ゲスト
(ka0000)
愛おしき人形―dianthus2F―
マスター:佐倉眸

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- シリーズ(続編)
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,300
- 参加人数
- 現在9人 / 4~9人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/09/10 09:00
- リプレイ完成予定
- 2018/09/24 09:00
オープニング
●或るオフィス職員達の考察
先日、ハンターに清掃を依頼した旧水道跡の石樋より、白骨化した夫婦と見られる男女の遺体が発見された。
その後、警察による調査が行われ、遺体の身元が判明した……らしい。
切欠となったとは、遺留品の結婚指輪。刻まれたイニシャルと日付を街の教会で照会し、該当した一組の周辺に聞き込みを行ったところ、数週間前から見ていないとの証言を得た。
更に、彼等の自宅を訪ねたところ、丁度、旧水道跡の清掃を依頼した頃から、入り口を埋める様にバリケードが築かれ始めていたらしい。
不審な点は留まらない。
いつだったか定かでは無いが、夫は仕事を急に辞めたという。
仕事仲間が訪ねたところ、夫は重篤だとのことで面会は出来ず、妻が応答して会えず終い。
しかし、その日の夜には子どもと遊ぶ影が有ったらしい。
以降、街中でも夫の姿を見かけることは無く、妻も人が変わったように陰気に。
子どもの姿も、夫が遊んでいる姿を遠目に見た程度。
料理が得意だった妻が生鮮食品を買わなくなり、また、買い物の量も極端に減った。
日持ちのする菓子や総菜が殆どだったらしい。
記録を検めていた職員の手許、鉛筆がぼきと折れた。
香水を変えたのか、妙な匂いがしていた。
いつも同じ服を着て、夏になっても薄着で出歩いている姿を見なかった。
気怠そうに俯いていたが、顔が青白くて不健康そうだった。
「恐らく、亡くなったのは春でしょうね。……死体が操られていたと考えるのが妥当でしょうか。夫に? いいえ、彼も同じ状態の遺体となっていますので、亡くなったのも同じく春のことでしょう……子どもに?……一人息子がいますが幼く、そのような知識が有るとは思えません」
「私の勝手な想像ですけれど……この息子の養育のため、亡くなった夫婦を何者かが操っていた。しかし、何等かの事由によりその必要が無くなった為に遺棄した」
「死因の調査は難航しています。負のマテリアルの影響が強く残っているためです」
「現在、息子の行方は分かっておりませんが、近隣住民より、時折子どもの泣き声が聞こえるとの証言が有ります」
「バリケードの解体は難航しており、数日中に侵入経路を確保することは不可能……これは実際に見て頂きましょう。それから、精霊ラヴェルより、掃除の礼に協力しても良いとの申し出がありました」
●
ハンター達は問題の民家の前に集められた。
堆く積まれたブロックや金属板、その隙間を埋めるようにパイプが刺さり、陶器や硝子の破片が飾りのように覗いている。
迂闊に手を出せば崩れて下敷きになることは免れない。
それを承知で崩したとしても、玄関の扉を開けられるかは分からない。内部は、恐らく見えている以上に歪んでいることだろう。
上から行けばいい。
屋根を指して、精霊は言った。
精霊は隣の家の屋根から飛び移る。テラコッタの瓦を数枚剥いで、屋根に穴を空ける。
天井裏に降りて板の隙間から覗く2階、3部屋並んだ中央の部屋。それは異様な広さを持っていた。
見える範囲に数百の敵影、その殆どが部屋の暗さに紛れているが影を持たないまやかしのよう。
しかし、負のマテリアルの気配も点在している。
アレと、アレ、他は分からんと呟いた。
天井板を1枚外し、1人が降りられる程度の隙間を作る。溢れてくる負のマテリアルに辟易と、ヴェールの中で顔を顰めた。
去り際、その部屋の中央に細かな砂粒を一掴み振り撒いた。
待機させたハンター達の元へ戻り、精霊は彼等に一つずつ包みを渡しながら見てきたものを手短に話した。
手に乗る大きさで、目の詰まったカンバスで包まれた細かな砂と小石。
「是れの寝床から零れた物だ。一晩くらいは保つだろう。……是れを起こしたあの骸と同じ物の気配が有る。念の為、だ」
●
状況を把握し、歪虚に侵蝕された家の屋根へ、そして2階へとハンター達が進む。
中央の部屋、ベッドの足元や柱の陰にブリキや陶器の人形がもたれるように座っている。
その部屋の中央に砂が撒かれていた。
様々な玩具、布や木の物が見当たらないのはそれが嫉妬の眷属に在るからだろうと察せられるが、その玩具達が何百という数で、砂の回りを取り囲んでいる。
2階に降りれば精霊の言っていた気配をハンター達も感じる。しかしそれは更に下階から。
まるで彼等を呼ぶように漂ってくる。
玩具が1つハンターに向かってくる。そしてそれは、砂から一歩踏み出した彼の眼前で爆ぜ――
――広すぎる部屋のあちらこちらで、同じように煙が上がった。
※
※
※
●数分、或いは十数分後
彼等が戦闘を開始して暫くの時間が流れた。
バリケードの解体は一向に進まない。応援のハンターを招集し、人手は十分だが家を包み込むようなそれは酷く厄介だ。
片付けば応援に向かうつもりだったが、それは無理だな。
中の様子を聞いた一人のハンターがそう呟く。
そろそろ彼等は1階へ辿り着いた頃だろうかと考える。
その瞬間、けたたましい笑い声が屋敷の中から響き、バリケードを震わせ、一部を崩した。
「危ない!」
近くで作業を行っていた数人が、その崩落に巻き込まれた。
先日、ハンターに清掃を依頼した旧水道跡の石樋より、白骨化した夫婦と見られる男女の遺体が発見された。
その後、警察による調査が行われ、遺体の身元が判明した……らしい。
切欠となったとは、遺留品の結婚指輪。刻まれたイニシャルと日付を街の教会で照会し、該当した一組の周辺に聞き込みを行ったところ、数週間前から見ていないとの証言を得た。
更に、彼等の自宅を訪ねたところ、丁度、旧水道跡の清掃を依頼した頃から、入り口を埋める様にバリケードが築かれ始めていたらしい。
不審な点は留まらない。
いつだったか定かでは無いが、夫は仕事を急に辞めたという。
仕事仲間が訪ねたところ、夫は重篤だとのことで面会は出来ず、妻が応答して会えず終い。
しかし、その日の夜には子どもと遊ぶ影が有ったらしい。
以降、街中でも夫の姿を見かけることは無く、妻も人が変わったように陰気に。
子どもの姿も、夫が遊んでいる姿を遠目に見た程度。
料理が得意だった妻が生鮮食品を買わなくなり、また、買い物の量も極端に減った。
日持ちのする菓子や総菜が殆どだったらしい。
記録を検めていた職員の手許、鉛筆がぼきと折れた。
香水を変えたのか、妙な匂いがしていた。
いつも同じ服を着て、夏になっても薄着で出歩いている姿を見なかった。
気怠そうに俯いていたが、顔が青白くて不健康そうだった。
「恐らく、亡くなったのは春でしょうね。……死体が操られていたと考えるのが妥当でしょうか。夫に? いいえ、彼も同じ状態の遺体となっていますので、亡くなったのも同じく春のことでしょう……子どもに?……一人息子がいますが幼く、そのような知識が有るとは思えません」
「私の勝手な想像ですけれど……この息子の養育のため、亡くなった夫婦を何者かが操っていた。しかし、何等かの事由によりその必要が無くなった為に遺棄した」
「死因の調査は難航しています。負のマテリアルの影響が強く残っているためです」
「現在、息子の行方は分かっておりませんが、近隣住民より、時折子どもの泣き声が聞こえるとの証言が有ります」
「バリケードの解体は難航しており、数日中に侵入経路を確保することは不可能……これは実際に見て頂きましょう。それから、精霊ラヴェルより、掃除の礼に協力しても良いとの申し出がありました」
●
ハンター達は問題の民家の前に集められた。
堆く積まれたブロックや金属板、その隙間を埋めるようにパイプが刺さり、陶器や硝子の破片が飾りのように覗いている。
迂闊に手を出せば崩れて下敷きになることは免れない。
それを承知で崩したとしても、玄関の扉を開けられるかは分からない。内部は、恐らく見えている以上に歪んでいることだろう。
上から行けばいい。
屋根を指して、精霊は言った。
精霊は隣の家の屋根から飛び移る。テラコッタの瓦を数枚剥いで、屋根に穴を空ける。
天井裏に降りて板の隙間から覗く2階、3部屋並んだ中央の部屋。それは異様な広さを持っていた。
見える範囲に数百の敵影、その殆どが部屋の暗さに紛れているが影を持たないまやかしのよう。
しかし、負のマテリアルの気配も点在している。
アレと、アレ、他は分からんと呟いた。
天井板を1枚外し、1人が降りられる程度の隙間を作る。溢れてくる負のマテリアルに辟易と、ヴェールの中で顔を顰めた。
去り際、その部屋の中央に細かな砂粒を一掴み振り撒いた。
待機させたハンター達の元へ戻り、精霊は彼等に一つずつ包みを渡しながら見てきたものを手短に話した。
手に乗る大きさで、目の詰まったカンバスで包まれた細かな砂と小石。
「是れの寝床から零れた物だ。一晩くらいは保つだろう。……是れを起こしたあの骸と同じ物の気配が有る。念の為、だ」
●
状況を把握し、歪虚に侵蝕された家の屋根へ、そして2階へとハンター達が進む。
中央の部屋、ベッドの足元や柱の陰にブリキや陶器の人形がもたれるように座っている。
その部屋の中央に砂が撒かれていた。
様々な玩具、布や木の物が見当たらないのはそれが嫉妬の眷属に在るからだろうと察せられるが、その玩具達が何百という数で、砂の回りを取り囲んでいる。
2階に降りれば精霊の言っていた気配をハンター達も感じる。しかしそれは更に下階から。
まるで彼等を呼ぶように漂ってくる。
玩具が1つハンターに向かってくる。そしてそれは、砂から一歩踏み出した彼の眼前で爆ぜ――
――広すぎる部屋のあちらこちらで、同じように煙が上がった。
※
※
※
●数分、或いは十数分後
彼等が戦闘を開始して暫くの時間が流れた。
バリケードの解体は一向に進まない。応援のハンターを招集し、人手は十分だが家を包み込むようなそれは酷く厄介だ。
片付けば応援に向かうつもりだったが、それは無理だな。
中の様子を聞いた一人のハンターがそう呟く。
そろそろ彼等は1階へ辿り着いた頃だろうかと考える。
その瞬間、けたたましい笑い声が屋敷の中から響き、バリケードを震わせ、一部を崩した。
「危ない!」
近くで作業を行っていた数人が、その崩落に巻き込まれた。
解説
目的 1階への突破口を作る
●状況
中央に子ども部屋、両サイドは夫婦寝室と書斎
廊下で繋がっており、目的達成までは廊下で攻撃されることはない
部屋の中には敵が数百程度いるように見えており、それを収容可能な広さがあるように見せられている
●敵
部屋の用途により異なるが、玩具を始め、時計やステーショナリー、等、
硝子や陶器等の様々の物品が、自身の射出、或いは爆発による攻撃を行う
数百のまやかしに紛れているが、実際の敵の数はその1/20程度
まやかしは攻撃を行わないが、PCの攻撃で消滅することも無い
実際の敵は、攻撃により消滅し、耐久も高くは無いが、対象を指定しない攻撃では消滅しない
●「念の為」
精霊が石樋から削った砂を一掴み包んだもの。地の属性と僅かに水の属性を持つ
足元に撒くことで1スクエアの安全地帯を作ることができ、
実際の敵に投擲した場合、その対象を消滅させる
撒いた場合、自身の前方に拡がり、範囲内の実際の敵のみが反応する
何れの場合も一度使用した場合再使用や回収は不可能で、次話以降も追加の配布は無い
※PL情報として
●状況補足
敵を撃破、或いは爆発により、敵の数が減少した場合、部屋の広さに関わるギミック、
また、実際の敵を破壊することで、まやかしの敵が一定数減少する事に気が付くことが可能
●敵補足
全体攻撃などでは消滅しないが、反応はする
●目的について
1階へ降りることの出来る状況が整った段階で達成
目的達成直後に、立っていられなくなる様な音量の笑い声が聞こえる
目的達成に関わらず、敵は全滅するまで攻撃を続ける
●子どもの笑い声
捜索対象の子どもの物では無く、非常に煩く、耳を塞いでも立っていられないほどだが、数秒で止む
笑い声が静まると、泣き声が下階から微かに聞こえるが、この泣き声が捜索対象の物であるかは不明
●数分、或いは十数分後
PCには、次話にて、精霊より伝えられます。
●状況
中央に子ども部屋、両サイドは夫婦寝室と書斎
廊下で繋がっており、目的達成までは廊下で攻撃されることはない
部屋の中には敵が数百程度いるように見えており、それを収容可能な広さがあるように見せられている
●敵
部屋の用途により異なるが、玩具を始め、時計やステーショナリー、等、
硝子や陶器等の様々の物品が、自身の射出、或いは爆発による攻撃を行う
数百のまやかしに紛れているが、実際の敵の数はその1/20程度
まやかしは攻撃を行わないが、PCの攻撃で消滅することも無い
実際の敵は、攻撃により消滅し、耐久も高くは無いが、対象を指定しない攻撃では消滅しない
●「念の為」
精霊が石樋から削った砂を一掴み包んだもの。地の属性と僅かに水の属性を持つ
足元に撒くことで1スクエアの安全地帯を作ることができ、
実際の敵に投擲した場合、その対象を消滅させる
撒いた場合、自身の前方に拡がり、範囲内の実際の敵のみが反応する
何れの場合も一度使用した場合再使用や回収は不可能で、次話以降も追加の配布は無い
※PL情報として
●状況補足
敵を撃破、或いは爆発により、敵の数が減少した場合、部屋の広さに関わるギミック、
また、実際の敵を破壊することで、まやかしの敵が一定数減少する事に気が付くことが可能
●敵補足
全体攻撃などでは消滅しないが、反応はする
●目的について
1階へ降りることの出来る状況が整った段階で達成
目的達成直後に、立っていられなくなる様な音量の笑い声が聞こえる
目的達成に関わらず、敵は全滅するまで攻撃を続ける
●子どもの笑い声
捜索対象の子どもの物では無く、非常に煩く、耳を塞いでも立っていられないほどだが、数秒で止む
笑い声が静まると、泣き声が下階から微かに聞こえるが、この泣き声が捜索対象の物であるかは不明
●数分、或いは十数分後
PCには、次話にて、精霊より伝えられます。
マスターより
よろしくお願いします。
PL情報は全て、該当する行動があった場合に気付くことが出来る情報です。
(全体攻撃を行わなければ、まやかしが反応しないことにも気付くことは出来ません)
上限が上がっているのは、3部屋同時攻略用です。
最初に踏み出したハンターさんの指定は御座いません。
彼とお呼びしましたが、女性の方でも、何方でも。
PL情報は全て、該当する行動があった場合に気付くことが出来る情報です。
(全体攻撃を行わなければ、まやかしが反応しないことにも気付くことは出来ません)
上限が上がっているのは、3部屋同時攻略用です。
最初に踏み出したハンターさんの指定は御座いません。
彼とお呼びしましたが、女性の方でも、何方でも。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/09/24 23:58
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/09/08 08:31:11 |
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崩落の館の探索 星野 ハナ(ka5852) 人間(リアルブルー)|24才|女性|符術師(カードマスター) |
最終発言 2018/09/09 22:01:48 |