ゲスト
(ka0000)
かまくらを作ろう
マスター:石田まきば

- シナリオ形態
- イベント
関連ユニオン
APV- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在25人 / 1~25人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/01/21 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/01/30 12:00
オープニング
●雪積りて道染まり
ゾンネンシュトラール帝国、第三師団シュラーフドルン。彼らの拠点であるエルヴィンバルト要塞は今、少々面倒な問題に直面していた。
第三師団の任務は主に二つ、エルフハイムの監視とピースホライズンの監視だ。
だから要塞のある師団都市マーフェルスはピースホライズンの東北、街道沿いの場所に位置している。
これは勿論エルフハイムも東に臨める立地でもある。
何が言いたいかと言うと、マーフェルスは帝国の中でも比較的南方であるということだ。
雪に対する体制はゼロではないが、北方の都市に比べると若干物足りない。
しかもエルヴィンバルト要塞は倉庫を比較的多く抱えている部類で、屋根の雪とひとくくりにすると相当な量になるのだ。
「積もってしまいましたね、ゲーベル師団長」
窓の外の真白い景色にため息をついたのはテオバルト・デッセル。その副長の声が、執務室に静かに響いた。
「雪かきの人員を増やさなくてはなりません」
この人手不足なときに。歪虚CAMの撃破やらエルフハイムとの折衝やらで忙しかったというのに。
「そうだな。……ああテオ、明日のメニューはやっぱり汁物がいいか?」
対するカミラ・ゲーベル(kz0053)は既に別の事を考えているようで声がどこか上の空だ。それもそのはず、明日は師団長デーだからだ。
第三師団の恒例行事、カミラが師団所属の者に料理を振る舞う日。第三師団が結束を強める日。
今回は皆の疲れをねぎらう意味もあって張り切っている……ようにも見えるが。腕をふるえることが嬉しいだけにも見える。作る量が多いほど張り切る性質なのは皆が知っている。
(自分の仕事は終えているから、性質が良いのか悪いのか)
別にサボっているわけではないのでテオバルトも強くはいわない。自分も急ぎの仕事は終えているので、少しくらいは雑談に興じてもいいだろうと思った。
「この通りの気温ですから、悪くないんじゃないですか」
明日はクネーデルズッペだろうかと推測し答える。
「雪かきも終えてからなら、特にいいと思いますよ」
「そうだな……」
会話が途切れる。上司は今レシピを練っているのだろう。自分も屋根からおろした雪をどこに運ばせるか考えておかなければと書類に視線を戻した。
(雪かきの雪も何か使えないだろうか)
カミラはさきほどからずっと、そんなことを考えていた。
別に食べるとか、調理に使うとかそういう事ではない。ただ邪魔にならないところに積むだけではなく、面白い使い方があればいいなと思ったのだ。
(どこかで聞いたことがあるような、ないような)
冷たい雪なのに暖かい、と言うどこか矛盾した言葉をどこかで聞いたような気がする。
(あと少しで思い出せそうなんだが……)
喉元まで出かかっている気がするのに、切っ掛けが足りない。
ベショッ!
「……ハウプトマン副長、貴方はまたそんなところで!」
窓に当たった雪玉の音と、窓の外に怒声を投げる部下の声。
外からはもう一人の副長、モーリッツ・ハウプトマンの「これも訓練の一環だ!」という声が聞こえてくる。
「遊んでいるようにしか見えませんよ!」
やれ「防壁を作る練習」だの「射撃の練習」等と言い訳の声の中に「拠点作り」という言葉が聞こえ、カミラは窓の傍に寄った。
(……あれか?)
積み上げた雪山がいくつもある中、そのうちの何ヵ所かは中の雪がくりぬかれていた。
「おいモーリ、それはなんだ!?」
自分も声を張り上げる。ほどなくして「かまくらって言うんだってよ!」と返ってきた。
●大きな拠点?
「大きいかまくらを作ろうじゃないか」
既に完成している一つの中に入ってみたカミラは、その保温性に魅了されたようだった。
「雪はあるんだ。大きい物を作ればそれだけ溶けるのも遅くなるだろう。訓練中の休憩所にも使えるんじゃないか?」
中で暖かい物を食べれば更にいい。
「いいねぇ、酒もあれば完璧だなぁ」
賛同するモーリッツだが、テオバルトの眉はしかめられている。
「勤務中の酒は厳禁です。……普通の雪かきより時間もかかりますが?」
部下達を余計に疲れさせてどうするのか、本末転倒ではないかと嗜める。
「つまり、あまり疲れさせず、しかも早く終わればいいんだな?」
「そうですね」
だから規模を小さくするべきだ、そう続けようとしたテオバルトの台詞は遮られた。
「言質はとったぞ」
にやりと笑うカミラ。
「人手はハンターたちで賄うぞ。モーリはついでに娘もつれてこい、賑やかな方がいいだろう」
「カミラの嬢ちゃんのお手製おやつ付きってんなら喜んで来るだろうさ」
「ゲーベル師団長!?」
何人集める気なのかと叫びたい気分のテオバルトだが、既に負けは確定していた。
「『奇跡の電卓』にできない計算はないだろう?」
嵌められた!?
(……仕方ないのかもしれないな)
賑やかにする理由はちゃんとある。人が居なくなった分、その穴を皆で埋めなければならない。戦闘職種だからそんな危険は常に付きまとうし、自分も含めて皆が皆覚悟の上で勤めている。今回が初めての事ではないのだから、割り切ることは重要だ。
そもそもトップは感傷を表に出してはいられない。このシュラーフドルンの所属者がカミラの料理の腕によって胃袋を掌握された者ばかりで、トップの多少の無茶ぶりには余裕で対応できる集団だとしても。
カミラが実際に腹の底で何を考えているのかわからない、読みにくい存在だとしても。
「わかりました」
ただ、自分は自分の仕事を全うするだけだ。
ゾンネンシュトラール帝国、第三師団シュラーフドルン。彼らの拠点であるエルヴィンバルト要塞は今、少々面倒な問題に直面していた。
第三師団の任務は主に二つ、エルフハイムの監視とピースホライズンの監視だ。
だから要塞のある師団都市マーフェルスはピースホライズンの東北、街道沿いの場所に位置している。
これは勿論エルフハイムも東に臨める立地でもある。
何が言いたいかと言うと、マーフェルスは帝国の中でも比較的南方であるということだ。
雪に対する体制はゼロではないが、北方の都市に比べると若干物足りない。
しかもエルヴィンバルト要塞は倉庫を比較的多く抱えている部類で、屋根の雪とひとくくりにすると相当な量になるのだ。
「積もってしまいましたね、ゲーベル師団長」
窓の外の真白い景色にため息をついたのはテオバルト・デッセル。その副長の声が、執務室に静かに響いた。
「雪かきの人員を増やさなくてはなりません」
この人手不足なときに。歪虚CAMの撃破やらエルフハイムとの折衝やらで忙しかったというのに。
「そうだな。……ああテオ、明日のメニューはやっぱり汁物がいいか?」
対するカミラ・ゲーベル(kz0053)は既に別の事を考えているようで声がどこか上の空だ。それもそのはず、明日は師団長デーだからだ。
第三師団の恒例行事、カミラが師団所属の者に料理を振る舞う日。第三師団が結束を強める日。
今回は皆の疲れをねぎらう意味もあって張り切っている……ようにも見えるが。腕をふるえることが嬉しいだけにも見える。作る量が多いほど張り切る性質なのは皆が知っている。
(自分の仕事は終えているから、性質が良いのか悪いのか)
別にサボっているわけではないのでテオバルトも強くはいわない。自分も急ぎの仕事は終えているので、少しくらいは雑談に興じてもいいだろうと思った。
「この通りの気温ですから、悪くないんじゃないですか」
明日はクネーデルズッペだろうかと推測し答える。
「雪かきも終えてからなら、特にいいと思いますよ」
「そうだな……」
会話が途切れる。上司は今レシピを練っているのだろう。自分も屋根からおろした雪をどこに運ばせるか考えておかなければと書類に視線を戻した。
(雪かきの雪も何か使えないだろうか)
カミラはさきほどからずっと、そんなことを考えていた。
別に食べるとか、調理に使うとかそういう事ではない。ただ邪魔にならないところに積むだけではなく、面白い使い方があればいいなと思ったのだ。
(どこかで聞いたことがあるような、ないような)
冷たい雪なのに暖かい、と言うどこか矛盾した言葉をどこかで聞いたような気がする。
(あと少しで思い出せそうなんだが……)
喉元まで出かかっている気がするのに、切っ掛けが足りない。
ベショッ!
「……ハウプトマン副長、貴方はまたそんなところで!」
窓に当たった雪玉の音と、窓の外に怒声を投げる部下の声。
外からはもう一人の副長、モーリッツ・ハウプトマンの「これも訓練の一環だ!」という声が聞こえてくる。
「遊んでいるようにしか見えませんよ!」
やれ「防壁を作る練習」だの「射撃の練習」等と言い訳の声の中に「拠点作り」という言葉が聞こえ、カミラは窓の傍に寄った。
(……あれか?)
積み上げた雪山がいくつもある中、そのうちの何ヵ所かは中の雪がくりぬかれていた。
「おいモーリ、それはなんだ!?」
自分も声を張り上げる。ほどなくして「かまくらって言うんだってよ!」と返ってきた。
●大きな拠点?
「大きいかまくらを作ろうじゃないか」
既に完成している一つの中に入ってみたカミラは、その保温性に魅了されたようだった。
「雪はあるんだ。大きい物を作ればそれだけ溶けるのも遅くなるだろう。訓練中の休憩所にも使えるんじゃないか?」
中で暖かい物を食べれば更にいい。
「いいねぇ、酒もあれば完璧だなぁ」
賛同するモーリッツだが、テオバルトの眉はしかめられている。
「勤務中の酒は厳禁です。……普通の雪かきより時間もかかりますが?」
部下達を余計に疲れさせてどうするのか、本末転倒ではないかと嗜める。
「つまり、あまり疲れさせず、しかも早く終わればいいんだな?」
「そうですね」
だから規模を小さくするべきだ、そう続けようとしたテオバルトの台詞は遮られた。
「言質はとったぞ」
にやりと笑うカミラ。
「人手はハンターたちで賄うぞ。モーリはついでに娘もつれてこい、賑やかな方がいいだろう」
「カミラの嬢ちゃんのお手製おやつ付きってんなら喜んで来るだろうさ」
「ゲーベル師団長!?」
何人集める気なのかと叫びたい気分のテオバルトだが、既に負けは確定していた。
「『奇跡の電卓』にできない計算はないだろう?」
嵌められた!?
(……仕方ないのかもしれないな)
賑やかにする理由はちゃんとある。人が居なくなった分、その穴を皆で埋めなければならない。戦闘職種だからそんな危険は常に付きまとうし、自分も含めて皆が皆覚悟の上で勤めている。今回が初めての事ではないのだから、割り切ることは重要だ。
そもそもトップは感傷を表に出してはいられない。このシュラーフドルンの所属者がカミラの料理の腕によって胃袋を掌握された者ばかりで、トップの多少の無茶ぶりには余裕で対応できる集団だとしても。
カミラが実際に腹の底で何を考えているのかわからない、読みにくい存在だとしても。
「わかりました」
ただ、自分は自分の仕事を全うするだけだ。
解説
*目的
エルヴィンバルト要塞の倉庫が集まる区域、そこの雪かきを手伝ってください
*真の目的
上記のような目的のお仕事シナリオですが、「このシナリオに参加した」時点で雪かき人員として登録したとみなします
プレイングに「雪かきを手伝う」といったことを書かずとも、人が集まっただけで雪かきは成功します
リプレイでは、基本的に雪かきの描写は行いません
ではこのシナリオは何のためにあるのか?
雪かきを理由に「雪遊び」をしましょう、ということです
*場所
第三師団シュラーフドルンが駐留する、エルヴィンバルト要塞
倉庫が並ぶ区域です、訓練用の広場が隣接しています
倉庫に入るとか、兵舎などに入るといったような行動があると師団兵に怒られますのでご注意を
(ここから下は、行動の参考資料としてどうぞ)
*道具
雪かきや雪遊びに必要そうな一般的な道具はあるとします
ただしリアルブルーの高度な技術の品はありません
*提供されるおやつ(軽食扱い?)
さつま芋ポタージュ、芋ニョッキ入り
塩で味をつけたものと、砂糖で甘味を強化したものの二種類です(見た目は同じ)
字数の短いメニュー名の案があれば喜んで採用します
*NPC状況
基本的に背景ですが、お声がけ頂くと登場します
今回は第三師団兵のみ
過去に登場した者も指名されれば登場します
こんな人が居たら話したい、等がもしあれば、新たに登場します
カミラ・ゲーベル
第三師団長
依頼主
おやつ作ってる人
テオバルト・デッセル(三十代半ば独身)
モーリッツ・ハウプトマン(四十代後半妻子有)
どちらも第三師団の副長
師団兵の子供達
賑やかしに雪遊びに来ています、十人くらい
皆、6歳~10歳くらいです
*注意
白紙はリプレイに描写できません、ご注意くださいませ
参加したらとりあえず『雪遊び』とでも送信しておきましょう
エルヴィンバルト要塞の倉庫が集まる区域、そこの雪かきを手伝ってください
*真の目的
上記のような目的のお仕事シナリオですが、「このシナリオに参加した」時点で雪かき人員として登録したとみなします
プレイングに「雪かきを手伝う」といったことを書かずとも、人が集まっただけで雪かきは成功します
リプレイでは、基本的に雪かきの描写は行いません
ではこのシナリオは何のためにあるのか?
雪かきを理由に「雪遊び」をしましょう、ということです
*場所
第三師団シュラーフドルンが駐留する、エルヴィンバルト要塞
倉庫が並ぶ区域です、訓練用の広場が隣接しています
倉庫に入るとか、兵舎などに入るといったような行動があると師団兵に怒られますのでご注意を
(ここから下は、行動の参考資料としてどうぞ)
*道具
雪かきや雪遊びに必要そうな一般的な道具はあるとします
ただしリアルブルーの高度な技術の品はありません
*提供されるおやつ(軽食扱い?)
さつま芋ポタージュ、芋ニョッキ入り
塩で味をつけたものと、砂糖で甘味を強化したものの二種類です(見た目は同じ)
字数の短いメニュー名の案があれば喜んで採用します
*NPC状況
基本的に背景ですが、お声がけ頂くと登場します
今回は第三師団兵のみ
過去に登場した者も指名されれば登場します
こんな人が居たら話したい、等がもしあれば、新たに登場します
カミラ・ゲーベル
第三師団長
依頼主
おやつ作ってる人
テオバルト・デッセル(三十代半ば独身)
モーリッツ・ハウプトマン(四十代後半妻子有)
どちらも第三師団の副長
師団兵の子供達
賑やかしに雪遊びに来ています、十人くらい
皆、6歳~10歳くらいです
*注意
白紙はリプレイに描写できません、ご注意くださいませ
参加したらとりあえず『雪遊び』とでも送信しておきましょう
マスターより
こんにちは、それともこんばんは、石田まきばです。
告知通りの最速ではリリースできませんでした、申し訳ありません。
ここ最近、イベントシナリオは「とりあえず舞台を用意するけど、基本的には自由だよ!」の方式です。
それでも興味を持ってくださる方が居ればうれしい限りです、お待ちしています。
余談ですが、かまくらはただの趣味です。
雪を見る度に作りたくなるのですが、居住地域的に降雪量はあまり多くありません。
なので綺麗な真っ白いものって作れません、大きいって夢があると思います。
それでは、よろしくお願いします。
告知通りの最速ではリリースできませんでした、申し訳ありません。
ここ最近、イベントシナリオは「とりあえず舞台を用意するけど、基本的には自由だよ!」の方式です。
それでも興味を持ってくださる方が居ればうれしい限りです、お待ちしています。
余談ですが、かまくらはただの趣味です。
雪を見る度に作りたくなるのですが、居住地域的に降雪量はあまり多くありません。
なので綺麗な真っ白いものって作れません、大きいって夢があると思います。
それでは、よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/01/29 10:39
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談?雑談?卓 エアルドフリス(ka1856) 人間(クリムゾンウェスト)|30才|男性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2015/04/13 00:38:49 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/01/21 08:02:35 |