ゲスト
(ka0000)
【操縁】Sorriso
マスター:風亜智疾

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,500
- 参加人数
- 現在7人 / 3~10人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/01/14 19:00
- リプレイ完成予定
- 2019/01/28 19:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
■
『あるところに、足のわるい子狐が住んでいました。
子狐はいつもおうちの中から、たのしそうなみんなの姿を見ていました。
あるとき、やさしいどうぶつたちが、子狐をあそびにさそいました。
「いっしょに、外に出てあそぼうよ」
けれど子狐はおうちの中から出てきません。
「わたしは足がわるいから、みんなといっしょにあそべないの」
なんどもみんなはあそぼうと言ってくれました。
それでも子狐はおそとに出てはきませんでした』
■
つきりと胸に痛みを覚えて、ヴェロニカ・フェッロは絵筆を置いた。
新しい絵本を描き始めてはいたが、それは今までの自分を振り返る旅路のようなもので。
それは自分の中の汚い部分もさらけ出すような、そんな行為だった。
ただ、それでも描かなければならないと思ったのだ。
全てが終わったのだとオフィスから連絡を受けて、その時のことを聞いた今だからこそ描かなければと。
ヴェロニカにとっては、この絵本を描きあげることと、ハンターたちを労うこと。
それが、本当の終わりだと思っているから。
■
『ある日のこと。
とてもとても強いあらしがやってきました。
金の小麦をまきあげてやってきたあらしは、子狐のおうちもおそいます。
足のわるい子狐は、ひとりおうちの中でふるえるばかりです。
しんぱいしたどうぶつたちは、あらしの中子狐のおうちへやってきました。
「子狐さん、みんなでいっしょにいよう」
「そうすれば、こわくないよ」
「みんなとなら、さみしくないよ」
けれど子狐はこういうのです。
「足がわるくて、とびらを開けにいけないの」
「わたしはひとりでだいじょうぶ」
だけど、子狐が泣いていることをみんなみんな、知っていたのです』
■
「……まだ描いていたのか。いい加減休んだらどうだ」
「えぇ、もう少し」
遠方から戻って来ていたディーノ・オルトリーニに声を掛けられて、ヴェロニカは小さく息を吐いた。
差し出されたカップを受け取り、一口啜ると眉を寄せた。
「壊滅的な味がするわ」
「ヴェラが入れるものと一緒にするな」
恐らく紅茶だっただろう渋い味の飲み物を飲みつつ、ふとヴェロニカはちらりとディーノを見やる。
「……お嬢って呼ばないのね」
「まぁ……もうそう呼ぶ必要もないだろう」
同じように渋い味の飲み物を口に運び片眉を器用に跳ね上げたディーノに、ヴェロニカは笑った。
■
『「子狐さん、こわいときはたすけてって言って」
どうぶつたちはあらしの中、いっしょうけんめい子狐へはなしかけます。
「きみは、ひとりでこわくないの?」
「こわいときは、ちゃんと言わないとだめだよ」
しくしく泣いている子狐も、ほんとうはこわいのです。
ほんとうは一人はいやで、いっしょにあそべなくても、いっしょにいたかったのです
「みんなでいれば、こわくないよ。子狐さん」
「さあ、とびらをあけて」
あらしの中、いっしょうけんめい手をのばしてくれるどうぶつたち。
その心やさしいすがたに、子狐は泣きながらおうちのドアをあけました。
そこには、びちゃびちゃにぬれながらも笑う、どうぶつたちがいました。』
■
愛猫の鳴き声と、絵筆を置くのは同時だった。
綺麗な紐で括られた新しい絵本にタイトルをつけて、ヴェロニカは傍に置いた木の枝を持つ。
「さぁ、絵本を届けに行った後、買い物をしてオフィスに行かなくちゃね」
その声と同時にすくっと立ったディーノは、自分が荷物持ち確定なのを長年の付き合いから知っている。
が、首を小さく傾げた。
「なんでオフィスに」
「決まっているでしょう? 依頼を出すためよ」
――私を救ってくれたみんなへ。日の当たる庭で、一緒にお茶会をしませんか?――
■
『あるところに、足のわるい子狐が住んでいました。
子狐はいつもおうちの中から、たのしそうなみんなの姿を見ていました。
あるとき、やさしいどうぶつたちが、子狐をあそびにさそいました。
「いっしょに、外に出てあそぼうよ」
けれど子狐はおうちの中から出てきません。
「わたしは足がわるいから、みんなといっしょにあそべないの」
なんどもみんなはあそぼうと言ってくれました。
それでも子狐はおそとに出てはきませんでした』
■
つきりと胸に痛みを覚えて、ヴェロニカ・フェッロは絵筆を置いた。
新しい絵本を描き始めてはいたが、それは今までの自分を振り返る旅路のようなもので。
それは自分の中の汚い部分もさらけ出すような、そんな行為だった。
ただ、それでも描かなければならないと思ったのだ。
全てが終わったのだとオフィスから連絡を受けて、その時のことを聞いた今だからこそ描かなければと。
ヴェロニカにとっては、この絵本を描きあげることと、ハンターたちを労うこと。
それが、本当の終わりだと思っているから。
■
『ある日のこと。
とてもとても強いあらしがやってきました。
金の小麦をまきあげてやってきたあらしは、子狐のおうちもおそいます。
足のわるい子狐は、ひとりおうちの中でふるえるばかりです。
しんぱいしたどうぶつたちは、あらしの中子狐のおうちへやってきました。
「子狐さん、みんなでいっしょにいよう」
「そうすれば、こわくないよ」
「みんなとなら、さみしくないよ」
けれど子狐はこういうのです。
「足がわるくて、とびらを開けにいけないの」
「わたしはひとりでだいじょうぶ」
だけど、子狐が泣いていることをみんなみんな、知っていたのです』
■
「……まだ描いていたのか。いい加減休んだらどうだ」
「えぇ、もう少し」
遠方から戻って来ていたディーノ・オルトリーニに声を掛けられて、ヴェロニカは小さく息を吐いた。
差し出されたカップを受け取り、一口啜ると眉を寄せた。
「壊滅的な味がするわ」
「ヴェラが入れるものと一緒にするな」
恐らく紅茶だっただろう渋い味の飲み物を飲みつつ、ふとヴェロニカはちらりとディーノを見やる。
「……お嬢って呼ばないのね」
「まぁ……もうそう呼ぶ必要もないだろう」
同じように渋い味の飲み物を口に運び片眉を器用に跳ね上げたディーノに、ヴェロニカは笑った。
■
『「子狐さん、こわいときはたすけてって言って」
どうぶつたちはあらしの中、いっしょうけんめい子狐へはなしかけます。
「きみは、ひとりでこわくないの?」
「こわいときは、ちゃんと言わないとだめだよ」
しくしく泣いている子狐も、ほんとうはこわいのです。
ほんとうは一人はいやで、いっしょにあそべなくても、いっしょにいたかったのです
「みんなでいれば、こわくないよ。子狐さん」
「さあ、とびらをあけて」
あらしの中、いっしょうけんめい手をのばしてくれるどうぶつたち。
その心やさしいすがたに、子狐は泣きながらおうちのドアをあけました。
そこには、びちゃびちゃにぬれながらも笑う、どうぶつたちがいました。』
■
愛猫の鳴き声と、絵筆を置くのは同時だった。
綺麗な紐で括られた新しい絵本にタイトルをつけて、ヴェロニカは傍に置いた木の枝を持つ。
「さぁ、絵本を届けに行った後、買い物をしてオフィスに行かなくちゃね」
その声と同時にすくっと立ったディーノは、自分が荷物持ち確定なのを長年の付き合いから知っている。
が、首を小さく傾げた。
「なんでオフィスに」
「決まっているでしょう? 依頼を出すためよ」
――私を救ってくれたみんなへ。日の当たる庭で、一緒にお茶会をしませんか?――
解説
今シナリオは非戦闘シナリオとなります。
「金の嵐」が過ぎ去り、一冊の絵本を描き終えたヴェロニカから、お茶会のお誘いです。
ヴェロニカの家にいられるのは早朝から夜まで。場合によってはお泊りも可能です。
家の中でも庭でも、好きなところで好きなように交流してもらえればと思います。
食べ物を作っても良し。持参しても良し。
ヴェロニカとディーノも、皆さんを迎えるべく色々なものを用意するようです。
やれる事は自由。
どうぞゆっくりとした時間を、皆さんに。
「金の嵐」が過ぎ去り、一冊の絵本を描き終えたヴェロニカから、お茶会のお誘いです。
ヴェロニカの家にいられるのは早朝から夜まで。場合によってはお泊りも可能です。
家の中でも庭でも、好きなところで好きなように交流してもらえればと思います。
食べ物を作っても良し。持参しても良し。
ヴェロニカとディーノも、皆さんを迎えるべく色々なものを用意するようです。
やれる事は自由。
どうぞゆっくりとした時間を、皆さんに。
マスターより
【奏演】Preludioから始まり【操縁】duelloまで12本。
このお話でようやく長かった【そうえん】が終わります。
皆で「奏で演じ」て、「縁を操られる」ことなく締めくくることが出来て、本当に喜びでいっぱいです。
傷みも悔いも願いも人それぞれ。抱えるものもあるでしょう。
でも今はゆっくりと。のんびりと。
お茶会でもいかがですか?
このお話でようやく長かった【そうえん】が終わります。
皆で「奏で演じ」て、「縁を操られる」ことなく締めくくることが出来て、本当に喜びでいっぱいです。
傷みも悔いも願いも人それぞれ。抱えるものもあるでしょう。
でも今はゆっくりと。のんびりと。
お茶会でもいかがですか?
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/01/27 01:56
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/01/13 18:19:16 |
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雑談交流卓 神代 誠一(ka2086) 人間(リアルブルー)|32才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2019/01/14 17:14:27 |