを続けていた。
お互いの駒を潰し、どちらかが倒れればゲームオーバー。
「さぁ、ソロソロ次のゲームを始めようカ!」
退屈はダイキライ。我慢もダイキライ。
そんな自分にしては、待ってやった方なのだ。だから。
「楽しませてクレナイと、どーなってもシラナイよ!」
■paura
どうして。どうしてどうしてどうしてなんでなんでなんで。
その日。ある雑貨屋で働く男は、今度新しく別の街に出店するための品物を受け取り、新しい店舗へと届けている所だった。
相手はとある事情でなかなか出歩くことが出来ない人だったので、時間の都合がつくときにこちらから出向くようにしていたのだ。
庭の綺麗な一人で住む相手は、街から少し外れた場所にその居住を構えている。
以前、なぜ不便な場所に住むのかと尋ねたことがあった。
己の問いかけに相手は笑って、少しでも多く自立するためだと答えた。
周囲に人手が多いとつい頼りすぎてしまうから、と。周りも手を貸してくれるだろうから、と。
それにちょっとだけ、と。
「ほんのちょっとだけ、だけれど。毎日自由に動き回るみんなを見ていたら、いいなって思ってしまうかもしれないから」
目の前に迫る鋭い牙に、男は動けない。
鋭い牙のその更に向こうで、金の髪が風に揺れる。
三日月のようににたりと上げられた口角と、白磁のような肌を包むドレス。
そして何より、無機質に光る緑の瞳。
眼前の獣は普通の獣ではない。
明らかに無機質の……まるで石のようなもので出来た、ズタボロの布みたいなものを首に巻き付けた、それは。
「はっ、灰色おお――」
――ブラックアウト。
解説
今回のミッションクリア条件は、とある街道を使って何処かへ向かっているらしい嫉妬の歪虚『エミーリオ』の撃破or無力化or撤退です。
現場に急行した状態からのスタートとなりますので、事前に罠を張る等の行動は出来ません。
エミーリオは現在、以下の敵と一緒に行動しています。
【敵情報】
・歪虚「エミーリオ」
嫉妬眷属の歪虚。
自らの腕を石状の鋭い武器に変化させ貫くような攻撃を仕掛けてくることが確認されている。
また、理由は不明だが今回は以前見せたスキルの内『創石:アニマーレ』を使用しない模様。
<使用スキル>
『嗤石:スピーナ』…範囲3内ランダムに、地中より鋭い石棘が飛び出す範囲攻撃スキル。
『盾石:スクード』…自身の正面に石で出来た盾を作成する防御スキル。
・ピエトラルーポ(以下:石狼)×1体
体長2m弱の狼型ゴーレム。鋭い牙と爪による近接物理攻撃。ゴーレムだが敏捷性が高い。
・ウッチェッロ(以下:蒼鳥)×2体
体長1.5m弱の鳥型ゴーレム。鳴き声による回避低下付与のBS攻撃と翼の羽ばたきを利用した中距離攻撃。防御力が高い。
戦闘箇所は道幅約10mの平坦な街道で、遮蔽物はありません。
ハンターと対峙する際の敵は、ほぼ横一列の立ち位置を取っています。
尚、皆さんが戦闘するであろう場所は被害者が出た場所から離れた地点になります。
被害者が襲われて時間も経過している為、既に亡くなっており、救助は行えません。
質問等に関しては、出発24時間前までであれば関連にはなっていませんが代理でディーノが答えます。
現場に急行した状態からのスタートとなりますので、事前に罠を張る等の行動は出来ません。
エミーリオは現在、以下の敵と一緒に行動しています。
【敵情報】
・歪虚「エミーリオ」
嫉妬眷属の歪虚。
自らの腕を石状の鋭い武器に変化させ貫くような攻撃を仕掛けてくることが確認されている。
また、理由は不明だが今回は以前見せたスキルの内『創石:アニマーレ』を使用しない模様。
<使用スキル>
『嗤石:スピーナ』…範囲3内ランダムに、地中より鋭い石棘が飛び出す範囲攻撃スキル。
『盾石:スクード』…自身の正面に石で出来た盾を作成する防御スキル。
・ピエトラルーポ(以下:石狼)×1体
体長2m弱の狼型ゴーレム。鋭い牙と爪による近接物理攻撃。ゴーレムだが敏捷性が高い。
・ウッチェッロ(以下:蒼鳥)×2体
体長1.5m弱の鳥型ゴーレム。鳴き声による回避低下付与のBS攻撃と翼の羽ばたきを利用した中距離攻撃。防御力が高い。
戦闘箇所は道幅約10mの平坦な街道で、遮蔽物はありません。
ハンターと対峙する際の敵は、ほぼ横一列の立ち位置を取っています。
尚、皆さんが戦闘するであろう場所は被害者が出た場所から離れた地点になります。
被害者が襲われて時間も経過している為、既に亡くなっており、救助は行えません。
質問等に関しては、出発24時間前までであれば関連にはなっていませんが代理でディーノが答えます。
マスターより
奏で演じられた第一幕に続く、縁を操る第二幕の開演です。
ゲームの主催は嫉妬の瞳を持つジャルージー、エミーリオ。
くれぐれもお気をつけて。
ゲームの主催は嫉妬の瞳を持つジャルージー、エミーリオ。
くれぐれもお気をつけて。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/05/28 03:01
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/05/12 03:07:45 |
|
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相談卓 神代 誠一(ka2086) 人間(リアルブルー)|32才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2018/05/17 02:18:13 |