ゲスト
(ka0000)
【MN】おいでよ☆共和国
マスター:KINUTA

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在16人 / 1~25人
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 8日
- プレイング締切
- 2018/08/08 22:00
- リプレイ完成予定
- 2018/08/22 22:00
オープニング
※このシナリオは夢シナリオです。オープニングは架空のものであり、ゲームの世界観に一切影響を与えません。
クリムゾン大陸における足掛け4年の大戦が、ついに最終局面を迎えた。
47年間続いたゲルマニア帝国が今、終わりを迎える。
それが、軍部の専横に耐え、飢え、凍え、傷つき、肉親を失いながらも「国のため」と尽くしてきた臣民たちに与えられた報いであった。
●
1918年10月2日。
帝国副宰相は議会各党の指導者を召集した。
最高軍司令部を代表するアレックス・バンダー少佐から戦況の偽りなきところを報告してもらい、休戦を結ばなければならない状態について議会の同意を得るためであった。
これまで軍は「必ず勝つ」と宣伝していた。戦況が絶望的なことなどおくびにも出していなかった。
だからこの時点まで国民としては、確かに最近調子が悪いようだがよもや負けることなどあるまいと信じ込んでいた。
政界の指導者たちも似たようなものだった。
そこに突然、以下の告白を聞かされたのである。
「敵側は非常に多量のCAM、ゴーレム、並びにアーマーを戦線に出動させて我が軍の陣地を突破し、多数の兵士を捕虜にしている。そして我が軍は、残念ながら敵に匹敵するだけの兵器を作る工業力を持ち合わせていない」
「軍の補充兵力もまったく欠乏してしまっている。我が軍の大隊の兵力は4月には800人であったのが、今や540人になってしまった。しかも歩兵22個師団を解散して、その兵力を他の部隊に回して、やっとこれだけの大隊兵力が保てる有様である」
「我が軍の損害は予想をはるかに上回っているが、特に将校の死傷者が多い。ある師団では2日間の戦闘で将校全員が死亡し、連隊長4人のうち3人が死亡した。下士官もまた破滅的な死傷者を出している」
「今や我が軍には予備兵力がまったくない。絶え間ない敵の攻撃に対してはただ退却あるのみである」
「以上の形勢に迫られて参謀総長と参謀長は、戦争を止めてこれ以上の犠牲者を出さないようにとカイザーに進言した」
「1日でも遅れれば、敵側はそれだけ勝利の目的に近づき、我々の耐え忍びうる条件で講和を結ぶ気がますます少なくなるだろう」
「ゆえに一刻といえど無駄にしてはならない。24時間ごとに情勢は悪化し、我が軍の弱点を敵側に明らかに示すことになるだろう」
指導者たちの打撃は大きかった。
多数派社会民主党首領スペットは青ざめ二の句が告げなくなった。
帝国主義政策の遂行者だった国民自由党首領ルーカスは自分が死刑宣告を受けたかのような顔をした。
一方、帝国の崩壊を待ち望んでいたエルフハイム党首領マリー・スラーインは喜びに顔を輝かせ、真っ先に部屋から出て行った。
独立社会民主党首領コボちゃんは次の間で待っていた同志たちのところに駆け寄り、「わし、わしわしわし!(我々の時代が来た!)」と言った。
こうして混乱が始まった。
●
帝国領の一軍港における水兵の反抗に端を発した革命運動は、拡大の一途を辿る。
11月4日には4万の武装した革命兵士が軍港を支配、軍艦もことごとく赤旗を掲げた。
11月5日には北部の軍港、続けて南部、北部の大都市も労働者・兵士評議会の支配下に入る。
11月8日には首都を残して、ほとんど全部の大都市が革命派の手に帰した。
●
穏健民主派と自由派は社会革命を避けようとしていた。皇帝と皇太子は除くが、君主制は維持しようと考えていた。現在は敵国側と休戦協定をしているのだから、革命を起こすことは帝国にとって不利になるとも主張した。
しかし、情勢は逼迫している。
この上政府を支持すれば自分たちもまた大衆の支持を失うことを実感した彼らは、最終的に自らもまた革命運動に加わった。
11月9日正午。政権は多数派社会民主党代表スペット、並びにカチャなどが宰相官邸のモグヤン公を訪れ政権の引渡しを要求した。それはすぐさま受け入れられた(実はこの日の早朝モグヤン公の方から極秘にスペットの来訪を求め、ためらう彼を説得し自分に代わって「帝国宰相」の職を引き継いでくれるよう頼み込んでいたのである)。
かくして政権は革命派でなく、穏健左派のものとなった。
しかし全市の街頭は革命派の民衆に支配されている。
――同日午後2時、朝から働き詰めで疲れきったカチャが、帝国議会議事堂の食堂で遅い食事を取っていたところ、50人ほどの労働者と兵士からなる一団がやってきて言った。
「ステーツマンとマゴイが王宮のバルコニーから演説しているから、すぐに来てくれ」
それは結局誤報だったのだが、カチャとしてはこの局面で共産主義国家樹立宣言でもされたらおおごとなので、先手を打って大衆にこう呼びかけるしかなかった。
「全社会主義政党による労働者政府の樹立、君主制の崩壊、共和国万歳!」
実はこれは、多数派社会民主党の統一見解ではなかった。同党の右派や党首スペットは、この局面での共和制以降を考えておらず、既存与党との連立政権を作ろうとしていたのである。
そのためこの話を遅れて聞いたスペットは、顔中の毛を逆立ててカチャを怒鳴りつけた。
「勝手に何してくれとんじゃドアホおおおおおおお!」
だが民衆が熱烈に支持した宣言を取り消すことは、最早不可能だった。このまま突き進むしかない。始まりがたとえようもなくグダグダであったとしても。
――ところでこのとき遠く離れた大本営では午前9時から皇帝を前にしての御前会議が行われていた。
議題は、皇帝の退位についてである。
皇帝はことここに至ってやっと少しは状況を理解し「ゲルマニア皇帝としては退位する。だが、プロイセンの王としては留意する」という中途半端な(彼本人としてはそうでもないが)決意を示したのだが、何もかもが遅すぎた。
その日のうちに彼は、自分が皇帝でもなければ国王でもなくなったこと、更には帝国が消えてなくなり共和制に移行したことを知る羽目になる。
残された道は、近隣君主制国家への亡命だけであった。
●
敗戦国を取り囲む連合国は、来るべき講和に向けて着々と話し合いを進めていた。
内容は、重要工業地帯を含む領土の6分の1を戦勝国に割譲すること、植民地と国外における権益の一切を手放させること、軍備を大幅に制限させること、天文学的な賠償金を求めること……。
「この兵力削減数を実現させるとすると、退役した連中が大量にあぶれることになりますね。彼らはそれを処理出来るでしょうか」
「知るもんですか。どうなろうと自業自得というものでしょう。彼らが戦争を始めたんだから。このまま地の底まで沈んでもらいたいくらいですよ、うちとしては」
「然り。戦争責任は全てあの国にある。戦時指導者900人の引渡しも要求しようじゃないか。彼らは戦犯として裁かれなければならない。わが国の世論は今、『カイザーを絞首刑に、ゲルマニア人から賠償を』一色だからね」
クリムゾン大陸における足掛け4年の大戦が、ついに最終局面を迎えた。
47年間続いたゲルマニア帝国が今、終わりを迎える。
それが、軍部の専横に耐え、飢え、凍え、傷つき、肉親を失いながらも「国のため」と尽くしてきた臣民たちに与えられた報いであった。
●
1918年10月2日。
帝国副宰相は議会各党の指導者を召集した。
最高軍司令部を代表するアレックス・バンダー少佐から戦況の偽りなきところを報告してもらい、休戦を結ばなければならない状態について議会の同意を得るためであった。
これまで軍は「必ず勝つ」と宣伝していた。戦況が絶望的なことなどおくびにも出していなかった。
だからこの時点まで国民としては、確かに最近調子が悪いようだがよもや負けることなどあるまいと信じ込んでいた。
政界の指導者たちも似たようなものだった。
そこに突然、以下の告白を聞かされたのである。
「敵側は非常に多量のCAM、ゴーレム、並びにアーマーを戦線に出動させて我が軍の陣地を突破し、多数の兵士を捕虜にしている。そして我が軍は、残念ながら敵に匹敵するだけの兵器を作る工業力を持ち合わせていない」
「軍の補充兵力もまったく欠乏してしまっている。我が軍の大隊の兵力は4月には800人であったのが、今や540人になってしまった。しかも歩兵22個師団を解散して、その兵力を他の部隊に回して、やっとこれだけの大隊兵力が保てる有様である」
「我が軍の損害は予想をはるかに上回っているが、特に将校の死傷者が多い。ある師団では2日間の戦闘で将校全員が死亡し、連隊長4人のうち3人が死亡した。下士官もまた破滅的な死傷者を出している」
「今や我が軍には予備兵力がまったくない。絶え間ない敵の攻撃に対してはただ退却あるのみである」
「以上の形勢に迫られて参謀総長と参謀長は、戦争を止めてこれ以上の犠牲者を出さないようにとカイザーに進言した」
「1日でも遅れれば、敵側はそれだけ勝利の目的に近づき、我々の耐え忍びうる条件で講和を結ぶ気がますます少なくなるだろう」
「ゆえに一刻といえど無駄にしてはならない。24時間ごとに情勢は悪化し、我が軍の弱点を敵側に明らかに示すことになるだろう」
指導者たちの打撃は大きかった。
多数派社会民主党首領スペットは青ざめ二の句が告げなくなった。
帝国主義政策の遂行者だった国民自由党首領ルーカスは自分が死刑宣告を受けたかのような顔をした。
一方、帝国の崩壊を待ち望んでいたエルフハイム党首領マリー・スラーインは喜びに顔を輝かせ、真っ先に部屋から出て行った。
独立社会民主党首領コボちゃんは次の間で待っていた同志たちのところに駆け寄り、「わし、わしわしわし!(我々の時代が来た!)」と言った。
こうして混乱が始まった。
●
帝国領の一軍港における水兵の反抗に端を発した革命運動は、拡大の一途を辿る。
11月4日には4万の武装した革命兵士が軍港を支配、軍艦もことごとく赤旗を掲げた。
11月5日には北部の軍港、続けて南部、北部の大都市も労働者・兵士評議会の支配下に入る。
11月8日には首都を残して、ほとんど全部の大都市が革命派の手に帰した。
●
穏健民主派と自由派は社会革命を避けようとしていた。皇帝と皇太子は除くが、君主制は維持しようと考えていた。現在は敵国側と休戦協定をしているのだから、革命を起こすことは帝国にとって不利になるとも主張した。
しかし、情勢は逼迫している。
この上政府を支持すれば自分たちもまた大衆の支持を失うことを実感した彼らは、最終的に自らもまた革命運動に加わった。
11月9日正午。政権は多数派社会民主党代表スペット、並びにカチャなどが宰相官邸のモグヤン公を訪れ政権の引渡しを要求した。それはすぐさま受け入れられた(実はこの日の早朝モグヤン公の方から極秘にスペットの来訪を求め、ためらう彼を説得し自分に代わって「帝国宰相」の職を引き継いでくれるよう頼み込んでいたのである)。
かくして政権は革命派でなく、穏健左派のものとなった。
しかし全市の街頭は革命派の民衆に支配されている。
――同日午後2時、朝から働き詰めで疲れきったカチャが、帝国議会議事堂の食堂で遅い食事を取っていたところ、50人ほどの労働者と兵士からなる一団がやってきて言った。
「ステーツマンとマゴイが王宮のバルコニーから演説しているから、すぐに来てくれ」
それは結局誤報だったのだが、カチャとしてはこの局面で共産主義国家樹立宣言でもされたらおおごとなので、先手を打って大衆にこう呼びかけるしかなかった。
「全社会主義政党による労働者政府の樹立、君主制の崩壊、共和国万歳!」
実はこれは、多数派社会民主党の統一見解ではなかった。同党の右派や党首スペットは、この局面での共和制以降を考えておらず、既存与党との連立政権を作ろうとしていたのである。
そのためこの話を遅れて聞いたスペットは、顔中の毛を逆立ててカチャを怒鳴りつけた。
「勝手に何してくれとんじゃドアホおおおおおおお!」
だが民衆が熱烈に支持した宣言を取り消すことは、最早不可能だった。このまま突き進むしかない。始まりがたとえようもなくグダグダであったとしても。
――ところでこのとき遠く離れた大本営では午前9時から皇帝を前にしての御前会議が行われていた。
議題は、皇帝の退位についてである。
皇帝はことここに至ってやっと少しは状況を理解し「ゲルマニア皇帝としては退位する。だが、プロイセンの王としては留意する」という中途半端な(彼本人としてはそうでもないが)決意を示したのだが、何もかもが遅すぎた。
その日のうちに彼は、自分が皇帝でもなければ国王でもなくなったこと、更には帝国が消えてなくなり共和制に移行したことを知る羽目になる。
残された道は、近隣君主制国家への亡命だけであった。
●
敗戦国を取り囲む連合国は、来るべき講和に向けて着々と話し合いを進めていた。
内容は、重要工業地帯を含む領土の6分の1を戦勝国に割譲すること、植民地と国外における権益の一切を手放させること、軍備を大幅に制限させること、天文学的な賠償金を求めること……。
「この兵力削減数を実現させるとすると、退役した連中が大量にあぶれることになりますね。彼らはそれを処理出来るでしょうか」
「知るもんですか。どうなろうと自業自得というものでしょう。彼らが戦争を始めたんだから。このまま地の底まで沈んでもらいたいくらいですよ、うちとしては」
「然り。戦争責任は全てあの国にある。戦時指導者900人の引渡しも要求しようじゃないか。彼らは戦犯として裁かれなければならない。わが国の世論は今、『カイザーを絞首刑に、ゲルマニア人から賠償を』一色だからね」
解説
補足説明
これはIF世界で遊ぶシナリオです。
舞台はクリムゾン、社会状況は第一次大戦終了下のドイツ、という感じの世界です。
この世界に歪虚はいません。争ってるのは人間だけです。
以下、NPCと実在の人物との相対図です。
――――――――――――
アレックス・バンダー=フォン・デム・ブッシェ少佐
スペット=エーベルト
ルーカス=シュトレーゼマン
エルフハイム党首領マリー・スラーイン=ポーランド人党首領ザイク
コボちゃん=フーゴー・ハーゼ
モグヤン公=マックス公
カチャ=シャイデマン
ステーツマン=カール・リープクネヒト
マゴイ=ローザ・ルクセンブルク
――――――――――――
OPの流れの後現実に起きたことを一部紹介しますと。
11月10日に独立社会民主党、多数派社会民主党の連立内閣成立。11日にドイツ代表休戦条約に署名。戦闘行為停止。
12月16から20日まで、ベルリンで労・兵ソヴィエト会議。
明けて1919年、1月5日から12日までベルリンでスパルタクス団武装蜂起。政府軍これを鎮圧。反乱に参加したローザ、並びにリープクネヒト惨殺される。
という感じになります。
政権が旧軍の力を借り革命勢力を鎮定、国内を掌握するのは5月に入ってから。
かの有名なヴェルサイユ条約が結ばれるのは6月28日。
とここまで書いて来ましたが、これはあくまでもIF。
この後この国や登場人物が現実とまったく同じ運命を辿る、と決まっているわけではありません。PCの行動によって別の展開に誘導していくことは十分可能です。
このIFにおいてPCは例外なく敗戦国民の一人という立ち居地をとることになります。社会的地位等については、自由に設定してください。
スキルも武器も普段通りに使えます。
ちなみに今回登場しているNPCは全員、「覚醒出来ず特殊能力も使えない普通人」という設定です。
何かあったらすぐ死んでしまいますのでご用心。
これはIF世界で遊ぶシナリオです。
舞台はクリムゾン、社会状況は第一次大戦終了下のドイツ、という感じの世界です。
この世界に歪虚はいません。争ってるのは人間だけです。
以下、NPCと実在の人物との相対図です。
――――――――――――
アレックス・バンダー=フォン・デム・ブッシェ少佐
スペット=エーベルト
ルーカス=シュトレーゼマン
エルフハイム党首領マリー・スラーイン=ポーランド人党首領ザイク
コボちゃん=フーゴー・ハーゼ
モグヤン公=マックス公
カチャ=シャイデマン
ステーツマン=カール・リープクネヒト
マゴイ=ローザ・ルクセンブルク
――――――――――――
OPの流れの後現実に起きたことを一部紹介しますと。
11月10日に独立社会民主党、多数派社会民主党の連立内閣成立。11日にドイツ代表休戦条約に署名。戦闘行為停止。
12月16から20日まで、ベルリンで労・兵ソヴィエト会議。
明けて1919年、1月5日から12日までベルリンでスパルタクス団武装蜂起。政府軍これを鎮圧。反乱に参加したローザ、並びにリープクネヒト惨殺される。
という感じになります。
政権が旧軍の力を借り革命勢力を鎮定、国内を掌握するのは5月に入ってから。
かの有名なヴェルサイユ条約が結ばれるのは6月28日。
とここまで書いて来ましたが、これはあくまでもIF。
この後この国や登場人物が現実とまったく同じ運命を辿る、と決まっているわけではありません。PCの行動によって別の展開に誘導していくことは十分可能です。
このIFにおいてPCは例外なく敗戦国民の一人という立ち居地をとることになります。社会的地位等については、自由に設定してください。
スキルも武器も普段通りに使えます。
ちなみに今回登場しているNPCは全員、「覚醒出来ず特殊能力も使えない普通人」という設定です。
何かあったらすぐ死んでしまいますのでご用心。
マスターより
KINUTAです。
夏の夜長、IFがやってまいりました。
第二帝国よ Auf Wiedersehen.
共和国よ Ich freue mich, Sie kennen zu lernen.
夏の夜長、IFがやってまいりました。
第二帝国よ Auf Wiedersehen.
共和国よ Ich freue mich, Sie kennen zu lernen.
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/08/18 01:46
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
国破れて山河在り アウレール・V・ブラオラント(ka2531) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/08/07 19:41:07 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/08/08 21:38:05 |