ゲスト
(ka0000)
愛おしき人形―dianthus1F―
マスター:佐倉眸

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- シリーズ(続編)
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,300
- 参加人数
- 現在9人 / 4~9人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/10/13 22:00
- リプレイ完成予定
- 2018/10/27 22:00
オープニング
●或る、オフィス職員の証言
幾重にも重なった笑い声が聞こえてきました。子どもの声だったように思います。
屋根から9名のハンターが潜入、2階の状況を突破、1階にてバリケードを突破したこちらの応援と合流することを計画していました。精霊ラヴェルの協力も有り、2階の敵戦力についてある程度の把握と、計画を立ててからの潜入が可能でした。
こちらとの連携は取り辛くなりますが、こちらの準備が整い次第、ラヴェルが伝言を届ける手はずでした。
ハンター達の姿が屋根から見えなくなって10分……いいえ、もっと経っていたと思います。こちらへ加勢がありました。手の空いている者は職員もハンターも駆り出されているような状況でしたから、非常に有り難かったです。
その彼等と交代で私はその場を離れました。大凡の合流の機をラヴェルから内部のハンターへ伝えて貰おうと思ったからです。その為にバリケードの全体を見ようと下がっていたところでした。
子どもの笑うような声が幾つも、いくつも聞こえてきました。
声の振動で瓦礫は崩れました。そのうちの1つは、家屋が全て見える所にいた私のところまで飛んできました。
……ええ、この額の怪我はその時に。煉瓦でした。少しずれて目に当たっていたら潰れていたと思います。
怪我人は大勢。幸い死者はいませんが、すぐに動ける者も少なく、手当てと状況の把握と伝達に奔走している状態です。未だ、窓も扉も埋まっています。中の様子が覗えないので、こちらから迂闊な指示も出せません。
あとは、頼みます。
●
笑い声が収まり、微かな泣き声を聞いた。1階への階段を見付けたハンターたちは、それを雑に隠した板へ手を掛けて剥がそうとしたところだ。
今は静かな子ども部屋へヴェールを被った小さな老婆が降りてきた。ハンター達に協力しているその精霊はラヴェルと名乗っている。
建物の表の状況をハンター達に伝え、ハンター達の首尾を尋ねた。
敵の全滅とそこここに残る不審物について話すと、ラヴェルはハンターに不審物はどれだと言って案内を命じた。
「……是れは土の下で生まれて、切り出されて、使われて、再び埋められようとしておった。古い古い砂粒が人に手を貸して遣った成れの果て、切れ端の残り滓だ」
だから扱える力は大きくない。そう言いながら、ラヴェルは子ども部屋のベッドに置かれた手鏡に手を翳す。皺だらけの小さな手を映したそれは、手から零れる砂粒に埋もれた。
砂に包んで丸くなった手鏡を持ち上げた途端、どん、と音が鳴ってラヴェルの身体が転げそうな程大きく傾き、蹈鞴を踏んで踏み止まった。
ラヴェルの手から崩れて零れる砂は黒く焼け焦げて、手鏡は跡形も無い。砂を払った手は仄かに赤みを帯びていた。
「接触での爆発か。罠だな。他にも見付けていただろう。是れに教えておけ」
帰り道が安全なようにしておこう。
下の階にも有るだろうから、触れないように。ヴェール越しの目がハンター達を見上げた。
必要があれば表から人手を借りてくる。1人2人なら何とかなるだろう。ラヴェルはハンター達を見送った。
是れを起こした奴は、この下にいる。
※
※
※
●
衿と裾に小花のレースをあしらう、Aラインが可憐な桃色のドレスを纏って、金の髪を纏めた女。右手にはその細腕にそぐわない剣を、左手には全身を覆うほどの盾を持って佇んでいる。
青い硝子玉を埋め込んだような生気の無い目が空間をぼうと眺めている。
その目が微かに上向いて、瞑った。
血の気の無い白い頬で笑い、紫色の唇が弧を描く。
彼女の回りで走り回っている全身に包帯を巻いた子どもたち。彼等の得物は銃に短刀、剣と様々。更にそれぞれが数個の玩具を腰に吊している。
彼等が一斉に笑うのを煩そうにしながら、彼女の表情も楽しそうだ。
足元でカーペットが捲れ上がる。木の扉を押し上げて小さな手と顔が覗いた。
その隙間から細い泣き声が零れ出てくる。
――友達が泣いて仕舞ったから私は戻ります。誰もここへ通しては駄目よ。……ユリア?――
小さな手と顔はそう言い残して重い扉を閉めた。
「…………はい、畏まりました」
ハンター達が1階へ到着する。
小柄な身体を寄せ合って歪虚の女を取り囲む小さな包帯の子どもたちが一斉に得物を向けた。
「こんにちは」
その中で、異様に穏やかな声が出迎える。
歪虚の女はハンター達を見回すと、いらっしゃいませ。そう言って光の無い目を細めた。
ええっと、と、何かを思い出すように首を捻り、思い出した顔は一層楽しげに笑っていた。
「ご注文はお決まりですか? 生憎、ご用意出来るものが限られてしまいますけれど……」
軽々と翻す鈍色の剣の鋭利な切っ先をハンターへ伸ばしながら。
斬るのと刺すのどちらがお好き。まるで珈琲の好みを尋ねる様に。
幾重にも重なった笑い声が聞こえてきました。子どもの声だったように思います。
屋根から9名のハンターが潜入、2階の状況を突破、1階にてバリケードを突破したこちらの応援と合流することを計画していました。精霊ラヴェルの協力も有り、2階の敵戦力についてある程度の把握と、計画を立ててからの潜入が可能でした。
こちらとの連携は取り辛くなりますが、こちらの準備が整い次第、ラヴェルが伝言を届ける手はずでした。
ハンター達の姿が屋根から見えなくなって10分……いいえ、もっと経っていたと思います。こちらへ加勢がありました。手の空いている者は職員もハンターも駆り出されているような状況でしたから、非常に有り難かったです。
その彼等と交代で私はその場を離れました。大凡の合流の機をラヴェルから内部のハンターへ伝えて貰おうと思ったからです。その為にバリケードの全体を見ようと下がっていたところでした。
子どもの笑うような声が幾つも、いくつも聞こえてきました。
声の振動で瓦礫は崩れました。そのうちの1つは、家屋が全て見える所にいた私のところまで飛んできました。
……ええ、この額の怪我はその時に。煉瓦でした。少しずれて目に当たっていたら潰れていたと思います。
怪我人は大勢。幸い死者はいませんが、すぐに動ける者も少なく、手当てと状況の把握と伝達に奔走している状態です。未だ、窓も扉も埋まっています。中の様子が覗えないので、こちらから迂闊な指示も出せません。
あとは、頼みます。
●
笑い声が収まり、微かな泣き声を聞いた。1階への階段を見付けたハンターたちは、それを雑に隠した板へ手を掛けて剥がそうとしたところだ。
今は静かな子ども部屋へヴェールを被った小さな老婆が降りてきた。ハンター達に協力しているその精霊はラヴェルと名乗っている。
建物の表の状況をハンター達に伝え、ハンター達の首尾を尋ねた。
敵の全滅とそこここに残る不審物について話すと、ラヴェルはハンターに不審物はどれだと言って案内を命じた。
「……是れは土の下で生まれて、切り出されて、使われて、再び埋められようとしておった。古い古い砂粒が人に手を貸して遣った成れの果て、切れ端の残り滓だ」
だから扱える力は大きくない。そう言いながら、ラヴェルは子ども部屋のベッドに置かれた手鏡に手を翳す。皺だらけの小さな手を映したそれは、手から零れる砂粒に埋もれた。
砂に包んで丸くなった手鏡を持ち上げた途端、どん、と音が鳴ってラヴェルの身体が転げそうな程大きく傾き、蹈鞴を踏んで踏み止まった。
ラヴェルの手から崩れて零れる砂は黒く焼け焦げて、手鏡は跡形も無い。砂を払った手は仄かに赤みを帯びていた。
「接触での爆発か。罠だな。他にも見付けていただろう。是れに教えておけ」
帰り道が安全なようにしておこう。
下の階にも有るだろうから、触れないように。ヴェール越しの目がハンター達を見上げた。
必要があれば表から人手を借りてくる。1人2人なら何とかなるだろう。ラヴェルはハンター達を見送った。
是れを起こした奴は、この下にいる。
※
※
※
●
衿と裾に小花のレースをあしらう、Aラインが可憐な桃色のドレスを纏って、金の髪を纏めた女。右手にはその細腕にそぐわない剣を、左手には全身を覆うほどの盾を持って佇んでいる。
青い硝子玉を埋め込んだような生気の無い目が空間をぼうと眺めている。
その目が微かに上向いて、瞑った。
血の気の無い白い頬で笑い、紫色の唇が弧を描く。
彼女の回りで走り回っている全身に包帯を巻いた子どもたち。彼等の得物は銃に短刀、剣と様々。更にそれぞれが数個の玩具を腰に吊している。
彼等が一斉に笑うのを煩そうにしながら、彼女の表情も楽しそうだ。
足元でカーペットが捲れ上がる。木の扉を押し上げて小さな手と顔が覗いた。
その隙間から細い泣き声が零れ出てくる。
――友達が泣いて仕舞ったから私は戻ります。誰もここへ通しては駄目よ。……ユリア?――
小さな手と顔はそう言い残して重い扉を閉めた。
「…………はい、畏まりました」
ハンター達が1階へ到着する。
小柄な身体を寄せ合って歪虚の女を取り囲む小さな包帯の子どもたちが一斉に得物を向けた。
「こんにちは」
その中で、異様に穏やかな声が出迎える。
歪虚の女はハンター達を見回すと、いらっしゃいませ。そう言って光の無い目を細めた。
ええっと、と、何かを思い出すように首を捻り、思い出した顔は一層楽しげに笑っていた。
「ご注文はお決まりですか? 生憎、ご用意出来るものが限られてしまいますけれど……」
軽々と翻す鈍色の剣の鋭利な切っ先をハンターへ伸ばしながら。
斬るのと刺すのどちらがお好き。まるで珈琲の好みを尋ねる様に。
解説
目的 カーペットの下の扉を開ける
●場所
1階
一般的な家屋のダイニングキッチンと続きのリビング
境目辺りにカーペットが敷かれている
リビングはローテーブルとソファ、ダイニングはカウンターテーブルと椅子が4脚
窓が多い作りだが、何れの窓も瓦礫に埋まっている
●敵
歪虚(女)
暴食の歪虚、剣と盾を装備している
武器、防具の他は若い女性らしい装い
基本的には下階へ続く扉を隠したカーペットの上から動かない
接近したPCを対象に剣による攻撃を行う盾の防護点は非常に高い
簡単な会話は可能
包帯×10
女の歪虚の腰から肩辺りの背丈、一見すると全身に包帯を巻いた子どもの様相
両手に銃、両手に短剣が3体ずつ、長剣と盾、大型の銃が2体ずつ
最初は女の歪虚の周囲に集まっているが、部屋中を動き回って攻撃を行う
全員、腰や大腿に2~3個の玩具(投擲して使用。爆発時、閃光と衝撃が発生する)吊っている
歪虚(女)を守ろうとするが、基本的には自由に戦う
会話不可、攻撃時やリアクション時に笑う事がある
※サポート参加について
ラヴェルが2階の爆弾を処理する為の手伝いとして、表から借りてきたハンターとして扱います
証言の情報に加えて、
・参戦段階で応急手当が終わり、作業が再開した
・内部の状況を知る為に、リビングの端の窓周辺の瓦礫を除去し始めている
以上の情報を得ています
ラヴェルの指示に従い、不審な物品の捜索を行って頂きます
子ども部屋、寝室、書斎、それぞれの部屋にそぐわない物が対象となります
サポート参加者の有無については成否に影響を与えません
次話のオープニングにて外見をお借りする場合があります
次話での通常参加者の増加及びサポート参加枠設定の予定は有りません
●場所
1階
一般的な家屋のダイニングキッチンと続きのリビング
境目辺りにカーペットが敷かれている
リビングはローテーブルとソファ、ダイニングはカウンターテーブルと椅子が4脚
窓が多い作りだが、何れの窓も瓦礫に埋まっている
●敵
歪虚(女)
暴食の歪虚、剣と盾を装備している
武器、防具の他は若い女性らしい装い
基本的には下階へ続く扉を隠したカーペットの上から動かない
接近したPCを対象に剣による攻撃を行う盾の防護点は非常に高い
簡単な会話は可能
包帯×10
女の歪虚の腰から肩辺りの背丈、一見すると全身に包帯を巻いた子どもの様相
両手に銃、両手に短剣が3体ずつ、長剣と盾、大型の銃が2体ずつ
最初は女の歪虚の周囲に集まっているが、部屋中を動き回って攻撃を行う
全員、腰や大腿に2~3個の玩具(投擲して使用。爆発時、閃光と衝撃が発生する)吊っている
歪虚(女)を守ろうとするが、基本的には自由に戦う
会話不可、攻撃時やリアクション時に笑う事がある
※サポート参加について
ラヴェルが2階の爆弾を処理する為の手伝いとして、表から借りてきたハンターとして扱います
証言の情報に加えて、
・参戦段階で応急手当が終わり、作業が再開した
・内部の状況を知る為に、リビングの端の窓周辺の瓦礫を除去し始めている
以上の情報を得ています
ラヴェルの指示に従い、不審な物品の捜索を行って頂きます
子ども部屋、寝室、書斎、それぞれの部屋にそぐわない物が対象となります
サポート参加者の有無については成否に影響を与えません
次話のオープニングにて外見をお借りする場合があります
次話での通常参加者の増加及びサポート参加枠設定の予定は有りません
マスターより
よろしくお願いします。
補足を少々。
1階はごく一般的な住宅のLDKとなります。射程等に注意して下さい
また、同フロアに水回り、玄関なども存在しておりますが、敵、アイテム、情報等の一切を配置しておりません
ラヴェルが対応している爆弾と、前回攻撃を行った爆発する敵は異なる性質があります
笑い声は、特にギミックとして扱わない限り、攻撃やその他の効果を持ちません
サポート参加は今回限りのゲストです
補足を少々。
1階はごく一般的な住宅のLDKとなります。射程等に注意して下さい
また、同フロアに水回り、玄関なども存在しておりますが、敵、アイテム、情報等の一切を配置しておりません
ラヴェルが対応している爆弾と、前回攻撃を行った爆発する敵は異なる性質があります
笑い声は、特にギミックとして扱わない限り、攻撃やその他の効果を持ちません
サポート参加は今回限りのゲストです
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/10/27 01:42
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 ボルディア・コンフラムス(ka0796) 人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2018/10/13 21:57:00 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/10/11 22:26:46 |