ゲスト
(ka0000)
【東幕】別れの時と踏み出す時と
マスター:赤山優牙

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 易しい
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在25人 / 1~25人
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/04/01 19:00
- リプレイ完成予定
- 2019/04/15 19:00
オープニング
●リゼリオ
ハンターズソサエティのギルド区画の一角、とある屋敷の部屋に少年――星加孝純――が、飛び込んできた。
「母さん!?」
「やぁ、孝純」
ベッドの上で微笑を浮かべているのは、少年の母親である星加籃奈(kz0247)だった。
元強化人間であり、特殊な環境下に居た事もあって、籃奈の寿命は幾ばくも無かった。
それでも、親友の仇を取りたいと最後に願い、東方の地へと赴いていったはずだが……。
「思ったより、消耗が少なかったみたいでね。帰ってこれたよ」
「……仇は、取れたの?」
「でなければ、ここにいない、でしょ」
少年は涙を流しながら、母親にしがみついた。その頭を優しく撫でる籃奈。
感動的な親子の再会を見届け、少年を部屋まで案内してきた紡伎 希(kz0174)は無言で頭を下げて立ち去ろうとした。
「あ、待って……紡伎さんだったかな?」
それを籃奈は呼び止めた。
くるりと振り返る希。緑色の髪をふわっと揺らしながら首を傾げる。
「はい。何か御用でしょうか?」
「お礼を言いたくて……ありがとう」
「いえ……こちらこそ、ありがとうございました」
希はアルテミス小隊と義勇兵の混成部隊を率いた立場だった。
ハンター達を支援しつつ、課せられた任務は無事に達成できた。
籃奈から見ても、それなりの場数、そして死地を越えてきたと分かった。ただ、気になる事もあった。
「実は、二つほどお願いがあるんだがいいだろうか?」
「はい。依頼も承りできますので、なんなりと」
事務的に答えた希の瞳の奥を籃奈は見つめる。
自分が気になっていた事に確信が持てた。この少女も、きっと――。
「一つは、ハンター達と別れがしたい……もっとも、逢いに来てくれるかはわからないけど」
「分かりました。それでは、もう一つは?」
「それはね……牡丹の事を聞かせてくれないか。私はリアルブルーでの関わりしか知らなくてね」
籃奈の言葉に、これまで表に出さないように律していた希の表情が崩れた。
目に涙が堪っていくのが、手に取るように分かる。
「気がついて、いたのですか?」
「確信は無かったよ。でも、あの時、身体を張って止めようとしたのを見て思った。きっと、貴女も牡丹との関わりがあったんだって」
咄嗟の行動だったかもしれない。だが、それにしても命を懸けた動きは早々できるものじゃない。
そして、そういう行動が出来る人が、どんな人なのか、籃奈は分かっているつもりだった。
「話してくれるかい?」
「……はい。それはもう、沢山ありますよ」
希は大粒の涙を流しながら答えたのであった。
●天ノ都
立花院家の屋敷に娘の声が響き渡った。
その声に驚き、庭の池で戯れていた小鳥が慌てて飛び出し、小鳥を狙っていた猫も鳴きながら走る去る。
「それで、父上は帰ってきたのですか!?」
「お、怒るな、朱夏……スメラギ様の仰る事だ……今はそっとしておく必要がある」
「なりません!」
激怒しているのは朱夏(kz0116)であった。
立花院家に仕える舞刀士であり、当主である立花院 紫草(kz0126)の信頼厚い女侍でもある。
彼女は、普段、こうして激情を露わにする事はない。エトファリカ武家四十八家門、第一位立花院家の者に相応しく、自らを律し、礼儀を重んじている。
相手が実の父だから、遠慮というものがないのだろう。朱夏の父は立花院家家臣団の中でも実力者であるのだが……。
「スメラギ様のお気持ちも分かります……ですが、これでは先が思いやられます!」
朱夏が実の父親に怒っているのは、当主である立花院 紫草(kz0126)の“処遇”についてた。
多くの者が戦死通告を受けている中、紫草だけは、あくまでも“行方不明”のままなのだ。
これでは、僅かな希望に縋って、前に進めない者も出てくる。それだけではない。幕府の長である征夷大将軍は空席のままだ。
「朱夏の言いたい事も分かる。だが、スメラギ様のお気持ちが今は、もっとも最優先すべき事だとも分かってくれ」
紫草に何があったのか――これは推測でしかない。
だが、事態の重さを考えれば、もう二度と帰ってこないだろう。
紫草を“行方不明”のままにしているのは、多くを失ったスメラギの心の支え、拠り所なのだ。いつかきっと、ちゃんと通告が出る。そう、信じ、帝を支えるのが武家の役目というものだ。
「……分かっています。分かっていますが……でも、そうでもしないと……私は……」
朱夏は顔を伏せた。僅かな希望があればそれに縋ってしまう自分が怖かった。
静かに泣き出した娘を目の前に、父親は無念そうに頷いた。
そして、手を伸ばし、娘の頭に手を乗せようとした――が、思いっきり、払われた。
「もう童ではありませんので、止めて下さい」
気持ち悪いですとでも言いたげな表情を無慈悲に出しながら、朱夏は言い放った。
この辺り、難しい年頃になってしまったんだなと父親は思う。
「そ、そうか……それは済まない」
「上様の件は、今度、私からスメラギ様にお伝えしておきます」
「う、うむ。それで、出掛けるのか?」
長い黒髪を束ね、キュっと紐で締め始めた娘に父親は尋ねる。
朱夏は頷きながら答えた。
「都の周辺や郊外で、時折、憤怒雑魔の姿が見られるとの事で。見回りに行ってきます」
天ノ都の復興は始まったばかりである――。
ハンターズソサエティのギルド区画の一角、とある屋敷の部屋に少年――星加孝純――が、飛び込んできた。
「母さん!?」
「やぁ、孝純」
ベッドの上で微笑を浮かべているのは、少年の母親である星加籃奈(kz0247)だった。
元強化人間であり、特殊な環境下に居た事もあって、籃奈の寿命は幾ばくも無かった。
それでも、親友の仇を取りたいと最後に願い、東方の地へと赴いていったはずだが……。
「思ったより、消耗が少なかったみたいでね。帰ってこれたよ」
「……仇は、取れたの?」
「でなければ、ここにいない、でしょ」
少年は涙を流しながら、母親にしがみついた。その頭を優しく撫でる籃奈。
感動的な親子の再会を見届け、少年を部屋まで案内してきた紡伎 希(kz0174)は無言で頭を下げて立ち去ろうとした。
「あ、待って……紡伎さんだったかな?」
それを籃奈は呼び止めた。
くるりと振り返る希。緑色の髪をふわっと揺らしながら首を傾げる。
「はい。何か御用でしょうか?」
「お礼を言いたくて……ありがとう」
「いえ……こちらこそ、ありがとうございました」
希はアルテミス小隊と義勇兵の混成部隊を率いた立場だった。
ハンター達を支援しつつ、課せられた任務は無事に達成できた。
籃奈から見ても、それなりの場数、そして死地を越えてきたと分かった。ただ、気になる事もあった。
「実は、二つほどお願いがあるんだがいいだろうか?」
「はい。依頼も承りできますので、なんなりと」
事務的に答えた希の瞳の奥を籃奈は見つめる。
自分が気になっていた事に確信が持てた。この少女も、きっと――。
「一つは、ハンター達と別れがしたい……もっとも、逢いに来てくれるかはわからないけど」
「分かりました。それでは、もう一つは?」
「それはね……牡丹の事を聞かせてくれないか。私はリアルブルーでの関わりしか知らなくてね」
籃奈の言葉に、これまで表に出さないように律していた希の表情が崩れた。
目に涙が堪っていくのが、手に取るように分かる。
「気がついて、いたのですか?」
「確信は無かったよ。でも、あの時、身体を張って止めようとしたのを見て思った。きっと、貴女も牡丹との関わりがあったんだって」
咄嗟の行動だったかもしれない。だが、それにしても命を懸けた動きは早々できるものじゃない。
そして、そういう行動が出来る人が、どんな人なのか、籃奈は分かっているつもりだった。
「話してくれるかい?」
「……はい。それはもう、沢山ありますよ」
希は大粒の涙を流しながら答えたのであった。
●天ノ都
立花院家の屋敷に娘の声が響き渡った。
その声に驚き、庭の池で戯れていた小鳥が慌てて飛び出し、小鳥を狙っていた猫も鳴きながら走る去る。
「それで、父上は帰ってきたのですか!?」
「お、怒るな、朱夏……スメラギ様の仰る事だ……今はそっとしておく必要がある」
「なりません!」
激怒しているのは朱夏(kz0116)であった。
立花院家に仕える舞刀士であり、当主である立花院 紫草(kz0126)の信頼厚い女侍でもある。
彼女は、普段、こうして激情を露わにする事はない。エトファリカ武家四十八家門、第一位立花院家の者に相応しく、自らを律し、礼儀を重んじている。
相手が実の父だから、遠慮というものがないのだろう。朱夏の父は立花院家家臣団の中でも実力者であるのだが……。
「スメラギ様のお気持ちも分かります……ですが、これでは先が思いやられます!」
朱夏が実の父親に怒っているのは、当主である立花院 紫草(kz0126)の“処遇”についてた。
多くの者が戦死通告を受けている中、紫草だけは、あくまでも“行方不明”のままなのだ。
これでは、僅かな希望に縋って、前に進めない者も出てくる。それだけではない。幕府の長である征夷大将軍は空席のままだ。
「朱夏の言いたい事も分かる。だが、スメラギ様のお気持ちが今は、もっとも最優先すべき事だとも分かってくれ」
紫草に何があったのか――これは推測でしかない。
だが、事態の重さを考えれば、もう二度と帰ってこないだろう。
紫草を“行方不明”のままにしているのは、多くを失ったスメラギの心の支え、拠り所なのだ。いつかきっと、ちゃんと通告が出る。そう、信じ、帝を支えるのが武家の役目というものだ。
「……分かっています。分かっていますが……でも、そうでもしないと……私は……」
朱夏は顔を伏せた。僅かな希望があればそれに縋ってしまう自分が怖かった。
静かに泣き出した娘を目の前に、父親は無念そうに頷いた。
そして、手を伸ばし、娘の頭に手を乗せようとした――が、思いっきり、払われた。
「もう童ではありませんので、止めて下さい」
気持ち悪いですとでも言いたげな表情を無慈悲に出しながら、朱夏は言い放った。
この辺り、難しい年頃になってしまったんだなと父親は思う。
「そ、そうか……それは済まない」
「上様の件は、今度、私からスメラギ様にお伝えしておきます」
「う、うむ。それで、出掛けるのか?」
長い黒髪を束ね、キュっと紐で締め始めた娘に父親は尋ねる。
朱夏は頷きながら答えた。
「都の周辺や郊外で、時折、憤怒雑魔の姿が見られるとの事で。見回りに行ってきます」
天ノ都の復興は始まったばかりである――。
解説
●目的
ある日を過ごす事
●内容
当シナリオは、ほぼ、フリーアタックとなっています
参加者は、おおよそ、以下の内容を選択できる事とします
(報酬の有無は個々に変わります)
・NPCと絡む
・何かしらの情報を探す行動を行う
・依頼を受ける
(雑魔数匹程度の単純な討伐依頼や配達・調査などの戦闘以外の簡単な依頼)
(プレイングでの指定がない限り、内容に関してはMSの裁量になります)
・何気ない日常を過ごす
(自宅や自室、あるいは、街中など)
・完全にMSに任せる
●活動可能場所(目安)
冒険都市リゼリオ
港街ガンナ・エントラータ
東方一帯
上記以外の場所でも、当方のリプレイで登場した場所でも行ける場合があります
念のため、質問卓で確認をよろしくお願いします
(確認なしでのプレイング提出は、描写できる保証はありません)
●重要
アドリブも強めになっています
今回のシナリオはフリーアタック要素が極めて強い状態になっています
質問卓を設置しますので、疑問などあれば、確認をお願いします
プレイング内容が判定上不可となると、アドリブ対応とさせていただきます
●NPC
紡伎 希(kz0174) :リゼリオ(魔装無し)
星加 籃奈(kz0247):リゼリオ(息子と一緒)
朱夏(kz0116) :天ノ都
NPCの詳細はページを参照の事
※重要※
星加籃奈はリプレイ中で息子に看取られながら穏やかな最期を迎えます
(『【東幕】恩讐越想』結果によるものです。本来であれば憤怒本陣で最期を迎えていました)
上記の登録NPC以外にも、当方のリプレイで登場した人物との、絡みが可能な場合があります
念のため、質問卓で確認をよろしくお願いします
(確認なしでのプレイング提出は、描写できる保証はありません)
●過ごし方の例
NPCと絡む以外にも、素敵な過ごし方もあります
例)知り合い同士で集まって討伐依頼を受ける
例)デートする
例)ガチバトル(模擬戦)してみる
ある日を過ごす事
●内容
当シナリオは、ほぼ、フリーアタックとなっています
参加者は、おおよそ、以下の内容を選択できる事とします
(報酬の有無は個々に変わります)
・NPCと絡む
・何かしらの情報を探す行動を行う
・依頼を受ける
(雑魔数匹程度の単純な討伐依頼や配達・調査などの戦闘以外の簡単な依頼)
(プレイングでの指定がない限り、内容に関してはMSの裁量になります)
・何気ない日常を過ごす
(自宅や自室、あるいは、街中など)
・完全にMSに任せる
●活動可能場所(目安)
冒険都市リゼリオ
港街ガンナ・エントラータ
東方一帯
上記以外の場所でも、当方のリプレイで登場した場所でも行ける場合があります
念のため、質問卓で確認をよろしくお願いします
(確認なしでのプレイング提出は、描写できる保証はありません)
●重要
アドリブも強めになっています
今回のシナリオはフリーアタック要素が極めて強い状態になっています
質問卓を設置しますので、疑問などあれば、確認をお願いします
プレイング内容が判定上不可となると、アドリブ対応とさせていただきます
●NPC
紡伎 希(kz0174) :リゼリオ(魔装無し)
星加 籃奈(kz0247):リゼリオ(息子と一緒)
朱夏(kz0116) :天ノ都
NPCの詳細はページを参照の事
※重要※
星加籃奈はリプレイ中で息子に看取られながら穏やかな最期を迎えます
(『【東幕】恩讐越想』結果によるものです。本来であれば憤怒本陣で最期を迎えていました)
上記の登録NPC以外にも、当方のリプレイで登場した人物との、絡みが可能な場合があります
念のため、質問卓で確認をよろしくお願いします
(確認なしでのプレイング提出は、描写できる保証はありません)
●過ごし方の例
NPCと絡む以外にも、素敵な過ごし方もあります
例)知り合い同士で集まって討伐依頼を受ける
例)デートする
例)ガチバトル(模擬戦)してみる
マスターより
●挨拶とか
お世話になっております。AdivMSの赤山です。
【東幕】グラシナの事後の事後……という事になると、ややこしいですね。
別れの時もあれば、新たな一歩を踏み出す時も、きっとあるはずです。
●他
あれもこれもやろうと思っても、描写上の都合でできない場合があります。
行動は出来るだけ絞る事をお勧めします!
お世話になっております。AdivMSの赤山です。
【東幕】グラシナの事後の事後……という事になると、ややこしいですね。
別れの時もあれば、新たな一歩を踏み出す時も、きっとあるはずです。
●他
あれもこれもやろうと思っても、描写上の都合でできない場合があります。
行動は出来るだけ絞る事をお勧めします!
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/04/09 16:47
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/03/31 15:49:06 |
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質問卓 天竜寺 詩(ka0396) 人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2019/03/31 15:34:54 |
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【相談卓】 Uisca=S=Amhran(ka0754) エルフ|17才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2019/03/31 19:50:25 |