• 戦闘

【金糸篇】祈りの時間に欠けるもの

マスター:三田村 薫

このシナリオは5日間納期が延長されています。

シナリオ形態
シリーズ(続編)

関連ユニオン
魔術師協会広報室

難易度
やや難しい
オプション
  • relation
参加費
1,300
参加人数
現在5人 / 3~5人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2019/06/22 12:00
リプレイ完成予定
2019/07/06 12:00

オープニング

※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。


「そうなの……すごく素敵な司祭様だって聞いてね、私、一度お話してみたいんだけど恥ずかしくて」
 と、茶髪の少女ははにかんで黄色いワンピースの裾を握った。隣に座っている少年は少し緊張しているようだ。通りかかる大人たちは、気のある女の子から恋愛の相談を受けている、ように見えて微笑ましかったかもしれない。
「そうなんだ。アルトゥーロ司祭さんはとっても優しいよ」
 少年は言った。
「体の大きな人だけどね」
「くまさんみたいな人?」
「くまはあんなにのんびりしてないと思うなぁ」
 すこしぎこちない笑みを浮かべる。
「いつだったらお忙しくないのかしら?」
「うーん、どうだろう。聞いてきてあげようか?」
「うん! お願いするわ。あ、でも、私のことは内緒にしてね?」
「どうして?」
「は、恥ずかしいわ……」
 もじもじと裾をいじり回す彼女は、素敵な司祭様に一目お会いしたい少女の姿そのもの。
 その指が、固く冷たい陶器の様な質感であることを、彼は指摘しなかった。


 嫉妬歪虚アウグスタは次の狙いを再度、司祭アルトゥーロに定めていた。どうも、あの人は私のことを知っているらしい。もしかして、からくり屋敷で落とされたのも、あの人の入れ知恵なんじゃないの。
 だとしたら、もう二度とおしゃべりできないようにしないといけない。
 ということで、彼女は「アルトゥーロ司祭に憧れる隣町の少女」を装って情報収集を始めた。以前アルトゥーロを襲撃した時に人に見られた可能性はあるが、全員ではないだろうし、目撃者は蜘蛛に気を取られているだろうから、少女歪虚の姿までは覚えていないに違いない。人間なんて簡単に騙されるんだから。そう思って、彼女は真面目そうな少年を見付けてアルトゥーロを殺せそうな時間や状況を調べた。
 ちなみに、この「隣町」というのは、別件で滅多刺しにした司祭がいる町である。
(ちょっとヘンリーに似てるからちょろそう)
 以前たぶらかそうとした背の高い少年に似ていた。とはいえ、最終的にそのヘンリーにすら裏切られたのだが都合の悪いことは忘れている。
 ヘンリー二号から聞き出した情報を総合して、アウグスタは襲撃の日を定めた。町が寝静まった真夜中。司祭がお祈りをすると言う時間帯。聖堂にこっそりと忍び込む。前は、おじいさまと慕う嫉妬王から情報提供を受けた風変わりな歪虚で殺そうと目論んだのだが、もうまだるっこいことは無しだ。鞭で絞め殺す。

 外に大蜘蛛と複数の小蜘蛛を待機させ、自分は三匹の小蜘蛛を連れて聖堂にそっと入り込む。

 祭壇の前には、背の高い、法衣を来た人物が、頭巾を被って祈りを捧げている。

「この世のお別れよ、司祭様」
 アウグスタは顎を引く。
「お祈りの時間ならあげるわ」

 その人は振り返った。


「そうですか。ありがとうグイド。もう少し手伝って下さい」
 アルトゥーロが手を握って眉を寄せると、ヘンリー二号……アウグスタが情報を引き出す相手として選んだ少年、グイドは、真っ青になりながら頷いた。
「君を危険な目に遭わせているのは重々承知ですが、僕を殺せると確信すれば、もう君にちょっかいはかけないはずです」
「そ、それは良いんですけど……」
 グイドは司祭の手を握り返した。
「アルトゥーロ司祭さんは、もう殺されたりしませんよね? この前みたいに死にかけたりしませんよね?」
「ええ、大丈夫でしょう。今回はいつ来るか予想は付きます。彼女を追い掛けているハンターさんたちと待ち伏せしますよ」
「絶対生きて帰って来て下さいね?」
「はい。約束します」

 グイドはアウグスタのことにすぐ気付いた。陶器の肌をした、黄色いワンピースの少女。そう聞いていたから、機転を利かせてすぐにアウグスタの話を切り上げた。それから司祭に相談した、と言うわけだ。
「グイド、頼まれてくれませんか?」
 アルトゥーロは一か八かの賭けに出た。また自分の周りに現れたと言うことは、自分を殺しに来るはずだ。だったら、時間と場所をこちらで誘導してしまえば良い。
 そして、グイドにその情報を流させたというわけだ。

「どうするんですか? 迎え撃つんですか?」
 と、尋ねるのは友人のヴィルジーリオ(kz0278)だ。
「うん……迎え撃とう。今、アウグスタを追い掛けてるハンターさんたちがいるよね。彼らにも助力を頼む」
「私も手伝いましょう。どうも、私の町から来たと言っているようですし。ふてぶてしいですね」
「良いのかい?」
「ええ、もちろん」
 そして彼らは、現在アウグスタ関連事件を追っているハンターたちにこの話をした。そして言った。助けて欲しい、と。
「この時間、聖堂に僕が一人でいると思っています。待ち伏せすればやってくる筈」

 その情報を得て、ハンターたちは聖堂で待ち伏せすることになったのであった。

解説

●目的
アウグスタの破壊

●敵情報(カッコ内は戦闘場所)
アウグスタ(聖堂内)
鞭が主武器(射程1~2)。闘狩人で言うソウルエッジ的なスキルが確認されている。戦闘スタイルはパワータイプ。
抵抗が高め。
また指笛などでどこからともなく別の蜘蛛を呼びつけることもある。

小蜘蛛(聖堂内・外)
アウグスタのお供は3体。外には100くらい。
小型犬サイズのブリキの蜘蛛。

大蜘蛛(聖堂外)
1体。サイズ2の大型蜘蛛。突進、脚での殴打、噛みつきの攻撃を行なう。
糸を吐くことによる行動阻害(サブ行動・強度3)、噛み付く事による毒(メイン行動・強度3)。
命中、回避、攻撃力がいつもより高め。
アウグスタの怒声を聞きつけると聖堂の中に入ろうとして建物に突進してくる。

●聖堂について
広さは12×7スクエア。高さ12.5キューブ。演壇に向かって右に居住スペースとの扉がある。
大蜘蛛からの突進を3回受けると入り口が損傷する。

●おまけ
身長170センチ以上のPCであればアルトゥーロのふりをすることが可能。
アルトゥーロは身長185センチ体重80キロの筋肉質体型だが、アウグスタは170以上で法衣を来ていれば思い込む。
入れ替わるPCは装備の上から法衣、頭巾を被ることになる。

●NPC
アルトゥーロ(聖・聖堂内)
アウグスタのことは最近まで忘れていたくらいなので過剰な思い入れはない。だが該当事件の生き残りとして決着はつけないといけないとは思っている。
スキル:プロテクション、レクイエム、フルリカバリー、ファーストエイド

ヴィルジーリオ(魔・聖堂外)
アルトゥーロの友人として。彼を助けたいのはもちろんだが自分との因縁も浅くはない。
シナリオ開始時点では聖堂の屋根の上から大蜘蛛の足止めを行なう。
スキル:ファイアーボール、ウィンドガスト、マジックフライト、グラビディフォール(強度2)

マスターより

こんにちは三田村です。
金糸篇も残りわずか。ここから大暴れパートになりますので思う存分暴れて下さい。
アルトゥーロの受傷具合は成功度に影響しますがヴィルジーリオの方は影響しません。
アウグスタを破壊するのに特別なことはいりません。今回のシナリオに限っては、命中部位やダメージ量によって損傷の度合いを判定します。
外と中に敵がいるので、合流させてしまうのも一つの手かもしれません。
今回もよろしくお願いします。

関連NPC

  • 石割の娘
    アウグスタ(kz0275
    歪虚|8才|女性|歪虚(ヴォイド)
  • 薔薇と眠る
    ヴィルジーリオ(kz0278
    人間(クリムゾンウェスト)|29才|男性|魔術師(マギステル)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2019/07/02 01:14

参加者一覧

  • THE "MAGE"
    フワ ハヤテ(ka0004
    エルフ|26才|男性|魔術師
  • 金糸篇読了
    イリアス(ka0789
    エルフ|19才|女性|猟撃士
  • 乙女の護り
    レイア・アローネ(ka4082
    人間(紅)|24才|女性|闘狩人
  • 死者へ捧ぐ楽しき祈り
    レオン(ka5108
    人間(紅)|16才|男性|闘狩人

  • 鞍馬 真(ka5819
    人間(蒼)|22才|男性|闘狩人
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
鞍馬 真(ka5819
人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2019/06/21 19:55:41
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/06/18 03:36:25