ゲスト
(ka0000)
【王戦】虚無に向かうacademia再蠢
マスター:坂上テンゼン

- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
アム・シェリタ―揺籃館―- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- ユニット参加人数
- 現在6 / 0~6
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2019/02/08 22:00
- リプレイ完成予定
- 2019/02/17 22:00
オープニング
●王国歴1018年のいつか
「ドクター・レッドバック。
貴公はこんな所で死ぬべきではない」
そんな声を聞いた気がした。
――レッドバックは何処かで目覚めた。
目覚めた、という事実から自分が生きていることを確認。
次に、理由を推測する。
(……ハンターが仕留め損なっただけでは、ここに居る理由にならない。ここは建築物の中で、私はベッドに寝かされている。
何者かの手によって救助されたというところか。では、その何者かとは誰だ)
今のレッドバックに後ろ盾はない。
メフィストはとうに滅んだ。
どこの歪虚か。あるいは可能性は低いが人間か……。
(有り得ない。この環境は、歪虚でなくては用意できない)
ヘクス・シャルシェレットがベリアルを匿ったケースがあるが、周囲の状況からそれとは考えられない。
ここは、歪虚の領域だ。
レッドバックは考察にのめり込んだ。
それから何時間かして……。
レッドバックの前に姿を現したものがある。
幼ささえ感じさせるような少年の顔をしていたが、角と尾が歪虚であることを示していた。そして強気な眼差しと上品ではあるが傲岸不遜な態度を備えていた。
「イヴ様の手の者か?」
レッドバックはその歪虚が視界に入るなり、相手よりに先じて聞いた。
「……いかにも、そうだ」
歪虚は突如言い当てられ、戸惑いを隠しつつ、答えた。
「私の動向を観察していたのか。ハンターどもと戦い、敗れる可能性を見越していたな。私を助け、私を使うことでイヴ様のお役に立ち、自らの有能さを示そうという気だな」
「……目覚めるなり下らん推測は止めてもらおうか」
レッドバックは自らを助けたのが目の前の相手だと確信していたが、礼の一つも言わずに考えを述べた。
そして、全て考えを見抜かれ動揺しつつも、かろうじて威厳を保ちその歪虚は言い返した。
「私の名はアドナヴァ。察しの通り、イヴ様に仕えている。
ドクター・レッドバック、貴公はこれからイヴ様の役に立ってもらう……選択肢はない。全てのものはイヴ様のものだからだ」
「私とて傲慢のはしくれ、それには同意しよう。……ただし君の名声を上げるのに協力する気はないが」
「……推測を確信するのはよしてもらおうか?」
アドナヴァは未だ本格的に活動していないイヴの勢力に先行して、グラズヘイム王国での状勢を調査、記録、情報の共有を謀るため活動していた。
メフィストが直接契約した歪虚であるレッドバックは動向を見守るに値する存在であり、またみすみす死なせるには惜しいと彼は捉えていた――ミュールなどの実力者と張り合うための助けという期待も無くも無かったが。
●新たなる暗黒の学術的世界
何日かして、アドナヴァはレッドバックをイヴの本拠地に連れて行き、イヴと引き合わせた。
「素晴らしい……」
イヴの居城にある資材保管庫はレッドバックにとって極上の素材の宝庫であった。
レッドバックはイヴから、これらを好きに使ってよいと言われた――彼自身『持てる者』であるがゆえに。
「イヴ様の気前の良さに感謝するがいい」
アドナヴァは誇らしげに言う。彼はレッドバックとイヴの間の連絡役という新たな役職を与えられていた。
レッドバックは正式にイヴの配下となったのだ。イヴは指令は特に下さなかった。
ただ、大いに研究し、大いに試せ、とだけ言った。レッドバックの好きにしていいということである。
「言われずとも。これでさらなる力を求めることができる」
「忘れるな。貴公が作りあげた力もまたイヴ様のもの。貴公がそれを用いて奪ったものもイヴ様のもの。究極的には――」
アドナヴァは間を置いて、言った。
「全てのものはイヴ様のものだ」
●そして王国歴1019年の今
レッドバックはイヴ配下の歪虚達とともに、ハルトフォート近郊に侵攻するべく集結していた。レッドバックはこの戦場に、自らが強化を施した歪虚を投入した。
「我々は派手に暴れまわって敵の注意を惹く」
「それはいいが――」
アドナヴァは疑問を口にする。
「なぜ貴公や私まで戦場に?」
「知れた事。研究の結果は自ら見届けねばならん。そうして初めて問題点や改修点がわかるというもの」
「それがポリシーというなら口は出さないが」
レッドバックは研究室に籠もりきりではなく、必要であれば外に出る性格だった。
「ドクター! ドクターじゃねえか! 生きてたんだな!」
レッドバックのもとに、飛んできたコウモリ型の歪虚がいる。
「考察のもととなるのは観察だ。君も私と関わろうというのならそれくらいは知っておけ。一般に……」
「安定の無視かよちきしょう」
「……おいドクター。貴公の知り合いか?」
レッドバックが無視したので、アドナヴァが話を遮る形で聞いた。
「ん? ……こいつはパダギエだ。それがどうかしたのか」
「再会の驚きとか感動とかちょっとでもあんたに期待した俺がバカでした!」
「どういう性格なんだ……」
アドナヴァの言葉は、双方に向けられていた。
「ま、必要以上に見下したり馬鹿にしたりしない分付き合い易くはあるんだけどね。で、あんたは? 俺はドクターの助手・兼・護衛・兼・乗り物のパダギエだけど」
「私はアドナヴァ、イヴ様よりドクター・レッドバックとの間の連絡役を仰せつかっている」
「イヴ様だって?! どういうことよ!」
アドナヴァはこれまでの経緯をパダギエに話した。
「そうだったのか! 実は俺にも幾多の危険をくぐり抜ける壮大な冒険の日々を――」
「アドナヴァ、そろそろ作戦の時間だ。移動するぞ」
アドナヴァはパダギエに少し気の毒そうな視線を向けてから、レッドバックに頷いた。
「待って! 俺も行ってもいい?!」
「無論だ。働け」
「良かった! よし、そうと決まれば人間どもに一泡吹かせてやろうぜ! おい新入り、足引っ張んなよ!」
パダギエは得意気になって、アドナヴァに言う。
「……戦うのは我々じゃないぞ」
アドナヴァは、未知の状況に面食らいつつも、それだけは辛うじて言えた。
●冥き愉悦
イヴが保有する古代文明の機械兵器を、レッドバックは生身の歪虚と一体化させた。
キャタピラーで戦場を走破し、戦闘時には人型形態を取って戦闘を行うこれは、『ヴァリオラス』と名づけられた。この名はレッドバックと同じく毒蜘蛛を由来とする。
かつて歪虚にマテリアルを含有させすぎると制御不能になり、やがて自壊するという事態が発生したが、これは機械の併用により、許容量を超えてマテリアルを含有させたに匹敵する出力を可能にするという試みだった。言わば外付けの増幅器である。
そして機械化した武装だけでなく、機械によって歪虚自身の力も増幅されていた。
(さあ、人間達よ。どう戦う?)
レッドバックにとっては、改造から結果におけるまでが、知的遊戯であり生き甲斐であった。
ゆえに悦びをもって敵を迎えるのだ。
「ドクター・レッドバック。
貴公はこんな所で死ぬべきではない」
そんな声を聞いた気がした。
――レッドバックは何処かで目覚めた。
目覚めた、という事実から自分が生きていることを確認。
次に、理由を推測する。
(……ハンターが仕留め損なっただけでは、ここに居る理由にならない。ここは建築物の中で、私はベッドに寝かされている。
何者かの手によって救助されたというところか。では、その何者かとは誰だ)
今のレッドバックに後ろ盾はない。
メフィストはとうに滅んだ。
どこの歪虚か。あるいは可能性は低いが人間か……。
(有り得ない。この環境は、歪虚でなくては用意できない)
ヘクス・シャルシェレットがベリアルを匿ったケースがあるが、周囲の状況からそれとは考えられない。
ここは、歪虚の領域だ。
レッドバックは考察にのめり込んだ。
それから何時間かして……。
レッドバックの前に姿を現したものがある。
幼ささえ感じさせるような少年の顔をしていたが、角と尾が歪虚であることを示していた。そして強気な眼差しと上品ではあるが傲岸不遜な態度を備えていた。
「イヴ様の手の者か?」
レッドバックはその歪虚が視界に入るなり、相手よりに先じて聞いた。
「……いかにも、そうだ」
歪虚は突如言い当てられ、戸惑いを隠しつつ、答えた。
「私の動向を観察していたのか。ハンターどもと戦い、敗れる可能性を見越していたな。私を助け、私を使うことでイヴ様のお役に立ち、自らの有能さを示そうという気だな」
「……目覚めるなり下らん推測は止めてもらおうか」
レッドバックは自らを助けたのが目の前の相手だと確信していたが、礼の一つも言わずに考えを述べた。
そして、全て考えを見抜かれ動揺しつつも、かろうじて威厳を保ちその歪虚は言い返した。
「私の名はアドナヴァ。察しの通り、イヴ様に仕えている。
ドクター・レッドバック、貴公はこれからイヴ様の役に立ってもらう……選択肢はない。全てのものはイヴ様のものだからだ」
「私とて傲慢のはしくれ、それには同意しよう。……ただし君の名声を上げるのに協力する気はないが」
「……推測を確信するのはよしてもらおうか?」
アドナヴァは未だ本格的に活動していないイヴの勢力に先行して、グラズヘイム王国での状勢を調査、記録、情報の共有を謀るため活動していた。
メフィストが直接契約した歪虚であるレッドバックは動向を見守るに値する存在であり、またみすみす死なせるには惜しいと彼は捉えていた――ミュールなどの実力者と張り合うための助けという期待も無くも無かったが。
●新たなる暗黒の学術的世界
何日かして、アドナヴァはレッドバックをイヴの本拠地に連れて行き、イヴと引き合わせた。
「素晴らしい……」
イヴの居城にある資材保管庫はレッドバックにとって極上の素材の宝庫であった。
レッドバックはイヴから、これらを好きに使ってよいと言われた――彼自身『持てる者』であるがゆえに。
「イヴ様の気前の良さに感謝するがいい」
アドナヴァは誇らしげに言う。彼はレッドバックとイヴの間の連絡役という新たな役職を与えられていた。
レッドバックは正式にイヴの配下となったのだ。イヴは指令は特に下さなかった。
ただ、大いに研究し、大いに試せ、とだけ言った。レッドバックの好きにしていいということである。
「言われずとも。これでさらなる力を求めることができる」
「忘れるな。貴公が作りあげた力もまたイヴ様のもの。貴公がそれを用いて奪ったものもイヴ様のもの。究極的には――」
アドナヴァは間を置いて、言った。
「全てのものはイヴ様のものだ」
●そして王国歴1019年の今
レッドバックはイヴ配下の歪虚達とともに、ハルトフォート近郊に侵攻するべく集結していた。レッドバックはこの戦場に、自らが強化を施した歪虚を投入した。
「我々は派手に暴れまわって敵の注意を惹く」
「それはいいが――」
アドナヴァは疑問を口にする。
「なぜ貴公や私まで戦場に?」
「知れた事。研究の結果は自ら見届けねばならん。そうして初めて問題点や改修点がわかるというもの」
「それがポリシーというなら口は出さないが」
レッドバックは研究室に籠もりきりではなく、必要であれば外に出る性格だった。
「ドクター! ドクターじゃねえか! 生きてたんだな!」
レッドバックのもとに、飛んできたコウモリ型の歪虚がいる。
「考察のもととなるのは観察だ。君も私と関わろうというのならそれくらいは知っておけ。一般に……」
「安定の無視かよちきしょう」
「……おいドクター。貴公の知り合いか?」
レッドバックが無視したので、アドナヴァが話を遮る形で聞いた。
「ん? ……こいつはパダギエだ。それがどうかしたのか」
「再会の驚きとか感動とかちょっとでもあんたに期待した俺がバカでした!」
「どういう性格なんだ……」
アドナヴァの言葉は、双方に向けられていた。
「ま、必要以上に見下したり馬鹿にしたりしない分付き合い易くはあるんだけどね。で、あんたは? 俺はドクターの助手・兼・護衛・兼・乗り物のパダギエだけど」
「私はアドナヴァ、イヴ様よりドクター・レッドバックとの間の連絡役を仰せつかっている」
「イヴ様だって?! どういうことよ!」
アドナヴァはこれまでの経緯をパダギエに話した。
「そうだったのか! 実は俺にも幾多の危険をくぐり抜ける壮大な冒険の日々を――」
「アドナヴァ、そろそろ作戦の時間だ。移動するぞ」
アドナヴァはパダギエに少し気の毒そうな視線を向けてから、レッドバックに頷いた。
「待って! 俺も行ってもいい?!」
「無論だ。働け」
「良かった! よし、そうと決まれば人間どもに一泡吹かせてやろうぜ! おい新入り、足引っ張んなよ!」
パダギエは得意気になって、アドナヴァに言う。
「……戦うのは我々じゃないぞ」
アドナヴァは、未知の状況に面食らいつつも、それだけは辛うじて言えた。
●冥き愉悦
イヴが保有する古代文明の機械兵器を、レッドバックは生身の歪虚と一体化させた。
キャタピラーで戦場を走破し、戦闘時には人型形態を取って戦闘を行うこれは、『ヴァリオラス』と名づけられた。この名はレッドバックと同じく毒蜘蛛を由来とする。
かつて歪虚にマテリアルを含有させすぎると制御不能になり、やがて自壊するという事態が発生したが、これは機械の併用により、許容量を超えてマテリアルを含有させたに匹敵する出力を可能にするという試みだった。言わば外付けの増幅器である。
そして機械化した武装だけでなく、機械によって歪虚自身の力も増幅されていた。
(さあ、人間達よ。どう戦う?)
レッドバックにとっては、改造から結果におけるまでが、知的遊戯であり生き甲斐であった。
ゆえに悦びをもって敵を迎えるのだ。
解説
●状況
ハルトフォート近郊に歪虚の侵攻を確認。その中の一つに対応されたし。
●戦場
平地、障害物などを気にする必要はなし
●攻撃目標
歪虚の部隊
(以下、メタ情報)
背景としてこの戦場には他の歪虚・味方の遊軍もおり、戦いますが、シナリオで描写される範囲は以下の対象とPCのみの戦いです。
・機械化歪虚兵士『ヴァリオラス』
一体。人型形態と走行形態に変形可能。
CAMに似た武装・機能を持つ古代文明機械と一体化している。サイズ2。
スキル:
砲撃:貫通徹甲弾
マテリアルカーテン
(以下、人型形態時のみ)
プラズマクラッカー
デルタレイ
ファイアスローワー
(以下、走行形態時のみ)
アクティブスラスター
フェニックスチャージ
※機導師・ユニット(ダインスレイフなど)の同名スキルに相当する
・レッドバック
解説
・パダギエ
実況
・アドナヴァ
ツッコミ
※実際に戦うのは『ヴァリオラス』のみ。これを倒せば勝利です。他の三人は戦いには参加せず、見ているだけ。倒すことはできません。ただし言葉を交わすことは可能です。
なお、レッドバックとアドナヴァは魔導バイクに騎乗しています。
●ユニット可
ハルトフォート近郊に歪虚の侵攻を確認。その中の一つに対応されたし。
●戦場
平地、障害物などを気にする必要はなし
●攻撃目標
歪虚の部隊
(以下、メタ情報)
背景としてこの戦場には他の歪虚・味方の遊軍もおり、戦いますが、シナリオで描写される範囲は以下の対象とPCのみの戦いです。
・機械化歪虚兵士『ヴァリオラス』
一体。人型形態と走行形態に変形可能。
CAMに似た武装・機能を持つ古代文明機械と一体化している。サイズ2。
スキル:
砲撃:貫通徹甲弾
マテリアルカーテン
(以下、人型形態時のみ)
プラズマクラッカー
デルタレイ
ファイアスローワー
(以下、走行形態時のみ)
アクティブスラスター
フェニックスチャージ
※機導師・ユニット(ダインスレイフなど)の同名スキルに相当する
・レッドバック
解説
・パダギエ
実況
・アドナヴァ
ツッコミ
※実際に戦うのは『ヴァリオラス』のみ。これを倒せば勝利です。他の三人は戦いには参加せず、見ているだけ。倒すことはできません。ただし言葉を交わすことは可能です。
なお、レッドバックとアドナヴァは魔導バイクに騎乗しています。
●ユニット可
マスターより
坂上テンゼンに候。
コメディに寄ってしまった感がしないでもありませんが戦闘は至極真面目です。
【王戦】連動をイヴ勢力に加わったレッドバックの動きを中心に描いて行くで御座る!
コメディに寄ってしまった感がしないでもありませんが戦闘は至極真面目です。
【王戦】連動をイヴ勢力に加わったレッドバックの動きを中心に描いて行くで御座る!
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/02/16 17:27
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/02/03 11:25:10 |
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相談卓 通りすがりのSさん(ka6276) エルフ|18才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2019/02/03 18:43:50 |