ゲスト
(ka0000)
【港騒】虜囚たちのトロープス
マスター:樹シロカ

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- シリーズ(続編)
関連ユニオン
魔術師協会広報室- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,300
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/07/04 07:30
- リプレイ完成予定
- 2018/07/18 07:30
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
●『金色のカモメ亭』にて
同盟の港湾都市ポルトワールは今日もにぎわっていた。
この都市の行政の責任者であるポルトワール都市統合本部代表のロメオ・ガッディ(kz0031)は、その光景を誇りつつも、繁栄の裏側に潜む闇を思えば心が重くなる。
その闇を「ほどほどに」コントロールしている、いわば裏の行政担当者はヴァネッサ(kz0030)だ。
彼女はロメオを『金色のカモメ亭』に呼び出し、現在ダウンタウンで起こっている事柄に触れ、『暫く軍の介入を阻止しろ』と言った。
ポルトワールの繁栄は同盟海軍を誘致したおかげでもあるので、ロメオとしては軍との関係を良好に保っておきたいところだ。
だがダウンタウンの治安をある程度維持するには、ヴァネッサの協力も必要なのだ。
この面倒で微妙なバランス調整を何年も経験しているロメオ。今日もまた胃がしくしくと痛む。
「ごちそうさん」
店主に声をかけ、帽子を目深にかぶりなおすと、目立たぬように店を後にした。
ロメオを見送りながら、店主のジャンは冗談めかして肩をすくめた。
「うーん、ちょっと同情しちゃうワ」
「しょうがないよ、キミだって店を壊されて怒っていただろう」
ヴァネッサはくっくと笑う。
「そりゃあネ。まさかドアをぶっ壊して逃げるなんて思わないじゃない?」
大柄な金髪の男が、腰に手を当てて可愛く怒っている。
「うん、めちゃくちゃだ。こんな表通りの店でまで騒ぎを起こすようなら、流石にお仕置きが必要だ」
ヴァネッサの青い目がほんの一瞬、鋭く光る。
「キャー、姐さん素敵! それで? その捕まえた連中に心当たりはアルの?」
「ない」
先日、ヴァネッサはハンターの協力を得て、ダウンタウンの一角にある怪しい店で6人の男を捕獲し、スパイスのような薬品を手に入れた。
彼らは軍に引き渡さず、自分の隠れ家で手下たちに「オハナシ」させているのだが、皆一様に口を閉ざしている。
身なりは、ダウンタウンでは金持ち過ぎず貧乏すぎず。軍の払い下げ品のようなごついブーツを履いている者もいる。
ヴァネッサはそのブーツの写真をジャンに見せた。
「これなんだけど、見覚えは?」
「……アタシに聞くの?」
「手っ取り早いからね」
ジャンは天井を見上げて、息をついた。
「支給品ネ。アタシも持ってたワ」
●同盟海軍駐屯地にて
中央司令部の廊下で遭遇した相手の姿に、メリンダ・ドナーティ(kz0041)中尉は内心で妙なざわつきを覚えた。
だがそんなことはおくびにも出さず、道を譲って敬礼する。相手も敬礼を返し、穏やかに話しかけてきた。
「ドナーティ中尉ではないですか。ポルトワールにおいででしたか」
「ええ、少々用があったものですから。フィンツィ少佐こそ、こちらでお会いするのは珍しいですね」
情報部所属のマヌエル・フィンツィ少佐は、意味ありげに目を細めた。
(どうせ私がやらかしたことなんて、とっくに知ってるのよね)
メリンダはそう思いつつも、報道官スマイルを崩さないままだ。
だがフィンツィ少佐の突然の問いには、思わず眉をひそめる。
「サリムという名前に聞き覚えはありませんか?」
「サリム……ですか? 同盟では珍しい名前ですね」
「ええ。黒髪黒目、背が高く体つきは筋肉質。年は30歳ぐらい、と聞いています」
そのとき、自分にナイフを突きつけてにやにや笑う男の顔が脳裏に浮かぶ。『金色のカモメ亭』での屈辱的な出来事。
勤めて冷静を装い(フィンツィの前では無駄なことだとわかっていたが)質問で返した。
「その方がどうかしたのですか?」
「ご存じでなければいいのです。何か思い出されたらお知らせください」
フィンツィの微笑は、メリンダが間違いなく「知っている」と確信しているように見えた。
●ヴァネッサのヤサにて
ハンターたちに向かって、ヴァネッサは1本立てた指を口元に当ててみせた。
それから暗い部屋の中の一隅を示す。
段差に膝をつくと、目の高さに細い隙間が開いている。その向こうでは、何人かの男たちが不安げにテーブルを囲んでいた。
人数は4人。いずれもそれなりに良い体格をした青年たちだ。
ダウンタウンの奇妙な古い酒場で捕獲したのは6人。そのうち、見るからに小悪党という風情だった2人は別の部屋にいる。
ヴァネッサは今度は手招きすると、足音も立てずに部屋を出ていく。
「いかにもチンピラでござい、って連中じゃないだろう?」
飲み物をすすめながら、ヴァネッサが尋ねてくる。
「これがまた口が堅くてね。何にもしゃべらないんだよ」
名前も、年齢も、出身も、なぜあそこにいたのかも、まったくしゃべらない。雑談にも応じない。
小悪党風情は監視役らしかったので、部屋を分けてみたが状況は変わらなかった。
なお、この2人はまた別の奴に小金で雇われていたと喋った。雇い主は彼らに身元を明かさなかったので、正体もわからない。
「4人が身につけていた物で、特徴的なのは軍の支給品ぐらいだ。ただしこれが身元を示すことにはならないだろうね」
なんといってもダウンタウンだ、質流れ品に盗品、横流し品なんてものはごまんとある。
「どうだ? あの場にいたキミたちとしては、連中の口を割らせるにはどうしたらいいと思う?」
ヴァネッサは、どこか面白がるように瞳を輝かせた。
●『金色のカモメ亭』にて
同盟の港湾都市ポルトワールは今日もにぎわっていた。
この都市の行政の責任者であるポルトワール都市統合本部代表のロメオ・ガッディ(kz0031)は、その光景を誇りつつも、繁栄の裏側に潜む闇を思えば心が重くなる。
その闇を「ほどほどに」コントロールしている、いわば裏の行政担当者はヴァネッサ(kz0030)だ。
彼女はロメオを『金色のカモメ亭』に呼び出し、現在ダウンタウンで起こっている事柄に触れ、『暫く軍の介入を阻止しろ』と言った。
ポルトワールの繁栄は同盟海軍を誘致したおかげでもあるので、ロメオとしては軍との関係を良好に保っておきたいところだ。
だがダウンタウンの治安をある程度維持するには、ヴァネッサの協力も必要なのだ。
この面倒で微妙なバランス調整を何年も経験しているロメオ。今日もまた胃がしくしくと痛む。
「ごちそうさん」
店主に声をかけ、帽子を目深にかぶりなおすと、目立たぬように店を後にした。
ロメオを見送りながら、店主のジャンは冗談めかして肩をすくめた。
「うーん、ちょっと同情しちゃうワ」
「しょうがないよ、キミだって店を壊されて怒っていただろう」
ヴァネッサはくっくと笑う。
「そりゃあネ。まさかドアをぶっ壊して逃げるなんて思わないじゃない?」
大柄な金髪の男が、腰に手を当てて可愛く怒っている。
「うん、めちゃくちゃだ。こんな表通りの店でまで騒ぎを起こすようなら、流石にお仕置きが必要だ」
ヴァネッサの青い目がほんの一瞬、鋭く光る。
「キャー、姐さん素敵! それで? その捕まえた連中に心当たりはアルの?」
「ない」
先日、ヴァネッサはハンターの協力を得て、ダウンタウンの一角にある怪しい店で6人の男を捕獲し、スパイスのような薬品を手に入れた。
彼らは軍に引き渡さず、自分の隠れ家で手下たちに「オハナシ」させているのだが、皆一様に口を閉ざしている。
身なりは、ダウンタウンでは金持ち過ぎず貧乏すぎず。軍の払い下げ品のようなごついブーツを履いている者もいる。
ヴァネッサはそのブーツの写真をジャンに見せた。
「これなんだけど、見覚えは?」
「……アタシに聞くの?」
「手っ取り早いからね」
ジャンは天井を見上げて、息をついた。
「支給品ネ。アタシも持ってたワ」
●同盟海軍駐屯地にて
中央司令部の廊下で遭遇した相手の姿に、メリンダ・ドナーティ(kz0041)中尉は内心で妙なざわつきを覚えた。
だがそんなことはおくびにも出さず、道を譲って敬礼する。相手も敬礼を返し、穏やかに話しかけてきた。
「ドナーティ中尉ではないですか。ポルトワールにおいででしたか」
「ええ、少々用があったものですから。フィンツィ少佐こそ、こちらでお会いするのは珍しいですね」
情報部所属のマヌエル・フィンツィ少佐は、意味ありげに目を細めた。
(どうせ私がやらかしたことなんて、とっくに知ってるのよね)
メリンダはそう思いつつも、報道官スマイルを崩さないままだ。
だがフィンツィ少佐の突然の問いには、思わず眉をひそめる。
「サリムという名前に聞き覚えはありませんか?」
「サリム……ですか? 同盟では珍しい名前ですね」
「ええ。黒髪黒目、背が高く体つきは筋肉質。年は30歳ぐらい、と聞いています」
そのとき、自分にナイフを突きつけてにやにや笑う男の顔が脳裏に浮かぶ。『金色のカモメ亭』での屈辱的な出来事。
勤めて冷静を装い(フィンツィの前では無駄なことだとわかっていたが)質問で返した。
「その方がどうかしたのですか?」
「ご存じでなければいいのです。何か思い出されたらお知らせください」
フィンツィの微笑は、メリンダが間違いなく「知っている」と確信しているように見えた。
●ヴァネッサのヤサにて
ハンターたちに向かって、ヴァネッサは1本立てた指を口元に当ててみせた。
それから暗い部屋の中の一隅を示す。
段差に膝をつくと、目の高さに細い隙間が開いている。その向こうでは、何人かの男たちが不安げにテーブルを囲んでいた。
人数は4人。いずれもそれなりに良い体格をした青年たちだ。
ダウンタウンの奇妙な古い酒場で捕獲したのは6人。そのうち、見るからに小悪党という風情だった2人は別の部屋にいる。
ヴァネッサは今度は手招きすると、足音も立てずに部屋を出ていく。
「いかにもチンピラでござい、って連中じゃないだろう?」
飲み物をすすめながら、ヴァネッサが尋ねてくる。
「これがまた口が堅くてね。何にもしゃべらないんだよ」
名前も、年齢も、出身も、なぜあそこにいたのかも、まったくしゃべらない。雑談にも応じない。
小悪党風情は監視役らしかったので、部屋を分けてみたが状況は変わらなかった。
なお、この2人はまた別の奴に小金で雇われていたと喋った。雇い主は彼らに身元を明かさなかったので、正体もわからない。
「4人が身につけていた物で、特徴的なのは軍の支給品ぐらいだ。ただしこれが身元を示すことにはならないだろうね」
なんといってもダウンタウンだ、質流れ品に盗品、横流し品なんてものはごまんとある。
「どうだ? あの場にいたキミたちとしては、連中の口を割らせるにはどうしたらいいと思う?」
ヴァネッサは、どこか面白がるように瞳を輝かせた。
解説
●本シナリオについて
ハンターの皆さんはヴァネッサの依頼を受けて集まりました。
前回の内容を受けて、捕獲した男たちから情報を引き出してください。
彼らの身元や、なぜあの妙な酒場にいたのか、そこで何をしていたのか、そのほかなんでも結構です。
何かしゃべらせれば切欠はつかめるはずです。
●NPCについて
・ロメオ
ハンターに対しておおむね好意的。
行政担当として常識人であり、ヴァネッサの要請を飲むかどうかは彼の判断によります。
・ヴァネッサ
今回の一連の事件には軍関係者が背後にいると考えています。今回も軍には一切悟らせずに動くつもりです。
・ジャン
シリーズ第一回の内容と、今回のOPの内容以外は、一連の事件についてほとんど知りません。
・メリンダ
『同盟海軍駐屯地にて』の内容はPL情報です。PC情報にするには、メリンダとの接触が必要です。
・謎の男たち
接触可能です。
※ここまでは、プレイングで希望があれば会えるNPCです。
・フィンツィ少佐
『【闇光】薄闇の迫る頃に』『【界冥】月面商談隊の災難』『【郷祭】山野に美味あり』『【星籤】イカロスを超えろ!』に登場。どんな人物かの参考になりますが、お読みいただかなくても問題ありません。
※原則として今回は接触不可。
●ほか
質問卓設置可能ですが、出発24時間前をMS確認期限とします。ご了承ください。
またNPCへの質問はプレイングに記載がない場合、シナリオ内の行動にできません。
例:メリンダに手を握っていいかと質問し、時と場合によると言われた場合。
プレイングで「質問して許可があれば手を握る」と書かずに握った場合は、「いきなり何をするの!」と殴られて好感度がダウンする可能性あり。
逆に言うと、質問卓でまずい内容があったとしても、プレイングに書かれなければ「シナリオ内では(アドリブでも)やらない」となります。
ハンターの皆さんはヴァネッサの依頼を受けて集まりました。
前回の内容を受けて、捕獲した男たちから情報を引き出してください。
彼らの身元や、なぜあの妙な酒場にいたのか、そこで何をしていたのか、そのほかなんでも結構です。
何かしゃべらせれば切欠はつかめるはずです。
●NPCについて
・ロメオ
ハンターに対しておおむね好意的。
行政担当として常識人であり、ヴァネッサの要請を飲むかどうかは彼の判断によります。
・ヴァネッサ
今回の一連の事件には軍関係者が背後にいると考えています。今回も軍には一切悟らせずに動くつもりです。
・ジャン
シリーズ第一回の内容と、今回のOPの内容以外は、一連の事件についてほとんど知りません。
・メリンダ
『同盟海軍駐屯地にて』の内容はPL情報です。PC情報にするには、メリンダとの接触が必要です。
・謎の男たち
接触可能です。
※ここまでは、プレイングで希望があれば会えるNPCです。
・フィンツィ少佐
『【闇光】薄闇の迫る頃に』『【界冥】月面商談隊の災難』『【郷祭】山野に美味あり』『【星籤】イカロスを超えろ!』に登場。どんな人物かの参考になりますが、お読みいただかなくても問題ありません。
※原則として今回は接触不可。
●ほか
質問卓設置可能ですが、出発24時間前をMS確認期限とします。ご了承ください。
またNPCへの質問はプレイングに記載がない場合、シナリオ内の行動にできません。
例:メリンダに手を握っていいかと質問し、時と場合によると言われた場合。
プレイングで「質問して許可があれば手を握る」と書かずに握った場合は、「いきなり何をするの!」と殴られて好感度がダウンする可能性あり。
逆に言うと、質問卓でまずい内容があったとしても、プレイングに書かれなければ「シナリオ内では(アドリブでも)やらない」となります。
マスターより
引き続きよろしくお願いします。樹シロカです。
前回で予告した通り、戦闘なしの調査シナリオです。
長いOPで恐縮ですが、色々と小ネタやヒントが入っていますので、ぜひ手掛かりとしてください。
相談卓で皆さまが気づいたことをそれぞれ出し合っているうちに、見えてくることもあるかと思います。
時間が限られている中ではありますが、質問や行動をうまく振り分けて、プレイングの字数制限に打ち勝ってください。
また今回、新規参加の方がおいでの場合は、参加者かNPCに声をかけられたという形になります。
では皆さまのご参加、お待ちしております!
前回で予告した通り、戦闘なしの調査シナリオです。
長いOPで恐縮ですが、色々と小ネタやヒントが入っていますので、ぜひ手掛かりとしてください。
相談卓で皆さまが気づいたことをそれぞれ出し合っているうちに、見えてくることもあるかと思います。
時間が限られている中ではありますが、質問や行動をうまく振り分けて、プレイングの字数制限に打ち勝ってください。
また今回、新規参加の方がおいでの場合は、参加者かNPCに声をかけられたという形になります。
では皆さまのご参加、お待ちしております!
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/07/19 00:56
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
作戦会議室 マチルダ・スカルラッティ(ka4172) 人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2018/07/03 22:57:59 |
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![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/07/03 20:58:52 |
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![]() |
質問卓 トルステン=L=ユピテル(ka3946) 人間(リアルブルー)|18才|男性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2018/07/03 14:43:12 |