ゲスト
(ka0000)
【陶曲】壊れゆく歯車
マスター:奈華里

このシナリオは3日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- シリーズ(続編)
関連ユニオン
魔術師協会広報室- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
1,300
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/05/31 22:00
- リプレイ完成予定
- 2018/06/12 22:00
オープニング
●職人
「は、はは…やった。やったぞ」
男が自らの両手を見つめ打ち震える。
眼前には倉庫の半分を占領する位の大きな作品――それは彼の自信作だ。
無機物から出来ているとは思えない程の精巧な造形で強靭な羽はワイバーンのそれに類似する。
だが、顔は全くの別物だった。すらっとしたシルエットに尖った嘴の様な口にはびっしりと生えた無数の歯。
空を飛ぶためだけに削ぎ落された筋肉のしなやかさは歴史に見る彫刻にも匹敵するだろう。
「あぁ、神よ…私にこんな素晴らしい力を与えて頂き感謝します」
そこで男はそう言葉し微笑む。
彼の周りにある長年作り上げてきた作品の数々も彼を静かに見下ろし、この時を祝福しているかのようにも見える。けれど、それはただの幻想…。物は所詮、物に過ぎない…筈だった。が、キィィと彼の傍にあった一体が音を立て首を男の方へと傾けると、こつこつと足音を立てて彼の元へと前進する。
「おやおや、我慢のない子だ。しかし、まあそろそろいいだろう。私の作品が世に出ればきっと皆驚くさ。そして、君達の素晴らしさを理解するに違いない」
男が己が作品をいつくしみ撫でる。
(これで大丈夫だ。私は認められる…苦労を掛けたあの二人にもこれできっと)
男の顔はとても穏やかだった。しかし、彼はもう――。
●不安
「やっと見つかったんですか! それは良かった」
物資が行方不明になる事件から数週間。
ハンターらの力で奪われた物資の全てとはいかなかったが、無事回収する事が出来た。
そして、ダウンタウンが絡んでいたとはいえ、事の始まりが軍とのいざこざではない事を知ってホッとしたのも束の間の事。事件は簡単には終わらない。なにせ物資を奪ったとされる犯人はクリムゾンウエストには存在しないはずの形をした無機物であったのだ。それはブリキの恐竜――リアルブルーで言う所の翼竜に当たるプテラノドンの形に極めて近い。そんなものであるから制作者の割り出しは簡単だと、そう思われていたのだが思ったより時間がかかったと見える。
「フ・マーレ全体も未だ歪虚の脅威に晒されているからな。畑違いの職種となると取次が大変だったんだ」
ギアに朗報を持ってきた工房長が申し訳なさそうに言う。
「別に構いません。それであのブリキを使う職人というのは」
「名はアリオ=ラムス。聞くところによると、精巧な造形が売りのブリキ玩具の職人だったそうだ。だが、拘りが強くてな。その技術をもっと生かしたいと大型のオブジェを作り始めてからは赤字も赤字。玩具だけを扱っていた頃はそこそこ立ち回っていたそうだが、今の工房はひどいものらしい」
ギアの様に需要のある武器関係ならともかく、オブジェとなれは確かに買い手を選ぶ。
名が売れていてパトロンの様な存在がいれば別だが、そうでない限り玩具からオブジェへの転向で食べていくのは難しいだろう。
「でその方の工房の場所はどちらに?」
「この番地らしいが、あまり近付かん方がいいと思うぞ。海に面した場所でもあるし、この場所の近くでも雑魔が出たと事件になった事があるらしいからな」
住所のかいたメモを手渡し、工房長はギアを気にかける。
「わかってます。けれど、この事はオフィスには伝えておかないと」
もしこの工房の主が今の事件に関わっていたのなら放置しておく訳にはいかない。
前回の事件の事もあるから自ずと連絡はいくだろうが、早いに越した事はないはずだ。
「すみません。行ってきます」
ギアはそう思い、そのメモ片手にオフィスへと走り出す。
がその時、事はすでに動き出していて、
「おい、ありゃなんだ?」
「竜?? いや、違う…鳥のようなってバケモンだぁ!」
ギアの行く先、メモにある方角には数匹の鳥。鳥と言っても異質な姿のそれに間違いない。
「ッ!?」
いつも冷静な筈のギアが目を見開き、奥歯を噛む。
自分の作った物が雑魔化する。それは想像以上に痛く辛いものだと彼は知っているから。
(アリオさん)
工房の中で無事だろうか。考えている暇はない。
突然現れた怪鳥をギアはどうする事も出来ず、ただハンターの要請に走るのが精一杯であった。
「は、はは…やった。やったぞ」
男が自らの両手を見つめ打ち震える。
眼前には倉庫の半分を占領する位の大きな作品――それは彼の自信作だ。
無機物から出来ているとは思えない程の精巧な造形で強靭な羽はワイバーンのそれに類似する。
だが、顔は全くの別物だった。すらっとしたシルエットに尖った嘴の様な口にはびっしりと生えた無数の歯。
空を飛ぶためだけに削ぎ落された筋肉のしなやかさは歴史に見る彫刻にも匹敵するだろう。
「あぁ、神よ…私にこんな素晴らしい力を与えて頂き感謝します」
そこで男はそう言葉し微笑む。
彼の周りにある長年作り上げてきた作品の数々も彼を静かに見下ろし、この時を祝福しているかのようにも見える。けれど、それはただの幻想…。物は所詮、物に過ぎない…筈だった。が、キィィと彼の傍にあった一体が音を立て首を男の方へと傾けると、こつこつと足音を立てて彼の元へと前進する。
「おやおや、我慢のない子だ。しかし、まあそろそろいいだろう。私の作品が世に出ればきっと皆驚くさ。そして、君達の素晴らしさを理解するに違いない」
男が己が作品をいつくしみ撫でる。
(これで大丈夫だ。私は認められる…苦労を掛けたあの二人にもこれできっと)
男の顔はとても穏やかだった。しかし、彼はもう――。
●不安
「やっと見つかったんですか! それは良かった」
物資が行方不明になる事件から数週間。
ハンターらの力で奪われた物資の全てとはいかなかったが、無事回収する事が出来た。
そして、ダウンタウンが絡んでいたとはいえ、事の始まりが軍とのいざこざではない事を知ってホッとしたのも束の間の事。事件は簡単には終わらない。なにせ物資を奪ったとされる犯人はクリムゾンウエストには存在しないはずの形をした無機物であったのだ。それはブリキの恐竜――リアルブルーで言う所の翼竜に当たるプテラノドンの形に極めて近い。そんなものであるから制作者の割り出しは簡単だと、そう思われていたのだが思ったより時間がかかったと見える。
「フ・マーレ全体も未だ歪虚の脅威に晒されているからな。畑違いの職種となると取次が大変だったんだ」
ギアに朗報を持ってきた工房長が申し訳なさそうに言う。
「別に構いません。それであのブリキを使う職人というのは」
「名はアリオ=ラムス。聞くところによると、精巧な造形が売りのブリキ玩具の職人だったそうだ。だが、拘りが強くてな。その技術をもっと生かしたいと大型のオブジェを作り始めてからは赤字も赤字。玩具だけを扱っていた頃はそこそこ立ち回っていたそうだが、今の工房はひどいものらしい」
ギアの様に需要のある武器関係ならともかく、オブジェとなれは確かに買い手を選ぶ。
名が売れていてパトロンの様な存在がいれば別だが、そうでない限り玩具からオブジェへの転向で食べていくのは難しいだろう。
「でその方の工房の場所はどちらに?」
「この番地らしいが、あまり近付かん方がいいと思うぞ。海に面した場所でもあるし、この場所の近くでも雑魔が出たと事件になった事があるらしいからな」
住所のかいたメモを手渡し、工房長はギアを気にかける。
「わかってます。けれど、この事はオフィスには伝えておかないと」
もしこの工房の主が今の事件に関わっていたのなら放置しておく訳にはいかない。
前回の事件の事もあるから自ずと連絡はいくだろうが、早いに越した事はないはずだ。
「すみません。行ってきます」
ギアはそう思い、そのメモ片手にオフィスへと走り出す。
がその時、事はすでに動き出していて、
「おい、ありゃなんだ?」
「竜?? いや、違う…鳥のようなってバケモンだぁ!」
ギアの行く先、メモにある方角には数匹の鳥。鳥と言っても異質な姿のそれに間違いない。
「ッ!?」
いつも冷静な筈のギアが目を見開き、奥歯を噛む。
自分の作った物が雑魔化する。それは想像以上に痛く辛いものだと彼は知っているから。
(アリオさん)
工房の中で無事だろうか。考えている暇はない。
突然現れた怪鳥をギアはどうする事も出来ず、ただハンターの要請に走るのが精一杯であった。
解説
内容
突如現れたブリキの怪鳥の討伐、およびアリオの安否の確認
怪鳥の制作者の居場所を突き止めたギアでしたが
情報は一歩遅く、工房付近に突如怪鳥が出現し騒ぎになり始めました
そこで緊急にハンター達に討伐要請がだされる事に
直ちに現場に急行し、プテラノドン型雑魔を討伐
制作者である人物についての安否確認を宜しくお願いします
●事前現地情報
アリオの工房は海岸線付近にあり、熱を扱う工房という事もあって隣接した民家は存在しない
但し、全くない訳ではなく近隣の住民は存在する為注意や場合によっては避難が必要
現在目視できる怪鳥の数は全部で三匹
距離がある為大きさは定かではないが、前回同様体長は2~3mあると考えられる
主に超音波的攻撃と爪による掻っ攫いを行って来る為対策が必要
アリオの工房は作業場兼倉庫となっており、今までの作品はそこに保管
自宅は倉庫の上を一部改築し、作られたこじんまりとした作り
工房長の情報補足としてはアリオには妻子がいたらしいが現在は不明
【注意】
参加ハンターの皆様は突然の雑魔に遭遇したという感じで動いて頂きます
よって、作戦タイム短めの即席タッグによる協力戦闘になるかと
相談は普通にして頂いて構いませんが、戦闘多めの描写になる事を了承下さい
加えて、ユニット・ペットは不可、OPの『●職人』の内容についてはPL情報でありPC情報ではありません
その他、不明点があればギアが判る範囲でお答えします
質問卓設置の上、質問頂ければと思います
なお、こちらの依頼はシリーズ設定のものですので、
こちらから参加される方は前作を一読頂けますと助かります
突如現れたブリキの怪鳥の討伐、およびアリオの安否の確認
怪鳥の制作者の居場所を突き止めたギアでしたが
情報は一歩遅く、工房付近に突如怪鳥が出現し騒ぎになり始めました
そこで緊急にハンター達に討伐要請がだされる事に
直ちに現場に急行し、プテラノドン型雑魔を討伐
制作者である人物についての安否確認を宜しくお願いします
●事前現地情報
アリオの工房は海岸線付近にあり、熱を扱う工房という事もあって隣接した民家は存在しない
但し、全くない訳ではなく近隣の住民は存在する為注意や場合によっては避難が必要
現在目視できる怪鳥の数は全部で三匹
距離がある為大きさは定かではないが、前回同様体長は2~3mあると考えられる
主に超音波的攻撃と爪による掻っ攫いを行って来る為対策が必要
アリオの工房は作業場兼倉庫となっており、今までの作品はそこに保管
自宅は倉庫の上を一部改築し、作られたこじんまりとした作り
工房長の情報補足としてはアリオには妻子がいたらしいが現在は不明
【注意】
参加ハンターの皆様は突然の雑魔に遭遇したという感じで動いて頂きます
よって、作戦タイム短めの即席タッグによる協力戦闘になるかと
相談は普通にして頂いて構いませんが、戦闘多めの描写になる事を了承下さい
加えて、ユニット・ペットは不可、OPの『●職人』の内容についてはPL情報でありPC情報ではありません
その他、不明点があればギアが判る範囲でお答えします
質問卓設置の上、質問頂ければと思います
なお、こちらの依頼はシリーズ設定のものですので、
こちらから参加される方は前作を一読頂けますと助かります
マスターより
ショート設定で出すか迷いましたが、今更の継続シリーズですみません
どれだけお待たせしていたんだよというね…奈華里でございます
忘れた頃の最終幕、久方振りのガチンコ戦闘のシリアス話
さて、アリオさんの安否や如何に…
興味のある方は御参加の程、宜しくお願いします
どれだけお待たせしていたんだよというね…奈華里でございます
忘れた頃の最終幕、久方振りのガチンコ戦闘のシリアス話
さて、アリオさんの安否や如何に…
興味のある方は御参加の程、宜しくお願いします
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/06/11 00:04
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/05/29 21:49:54 |
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![]() |
相談卓 カーミン・S・フィールズ(ka1559) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2018/05/31 08:40:49 |
|
![]() |
しっつもーん! カーミン・S・フィールズ(ka1559) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2018/05/31 13:29:34 |