• 日常

とりあえず、穴を埋めないとね

マスター:狐野径

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 3~6人
ユニット参加人数
現在3 / 0~6
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2019/04/09 19:00
リプレイ完成予定
2019/04/18 19:00

オープニング

●三人寄れば?
 グラズヘイム王国、各地で色々あり、大変だし、どうにかしないといけないといっても日常生活は続く。
 イスルダ島の港にある拠点で三人の若者が首をかしげる。
「これをどこに刺すかですね……」
 リシャール・べリンガーは先日受け取った荷物にあったローズマリーの枝を見てそわそわする。水につかっているところは根が生えている。早く植えないとこのまま枯れてしまうのではないかと不安だ。
「とりあえず、植木鉢にでも埋めます?」
「これを植えるだけの植木鉢があるならば……」
「あー」
 シールとライル・サヴィスが溜息を洩らした。ざっと五十本はある。移動中に傷むことや埋めてもうまく根付かないことを想定した数だろう。
 説明書には「一旦植木鉢で土にならしてから植える方がいい」とあった。植木鉢の用意、植木鉢に入れる石や土などの用意といった手間や場所のことを考えるとそのまま植えるというもう一つの案がよさそうだった。
「私たちが行けそうで、迷惑が掛かりにくい場所と言うと……」
「あの村の跡地ですよねぇ」
 リシャールにライルは答える。
「そうだ、僕の家があったあたりは?」
「村自体が奥だけどその奥だな……まず復興なら手前からだろうし」
 シールの言葉にライルが手をポンとたたいた。もし、住めるようになって人が戻ってきても、埋めた物をどうするか考える時間ができる。
「私たちの居場所も港から離れてもよいのではないでしょうか?」
「でも……ハルトフォートのこと考えると、人がいる所にいたほうが……」
「そうですね。私たちが迷惑をかけるようなことはできません。それに、乗り物で行けば速いですね」
 リシャールはシールの不安を読み取りすぐに提案を取り下げる。
「魔導バイクを導入をしたい」
「ライル、道中で枝が出てるかもしれないから危ないよ」
「……馬もだよな……」
「だね」
 ライルは溜息を洩らした。シールの指摘は正しい。
「魔導トラックを運べればいいですね……」
「あ、リシャールさん、レンタルしているんだっけ……持ってきていないけど」
「はい」
 三人はどういう手順で何が必要かあれこれ考える。
 一度、現地を見に行くことにしたのだった、一番無難な馬車で。

●まずすべきこと
「穴、埋めないとな」
「木はどうする? あれは、ちょっと、変な木だよね」
「……動き始めますか……」
「それはないと思う……います、うん」
 三人は現場を見て相談する。
 牧草地とは名ばかりで、謎の高木が生えている。十中八九べリアル(kz0203)がイスルダ島にいたときの名残。どこからか湧いたかわからない謎の木。
「一度、来たことあるんですが……」
「そのときは生きるか死ぬかだったから……」
 ライルの義弟が歪虚となってシールとライルを招いた。その結果、ここで戦った。ハンターたちのおかげで今がある。
 その時のままなのであるが高木が変な物だったか否かは記憶に全くなかった。
「穴も結構深いし……埋めないと使えないよね」
「……余計な土が周りにある?」
「ないですよ……周りを崩して埋めるとかですかね……そもそも……」
 三人はうめいた。
「井戸が残っていて、使えるとすごくいいですね」
 シールが思い出して告げる。
 家があった痕に向かうが、それらしいものがみつからない。
「ここ、にあったはず……」
 シールは家がここと手で示し、井戸の位置を示した。
「……ないね」
「ないですね」
「歪虚、飲食不要ですねぇ」
 ライルが語尾を伸ばし微妙な言い方をした瞬間、リシャールとシールがぎろりとにらみつける。
「二人とも機嫌が悪すぎ……」
 ライルは少し嬉しかった。シールが年の近いリシャールと仲良くしていることに。イスルダ島から脱した後、精神的に追い込まれ、元気を取り戻しても、シールはシールではなかった。表向きは雑貨屋雑貨の良き店員だったが、あくまで島の記憶を捻じ曲げライルに感情をぶつけることで保っている元気だった。
 リシャールが地面を突いている間、シールがライルの表情に気づいた。
「何笑っているんだよ……」
「リシャールさんと君が仲がいいのが嬉しくて」
「……でもリシャールさんに悪いよ……僕と身分違うし」
 シールはしょげた。今は仲良くしてもらえていても、色々なことが済めば身分違うし、忘れられてしまうと考えてしまう。
「……どうかしましたか?」
 リシャールが気になってやってくる。
「シールとあなたが仲良くしているのが嬉しいと言ったんです」
「え?」
 リシャールはシールの様子を見る。何か落ち込んでいるし不安そうだ。
「それでしおれたんですか? 私とでは仲良くできないと……」
 リシャールがしょげる。
「……え? あれ?」
 シールが慌てる。
 ライルは様子を見て笑う。
「シー坊!」
「え? え? だって、僕、親もいないし、身分もないし」
 シールはおろおろする。
「それが何だというのです? 前も言いました。私は貴族かもしれません。でも、領主なのは父で、私は私です。シール君やライルさんが私と仲良くしてくれる、認めてくれるのは嬉しいのです」
 シールは言われて顔を真っ赤にする。
「……だって、だって」
「私では駄目ですか? だいたい、私がエトファリカに行ったとき面倒見てくれといわれていたのも……貴族の子ではないですよ?」
 エルフの女の子だ、商人の父親を持つ。
 シールは気を使いすぎて、ひどいことをしてしまったと気づいた。
「ご、ごめんなさい、リシャールさん。僕! えっと、よろしくお願いします」
「……え? あ、はい、今後ともよろしくお願いします」
 ライルはその様子を見つめ、大笑いを始めた。
「さて、ハンターさんに手伝ってもらえるか依頼を出しておこう」
 ライルは年長者らしく、二人を促した。

解説

 土地を更地にする。
 作業時間、午前十時から午後三時くらい。移動を考えるとプラス二時間くらいずつだが、移動については気にせずともよい。
 雑魔の出没(自然発生の通りすがり)。

●現場(広さは便宜上)
 50×50メートルの牧草地だった場所。
 変な高木がぽつりぽつり生えている(10本くらい)。
 落とし穴だったぽい、大きな穴がいくつかある(10か所くらい)。結構な深さ(2メートルほど)があったり、槍が落ちていたりする。
 余力があれば、腐葉土を混ぜて枝の根っ子を埋めていきたい。

●道具
 斧、のこぎり、シャベル、クワ、つるはし、トンボ、レーキなどはそろっている。

●同行NPC
 ・リシャール・べリンガー 貴族の坊ちゃん、十代後半、舞刀士。結構、身分について気にしないというか、気にされるほうが困る。
 ・ライル・サヴィス 商人兼ハンター、二十代前半、闘狩人。なんとなく楽しい。
 ・シール 元サヴィス家使用人、十代後半、聖導士。いろいろ慎重。

●ユニットの同行可
 機械、幻獣区切らず、依頼に必要と感じれば同行してかまいません。むろん、なくても問題ありません。

マスターより

 こんにちは、狐野径です。
 人力でどうにかする道具はそろっています。一応ユニット可にはしていますが、人力でやって問題ありません。
 ただ、やることが多いのは事実です。最後まで行ければよいですが、木を倒して、穴を埋めれればまあ最低限良いかなという感じですね。
 よろしくお願いします。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2019/04/15 19:15

参加者一覧


  • ルカ(ka0962
    人間(蒼)|17才|女性|聖導士
  • 花言葉の使い手
    カーミン・S・フィールズ(ka1559
    人間(紅)|18才|女性|疾影士
  • 抱き留める腕
    ユリアン・クレティエ(ka1664
    人間(紅)|21才|男性|疾影士
  • 乙女の護り
    レイア・アローネ(ka4082
    人間(紅)|24才|女性|闘狩人
  • ベゴニアを君に
    マリィア・バルデス(ka5848
    人間(蒼)|24才|女性|猟撃士
  • Mr.Die-Hard
    トリプルJ(ka6653
    人間(蒼)|26才|男性|霊闘士
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/04/08 19:29:31
アイコン 更地にしよう!
カーミン・S・フィールズ(ka1559
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|疾影士(ストライダー)
最終発言
2019/04/09 18:01:46