ゲスト
(ka0000)
【東幕】御登箭領調査依頼
マスター:赤山優牙
このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
- 500
- 参加人数
- 現在23人 / 1~25人
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2018/11/28 09:00
- リプレイ完成予定
- 2018/12/12 09:00
オープニング
●天ノ都
憤怒の脅威が続いている。それはエトファリカ連邦国の首都であっても感じられるものであった。
着の身着のまま逃げて来た者、緊張した様相で武具を手入れする者、軍需品を慌ただしく運ぶ者。天ノ都の大通りは多くの人が行き来している。
「……何か知っているかと思いましてね」
大通りに面した茶屋で、一人の素浪人が熱いお茶がたっぷりと入った湯呑を揺らしながら静かに呟く。
素浪人と背を合わすように座っているのは美少年だった。
「昨年の春頃ですか……それにしてもザルな警備ですね」
「幕府軍は長江に出陣していましたからね」
「理由があるという事なら……その情報は高いですよ」
美少年が口元を緩めながら、片手を後ろに回し、素浪人の背を叩く。
3――4――5――6――7――その数が容赦なく上がっていく。
「…………高すぎませんか」
素浪人は思わず湯呑を落としそうになった。
たった一つの情報で法外な値段。
「へえ、払えないと仰いますか?」
「いえ、それだけの価値があるという事でしょうからね」
ようやく冷めたお茶をゆっくりと口に運びながら素浪人は答えた。
素浪人はこの美少年を信用している。この業界でやっていくには“信用”が第一だ。
法外な値段を提示してきたのは、情報が“信用”できるものだという意思表示ともいえるだろう。
「商談成立って事で。欲しい情報はこれでしょ」
丸めた紙切れをサッと素浪人に渡した。
そこに書かれた内容を確認し、素浪人は大事に紙切れを仕舞う。
「それでは、支払いはいつもの通りで」
「毎度ありがとうございます」
「いえいえ、こちらこそ」
そう告げて、素浪人はスッと立ち上がった。
そして立ち去り際に独り言のように告げた。
「そうそう、スーさんの事。よろしくお願いしますね」
人混みの中に紛れるように消え去った素浪人の気配を追い掛けながら美少年も呟いた。
「……もう少し、身辺に気を配る必要があるかな」
●登箭城
東方各地で幕府軍の敗戦が目立つ中、襲撃してきた憤怒を迎撃し“大将格を打倒した”と騒ぐ御登箭家の登箭城には、多くの人々が集まっていた。
それほど、大きな勝利だった。当主の仇討ちも成ったとあれば、盛り上がらない訳がない。
近隣の中小武家領から避難してくる者も多く、御登箭領内はかつてない程、賑わっていた。
「……これが狙いでしたか」
天ノ都から戻って来たタチバナが深々と被った外套を除けた。
脅威がなくなったからか、あるいは浮かれているのか、城門の警備は警備として成り立っていなかったのだ。
これでは好き勝手に人々が出入りできる。今はいいかもしれないが、後ほど、治安が悪くなるだろう。
タチバナは予め用意していた古い屋敷にサッと入った。
数人の見張りはいずれも立花院家の手の者で、かつ、覚醒者である。油断なく周囲を警戒している。
「皆さん、お待たせしました」
広間に入ったタチバナは集まっているハンター達に頭を下げる。
待たせた……というか、時間通りではある。薄暗い広間の中、マテリアルの灯が淡く光っていた。
「まずは秘密裏に集合の事、お手数お掛けしました。“依頼主”からの希望であるとご認識いただければと思います」
控えていた忍びが忍びらしい速さでハンター達に資料を配る。
そこには、秘宝『エトファリカ・ボード』に関する事が記載されていた。
「秘宝の件について、現状判明している事は記してある通りです。そして、ある情報によると、昨年の春頃、龍尾城に忍び込んだ者がいると分かりました」
どよめく広間。ハンター達の中には龍尾城の警備がどれ程厳しいか知っている者もいるのだろう。
タチバナの話は続く。
「忍び込んだ者の特徴を辿るうちに、黄土色の布地に至りました」
「黄土色?」
幾人かのハンターが首を傾げる。
「また、別の調査によって、黄土色の羽織を着た侍が、天ノ都にある御登箭家の屋敷に出入りしている事も判明しています。そして、忍びがあった日、宝物庫の警備を行っていたのは御登箭家です」
「つまり、御登箭家が忍びを手引きしたと?」
タチバナは頷いた。
もし、その推測が正しければ、御登箭家が秘宝紛失に大きな関わりがある事になる。
必ず、『忍びを手引きした理由』があるはずだ。
「ちょっと待ってくれ。この資料によると“秘宝”は嘉義城の地下施設で見つかって、今は龍尾城に保管されているのじゃないのか?」
資料を振りながら、あるハンターが訊ねる。
事の真偽を確認する為であれば、わざわざハンター達に依頼させる必要もないだろう。
当主は戦死して既にこの世にはいないが、御登箭家の者を問いただせばそれでいいはずだ。
「“秘宝”が『何故、嘉義城にあった』のか……この事実が不明のままなのです」
「つまり、嘉義城で見つかった“秘宝”が本物かどうか、それを確認する必要があるという事ですか」
「飲み込みが早くて助かります。『忍びを手引きした理由』と『嘉義城に保管した理由』が分かれば、見つかった“秘宝”が本物かどうか、確信を得られると思っています」
だからこそ、ハンター達に依頼して情報を集めるという事なのだろう。
天ノ都に呼び出すならまだしも、幕府が表立って御登箭家領内で調べる事も、体面的な問題がある。
「逆に言うと今ある“秘宝”が偽物だっていう可能性もあるって事か」
あるハンターが険しい表情で呟いた。
もし、偽物だったら、本物はどこにあるのか、恐らく、それも“依頼主”は欲しているはずだ。
「調査は難航するかもしれませんが、よろしくお願いします」
タチバナは今一度、頭を下げるのであった。
憤怒の脅威が続いている。それはエトファリカ連邦国の首都であっても感じられるものであった。
着の身着のまま逃げて来た者、緊張した様相で武具を手入れする者、軍需品を慌ただしく運ぶ者。天ノ都の大通りは多くの人が行き来している。
「……何か知っているかと思いましてね」
大通りに面した茶屋で、一人の素浪人が熱いお茶がたっぷりと入った湯呑を揺らしながら静かに呟く。
素浪人と背を合わすように座っているのは美少年だった。
「昨年の春頃ですか……それにしてもザルな警備ですね」
「幕府軍は長江に出陣していましたからね」
「理由があるという事なら……その情報は高いですよ」
美少年が口元を緩めながら、片手を後ろに回し、素浪人の背を叩く。
3――4――5――6――7――その数が容赦なく上がっていく。
「…………高すぎませんか」
素浪人は思わず湯呑を落としそうになった。
たった一つの情報で法外な値段。
「へえ、払えないと仰いますか?」
「いえ、それだけの価値があるという事でしょうからね」
ようやく冷めたお茶をゆっくりと口に運びながら素浪人は答えた。
素浪人はこの美少年を信用している。この業界でやっていくには“信用”が第一だ。
法外な値段を提示してきたのは、情報が“信用”できるものだという意思表示ともいえるだろう。
「商談成立って事で。欲しい情報はこれでしょ」
丸めた紙切れをサッと素浪人に渡した。
そこに書かれた内容を確認し、素浪人は大事に紙切れを仕舞う。
「それでは、支払いはいつもの通りで」
「毎度ありがとうございます」
「いえいえ、こちらこそ」
そう告げて、素浪人はスッと立ち上がった。
そして立ち去り際に独り言のように告げた。
「そうそう、スーさんの事。よろしくお願いしますね」
人混みの中に紛れるように消え去った素浪人の気配を追い掛けながら美少年も呟いた。
「……もう少し、身辺に気を配る必要があるかな」
●登箭城
東方各地で幕府軍の敗戦が目立つ中、襲撃してきた憤怒を迎撃し“大将格を打倒した”と騒ぐ御登箭家の登箭城には、多くの人々が集まっていた。
それほど、大きな勝利だった。当主の仇討ちも成ったとあれば、盛り上がらない訳がない。
近隣の中小武家領から避難してくる者も多く、御登箭領内はかつてない程、賑わっていた。
「……これが狙いでしたか」
天ノ都から戻って来たタチバナが深々と被った外套を除けた。
脅威がなくなったからか、あるいは浮かれているのか、城門の警備は警備として成り立っていなかったのだ。
これでは好き勝手に人々が出入りできる。今はいいかもしれないが、後ほど、治安が悪くなるだろう。
タチバナは予め用意していた古い屋敷にサッと入った。
数人の見張りはいずれも立花院家の手の者で、かつ、覚醒者である。油断なく周囲を警戒している。
「皆さん、お待たせしました」
広間に入ったタチバナは集まっているハンター達に頭を下げる。
待たせた……というか、時間通りではある。薄暗い広間の中、マテリアルの灯が淡く光っていた。
「まずは秘密裏に集合の事、お手数お掛けしました。“依頼主”からの希望であるとご認識いただければと思います」
控えていた忍びが忍びらしい速さでハンター達に資料を配る。
そこには、秘宝『エトファリカ・ボード』に関する事が記載されていた。
「秘宝の件について、現状判明している事は記してある通りです。そして、ある情報によると、昨年の春頃、龍尾城に忍び込んだ者がいると分かりました」
どよめく広間。ハンター達の中には龍尾城の警備がどれ程厳しいか知っている者もいるのだろう。
タチバナの話は続く。
「忍び込んだ者の特徴を辿るうちに、黄土色の布地に至りました」
「黄土色?」
幾人かのハンターが首を傾げる。
「また、別の調査によって、黄土色の羽織を着た侍が、天ノ都にある御登箭家の屋敷に出入りしている事も判明しています。そして、忍びがあった日、宝物庫の警備を行っていたのは御登箭家です」
「つまり、御登箭家が忍びを手引きしたと?」
タチバナは頷いた。
もし、その推測が正しければ、御登箭家が秘宝紛失に大きな関わりがある事になる。
必ず、『忍びを手引きした理由』があるはずだ。
「ちょっと待ってくれ。この資料によると“秘宝”は嘉義城の地下施設で見つかって、今は龍尾城に保管されているのじゃないのか?」
資料を振りながら、あるハンターが訊ねる。
事の真偽を確認する為であれば、わざわざハンター達に依頼させる必要もないだろう。
当主は戦死して既にこの世にはいないが、御登箭家の者を問いただせばそれでいいはずだ。
「“秘宝”が『何故、嘉義城にあった』のか……この事実が不明のままなのです」
「つまり、嘉義城で見つかった“秘宝”が本物かどうか、それを確認する必要があるという事ですか」
「飲み込みが早くて助かります。『忍びを手引きした理由』と『嘉義城に保管した理由』が分かれば、見つかった“秘宝”が本物かどうか、確信を得られると思っています」
だからこそ、ハンター達に依頼して情報を集めるという事なのだろう。
天ノ都に呼び出すならまだしも、幕府が表立って御登箭家領内で調べる事も、体面的な問題がある。
「逆に言うと今ある“秘宝”が偽物だっていう可能性もあるって事か」
あるハンターが険しい表情で呟いた。
もし、偽物だったら、本物はどこにあるのか、恐らく、それも“依頼主”は欲しているはずだ。
「調査は難航するかもしれませんが、よろしくお願いします」
タチバナは今一度、頭を下げるのであった。
解説
●目的
秘宝の情報を得る
???
●内容
ハンターである事(依頼されている事)を伏せながら、登箭城内で秘宝に関する情報を探す
???
●登箭城
本丸を囲う内城と、内城を包むように発展した街全体を囲う外城から成り立つ平城
和風的なイメージより、リアルブルーで言う所の中華風に近い
上位武家である御登箭家の拠点でもあり、街の規模は東方の中でも比較的大きい
戦勝祝いが続いており、賑わっている
●調査行先目安
・内城(ただし、正面から入るには何かしらの工夫が必要)
・武家屋敷(御登箭家傘下の弱小武家の屋敷街)
・大通り
・大市場
・宿場街
・歓楽街
・職人街
・大城門(東西南北に1つずつある)
・住宅街
・緑地等(公園や林なども含む)
●特別ルール
今依頼は“依頼主の希望”と“???”により、ハンター達がハンターである事を伏せての調査となります
ハンターと発覚する恐れが強く生じた時点で、その者の調査行為は終了とみなします
何かしらの調査行動を行う度に『一般行為判定システム』を用いて判定します
(判定に使用する能力値は、判定内容の状況に応じて変更します)
判定に失敗した時点で、それ以上の調査活動は不可となります
また、判定数が多くなるに従い、難易度があがります
●NPC
タチバナ
依頼主の代理という建前で同行している素浪人
その正体は立花院 紫草(kz0126)だが、ハンターが正体を知っているかどうかは個々にお任せ
なお、正体がハンター以外には分からない。かつ、その正体もご都合的にバレない事とする
(シナリオの主旨と関係ない為)
???
それがNPCである事はPC情報として認識しても良い
●その他
何か質問がある場合は、タチバナが答えます
オープニングの『●天ノ都』はPL情報とします
秘宝の情報を得る
???
●内容
ハンターである事(依頼されている事)を伏せながら、登箭城内で秘宝に関する情報を探す
???
●登箭城
本丸を囲う内城と、内城を包むように発展した街全体を囲う外城から成り立つ平城
和風的なイメージより、リアルブルーで言う所の中華風に近い
上位武家である御登箭家の拠点でもあり、街の規模は東方の中でも比較的大きい
戦勝祝いが続いており、賑わっている
●調査行先目安
・内城(ただし、正面から入るには何かしらの工夫が必要)
・武家屋敷(御登箭家傘下の弱小武家の屋敷街)
・大通り
・大市場
・宿場街
・歓楽街
・職人街
・大城門(東西南北に1つずつある)
・住宅街
・緑地等(公園や林なども含む)
●特別ルール
今依頼は“依頼主の希望”と“???”により、ハンター達がハンターである事を伏せての調査となります
ハンターと発覚する恐れが強く生じた時点で、その者の調査行為は終了とみなします
何かしらの調査行動を行う度に『一般行為判定システム』を用いて判定します
(判定に使用する能力値は、判定内容の状況に応じて変更します)
判定に失敗した時点で、それ以上の調査活動は不可となります
また、判定数が多くなるに従い、難易度があがります
●NPC
タチバナ
依頼主の代理という建前で同行している素浪人
その正体は立花院 紫草(kz0126)だが、ハンターが正体を知っているかどうかは個々にお任せ
なお、正体がハンター以外には分からない。かつ、その正体もご都合的にバレない事とする
(シナリオの主旨と関係ない為)
???
それがNPCである事はPC情報として認識しても良い
●その他
何か質問がある場合は、タチバナが答えます
オープニングの『●天ノ都』はPL情報とします
マスターより
●挨拶
おはようございます。AdivMSの赤山です。寒くなってきたので冷え性な私には辛い日々が続いています。
話が急に変わりますが、OPで紺堂MSにご協力頂きました。ありがとうございました!
●攻略のヒント
調査系の依頼は当たりは勿論、外れであっても貴重な情報です
誰がどんな情報を探し、無駄なく情報を得られるのか、参加者同士での分担は必要でしょう
その上で、各人があれもこれも手を伸ばすよりかは、行動は絞った方が良いでしょう
おはようございます。AdivMSの赤山です。寒くなってきたので冷え性な私には辛い日々が続いています。
話が急に変わりますが、OPで紺堂MSにご協力頂きました。ありがとうございました!
●攻略のヒント
調査系の依頼は当たりは勿論、外れであっても貴重な情報です
誰がどんな情報を探し、無駄なく情報を得られるのか、参加者同士での分担は必要でしょう
その上で、各人があれもこれも手を伸ばすよりかは、行動は絞った方が良いでしょう
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/12/10 01:04
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
相談用スレッド ニャンゴ・ニャンゴ(ka1590) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/11/27 22:07:24 |
||
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/11/27 20:10:23 |
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質問卓だよ 天竜寺 詩(ka0396) 人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2018/11/27 21:07:33 |