ゲスト
(ka0000)
ボラ族、語り部を求み明日を窺う
マスター:DoLLer

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 寸志
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/01/23 07:30
- リプレイ完成予定
- 2015/02/01 07:30
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
新しい年を迎えるのはその地域、その人によって様々に異なる。家族で団欒を楽しみ静かに年を明けるのを待つ者。また友人達と楽しく騒ぐ者。教会に足を運び思いも新たに祈りをささげる者、平時と変わらず仕事に精を出すもの、歪虚の襲来で鉄火と命の輝きを放つ者……。
帝国の山奥に居を構えた、辺境より移住してきたボラ族の民は、この年明けを穏やかに暮らすようであった。
ボラ族の族長であるイグは小屋の一番奥で、手製の弦楽器をつま弾いていた。形状はリュートを意識しているのだろうがリュートと名づけられるほどの出来ではない。形は元より音もひどく粗末なものだったが、一族の者たちはその調べにあわせ、また簡素な囲炉裏に身を寄せ合って音を聞いていた。
「百年続いた恵みは枯れ果てた。刈り取る者を止められなかった我らの罪は重い。我々は名を捨て戦おう」
「ヴォラー! ヴォラー!」
イグの調べに合わせて、一族は声を合わせて合の手を入れた。
「名を失い精霊に忘れられようとも、我々は戦おう。明けぬ夜はない、春の来ない冬はない」
「ヴォラー! ヴォラー!!」
弦のつま弾きが止まり、高くあがった合いの手も徐々にさざ波が引いていくかのように、静まり返る。後に残るは火が爆ぜる音くらい。ゆらゆらと火の影に明滅する一族の横顔はどこか悲愴としていて、どこか気高くもあった。
「我々は帝国の民になることができた。帝国は強い。故に辺境の民に見下すこともある。しかし我々の手に負えぬ歪虚と対抗する術を持っているのは間違いないことだ。たくさん学ぶことはある。今年はより多くの事を学び、帝国の精神を身に着ける。これが目標だ」
族長の言葉に、一族は皆一様に頷いた。服装も顔つきもまだ帝国の人間とは随分とかけ離れている。常識だって拠り所とする精神もまだ辺境にいる時分と変わっていないのだから当然だ。しかし彼らの籍は帝国にある。変わらねばならぬのだ。
「オレ達は多くのことを知る必要がある。帝国を知りたい。何故余所より戦いに拘るのか。人類の盾と自称するのか。オレは帝国の兵士と戦った。強くなかった。しかし、帝国全体は強い。不思議だ」
そう言ったのはボラ族の中で一番の戦士であるゾールだった。彼が戦ったという兵士を思い出し拳を握りしめる横で、壁にもたれかかって退屈そうにしていた少年のロッカも声を上げた。
「ボクは帝国が入れ込むハンターが気になるかな。最近の戦いにはハンターって必ずいるよね。今までどんなことをしてきたのかな。どんな戦いしてきたのかな。ハンターを知ればボク達の目指す道も多分見えてくるんじゃない?」
賛同の声が響く中、次に明確な意見を口にしたのは、赤子を抱いた女レイアだった。
「私はそれよりも生活の自立を目指すべきだと思うわ。案内人のメルさんは私達を非常識という。どんな道を歩むにしてもこの世界のことを識り、それに応じた行動をする必要があるわ。ここでの生活を堅固なものにすることで、戦う準備もできると思うの」
そうだ。そうだとこちらも賛同の声が上がると、続いて我も我もとそれぞれの意見を述べ始めた。イグはしばらくそれらに耳を傾けてきたが、やがて「わかった」と言い放った。途端に小屋の喧騒は収まり、また静かな火の爆ぜる音だけが響く。
「これから一年が始まる。我々は聴くことを目標とする。まずハンターにここに来てもらい歌ってもらおう。その生き様を。彼らの見た歴史や戦いを。その善悪を。我々は辺境の更に端で暮らしてきた。オイマトやスコールとも距離を置いた間柄だ。故にこの世には知らぬことの方が多いのだろう」
一呼吸おいてイグは大きな声で言った。
「聴き、知り。そして成長する。これが我らの取るべき道だ」
「ヴォラー! ヴォラー!!」
ボラ族は皆で唱和した。
新しい年を迎えるのはその地域、その人によって様々に異なる。家族で団欒を楽しみ静かに年を明けるのを待つ者。また友人達と楽しく騒ぐ者。教会に足を運び思いも新たに祈りをささげる者、平時と変わらず仕事に精を出すもの、歪虚の襲来で鉄火と命の輝きを放つ者……。
帝国の山奥に居を構えた、辺境より移住してきたボラ族の民は、この年明けを穏やかに暮らすようであった。
ボラ族の族長であるイグは小屋の一番奥で、手製の弦楽器をつま弾いていた。形状はリュートを意識しているのだろうがリュートと名づけられるほどの出来ではない。形は元より音もひどく粗末なものだったが、一族の者たちはその調べにあわせ、また簡素な囲炉裏に身を寄せ合って音を聞いていた。
「百年続いた恵みは枯れ果てた。刈り取る者を止められなかった我らの罪は重い。我々は名を捨て戦おう」
「ヴォラー! ヴォラー!」
イグの調べに合わせて、一族は声を合わせて合の手を入れた。
「名を失い精霊に忘れられようとも、我々は戦おう。明けぬ夜はない、春の来ない冬はない」
「ヴォラー! ヴォラー!!」
弦のつま弾きが止まり、高くあがった合いの手も徐々にさざ波が引いていくかのように、静まり返る。後に残るは火が爆ぜる音くらい。ゆらゆらと火の影に明滅する一族の横顔はどこか悲愴としていて、どこか気高くもあった。
「我々は帝国の民になることができた。帝国は強い。故に辺境の民に見下すこともある。しかし我々の手に負えぬ歪虚と対抗する術を持っているのは間違いないことだ。たくさん学ぶことはある。今年はより多くの事を学び、帝国の精神を身に着ける。これが目標だ」
族長の言葉に、一族は皆一様に頷いた。服装も顔つきもまだ帝国の人間とは随分とかけ離れている。常識だって拠り所とする精神もまだ辺境にいる時分と変わっていないのだから当然だ。しかし彼らの籍は帝国にある。変わらねばならぬのだ。
「オレ達は多くのことを知る必要がある。帝国を知りたい。何故余所より戦いに拘るのか。人類の盾と自称するのか。オレは帝国の兵士と戦った。強くなかった。しかし、帝国全体は強い。不思議だ」
そう言ったのはボラ族の中で一番の戦士であるゾールだった。彼が戦ったという兵士を思い出し拳を握りしめる横で、壁にもたれかかって退屈そうにしていた少年のロッカも声を上げた。
「ボクは帝国が入れ込むハンターが気になるかな。最近の戦いにはハンターって必ずいるよね。今までどんなことをしてきたのかな。どんな戦いしてきたのかな。ハンターを知ればボク達の目指す道も多分見えてくるんじゃない?」
賛同の声が響く中、次に明確な意見を口にしたのは、赤子を抱いた女レイアだった。
「私はそれよりも生活の自立を目指すべきだと思うわ。案内人のメルさんは私達を非常識という。どんな道を歩むにしてもこの世界のことを識り、それに応じた行動をする必要があるわ。ここでの生活を堅固なものにすることで、戦う準備もできると思うの」
そうだ。そうだとこちらも賛同の声が上がると、続いて我も我もとそれぞれの意見を述べ始めた。イグはしばらくそれらに耳を傾けてきたが、やがて「わかった」と言い放った。途端に小屋の喧騒は収まり、また静かな火の爆ぜる音だけが響く。
「これから一年が始まる。我々は聴くことを目標とする。まずハンターにここに来てもらい歌ってもらおう。その生き様を。彼らの見た歴史や戦いを。その善悪を。我々は辺境の更に端で暮らしてきた。オイマトやスコールとも距離を置いた間柄だ。故にこの世には知らぬことの方が多いのだろう」
一呼吸おいてイグは大きな声で言った。
「聴き、知り。そして成長する。これが我らの取るべき道だ」
「ヴォラー! ヴォラー!!」
ボラ族は皆で唱和した。
解説
●目的
帝国の山奥で暮らすボラ族という元辺境の民たちに色んなお話をしてあげてください。
自分語りでもいいですし、あまり世の中の常識が分かっていない彼らにそれらを教えることでも構いません。
魔術や機導の論理でも、各種の発明品の披露でも構いません。
誇大広告や嘘八百でも構いません。
全て彼らなりに消化していきます。
●成功判定
どのような内容でも成功扱いとします。ボラ族が成長できる内容が多い場合は大成功になります。
普通以下の判定はいたしません。
●その他
ご飯は用意してくれます。
寝床も雑魚寝で良ければ準備されてます。
プレイングにもよりますが、基本はオープニングのように夕ご飯の後、囲炉裏に集まってみんなで話を聞くというスタイルになります。吟遊詩人が歌って聞かせるがごとく、です。
帝国の山奥で暮らすボラ族という元辺境の民たちに色んなお話をしてあげてください。
自分語りでもいいですし、あまり世の中の常識が分かっていない彼らにそれらを教えることでも構いません。
魔術や機導の論理でも、各種の発明品の披露でも構いません。
誇大広告や嘘八百でも構いません。
全て彼らなりに消化していきます。
●成功判定
どのような内容でも成功扱いとします。ボラ族が成長できる内容が多い場合は大成功になります。
普通以下の判定はいたしません。
●その他
ご飯は用意してくれます。
寝床も雑魚寝で良ければ準備されてます。
プレイングにもよりますが、基本はオープニングのように夕ご飯の後、囲炉裏に集まってみんなで話を聞くというスタイルになります。吟遊詩人が歌って聞かせるがごとく、です。
マスターより
正月は何しようかと色々考えましたが、自分語りの場を設けさせていただきました。本当か嘘かなんて問いません。(逆に言うとここで話したからといって容認された設定、ということにもなりません)
ボラ族はある意味純朴なので、どんな話もみんな感心して聞いてくれるでしょう。
勇猛な戦士となるか、やる気にあふれた農民になるか、はたまたアイデア勝負の技術者集団になるか。
皆さんの語りが、これからのボラ族を作っていきます。
皆さんでボラ族を育ててあげてくださいね。
ボラ族の目付け役として帝国の役人メルツェーデス(通称メル)というのがいるんですが、彼女は別のお仕事で今回は不在です。
ボラ族はある意味純朴なので、どんな話もみんな感心して聞いてくれるでしょう。
勇猛な戦士となるか、やる気にあふれた農民になるか、はたまたアイデア勝負の技術者集団になるか。
皆さんの語りが、これからのボラ族を作っていきます。
皆さんでボラ族を育ててあげてくださいね。
ボラ族の目付け役として帝国の役人メルツェーデス(通称メル)というのがいるんですが、彼女は別のお仕事で今回は不在です。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/01/29 10:53
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/01/20 08:33:19 |
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雑談の卓 ユリアン・クレティエ(ka1664) 人間(クリムゾンウェスト)|21才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/01/22 23:45:30 |